桃太郎(芥川龍之介)

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&font(#6495ED){登録日}:2012/02/04(土) 13:13:16 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 7 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- 日本ではよく親しまれた昔話『[[桃太郎]]』。 桃から産まれた桃太郎が[[犬]]・猿・[[雉>キジ(野鳥)]]の三匹の家来を率いて悪い[[鬼>鬼(妖怪)]]を懲らしめる勧善懲悪物語である。 幼児向けに絵本や紙芝居になることも多い、日本民話の代表作だが、あなたはこのお話が&bold(){文豪・芥川龍之介}の手で小説になっていることをご存知だろうか。 しかしこの芥川版桃太郎、何か様子がおかしいのである。 大筋は確かに桃太郎が家来を引き連れ鬼退治をするというものなのだが……。 *【登場人物】 -桃太郎 >「進め! 進め! 鬼という鬼は見つけ次第、一匹も残らず殺してしまえ!」 ご存知日本一の桃太郎。 だがこいつ、かなりのクズ野郎。 成長してもろくに働きもせず、鬼退治を志したのも&bold(){お爺さんやお婆さんのように山だの川だの畑だのへ仕事に出るのが嫌だったから}。早い話が[[ニート]]+DQN。 その上家来に「鬼退治のお供を引き受けてあげるから黍団子を一つよこせ」と言われても、「一つはやらぬ、半分やろう」の一点張りのドケチ。 それだけならまだしも、&bold(){鬼ヶ島に着くなり上記のセリフを吐いて逃げ惑う鬼を大虐殺}。 降伏した鬼から宝物を一つ残らず奪い、ついでに鬼の酋長の子を召し上げる。 まさに戦勝国の振る舞いである。こいつ戦いで何もしてないけど。 静かに暮らしていただけの鬼たちの「なぜ征伐されなければならないのですか」という質問にも取り合わず、&bold(){「俺が殺したいと思ったからだ。何度も言わせるならウゼェからまとめてぶち殺すぞ?」}と脅すほどの鬼畜っぷり。%%まぁ働きたくなかったからとも言えまい%% 宝物と人質をゲットして凱旋したものの、それ以来鬼からの復讐に悩まされることになる。 ・犬 >「桃太郎さん。桃太郎さん。お腰に下げたのは何でございます?」 桃太郎最初の家来。黍団子が一つ欲しかったが桃太郎がケチなのでもらえなかった。 丈夫な牙を持っているため、意気地のない猿を馬鹿にしている。 どうも沸点が低いらしく、猿がちょっと桃太郎の悪口を言うや否や&bold(){吠えながら猿を噛み殺そうとする}。その様を例えるなら『[[鬼灯の冷徹]]』のシロから可愛げを80%ほど奪って凶暴性で埋め合わせたものと思えばよし。 鬼ヶ島での戦いでは自慢の牙で鬼の若者を噛み殺しまくった。 鬼の復讐で猿と雉が殺される中、桃太郎の腰ぎんちゃくの座に収まる。   ・猿 >「ではその打出の小槌から、幾つもまた打出の小槌を振り出せば、一度に何でも手にはいるわけですね。 > それは耳よりな話です。どうかわたしもつれて行って下さい。」 桃太郎第二の家来。&bold(){クズ度も本作で二番目。} 卑劣にして強欲で、何かともっともらしい雉を馬鹿にしている。 鬼ヶ島への道中、もらっておきながら「黍団子半分じゃ足りない」と駄々をこねたばっかりに危うく犬に噛み殺されそうになる。さぞびびったに違いない。 結局桃太郎の言う「鬼ヶ島の宝物」につられ、その中の打ち出の小槌を励みにお供を続けることに。 鬼ヶ島の戦いでは&bold(){鬼の娘を狙い、必ずレイプしてから殺した}。戦闘中に随分な余裕である。 結局あんなに欲しがっていた打ち出の小槌を手にする描写はないまま、戦後、鬼に桃太郎と間違われて暗殺された。 かつて[[蟹に対して乱暴を働いた>猿蟹合戦(芥川龍之介)]]ことも示唆されており、どちらにしろ死は免れなかったようだ。 -雉 桃太郎第三の家来。家来の中では一番マトモ。 地震学などに強いらしく、頭の鈍い犬を馬鹿にしている。 しかし何だかんだで猿と犬の殺し合いを止めたり、桃太郎に従うよう猿を注意するなど面倒見はいい。 鬼ヶ島の戦いでは「つつく」で鬼の子供を殺しまくったが、人質にとった酋長の子の番をしていたところ逆に噛み殺される。 三匹の中で唯一台詞がない。 ・鬼たち >「わたくしどもはあなた様に何か無礼でも致したため、御征伐を受けたことと存じて居ります。 > しかし実はわたくしを始め、鬼が島の鬼はあなた様にどういう無礼を致したのやら、とんと合点が参りませぬ。 > ついてはその無礼の次第をお明し下さる訣には参りますまいか?」 ヤシの木がそびえ極楽鳥がさえずる天然の楽土・鬼ヶ島で平和に、穏やかに暮らす一族。 しかし、凶悪な桃太郎一味の襲撃を受け、建国以来の恐怖を味わわされた挙句、ほとんど全滅させられた。 降伏後、宝物と酋長の子を奪われた際に、なぜ征伐に来たのか聞くものの取り合ってもらえない。 酋長の子が雉を殺して島に逐電した後、生き残った鬼の若者たちがレジスタンスを結成。 &bold(){遊びも恋も捨てて、ただ桃太郎一味への復讐のみに生きるようになってしまった。} ・お爺さんとお婆さん 昔話と同じ老夫婦。 ニート状態の桃太郎に愛想を尽かしていたため、鬼退治に行くと言い出した桃太郎に、入用のものや黍団子を持たせて厄介払いをする。 この作品は1924年7月に発表された。 当時、日本(大日本帝国)は台湾や朝鮮半島、そして南方・ミクロネシアの島々を植民地支配しており、そういった情勢に対する風刺・パロディとして書かれたのではないかという指摘がある。 それ以外にも当時の国内の時勢を知っていれば、読んでてニヤリとできるかもしれない。 現在は「青空文庫」というサイトで無料公開されており、読みやすく内容もとっつきやすいので一度読んでみることをオススメする。 ちなみにかの有名な童謡「桃太郎」の歌詞でも、「潰してしまえ鬼ヶ島」やら「お~もしろい、面白い(鬼の虐殺のこと)」と桃太郎の外道っぷりが語られているので、小さい子の夢を壊さないよう歌詞を知っていても教えないようにしよう。   追記・修正お願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,10) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 「チャージマン研!」の泉研並みの外道桃太郎。 -- 河端 (2013-11-26 18:26:19) - ↑あいつはまだ世界の平和を守るために戦ってるから……(震え声) -- 名無しさん (2013-12-31 02:17:07) - 確かに原作でも、なぜ鬼を退治する必要があるのか言及されてなかった気がする。 -- 名無しさん (2013-12-31 02:32:44) - ↑罪もない村人達を散々蹂躙して略奪と暴虐の限りを尽くしたからだよ。 -- 名無しさん (2014-05-09 23:50:57) - とりあえず世の中で正義の味方とか言われているようなキャラをクズにしたり乏しめたりすれば深いとか言われるって風潮はどうなのかなあ -- 名無しさん (2014-05-09 23:54:38) - まぁ、なんつーかこれは軍国主義への社会風刺な側面もあるから一概にそう片付けられる訳ではないんだけど。 -- 名無しさん (2014-05-09 23:59:47) - ↑2 そういう奴らに聞きたい。もし地球に侵略者が攻めてきて、それをヒーローなり地球防衛軍なりが撃退したら、お前はその助けてくれた奴を「お前らの勝手な正義観でなんて事するんだクズども!」ってなじるのか? -- 名無しさん (2014-05-10 00:11:04) - いや意味なんてない原作桃太郎とのギャップを楽しむただのパロディだろ -- 名無しさん (2014-06-27 04:34:33) - ↑7一話で早速子供達を見殺しにしていましたけれど? -- 名無しさん (2014-07-02 15:17:45) - そもそも、芥川龍之介は昔話の別解釈が好きだっただけ。「桃太郎は悪人だ!」といいたかったわけじゃなくて「こんな解釈もできる」と言うだけの話。↑2で言われてるようにパロディに近い -- 名無しさん (2014-07-02 18:10:30) - ↑×4それは ザンボット3 です -- 名無しさん (2014-07-02 18:17:35) - こち亀でも両さんが「鬼をやっつけ、宝を奪って帰る。 やってる事は強盗団と殆ど同じですよ。」と答えてる。 -- 名無しさん (2014-09-16 16:00:52) - ↑そういうこと言われ続けてるせいか最近の桃太郎はぶんどった宝物を全部ちゃんと持ち主に返してるな。 -- 名無しさん (2014-09-16 16:27:22) - 桃太郎カンダタ説 -- 名無しさん (2014-10-18 12:24:07) - 石川賢先生も虚無ることなくこれのオマージュを描いていたな。 -- 名無しさん (2014-10-18 12:50:35) - まぁこれ書いた本人は首を掻き切って自殺しちゃうほどのキチレベルだったからな。子供には「桃太郎伝説シリーズ」で十分。 -- 名無しさん (2014-10-18 12:52:05) - 猿蟹合戦とは世界観を共有しているようだ。芥川版猿蟹合戦もなかなか愉快な内容。こちらは蟹の行動が各方面からボロクソに叩かれ死刑になりましたといった感じの話。 -- 名無しさん (2015-01-20 17:29:08) - この桃太郎と猿を悪魔合体すれば草加雅人が出来上がる -- 名無しさん (2015-04-19 23:11:19) - なんか、ヒーロー全く知らない癖にヒーローをエゴイスト呼ばわりして批判する連中が取り上げる作品の常連って印象。そしてそいつらは一様にこれこそが桃太郎のオリジンであるかのように主張する。 -- 名無しさん (2015-05-26 14:54:17) - "黍団子半分やる"も地方版桃太郎の引用である可能性 -- 名無しさん (2016-05-10 17:48:55) - 実はロシアを鬼ヶ島、村人を中国朝鮮、桃太郎を日本に準えて日露戦争を皮肉った社会風刺だったのではないかという説もあるらしい -- 名無しさん (2016-10-28 10:53:52) - 作者って『白』って話を作った人だな。 -- 名無しさん (2016-12-27 17:29:03) - ももふぇ「ボクの知っている桃太郎様の話じゃない!」ほやのん「落ち着くザウルス!ももふぇ! 」 -- 名無しさん (2016-12-27 21:52:59) - 芥川は善悪を疑う、というテーマが多いからな。単なる逆張りじゃない。黒衣聖母やら読んだら皮肉の意図が伝わりやすい。と思う。 -- 名無しさん (2016-12-27 22:07:54) - この作品が出来た頃にはすでに原作桃太郎が残酷すぎるという批判があったらしい -- 名無しさん (2017-01-26 11:45:39) - 蛸壺屋の同人誌みたいなもんだし、 -- 名無しさん (2017-07-10 07:02:33) - ↑ミス   明治版蛸壺屋同人誌みたいなもんだな -- 名無しさん (2017-07-10 07:04:58) - クレしんの昔話で「桃太呂」という、鬼たちをいじめたりお宝を奪ったりする外道者をしんちゃんたちが追い返すという話があったな。 -- 名無しさん (2017-07-28 19:26:21) - コロンブスとかピサロを彷彿とさせる所業だな -- 名無しさん (2017-10-14 20:11:10) - 猿が>最後は鬼に桃太郎と間違われて暗殺された。 ってあるけど、自分が読んだのでは確か蟹に殺されたってなってたような? -- 名無しさん (2019-08-17 21:25:58) - 桃太郎の話に置いて「鬼の悪行を描写する」というのがいかに大事かがわかるな。悪役がちゃんと悪役として成り立っていないと、ヒーローがただの虐殺者になってしまう。どこぞの赤い通り魔にも言えることだが -- 名無しさん (2019-08-17 21:57:39) - あるいは正義と品行方正は必ずしもセットじゃないと言うか。例え残虐な行為をしていても何処かの共同体の利益となっていればそれは正義とされ得る -- 名無しさん (2020-08-01 04:54:38) - この芥川版の桃太郎教科書にも載ってるのかな -- 名無しさん (2020-11-03 18:10:09) - 昔からのオリジナル桃太郎からして宝物は純然に鬼所有、悪事なんて書いていない状態だからな。福澤諭吉同様に芥川には反感あったと思うわ。鬼が宝物持ってるらしい(他情報なし)、よし行こうなんて基本的流れは一緒だし。こういう批判が今に受け入れられる作品に自然と変えて行った。 -- 名無しさん (2021-07-31 11:33:59) - 原典の鬼ヶ島は幻の島ニュアンス。宝も不思議な力を持つとか。悪事以前に人との交わりが想定されてない。人外ならいきなり乗り込み殺して分捕るのもセーフで通る時代だったんだろう。そこが明治期には壁に当たって変容したと。 -- 名無しさん (2021-08-02 08:44:18) - ↑ 3匹の子豚裁判も大体同じ感じと解釈している -- 名無しさん (2021-08-02 13:27:26) - そもそも鬼の元になったのは「朝廷に反抗的だった豪族」で、それを討伐した朝廷側の人間が桃太郎のモデルになったって説もあるし -- 名無しさん (2023-09-06 05:10:58) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2012/02/04(土) 13:13:16 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 7 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- 日本ではよく親しまれた昔話『[[桃太郎]]』。 桃から産まれた桃太郎が[[犬]]・猿・[[雉>キジ(野鳥)]]の三匹の家来を率いて悪い[[鬼>鬼(妖怪)]]を懲らしめる勧善懲悪物語である。 幼児向けに絵本や紙芝居になることも多い、日本民話の代表作だが、あなたはこのお話が&bold(){文豪・芥川龍之介}の手で小説になっていることをご存知だろうか。 しかしこの芥川版桃太郎、何か様子がおかしいのである。 大筋は確かに桃太郎が家来を引き連れ鬼退治をするというものなのだが……。 *【登場人物】 -桃太郎 >「進め! 進め! 鬼という鬼は見つけ次第、一匹も残らず殺してしまえ!」 ご存知日本一の桃太郎。 だがこいつ、かなりのクズ野郎。 成長してもろくに働きもせず、鬼退治を志したのも&bold(){お爺さんやお婆さんのように山だの川だの畑だのへ仕事に出るのが嫌だったから}。早い話が[[ニート]]+DQN。 その上家来に「鬼退治のお供を引き受けてあげるから黍団子を一つよこせ」と言われても、「一つはやらぬ、半分やろう」の一点張りのドケチ。 それだけならまだしも、&bold(){鬼ヶ島に着くなり上記のセリフを吐いて逃げ惑う鬼を大虐殺}。 降伏した鬼から宝物を一つ残らず奪い、ついでに鬼の酋長の子を召し上げる。 まさに戦勝国の振る舞いである。こいつ戦いで何もしてないけど。 静かに暮らしていただけの鬼たちの「なぜ征伐されなければならないのですか」という質問にも取り合わず、&bold(){「俺が殺したいと思ったからだ。何度も言わせるならウゼェからまとめてぶち殺すぞ?」}と脅すほどの鬼畜っぷり。%%まぁ働きたくなかったからとも言えまい%% 宝物と人質をゲットして凱旋したものの、それ以来鬼からの復讐に悩まされることになる。 ・犬 >「桃太郎さん。桃太郎さん。お腰に下げたのは何でございます?」 桃太郎最初の家来。黍団子が一つ欲しかったが桃太郎がケチなのでもらえなかった。 丈夫な牙を持っているため、意気地のない猿を馬鹿にしている。 どうも沸点が低いらしく、猿がちょっと桃太郎の悪口を言うや否や&bold(){吠えながら猿を噛み殺そうとする}。その様を例えるなら『[[鬼灯の冷徹]]』のシロから可愛げを80%ほど奪って凶暴性で埋め合わせたものと思えばよし。 鬼ヶ島での戦いでは自慢の牙で鬼の若者を噛み殺しまくった。 鬼の復讐で猿と雉が殺される中、桃太郎の腰ぎんちゃくの座に収まる。   ・猿 >「ではその打出の小槌から、幾つもまた打出の小槌を振り出せば、一度に何でも手にはいるわけですね。 > それは耳よりな話です。どうかわたしもつれて行って下さい。」 桃太郎第二の家来。&bold(){クズ度も本作で二番目。} 卑劣にして強欲で、何かともっともらしい雉を馬鹿にしている。 鬼ヶ島への道中、もらっておきながら「黍団子半分じゃ足りない」と駄々をこねたばっかりに危うく犬に噛み殺されそうになる。さぞびびったに違いない。 結局桃太郎の言う「鬼ヶ島の宝物」につられ、その中の打ち出の小槌を励みにお供を続けることに。 鬼ヶ島の戦いでは&bold(){鬼の娘を狙い、必ずレイプしてから殺した}。戦闘中に随分な余裕である。 結局あんなに欲しがっていた打ち出の小槌を手にする描写はないまま、戦後、鬼に桃太郎と間違われて暗殺された。 かつて[[蟹に対して乱暴を働いた>猿蟹合戦(芥川龍之介)]]ことも示唆されており、どちらにしろ死は免れなかったようだ。 -雉 桃太郎第三の家来。家来の中では一番マトモ。 地震学などに強いらしく、頭の鈍い犬を馬鹿にしている。 しかし何だかんだで猿と犬の殺し合いを止めたり、桃太郎に従うよう猿を注意するなど面倒見はいい。 鬼ヶ島の戦いでは「つつく」で鬼の子供を殺しまくったが、人質にとった酋長の子の番をしていたところ逆に噛み殺される。 三匹の中で唯一台詞がない。 ・鬼たち >「わたくしどもはあなた様に何か無礼でも致したため、御征伐を受けたことと存じて居ります。 > しかし実はわたくしを始め、鬼が島の鬼はあなた様にどういう無礼を致したのやら、とんと合点が参りませぬ。 > ついてはその無礼の次第をお明し下さる訣には参りますまいか?」 ヤシの木がそびえ極楽鳥がさえずる天然の楽土・鬼ヶ島で平和に、穏やかに暮らす一族。 しかし、凶悪な桃太郎一味の襲撃を受け、建国以来の恐怖を味わわされた挙句、ほとんど全滅させられた。 降伏後、宝物と酋長の子を奪われた際に、なぜ征伐に来たのか聞くものの取り合ってもらえない。 酋長の子が雉を殺して島に逐電した後、生き残った鬼の若者たちがレジスタンスを結成。 &bold(){遊びも恋も捨てて、ただ桃太郎一味への復讐のみに生きるようになってしまった。} ・お爺さんとお婆さん 昔話と同じ老夫婦。 ニート状態の桃太郎に愛想を尽かしていたため、鬼退治に行くと言い出した桃太郎に、入用のものや黍団子を持たせて厄介払いをする。 この作品は1924年7月に発表された。 当時、日本(大日本帝国)は台湾や朝鮮半島、そして南方・ミクロネシアの島々を植民地支配しており、そういった情勢に対する風刺・パロディとして書かれたのではないかという指摘がある。 それ以外にも当時の国内の時勢を知っていれば、読んでてニヤリとできるかもしれない。 現在は「青空文庫」というサイトで無料公開されており、読みやすく内容もとっつきやすいので一度読んでみることをオススメする。 ちなみにかの有名な童謡「桃太郎」の歌詞でも、「潰してしまえ鬼ヶ島」やら「お~もしろい、面白い(鬼の虐殺のこと)」と桃太郎の外道っぷりが語られているので、小さい子の夢を壊さないよう歌詞を知っていても教えないようにしよう。   追記・修正お願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,10) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - 「チャージマン研!」の泉研並みの外道桃太郎。 -- 河端 (2013-11-26 18:26:19) - ↑あいつはまだ世界の平和を守るために戦ってるから……(震え声) -- 名無しさん (2013-12-31 02:17:07) - 確かに原作でも、なぜ鬼を退治する必要があるのか言及されてなかった気がする。 -- 名無しさん (2013-12-31 02:32:44) - ↑罪もない村人達を散々蹂躙して略奪と暴虐の限りを尽くしたからだよ。 -- 名無しさん (2014-05-09 23:50:57) - とりあえず世の中で正義の味方とか言われているようなキャラをクズにしたり乏しめたりすれば深いとか言われるって風潮はどうなのかなあ -- 名無しさん (2014-05-09 23:54:38) - まぁ、なんつーかこれは軍国主義への社会風刺な側面もあるから一概にそう片付けられる訳ではないんだけど。 -- 名無しさん (2014-05-09 23:59:47) - ↑2 そういう奴らに聞きたい。もし地球に侵略者が攻めてきて、それをヒーローなり地球防衛軍なりが撃退したら、お前はその助けてくれた奴を「お前らの勝手な正義観でなんて事するんだクズども!」ってなじるのか? 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-- 名無しさん (2019-08-17 21:25:58) - 桃太郎の話に置いて「鬼の悪行を描写する」というのがいかに大事かがわかるな。悪役がちゃんと悪役として成り立っていないと、ヒーローがただの虐殺者になってしまう。どこぞの赤い通り魔にも言えることだが -- 名無しさん (2019-08-17 21:57:39) - あるいは正義と品行方正は必ずしもセットじゃないと言うか。例え残虐な行為をしていても何処かの共同体の利益となっていればそれは正義とされ得る -- 名無しさん (2020-08-01 04:54:38) - この芥川版の桃太郎教科書にも載ってるのかな -- 名無しさん (2020-11-03 18:10:09) - 昔からのオリジナル桃太郎からして宝物は純然に鬼所有、悪事なんて書いていない状態だからな。福澤諭吉同様に芥川には反感あったと思うわ。鬼が宝物持ってるらしい(他情報なし)、よし行こうなんて基本的流れは一緒だし。こういう批判が今に受け入れられる作品に自然と変えて行った。 -- 名無しさん (2021-07-31 11:33:59) - 原典の鬼ヶ島は幻の島ニュアンス。宝も不思議な力を持つとか。悪事以前に人との交わりが想定されてない。人外ならいきなり乗り込み殺して分捕るのもセーフで通る時代だったんだろう。そこが明治期には壁に当たって変容したと。 -- 名無しさん (2021-08-02 08:44:18) - ↑ 3匹の子豚裁判も大体同じ感じと解釈している -- 名無しさん (2021-08-02 13:27:26) - そもそも鬼の元になったのは「朝廷に反抗的だった豪族」で、それを討伐した朝廷側の人間が桃太郎のモデルになったって説もあるし -- 名無しさん (2023-09-06 05:10:58) - 皮肉大好きな芥川らしい作品だな、まあ本人もガチキチだから首切って自◯したけど -- 名無しさん (2024-02-11 02:37:33) #comment #areaedit(end) }

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