愚地克巳

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&font(#6495ED){登録日}:2012/04/29 Sun 14:13:34 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 8 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){ &sizex(7){&bold(){&color(RED){俺はまだ使用(つか)っちゃいない!}}} &sizex(7){&bold(){&color(RED){俺だけが掴んだ―――}}} &sizex(7){&bold(){&color(RED){俺だけのマッハッ}}} } &bold(){&ruby(おろち かつみ){愚地克巳}}は、[[バキシリーズ]]の登場人物。 声優:[[藤原啓治]](TVアニメ第一作)、前川優子(5歳の克巳)/川原慶久(TVアニメ第二作以降) モデル:面相はボディビルダーの山本義徳、名前は同じくボディビルダーであるマッスル北村の本名「北村克巳」。 *○人物 作中最高峰の空手家である武神・[[愚地独歩]]の息子(養子)。 父が運営する世界最大の勢力を誇る空手道団体・神心会に所属する空手家で、「近代空手を完成させた男」と呼ばれる神心会秘蔵の最終兵器。 彼の最も大きな特徴は日本人とは思えないほどの規格外な体格と驚異的な運動神経だろう。 身長186.5cm、体重116kgという巨漢にありながら100mを10秒台で駆け抜け、ベンチプレス300キロをこなすほどの腕力の持ち主。 そのパワーは欧米人をはるか凌駕する。 また、神心会総帥の[[愚地独歩]]が30歳で達成した"瓶切り"を20歳で達成するなど天賦の才も併せ持つ。 独歩曰く克巳は「究極の空手家像」であり、その戦闘能力は自分より強いことはもちろん「空手を終わらせてしまった男」とまで言わしめる。 が、精神的未熟さゆえ、格闘家としては非常にムラがあり、苦戦を強いられた戦いは多い。 その潜在能力は、魔拳・[[烈海王>烈海王(バキシリーズ)]]を超え、さらに中国武術そのものとさえいわれる[[郭海皇]]が認め、現状のカタログスペックも父であり世界最強の空手家である愚地独歩を上回っている。 のだがそれはあくまで試合形式での話で、実戦においては大きく劣っている。 これは精神性が至って普通の年相応なのもあって判断が甘い部分が多分に見られるのが原因。 これは克巳が精神的に弱いというよりも、同年齢の花山薫や刃牙のように修羅場を潜っていないが故の経験不足であり、あちら二人の精神性が異常というべきだろう。 そのため刃牙の言う「お金持ちのぼんぼん」だったのは否めない。 更に、連載が長期化するにつれて独歩がどんどんパワーアップして行ったため、試し割りにおいても後れをとるようになってしまった。 しかし第三部「範馬刃牙」にて、大きな成長を見せることとなる。 *○来歴 5歳の頃、克巳は「ミズノ大サーカス」で並外れた身体能力を発揮し実父・葛城渡流とともに曲芸に打ち込んでいた。 空中ブランコでは観客席が沸き立つほどの曲芸を披露し、5歳の象と綱引きをして互角に引き合う。 そんな彼の人生に 大きな転機が訪れる。 曲芸中に、父・渡流が興奮した[[ライオン>ライオン(動物)]]に殺されてしまったのだ。 誰も手のつけられないライオンに克巳は丸腰で近づいて、大人しくさせた。 それは、観客を傷つけさせないためにも、そしてライオンを射殺させないためにも…という、 ともすればパニックになってもおかしくない心を必死で律しながら5歳の子供が取った行動であり、 最上級の強さと優しさを兼ねた、思いやりに溢れるものだった。 直後に堪えていた感情が吹き出し、涙に濡れる克巳。 目の前で愛する人が死んだのだ…もちろん悲しくないはずがなかった。 この実父の事故死を契機に、克巳は愚地独歩の養子として引き取られる。 ここから克巳の空手家人生は始まった。 **◆『グラップラー刃牙』での活躍 神心会女子部の井上がラガーマンの竹田にセクハラを受ける。 克巳は制裁を加えるべく、街中を闊歩する竹田と取り巻き4人にストリートファイトを仕掛ける。 5人がかりの必死のタックルをものともせず、竹田を含めた4人を空手で仕留める(1人は逃走)。 竹田へは右足に下段蹴りを放ち、骨が露出するほどの重傷を負わせた。 次の活躍は[[地下闘技場>地下闘技場(バキシリーズ)]]で開催された[[最大トーナメント>最大トーナメント(バキシリーズ)]]。 刃牙や[[勇次郎>範馬勇次郎]]に負けてヤラれっぱなしの空手界に憤怒する愚地独歩は、地下闘技場へ克巳を送り込む。 そして開催された最大トーナメント。 克巳の最初の対戦相手は格闘家ではなく[[夜叉猿Jr>夜叉猿]]。 脱走して暴れ回り、控えていたプロボクサーのラベルト・ゲランに重傷を負わせて出場不能にし、兄弟子である空手家の[[加藤清澄]]が立ち向かうも返り討ちに。 加藤と交代し、夜叉猿Jrの髪をわしづかみにして陽気に「桃太郎」の2番を歌いながら(少し歌詞が違うが)闘技場に入場。 その後は、正拳→掌底→前蹴り→中足の廻し蹴り→手刀で夜叉猿Jrを仕留める。 克巳の1回戦の相手はジョイント・フェチ(関節愛好家)と呼ばれるヨーロッパレスリング界の至宝、ローランド・イスタス。 100mを10秒台で駆け抜ける脚力を用いた逃走術でローランドを翻弄。 頭突きを放った際に右肩と右腕の関節を外されるが、右の手刀を放ち遠心力でもとの位置にハメる。 再び肩を極められて押さえつけられるも、片腕の腕力のみで起き上がってのける。 その後は綺麗な空手の数々を繰り出し、一滴の血も流さずローランドを撃破。 余裕の1回戦突破である。 2回戦の相手は喧嘩師の[[花山薫]]。 「ヤクザめ。武の力を思い知らせてやる」と言い放つも試合開始と同時に、予想外の胴廻し回転蹴りを食らいヤクザの力を思い知ることに。 花山の極端に予備動作の大きい無防備なパンチに呆気にとられるが、最高クラスの空手家であるだけに 完璧なフォームでパンチを受け止めるも、花山の規格外のパワーによって防御諸共吹き飛ばされる。 受け技が通じないと判断し、蹴り足ハサミ殺しで腕を潰し止めようとするも突破され、ピンチに陥るも逃走に徹することで回復。 回復完了と同時に、水月を踏み台に肩へ駆け上っての頭部への膝蹴りから、顔面への肘打ち下ろしという 超人的な技でダウンを奪い、更に正中線四連突を放ち、勝利を確信したことで再び油断してしまい右下腿を握撃で粉砕される。 黒帯で止血をし胴着を脱ぎ捨てた克巳は、花山に猛然と連続攻撃を仕掛ける。 逆転フラグである。 「俺は空手界の最終兵器だぜェッ てめェらとは…… てめェらとは…… 才能が……ッッ」 ガコッ 無情にも花山のカウンターパンチが克巳の顔面を打ち抜く。 「死ぬか 死ぬか克巳!?」 地面に倒れ、涙目になる克巳。 この後も花山の強烈な攻撃が克巳を襲う。 その光景は、もはや公開リンチである。 そんな克巳に向けて、加藤と末堂が観客席で正拳上段突きをしながら応援し始める。 すると克巳もこれに応えて復活。格闘技に関してはド素人の花山を見くびっていた克巳は、養父であり空手の師でもある父・[[愚地独歩]]の敵である[[範馬勇次郎]]に叩き込むために封印していた必殺技『マッハ突き』を花山に叩き込む。 花山の強靱な肉体もこの技には耐えられず、克巳は辛勝。 なんとか2回戦を突破した克巳は加藤と末堂に運ばれ闘技場を退場する。 戦いのさなかに4度の反省を経て、克巳を精神面で大きく成長させた名勝負である。 3回戦の相手は中国拳法の雄、[[烈海王>烈海王(バキシリーズ)]]。 負けたら神心会の看板を下ろすと決意して臨んだ試合である。 試合開始直前に「この試合のキャッチ・コピーを知ってるかい、烈海王君。核兵器VS竹ヤリ……」と大口を叩く。 試合開始早々から出し惜しみせずマッハ突きの構えをとり、油断も無く万全の態勢と思われたが、 不意を突いた烈の空気の目潰しを食らってしまい、接近を許してしまう。 咄嗟に「だおォッ」と闇雲に正拳を放つがカウンターの掌底で切って落とされ、瞬殺。 勝負ありである。 空手界の最終兵器は &bold(){なんと、たった一撃で倒された。} あっけない。 あっけなさすぎる。 それでも白目を剥いて吐血しながら立ち上がる克巳だが、勝負は既に決着し終わっている。 最後は&bold(){「中国拳法と空手には2000年の開きがある」}と烈海王に突き付けられ、膝から崩れて正座の形で完全決着となった。((アニメでは流石に可哀想と判断されたのか、膝から崩れたところで「勝負あり」となった)) この後、後述の「範馬刃牙」において、マッハ突きは烈海王でも実戦で使えるものではなく、内心驚きながら奇策を講じて勝利したが、 &bold(){実力差自体は両者の間で結果の見た目程に開いてはいない} …と烈海王当人の口からフォローされている。 二人の差は、経験の差。ただそれだけであった。 **◆『バキ』での活躍 自らを破門にし神心会を去った独歩の後を強制的に継がされ、新館長に君臨した克巳は、中国拳法や他流拳法の良い所を取り入れ、空手を更に発展させるべく自らを倒した烈や[[鎬昂昇]]をコーチに招き、修行に打ち込む日々を過ごしていた。 そんな中、独歩を尋ね道場に現れた最凶死刑囚の一人[[ドリアン>ドリアン(バキ)]]は不在を知るやいなや、克巳に不意打ちを仕掛ける。 正中線四連突を放つが通用せず、投げつけられた床板が克巳の頸部に刺さりKO。 その後烈が戦うもドリアンの逃走を許してしまう。 次に克巳が登場したのは徳川邸。 前回の立ち合いで一杯食わされた克巳は、武道と実戦との違いを思い知る。 本来は弟子にあたる加藤を師と仰ぎ、実戦的な戦い方を模索する。 その後、徳川邸に侵入したドリアンと再び対峙することに。 すっかり加藤に感化されてしまった克巳は「俺は…空手家じゃなくていい」とまで言い放ち、ドリアンにガソリンを浴びせ火を放った。 残念ながらドリアンのダメージはほとんどなく、またしても逃走を許してしまう。 ドリアンに続き、またも最凶死刑囚の一人である[[ドイル>ドイル(バキ)]]が神心会道場にて克巳と対峙。 攻撃を仕掛ける前に粉塵爆破という意表をついた戦術で道場を焼かれ、克巳は全身に火傷を負った。 まだまだ実戦の何たるかを理解していないことを露呈した。 独歩に倒され、神心会道場に連行されたドイル。幾度となく失態を演じてきた克巳に、もはや油断は無かった。 ドイルを圧倒し、コンクリートブロック3枚を粉砕する下段突きでKOした。 その後克巳は「もうこれ以上 そいつを壊せねェ 負けでいい」と呟きとどめを刺さず、ドイルの失神を尻目にその場を後にした。 これらの一件で互いの間に何かしら感じることがあったのか、国外逃亡を図るドイルの前に姿を見せ、餞別に正拳突きの構えと帯を授けた。 **◆『範馬刃牙』での活躍 散々な戦績を残してきた彼だが、第3部「範馬刃牙」で遂に覚醒する。 相手は現代に蘇った白亜紀の人類、「[[ピクル>ピクル(バキシリーズ)]]」。 当初、他の達人らと共にピクルの寝どこに「夜這い」を仕掛けるが、そこに現れた勇次郎に格闘家としての甘ったれさ未熟さと、自分はおろか父にとっても刃牙にとっても対戦相手として眼中にもないことを指摘されるという屈辱を味わう。 しかしこの屈辱が彼の精神に大きな飛躍を与えるきっかけとなり、烈海王を一蹴した「史上最強の生物」を前に克巳は勝ち負けに関係なく自分の空手の全てぶつけてみたいという強い想いを抱いた。 しかしピクルの脅威を悟った独歩は克巳に対して「武道家は勝てる戦いだけすればいい」と言い、克巳を制止。 内心自分を舐めていたことに激怒した克巳は、父が神心会の会議で意見が対立した時に独歩がやっていたように立ち合いで決着をつける事を要求。 呆れながら呑気に上着を脱ごうとする独歩に対し、その上着をつかんで拘束、そして喉に親指を打ち込むという全力の不意打ちで、独歩に勝利。 その後、烈と郭海皇の支援の下、克巳は新技「真マッハ突き」を会得。 イメージにより関節を限界まで増やし、各関節を加速するマッハ突きをさらに強力にするという画期的な必殺技である。 徳川の爺さんにピクルとの戦いを打診し、東京ドームで対決することになった。 養母の夏恵、実母の津葉沙、刃牙、独歩により矢継ぎ早の祝福に見送られながら決戦の場に到着。 数万の神心会の門下生の正拳突きによる激励の拳圧を堂々と受け止め、会長の座に相応しい成長を遂げたことを示した。 直後ピクルが登場、いきなり克巳へ襲い掛かるが急所への連続攻撃で迎撃する。 その後繰り出した「真マッハ突き」でピクルからダウンを奪う。 が、正拳のみならず手刀、上段蹴りも真マッハで直撃させるも決定打には至らず、引き換えに自らの拳と足に大きなダメージを負ってしまった。 薄笑いを浮かべるピクル、自身の放った技のダメージで膝をつく克巳。 もはや勝ち目はないかと思われたその時だった。 「心配するなみんなーー」 「俺はまだ使用っちゃいない!」 「俺だけが掴んだーー俺だけのマッハッ」 何と克巳には最後の隠していた切り札があった。全身の筋肉を緩め、烈海王を倒したスーパータックルを待ち構える克巳(郭海皇もサングラスが割れるほどビックリしていた)。 「来いやぁ…親友…」 瀕死の克巳が最後に放ったのは、マッハ突きの最終進化形、現在最も進化した打撃(オリジナル)「当てない打撃」。 見ていた郭海皇をして「ものの数日で拳法を50年は進歩させおったわ」と言わしめたこの大技で、ピクルから3度目のダウンを奪う。 だがいくらイメージできようが骨が本当に増えるわけもなく、まして鞭ですらない克巳の右腕はこれにより骨がむき出しになる程に完全粉砕する。 それでも動かないピクルの姿に克巳は勝利を確信、完全破壊された右腕を高らかに揚げ、門下生たちも開戦前と同じように正拳突きを、今度は祝福の意味を込めて見舞った。 「こんな俺に アリガトウ」 「こんな俺なのに アリガトウ」 「謝りたいと 感じてる…」 「だから 感謝 というのだろう」 「これを 感謝 というのだろう」 …が、それでもなおピクルを完全には倒せなかった。 ピクルが動かなかったのはすでに戦闘不能になっている克巳への追撃は不要と考えての休憩に過ぎなかった。 この時烈海王との戦いの時にも見せた「強敵と認めた者との別れを悲しむ涙」を流している。 この事実に真っ先に気づいたのはやはり克巳であった。 そして、立ち上がるピクルを前に言い放つ 「持ってけ…この命ごと」 末堂の悲痛な叫びと同時に、骨が剥き出しになった右腕をピクルに噛み千切られ、決着。 薄れ行く意識の中、自分を残さず食うよう願いながら倒れた… しかし、ピクルは誰に言われるともなくその腕を倒れた克巳の前に添え、手を合わせその場に跪いた。 ピクルには伝わっていた。自分より小さな克巳が一体どれほどの犠牲を払ってここまでの力を付けたのかを。 それはかけがえのない結晶(たからもの)だと。 そしてピクルは空腹のまま、満足感に満ちながら去る事を選んだ。 その成長ぶりは、刃牙や独歩だけでなく勇次郎も認めるほどの飛躍であった。 が、「敗北」という結果自体には変わりはなく、独歩も「息子の成長に酔いすぎた」と自分と神心会への苦言を呈した。 隻腕となってしまった克巳だが、隻腕になってしまったことを悲観はしてなく、腕を失ったとは考えず新たに「片腕という個性」を得たと考え、それを活かした技を編み出す等、 真の意味で精神的成長を得ているのがわかる。 地上最強の親子喧嘩編では、テレビで二人の喧嘩を観戦していた。 新シリーズである「刃牙道」では「隻腕という個性」を着々とものにしている様子(組手相手の[[渋川剛気]]をして「総毛立った」と言わしめた)。 独歩が[[宮本武蔵>宮本武蔵(バキシリーズ)]]に敗北を喫したことに対しては「武蔵と戦うとしても、敵討ちではなく愚地克巳個人として挑む」と語っている。 「バキ道」では、徳川から力士と戦わないかと誘われるも、自身の隻腕空手が未だ完成には程遠いため、大相撲との他流試合は出来ないと一度は断る。が、「ならば『烈海王との共闘』ならどうか」と提案され、徳川が密かに保存していた烈の右腕を見せられる。 烈の右腕がある事実に克巳は戸惑いつつも、独歩や徳川からの言葉もあり、葛藤の末に梅澤医師の手術のもと烈の右腕を移植することになった(『夢枕獏先生の提案による』とタイトルに載せるくらいには作者も迷ったのだろうか…)。 移植直後の右腕で突きを試す克巳。一通り試してみたが、他の人間から移植したら有るであろう違和感が全く無く、寧ろ失った自身の右腕に負い目を覚える程の一体感を感じたようだ(この時、克巳の背後に烈の幻影を感じるほど)。 こうして克巳は隻腕空手を辞め、文字通り烈の右腕と共に地下闘技場の戦士の一人として大相撲の力士と戦うことになった。残念ながら、隻腕空手の実戦を見ることは叶わなかったようだ。 獅子丸戦では出だしから解説に「右腕は亡き盟友から勝手に拝借!!」「片腕ブラックジャック!」などと紹介を受けて入場。 試合が始まり、初手で至近距離からの蹴りを放つも先手は獅子丸に打たれ、投げられてしまう。自身のダメージの蓄積を考慮した克巳は獅子丸に背を向け躊躇なく闘技場の端まで逃走し、回復を図る。どことなくトーナメント編の一回戦を彷彿とさせる展開である。 回復完了するや否や、マッハの蹴りで意識を失わせるが、ブランドである大相撲との闘いを堪能したいがために 気付けの下段蹴りで意識を回復させてしまい、優勢に試合を進めていたが、力士の怒涛に押され、壁際に追い詰められる。 ドスドスと迫り来る獅子丸の攻撃を無意識に捌いたのは右手。鮮やかに連撃を捌きつつ、克巳は戸惑う。身体が勝手に動いているかのような困惑ぶりである。 戸惑いながら右拳を見る克巳。 その右拳は、明らかに「中国的」な拳をしていた。 「悪いがこっからは2人がかりだ」 烈の右腕が、元の持ち主の闘い方を覚えていたのかも知れない。克巳は2人がかりと言い放ち、烈の構えから「中国的な戦闘スタイル」を繰り広げ、尚も倒れぬ獅子丸に「空手」で圧倒する。まさしく文字通り、烈と克巳の共闘である。 内容的にはほぼ勝利していた克巳。だが、自身の蹴りによって四つん這いの無防備な獅子丸の頭部に、束ねた圧縮バットを一撃で薙ぐと言われている自身の全力の下段蹴りを打ち込むことは出来なかった。克巳は蹴りを寸止めにして、そのまま闘技場の外へ歩いて出て行った。試合で見ると克巳の敗北扱いである。刃牙との闘技場の廊下での会話では追撃を辞めた理由を「充分に思い知った」「興味本位ではあれ以上出来ない」と闘いの中で大相撲と力士の凄さを充分に体感しており、下段蹴りを撃ち込んだら下手したら相手を殺しかねない可能性がある以上、自身の興味だけではあれ以上の追撃は出来ないと語る。刃牙からは背後に居る烈もその判断を支持していると語った。 ピクル戦以降使用している姿を見なかった「真マッハ突き」だが、隻腕でも研鑽は怠っていなかった、どころかあの頃よりも完成度の高い「骨格の鞭化」を遂げている。 *○主な技 &bold(){【蹴り足ハサミ殺し】} 敵の打突を肘打ちと膝蹴りで挟み潰す高等技術。 打突の威力によっては通用しない。 &bold(){【正中線四連突】} 飛び上がりながら、正中線上の急所(顔面、喉、水月、金的など)を打突する。 &bold(){【水月踏み台式膝蹴り】} 金的蹴りからすかさず水月に前蹴りを打ち込み、そのまま水月を踏み台に相手の肩へ駆け上がり、頭部へ膝蹴りを打ち込み飛び越す。 更に落下するエネルギーを活かして、顎をかち上げて上を向いた顔面に肘打ちを打ち下ろす。 &bold(){【マッハ突き(音速拳)】} 大きくスタンスを広げて構え、背骨を含む全身27箇所の関節の回転を連結加速させることで音速を超える打突を放つ。 その威力は折紙付きで、異常なタフネスを誇る花山を真っ向勝負で打倒せる数少ない……というか、「技」の中では唯一。 また、その速度から構えてしまえば上段、中段、下段いずれから攻撃されてもカウンターで迎撃が可能とされている。 武神と称される[[愚地独歩]]でも真似できず、烈も練武では出来ても実戦では不可能と言わしめる、事実上、克巳のオリジナル技。 他に実践レベルで使える者にはあの理合を極めた人物である[[郭海皇]]と恐らくだが人間を越えた[[範馬勇次郎]]しかいない辺り、 生まれつきだったり鍛錬による肉体的な強さというより、それらとは別の天武の才が求められる様子。 ピクルとの決闘を決意してからは烈海王の&s(){勝手な}協力の元、 「背骨の関節をすべて使う」 「頭部の重量を攻撃に乗せる」 「拳から貫手に変え指の関節も全て稼働させる」 等の改良が加わったが郭海皇の登場によってこの改良版は実戦での披露されることはなかった。 足先から加速させるという性質から、正拳突きなどの手技しか音速化出来ないと思われる。 &bold(){【真マッハ突き】} 関節を増やすイメージにより、マッハ突きが更なる高速度に至ったもの。%%骨を増やしたイメージがめっちゃキモイので有名%% その研鑽には烈と郭の協力を得ており、菩薩の拳などの要素も含まれている。 片手打ちでも音速を超える術理を全身で行うため、従来のマッハ突きよりも大幅に高速化。 その超音速から生じる衝撃波は、試し打ちですら道場の窓ガラスを全て吹き飛ばし、実戦で全力で放った際には 東京ドーム全体に耳を劈くほどの衝撃波を生み出し、空気の壁で拳足がズタズタに引き裂かれ、直撃すればその骨が めちゃくちゃに砕けてしまうほどに自壊するほどの速度に達する。 術理の応用により、正拳のみならず全ての打撃を超音速化可能。 ただし規格外の大技故に威力を出しすぎると肉体的ダメージも大きい。 ちなみに、作中で&bold(){唯一ピクルの防御力を真っ向から貫いてダウンさせる}という快挙を成し遂げている。 &bold(){【当てない打撃】} マッハ突きの最終形。 鞭は振り戻す瞬間にこそ最高速度に達するという原理を応用したもの。 打突を当てず急激に引き戻すことで、真マッハ突きをも上回る速度に達したことで発生する甚大な衝撃波で相手を打倒する。 その威力は、T-レックスをも屠るピクルのスーパータックルを真っ向から跳ね返して十数mも吹き飛ばし、ダウンさせるほど。 作中でも最強ランクだが、攻撃を行った腕は完全に自壊する諸刃の剣。 ちなみに誤解されるこが多いが「鞭打」とは全くの別物である。 &bold(){【鞭の骨】}(仮称) 真マッハ突きのイメージによる多関節化を突き詰めた末に辿り着いた技。 全身の骨を、繊維を組み合わせた鞭の様にイメージすることにより、更に加速を効率化させるものと思われる。 これにより、旧マッハ突きでは出来なかった蹴り技なども安易に音速化することが出来る様になった。 現時点では、全力で使用していないのか、ピクル戦で使用した真マッハ突きほどの威力は無いものの、 旧マッハ突き以上の威力はある模様。 *○余談 後の外伝小説「ゆうえんち」では、主人公・葛城無門とは兄弟であることが判明。家族の詳細も明かされており、養子入りする前の本名は「&bold(){&ruby(かつらぎ かつみ){葛城克己}}」となる。 ピクルとの戦いで結果的に敗れる事となったが、ピクルは致命傷を負って反撃の余力も無い克巳に対してわざわざ回復の為に睡眠をとってダウンし続けた事から、カウント制の『試合』であったならば克巳は勝っていた事となり、レフェリーの裁量次第ではコールで勝利判定を受けれた可能性がある。 また、真マッハ突きで潰していない手足を1つでも多く残せていたなら当てない打撃でダウンしたピクルに追撃してよりダメージを与えられた可能性もあり、立ち回り次第ではかなり勝算があったと考えられ、結果に見るほど実力差は大きくなかったと思える。 事実、ピクルは地下に戻ってから号泣して咆哮を上げる程に彼にとっては激戦であった事が示唆されている。 第6部である刃牙らへんにて、独歩が針金切りについて「克巳には出来ない」との発言に対して「やったことが無いだけ」と答えているが、単純に手刀の速さが成功の秘訣となるとした場合、マッハを超えられる克巳なら造作も無く出来る可能性が高い。 作画の変化によるところもあるが、他のキャラと比べても特に&bold(){シリーズ毎に容姿が変わる}事を読者に度々ネタにされる。 コラ等に範海王がそっくりさんネタとして扱われる事も。 髪型もよく変わり、初期から順に『七三分け調のオールバック→真ん中分けのオールバック→オールバック→火傷で丸坊主→ツーブロックのオールバック→角ばったオールバック→ツーブロックの角刈りオールバック』 まさに克巳七変化。 刃牙シリーズのキャラの中でも特に&bold(){私服のファッションセンスが&s(){ダサい}独特}だったりする。 稀にまともな服装の時もあるが、加藤や末堂が服装指導しているんじゃないかと推測する人もいる。 鎬昴昇との会話中にてコーヒーにミルクを注ぐシーンがあるが、良く見るとミルクではなく&bold(){シュガーポットに入った砂糖をザバァーッと流し入れている。} もう、飽和溶解度を越えてジャリッジャリになっているだろうという程に流し入れている。 甘党なのだろうか?((格闘家などの運動をする人は炭水化物を多く必要とする為理に適ってはいる)) #center(){&font(#ff0000){俺だけが行った―――}} #center(){&font(#ff0000){俺だけの追記・修正ッ}} #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,32) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #lsd() #comment_num2(num=30) }
&font(#6495ED){登録日}:2012/04/29 Sun 14:13:34 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 8 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){ &sizex(7){&bold(){&color(RED){俺はまだ&ruby(つか){使用}っちゃいない!}}} &sizex(7){&bold(){&color(RED){俺だけが掴んだ―――}}} &sizex(7){&bold(){&color(RED){俺だけのマッハッ}}} } &bold(){&ruby(おろ){愚}&ruby(ち){地} &ruby(かつ){克}&ruby(み){巳}}は、[[バキシリーズ]]の登場人物。 声優:[[藤原啓治]](TVアニメ第一作)、前川優子(5歳の克巳)/川原慶久(TVアニメ第二作以降) モデル:面相はボディビルダーの山本義徳、名前は同じくボディビルダーであるマッスル北村の本名「北村克巳」。 *○人物 作中最高峰の空手家である武神・[[愚地独歩]]の息子(養子)。 父が運営する世界最大の勢力を誇る空手道団体・神心会に所属する空手家で、「近代空手を完成させた男」と呼ばれる神心会秘蔵の最終兵器。 彼の最も大きな特徴は日本人とは思えないほどの規格外な体格と驚異的な運動神経だろう。 身長186.5cm、体重116kgという巨漢にありながら100mを10秒台で駆け抜け、ベンチプレス300キロをこなすほどの腕力の持ち主。 そのパワーは欧米人をはるか凌駕する。 また、神心会総帥の愚地独歩が30歳で達成した"瓶切り"を20歳で達成するなど天賦の才も併せ持つ。 独歩曰く克巳は「究極の空手家像」であり、その戦闘能力は自分より強いことはもちろん「空手を終わらせてしまった男」とまで言わしめる。 が、精神的未熟さゆえ、格闘家としては非常にムラがあり、苦戦を強いられた戦いは多い。 その潜在能力は、魔拳・[[烈海王>烈海王(バキシリーズ)]]を超え、さらに中国武術そのものとさえいわれる[[郭海皇]]が認め、現状のカタログスペックも父であり世界最強の空手家である愚地独歩を上回っている。 のだがそれはあくまで試合形式での話で、実戦においては大きく劣っている。 これは精神性が至って普通の年相応なのもあって判断が甘い部分が多分に見られるのが原因。 これは克巳が精神的に弱いというよりも、同年齢の花山薫や刃牙のように修羅場を潜っていないが故の経験不足であり、あちら二人の精神性が異常というべきだろう。 そのため刃牙の言う「お金持ちのぼんぼん」だったのは否めない。 更に、連載が長期化するにつれて独歩がどんどんパワーアップして行ったため、試し割りにおいても後れをとるようになってしまった。 しかし第三部「範馬刃牙」にて、大きな成長を見せることとなる。 *○来歴 5歳の頃、克巳は「ミズノ大サーカス」で並外れた身体能力を発揮し実父・葛城渡流とともに曲芸に打ち込んでいた。 空中ブランコでは観客席が沸き立つほどの曲芸を披露し、5歳の象と綱引きをして互角に引き合う。 そんな彼の人生に 大きな転機が訪れる。 曲芸中に、父・渡流が興奮した[[ライオン>ライオン(動物)]]に殺されてしまったのだ。 誰も手のつけられないライオンに克巳は丸腰で近づいて、大人しくさせた。 それは、観客を傷つけさせないためにも、そしてライオンを射殺させないためにも…という、 ともすればパニックになってもおかしくない心を必死で律しながら5歳の子供が取った行動であり、 最上級の強さと優しさを兼ねた、思いやりに溢れるものだった。 直後に堪えていた感情が吹き出し、涙に濡れる克巳。 目の前で愛する人が死んだのだ…もちろん悲しくないはずがなかった。 この実父の事故死を契機に、克巳は愚地独歩の養子として引き取られる。 ここから克巳の空手家人生は始まった。 **◆『グラップラー刃牙』での活躍 神心会女子部の井上がラガーマンの竹田にセクハラを受ける。 克巳は制裁を加えるべく、街中を闊歩する竹田と取り巻き4人にストリートファイトを仕掛ける。 5人がかりの必死のタックルをものともせず、竹田を含めた4人を空手で仕留める(1人は逃走)。 竹田へは右足に下段蹴りを放ち、骨が露出するほどの重傷を負わせた。 次の活躍は[[地下闘技場>地下闘技場(バキシリーズ)]]で開催された[[最大トーナメント>最大トーナメント(バキシリーズ)]]。 刃牙や[[勇次郎>範馬勇次郎]]に負けてヤラれっぱなしの空手界に憤怒する愚地独歩は、地下闘技場へ克巳を送り込む。 そして開催された最大トーナメント。 克巳の最初の対戦相手は格闘家ではなく[[夜叉猿Jr>夜叉猿]]。 脱走して暴れ回り、リザーバーの空手家の栗木拓次とカポエイラのフランシス・シャビエル、出場寸前だったプロボクサーのラベルト・ゲランに重傷を負わせて出場不能にし、兄弟子である空手家の[[加藤清澄]]が立ち向かうも返り討ちに。 加藤と交代し、夜叉猿Jrの髪をわしづかみにして陽気に「桃太郎」の2番を歌いながら(少し歌詞が違うが)闘技場に入場。 その後は、正拳→掌底→前蹴り→中足の廻し蹴り→手刀で夜叉猿Jrを仕留める。 克巳の1回戦の相手はジョイント・フェチ(関節愛好家)と呼ばれるヨーロッパレスリング界の至宝、ローランド・イスタス。 100mを10秒台で駆け抜ける脚力を用いた逃走術でローランドを翻弄。 頭突きを放った際に右肩と右腕の関節を外されるが、右の手刀を放ち遠心力でもとの位置にハメる。 再び肩を極められて押さえつけられるも、片腕の腕力のみで起き上がってのける。 その後は綺麗な空手の数々を繰り出し、一滴の血も流さずローランドを撃破。 余裕の1回戦突破である。 2回戦の相手は喧嘩師の[[花山薫]]。 「ヤクザめ。武の力を思い知らせてやる」と言い放つも試合開始と同時に、予想外の胴廻し回転蹴りを食らいヤクザの力を思い知ることに。 花山の極端に予備動作の大きい無防備なパンチに呆気にとられるが、最高クラスの空手家であるだけに 完璧なフォームでパンチを受け止めるも、花山の規格外のパワーによって防御諸共吹き飛ばされる。 受け技が通じないと判断し、蹴り足ハサミ殺しで腕を潰し止めようとするも突破され、ピンチに陥るも逃走に徹することで回復。 回復完了と同時に、水月を踏み台に肩へ駆け上っての頭部への膝蹴りから、顔面への肘打ち下ろしという 超人的な技でダウンを奪い、更に正中線四連突を放ち、勝利を確信したことで再び油断してしまい右下腿を握撃で粉砕される。 黒帯で止血をし胴着を脱ぎ捨てた克巳は、花山に猛然と連続攻撃を仕掛ける。 逆転フラグである。 「俺は空手界の最終兵器だぜェッ てめェらとは…… てめェらとは…… 才能が……ッッ」 ガコッ 無情にも花山のカウンターパンチが克巳の顔面を打ち抜く。 「死ぬか 死ぬか克巳!?」 地面に倒れ、涙目になる克巳。 この後も花山の強烈な攻撃が克巳を襲う。 その光景は、もはや公開リンチである。 そんな克巳に向けて、加藤と末堂が観客席で正拳上段突きをしながら応援し始める。 すると克巳もこれに応えて復活。格闘技に関してはド素人の花山を見くびっていた克巳は、養父であり空手の師でもある父・[[愚地独歩]]の敵である[[範馬勇次郎]]に叩き込むために封印していた必殺技『マッハ突き』を花山に叩き込む。 花山の強靱な肉体もこの技には耐えられず、克巳は辛勝。 なんとか2回戦を突破した克巳は加藤と末堂に運ばれ闘技場を退場する。 戦いのさなかに4度の反省を経て、克巳を精神面で大きく成長させた名勝負である。 3回戦の相手は中国拳法の雄、[[烈海王>烈海王(バキシリーズ)]]。 負けたら神心会の看板を下ろすと決意して臨んだ試合である。 試合開始直前に「この試合のキャッチ・コピーを知ってるかい、烈海王君。核兵器VS竹ヤリ……」と大口を叩く。 試合開始早々から出し惜しみせずマッハ突きの構えをとり、油断も無く万全の態勢と思われたが、 不意を突いた烈の空気の目潰しを食らってしまい、接近を許してしまう。 咄嗟に「だおォッ」と闇雲に正拳を放つがカウンターの掌底で切って落とされ、瞬殺。 勝負ありである。 空手界の最終兵器は &bold(){なんと、たった一撃で倒された。} あっけない。 あっけなさすぎる。 それでも白目を剥いて吐血しながら立ち上がる克巳だが、勝負は既に決着し終わっている。 最後は&bold(){「中国拳法と空手には2000年の開きがある」}と烈海王に突き付けられ、膝から崩れて正座の形で完全決着となった。((アニメでは流石に可哀想と判断されたのか、膝から崩れたところで「勝負あり」となった)) この後、後述の「範馬刃牙」において、マッハ突きは烈海王でも実戦で使えるものではなく、内心驚きながら奇策を講じて勝利したが、 &bold(){実力差自体は両者の間で結果の見た目程に開いてはいない} …と烈海王当人の口からフォローされている。 二人の差は、経験の差。ただそれだけであった。 **◆『バキ』での活躍 自らを破門にし神心会を去った独歩の後を強制的に継がされ、新館長に君臨した克巳は、中国拳法や他流拳法の良い所を取り入れ、空手を更に発展させるべく自らを倒した烈や[[鎬昂昇]]をコーチに招き、修行に打ち込む日々を過ごしていた。 そんな中、独歩を尋ね道場に現れた最凶死刑囚の一人[[ドリアン>ドリアン(バキ)]]は不在を知るやいなや、克巳に不意打ちを仕掛ける。 正中線四連突を放つが通用せず、投げつけられた床板が克巳の頸部に刺さりKO。 その後烈が戦うもドリアンの逃走を許してしまう。 次に克巳が登場したのは徳川邸。 前回の立ち合いで一杯食わされた克巳は、武道と実戦との違いを思い知る。 本来は弟子にあたる加藤を師と仰ぎ、実戦的な戦い方を模索する。 その後、徳川邸に侵入したドリアンと再び対峙することに。 すっかり加藤に感化されてしまった克巳は「俺は…空手家じゃなくていい」とまで言い放ち、ドリアンにガソリンを浴びせ火を放った。 残念ながらドリアンのダメージはほとんどなく、またしても逃走を許してしまう。 ドリアンに続き、またも最凶死刑囚の一人である[[ドイル>ドイル(バキ)]]が神心会道場にて克巳と対峙。 攻撃を仕掛ける前に粉塵爆破という意表をついた戦術で道場を焼かれ、克巳は全身に火傷を負った。 まだまだ実戦の何たるかを理解していないことを露呈した。 独歩に倒され、神心会道場に連行されたドイル。幾度となく失態を演じてきた克巳に、もはや油断は無かった。 ドイルを圧倒し、コンクリートブロック3枚を粉砕する下段突きでKOした。 その後克巳は「もうこれ以上 そいつを壊せねェ 負けでいい」と呟きとどめを刺さず、ドイルの失神を尻目にその場を後にした。 これらの一件で互いの間に何かしら感じることがあったのか、国外逃亡を図るドイルの前に姿を見せ、餞別に正拳突きの構えと帯を授けた。 **◆『範馬刃牙』での活躍 散々な戦績を残してきた彼だが、第3部「範馬刃牙」で遂に覚醒する。 相手は現代に蘇った白亜紀の人類、「[[ピクル>ピクル(バキシリーズ)]]」。 当初、他の達人らと共にピクルの寝どこに「夜這い」を仕掛けるが、そこに現れた勇次郎に格闘家としての甘ったれさ未熟さと、自分はおろか父にとっても刃牙にとっても対戦相手として眼中にもないことを指摘されるという屈辱を味わう。 しかしこの屈辱が彼の精神に大きな飛躍を与えるきっかけとなり、烈海王を一蹴した「史上最強の生物」を前に克巳は勝ち負けに関係なく自分の空手の全てぶつけてみたいという強い想いを抱いた。 しかしピクルの脅威を悟った独歩は克巳に対して「武道家は勝てる戦いだけすればいい」と言い、克巳を制止。 内心自分を舐めていたことに激怒した克巳は、父が神心会の会議で意見が対立した時に独歩がやっていたように立ち合いで決着をつける事を要求。 呆れながら呑気に上着を脱ごうとする独歩に対し、その上着をつかんで拘束、そして喉に親指を打ち込むという全力の不意打ちで、独歩に勝利。 その後、烈と郭海皇の支援の下、克巳は新技「真マッハ突き」を会得。 イメージにより関節を限界まで増やし、各関節を加速するマッハ突きをさらに強力にするという画期的な必殺技である。 徳川の爺さんにピクルとの戦いを打診し、東京ドームで対決することになった。 養母の夏恵、実母の津葉沙、刃牙、独歩により矢継ぎ早の祝福に見送られながら決戦の場に到着。 数万の神心会の門下生の正拳突きによる激励の拳圧を堂々と受け止め、会長の座に相応しい成長を遂げたことを示した。 直後ピクルが登場、いきなり克巳へ襲い掛かるが急所への連続攻撃で迎撃する。 その後繰り出した「真マッハ突き」でピクルからダウンを奪う。 が、正拳のみならず手刀、上段蹴りも真マッハで直撃させるも決定打には至らず、引き換えに自らの拳と足に大きなダメージを負ってしまった。 薄笑いを浮かべるピクル、自身の放った技のダメージで膝をつく克巳。 もはや勝ち目はないかと思われたその時だった。 「心配するなみんなーー」 「俺はまだ&ruby(つか){使用}っちゃいない!」 「俺だけが掴んだーー俺だけのマッハッ」 何と克巳には最後の隠していた切り札があった。全身の筋肉を緩め、烈海王を倒したスーパータックルを待ち構える克巳(郭海皇もサングラスが割れるほどビックリしていた)。 「来いやぁ…親友…」 瀕死の克巳が最後に放ったのは、マッハ突きの最終進化形、現在最も進化した&ruby(オリジナル){打撃}「当てない打撃」。 見ていた郭海皇をして「ものの数日で拳法を50年は進歩させおったわ」と言わしめたこの大技で、ピクルから3度目のダウンを奪う。 だがいくらイメージできようが骨が本当に増えるわけもなく、まして鞭ですらない克巳の右腕はこれにより骨がむき出しになる程に完全粉砕する。 それでも動かないピクルの姿に克巳は勝利を確信、完全破壊された右腕を高らかに揚げ、門下生たちも開戦前と同じように正拳突きを、今度は祝福の意味を込めて見舞った。 「こんな俺に アリガトウ」 「こんな俺なのに アリガトウ」 「謝りたいと 感じてる…」 「だから 感謝 というのだろう」 「これを 感謝 というのだろう」 …が、それでもなおピクルを完全には倒せなかった。 ピクルが動かなかったのはすでに戦闘不能になっている克巳への追撃は不要と考えての休憩に過ぎなかった。 この時烈海王との戦いの時にも見せた「強敵と認めた者との別れを悲しむ涙」を流している。 この事実に真っ先に気づいたのはやはり克巳であった。 そして、立ち上がるピクルを前に言い放つ 「持ってけ…この命ごと」 末堂の悲痛な叫びと同時に、骨が剥き出しになった右腕をピクルに噛み千切られ、決着。 薄れ行く意識の中、自分を残さず食うよう願いながら倒れた… しかし、ピクルは誰に言われるともなくその腕を倒れた克巳の前に添え、手を合わせその場に跪いた。 ピクルには伝わっていた。自分より小さな克巳が一体どれほどの犠牲を払ってここまでの力を付けたのかを。 それはかけがえのない&ruby(たからもの){結晶}だと。 そしてピクルは空腹のまま、満足感に満ちながら去る事を選んだ。 その成長ぶりは、刃牙や独歩だけでなく勇次郎も認めるほどの飛躍であった。 が、「敗北」という結果自体には変わりはなく、独歩も「息子の成長に酔いすぎた」と自分と神心会への苦言を呈した。 隻腕となってしまった克巳だが、隻腕になってしまったことを悲観はしてなく、腕を失ったとは考えず新たに「片腕という個性」を得たと考え、それを活かした技を編み出す等、 真の意味で精神的成長を得ているのがわかる。 地上最強の親子喧嘩編では、テレビで二人の喧嘩を観戦していた。 新シリーズである「刃牙道」では「隻腕という個性」を着々とものにしている様子(組手相手の[[渋川剛気]]をして「総毛立った」と言わしめた)。 独歩が[[宮本武蔵>宮本武蔵(バキシリーズ)]]に敗北を喫したことに対しては「武蔵と戦うとしても、敵討ちではなく愚地克巳個人として挑む」と語っている。 「バキ道」では、徳川から力士と戦わないかと誘われるも、自身の隻腕空手が未だ完成には程遠いため、大相撲との他流試合は出来ないと一度は断る。が、「ならば『烈海王との共闘』ならどうか」と提案され、徳川が密かに保存していた烈の右腕を見せられる。 烈の右腕がある事実に克巳は戸惑いつつも、独歩や徳川からの言葉もあり、葛藤の末に梅澤医師の手術のもと烈の右腕を移植することになった(『夢枕獏先生の提案による』とタイトルに載せるくらいには作者も迷ったのだろうか…)。 移植直後の右腕で突きを試す克巳。一通り試してみたが、他の人間から移植したら有るであろう違和感が全く無く、寧ろ失った自身の右腕に負い目を覚える程の一体感を感じたようだ(この時、克巳の背後に烈の幻影を感じるほど)。 こうして克巳は隻腕空手を辞め、文字通り烈の右腕と共に地下闘技場の戦士の一人として大相撲の力士と戦うことになった。残念ながら、隻腕空手の実戦を見ることは叶わなかったようだ。 獅子丸戦では出だしから解説に「右腕は亡き盟友から勝手に拝借!!」「片腕ブラックジャック!」などと紹介を受けて入場。 試合が始まり、初手で至近距離からの蹴りを放つも先手は獅子丸に打たれ、投げられてしまう。自身のダメージの蓄積を考慮した克巳は獅子丸に背を向け躊躇なく闘技場の端まで逃走し、回復を図る。どことなくトーナメント編の一回戦を彷彿とさせる展開である。 回復完了するや否や、マッハの蹴りで意識を失わせるが、ブランドである大相撲との闘いを堪能したいがために 気付けの下段蹴りで意識を回復させてしまい、優勢に試合を進めていたが、力士の怒涛に押され、壁際に追い詰められる。 ドスドスと迫り来る獅子丸の攻撃を無意識に捌いたのは右手。鮮やかに連撃を捌きつつ、克巳は戸惑う。身体が勝手に動いているかのような困惑ぶりである。 戸惑いながら右拳を見る克巳。 その右拳は、明らかに「中国的」な拳をしていた。 「悪いがこっからは2人がかりだ」 烈の右腕が、元の持ち主の闘い方を覚えていたのかも知れない。克巳は2人がかりと言い放ち、烈の構えから「中国的な戦闘スタイル」を繰り広げ、尚も倒れぬ獅子丸に「空手」で圧倒する。まさしく文字通り、烈と克巳の共闘である。 内容的にはほぼ勝利していた克巳。だが、自身の蹴りによって四つん這いの無防備な獅子丸の頭部に、束ねた圧縮バットを一撃で薙ぐと言われている自身の全力の下段蹴りを打ち込むことは出来なかった。克巳は蹴りを寸止めにして、そのまま闘技場の外へ歩いて出て行った。試合で見ると克巳の敗北扱いである。 刃牙との闘技場の廊下での会話では追撃を辞めた理由を「充分に思い知った」「興味本位ではあれ以上出来ない」と闘いの中で大相撲と力士の凄さを充分に体感しており、下段蹴りを撃ち込んだら下手したら相手を殺しかねない可能性がある以上、自身の興味だけではあれ以上の追撃は出来ないと語る。 刃牙は「背後に居る烈もその判断を支持している」と語った。 ピクル戦以降使用している姿を見なかった「真マッハ突き」だが、隻腕でも研鑽は怠っていなかった、どころかあの頃よりも完成度の高い「骨格の鞭化」を遂げている。 *○主な技 &bold(){【蹴り足ハサミ殺し】} 敵の打突を肘打ちと膝蹴りで挟み潰す高等技術。 打突の威力によっては通用しない。 &bold(){【正中線四連突】} 飛び上がりながら、正中線上の急所(顔面、喉、水月、金的など)を打突する。 &bold(){【水月踏み台式膝蹴り】} 金的蹴りからすかさず水月に前蹴りを打ち込み、そのまま水月を踏み台に相手の肩へ駆け上がり、頭部へ膝蹴りを打ち込み飛び越す。 更に落下するエネルギーを活かして、顎をかち上げて上を向いた顔面に肘打ちを打ち下ろす。 &bold(){【マッハ突き(音速拳)】} 大きくスタンスを広げて構え、背骨を含む全身27箇所の関節の回転を連結加速させることで音速を超える打突を放つ。 その威力は折紙付きで、異常なタフネスを誇る花山を真っ向勝負で打倒せる数少ない……というか、「技」の中では唯一。 また、その速度から構えてしまえば上段、中段、下段いずれから攻撃されてもカウンターで迎撃が可能とされている。 武神と称される[[愚地独歩]]でも真似できず、烈も練武では出来ても実戦では不可能と言わしめる、事実上、克巳のオリジナル技。 他に実践レベルで使える者にはあの理合を極めた人物である[[郭海皇]]と恐らくだが人間を越えた[[範馬勇次郎]]しかいない辺り、 生まれつきだったり鍛錬による肉体的な強さというより、それらとは別の天武の才が求められる様子。 ピクルとの決闘を決意してからは烈海王の&s(){勝手な}協力の元、 「背骨の関節をすべて使う」 「頭部の重量を攻撃に乗せる」 「拳から貫手に変え指の関節も全て稼働させる」 等の改良が加わったが郭海皇の登場によってこの改良版は実戦での披露されることはなかった。 足先から加速させるという性質から、正拳突きなどの手技しか音速化出来ないと思われる。 &bold(){【真マッハ突き】} 関節を増やすイメージにより、マッハ突きが更なる高速度に至ったもの。%%骨を増やしたイメージがめっちゃキモイので有名%% その研鑽には烈と郭の協力を得ており、菩薩の拳などの要素も含まれている。 片手打ちでも音速を超える術理を全身で行うため、従来のマッハ突きよりも大幅に高速化。 その超音速から生じる衝撃波は、試し打ちですら道場の窓ガラスを全て吹き飛ばし、実戦で全力で放った際には 東京ドーム全体に耳を劈くほどの衝撃波を生み出し、空気の壁で拳足がズタズタに引き裂かれ、直撃すればその骨が めちゃくちゃに砕けてしまうほどに自壊するほどの速度に達する。 術理の応用により、正拳のみならず全ての打撃を超音速化可能。 ただし規格外の大技故に威力を出しすぎると肉体的ダメージも大きい。 ちなみに、作中で&bold(){唯一ピクルの防御力を真っ向から貫いてダウンさせる}という快挙を成し遂げている。 &bold(){【当てない打撃】} マッハ突きの最終形。 鞭は振り戻す瞬間にこそ最高速度に達するという原理を応用したもの。 打突を当てず急激に引き戻すことで、真マッハ突きをも上回る速度に達したことで発生する甚大な衝撃波で相手を打倒する。 その威力は、T-レックスをも屠るピクルのスーパータックルを真っ向から跳ね返して十数mも吹き飛ばし、ダウンさせるほど。 作中でも最強ランクだが、攻撃を行った腕は完全に自壊する諸刃の剣。 ちなみに誤解されるこが多いが「鞭打」とは全くの別物である。 &bold(){【鞭の骨】}(仮称) 真マッハ突きのイメージによる多関節化を突き詰めた末に辿り着いた技。 全身の骨を、繊維を組み合わせた鞭の様にイメージすることにより、更に加速を効率化させるものと思われる。 これにより、旧マッハ突きでは出来なかった蹴り技なども安易に音速化することが出来るようになった。 現時点では、全力で使用していないのか、ピクル戦で使用した真マッハ突きほどの威力は無いものの、 旧マッハ突き以上の威力はある模様。 *○余談 後の外伝小説「ゆうえんち」では、主人公・葛城無門とは兄弟であることが判明。家族の詳細も明かされており、養子入りする前の本名は「&bold(){&ruby(かつらぎ){葛城} &ruby(かつ){克}&ruby(み){己}}」となる。 ピクルとの戦いで結果的に敗れる事となったが、ピクルは致命傷を負って反撃の余力も無い克巳に対してわざわざ回復の為に睡眠をとってダウンし続けた事から、カウント制の『試合』であったならば克巳は勝っていた事となり、レフェリーの裁量次第ではコールで勝利判定を受けれた可能性がある。 また、真マッハ突きで潰していない手足を1つでも多く残せていたなら当てない打撃でダウンしたピクルに追撃してよりダメージを与えられた可能性もあり、立ち回り次第ではかなり勝算があったと考えられ、結果に見るほど実力差は大きくなかったと思える。 事実、ピクルは地下に戻ってから号泣して咆哮を上げる程に彼にとっては激戦であった事が示唆されている。 第6部である刃牙らへんにて、独歩が針金切りについて「克巳には出来ない」との発言に対して「やったことが無いだけ」と答えているが、単純に手刀の速さが成功の秘訣となるとした場合、マッハを超えられる克巳なら造作も無く出来る可能性が高い。 作画の変化によるところもあるが、他のキャラと比べても特に&bold(){シリーズ毎に容姿が変わる}事を読者に度々ネタにされる。 コラ等に範海王がそっくりさんネタとして扱われる事も。 髪型もよく変わり、初期から順に『七三分け調のオールバック→真ん中分けのオールバック→オールバック→火傷で丸坊主→ツーブロックのオールバック→角ばったオールバック→ツーブロックの角刈りオールバック』 まさに克巳七変化。 刃牙シリーズのキャラの中でも特に&bold(){私服のファッションセンスが&s(){ダサい}独特}だったりする。 稀にまともな服装の時もあるが、加藤や末堂が服装指導しているんじゃないかと推測する人もいる。 鎬昴昇との会話中にてコーヒーにミルクを注ぐシーンがあるが、良く見るとミルクではなく&bold(){シュガーポットに入った砂糖をザバァーッと流し入れている。} もう、飽和溶解度を越えてジャリッジャリになっているだろうという程に流し入れている。 甘党なのだろうか?((格闘家などの運動をする人は炭水化物を多く必要とする為理に適ってはいる)) #center(){&font(#ff0000){俺だけが行った―――}} #center(){&font(#ff0000){俺だけの追記・修正ッ}} #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,32) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #lsd() #comment_num2(num=30) }

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