非リレー型バトルロワイアル @ ウィキ内検索 / 「願わくば、一時の別れであれ」で検索した結果

検索 :
  • 願わくば、一時の別れであれ
    A-3の森の中に、二人の男女がいる。 錬金の戦士、津村斗貴子。 ギャンブラー、伊藤開司。 当初は緊張していた二人だったが、やがてその緊張も解け、二人は情報を交換し合う。 そこで得た情報は、カイジからすれば信じられない話の連続だった。 ホムンクルス、核鉄、錬金戦団――その全てが聞いた事のない単語だった。 「何とも奇妙な話だな。私は君の言う『帝愛』とやらは見たことも聞いたこともない…君がホムンクルスに関する事を知らないのも無理はないだろうがな。」 「ああ、まるで漫画の話のようだ……秘密にされるのも無理はないだろうがな。」 「…どういう事なんだ、これは……?」 二人が疑問に思うのも無理はない。 二人は、住む世界事態が違うのだから。 だが、その事を二人は知る余地もない。 「そう言えばカイジ、君に支給された支給品はなんだったんだ?もし核鉄だったら譲ってほしいのだが。」 ...
  • Scar Faces
    ... 伊藤開司 048 願わくば、一時の別れであれ GAME START 津村斗貴子 048 願わくば、一時の別れであれ
  • ごちゃ混ぜロワ本編SS目次・時系列順
    ... 048 願わくば、一時の別れであれ 伊藤開司、津村斗貴子 A-3森 【昼】 No タイトル          登場人物 場所 049 Lilium 北川理央、茶ノ畑珠実 F-6墓場
  • ごちゃ混ぜロワ本編SS目次・投下順
    ... 048 願わくば、一時の別れであれ 伊藤開司、津村斗貴子 A-3森 049 Lilium 北川理央、茶ノ畑珠実 F-6墓場
  • Lilium
    ... 048 願わくば、一時の別れであれ 投下順 050 [[]] 048 願わくば、一時の別れであれ 時系列順 050 [[]] 034 『愛』と言う名の『覚悟』 北川理央 [[]] 024 重くて非情な現実 茶ノ畑珠実 [[]]
  • 凶兆の黒猫
    ...ジ 投下順 048 願わくば、一時の別れであれ 046 ネガポジ 時系列順 048 願わくば、一時の別れであれ 013 バトロワのエイリアン 風間望 GAME OVER 013 バトロワのエイリアン 支倉未起隆 [[]] 019 リベンジャー 藤香 GAME OVER GAME START シュヴァルツ・カッツェ [[]]
  • 相生のランデブー/破壊英雄のドグマ
    「……僕は、ダメな男だな」 b-5エリアにて。桂木桂馬は言葉を漏らしていた。 彼と契約した悪魔エルシィと、攻略対象の一人、汐宮栞の名前が呼ばれた。守るべき者たちを守るどころか、会うこともできなかった。 『神様』なんかじゃない。僕はただの偽善者じゃないか。何が落とし神だ、何が地獄の悪魔との契約者だ。何もかもが馬鹿馬鹿しかった。 浅上藤乃。 自分が『助けた』つもりの少女は、今少し仮眠している。 この少女だってどうだっただろうか。本当は、助けてほしくなんてなかったのではないか。胸を張って正しいことをしたとは言えない。 「……藤乃。お前を助けたのも、本当にお前のためになったのかな」 「そうに……決まってるじゃないですか……んん」 藤乃が眠そうに目を擦る。寝ぼけているのかもしれないが、ふらふらと立ち上がって桂馬の方に迫ってくる。まるで『攻略』されるような気分。 ...
  • 男達よマダオであれ
    51話 男達よマダオであれ ……… 頭部が破裂した男の死体を見下ろしながら、 赤いワンピース姿の少女、篠崎サチコは立っていた。 「酷イ様……デモ、沢山死ンダ人ヲ送レルカラ、良シトシヨウカナ」 サチコの目的である、死者の魂を母親の元に送る事は達成された。 元気一杯の馬鹿な少年や、狼男と言った人外まで。 「オ母サン…喜ンデクレルカナ…クスクスクス」 生きている者がいなくなった部屋に、少女の歪んだ笑い声が響く。 「ヴ……ヴヴ」 「ウフフ…貴方モオ疲レ様」 ……… 長谷川泰三はいつものように、公園のベンチに座りだらけていた。 殺し合いから生きて帰ったが、相変わらずの人生である。 ただ、一つだけ変わった事があった。 「仕事見付からない?」 「全くだな」 どう言う訳か、泰三の世界に上杉憲顕が来...
  • 油断は一時の失敗。しかし進展すると死
    5話 油断は一時の失敗。しかし進展すると死 D-6野球場に男はいた。 グループという暗部組織に属している彼は一方通行と言われている。 本当の名前はほとんどの人間が知らず、一方通行が当たり前となっている。 「はァ、めんどくせェ」 この殺し合いの場に呼ばれても、特に思う事はないらしい。 「まったくよォ…なんでこんなめんどくせェ」 そんな彼の後ろで、今まさに彼を殺そうとする人間がいた。 (こいつを殺す…こいつを殺す…) 彼は黄色の帽子をかぶったワリオという男だった。 「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」 角材が振り下ろされ、一方通行の頭に入った、はずだった。 角材が一瞬で粉々になり、破片がワリオに刺さった。 「な、なああああああああああああああああ!!!!!?」 「おォい、三下ァ」 「が………が…」 「血液が逆流する...
  • 食い意地も程々に
    5話 食い意地も程々に 「ああーーーっ! しまったーーーーーーーーーーーーー!!」 「食糧、全部食べてしまいました…」 灰色の斑模様が特徴のハムスター。こうしくんは、早々に食糧を食べてしまっていた。 どうも、急に殺し合いの舞台に投げ出された彼は、元々食いしん坊な性格もあってか支給された食糧(運良くひまわりのタネだった)を恐怖を紛らわすために全て食べてしまっていた。 「どうしましょう…怖くて…思わず全部食べちゃいました~!」 「ん?あんた何をしているってかー」 こうしくんの目の前に青色の手袋とブーツ、それに長い出っ歯が特徴的なハエの少年が現れた。 「あ、それが食糧を全部食べてしまって…」 「ふーん。じゃあがりぞー様の食糧食うかー?」 「ええっ!いいんですか!?ありがとうございます~」 「いやいやぁ。困った時はお互い様ってかー☆」 ...
  • 舞台装置
    16◇舞台装置 「なあ《私》よ」 「どうした《私》よ」 「《私たち》はここで、この娯楽施設において、一体何を成すべきなのだろうか?」 「ははは、何を言う《私》」 「決まっているだろう《私》。どこであろうと同じだ」 「どこまでも《私たち》は”役者”――」「ならば自らに課せられた”役目”を全うするのみであろう」 「そうだ、その通りだ」 「分かっているじゃあないか《私》」 「だが」 「だが?」 「では《私》の”役目”とは何か? 殺し合うことか?」 「いいや、違う」 「違うぞ《私》」 「《私》に与えられた役名は”鏡花水月”」 「鏡に映る花、あるいは」 「あるいは水面に映る月のように、とらえどころのない美しさ」 「そう、鏡花水月に」 「そうだ、鏡花水月に」 「《私たち》は鏡花水月に成らなければならない」  幻影のような薄い霞みに包まれた駐車場の一角...
  • それでも彼女はヒーローであり続けた/それでも彼女はヒロインになりたかった
    18話 それでも彼女はヒーローであり続けた/それでも彼女はヒロインになりたかった 「……」 彼女はただ無言だった。 死んだような目で空を見ながら。 ただ何も考えず。 「……」 彼女はヒーローだった。 正義の味方であり続けた。 表面はずっとヒーローだった。 裏では悪役だった。 それでも、たった一人の少年のおかげで変わった。 彼女は完全なヒーローとなった。 「……」 しかし、幸せは終わりを告げた。 彼女は少年の前から消えた。 そして彼女は孤高のヒーローとなった。 「……」 彼女はきっと悲しかったんだろう。 彼女はきっと苦しかったんだろう。 彼女はきっと一緒にいたかったんだろう。 彼女はきっと……。 「……」 彼女は戦う事に決めた。 この場でもヒーローである。 そう決めたのだ。 自分の...
  • 別れ言葉
    42◆別れ言葉  一刀両断は。だれひとり裏切っていなかった。  すべての契約を、守っていた。  傍若無人を殺したのも、それ自体が傍若無人との契約の内だった。  契約内容は――勇気凛々を助けること。  あの少女を助けれられるのであれば。代わりに、自分を殺してもいいと。  そう、大男は言ったらしい。  ゲームセンター中央部でその真実を聞かされた紆余曲折と勇気凛々は、  あまりにも突拍子のないその話に、負荷がかかりすぎたPC画面のようにフリーズした。 「」 「」 「あー。まあ、やっぱ簡単に理解できるわけ、ないよな。  まあ、分かんなくてもいいんだよ。どうせ今からやることは同じだ」  薄暗いゲームセンターの店内、  二人がフリーズしているその周りで、誰も触っていない格闘ゲーム筐体の画面は、  客引きのためのCPUデモンストレーション・バトルを流し...
  • 『赤色』の男は彼らに『希望』を抱くのか?
     一人の人間がそこにいた。  人間は巨大な、それこそスポーツドームにでも設備されているもののように巨大なモニターの前で座っていた。  肘掛に腕を置いて臍の前で手を組み、モデルのように長くアスリートのように鍛えられた足を組み、優雅に椅子に座している。  視線はモニターの真ん中にとまっているが、不思議なことにモニターは何も映さず闇をたたえているだけだ。  人間はそれでも見ていた。  モニターを。  これから始まるゲームに想いを馳せながら。 「君は誰が生き残ると思う?」  人間に、不意に言葉が掛かる。  野太く、それでいて機械が発したような無機質な声。  場には誰もいないはずなのに、声だけが響いた。  その事態に人間は僅かな動揺もなく、それがさも当然のように対応した。  視線は変わらずモニターに残したまま、口を開く。 「難しい質問だな。ふむ、正直に言え...
  • 演習開始(ミッション・スタート)
    チュンチュン、と美しい雀の鳴き声が朝の日差しを彩っている。 願わくばもっと気の利いた場所で、好きなひととこの時間を共有したり、そういう少女らしいことをしてみたい。 簡素な部屋の中で椅子に凭れたまま起床の時を迎えた少女は、未だ覚醒しない意識でそんなことを思う。 そんな願いが叶うことないと分かっていても願わずにはいられない、そのあたり彼女はまだ少女だった。 幾度の戦場を越えて人外を物言わぬ屍に変え、死線だって踏み越えた回数は両手足の指じゃとても足りない。 殺してきた相手もそろそろ三桁に届くのではないだろうか――それが生物学的に人間であるかどうかは別として。 厭な記憶を思い返しながら「うーんっ」と声を出して背伸びし、そしてまた二度寝の体勢に入ろうとする。 ………しかし、彼女の眠りは最後まで遂げられることはなかった。 ドンドンドン! と、それこそ鉛の弾丸で扉を撃って...
  • 終わりの始まり/始まりの終わり
     それは、戦いに勝利した者の物語であった。  彼はあるべき未来とは少し違った道を行き、戦いに勝利し、そして知ってしまった。  絶対的な力を更なる高みへと到達させ、彼は知る。  次元を超えた先にある数多の世界。  天に散らばる星々よりも多数の、人間が織り成し支配する世界。  彼は戦った。彼は殺した。彼は救った。  悪である存在と戦い、殺しつくし、世界を救ってきた。  世界は、次元の先にある世界は意識が遠くなるほどに大量で、それでも彼は戦い続けた。  そんな彼を待っていたのは更なる深淵。  次元世界という終焉のない迷宮の果ての悲劇。  彼は知ってしまった。  世界の隣にある、極めて近く限り無く遠い世界の存在を。  彼は知ってしまった。  もしかしたら自分にも在ったかもしれない、敗北の世界を。  敗北の先にあったのは信じられない光景であった。  ただ敗北しただけなら...
  • 憤慨、驚愕、贖罪
    12:憤慨、驚愕、贖罪 「お嬢ちゃん、怖いだろ? おじさんが守ってあげるよ」 「……っ」 豪邸にて、神谷茜は窮地に立たされていた。 レオポルトと名乗る茶色の毛皮を持つ人狼の雄に遭遇したのだが。 その人狼の雄は茜を発見するなり異様に興奮し、息を荒げ、涎を垂らし、股間のそれはいきり立ち、 先端から透明な汁が糸を引いていた。 「あの、わたし、い、いいです、一人でいきます」 身の危険を感じた茜は人狼から逃げようとする。 「どうして逃げるんだい?」 しかし当の人狼がそれを許すはずも無い。 手を伸ばし、茜の肩を掴んだ。 「いいから、おいで」 「い、いやあ!!」 レオポルトの手を振り払い、茜は部屋の出口に駆け出す。 このままでは、きっと自分は酷い目に遭う。これ以上無い程、想像も出来ないような。 逃げなければ、一刻も早く、あの...
  • 剣に魂を乗せて
    4話 剣に魂を乗せて 二人の人間がむかいあっていた。 片方は半人半妖だが。 二人とも剣を抜いていて、殺気を出し合っていた。 「私は、帰らなくてはならないんです」 片方が剣を構え直す。 「だから、俺に死ねと言うのか?」 片方も応じる。 「……ええ」 「そうか、なら」 「こっちも、足掻かせてもらおうか!」 男の一閃が女を襲う。 しかし、その一閃は簡単に受け流されてしまう。 「そんなものですか?」 「な訳ないだろう?うまく行くと思うな!」 どんどん攻撃が繰り出されるが、すべて受け流されてしまう。 「あなたの剣は道場剣術ですね。しかし、そんなものでは私には勝てませんよ」 今度は女の方も攻撃を繰り出す。 「なら、道場剣術はやめるか」 男は、急に構えをやめた。 そして、力任せにでたらめに剣を振った。 いや、でたらめに見えてでたらめ...
  • なくしたもの 探しにゆこう
    レレナ・パプリカ・ツォルドルフは、ローマはバチカンに在籍するシスターとして、その魂を供養していた。 といっても、対象は人間ではない。 それは、エリアA―2、研究所裏庭の片隅に、ひっそりと立っていた供養塚だった。 こういう研究所や病院には、実験で殺してしまった動物を供養する為の場所があると聞く。 その小さな石碑も、そういう場所らしかった。 お墓の水汲み場に置いてあった剪定バサミで、玄関前のプランターからチューリップを剪定させていただく。 (あれ、今は春だったっけ? と混乱したけれど、深く考えないことにした) とっくにみずみずしさを失っている桧葉の葉を捨てて、代りにチューリップをいける。 チューリップが、ふわふわと夜風にゆれた。 レレナの亜麻色の髪も、つられてふわりとなびく。 シスター服の黒いスカートが、軽くひるがえる。 日本人の母譲りの黒い瞳で、夜空に浮かぶ...
  • 空ろの白と狂い咲きの黒、そして蹂躙の紅(前編)
    一人の益荒男があった。 その体は神の適性さえ併せ持ち、他者と比べて圧倒的な怪物。 彼は時空の彼方、とある戦乱に招かれる。 白い少女を主に認め、少女を守るために戦う。 最強の英霊として、少女に万能の願望器を与える為に、吼える。 イリヤスフィール・フォン・アインツベルン。 名家アインツベルンのホムンクルス―――『聖杯の器』。 彼女が望めば誰でも殺す。 彼女が望めば何でも壊す。 彼女が望めば幾らでも狂う。 彼女が望めば幾らでも死ぬ。 誇りなんてモノは必要ない。 『バーサーカー』は操り人形であることを受け入れた。 狂化しながらも白い少女を守ることだけは絶対に忘れずに。 はてさて。 『バーサーカー』ことヘラクレスは、主を放って宴に招かれる。 それが彼の逆鱗に触れたのはもはや言うまでもないだろう。 彼の僅かな思考回...
  • 疾走スル狂刃
    44話 疾走スル狂刃 信じられない。信じられないよ。 今の僕には理解出来ない。 優しいけど芯の強かった静香ちゃん。 乱暴者だけど妹思いでいざと言う時は頼りになるジャイアン。 腹立つ言動が多かったけどそれでも友達だったスネ夫。 みんなが、死んでしまったなんて。 病院近くの民家、眼鏡の少年野比のび太は放送を聞いて愕然としていた。 この殺し合いに呼ばれていた自分の友達三人の名前が死亡者として呼ばれたのだ。 「嘘でしょ……そんな……みんなが…死んだなんて…」 信じたく無かった。たった四時間の間に、今まで数々の冒険を共にした、 大切な友達四人が、全員、この世からいなくなってしまったなんて。 だが、開催式の時、主催者は女性の首輪を爆破し、殺した。 つまり本気――冗談などでは無い――三人は、死んだ。 信じる信じないに関わらず、それ...
  • とある世界の交錯存在〈パラノイア〉
    「なんちゅーんかね、こういうの」 青く染まった髪をボサボサと掻き乱しながら、その少年は呟いた。 その少年の名前は―――――生憎ながらこちらでは存じることはないのだが。 名称不明。 無論のこと、『書き手』と呼ばれる人々のように記憶が抹消された訳ではない。 誰も彼の名前を呼ばないからだ。 さながらあの普通の少年、『キョン』の扱いのように。 故に―――と言うのも少々おかしいながらもここでは敢えて『青髪ピアス』という名簿上の表記で徹底していこうと思う。 ともあれ、彼がぼやく理由は何もこの扱いについてではない。 そんな些細なことは彼は常日頃当たり前のように甘受していたのだからさして癪に障るなんてことは(多分)なかろう。 そうではない。 彼がぼやく理由は別にある。 「まーさかこんな展開になるとはボクをもってしても知りえなかったなぁ」 彼の能力――...
  • ”Old Army”~老兵は死なず~
    第二十七話≪”Old Army”~老兵は死なず~≫ 廃屋で一時の休息を終えた隠居老人・山本良勝は、 殺し合いからの脱出を図るべく、行動に移った。 地図を広げ、まずは現在位置から一番近いと思われる、会場東南部の遊園地を目指す事に。 しかし、流石にこの距離を歩きで行くのは、老体には堪える。 すぐ隣の別の廃屋にガレージと思しき小さな建物があったので、 半開きになった錆付いたシャッターをくぐり、中に入る。 ガレージ内にはこの家の主が所有していたと思われる430型グロリアが駐車され、 壁際の金属製の棚には工具や自転車用の空気入れであるフロアポンプ、予備のタイヤ等が収められていた。 しかし、430型グロリアは長い間放置されていたのか、 白く塗装された車体は所々赤錆が浮き出し、タイヤも全て劣化しパンクしており、 とても走る状態では無かった。 「むう、他に何か無いかのう...
  • 導きの先にあるもの
    83話 導きの先にあるもの 放送終了後、ドーラは神妙な面持ちで名簿を眺めていた。 新たに18人の名前が消された参加者名簿。 その中には、自分の上司の元愛人のウルフリングの女、シェリーの名前もあった。 別に悲しいという訳ではなかったが、上司――アインはどう思うのだろうと、少し気になった。 また、ガーゴイルやアレックスの知り合いの名前も呼ばれていた。 「ゴメス、五世まで……」 仲間として行動していたジンと石川昭武の二人。 しばしば自分や大勢の人の尻を掘り大惨事を巻き起こしたが、 豪放かつ実直で人望は厚かった髭面の海賊ゴメス。 魔王軍四天王の一人で、死神である死神五世。 新たな死者の中にその名前を呼ばれ、アレックスは再び悲しみに暮れる。 これで現在まで生き残っている知り合いは五世と同じ魔王軍四天王の一人、ムシャのみ。 数時間前に会った時、錯乱状態に見...
  • 未来へ駆ける
    ーーーこれは、始まりに至る前座(プロローグ)。 ◆ 時は、あの悪夢の開会式から数十分前に遡る。 両手を手錠で拘束された少年だった。彼の名は音無結弦。とある地下鉄事故にて、多くの命と引き替えに若い命を散らせた少年。 やっと仲間たちと成仏できたはずなのに。 立華奏が消えた後しばらく経過してから、彼の前に明らかに異質な外套の男が現れたのだ。NPCではなく、確かに自分の意志を持っている。 『貴様の愛する者は既に私の手中にある』 男はそう言った。とっさに携帯していた銃で頭を打ち抜くが、応えている様子はない。 そのまま、気付くと今の状況だったのだ。 モニターには、鎖に拘束された立華奏の姿があった。意識は無いらしく、男曰く指先一つで生命を真の意味で終わらせることができるらしい。 男の要求はたった一つだった。 『音無結弦。貴様にはエネルギーの一部を分け与える。...
  • 英雄<ヒーロー>戦記
    24話 英雄<ヒーロー>戦記 D-5平野で一方通行は放送を聞いていた。 『まずは禁止エリア設定!』 「……どこもここから近くはねェなァ」 注意するとしたらE-4だろう。 そして死亡者発表に入るが…。 「俺の知っている名前はねェな」 知ってる人間とは。 御坂美琴、打ち止めを生み出した原因、理由の一人だ。 学園都市最強のレベル5の第三位。   レールガン 『超電磁砲』 そう呼ばれている女だった。 このとき彼は上条当麻の名前は知らなかった。 そして、これからが本番である。 『フフフ…さあ…ここからが本番だよ…じゃあ始めましょう… 動機の提示を!』 (動機…だと?) そして一方通行のバックから電子音が鳴る。 『電子生徒手帳を見てください...
  • ライオンハート
    気付いたらここにいた。 真っ黒の視界、漆黒の草原。振り向くと視界の先には海がある。 青ではなくひたすらに黒い海が。 唯一月の光が真っ黒な視界に明かりを灯してくれる。 「ここは……っ……」 寒い。体の全身ががたがたと震える。 さっきのあれが脳裏にあるからだろう。 死んだ。 人が死んだ。 あっさりと。 かわいい女の子だった。それが……一瞬で肉の塊に変わった。 首がぱぁんと音を立てて破裂し、ゆっくりと残った胴体が倒れていく様は気持ち悪かった。 . 当然だ。そんなの見て平然と出来るか。実際に見てしまった俺はその場で何度も吐いてしまった。 それに相乗して匂いがひどかった。 血と嘔吐物の絡み合った不快な匂い。生臭さの充満したホール。 きついというレベルを超えていた。 出来ればもう二度と嗅ぎたくないと声を大にして言いた...
  • PARANOiA -Respect-
    「ここは何処なんだ?まるで、どっかの軍隊の基地みてーだが……」 訳の分からない場所を、ただ目的も無くフラフラする。 こうやって、テキトーに行動してみるのも、なかなか悪くないものだ。 ……欲を言えば、これが殺し合いの場でなければ、最高だったのだが。 こんな、いつ命を狙われてもおかしくない状況であれば、好きな所でごろ寝できると言うのに。 全く、いい迷惑だ。何故、自分が殺し合いに巻き込まれなければならないのか? こんなことに巻き込まれる程、悪い事はしていないのだが。 最近だと、研究員を10人ばかり殺しただけだ。別に、そこまでのことでもない。 「めんどいなぁ……ま、全員殺しちまえば終わるだろ」 そういえば、あの男が何か言っていた。 確か、優勝すれば何か貰えるんだったか?よく覚えていないが、そんな所だった。 そんな物、別に興味はないが……皆殺しにするついでに、...
  • EX-ST.1
    人を「人」とする物は何か。 意識があることか。 思考が出来る事か。 意思があることか。 どれも正解であり、どれも外れである。 人と言う物は一言では語り尽くせず、また尽くそうとしてもできぬものだ。 だからこそ、太古から人は「人」の仕組みを解き明かそうとしてきた。 例えば医学で。例えば哲学で……。あらゆる方面から、人を解き明かそうとした。 しかし、今に至るまで、決定的なモノは見つけられていない。 ――――しかし、その「決定的なモノ」は人の踏みこんで良い領域だろうか? 神の存在を信じるかはその人次第だが、どちらかと言えば私は信じない部類に入るだろう。 所変わって、ここは極秘の研究所。当然、地図には載っていない。 国にすら、ここの正確な位置を掴ませてはいない。 ……と、こうやって説明すると、一見人が来ないような山奥や孤島にあるような気がしているかもしれな...
  • 人類最強VS吸血鬼最強 ~観客はお馴染みのネタに命を賭ける~
    「殺しあえ、か……」  闇に包まれた森林の中、レガート・ブルーサマーズはポツリと短く言葉を零した。  普段通りの白コートに、頭部を飾る鮮やかな青髪。その右手には、銃身の上下に刃の備わった特異な型をした拳銃が握られている。 「つまらないな……こんな勝敗の決定付けられたゲーム、楽しむ余地すらないよ」  レガートは動こうとしない。  彼は兵藤が現れた教室で既に主の存在に気が付いていた。  気が付いたからこそ、行動をとろうとしない。  彼は知っているからだ。  その主の力が前に人間の勝利などあり得ないと。  たった一度の『解放』で、この場にある何十の命は一瞬で終焉を迎えると。  その『力』が側に最も長い時間身を置いていた彼だからこそ分かる、絶対。  成程それなりに腕の立ちそうな者もあの場にも居た。ともすればGUNG-HO-GUNSに並び...
  • 神邂逅 -かみがきたりて-
    「黄泉……」  かつん、かつんと靴音を、灰色の段差で鳴らしながら。  ゆらり、ゆらりと灯りを揺らし、少女は静かに独りごちる。  超自然災害対策室所属の少女退魔師――土宮神楽は、ランタンと名簿を携えながら、1人石階段を上っていた。  最初に目についた名前は、自分の姉貴分であった、諫山黄泉という少女だ。  そして現在は、重傷を負い病床に囚われた娘であり、同時にそこから姿を消した、行方知れずの娘でもある。 (ここにいることが分かったのは嬉しいけど……)  恐らくここに書かれているのは、彼女の知る黄泉本人だろう。  諫山という姓も黄泉という名も、どちらもそうそうお目にかかれない、極めて珍しいものだ。  しかしなればこそ、神楽の胸にこみ上げるのは、喜び以上の不安だった。  元々彼女は、何者かによる襲撃を受け、再起不可能な傷を負わされていた身だ。  身体はろくに動かないし、声を発...
  • Nearer My God To Thee
    第三十三話≪Nearer My God To Thee≫ エリアE-5の山道を、巨乳狼娘・藤堂リフィア、シスター・岸部淑子、活発仔猫娘・長谷堂愛の 女性三人パーティーが歩いていた。 三人が向かうのは会場東南部に位置する市街地である。 温泉旅館にて、淑子と愛が温泉を満喫した後、三人はこれからの行動について討議した。 仲間を集めるのであれば、恐らく市街地が最も人が集まりやすいだろうという、 三人が考えた末の結論に基づく行動だった。 「ふう……大丈夫、愛ちゃん」 リフィアが息切れし始めているアメリカンショートヘア種の猫獣人の少女、長谷堂愛を心配する。 「ん、大丈夫。ありがとうリフィーちゃん」 気丈に振舞う愛だが、明らかに疲労の色が強くなっていた。 ちなみにリフィーとはリフィアの事である。 「あそこに倒木がありますから、一休みしましょうか...
  • 俺オリロワ2nd・セルゲイ・ルシコフ
    【名前】セルゲイ・アナトーリエヴィチ・ルシコフ(Сергей Анатольевич Лужко́в) 【年齢】21歳 【性別】男 【職業】男娼 【性格】大人しい、内向的 【身体的特徴】青と白の竜人体型の竜。身体付きは良い 【服装】全裸(服を着る習慣が無い) 【趣味】祖国の歌(カチューシャ、スラヴ娘の別れ等)を歌う、聴く事 【特技】翼を使い飛べる。竜なので筋力と体力はある 【経歴】人間至上主義の国に生まれ、人間から様々な差別を受けてきた。  物心つく前に父親を亡くし、二年前に母親も病死し天涯孤独の身となる。  裏ルートを経て日本風の国家(俗称日本)に密入国し、働き口に困った末、  訳有りの危険な匂いのする男娼館で男娼として働く事になり今に至る 【備考】男娼としての腕はそれなりに良いらしい。自分の人生に半ば絶望している。  女性(雌)との経験は無し。名前は「ルシ...
  • さよなら絶望病院
    第五十一話≪さよなら絶望病院≫ 「嘘、一時間後にG-2、って……この病院じゃない!」 病院三階の病室に隠れていた狼娘・島川奈織が信じられないといった様子で言う。 つい今しがた、運営側からの放送があった。 23人も死んでいる事に奈織は当然ショックを受けたが、 それよりも奈織は禁止エリアの場所を聞いて絶望していた。 今から一時間後の午後1時に、この病院のあるエリアG-2が禁止エリアになると言うのだ。 侵入すると、首にはめられている首輪が作動し、爆発するという禁止エリア。 奈織はゲーム開始直後からこの病院に隠れて難を逃れていたが、遂に安息は終焉を迎えようとしていた。 「移動しなきゃ……このままここに隠れていても、どっちみち死んじゃう……」 奈織の脳裏に、教室で首輪を爆破されて殺された男の姿が蘇る。 このままここに居続ければ、自分もあの男のように、首輪...
  • 気づいた時には終わっていたという話
    真庭鳳凰と云う忍者がいる。 ヨシュア・ブライトと云う暗殺者がいる。 片や、暗殺を得意として。 片や、暗殺を特異として。 一方は気配を消すのを長けていて。 一方は存在を殺すのに才が長けて。 優勝の座を頂くために人を殺し。 愛する者を守るために人を殺す。 似ているようで、圧倒的に違う。 同じなようで、絶対的に異なる。 一本の直刀が煌く。 一対の双刀が唸る。 血を求むべく。 血を奪うべく。 地を駆ける。 知を懸ける。 人を探す。 人を殺す。 単純明快。 直截簡明。 躊躇はない。 抵抗はない。 さあ、では物語を始めようではないか。 狂いに狂った人殺したちの話を。 血濡れた、埋もれた書物を開封する時が来た。 今回は、その傍らに偶然居合わせたある一人の人間の物語である。 ...
  • idealism
    それは、月の綺麗な夜だった。 夜空には宝石と見紛いそうなまでのきらびやかな星屑が散りばめられて、世界を照らす。 都会であれだけ綺麗な夜空を見られることなんて滅多にないだろうし、生まれも育ちも都会の自他共に認める都会っ子の私には、生まれて初めて見る満天の星空だった。 時刻は既に夜の9時を指し、人気はすっかり少なくなって寂しくなってきていた。 大学教授の雑用に付き合わされていたらすっかりこんな時間――あの人は一体何を研究しているのか今度こそみっちり問い詰めてやろう、と苛々していた私は、星空に心をすっかり癒される。 あんなつまらないこといつものことだし、許してあげよう。入学してからもお世話になった人だし、このくらいのことはしてあげたっていい。 いつになく寛大な気持ちになった私は、るんるんとスキップさえして、帰途につく。 録画予約しておいたテレビ番組が無事録画され...
  • ココロコネクト-シトランダム-
    桐山唯は、最近悩み事の種が増えた。 しかもその悩みの種は尋常じゃないまでに 大きな花を咲かせそうな、それはそれは爆薬の様な種だった。 「…………」 『人格入れ替わり』の存在。 ……正確に言うとそれだけでは無かったりするのだが。 それでも一先ずこの『人格入れ替わり』について語らせてもらおう。 ふうせんかずら による企みその一。 『人格入れ替わり』。 人物は決まった人物内でアトランダム。 時間はあらゆる場面でアトランダム。 場所もあねまく場合でアトランダム。 ただ、それだけ。 それだけにして出る悲劇、出た被害は膨大である。 「…………」 桐山唯という少女の場合にしたって、その魔の手は逃れきることは不可能だった。 彼女の場合の被害は、「実を言うと男性恐怖症」ということの暴露だった。 まぁ、それが問題というより―――――――いや、そ...
  • 堕ちていくのは…
    いーたんという人と出会って数分。 潤さんと、ネクと別れて数分。 とあるエリアにて、予想通りキサラギが本性を現した。  ◇ 「ごめんなさい。サノ」 一番に狙ったのは、一番近くにいたサノ。 本名は佐野清一郎。殺し合いには乗っていないらしいけど ここで死んでもらう。 私の為に。 「すっごく痛いよ」 私の剣がサノの身体を切り裂く。 感触が気持ち悪い。 そしてそんな感触とともに熱い液体が私に 盛大に当たった。 生命の証、血。 …ゲームなんだったらこういう演出は遠慮したいところなんだけど。 「―――な、なんや…」 サノが倒れ、そのまま黄色の何かが消していった。 次は、ヨシュア。 …ってあれ?ヨシュアは? 「…サノ。間に合わなくってゴメン」 「――――っ!」 気がつくとヨシュアは私の背後にいた。 サコは―...
  • 聖徳太子の楽しいバトルロワイヤル
    【前回までのあらすじ】 天才ピアニスト銀河進はついに黒鍵のみでチューリップを演奏することに成功したが、血の繋がらない妹に指がカニみたいと嘲笑され円形脱毛症に陥る。 一方、同じく円形脱毛症の暗黒王ジョンはバイト先の後輩に陰から「キムチ」と呼ばれていたことに激怒し、さらに仕事場の空気が気まずくなる。 そして砂場をココアパウダーに変えることにまで成功した暗黒仮面トムは、 調子に乗って荒れに荒れたお肌を異様なほどモチモチに変えてしまった無茶がたたり円形脱毛症に陥る。 はたして彼らの頭皮の行方は? そして最近抜け毛の気になるロンリネスマスクのお肌の微妙な張りの秘訣とは? 物語は激動のクライマックスへ突入! 「なんだよこのおにぎり具が入ってないじゃないか。具をもっと入れろよまったく……あ、具をグッと入れろ」 聖徳太...
  • 命題「シークレットゲーム」
    「まず最初に自己紹介をしておこう。  俺の名前は天童世死見、天使バイ!」 突然そう名乗った黒服の男。 その言葉にフーリエが初めに感じたのは歓喜であった。 フーリエは敬虚な教徒である。 主の教えを信じ、御心のままに愛を説いていた。 例え殺し合いを強いられようと。 例えその言葉を否定されようと。 ただひたすらに、全てを救おうとしていた。 その道は苦難の道だった。 茨の上を歩くようなものであった。 年端も行かぬ少年の命を助けることも出来ず。 殺人を望む罪人の心を救うことも出来ず。 侍の履き違えた正義を治すことも出来なかった。 出来たことと言えば、一人の老婆を刃から庇う事だけ。 ただそれだけしか出来ずに命を落としてしまった。 凶刃から老婆を守れたのだからそれでいい。 無駄な死ではなかった。 確かにその通りではあった。 しかし。 あの罪...
  • DOLバトルロワイアル2nd追跡表
    ■オリキャラ 青木林:05 002 青木兄妹の親愛的愛情 016 青木兄妹の悪夢、そして憂鬱 025 揺るがぬ二人の心 031 終わり、そして始まり、そして… 036 終われ、全て 古川正人:03 004 剣に魂を乗せて 014 誰にだってトラウマはできる 028 愛する人を失った世界には(前) ニュートル:01 009 間違った約束は押し付けでしかない 津本二三也:02 002 青木兄妹の親愛的愛情 016 青木兄妹の悪夢、そして憂鬱 和歌山純太:01 014 誰にだってトラウマはできる 青木百合:05 002 青木兄妹の親愛的愛情 016 青木兄妹の悪夢、そして憂鬱 025 揺るがぬ二人の心 031 終わり、そして始まり、そして… 036 終われ、全て 039 エピローグⅢ(青木百合+?編) ウィル・レベッカ:02 013 狂いに狂った駄目な人間 032 とある悪魔の一方...
  • 月に願いを
     とある民家の中、妙齢の女性が悩ましげにため息をついていた。 「はぁ……参ったわね」  月の頭脳と言われてはいても、何事も計画通りにいくとは限らない。  そんな当然の事は彼女も分かってはいた。  それでも今回の出来事にはため息をつかざるをえなかったのだろう。  眉間に手をあて、ため息をついた彼女の様子は心底落胆しているように見えた。  とはいえそれも無理の無い事だ。  せっかく主、蓬莱山輝夜への手がかりが見つかったという所で別の殺し合いへの招待。  何よりも求めていたものが目前で消えてしまえば、八意永琳でなくとも落胆するだろう。  だが、これは永琳にとって何も悪いばかりの話ではなかった。  主催が変わっている。その点において、余計な敵を作らなくて済むようになったのは有難い事と言えた。  また、この時点の永琳が知る由も無い事だが、 輝夜の死を知らなくて済んだとい...
  • 〝文学少女〟と恋する幽霊【ゴースト】
    天野遠子は激怒した。 必ず、かの邪知暴虐の主催者を除かねばならぬと決意した。 遠子には魔法が分からぬ。 遠子は、聖条高校の妖怪である。本を読み、本を食べて暮らしてきた。 けれども、邪悪に対しては人一倍に敏感であった。 ◇  ◇ 「あの清隆という人は、きっと文学の面白さを知らないんだわ。 殺し合いなんかより、夏目漱石全集を百回ぐらい読んでレポートでも書いてる方が、よっぽど楽しいし、ためになるのに」 三つ編みの長い髪をぶんぶん揺らしながら、天野遠子は怒っていた。 ディパックをしょって山道を歩きながら、怒っていた。 「何の罪もない人たちが、たった一人になるまで殺し合うなんて ……きっと活字になったら、生臭い臓物スープの味がするに違いないわ! きっとスープの膜には油じゃなくて血が浮かんでるのよ。出汁に使った豚の足が丸ごと入ってたりする...
  • 大事な人を探しに
    6話 大事な人を探しに 「殺し合い?」 なんてふざけた状況だ。 戦場ヶ原が、僕にすべて見せてくれて。 二人の距離が縮まった。 「でも、殺し合い?」 ふざけてる。 「戦場ヶ原は、戦場ヶ原はいるのか!?」 急いでバックの中から名簿を取り出す。 そこにはしっかりとこうあった。 戦場ヶ原ひたぎ 「くそ!」 本当に人間強度が落ちたな。 でもそんなことは関係ない。 戦場ヶ原を探さないと! 何も考えずに僕は走り出した。 ☆ ☆ ☆ 「ジル……」 クリス・レッドフィールドは自分の相棒を探していた。 あの日消えた彼女が呼ばれているとなれば探すのは当然だ。 シェバには悪いが待っててもらおう。 「ん?」 前に人影が見えた。 東洋人みたいな風貌の少年だ。 「おーい!そこの少年!」 向こうがこっちに気付き、向かってきた。 「いき...
  • あくまで仮定の話である
    21話 あくまで仮定の話である 「あれ、いつの間にかいなくなっとた……さっきの奴どこ行ったんやろな…」 先ほどから一時間ほど走っているのだが、佐藤洋はひろしがいなくなってる事に気付かなかった。 さすがにこんな状況下大声出して探してやるわけにもいかないので、少しの間待っていることにした。 「なんか腹減ったわ…何かはいっとらんかなー…」 バックをあさくった結果、おにぎりとシュークリームが入っていたのでそれを食べた。 結局5分待っても来なく、食べてしまったのでどこかに行こうかとしたその時。 「ちょっと良いかしら?そこの人」 巫女服を着た少女が目の前に立っていた。 「えーと…コスプレって奴か?」 「違うわよ…本物よ」 「へー…あんた見たいのがなー…」 「どういう意味よそれ」 二人の会話は少し続き、一緒に行動しよう、という事に...
  • 無情なる風
    万物は流転し続け、その形状を変えていく。 この世には、ずっと同じであり続けるものなど、ただの一つとして存在しない。 何かしらこの世のものは、変化し続ける。 ただ、その変わり行くスピードが、モノによって違うだけの事。 雨垂れが石を穿つように、時間をかけてゆっくりと変わるものもあれば、一陣の突風で儚く崩れてしまう砂山のように、一瞬で変わるものもある。 緑川聖奈の日常は、その後者だった。 ありふれた、永遠に続くものだと信じて疑わなかった日常という存在。 それがある日突然どうあがいても手の届かないはるか遠くまで飛んで行ってしまった。 ――燃え盛る炎は街を薙ぎ払い、道行く人は理性を失ったゾンビとなり人を襲う。 立ち向かっていった者は死に、立ち向かえずに逃げたものも死んだ。 聖奈が生き延びる事が出来たのは、ほんのわずかだけ人より幸運だっただけにすぎない。 死んでいった人たち...
  • その思いは正義をも砕く
    45話 その思いは正義をも砕く 病院二階への階段を登り切った所には、 幾つかの合成革張りのソファーと白いテーブルが設置された休憩スペースがあった。 「あら、貴方は確か……鈴木正一郎、だったかしら」 「お前、銀鏖院水晶か」 そこで、病院内を探索していた鈴木正一郎は、思いがけずクラスメイトと再会する事になる。 もっとも相手は普段から全くと言っていい程関わりのない人物だが。 銀鏖院水晶は正一郎と三、四メートル程距離を置いた所で対峙した。 水晶の右手に銃らしき物が握られているのを見ると、正一郎は水晶に尋ねた。 「銀鏖院。一階に死体が転がっていた。あれは、お前の仕業か?」 「……そうだけど。だったらどうなの? 向こうが襲い掛かってきたから反撃して殺した。 これは正当防衛じゃない?」 水晶は至って冷静に、しかしどこか正一郎に対して蔑みの念を...
  • 冷めた人
    「やあケビンくん、楽しい楽しい殺し合いの始まりだよ」 『お兄さん、ぼくワクワクしてきたよ』 「そうだね、ぼくも同じだよ」 『それに勝者には巨万の富!』 「まさにぼくに相応しい景品だね! ヒーヒヒヒヒ!」 腹話術師にして金の亡者――二階堂は、電波塔周辺を徘徊していた。無論、殺すべき標的――それも弱そうな子供を狙って。 卑劣、卑怯……そんな言葉が似合う最低な人間であった。しかもそれを自覚しているのだから、いよいよ始末に追えない。 『しかしラッキーだねお兄さん』 「そうだねケビンくん。何たってこんな便利な武器が手に入ったんだから」 彼が自身の右手に装着しているものは空気砲。未来の秘密道具の一つである。 「もう一つの方はは使い道が無さそうだけど、とりあえずこれさえあれば餓鬼一人くらいは捻り潰せるね」 『そして支給品を奪い取り徐々に武力を付けてゆく。完璧だ...
  • 疾走のオートマーダー
    c-3エリア。廃団地が広がり、夜の闇も相俟ってより不気味な雰囲気となっている。 30代後半という年齢で会社をリストラされ、妻と息子を道連れに無理心中を計った哀れな男、佐々木圭は誰からも理解されない。それは、いかなる恩さえも保身のために捨てるいわば『ヘタレ』な性格のためである。 心中には失敗して息子は死に、妻に通報されてめでたく刑務所行きに。 失敗しかなかった人生は、失敗で終わってしまうと思っていた。 「ふ…へへ……優勝すれば、一生遊んで暮らせるなあ…!!」 それだけだった。 彼の行動方針がではない。彼のこの儀式における『時間』のことである。 「あ…?」 体が突然落下した。足の感覚がなかった。何か熱いものが通り抜けていった。 纏めれば、一本のレイピアが圭の上半身と下半身を分断して、圭を殺害したのだ。 圭が最後に見たのは走馬燈などではない。 下半身...
  • 現実は時に想像すらも超える
    51話 現実は時に想像すらも超える 万事屋の従業員である志村新八が死んだ。 土方十四郎が唯一、放送で眉を動かしたのは彼の名前が呼ばれた瞬間である。 「あの眼鏡が死んだのか……」 土方と新八はそれなりに付き合いは多かった。 新八の姉を連れ戻すため柳生家に戦いを挑んだり、 お通FC決定戦で対決したり、文通の文章を代わりに書いたり――。 悲しい訳では無いがあのツッコミがもう聞けなくなると思うと少し寂しい気もした。 現在土方は三人の同行者と行動している。 医者の佐藤文博、途中で遭遇した人狼のシリウスと水色髪の女性紺野優佳。 シリウスは負傷しているにも関わらず見張りを買って出てくれている。 「土方さん、志村新八って……」 優佳が心配そうに土方に声を掛ける。死亡者として呼ばれた14人の名前の中の一人が、 土方から聞かされた知り合いの一人だ...
  • @wiki全体から「願わくば、一時の別れであれ」で調べる

更新順にページ一覧表示 | 作成順にページ一覧表示 | ページ名順にページ一覧表示 | wiki内検索

ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。