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 &font(#6495ED){登録日}:2016/10/27 (木) 18:49:00
 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red)
 &font(#6495ED){所要時間}:約 8 分で読めます
 
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 「年をとったワニの話」とは、フランスの作家レオポルド・ショヴォーによる創作童話である。
 
 レオポルド・ショヴォー(1870-1940)はフランスの作家・彫刻家・画家で、もともとは医師だったが、再婚を期に創作活動に専念するようになる。
 戦前から戦中にかけて活躍し、第二次世界大戦の際のドイツ軍侵攻からの避難の途中で客死した。
 多くの童話が日本語に翻訳されている。
 (ちなみに、名前は「レオポール」と発音するのが正しいのではなどと言われることもあるが、福音館の大判版のリーフレットの中で次男がはっきり
 「父の名はレオポルドと発音します」と述べているため、レオポルドで正しいと思われる)
 
 「年をとったワニの話」はおそらく最も知名度が高い作品で、1986年に福音館書店から大判版として出版された「ショヴォー氏とルノー君のお話集1」に収録されている。
 のちに2002年に福音館書店から文庫版が出版されており、こちらは新刊書店でも入手可能。
 ちなみに、彼の童話は全て四男のルノー(早逝)に語って聞かせた話を収録したものであるという。
 
 2005年に山村浩二氏によりアニメ化されている(語りはピーター・バラカン氏)。
 
 
 
 さて、ここまでであれば少し古い時代に書かれた童話の1つ……と思われるかもしれないが、この話、冷静になって読んでみると
 
 
 
 
 &bold(){とにかく「変」}
 
 
 
 
 なのである。
 
 
 
 
 
 &bold(){以下、ネタバレ注意}
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ***あらすじ
 
 アフリカの奥地、ナイル川のほとりに、とても年を取ったワニが住んでいました。
 ピラミッドが建設されるのを直接見たこともあるくらい、とにかく長年生きてきたワニです。
 
 しかし寄る年波には勝てず、最近は満足に狩りもできずにいました。
 仕方ないので、&bold(){とりあえず家族の中から誰かを食べることにしました}(ええー……)。
 
 
 昼寝していたひこ孫を首尾よく丸のみにしたワニでしたが、その現場をその子の親に押さえられました。
 一族の中でも尊敬されていたワニでしたが、流石にこれはひどいということで処刑されることに決まります。
 しかし、年をとったワニのウロコはかなり分厚くなっていたため、若いワニたちの歯も爪も貫通できませんでした。
 
 
 仕方ないので、一族はワニを放逐しました。
 ワニは故郷を追われ、ナイル川を下って海にまで行きました。
 
 そこでワニは見たこともない生き物に出会いました。
 それは巨大なメスのタコでした。
 二匹はすっかり意気投合し、タコはワニのために魚を沢山捕まえてきて食べさせてあげました。
 そして二人は海の上の岩場で仲良く並んで眠りにつきました。
 
 
 
 
 その晩のこと。
 夜中に目が覚めたワニは、
 「こんだけたくさんあるんだから、一本くらいいいだろ」
 と自分に言い訳をして&bold(){タコの足を勝手に食べました}。
 
 タコもタコで数の概念がイマイチ備わっていないので、目が覚めても自分の足が減っていることに気が付きませんでした。
 そして二人はスエズ運河を通って紅海にまで出かけました。
 それからというもの、ワニは昼間はタコに魚を捕ってもらってそれを食べるというヒモ生活を送り、夜になると毎晩一本ずつタコの足を食べました。
 ちなみにこのタコは特別なタコで足が12本ありました。
 
 
 足の数が減ってくると流石にタコも自分の身に異変を感じますが、それでも献身的にワニに魚を捕ってきてあげます。
 まさか夜な夜なワニが自分をちょっとずつ食べてるとは夢にも思っていません。
 11日目ともなるともう泳ぐだけでクタクタでしたが、ワニはそんなタコに「魚を捕ってきてくれ」と頼みます。
 &bold(){鬼ですか。}
 
 そして12日目。
 いつものように足を動かそうとしても全然体が動かない、ということでタコはパニックに陥ります。
 タコの足を一本残らず食べたワニは、
 「きっとリウマチにかかったんだよ」
 などと白々しいことを言い、
 「今日はワシが魚を捕ってきてやろう」
 と恩着せがましいことを言って狩りに出かけました。
 
 タコはワニの愛情を感じ、とても幸せな気分で眠りにつきました。
 &bold(){全ての元凶がワニだとも知らず……}
 
 
 で、ここまででタコの味をしめてしまったワニが我慢できるわけはなく、幸せな気分で眠りについたタコは&bold(){その晩のうちにワニに残った全身を食われました}。
 
 タコは美味しかったけど、ワニは後悔の涙を流しました。
 ちなみに作者の国のフランスでは&bold(){「ワニの涙」は「ウソ泣き」という意味の俗語}です。
 
 
 こうして自ら食事調達係を食べてしまったワニは、やることが無いので悪びれもせず故郷に戻ることにしました。
 
 故郷にワニが姿を現すと、ワニたちはみんな逃げていきました。
 
 さらに上流のほうまで行きましたが、新しく出会うワニたちも彼を見るなり逃げていきます。
 彼らとは一面識もないはずなのになあ、などと訝しんだワニでしたが、疲れたので川辺で眠りにつきました。
 
 
 辺りが騒がしくなったので目を覚ましてみると、人間たちが彼の周りに集まって音楽を演奏し、踊っていました。
 その中の一人、若い少女が彼に近づいてきたので、彼は空腹だったのもあって彼女を食べました。
 人間たちはますます喜び、彼を担ぎ上げて神殿にまで連れて行きました。
 
 
 それ以来、ワニは現地の人間たちに神として崇められることになりました。
 毎日年頃の娘が生贄として連れてこられるので、食べ物の心配もありません。
 彼は&bold(){とても謙虚なワニ}だったので(原文ママ)なんで自分がこんなに崇められるのか不思議でありませんでした。
 
 
 それは実は、彼が紅海でゆっくりしている間に、体色が真っ赤になっていたからなのです。
 
 
 
 &bold(){めでたしめでたし}
 
 
 
 
 
 
 
 ……そう、この話、&bold(){ハッピーエンド}である。
 
 &bold(){自分のひこ孫を食べ、あれだけ献身的に尽くしてくれたタコも食べた挙句、毎日若い娘を食べることができる身分になった}というオチである。
 
 
 
 とりあえず&bold(){タコがあまりに報われない}。
 
 
 
 
 
 
 なお、同じ1巻に収録されている&bold(){「メンドリとアヒルの話」}はこれに輪をかけて不条理な話である。
 
 
 ***簡単なあらすじ
 
 色々あって、メンドリとアヒルとコウノトリは一緒に暮らし始めました。
 メンドリは181羽のヒヨコを生みましたが、かわいがったのは生まれた直後だけで、後はどうでもよくなってアヒルとコウノトリに押し付けました。
 アヒルはヒヨコたちに泳ぎを教えようとしましたが&bold(){全員溺死}し、コウノトリは飛ぶことを教えようとしましたが&bold(){全員墜落死}しました。
 
 その後コウノトリはアヒルとメンドリを両足に持って旅に出ますが、海の上を飛んでいた時に重くなったのでアヒルを離しました。
 アヒルはサメに食われました。
 コウノトリとメンドリもほどなく墜落死しました。
 &bold(){完}
 
 
 
 ……子供が読んだらトラウマものである。
 
 
 
 
 
 断っておくと、ショヴォーの童話がどれもみんなこんな感じなわけではない。
 普通の冒険譚やほのぼのした話もある。
 特に「なめくじの話」は、個性的なキャラクターが織り成す愉快なドタバタ劇である。
 
 
 
 
 追記・修正はワニと一緒に寝てからお願いします。
 
 
 
 
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 - どういうことなの……  -- 名無しさん  (2016-10-27 20:06:13)
 - 童話って意外と残酷…なんてレベルを超えて不条理なんですが… こんなの子供に読ませていいのか?  -- 名無しさん  (2016-10-27 20:31:42)
 - 当時の情勢の風刺だったりするのだろうか…?  -- 名無しさん  (2016-10-27 21:05:00)
 - タコが死ぬ辺りまではDVヒモ男の揶揄か何かかと思ったら…  -- 名無しさん  (2016-10-27 21:12:44)
 - 昔話が変ならまだよくあることだが、作者がはっきりしてる話がこれってのがなお狂気を感じる  -- 名無しさん  (2016-10-27 21:15:41)
 - えぇ…  -- 名無しさん  (2016-10-27 21:16:39)
 - 子供の時に読んだ記憶があるが、まさかこんな項目が建つとは思わなかった。俺の親父は何を考えてあんな本を買って来たんだ…  -- 名無しさん  (2016-10-27 23:08:48)
 - 「彼が紅海でゆっくりしている間に、体色が真っ赤になっていたからなのです。」がよく分からないんだけど、何かの暗喩?  -- 名無しさん  (2016-10-28 01:02:41)
 - 浦島太郎以上に何も伝わらない話やな……ギャグ漫画とてはあり?  -- 名無しさん  (2016-10-28 01:21:41)
 - 狂ってるにもほどがある。そしてなぜ書籍化した。さらになぜアニメ化した。  -- 名無しさん  (2016-10-28 02:11:31)
 - まるで意味が分からんぞ!半ば腹筋壊滅中だがw  -- 名無しさん  (2016-10-28 02:35:02)
 - 性(さが)の悲哀を描いた話なのかな。童話として見ればそこまで理解し難くはないかと。  -- 名無しさん  (2016-10-28 09:07:42)
 - グリム童話とか残酷だなと思うが話はまあ理解できる。これはまず話が理解できないw  -- 名無しさん  (2016-10-28 09:10:07)
 - ↑浦島も近代教科書に載ってるような普及版は、釣り上げた亀を見逃す浦島ぐう聖っていう仏教説話観だったかに対して「これどうなん?」って意見が出て話の流れ調整されてるんだよ。「いじめっ子を追い払う(ために身銭を切る)浦島に恩を感じる」という「妥当性」を付与してるから。  -- 名無しさん  (2016-10-28 10:17:20)
 - ↑6だったすまん。外国の童話と言えば、3匹のこぶた系には最後に狼をシチューにして食っちまうのもあるから、これも版によっては違うのかも?  -- 名無しさん  (2016-10-28 10:18:56)
 - ちょっと調べてみたが、誰もこれといった批評や解釈を出してないのがもまたモヤモヤする…寓話とかじゃあないのか…?  -- 名無しさん  (2016-10-28 11:50:34)
 - ↑批評や解釈出してないんじゃなくて「出来なかった」んじゃね?  -- 名無しさん  (2016-10-28 12:09:18)
 - 自分の欲望のためなら家族や慕ってくれる相手も平気で犠牲にする老いぼれと、普通の人なら当然避けるのに逆に崇拝し身を捧げる一部の馬鹿な大衆、と書くと一応政治か宗教への皮肉ととれる  -- 名無しさん  (2016-10-28 23:50:41)
 - ↑そんな国何処かで聞いたことがあるな。  -- 名無しさん  (2016-10-29 13:06:36)
 - 童話界のチャー研かな?  -- 名無しさん  (2016-10-29 14:17:32)
 - 腹筋クラッシュタウンを越える何かがあるな・・・  -- 名無しさん  (2016-10-29 23:19:59)
 - 浦島太郎は一応「どんな理由があろうと約束を破ってはいけない」みたいなメッセージと受け取れるけど、これは…  -- 名無しさん  (2016-10-30 17:59:03)
 - ↑童話に教訓を込めているとはっきり言えるのはイソップ寓話くらいで、あまり気にする必要はないよ。この話は変だけどな。  -- 名無しさん  (2016-10-31 13:40:38)
 - 月光条例で話を変えてもいいレベル  -- 名無しさん  (2017-08-11 11:25:13)
 - いいえワニです>鬼ですか。  -- 名無しさん  (2017-12-25 12:22:54)
 - 童話というより神話っぽい。「彼がついに天に召された時にできたのがワニ座です」とか言われたら信じそう  -- 名無しさん  (2017-12-25 12:34:47)
 - ひこ孫がいるってことは妻子ある身だったんだよな…?そいつらは食わずに我慢できていたのか?  -- 名無しさん  (2018-02-26 09:14:37)
 - 欧米の植民地政策に対する皮肉なのかも??  -- 名無しさん  (2018-02-26 09:21:04)
 - 今時の異世界転生モノ並みにわけわからん話やな  -- 名無しさん  (2018-02-26 18:04:18)
 - 後者は「ヒヨコの親はニワトリしか出来ません」的な話なんかな。鳶が鷹を育てても鷹は鷹にはなれません、みたいな  -- 名無しさん  (2018-02-26 18:52:33)
 - ちゃんと調べたわけじゃないが、邪悪なものを信仰するのは「色々奉げますので私たちは見逃してください!」みたいな感じだと聞いた。この赤くなってたワニを神として崇めた人間は、ワニをそういう神の使いとかと認識したのかもしれないと思う  -- 名無しさん  (2018-02-26 19:22:18)
 - ↑5そもそも年寄りワニが家族を食ったのは自分で狩りができなくなったからなので最近までは狩りして食べてたんだよ この話はもしや「罪人も他所へ逃げれば神になる」って意味なんじゃあ・・・  -- 名無しさん  (2018-02-27 12:10:21)
 - なんやこれ…  -- 名無しさん  (2018-02-27 15:30:04)
 - 関係ないが、山村浩二ってみんなのトラウマパクシやあさごはんマーチの人か。この話にぴったりというか…  -- 名無しさん  (2018-12-27 16:32:10)
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