パワーローダー

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登録日:2015/03/23 Mon 11:30:00
更新日:2023/12/28 Thu 15:41:24
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パワーローダーとは、ロボットとパワードスーツと作業用重機の中間のような存在であり、男のロマンとリアリティが絶妙に絡み合った存在である。


【起源】

「パワーローダー / Power Loader」の名称と概念の始まりは、映画『エイリアン2』である。
主人公エレン・リプリーの仕事道具で、「Loader」の名の通り、荷物積み込みの機械。早い話が人型フォークリフト
宇宙船内の狭いスペースでコンテナを上げ下げするために小回りがきく、ロボットというよりセミ・パワードスーツである。
設定によればキャタピラー社製とのこと。……2170年代になっても今と変わらず作業用重機を造っているらしい。
突き刺しや銃弾などは想定されていないので、オペレーターは落下物から身を守るロールバーで保護されているが装甲化はされていない。
重量物(砲弾など)を運搬する作業用重機であって兵器ではなかったものの猛烈に頑丈なマシーンで、
クライマックスにおけるエイリアン・クイーン相手のド突き合いでは、殴られても殴られても故障せず闘いぬいた。

コナミやカプコン、セガ*1などによって発売されたエイリアン2、およびその設定に準拠した未来が舞台のAVPのゲームシリーズにおいても背景や搭乗マシンとしてパワーローダーは頻繁に登場する。
PCゲーム『Aliens vs Predator 2』では「Exo Surit(エクソスーツ)」と呼ばれる当作オリジナルの装甲と武装が強化された戦闘用機体も登場した。


【近年の概要】

明確な定義は定まっていないものの、おおむね
  • 搭乗型の四肢があるロボット
  • パイロットが乗り込むスペースが胴体の大部分を占める
  • コックピットがむき出し(あっても申し訳程度のフレームくらい)
  • 操縦がマスタースレイブ方式(操縦者の動きを反映、作品によっては別方式も)
辺りの点を満たしていればパワーローダーと呼ばれることが多い。

いわば現実の重機の延長線上にある形のロボットであり、リアリティという観点から見て実現性は非常に高い。
現在自衛隊で行われている「ガンダム開発計画『0083』の事ではない)」でも、最終的に目指しているのはこの形式の兵器であるということ。
実際に自分の目で見て操作するという点で、完全密閉式のコックピットより操作性も高いものになることが容易に想像できる。

一方で男のロマンという観点からもこの形式のロボットは非常に熱く、搭乗者がむき出しであることから敵との掛け合いや戦闘中のダイレクトな負傷など、通常のロボットよりもドラマを作る力は高いといえよう。

フィクションの世界では「宇宙の戦士」の影響が強かったからか、長らくロボットといえばパイロットを完全に保護する形式が主体だったものの、
前述の『エイリアン2』におけるパワーローダーの映像はエポックメイキングとして大きく、現在に至るまでさまざまなフォロワーが生まれた。

特にフィクション界のロボット大国である日本では「ロボットがロボットに乗る形式の一つ」として独自の発展を遂げつつある。



【フィクションのパワーローダー(追記歓迎)】


実写系

  • APU
映画『マトリックス:レボリューションズ』の最終決戦においてザイオンの防衛兵器として多数登場。
両腕のマシンガンを武器に、多数の死傷者を出しながらもセンティネル相手に奮戦した。
前作『マトリックス:リローデッド』でもネブカドネザル号がザイオンへ帰還したシーンに登場しており、
出番は数秒程しかなかったが隔壁が閉まるまでマシンガンを構えて警備し、隔壁閉鎖後はカメラの方を向いて両手のマシンガンでガンスピンを披露した。
スピンオフ作品の『アニマトリックス』では人間軍と機械軍の戦争において使われた同名の兵器が登場。
こちらは装甲で覆われ単独で飛行可能という高性能なもの*2で、このAPUのデータを元にザイオンで再現されたのが映画で登場したAPUであるとのこと。

  • AMPスーツ
『エイリアン2』のジェームズ・キャメロンが手掛けた『アバター』にて登場。
正式名称はAmplified Mobility Platform(動作増幅プラットフォーム)スーツ。設定によると三菱重工製らしい。
外見はパワーローダーとAPUを合わせてオマージュしたようなものだが、こちらは気密服も兼ねており、コックピットはキャノピーで密閉されている。
脚部は地上数十mから着地しても問題なく稼働する程に頑丈。
映画冒頭でクオリッチ大佐がシャドーボクシングする様と、終盤の決戦で大型ヘリが墜落する状況にひるまず格納庫に飛び込みこのスーツに搭乗するシークエンスは、彼が悪役であるにも拘らずなかなかかっこいい場面といえる。
武装として銃剣付30mm機関砲*3ナイフを装備する。また、クオリッチ機には側面に火の玉のペイントがされている。

特撮テレビドラマ『仮面ライダーフォーゼ』に登場するスーパービーグル。
操縦者がむき出しではないため微妙ではあるが、それ以外は一応上の定義に合っている。
人型のダイザーモード、大型六輪車輌のビーグルモード、仮面ライダーフォーゼを宇宙まで打ち上げるタワーモードの3形態に変形する。
当初は鈍重な動きしか出来なかったが、大文字隼が操縦者になってからは軽快なフットワークで幹部怪人を追い詰める程の活躍を見せるようになった。
映画『仮面ライダーフォーゼ THE MOVIE みんなで宇宙キターッ!』では軍事用のパワーダイザーが登場。
赤いダイザー(クイーンダイザー)を風城美羽、水色のダイザー(JKダイザー)をJKが操縦しパワーダイザーを援護。手持ちのガトリングガンで衛星兵器XVⅡ内の防衛システム・ガンベースと交戦した。

  • シュリケンジン / 覇王シュリケンジン
忍びなれども忍ばないスーパー戦隊シリーズ第39作『手裏剣戦隊ニンニンジャー』に登場する巨大ロボット・シュリケンジンは、
中央に剝き出しになったオトモ忍がパワーローダーを操作する形式になっており、オトモ忍の交代で様々な形態に換装可能。
覇王シュリケンジン形態ではシノビマルがパワーローダーの要領でシュリケンジンに合体し、更にそのシュリケンジンが超巨大パワーローダーに変形したライオンハオーに乗るというマトリョーシカ状態に。
スターニンジャーの専用機バイソンキングもシノビマルと同型のオトモ忍ロデオマルが組み込まれているが、こちらは首から下に変形したバイソンキングバギーの上に腹這いで乗り込む形で合体する、パワーローダーとはまた少し違ったフォーメーションとなる。


アニメ・ゲーム系


  • クロスバイザー/ネオクロスバイザー
アムドライバー達が用いる強化外装「バイザー」の一種で、2機の小型バイザー「ライドバイザー」が合体した状態でアムドライバーに装着される。
普通バイザーは純粋なアーマーだが、クロスバイザーは2機のバイザーで構成されるだけあって非常に大型であり、ロボットとアーマーが融合したかのような姿はまさにパワーローダーそのもの。
特にネオクロスバイザーはサイズ・性能ともにバイザーの中でも最強クラスであり、ハイキャパシティビームライフル「グラム」によるバイザー2機分のパワーを活かした砲撃が必殺技。

強化外骨格「ソニックダイバー」を操り空を駆ける少女達。
某大辞典のほうでは代表例として記載されている。

ジャンク屋組合のロウ・ギュールが開発した、愛機のアストレイ レッドフレーム用(つまりはMS用)のパワーローダー。名称はそのまんま「パワーローダー」。
ロウが巨大なレアメタルを加工して作った(MS用の)150mある日本刀「150ガーベラストレート」を振るうために制作した作業用重機で、着想元はミーティア
上半身と下半身のパーツに分離可能であり、必要に応じて上半身だけ、下半身だけにパワーローダーを装備することも可能。

  • 頑駄無轟炎王
ガンダムサンドロックがモデルの赤流火穏の王子。「鉄鋼獅子」が変形した「鋼動甲冑」へと乗り込む。
当時のSDガンダム界は「ガンダムがガンダムに乗る」展開が多かったものの、こうした形式は異色。
はるか未来の「SDガンダム三国伝」の時代では、かつて赤流火穏があった地域においても引き続きマンモス型の鋼動甲冑「金剛夜迦」が運用。「金剛阿修羅鎧」に変形し、孟獲ガンダムおよびその妻の祝融ガンダムが乗り込む。

  • ヒュッケバインボクサー
バニシングトルーパーことヒュッケバインの系譜たる「第三の凶鳥」・ヒュッケバインMk-ⅢがAMボクサーの中央部分に合体した姿。
このAMボクサー、裏設定によると本来はSRXの強化武器・R-WEAPONシリーズの「R-SWORD」だったもので、変形することで重力子の大剣・「グラビティソード」となる。
立体化されるほど人気があったが、大人の事情で本体と一緒にリアルにバニシング
後にエクスバインと名を改め再登場することになる。

  • ハービーG
ガンハザードの初期機体。数あるヴァンツァーの中でもかなり搭乗者の安全性を軽視しているデザイン。
腕に覚えがあればこの機体で大気圏突入できる。コクピットむき出しなのに……実はパイロット単体でも大気圏突入できるのは秘密だ

地球防衛軍3に登場した移動式砲台新兵器。両腕にマシンガンとロケットランチャー、火炎放射器を装備。
近づかれさえしなければまさに圧倒的と言える火力を誇る。近づかれたら酸1発で死にそうなのはきっと気のせいではない
次作の4では発展型も登場したがコクピットが密閉式になりなんだか普通のロボットになってしまった。

  • ザハ
ゲーム版ブラック★ロックシューターに登場した「コズミック空手」の使い手。
戦闘時には自身の技をトレースする人型アーマーに乗り込む。……が、武闘家なのに「マシン式空烈拳」と称してミサイルを連発してくる時もある。
中の人的には生身で戦った方がいいと思うんだが

項目参照。

  • アーマースーツ
HALOシリーズのスピンオフアニメ「HALO Legends」第6話「Prototype」に登場する試作兵器。
正式名称は「マークⅠプロトタイプADS(Armor Defence System)」。
一見するとロボットのような姿だが、分類的には強化外骨格であり、操縦者の顔と胴体は装甲で覆われているが手脚は剥き出し。
スパルタンが着用するミョルニルアーマーの原点*4である強化外骨格「フルンティング・マークⅠ」をストレートに発展させた物であり、スパルタン用の装備としての採用が検討されていた。
全身に満載した重火器や単独飛行能力などによる極めて高い戦闘能力を持ちながら強化手術を必要とせず、コストもミョルニルアーマーより安かったが、「機体が大き過ぎて被弾しやすい」「操縦システムが複雑で非常に扱いにくい」など問題点も多かったため正式採用は見送られた。
「Legends」本編ではUNSCが惑星アルゴリスを放棄する際、ハデス小隊隊長、コードネーム「ゴースト」が友軍脱出の時間を稼ぐために兵器工廠から無断で持ち出し出撃。単騎でコヴナントの大部隊相手に獅子奮迅の激闘を繰り広げ、最後は機密保持用の自爆装置で周辺数kmの敵兵を道連れに爆散した。
なお、先述のフルンティング・マークⅠにはサイクロプスという別の発展型もあるが、こちらは完全なロボット兵器となっている。


【別枠】

  • パワーローダー
工画堂スタジオの戦術SLG「POWER DoLLS」で用いられるロボット兵器。
惑星開拓団が使っていた人型パワーローダーをそのまま兵器に転用したもの。
ただし、POWER DoLLS本編でプレイヤー部隊に配備されるロボット兵器は原形と名前こそパワーローダーだが、
全身が装甲化され、乗り手は防護シェルに覆われ、戦闘用電子装備をガチガチに詰め込まれた完全な兵器。
オリジンのパワーローダーとは装備と運用がまったく異なっており、その実態は『機動警察パトレイバー』のレイバーに近い存在となっている。


【余談】

いわゆる「二人羽織」をしているキャラや抱っこをしているキャラに対して、この言葉が使われたりすることもある。



追記・修正はむき出しのコックピットに恐怖よりワクワクを感じる人にお願いします。

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最終更新:1970年01月01日 09:00