クトゥルフ神話

登録日:2011/06/30 Thu 08:26:07
更新日:2023/10/11 Wed 13:57:42
所要時間:約 11 分で読めます




――神話は現実を侵食する。

あなたはこの恐怖を、

ただの作り話だと言い切れるだろうか。


探求者達に警告を与えるために、この項目を筆する。





クトゥルフ神話とは、H・P・ラヴクラフトが書いた小説が元になった比較的新しい神話大系。
綴りからクトゥルー神話とも呼ばれる。

当時は狼男やフランケンシュタイン、ドラキュラなどが流行ったが、同時に「恐怖」の対象としては廃れていった。
その頃、H・Pラヴクラフト(通称・御大、愛造)が発表したのが「未知なる悪意や恐怖」といった新しい作風の作品群である。

彼は土着的な恐怖と超存在を融合し、宇宙級の超越存在に対して人間は理解もコミュニケーションもできない「コズミックホラー」という新たなジャンルを生み出したのだ。
まあ、クトゥルフ神話作品とは必ずしも宇宙的な恐怖をテーマにしているとは限らなかったりするが、それはそれ。


そしてラヴクラフト御大が亡くなった後、フランシス・T・レイニー、御大の友人であったオーガスト・ダーレス氏、
そして我らがリン・カーター先生らが小説や資料集などで設定を纏めて大系化したのがクトゥルフ神話である。

ちなみに神話として纏めた事を批判する向きがあるが、その場合何故かダーレスが批判される。
これらの批判においてあたかもダーレスがクトゥルフ神話に善悪の概念や四元要素を持ち込んだとしている。
だが実際のところ、それらの要素は彼独自のクトゥルフ神話作品における適当曖昧な設定に過ぎない。

持ち込んだのは事実だが、それはあくまで彼が自分の作品に導入しただけでラヴクラフトら他の作家達と同様、
ダーレスもまた好き勝手自分のクトゥルフ神話の世界観を書いていただけである。
例えばダーレスの世界観では四属性の内、炎の神がいない事がレイニーに指摘されており、その結果としてクトゥグアが生まれた。

巷で言われる「クトゥルフ神話を大系化し、俺設定をブチ込んだダーレス」にしては随分と適当なエピソードである。

結局のところ設定本で明確な分類を行なったレイニーやカーター、そしてその後のTRPGの業績が最もクトゥルフ神話の大系化に貢献したのではないだろうか。
彼らによって、それぞれ独立したラヴクラフト、スミス、ダーレスらの作った神々や生物がある程度同じ世界観っぽく統合されたのだ。


ところがクトゥルフ神話はマーベル・コミックスのように世界観を共有する所謂シェアード・ワールドとは言い難く、
初期作家であるラヴクラフト、スミス、ハワード、ダーレスらを見てもそれぞれ微妙に世界観が食い違っており、
最近ではワールドならぬシェアード・「ワード」だと指摘する声も上がっている。

強いて言えばクトゥルフ神話作品群とは、それぞれの作品が設定・名称などによる緩やかな繋がりを見せる共通認識と言えよう。
ある設定を使う時に俺設定を付け足したり都合の歩い部分の接合性を取ったり、それぞれの作家に取捨選択は委ねられている。


〔日本でのクトゥルフ神話〕

日本においてこの神話が初めて紹介されたのは、昭和23年『宝石』に連載された江戸川乱歩の『怪談入門』だとされている。

しかし、日本ではこの作品を皮切りにクトゥルフ神話はラヴクラフトが予想もしなかった方向へぶっ飛んでいく


上述の通り、ラヴクラフトのクトゥルフ神話はコズミックホラーのジャンルに分類されるが、
そもそもはラヴクラフトが抱いていた、海洋、深海、そして、そこに棲む魚類や甲殻類、軟体動物への恐怖や嫌悪感が源泉となっている。

だが、大多数の日本人には海産物への恐怖などほとんど存在していなかった
日本における魚介類は一般的な食品であり、また、島国故に多くの人にとって海は身近なものであった。

さらにコズミックホラーのもう一つの要点である「人間なんて巨大な何かの前ではちっぽけで取るに足りない存在」というモチーフも、
津波・地震・台風・噴火・大飢饉と昔から自然災害に翻弄され続けてる日本人にとっては馴染み深く、
自然崇拝(アニミズム)文化がどっぷり根付いているのもあり、基本的に一神教の西洋文化と比べれば「人」と「神様」との距離は非常に近い。
ぶっちゃけ、今更すぎてそっち方面に未知なる恐怖を抱く理由は皆無である。


結果、作品を読んでいる分にはホラーとして楽しめるものの、いざ読み終わったり設定だけ見ると非常に日本人になじみ深いものとなっているのだ。


そのために後述するような萌えクトゥルフだとか、
ウルトラマンの題材になっちゃったり、スーパーロボットの題材になったり、ゲテモノグルメ対決やったり、人類の守護者になっちゃったり、
ことごとく美少女化してハイテンションラヴコメやってたりと、恐怖を呼び起こす為のアイテムとして作られた「邪神」や「魔導書」に対して恐怖を抱くどころか、
あろうことかマクガフィンの枠からも取り出して、それに人格を与えて好意を寄せる者達がでるようになってしまったのだった。


悪いなラヴクラフト先生…日本では触手なんて葛飾北斎の『蛸と海女』に使われたエロスとピンチの権化なんだ。
エロ江戸時代から続く日本人のピンク脳マジパネェ。

2013年にはラヴクラフト先生そのものまで萌えキャラ化されてしまう事態まで発生した。
まあ戦国武将やら戦艦やら女体化させて萌える日本人にとっちゃ今更ではあるが、流石に自分まで萌えキャラ化させられたラヴクラフト先生の心境やいかに。


…実は本国アメリカでは1940年代前後の時点で絶世の美女の姿をした女体化クトゥルフだの人類に友好的なクトゥルフだの、
人間が旧神に変身するウルトラマンみたいな展開だのが存在してるんだぜ?

近年ではルルイエでタップダンスを踊った男が出てくるものや、擬人化シュブ=ニグラスが出てくるラブコメ、
旧支配者がマフィアとして登場する作品など海外勢のクトゥルフ神話もフリーダムそのものであるようだ。
1970年代の時点でタイタス・クロウとかおるしな。



■クトゥルフ神話とは?


クトゥルフ神話、クトゥルー神話など名称は多々あるがそれはかつて地球、ひいては宇宙を支配した神々「旧支配者」達の話であり、クトゥルフもその一柱である。

「旧支配者」達の多くは海底、異次元など人間の踏み入れないような場所で永劫にも近い歳月を過ごしている。
彼等は時おり人類に接触し、その運命を(殆どの場合、悪いほうに)狂わせる。

そしてやがて彼等は復活し、再びこの世界を支配することとなるのだ。


前述の通り比較的新しい神話で、極一部では「現代の神話」とも言われているとか。

中身は簡単にいえば、化物や怪物達の神話といったところである。

これに出てくる神(怪物)は基本的に異様な発音と表記の名前がついている。
これは「人類が想像もできない存在は、現代人が知る何かに由来するような名前ではないだろう」という考えの下、できるだけ人類の言語から遠い名付けをしようとした結果である
だいたいクトゥルフ神話が生まれたのは厨二病という言葉が作り出される何十年も前なので、クトゥルフ神話の神格を厨二病呼ばわりするのは発言者の勉強不足の自己宣伝でしかない
そしてその本来の名前は人間には発音できない場合が多い。
と思ったがクトゥルフ以外の神々についてはあまり発音できない云々とは言われていなかったり。

なお、この「人間には発音できない」という性質のせいで、出版社ごとに日本語カタカナ表記がブレブレしている。
英語表記「Cthulhu」を日本語でどう発音しどうカタカナ表記にするか、議論が分かれても実際仕方なかろう。英語圏ですら議論になったのだし。
有名な表記は「クトゥルフ」「クトゥルー」「クルウルウ」などなど。
このシリーズを読む際は、どの神格名もそういう表記ゆれがあり得る事を念頭に置いておきたい。

もっとも珍奇な日本語カタカナ表記として「ク・リトル・リトル」(荒俣宏版)がよくネタにされる。
これは編集者の憶測なのだが、『「Cthulhu」は「クリウリウ」っぽく発音する』とラヴクラフト自身が記した書簡が残っている。
その書簡には「Ku little little」と表記されていたのではないだろうか(英語のlittleは、日本人には「リウ」と聞こえる)。

また、クトゥルフ他の神格をどう表記するかで、その人のクトゥルフ神話の原点を推し量る事が可能。
「クトゥルー」なら青心社の暗黒神話体系シリーズ生まれだろうし、「クトゥルフ」と書く人はTRPG畑で採れた可能性が高い。

話自体は基本的にホラーテイストなので救いがない展開が多く、ヒロインっぽい女性キャラが出てきたら後々ひどい目に遭うと思っていい。
主人公の美人若妻が旧支配者に魅入られてNTRれた挙句孕まされたり、
血筋に「深きものども」の血が混じっている快活な女性がイルカにレイプされた上に洗脳されたりと、それなんて(鬱)エロゲ?な作品もある。

一方で語り部となる主人公は旧支配者の手から逃れられるという展開がほとんどなので、
ホラーものによくある「みんな死んだのならこの話の語り部は誰なんだ」というツッコミは入れずに済む。

ただ、語り部本人は命を失わずに済んでも、友人・恋人等の大切な間柄の人を殺されたり奪われたりするのが大半な上、
この世の外にある邪神の世界、世界の実相、現世の不安定さといった真実を知ってしまったことにより、何をしても幸せな気分になれない場合が大半。
クトゥルフ神話では、生き長らえることが救いとは言えないのである。
ただし、猫が酷い目にあうことはない。


ちなみに結構誤解されがちだが、名前の由来となったのはシェアワールドの一神性としてのクトゥルフではなく、
神話体系の枠組みを最初に明らかにした小説『クトゥルフの呼び声』に敬意を称して由来したものである。
どこかの某小説家のように「自分だったらヨグ=ソトース神話にする」とかしたり顔でぬかしたら大恥かくので要注意。



■クトゥルフ神話の神々

旧支配者

この語句がクトゥルフ神話の所謂異形の神々を明確に指すようになるまで色々と経緯があったが、
ひとまず割合してこれらの神々を旧支配者として扱う。
もっと詳しい情報が知りたい人はクトゥルフ神話関連の解説本を買おう!(ステマ)

クトゥルフ神話のTRPG登場以降、旧支配者の中でも全宇宙規模の神々であるアザトースらを外なる神として扱う向きもあるし、
ラヴクラフトも一部作品で全宇宙規模の神々を外宇宙の実体だの蕃神だのと書いているが、
その一方とある手紙に彼が遊びで書いた邪神家系図ではアザトースらとクトゥルフらに血縁関係があったりするんでひとまず割合(ry

こまけぇこたぁいいんだよ!




旧神

地球本来の神々の扱いをどうするかなど色々作品によって異なるがひとまず割合(ry
とりあえずは旧支配者に敵対的な神々や人類に友好的な神々全般を取り扱う。

  • 星の戦士
  • ノーデンス
  • ヴォルヴァドス



■クトゥルフ神話に関わる作家


こちらを参照。



■クトゥルフ神話のアイテム


こちらを参照。



■クトゥルフ神話の舞台


こちらを参照。



■クトゥルフ神話を題材にした作品

etc…





……しかし、こんな詳細な追記・修正をして大丈夫だろうか。

奴らの目に止まっ……物音?

……気のせいか。この項目には私一人しかいないはず。

……いや、監視カメラに映ったあの影はなんだ?

そんな!まさか奴らがここを嗅ぎつけただなんて!

この項目は、それほどまでに奴らにとって触れられたくない秘密だったのか!

──逃げるか?

駄目だ、逃げ場なんてありはしない。

畜生、せめてもの報いだ。海に潜む恐怖が目覚める前に、この項目からあの計画を知らしめ、教団の陰謀を崩壊させるのだ。

あのキチ○イ共に一泡吹かせてやる

でも、いや、そんな!隙間から忍び寄るあの触手はなんだ!


ああ、窓に! 窓に!


項目はここで途切れている……

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最終更新:2023年10月11日 13:57