内藤哲也

登録日:2022/03/16 Wed 12:48:30
更新日:2023/06/12 Mon 23:30:20
所要時間:約 2分で読めます






勝った負けた

そんな小さいことで俺らこのプロレスしてないですよ



内藤哲也とは、新日本プロレスに所属するプロレスラーである。


■概要


生年月日:1982年6月22日
身長:180cm
体重:102kg
入場テーマ曲:STARDUST
キャッチコピー:制御不能なカリスマ、スターダスト☆ジーニアス


幼少の頃から父親の影響でプロレスにハマり、特に新日本プロレスに強い関心を示すようになった。その後自分のお小遣いでプロレスを見に行くようになり、『オレも新日本プロレスのレスラーになって、スポットライトを浴びながら大音量で流れる入場テーマ曲と共に入場してみたい』と本気で思うようになる。
高校3年の時にアニマル浜口トレーニングジムに通い始め、卒業後もアルバイトで食いつなぎつつプロレスラーを目指す。十字靭帯を断裂したり肩を負傷したりとトラブルが年単位で続くも、2005年に入門テストを受け無事合格。ようやく新日本プロレスのプロレスラーとしてのキャリアが始まった。

2008年にはタッグを組む機会の多かった高橋裕二郎と正式に『NO LIMIT』というタッグチームを結成。2009年には2人でアメリカやメキシコへ戦線を移し、同年12月に凱旋帰国。さらに本隊を裏切り中邑真輔がリーダーを務めるCHAOSに移籍。学生時代から大ファンであった棚橋弘至とも敵対関係になり、入団時から目標としていた棚橋超えを本格的に目指すようになる。

しかしこの頃からオカダ・カズチカの台頭や自身の不調や怪我が重なりファンへの求心力を失っていく。
決してヒールとして売り出していた訳ではないのに、いつからか観客からは入場するだけでブーイングを飛ばされるまでになってしまった。
さらにCHAOSから追放、東京ドームのメイン(棚橋vs中邑かオカダvs内藤)をファン投票で決められた結果メインを逃す*1など当時の内藤にとっては試練の連続となる苦しい展開が続いた。

そんな状況を打破するため、「これで何も掴めなかったら自分に未来はない」という背水の思いで2015年に再び海外遠征を行う。ここで現地で親交のあったレスラーたちが組む『ロス・インゴベルナブレス』というユニットに加入。ベビーやヒールという立場を無視した制御不能ながらも楽しげに闘う彼らの姿に新しいスタイルを見出す。また、現在のフィニッシャーであるデスティーノも遠征中に鉄棒で遊ぶ子供の姿を見て発明する。

凱旋後は相手を挑発するようなのらりくらりとしたファイトスタイルに転向、さらに棚橋やオカダの言うとおりに事を運ぶ会社に痛烈な批判を繰り返す反体制側となる。そしてEVILとBUSHIをパレハ*2とし、『ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン』を発足。この頃からファン人気は戻るどころか、その歯に衣着せぬ言動、団体やファンに一切媚びることのない孤高な振る舞い、単純なヒールとはまた違うアンチヒーローとしての魅力でファンを惹きつけ、オカダや棚橋に匹敵するほどうなぎ上りになっていく。

2016年にはEVILとBUSHI、ロスインゴに勧誘していたSANADAを介入させ、ついにオカダから勝利しIWGP王座初戴冠を果たす。介入など反則行為による戴冠でありながらも内藤に対するファンからの声援は凄まじかったが、当の内藤は、なんとあれだけ憧れていたはずのIWGPのベルトを投げ捨てるという暴挙に出る。
直後のインタビューにおいて「ベルトを超えた存在になり、ベルトを追う必要がなくなった」「今やベルトの方から俺を追いかけるようになった」と語り、これ以後もベルトを雑に扱うパフォーマンスを行っている。それでもなお内藤に対する支持は高まっていき、新日本プロレスの中心人物として活躍していく。

棚橋との決着、高橋ヒロムや鷹木信悟といった新メンバーの加入などによりロスインゴの地位を盤石なものにしていく。そして2020年、IWGPとインターコンチを保持する史上初の二冠王者となるという偉業を達成……した瞬間KENTAに襲撃され場を台無しにされるという悲劇に見舞われる。

さらにEVILの裏切りや飯伏幸太と二冠を賭けた死闘など、内藤の試練はまだまだ続いていくのだった。


■人物


幼少期からプロレスファンだったこともあり、プロレスラーとなった現在でもファン目線を崩さない。特にファンが疑問や不満に思う展開には真っ先に噛みつき代弁することに定評がある。一方で出られる試合は極力出場したり、ファン向けの宣伝などで駆り出されることも多いため冗談半分で社畜扱いされることも。
また会場ファンという一面もあり、試合前に会場入りして撮った写真をSNSに上げるのが慣例となっている。

学生時代に野球をやっていた影響で野球観戦も趣味としており、特に広島東洋カープの大ファン。選手の入場テーマに自身の曲を使ってもらったり、コラボTシャツの制作やそれ行けカープリレー映像に出演するなど公私混同ともに深い関係を築いている。

一度気に入ったものがあるとそれしか食べないというレスラーらしからぬ偏食家。海外では現地料理に舌鼓を打つことなくずっとサブウェイのサンドイッチを食べていたほど。某番組で父親が愚痴ってました。
特にファミレスを好んでおり、それ以外にもファンだった頃の気持ちを思い出せたり取材場所としても便利で会計を東スポ記者に押し付けやすいといった理由からしょっちゅう通っている。

パフォーマンスやリング上の立ち振る舞いからとっつきにくい印象を受けるが、本人は意外にもファンには気付いてほしいそうで、声をかけられる状態なら積極的にきていいとも語っている。


■選手としての特徴


入団前から新日本プロレスの大ファン、ひいては武藤敬司に憧れていた事もあり、彼の動きを完コピ出来るほどの類稀な身体能力の持ち主。
メキシコ遠征後はそれを生かしたルチャ仕込みの飛び技を多用する華麗でしなやかなファイティングスタイルを確立し、新日きっての技巧派レスラーとして名を馳せている。
さらに入場時にたっぷりと時間を使って相手を苛立たせる、ダウンした相手の頭を執拗に踏みつける、ロープに走って技をかけると見せかけて寝転がってポーズを取る、相手に唾を吐きかける…など、奇想天外な搦め手と反則で相手を手玉に取る、その振る舞いはまさに「制御不能」である。


■名言

  • トランキーロ!あっせんなよ
トランキーロとはスペイン語で「落ち着いて」という意味の言葉。今後の展開について期待させるときに使う。
プロレスは年単位の物語の積み重ねで生まれるドラマが多いので、それを端的に表している。

  • この会場の雰囲気、この声援、あなたの耳にしっかり届いてますか?
2016年、オカダからIWGPヘビー級ベルトを奪取した際の言葉。「あなた」とは新日本プロレスの親会社であるブシロードの会長木谷オーナーを指している。
オカダに対し会社全体でバックアップすると発言したことに対する皮肉。

  • 勝った負けた、そんな小さいことで俺らこのプロレスしてないですよ
『プロフェッショナル 仕事の流儀』に出演した際の発言。
プロレスはその性質から八百長だのなんだの馬鹿にされることもあるが、その魅力の本質を的確に表している。


■主な必殺技


  • デスティーノ
スペイン語で「運命」の意味を持つ近年の内藤の代表的なフィニッシュホールド。
逆上がりの要領で相手の腕を掴んで回転した後、DDTの体勢で相手の後頭部を叩きつける。
技の形的には丸藤正道の「不知火」に似ている。
習得のキッカケとなったのは、前述の通りメキシコ遠征の際に現地の子供が鉄棒で逆上がりをする姿からヒントを得たことによる。

  • スターダスト・プレス
ロスインゴ結成前に使用していたフィニッシュホールド。
コーナーポストに上り、相手に背を向けた状態で飛び降りて錐揉み回転しながらのフライングボディプレス。
非常に難易度が高く、かつてのキャッチコピーである「スターダスト☆ジーニアス」の由来にもなっている内藤を象徴する必殺技のひとつ。
ロスインゴ結成以後は使用頻度は少なくなったものの、それでも時折使用して古くからのファンを熱狂させている。

  • グロリア
スペイン語で「栄光」を意味する変形リストクラッチ式サイドバスター。
この技とスターダスト・プレスのコンビネーションが2015年以前の内藤の必勝パターンであった。

  • バレンティア
スペイン語で「勇気」を意味する変形ノーザンライトボム。
落とし方としては三沢光晴のエメラルド・フロウジョンに近い。

  • エスペランサ
スペイン語で「希望」を意味する変形式のダイヤモンド・カッター。

  • プルマ・ブランカ
スペイン語で「白い翼」を意味する変形肩固め。


  • コーナーミサイル
相手をコーナーに釘付けにした後、サードロープを踏み台にして相手に低空のドロップキックを叩き込む。
技に入る一連のプロセスも合わせて「三点セット」と呼ばれる場合もある。

  • ジャックナイフ・ホールド



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最終更新:2023年06月12日 23:30

*1 新日側はあくまで「ダブルメインイベント」と銘打っていたが、事実上のセミファイナル降格である

*2 スペイン語で「仲間」という意味