非リレー型バトルロワイアル @ ウィキ内検索 / 「忍び寄るもの」で検索した結果

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  • 忍び寄るもの
    31話 忍び寄るもの 「ここは……役場か」 白衣姿の男、宮田司郎は白髪に猫耳、猫の尻尾を生やした少女と交戦した後、 市街地を歩いた末にエリアE-6にある島役場に来ていた。 駐車場には何台か車が停められているが、人の気配は無い。 右手に自動拳銃シグザウアーP226を持って警戒しながら入口の扉を開ける。 妙にひんやりとした空気が宮田の身体を包んだ。 受付のカウンター、奥にあるオフィス、待合所、トイレ。 いかにも田舎の小さな街役場といった風情だ。 「誰か隠れているかもな」 それなりに広い建物なので、他の参加者が隠れている可能性はある。 また、隠れていなくとも、地図にも表示され比較的目立ち易い建物なので、 これから誰か尋ねてくる事も十分にあり得る。 とにかく、建物内を探索し、誰かいないか確認するべきだろう。 宮田はカウンターを通り過ぎ、オ...
  • テトは犠牲になったのだ……。
    ...まらない 時系列順 忍び寄るもの もうどうにも止まらない 投下順 忍び寄るもの ある日森の中 テト 死亡 Loose 費覧 女狐と狼
  • 珈琲屋に寄って一休み極めたら
    ...ます。 忍び寄るもの 時系列順 一応脱出のための努力もしています 忍び寄るもの 投下順 一応脱出のための努力もしています もしも弟子五郎と狼獣人の少女 弟子五郎 如何なる事が待ち受けてようと もしも弟子五郎と狼獣人の少女 エルフィ 如何なる事が待ち受けてようと It leaves the stage. 藤堂リフィア 死亡 医者と猫 シルヴィア 死亡
  • 俺得ロワ2nd本編SS目次・投下順
    ...テト、費覧 031 忍び寄るもの 宮田司郎、姫路礼華 032 珈琲屋に寄って一休み極めたら 弟子五郎、エルフィ、藤堂リフィア、シルヴィア 033 一応脱出のための努力もしています 森井俊政、永倉萌 034 足軽の如く 勤武尚晶、ブライアン、聖徳太子 035 The future 小野妹子、女遊び人、フラウ 036 過ちを過ちにしたくないのが僕らだろう ムシャ、新藤真紀、ダーエロ 037 Though it is not a real intention 浅井きらら、シクルゥ 038 集え、学び舎に 東風谷早苗、アルベルト、女賢者、レックス、鈴仙・優曇華院・イナバ 039 勇気を出せばきっと何かが変わる ブライアン、聖徳太子 040 男は愛する人のために、女は己のために ダーエロ、エロリア 041 自重しない狼君 アルベルト、東風谷早苗、女賢者、レックス、鈴仙・優曇華院・イナバ 042...
  • 忍び寄る気づかぬ恐怖
    (……食料はこんくらいでいいな) あの廃屋みたいな所を出て、結構経っただろうか。 俺は、予定通りになんとか食料の確保に成功していた。 食料と言っても、菓子パンやらペットボトルの飲み物程度の物だが。 あまりにも平凡で、変わり映えのしないような物だが、今はありがたい。 もしかしたら、この内どれかが『最後の晩餐』になるかもしれないし。 (……ちょいと、腹ごしらえしとくか) 辺りを警戒しながら、物陰に身を隠す。 その後、適当にパンと飲み物を取り出して、早速ひと口。 ……口に広がる甘さと、プチプチとした触感。どうやらあんパンだったようだ。 未だ交戦はしていないが、少々疲れて来た体に、この甘さは嬉しい。 続いて、ペットボトルの封を切りぐいっと煽る。 ……緑茶か。この渋みも、今はありがたい。 (……あんま味わってる暇ねぇな) 手早くあんパンを緑茶...
  • 俺得ロワ2nd本編SS目次・時系列順
    ...テト、費覧 031 忍び寄るもの 宮田司郎、姫路礼華 032 珈琲屋に寄って一休み極めたら 弟子五郎、エルフィ、藤堂リフィア、シルヴィア 033 一応脱出のための努力もしています 森井俊政、永倉萌 034 足軽の如く 勤武尚晶、ブライアン、聖徳太子 035 The future 小野妹子、女遊び人、フラウ 036 過ちを過ちにしたくないのが僕らだろう ムシャ、新藤真紀、ダーエロ 037 Though it is not a real intention 浅井きらら、シクルゥ 038 集え、学び舎に 東風谷早苗、アルベルト、女賢者、レックス、鈴仙・優曇華院・イナバ 【昼】 No. タイトル 登場人物 039 勇気を出せばきっと何かが変わる ブライアン、聖徳太子 040 男は愛する人のために、女は己のために ダーエロ、エロリア 041 自重しない狼君 アルベルト、東風谷早苗、女賢者...
  • 如何なる事が待ち受けてようと
    ...事実を知る刻 忍び寄るもの 宮田司郎 侍、狼少女、医者、幕間 忍び寄るもの 姫路礼華 死亡 珈琲屋に寄って一休み極めたら 弟子五郎 侍、狼少女、医者、幕間 珈琲屋に寄って一休み極めたら エルフィ 侍、狼少女、医者、幕間
  • 医者と猫
    ...ーム開始 宮田司郎 忍び寄るもの ゲーム開始 シルヴィア 珈琲屋に寄って一休み極めたら
  • 新・需要無しロワSS目次
    【オープニング】 No. タイトル 登場人物 000 ゲーム・スタート   【深夜】 001 堅い体、脆い心 宮村洋介、被験体01号 002 ウホッ!いい神父 教会育ちのKさん、阿部高和 003 ブラック★コックシューター 被験体02号、日高良司、探検隊◆mkzhpRgp3Y 004 冷静と不安 篠原惇平、おそうじマン 005 THE FALLEN 高橋純一、ジョニー 006 正々堂々 潮田淳一、成田一輝 007 ツミナガラ…と彼は謂ふ Tさんのライバル、藤田茂、三上脩 008 CALAMITY PHOENIX ネイキッド・スネーク、YOU、永井頼人 009 神のみぞ知る先へ 被験体04号、507 010 ライオン嫌い 大岡真座衛門国近、被験体00号 011 PARANOiA -Respect- 被験体03号 012 おまいら、俺の日常が滅茶苦茶かもしれん 阿部倉司、俺◆.tSNa...
  • ちょっと危ないケモ竜娘
    ...ーム開始 姫路礼華 忍び寄るもの ゲーム開始 倉敷静美 死亡
  • 導きの先にあるもの
    83話 導きの先にあるもの 放送終了後、ドーラは神妙な面持ちで名簿を眺めていた。 新たに18人の名前が消された参加者名簿。 その中には、自分の上司の元愛人のウルフリングの女、シェリーの名前もあった。 別に悲しいという訳ではなかったが、上司――アインはどう思うのだろうと、少し気になった。 また、ガーゴイルやアレックスの知り合いの名前も呼ばれていた。 「ゴメス、五世まで……」 仲間として行動していたジンと石川昭武の二人。 しばしば自分や大勢の人の尻を掘り大惨事を巻き起こしたが、 豪放かつ実直で人望は厚かった髭面の海賊ゴメス。 魔王軍四天王の一人で、死神である死神五世。 新たな死者の中にその名前を呼ばれ、アレックスは再び悲しみに暮れる。 これで現在まで生き残っている知り合いは五世と同じ魔王軍四天王の一人、ムシャのみ。 数時間前に会った時、錯乱状態に見...
  • 追うもの追われるもの
    ここはご存知萌え立つ 渦越しの 碧野。 今は戯言遣いは立ち去り、シキと愛花がここに残っている。 時間的に後放送まで30分というところまで来ていた。 「んー。ネクはまだかなぁ」 「まぁ気長に待っておけばいんじゃない」 シキと愛花はこれといって目的も無くうろうろしていた。 ちなみにネクたちは既にこのエリアに到着はしている。 しかし、シキ、愛花たちがあまりに動き過ぎたため見つけるまでに至っていなかった。 だけど惜しくも時間切れ。 全ては遅かった。彼達は遊び過ぎたようだ。 「フハハッハハh―――ハハ。ラジ、アンど、も、虚す。うにしてやる!!!」 後ろの方から声が響く。 「―――えっ…」 愛花の心臓をエネルギー弾が貫く。 愛花は即死。 シキは慌てて振り向くが、それも無意味だった。 「て、めぇもだ!!」 それはシキを貫い...
  • 『すくわれるもの』
    桂木桂馬と浅上藤乃の逃走劇は、続いていた。 人間は窮地に立たされるとありえない力を発揮する。火事場の馬鹿力とはよく言ったものだ。桂馬はすでに自らの体力の限界を超えながらも、藤乃の腕を引いた。 背後から迫る英雄王の足音。 聞こえはしなかったが、確かに感じられる。あの威圧感を。 「もう終わりか?我を退屈させるでないぞ雑種」 当たっていた。足元に降り注ぐ剣の雨がそれを証明していた。 くそっ!と桂馬はディパックからデリンジャーを取り出し、闇雲にギルガメッシュに発砲した。しかし、その鎧を少し凹ませる程度しかできない。 英雄王の余裕は崩れない。 まるで、藤乃を守ろうとする桂馬を踏みにじるように。 「さあ、出番だぞーーーー『朋友(エア)』よ」 エア。ギルガメッシュ最強の宝具が現れ、切っ先が桂馬に向けられた。 桂馬は一歩も退かずにデリンジャーを構えている。ギル...
  • 猪狩守のパーフェクト天才教室
    18話 猪狩守のパーフェクト天才教室 ここはD-1 ここで二人の男女が話していた 新選組のパシリ役山崎退と ペルソナという力を持った里中千枝 二人は話していた 「えーと、ここからどうします?」 「うーんまあ、とりあえずさ」 「ん?」 山崎が剣をとり笑顔で 「死んでください」 山崎が切りかかる 「え?ちょちょタンマ!待って!」 里中は後退して 「仕方ない…ペルソナ!」 召喚したのは槍をもった戦人 すると山崎に氷がまとった 「ぐわああああああああああ!!!」 山崎の膝が付く 「貴様ぁなめやがって…」 「上等よ!来なさい!」 二人が近付き交錯し合う…と思ったが そこに楕円形の丸いものが来た 「手榴弾!?」 しかし...
  • 不意討ちは時々高難易度
    10話 不意討ちは時々高難易度 切り立った、高さ十数メートルはあろうかという断崖絶壁。 崖の下は尖った岩が幾つもあり、落下でもすればほぼ確実に死ぬ。 自殺志願者でも自殺を躊躇ってしまいそうな恐ろしい光景。 そんな危険な崖下を覗き込む一人の狐獣人の女性――ドーラ・システィールがいた。 「落ちたら即死だねぇこりゃ」 幾多の死線をくぐってきたスナイパーである彼女でも、 崖の高さと崖下の状況を見ると少し怖気付いてしまう。 そんなドーラの背後から、足音を殺して忍び寄る影があった。 その影はドーラの背中まであと数メートルの所まで迫ると、 両手を前に就き出すような体勢を取る。 そして、一気にドーラの背中を押し――。 「…れっ?」 押せなかった。 ドーラが直前でひらりとかわしたためだ。 そしてその勢いのまま、崖の方向へ。 影――青い...
  • 【うたわれるもの】
    【ハクオロ】 002 神と悪魔 【エルルゥ】 [[]] 【アルルゥ】 000 祭りが始まる時 006 少女の痕 【トウカ】 [[]] 【ユズハ】 [[]] 【ゲンジマル】 [[]]
  • おつかれさま
    ――――何が起こっているのか分からない。 だが……間違い無く、これは、自分にとって大きなチャンスだ。 殺し合いと言う場では、恐怖に怯え正常な思考ができなくなる人間が出てくるだろう。 その混乱している精神につけこめば、スレの時の手順を、幾つか飛ばせるかも。 (一応、銃はありますが……まあ、誰もいないなら、これで直接、手を下すのも――――) 変に目立たないように。誰にも、怪しまれないように。 上手く、立ち回る必要がある…………特に、自分の場合は。 自分のやろうとしている事――――呪いの儀式を、他の人間に知られてはならない。 誰かに知られては困るのだ。知られれば、まず信用されなくなる。 相手によっては、その場で殺されかねない。 それだけは、避けなければならない。 死んでしまっては、元も子もないのだから。 (しかし……人っ子一人いませんね) 水門を...
  • 冷静と不安
    急に、意識が元に戻る。スッ、と半身を起こして、辺りの様子を伺う……。 どうやら、どこかの屋上らしい。地面は汚れていて、所々に草が生えて、柵は錆だらけだ。 おそらく、廃墟かそれに近い物なのだろう。あまり体が汚れるのも好きではないので、すぐに立ち上がる。 体を軽くはたいて、自分の今の状況を整理する。 (殺し合いと言う事は……合法的に人を殺れると言う事だな。ありがたい) 人を殺すと言う事は、すなわち警察に追われることにも繋がる。捕まってしまっては元も子も無い。 しかし、ここにはそれがない。つまり、何の気兼ねも無く人を殺めることができると言う訳だ。 そうなるとまず必要なのが、武器になる物だ。素手でも人を殺せない訳ではないが、反撃される等のリスクがある。 できるだけリスクは押さえなければ、話にならない。その為に欲しい武器は、銃だ。これなら遠方から攻撃出来る。 上手く使え...
  • 4人の意思と1つの謎
    「……落ち着いた?」 「何とかな……まだ、ちょっと怪しいが……」 結局、落ち着くまで結構かかった。 あの後、「この店には何も無い」と言うことで、喫茶店に移動した。 と言うか、何も無いのは俺が確認したんだけどなぁ。まあいいけど……。 まぁ、ここの方が飲み物とかありそうだから、結果オーライだが。 「……さて。アンタが何者なのか、聞かせてくれ」 「俺は……ジョニーだ。冷戦が始まる前は、アメリカに住んでたんだが……ここに来る前はソ連にいたよ」 「冷戦? 何言ってるんだ……冷戦が終わってから、ウン十年と経つぞ……それに、もうソ連なんてない」 「何だって?」 「いや、だから…………まあ、そのことについては、また後で。それで、他に何か無いか?」 「ああ……俺は、ソ連で独房の看守をやっててな……そこで、スネークって奴と出会ってさ……。  いい奴だったよ。あいつにあげた食...
  • ウホッ!いい神父
    「……困ったことになりましたね」 薄暗い船内の中の、限られた明るい場所の中に、自分はいた。 一体、ここはどこなのか。そして、自分は何故こんなところに連れてこられているのか。 それに、あの白石と名乗った男の事。あの男が、何か重要なことを知っていそうな気がするのだが……。 奴がどこにいるか分からない以上、この事を聞きだすこともできない。 (あの男の事は一旦置いておいて、荷物を改めてみましょうか) あの男の言うことに偽りがなければ、このバッグの中には携帯電話・メモと筆記用具・懐中電灯……。 それと、「ランダム支給品」なる物が入っているはずだ。このランダム支給品と言う物が、一番想像がつきにくい。 あの男は「殺し合いをしてもらう」と言った……と言う事は、このランダム支給品は「武器」である可能性が高い。 (私は殺しあう気なんてさらさらありませんが、中には殺し合...
  • 錆付いた歯車
    15話「錆付いた歯車」 推理小説作家である壮年の紳士、アルソンズ・ベイルは憤慨していた。 やっと原稿を口うるさい担当編集者に渡し、久方振りの休息の時を迎えようとしていたと言うのに、 気がついたらセイファートと名乗る狼獣人の女性が主催する殺し合いの参加者になっていた。 「ふざけおって! こっちはせっかくの休日を楽しもうと思っていたと言うのに、 何が殺し合いだ! 何様のつもりなんだ、あのセイファートとか言う女は!」 H-5の森林地帯を怒り心頭の様子で愚痴をこぼしながら歩くアルソンズ。 右手には自分のランダム支給品であるリボルバー拳銃、左手には明るく周囲を照らし出すランタンが握られている。 「しかもスタート地点はこんな森の中か! 暗くてこのランタン無しではほとんど視界が利かんわ! その上食糧はペットボトル入りの水二本とコッペパンだと、ふざけておる! 大...
  • そして狐は忍び込む
    42話 そして狐は忍び込む 座礁客船乗船用タラップの所で眼鏡少年・野比のび太とバニーガール・神山アキナは、 先刻行った拡声器による不戦の呼び掛けに応じて集まった二人の参加者を迎えていた。 一人は黒髪ツインテールに、黒いビキニ、その上に紺色のマントを羽織った、 のび太にとってはバニーガールであるアキナと並ぶ刺激的コスチューム姿の死神五世。 もう一人は黄色い狐の頭と毛皮を持った、狐獣人の少女のミーウ。 「死神五世さんにミーウさん、ですよね。 僕の呼び掛けに応じてくれてありがとうございます」 まずのび太が二人に礼を述べる。 横でアキナがのび太に続いて頭を下げた。 「いいけどな…あんな大声出してたら自殺行為だぞ。 以後はあんな軽率な行為は控えるべきだ」 「まぁまぁいいじゃない。殺し合いに乗ってない人が集まったんだし。 あたしと、えーと、死神五世さ...

  • 「………何とか………逃げ切れたっぽいですね………」 「…………はぁ………はぁ………そう、だな…………」 自分も速水さんも、お互いに息を切らしている。無理もない、ずっと走り続けていたのだから……。 正確な距離は分からないが、かなりの距離があったはずだ。 その上、速水さんはWYG氏を背負って走っていたのだから、自分以上に疲れているだろう。 長時間の休憩を挟みでもしないと、今後の行動に支障が出てしまう可能性が出てきてしまう。 「………中、入りませんか?外より、良いと思います」 「そうしよう……」 ふらつく足をなんとか動かし、建物の中に入っていく……と同時に、鼻をつく異臭。 生で嗅いだことはあまりないが、これは間違い無く血の臭い。 もしかしなくても、この中で誰かが殺されてしまったのは間違い無い。その人が、誰かは分からないけれど……。 しかし、もしその人を見つ...
  • 紅麗の望むもの
    紅麗。 彼は今、火竜を従わせるべく試験を行っていた。 だがしかしなかなか難しい話ではあった。 崩。彼女は心優しい火竜。残虐な性格である紅麗とは馬があわないのは無理もない。 砕羽。彼もまた優しき竜であるが故に従えないのであろう。 焔群。彼のやり方を気に入らない彼には紅麗に従うなんて論外であろう。 刹那。彼と紅麗は似た者通しであるが、元より孤独を生きる彼を従わせるのは難しい。 円。元々尊大な性格の彼を肯かせるのもまた難しい。 塁。少なからず烈火を気にいっていた彼女。その烈火を殺した紅麗を許せるとは思えない。 虚空。何をするのかわからない紅麗に自身の強大なる力を与えるのを彼は恐れていた。 裂神。その姿を紅麗はまだ見ていない。 そして。 「なんつーかあれだよな。変な感じだな。 自分を殺した奴とこんな堂々と対面するっていうのも」 烈火。かれは今紅麗と対面してい...
  • 変態、狂喜乱舞
    「何あれ何あれ何あれえええええ!!」 小林あかねは、必死に逃げていた。 何故彼女は逃げているのか?そして何から逃げているのか? それを語るには、少し時間を戻さなくてはならない。 では、小林が目覚めたところまで少し時間を戻そう。 「いったいなんなのこれ…?」 目の前で起きた惨劇。 それに小林の頭はしばし固まってしまっていた。 頬をつねった時に感じた痛みは、これが確かに現実である事を示していた。 その事実に、小林は背筋が凍る思いをした。 とはいえ、常日頃からアルバイト(とても一般女子高生がやるようなものじゃないものも多々ある)をこなしていた彼女は出来る限り冷静になろうとしていた。 「みかセンセ、北川、工藤…おやじまでいるのね。なんで私までここにいんのよ!」 成績優秀な北川達三人に比べると、小林はお世辞にも成績が良いとは言えない。 そんな彼女が脱出...
  • 闇に舞い降りた天才医師
    中世ヨーロッパの宮殿を思わせる、巨大な石造りの建物は、近隣を囲む遊園地のアトラクションから流れる軽快な音楽に晒され、さながら某有名テーマパークのシンボルがごとき存在感を放っている。 しかし正確には煉瓦を模して造られただけの安っぽいコンクリートの外観は、見るものが見れば胡散臭い雰囲気を感じ取る――そんなものの前で佇むのは、継ぎ接ぎだらけの顔に深き悲哀の色を滲ませる黒衣の男、ブラック・ジャックであった。 「……なんて惨いことを」 奇跡の天才外科医と謳われる彼にとって、人の死などそれこそ日常茶飯事である。 中東における内紛の最中に行われた野外手術の際など、彼の腕をもってしても尚救うことのできなかった命がごまんとあった。それは手の施しようのない、いわば運命とも言うべき死である。 しかし、先の女の死は本当に運命だったのだろうか――ブラック・ジャックは静かに自問する。 答えは否...
  • 蘇る翼
     かさかさ――という足音が、森の闇から歩み寄る。  新緑と茶色い幹をくぐって、平野へと姿を現したのは、森の獣ではなく人の少女だ。  宵に映える紅髪は、さながら獅子のたてがみのように、風を受け堂々とたなびいていた。 「……どうしたもんかね」  いまいち緊張感に欠ける声で、少女がため息と共に呟く。  きらびやかなステージ衣装と相まって、この実験場に放り出されたにしては、あまりにもアンバランスな様子を示していた。  少女の名は、天羽奏。  当時人気絶頂を極めていた、アイドルデュオ・ツヴァイウィングの片割れである。  そして本来ならば彼女は、既にこの世にはいるはずのない存在でもあった。  享年17歳――彼女は今から2年前に、命を落としていたはずだったのである。 (あたしは確かに、さっき死んだはずだったんだけどな……)  ぎゅ、と己が身を右腕で抱く。  風鳴翼の感触は、辛うじ...
  • 神と悪魔
    (いったい、何がどうなっている…?) そこには一人の男が佇んでいた。 和風の着物に肩までギリギリ届かない程度まで伸ばしてある黒髪までならまだ許容範囲内だろうが、男の付けている鬼の頭部を模したかの様な仮面が完全に場違い感を放っていた。 彼の名はハクオロ。 ある世界において、一つの国の皇を勤めており、またその世界の神とも呼べる存在だった男がそこにいた。 だが今彼の表情にあるのは狼狽と焦りのみで、本来持ちえている威厳はなりを潜めていただった。 (私は確かにあの時封印された筈。 それに、その時に外れたはずの仮面までまた付いている…いったいこれは…) そう思案し、自分の顔、正確には、自分の顔に付き剥がせない仮面へと手を当てる。 ハクオロは戦いの元凶である自らを封印させることにより、世界の争いの種の一つを消し去った筈、だった。 最期の瞬間エルルゥの子...
  • 反転少女
    03◆反転少女  こんにちは、が正しいのかもわからない、薄曇りの空の下。  たくさんの車が並ぶ駐車場の一角に、気が付いたらわたしは立っていました。  並ぶ車は赤、青、白、黒、カラーリングに富んでお花畑のようです。  わたしはいつのまにか、わたしが通う中学の学生服たる、セーラー服を身に着けていました。  セーラー服はいつもわたしが着ているもので、どうやら拉致されている時に着替えさせられたようです。  あまり考えていくと羞恥心が生まれるのでできれば考えたくはないですが、  ちら、と胸に手を入れて覗いてみると下着も替えられているようでした。  ……深く考えないことにします。  ちなみに肩からは運動部の方が持つような、デイパックを下げています。 「それにしても、ずいぶんと乱暴な始め方です」  辺りを見回しながら。  わたしはここには居ないだろう、あの白衣の女性...
  • 腐ってもホテルだし
    7:腐ってもホテルだし 潮風によって、海岸の近くに建てられたホテルは酷く荒廃していた。 海側の窓ガラスは壊滅状態、内部も天井板がカーテンのように垂れ下がる、 床は細かい瓦礫で埋め尽くされている、コンクリートの壁も至る所がひび割れ黒ずんでいるなど、 営業していた当時を思い出させるような物は皆無に等しい。 最上階の三階部分にあるレセプションエリア跡で、黒髪の美少女が自分の支給品を確認していた。 「剣鉈…使えそうかな」 ランダム支給品らしき剣鉈を取り出し、装備する少女――ローネ。 外見は普通の人間の少女だが、その正体はサキュバス。 自分の世界の人間に飽きた彼女は現代日本風異世界国家に忍び込み、偽名を使って男漁りをしていたのだが、 その途中で拉致され殺し合いに参加させられた。 「何だってこんな事に…荒事は嫌いなのに…首輪…どうにかしたい」 ...
  • 仁無き男
    街路樹の並ぶ道を歩く影が1人。猫の様なマスクと、豊かな体のラインを強調させるピッタリとした灰色のボディスーツに身を包んだ妖艶な女性の名はキャットウーマン。ゴッサムにその名を轟かす怪盗である。 殺人を犯さない事を信条としている彼女は、この殺し合いに乗ることを当然のように拒否していた。 だがそんな彼女の枷となっているのが、彼女の首にもつけられている首輪だ。 この首輪が存在する以上、自分の命は主催者の意のままである。彼女は猫でもあっても飼い猫ではないのだ、自分の首輪を指でなぞり、その端正な顔を怒りに歪ませる。 (リドラーがここに呼ばれている以上、彼がこの首輪を外すことに興味を持つ可能性が高い、接触する価値はある。バットマンは人殺しはしないから信用できる。 トゥーフェイスはコイントスっていう不確定要素がある以上あまり信用はできない。ジョーカーはこの場でもバットマンを殺す準...
  • ひとりでできるもん
    14話 ひとりでできるもん 赤色の毛皮の狐獣人に、角と蝙蝠のような翼、毛皮に覆われた長い尾を付けたような 外見の雌の獣竜、姫路礼華は、G-3エリアの平瀬村分校の保健室跡で、 ベッドの上で悶えていた。 「や、あああ……んっ、んっ、ううう」 恍惚の表情で涎を垂らしながら喘ぐ礼華。 うつ伏せになり尻を高く突き出すような格好で、右手を股の下から、 尻尾の付け根の部分に差し入れるようにして、その手をしきりに動かしている。 「うっ……も、もう……ああっ……!」 ビクビクと身体を震わせながら、思い切り身体を反らし、礼華は果てた。 「ふぅ……気持ち良かった」 絶頂の余韻から覚めた礼華は適当に拾った布で後始末を澄ませ、 そしてそこからかなりの長さと太さを誇る――張り型を引き抜き、 それもしっかり布で拭く。 「さて、一旦このくら...
  • 幾つもの苦しみの先に――――
    50:幾つもの苦しみの先に―――― 学校のとある部屋は、遺体安置所になっていた。 白いシーツをかけられた遺体達。部屋には死臭が漂い始めている。 「……」 葉月は、めくられたシーツの下の黒い狼の死体をぼーっと眺め続けていた。 ついさっきまで、生きていたのに。 ついさっきまで、自分を愛してくれていたのに。 今はただの冷たい屍だと言う現実を、葉月は自分なりに受け止めようとしていたが、上手く行かなかった。 「神様って酷い……折角会えたのに……レックス……」 レックスの死体を撫でる葉月。 まだ微かに温もりが残っていたが、やがて完全に冷たくなるであろう。 なぜか涙は出なかった。余りの出来事にショックを受け過ぎているのだろうかと葉月は思った。 「稲垣、さん…」 「ああ、xR君……」 部屋に◆xR8DbSLW.wが訪れる。 レックスの...
  • さっさと調べろと言うのは無粋、無粋。
    41話 さっさと調べろと言うのは無粋、無粋。 戸高綾瀬は、病院の院長室の窓を開け、中の様子を窺った。 動く影がない事を確かめると、綾瀬は窓枠を跨ぎ、院長室の中へ侵入した。 スカートの腰にボウイナイフを差し込み、抜き足差し足で廊下へ続く扉に近付く。 「……」 扉を少しだけ開き、今度は廊下の様子を窺う。 動く影はない。代わりに、オレンジ髪のサキュバスの死体が床に転がっていた。 「よし…」 扉を開け、廊下に出てサキュバスの死体に近付く綾瀬。 その視線の先にあるものはサキュバスの首にはめられた首輪。 綾瀬の目的は、この首輪だった。 数十分前、病院において参加者同士の戦闘があった。 一人は今、病院廊下で屍となっているサキュバス。 そしてもう一人は学生服姿の銀髪の少女。勝敗は――言うまでもない。 綾瀬は病院院長室から、戦闘後の両名の姿を...
  • 剣士と女剣士と眠り姫
    「殺し合い、ねえ……」  男は殺し合いの場で笑っていた。  楽しむような微笑と、獣のそれのようにギラギラと光る瞳。  その表情からは恐怖などは微塵と読み取れない。  表情の奥にあるのは好戦的な感情だけだ。  男の名はロロノア・ゾロ。  超新鋭海賊団・麦わらの一味が戦闘員。  一億二千万ベリーの賞金がその首に賭けられた大型ルーキーである。 「へえ、ルフィとコックも連れてこられてんのか。まあ、あいつ等なら大して心配はいらねえか」  その手に握られているのは、殺し合いの参加者が記載されているタブレット端末。  タブレット端末の使用法は分からなかったが、適当に触っていたら勝手に灯りが灯った。  不思議な物があるもんだと感心しながら端末を見ると、そこには自身の名と二人の仲間の名が記されていた。  二つの名にゾロは少しも心配の念など感じなかった。  モンキー...
  • 声が届いた、届いた人はどう動く?
    27話 声が届いた、届いた人はどう動く? 「潮風は嫌ね…毛皮がベタついて」 海岸沿いの幹線道路を、吹き抜ける潮風をその身に受けながら、 突撃銃――H K G3を携えた狐獣人の少女、ミーウは歩いていた。 数時間前に自分に襲撃を仕掛けてきた緑色の竜を殺害し、 その竜が持っていたG3と水・食糧を奪い取ってから、ミーウは幹線道路を南下していた。 現在の所、まだ他参加者とは遭遇していなかった。 「ん…?」 アスファルトの上を歩くミーウが足を止める。 先端の色が濃い狐の耳がピクピクと動く。 海の方向から聞こえる波の音、反対側の森の方向から聞こえる葉が擦れ合う音、 そして吹き抜ける潮風の音の他に、ミーウの気を引く音が聞こえ始めていたからだ。 『…………のび太と言います! 今、エリアE-1………座礁した船…甲板にい……! この放送を………いる人、も...
  • 神邂逅 -かみがきたりて-
    「黄泉……」  かつん、かつんと靴音を、灰色の段差で鳴らしながら。  ゆらり、ゆらりと灯りを揺らし、少女は静かに独りごちる。  超自然災害対策室所属の少女退魔師――土宮神楽は、ランタンと名簿を携えながら、1人石階段を上っていた。  最初に目についた名前は、自分の姉貴分であった、諫山黄泉という少女だ。  そして現在は、重傷を負い病床に囚われた娘であり、同時にそこから姿を消した、行方知れずの娘でもある。 (ここにいることが分かったのは嬉しいけど……)  恐らくここに書かれているのは、彼女の知る黄泉本人だろう。  諫山という姓も黄泉という名も、どちらもそうそうお目にかかれない、極めて珍しいものだ。  しかしなればこそ、神楽の胸にこみ上げるのは、喜び以上の不安だった。  元々彼女は、何者かによる襲撃を受け、再起不可能な傷を負わされていた身だ。  身体はろくに動かないし、声を発...
  • フラスコの中の人々
    白。真っ白な空間に、人々はいた。 気付けば、そこにいた。 剣の神様と呼ばれる剣豪も、人外の化け物も、何の力を持つわけでもない女子高生も、誰もが誰も気付かぬままに。 何時の間にか、そこにいたのだ。 前後左右、全てが白色に塗り潰された世界に、五十五人の人々がいた。 強い者と弱い者。考える者と考えぬ者。 闘う者と闘わぬ者。争う者と争わぬ者。 多種多様な人々がそこにいて、多種多様な様相で時間を過ごしていた。 あるものは思考を回転させ、あるものは楽しげに笑い、あるものは怯え竦む。 知人を見つけ話しかける者もいる。 異常事態の中での友人との再会に涙を流す者、そんな知人に励ましの声を掛けながら肩を抱く者。 因縁の相手との再会に不穏な空気を流す者、在るはずのない存在に声を無くし呆然と立ち尽くす者。 人々は自由だった。 真っ白な空間に縛られながらも、確かに狭い狭い自由を過ごしていた...
  • 少年の置き土産
    79話 少年の置き土産 「どにもいないな」 「何でかは知らないけど、あのガキ裏から逃げたみたいだねぇ」 ピタゴラスとドーラ・システィールは、保護した眼鏡の少年を寝かせていた部屋に来ていた。 だがそこには眼鏡少年の姿はなく、代わりに開いた窓とベッドの上にノートパソコンが 残されているのみだった。 外に少年を捜しに行っていたエルザ・ウェイバー、久保遼平、ガーゴイル、アレックスの四人が 二人の元に戻り、成果を報告する。 「駄目、いなかった」 「いません」 「右に同じ」 「……いなかったけど、灯台に最近撃ち殺された死体があったよ」 アレックスによれば、ガーゴイルと共に自分がかつてジン達と立ち寄った灯台、 その敷地内に恐らく今から一、二時間以内に殺害されたと思われる男の死体があったとの事。 ――アレックスは死体となっていた男に見覚えがあった...
  • 【現地調達品】
    【行平鍋】 F-4レストランで長谷川泰三が失敬した鍋。 ごく普通の行平鍋。 決してかぶるものではないが、かぶれば頭をガードできる。 【寸胴鍋】 F-4レストランで灰原由起夫が失敬した鍋。 ごく普通の底の深い寸胴鍋。 底が深いのでしっかりかぶれば顔全体をガードできるがそれだと前が見えない。 灰原は浅くかぶっているものと見て下さい。 【鍋のふた】 F-4レストランで灰原と長谷川が失敬した鍋のふた。 ごく普通の鍋のふた。 某国民的RPGの冒険の最初の盾装備品として有名だが、本来盾として使うものではない。 【プラスチックのまな板】 F-4レストランで灰原と長谷川が失敬したまな板。 プラスチック製のごく普通のまな板。 強度はそれほどでもないが、ないよりまし。
  • 崩壊への序曲
    48話 崩壊への序曲 野比のび太、神山アキナ、死神五世、ミーウの四人。 眼鏡の泣き虫少年、バニーガール、水着の上にマントの女、狐娘。 はたから見れば異様という単語がよく似合う一団は、 市街地を目指して海の見える幹線道路の上を歩いていた。 「おい、のび太、大丈夫か? 随分疲れているように見えるぞ」 死神五世が最後尾を歩くのび太に声を掛ける。 眼鏡の少年はすっかり歩き疲れ、足が正に棒のようになっていた。 「も、もう駄目……どこかで、休みましょう、お願いします……」 「何よ体力ないわね~それでも男~?」 ミーウが小馬鹿にしたような口調でのび太に言う。 「やめて下さいミーウさん…のび太君はまだ小学生なんです。 このメンバーの中では一番体力ないんです。勘弁してあげて下さい」 最も多くの時間をのび太と過ごしているアキナがのび太を擁護す...
  • 『魔術師殺し』と『神になった少女』
    D-2エリアの映画館は、つい最近まで営業していたような痕跡がある。 座席に散らばっているポップコーン、残されたままの炭酸飲料、上映終了時のままの映画のフィルムが残されてあるその光景は、あまりにも異質すぎた。 例えば、映画館の映画上映中に乗客全員を『強引に』追い払ったような。 蛍光灯は灯されたまま、無機質な空間を照らしている。 松田桃太は、その光景から発せられる違和感に恐怖していた。 「終わったんじゃ…ないのか……?」 呆然と呟く松田。 松田桃太は人類の歴史史上最悪クラスの凶悪犯『キラ』対策捜査本部の一員である。 本部の中では一番頼りない存在であったし、多少キラに共感してしまうこともあった。 だが、結果的にはキラ――――『夜神月』を糾弾し、その最後の悪足掻きを阻止して見せた。その後に夜神月は味方であった死神に裏切られ、皮肉にも月が悪を『裁く』際に利用していた最悪...
  • 稟の燈と歌うゴスロリ女
    「プリムラ……ごめんな、守れなくて」 木々に囲まれ鬱蒼とした深夜の森。 草木が眠り、静寂な空気が辺りをひんやりとさせる。 その深夜の森にはあまりにもミスマッチ過ぎる異端、ブレザーを着た青年、土見稟はグスグスと泣いていた。 「俺は……何もできなった。ただ家族が無残に殺されるのを見ているだけ。  なんだよ、俺酷すぎるじゃねえか。屑にもほどがあるぜ」 自傷する稟の表情はあまりにもひどく見るに耐えないものだった。 涙と鼻水で顔はぐちゃぐちゃで瞳には意志の光がない。 全てに絶望したかの表情だった。 「俺に生きる価値はあるのか?……なぁ、プリムラ。  俺はもう限界だよ。楽になりたいよ」 返事は帰ってこない。当然だ。プリムラはもうすでに“死んでいる”。 意味が無いのだ。いくら嘆いても、涙を流しても、怒りを顕にしても。 還ってこないものは還ってこない...
  • まもりきれぬもの
    60話 まもりきれぬもの 沖田総悟、佐藤文博、紺野優佳の三人は警察署へ向かった、 土方十四郎とシリウスの帰りを待っていた。 文博が二十二年式村田連発銃を持って外で見張りに付き、 拠点としている会社事務所で総悟と優佳が会話を交わす。 「沖田さんにとって、土方さんってどんな存在ですか?」 「いけ好かねぇ犬の餌マニアって所だなァ」 「い、犬の餌って?」 「あんたも見たろ? あの人は重度のマヨラーなんでィ」 「あ、ああ……そう言う事ですか」 「カツ丼や焼きそばは愚か、ソバやコーヒーにまでマヨネーズを入れやがる。 この間なんか、マヨネーズ工場に見学に行きたいがために、 真選組の隊士全員にマヨネーズを一日五本分消費するよう強制しやがった」 「何て酷いんだ」 「まぁな…だが、信頼は置ける人だ」 「…そうみたいですね」 土方について二人が会話をしている間...
  • 時を待つ、白む空
    41話 時を待つ、白む空 リリアが森屋英太の支給品である拡声器を見て思い付いた事は至極簡単だった。 要するに、市役所にあるテラス――なぜ公の施設にこのようなものがあるのかは 不明だが――から、仲間を集う放送を流そうと考えたのである。 無論、アレックス達に向けてのメッセージも兼ねていた。 (でも、自分で提案しておいて何だけど、これは上等な手段とは言えないのよね) この行動は、殺し合いに乗っている者達に大っぴらに自分の居場所を教えてしまう というリスクが伴う。自分はここにいます、殺しに来て下さいと言っているようなものだ。 だが、この殺し合いの中で危険を冒さずに脱出手段が探せるはずも無い。 (もし、やばそうな人が来たら……戦うか、逃げるか) リリアは方頭大刀と呼ばれる刀、同行者の森屋英太少年は斧を装備している。 どちらも近接武器で、銃を持った...
  • 相生のランデブー/破壊英雄のドグマ
    「……僕は、ダメな男だな」 b-5エリアにて。桂木桂馬は言葉を漏らしていた。 彼と契約した悪魔エルシィと、攻略対象の一人、汐宮栞の名前が呼ばれた。守るべき者たちを守るどころか、会うこともできなかった。 『神様』なんかじゃない。僕はただの偽善者じゃないか。何が落とし神だ、何が地獄の悪魔との契約者だ。何もかもが馬鹿馬鹿しかった。 浅上藤乃。 自分が『助けた』つもりの少女は、今少し仮眠している。 この少女だってどうだっただろうか。本当は、助けてほしくなんてなかったのではないか。胸を張って正しいことをしたとは言えない。 「……藤乃。お前を助けたのも、本当にお前のためになったのかな」 「そうに……決まってるじゃないですか……んん」 藤乃が眠そうに目を擦る。寝ぼけているのかもしれないが、ふらふらと立ち上がって桂馬の方に迫ってくる。まるで『攻略』されるような気分。 ...
  • 八重野 撫子
    すももの幼馴染で、すももからは「ナコちゃん」と呼ばれている。薙刀の訓練を受けており、撫子の名の通り、日本人的でキッパリとした性格。すももとは幼い頃から仲がよく、すももに加害を加えるものは決して許さない。さらに口数が少なく、一言で言えばクーデレ。
  • 結果報告(書)
    45◇結果報告(書) ――第n回 文字能力開発試験 結果報告書―― 執筆:実験番号030 奇々怪々 1.はじめに   本実験はヒトによる文字の解釈能力を開発する目的で、  2010/10/10に行われた実験の結果報告書である。   前回より導入した専用実験場の生成による初期効率およ  び全体効率、時間効率の上昇は今回の実験においても問  題なく確認できた。また、前回実験の優勝者の協力により、  後期においても効率よく実験を進行させることができ、実  験環境下では初の「文字化け」も確認することができた。   以下に詳細資料を示す。 2.実験詳細   文字を与えた十六名の参加者および二名の協力者を極  限状態に置くことにより、文字の解釈能力を深めさせる実験  を行った。実験は実験番号165「無我夢中」の解釈能力を  用いて生成した娯楽施設によ...
  • それは強烈な出会いなの?
    E-5に位置するコテージ、その中に置かれた椅子の一つに高町なのはは腰を下ろしていた。 襲撃を警戒してか明かりは点けず、睨み付けるような視線で暗闇を見る。 その表情は険しく、普段部下に見せる優しげな微笑みはすっかり成りを潜めていた。 暗闇の渦中にて、高町なのは思考する。 ―――つい先程、眼前で行われた虐殺劇。 様々な人物が集められていた部屋に、兵藤と名乗った老人、その口から語られたバトルロワイアルと呼称された『ゲーム』、そして殺害された富竹と呼ばれていた男性。 様々な事象や人物の姿が、なのはの脳裏に浮かんでは消える。 心中を占める感情は後悔。 あの時、富竹という男が殺害されたあの時、自分はただ眺めている事しか出来なかった。 胴体に巻き付けられたバインドに拘束され、自分は立ち上がる事すら出来なかった。 眼前で無力な一般人を死なせたという事実が、高町なのはに大きな...
  • わしは全宇宙でもっとも押されたい存在なのじゃ
    海沿いの路上に、一人の男が立っていた。 見た目から察せられる年齢は、そこそこ高め。超高級とまではいかないが、質のよいスーツを身にまとっている。 男の名は、ガイ。だがこの名は、仮初めのものでしかない。 彼の真の名前は、アポロガイスト。あらゆる世界の悪が大同団結して誕生した究極の悪の組織、「大ショッカー」の大幹部に名を連ねる存在である。 「いったいどうなっているのだ……」 ガイは困惑していた。彼はBLACKとRXという二人の仮面ライダーに追いつめられ、次元を歪めて大ショッカーの基地へ逃亡したはずだった。 なのに気が付けば体を拘束され、あの場所でバトルロワイアルの説明を聞かされていたのだ。 「むう、次元を渡る力が発動しないだと……! 何らかの方法で封じられているというのか。おのれ忌々しい!」 ガイはまず、自らの能力でこの世界から脱出することを考えた。 し...
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