耳飾りの剣士(鬼滅の刃)

「耳飾りの剣士(鬼滅の刃)」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら

耳飾りの剣士(鬼滅の刃)」(2024/04/19 (金) 13:58:42) の最新版変更点

追加された行は緑色になります。

削除された行は赤色になります。

&font(#6495ED){登録日}:2019/09/23 Mon 01:30:00 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 11 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){ &font(#ff9900,b){なぜ命を踏みつけにする?} &font(#ff9900,b){何が楽しい? 何が面白い?} &font(#ff9900,b){命を何だと思っているんだ}} 耳飾りの剣士とは『[[鬼滅の刃]]』の登場人物の一人である。 CV:[[井上和彦]] *◆概要 [[鬼舞辻無惨]]や血が濃い[[上弦の鬼>十二鬼月]]たちが[[竈門炭治郎]]の姿から想起する、長い髪を後頭部で一つに纏めた謎の青年剣士。 額には炭治郎に似た炎のような痣があり、同じ耳飾りを付けているのが特徴。 使用する日輪刀の根元には&b(){「滅」}の一文字が刻まれている。普段は&b(){黒刀}で、戦闘時のみ刀身が燃えるように赤く染まる&font(#ff0000,b){&ruby(かくとう){赫刀}}となっていたらしい。 口数も表情が動くことも少ない物静かな男で&font(#ff9900,b){「大切なものを何一つ守れず 人生において為すべきことを為せなかった何の価値もない男」}と自嘲する場面があり、才と力に反してその半生は多くを失い続けたようだ。 無惨を始まりの呼吸たる&color(whitesmoke,red){''日の呼吸''}を以て追い詰め、頸を斬りかけたことがわかっている。 *◆性格 本名は&b(){「&ruby(つぎくに){継国}&ruby(よりいち){縁壱}」}で[[『上弦の壱』>黒死牟(鬼滅の刃)]]こと継国巌勝の&b(){実弟}。 戦うことに恵まれ過ぎた才覚を持つ&bold(){正真正銘の神童}としての才に反し、争いそのものを何より嫌う穏やかな気質の持ち主。 兄の家臣を助けられなかったことを謝罪するなど、自分の剣技や鬼狩りとしての立場に驕らず、巌勝は縁壱を&font(#9932CC,b){「非の打ち所のない人格者」}と評する。 口数が少なく表情も余り変化を見せないため本心が分かり難いが、忌み子としての境遇に不満を見せず、与えられる僅かな思いやりを心から大切にし、また他人を思いやる素朴な心根を持つ。 特に幼少期は剣技を磨き強さを求めるよりも巌勝と遊ぶ事の方が遥かに楽しいと感じ、人を痛めつける感触を耐えがたく不快に感じるほどだった。 少年時代に兄の指南役と打ち合いをして完勝してしまった後、母が亡くなったことをきっかけに一人実家を飛び出している。 出奔の翌日、流行病で親を亡くして天涯孤独になった少女&bold(){うた}と出会う。 二人は惹かれ合い、縁壱は彼女の家に転がり込む形で暮らすことになった。 長じて自身の妻となったうたと、彼女との間に授かった子どもとともに、人並みの幸せを得ようとした矢先、産婆を呼ぶために家を離れていた間に、鬼の襲撃に遭ったうたはお腹の子ごと殺されてしまった。 茫然自失としていたところに鬼を追ってきた剣士が訪れたことが、彼が鬼狩りに加わるきっかけとなるのである。 *◆戦闘能力 黒死牟をして&b(){&color(#9932CC,#000000){「この世の理の外側にいる」「神々の寵愛を一身に受けて生きている」「鬼狩りの長き歴史の中で最も優れた剣士」}}と言わしめた『鬼滅の刃』作中最強の天才剣士。 例えるならば&font(#ff0000,b){「人間」という枠組みを超越した超人。} 才能面では生まれながらに&bold(){『透き通る世界』}による全てを透かすような異質な視点と動体視力、&bold(){『痣』}による人間離れした身体能力を備えており、その身体能力と技巧は戦国の世に存在した「始まりの剣士たち」を隔絶する。 七歳の時点ですら一昼夜走り続けても疲れて足が止まることはなく、&bold(){竹刀の持ち方を教わったばかりの素人にもかかわらず}、巌勝が全く敵わなかった剣術の指南役を、&b(){一瞬の内に四連撃を打ち込んで気絶させる}など最早怪物の域。 そして実は彼こそが&font(#ff0000,b){全集中の呼吸を編み出した張本人}。 この技巧も本人からすれば隠すような物でもなかったようで、懇切丁寧に他の剣士たちに技術を伝授している。 また、日の呼吸を習得できない仲間達に配慮して個々人に指導した呼吸法が受け継がれ、後の五つの呼吸となる。((教えたのは「全集中の呼吸」で、それぞれの「剣の型」は以前から伝わっていたので、彼とその仲間たちは「始まりの『呼吸の』剣士」であって、「剣士の始祖」ではない。)) そんな鬼狩りとして心技体ともに成熟し、磨き上げられた剣の力量は&bold(){「最強の御業」「神の御業」}と例えられ、剣を手にしてから生涯を終えるまで&font(#ff0000,b){無惨を含めた全ての存在が彼に勝利するどころか傷をつける事すらできなかった}という。 また、&bold(){&color(#ff9900){「生まれて初めて背筋が冷やりとした」}}と述懐しながらも、弱体化のない全盛期の無惨を&font(#ff0000,b){小細工抜きで正面から討伐可能だった}人物であり、&bold(){無惨の全攻撃を簡単に見切って斬り刻み勝利目前まで至った}彼の剣技は、明白な弱体化を強いられた無惨に対してもなおギリギリまで劣勢となる現代の[[鬼殺隊>鬼殺隊(鬼滅の刃)]]と&font(#ff0000,b){もはや比較のしようもない}。 実際大正時代の鬼殺隊の総戦力と一通り戦った無惨も&bold(){&color(#eeeeee,#cc0000){「どの鬼狩りもあの男には劣る」}}と冷たく一蹴するほどに隔絶した力量差があった。 その超人ぶりは留まることを知らず、&font(#ff0000,b){『戦国時代』という苛烈な時代に、痣を持ちながら80歳を超えて生き続けた}だけでなく、超高齢((合戦に出なかったことを加味しても))の皺だらけで痩せ細った肉体で放った攻撃さえ、&b(){上弦最強の鬼である黒死牟に対応すらさせず一瞬で仕留めかけ、黒死牟に&color(#9932CC,#000000){「次の一撃で死ぬ」}と直感させる}人外の技の冴え、覇気、身体能力を発揮していた。((というのは黒死牟の見立てであり、無惨に見られた赫刀の再生阻害効果が発揮されなかった事から、「実際には少なからず弱体化していたのでは」と指摘する声もある。)) 天上天下唯我独尊を貫く無惨も、唯一縁壱に対してのみ&bold(){&color(#eeeeee,#cc0000){「当然だ&ruby(・・・・・){あんなもの}。然う然う生まれてなるものか」}}と愚痴っただけでなく、 #center(){&bold(){&color(#eeeeee,#cc0000){あの男は初め 弱く見えた}} &bold(){&color(#eeeeee,#cc0000){覇気も闘気も憎しみも殺意もない そんな男が私の頚を刎ね斬り刻むなど}} &bold(){&color(#eeeeee,#cc0000){さらにはその傷が 何百年もの間太陽の光のように私の肉を細胞を灼き続けるなど}} &bold(){&color(#eeeeee,#cc0000){たとえ神や仏でも予想できなかったはず}} &bold(){&color(#eeeeee,#cc0000){出鱈目な御伽噺としか思えない}} &bold(){&color(#eeeeee,#cc0000){本当の化け物は あの男だ}} &bold(){&color(#eeeeee,#cc0000){私ではない!!}}} と零している。((この戦いから心底トラウマになったらしく、現代で追い詰められた際には彼を引き合いに出して毒付いていた。)) なお&bold(){「圧倒的な個の武力でも無惨を滅ぼすには至らない」}という事実は、珠代の方針にも大きく影響。 &bold(){&font(#0b5394){「無惨を滅ぼすのに人間が無惨より強くなる必要はなく、多くの戦力を揃えた上で確実に滅ぼせるレベルまで徹底的に弱体化させてから殺せばいい」}}という対抗手段を編み出すこととなった。 **◆特殊技能 ・&bold(){痣} 炭治郎や現代の柱達も操る肉体のリミッター解除能力。 炭治郎達は厳しい修練と死闘の果てに開眼したが、彼の場合は&bold(){生まれつき有している先天性の体質}である。 おまけに痣最大の欠点である「25歳までに死ぬ」というデメリットも平然と無視し、80歳を超えてまで生き続けた。 ・&bold(){&font(#6fa8dc){透き通る世界}} &bold(){「無我の境地」「至高の領域」}とも呼ばれる、痣と同じく炭治郎や現代の一部の柱、鬼が使う、相手の肉体を透視する特異な視野。 透視した筋肉の動きなどから相手の動きを先読みして先手を取ったり、内臓の位置を知覚して弱点を見破ったりと非常に応用性が高い。 厳しい修練と死闘の果てにしか開眼できない代物だが、彼の場合はこちらも生まれつき有している先天性の体質である。 ・&font(#ff0000,b){&ruby(かくとう){赫刀}} 日輪刀の刀身が赫く染まる特異な現象。「しゃくとう」とも呼ばれる。 赫刀となった日輪刀で鬼の身体を斬ると、灼けるような激痛と共に鬼の再生を一時的に阻害することが可能で、鬼の持つ最大のアドバンテージの1つを封じられる不死殺しの刃。 なお刃を赤く染めるには&font(#ff0000,b){痣を出した者が死の淵に至る事で漸く発揮できるような万力の握力}((痣者同士での日輪刀同士をぶつけた衝撃でも発動可能))によって強烈な熱と圧力を加える事が必要。 練度によってその効力は上下するが、彼の場合再生の阻害どころか肉体の再生そのものを完全に封じ、その後&font(#ff0000,b){数百年に渡って古傷という形で細胞を灼き続けて再生を妨害し、傷口を脆くさせる}規格外の効果を発揮した。 とはいえ、無惨の人知を超えた生命力と再生力には流石に押され気味であり、効果が発揮され出したのは無惨が4種の薬の作用と鬼殺隊の総力を挙げた怒涛の攻撃により&bold(){大幅に弱体化した後。} それまでは無惨もこの不治の傷に気が付くことは全くなかった。 **◆流派 ・[[&bold(){全集中 &color(whitesmoke,red){日の呼吸}}>全集中の呼吸(鬼滅の刃)]] 全ての呼吸の源流となった彼独自の呼吸法及び剣術。13種類の技の型があるとされる。 死後その剣術は廃れ、鬼殺隊でも語り継がれる事は無くなったが、後に&bold(){「ヒノカミ神楽」}と名を変えて竈門家の手で密かに後世に伝授されていった。 技の詳細は[[ヒノカミ神楽]]の項目を参照。 なお彼はこれに透き通る世界を組み合わせる事で瞬時に相手の動きを先読みし、体内に秘められた急所すら一瞬で見破れる。 *◆活躍 既に故人であり、今の[[鬼殺隊>鬼殺隊(鬼滅の刃)]]にも情報がほとんど残っていない。 炭治郎が垣間見た過去の記憶では竈門家の先祖である&ruby(すみよし){炭吉}と妻子を助けた命の恩人であることがわかっている。 炭吉との会話で&font(#ff9900,b){「道を極めた者が辿り着く場所はいつも同じだ。時代が変わろうともそこに至るまでの道のりが違おうとも、必ず同じ場所に行きつく」}と話している。 刀鍛冶の里には彼を模した戦闘用絡繰人形&bold(){「&ruby(よりいちぜろしき){縁壱零式}」}が残されているが、原型となったのが実在したすごく強い剣士という程度にしか伝わっていない。 人形には腕が6本付けられているが、これは「腕が6本無ければ動きを再現できない」からだという。 この人形には刀が埋め込まれており、刀身を研ぐことで「滅」の文字が浮き上がった。 刀は発見した炭治郎がそのまま譲り受けている。また鬼殺隊の階級制度はこの刀の後から始まり、柱だけが惡鬼滅殺の文字を刻むようになったという。 **過去 戦国時代の武家・継国家に生まれた縁壱。 双子であったことと額の痣を理由に、忌み子として殺すべきとの声が上がるも、母の強硬な反対で死を免れた。 それでも十歳になるころには出家するとの約束で、兄・巌勝とは大きく待遇に差がつけられる。しかし母と共に過ごし、時折父の反対をすり抜けて様子を見に来る兄との生活に、縁壱が不満を抱くことはなかった。 なお、忌み子ということで息をひそめ一言も発さずにいたため、母には耳が聞こえないものと誤解されていた。 後世、彼を象徴するあの耳飾りも、息子の病の平癒を願った母が調達させたものであった。 兄に声をかけ一度剣術の稽古に参加するも、天賦の才を見せつけて以降は剣で人を打つ感触を苦手として侍になりたいとも言わなくなった。 七つで寺へ行くことが決まり、母の死を機に兄にだけ別れを告げて家を出る。しかし寺には現れず、そのまま失踪してしまった。 というのも、初めての外界に「行けるところまで行ってみよう」と自由を謳歌した結果、まるで疲れなかったため遥か遠くへ赴いてしまっていたのだった。 歩き続けて出会った孤独な少女・うたと意気投合し、共同生活を始めた縁壱。 二人は愛し合うようになり、十年後には&bold(){夫婦となって子を授かる}。ささやかながら幸福だった。 しかし縁壱が産婆を呼ぼうと家を離れていた間に、身重のうたは鬼に惨殺されてしまう。 弔うことも忘れ、うたの亡骸を抱いて呆然と立ち尽くしていた縁壱に、現場に現れた鬼狩りの剣士((特徴的な容姿から、煉獄家のご先祖様ではないかと言われている。))が声をかけたことで、ようやく彼は妻を弔うのだった。彼は生涯に渡りうただけを愛していた。 愛する妻子と小さな家で暮らすという夢を奪われてしまった縁壱は、&bold(){鬼を滅殺}することを決意する。 こうして縁壱は鬼殺隊に合流。前後して鬼に襲われていた兄巌勝と再会、巌勝もまた鬼狩りの剣士となった。 また、縁壱が自身の呼吸法を伝授したことで鬼狩りの剣士たちは飛躍的に戦果を挙げ、縁壱は鬼殺隊中興の祖といえる存在になる。 #center(){#bold(){&color(#ff9900){出会った瞬間に} &color(#ff9900){私はこの男を倒すために生まれて来たのだとわかった}}} そんな折、縁壱は鬼の始祖・&bold(){鬼舞辻無惨と遭遇}。 その暴力的な生命力を前に日の呼吸最後の型をその場で完成させ、無惨の頸に刃を通した。しかし縁壱はうずくまった無惨に項目冒頭の言葉を投げかけ――無惨に逃げる隙を与えてしまう。怒りで顔を赤黒く腫れ上がらせながらも、追い詰められた無惨はなんと&bold(){自ら爆散}、全身を大小1800もの肉片に変えて飛散した。 不意を突かれてもなお、縁壱は飛び散る肉塊1500余りを即時斬滅してのけたが、細かすぎた300ほど――すべて合わせれば頭一つ分――の肉片を切り損ねる。 ちょうど無惨の傍にいた女性の鬼・&bold(){珠世}が無惨の支配から逃れたため、彼女を説得し人間の味方に引き入れたものの、鬼の首魁は逃げおおせてしまった。 **結末 拠点に戻った縁壱を待っていたのは巌勝が鬼殺隊を裏切り、鬼と化したとの報せであった。 無惨を取り逃がしたこと、無惨の側近を見逃したこと、兄が鬼になったこと。この3つを理由に、縁壱は鬼殺隊を追放される。自刃すべしとの声もあったとのことだが、代替わりしたばかりだった当時のお館様が追放処分に留めさせたらしい。 本編では出ない裏設定であるが、上記の自刃が求められた理由として兄巌勝が裏切りに際し先代のお館様を殺害し、その首をもって無惨のもとへ下ったということもあると考えられる。 &font(#ff9900,b){「自分の強さは無惨を倒すためにあったのだと思う」「しかししくじってしまった」}。 縁壱は炭吉に自分の生き様をそう評したという。 その後、剣舞を見たがる炭吉の子供に応える形で十二の型を披露。同時に、耳飾りを託す縁壱の姿に、炭吉はもう彼が来ないことを悟った。 その後悔を知る炭吉は耳飾りとともに十二の型を神楽として継承することを約束する。こうして“最強の御業”は特殊な神楽舞として炭治郎に受け継がれることとなった。 #center(){#bold(){&color(#ff9900){お労しや 兄上}}} 痣の副作用で死んだと思われていた縁壱は、それから数十年の後、兄・巌勝――上弦の壱・黒死牟の前に現れた。 齢80を越え、枯れ木のような老人の姿でありながら、全盛期のそれと変わらぬ技を放つ。 #center(){#bold(){&color(#ff9900){参る}}} 上弦最強に君臨し続ける黒死牟でさえ反応すらできなかった一撃。死を確信するも、次の攻撃が放たれることはなかった。 至高の天才剣士・継国縁壱は&bold(){この瞬間寿命を迎え、[[立ったまま事切れていた>立ち往生]]}のだ。 *◆死後 縁壱の死後&bold(){黒死牟は無惨と共に日の呼吸の型を知る者を徹底的に殲滅した。} これにより鬼殺隊において日の呼吸は断絶、黒刀の剣士=日の呼吸の適性者は己の才能を活かすことができずに討死していき、「黒刀は早死にして出世できない」という逸話が生まれることとなったと考えられる。 また、剣の指導者としても誰より優秀だった縁壱が去り、当時の柱に連なる者たちの多くも痣の副作用で若くして死を迎えたことで鬼殺隊全体が徐々に弱体化。 そこに上記の日の呼吸への殲滅が加わった結果、当時の鬼殺隊は&bold(){壊滅に近い状況にまで追い込まれてしまった。} 本編の大正時代では鬼殺隊にも縁壱個人の仔細は伝わっていないようだが、断片的に残った上記一連の出来事に関する情報と唯一無惨を追い詰めたという事実、これらが縁壱を筆頭とする「始まりの呼吸の剣士」が特別視される要因となっている。 本人が炭吉に&bold(){&color(#ff9900){「為すべきことを為せなかった」}}と語っている通り、結果として縁壱は家族を守ることも鬼の首魁を倒すことも兄を止めることにも失敗している。 しかし彼の功績はその死後も大きな影響を与えている。 例えば[[全集中の呼吸>全集中の呼吸(鬼滅の刃)]]を伝授したことで、当時の鬼狩り達は急速に力をつけ凄まじい勢いで鬼を狩っていったとされ、彼の存在は当時の鬼殺隊の&bold(){革命的なブレイクスルー}を齎している。 また呼吸の伝授に伴い、(重大なデメリットはあるが)痣による肉体性能の限界突破の可能性も開拓された。 炭吉に[[ヒノカミ神楽]]を披露したことは、意図せずして自らの呼吸の後継を残すことに繋がり、炭治郎の命をつなぐことにもなった。 [[無惨>鬼舞辻無惨]]には逃げられたものの、彼の肉体に数百年に渡り決して消えない甚大なダメージを刻みつける。 加えて無惨に奥の手を引き出させたこと、その場に居合わせた珠世を逃したことも、最終決戦で大きな意味を持つことになる。 これらが一つでも欠けていれば、現代の鬼殺隊に勝利が訪れ得なかったのは明らかである。 天命こそ果たせなかったが、彼が残したものは多かった。そして、その何れもが長い時を経て芽吹き、花開くこととなった。 *◆余談 -縁壱の名は母親が&bold(){「人と人との繋がりを何より大切に」}と願い名付けられた。 -[[竈門炭治郎]]の祖先である炭吉一家は、鬼に襲われた際に縁壱に救われている。&br()鬼殺隊に加わった後に放置されていた縁壱とうたの家に住み着いていた炭吉夫婦だが、すやこが臨月を迎えたある日に鬼の襲撃に遭う。&br()そこに、鬼殺隊を追放され、かつて暮らしていた家に戻ってきた縁壱が現れ鬼を撃退。&br()さらにすやこのために産婆を呼びにいったが、その時には&font(b){とんでもない速さで戻ってきた}という。 -未来(我々の知る現代)にて、&bold(){縁壱とうたによく似た仲睦まじい夫婦が子供を連れている様子}が描かれている。 &font(#ff9900,b){追記修正を極めた者が辿り着く場所はいつも同じだ} #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,65) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #lsd() #comment_num2(num=30) }
&font(#6495ED){登録日}:2019/09/23 Mon 01:30:00 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 11 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){ &font(#ff9900,b){なぜ命を踏みつけにする?} &font(#ff9900,b){何が楽しい? 何が面白い?} &font(#ff9900,b){命を何だと思っているんだ}} 耳飾りの剣士とは『[[鬼滅の刃]]』の登場人物の一人である。 CV:[[井上和彦]] *◆概要 [[鬼舞辻無惨]]や血が濃い[[上弦の鬼>十二鬼月]]たちが[[竈門炭治郎]]の姿から想起する、長い髪を後頭部で一つに纏めた謎の青年剣士。 額には炭治郎に似た炎のような痣があり、同じ耳飾りを付けているのが特徴。 使用する日輪刀の根元には&b(){「滅」}の一文字が刻まれている。普段は&b(){黒刀}で、戦闘時のみ刀身が燃えるように赤く染まる&font(#ff0000,b){&ruby(かくとう){赫刀}}となっていたらしい。 口数も表情が動くことも少ない物静かな男で&font(#ff9900,b){「大切なものを何一つ守れず 人生において為すべきことを為せなかった何の価値もない男」}と自嘲する場面があり、才と力に反してその半生は多くを失い続けたようだ。 無惨を始まりの呼吸たる&color(whitesmoke,red){''日の呼吸''}を以て追い詰め、頸を斬りかけたことがわかっている。 *◆性格 本名は&b(){「&ruby(つぎくに){継国}&ruby(よりいち){縁壱}」}で[[『上弦の壱』>黒死牟(鬼滅の刃)]]こと継国巌勝の&b(){実弟}。 戦うことに恵まれ過ぎた才覚を持つ&bold(){正真正銘の神童}としての才に反し、争いそのものを何より嫌う穏やかな気質の持ち主。 兄の家臣を助けられなかったことを謝罪するなど、自分の剣技や鬼狩りとしての立場に驕らず、巌勝は縁壱を&font(#9932CC,b){「非の打ち所のない人格者」}と評する。 口数が少なく表情も余り変化を見せないため本心が分かり難いが、忌み子としての境遇に不満を見せず、与えられる僅かな思いやりを心から大切にし、また他人を思いやる素朴な心根を持つ。 特に幼少期は剣技を磨き強さを求めるよりも巌勝と遊ぶ事の方が遥かに楽しいと感じ、人を痛めつける感触を耐えがたく不快に感じるほどだった。 少年時代に兄の指南役と打ち合いをして完勝してしまった後、母が亡くなったことをきっかけに一人実家を飛び出している。 出奔の翌日、流行病で親を亡くして天涯孤独になった少女&bold(){うた}と出会う。 二人は惹かれ合い、縁壱は彼女の家に転がり込む形で暮らすことになった。 長じて自身の妻となったうたと、彼女との間に授かった子どもとともに、人並みの幸せを得ようとした矢先、産婆を呼ぶために家を離れていた間に、鬼の襲撃に遭ったうたはお腹の子ごと殺されてしまった。 茫然自失としていたところに鬼を追ってきた剣士が訪れたことが、彼が鬼狩りに加わるきっかけとなるのである。 *◆戦闘能力 黒死牟をして&b(){&color(#9932CC,#000000){「この世の理の外側にいる」「神々の寵愛を一身に受けて生きている」「鬼狩りの長き歴史の中で最も優れた剣士」}}と言わしめた『鬼滅の刃』作中最強の天才剣士。 例えるならば&font(#ff0000,b){「人間」という枠組みを超越した超人。} 才能面では生まれながらに&bold(){『透き通る世界』}による全てを透かすような異質な視点と動体視力、&bold(){『痣』}による人間離れした身体能力を備えており、その身体能力と技巧は戦国の世に存在した「始まりの剣士たち」を隔絶する。 七歳の時点ですら一昼夜走り続けても疲れて足が止まることはなく、&bold(){竹刀の持ち方を教わったばかりの素人にもかかわらず}、巌勝が全く敵わなかった剣術の指南役を、&b(){一瞬の内に四連撃を打ち込んで気絶させる}など最早怪物の域。 そして実は彼こそが&font(#ff0000,b){全集中の呼吸を編み出した張本人}。 この技巧も本人からすれば隠すような物でもなかったようで、懇切丁寧に他の剣士たちに技術を伝授している。 また、日の呼吸を習得できない仲間達に配慮して個々人に指導した呼吸法が受け継がれ、後の五つの呼吸となる。((教えたのは「全集中の呼吸」で、それぞれの「剣の型」は以前から伝わっていたので、彼とその仲間たちは「始まりの『呼吸の』剣士」であって、「剣士の始祖」ではない。)) そんな鬼狩りとして心技体ともに成熟し、磨き上げられた剣の力量は&bold(){「最強の御業」「神の御業」}と例えられ、剣を手にしてから生涯を終えるまで&font(#ff0000,b){無惨を含めた全ての存在が彼に勝利するどころか傷をつける事すらできなかった}という。 また、&bold(){&color(#ff9900){「生まれて初めて背筋が冷やりとした」}}と述懐しながらも、弱体化のない全盛期の無惨を&font(#ff0000,b){小細工抜きで正面から討伐可能だった}人物であり、&bold(){無惨の全攻撃を簡単に見切って斬り刻み勝利目前まで至った}彼の剣技は、明白な弱体化を強いられた無惨に対してもなおギリギリまで劣勢となる現代の[[鬼殺隊>鬼殺隊(鬼滅の刃)]]と&font(#ff0000,b){もはや比較のしようもない}。 実際大正時代の鬼殺隊の総戦力と一通り戦った無惨も&bold(){&color(#eeeeee,#cc0000){「どの鬼狩りもあの男には劣る」}}と冷たく一蹴するほどに隔絶した力量差があった。 その超人ぶりは留まることを知らず、&font(#ff0000,b){『戦国時代』という苛烈な時代に、痣を持ちながら80歳を超えて生き続けた}だけでなく、超高齢((合戦に出なかったことを加味しても))の皺だらけで痩せ細った肉体で放った攻撃さえ、&b(){上弦最強の鬼である黒死牟に対応すらさせず一瞬で仕留めかけ、黒死牟に&color(#9932CC,#000000){「次の一撃で死ぬ」}と直感させる}人外の技の冴え、覇気、身体能力を発揮していた。((というのは黒死牟の見立てであり、無惨に見られた赫刀の再生阻害効果が発揮されなかった事から、「実際には少なからず弱体化していたのでは」と指摘する声もある。)) 天上天下唯我独尊を貫く無惨も、唯一縁壱に対してのみ&bold(){&color(#eeeeee,#cc0000){「当然だ&ruby(・・・・・){あんなもの}。然う然う生まれてなるものか」}}と愚痴っただけでなく、 #center(){&bold(){&color(#eeeeee,#cc0000){あの男は初め 弱く見えた}} &bold(){&color(#eeeeee,#cc0000){覇気も闘気も憎しみも殺意もない そんな男が私の頚を刎ね斬り刻むなど}} &bold(){&color(#eeeeee,#cc0000){さらにはその傷が 何百年もの間太陽の光のように私の肉を細胞を灼き続けるなど}} &bold(){&color(#eeeeee,#cc0000){たとえ神や仏でも予想できなかったはず}} &bold(){&color(#eeeeee,#cc0000){出鱈目な御伽噺としか思えない}} &bold(){&color(#eeeeee,#cc0000){本当の化け物は あの男だ}} &bold(){&color(#eeeeee,#cc0000){私ではない!!}}} と零している。((この戦いから心底トラウマになったらしく、現代で追い詰められた際には彼を引き合いに出して毒付いていた。)) なお&bold(){「圧倒的な個の武力でも無惨を滅ぼすには至らない」}という事実は、珠代の方針にも大きく影響。 &bold(){&font(#0b5394){「無惨を滅ぼすのに人間が無惨より強くなる必要はなく、多くの戦力を揃えた上で確実に滅ぼせるレベルまで徹底的に弱体化させてから殺せばいい」}}という対抗手段を編み出すこととなった。 **◆特殊技能 ・&bold(){痣} 炭治郎や現代の柱達も操る肉体のリミッター解除能力。 炭治郎達は厳しい修練と死闘の果てに開眼したが、彼の場合は&bold(){生まれつき有している先天性の体質}である。 おまけに痣最大の欠点である「25歳までに死ぬ」というデメリットも平然と無視し、80歳を超えてまで生き続けた。 ・&bold(){&font(#6fa8dc){透き通る世界}} &bold(){「無我の境地」「至高の領域」}とも呼ばれる、痣と同じく炭治郎や現代の一部の柱、鬼が使う、相手の肉体を透視する特異な視野。 透視した筋肉の動きなどから相手の動きを先読みして先手を取ったり、内臓の位置を知覚して弱点を見破ったりと非常に応用性が高い。 厳しい修練と死闘の果てにしか開眼できない代物だが、彼の場合はこちらも生まれつき有している先天性の体質である。 ・&font(#ff0000,b){&ruby(かくとう){赫刀}} 日輪刀の刀身が赫く染まる特異な現象。「しゃくとう」とも呼ばれる。 赫刀となった日輪刀で鬼の身体を斬ると、灼けるような激痛と共に鬼の再生を一時的に阻害することが可能で、鬼の持つ最大のアドバンテージの1つを封じられる不死殺しの刃。 なお刃を赤く染めるには&font(#ff0000,b){痣を出した者が死の淵に至る事で漸く発揮できるような万力の握力}((痣者同士での日輪刀同士をぶつけた衝撃でも発動可能))によって強烈な熱と圧力を加える事が必要。 練度によってその効力は上下するが、彼の場合再生の阻害どころか肉体の再生そのものを完全に封じ、その後&font(#ff0000,b){数百年に渡って古傷という形で細胞を灼き続けて再生を妨害し、傷口を脆くさせる}規格外の効果を発揮した。 とはいえ、無惨の人知を超えた生命力と再生力には流石に押され気味であり、効果が発揮され出したのは無惨が4種の薬の作用と鬼殺隊の総力を挙げた怒涛の攻撃により&bold(){大幅に弱体化した後。} それまでは無惨もこの不治の傷に気が付くことは全くなかった。 **◆流派 ・[[&bold(){全集中 &color(whitesmoke,red){日の呼吸}}>全集中の呼吸(鬼滅の刃)]] 全ての呼吸の源流となった彼独自の呼吸法及び剣術。13種類の技の型があるとされる。 死後その剣術は廃れ、鬼殺隊でも語り継がれる事は無くなったが、後に&bold(){「ヒノカミ神楽」}と名を変えて竈門家の手で密かに後世に伝授されていった。 技の詳細は[[ヒノカミ神楽]]の項目を参照。 なお彼はこれに透き通る世界を組み合わせる事で瞬時に相手の動きを先読みし、体内に秘められた急所すら一瞬で見破れる。 *◆活躍 既に故人であり、今の[[鬼殺隊>鬼殺隊(鬼滅の刃)]]にも情報がほとんど残っていない。 炭治郎が垣間見た過去の記憶では竈門家の先祖である&ruby(すみよし){炭吉}と妻子を助けた命の恩人であることがわかっている。 炭吉との会話で&font(#ff9900,b){「道を極めた者が辿り着く場所はいつも同じだ。時代が変わろうともそこに至るまでの道のりが違おうとも、必ず同じ場所に行きつく」}と話している。 刀鍛冶の里には彼を模した戦闘用絡繰人形&bold(){「&ruby(よりいちぜろしき){縁壱零式}」}が残されているが、原型となったのが実在したすごく強い剣士という程度にしか伝わっていない。 人形には腕が6本付けられているが、これは「腕が6本無ければ動きを再現できない」からだという。 この人形には刀が埋め込まれており、刀身を研ぐことで「滅」の文字が浮き上がった。 刀は発見した炭治郎がそのまま譲り受けている。また鬼殺隊の階級制度はこの刀の後から始まり、柱だけが惡鬼滅殺の文字を刻むようになったという。 **過去 戦国時代の武家・継国家に生まれた縁壱。 双子であったことと額の痣を理由に、忌み子として殺すべきとの声が上がるも、母の強硬な反対で死を免れた。 それでも十歳になるころには出家するとの約束で、兄・巌勝とは大きく待遇に差がつけられる。しかし母と共に過ごし、時折父の反対をすり抜けて様子を見に来る兄との生活に、縁壱が不満を抱くことはなかった。 なお、忌み子ということで息をひそめ一言も発さずにいたため、母には耳が聞こえないものと誤解されていた。 後世、彼を象徴するあの耳飾りも、息子の病の平癒を願った母が調達させたものであった。 兄に声をかけ一度剣術の稽古に参加するも、天賦の才を見せつけて以降は剣で人を打つ感触を苦手として侍になりたいとも言わなくなった。 七つで寺へ行くことが決まり、母の死を機に兄にだけ別れを告げて家を出る。しかし寺には現れず、そのまま失踪してしまった。 というのも、初めての外界に「行けるところまで行ってみよう」と自由を謳歌した結果、まるで疲れなかったため遥か遠くへ赴いてしまっていたのだった。 歩き続けて出会った孤独な少女・うたと意気投合し、共同生活を始めた縁壱。 二人は愛し合うようになり、十年後には&bold(){夫婦となって子を授かる}。ささやかながら幸福だった。 しかし縁壱が産婆を呼ぼうと家を離れていた間に、身重のうたは鬼に惨殺されてしまう。 弔うことも忘れ、うたの亡骸を抱いて呆然と立ち尽くしていた縁壱に、現場に現れた鬼狩りの剣士((特徴的な容姿から、煉獄家のご先祖様ではないかと言われている。))が声をかけたことで、ようやく彼は妻を弔うのだった。彼は生涯に渡りうただけを愛していた。 愛する妻子と小さな家で暮らすという夢を奪われてしまった縁壱は、&bold(){鬼を滅殺}することを決意する。 こうして縁壱は鬼殺隊に合流。前後して鬼に襲われていた兄巌勝と再会、巌勝もまた鬼狩りの剣士となった。 また、縁壱が自身の呼吸法を伝授したことで鬼狩りの剣士たちは飛躍的に戦果を挙げ、縁壱は鬼殺隊中興の祖といえる存在になる。 #center(){#bold(){&color(#ff9900){出会った瞬間に} &color(#ff9900){私はこの男を倒すために生まれて来たのだとわかった}}} そんな折、縁壱は鬼の始祖・&bold(){鬼舞辻無惨と遭遇}。 その暴力的な生命力を前に日の呼吸最後の型をその場で完成させ、無惨の頸に刃を通した。しかし縁壱はうずくまった無惨に項目冒頭の言葉を投げかけ――無惨に逃げる隙を与えてしまう。怒りで顔を赤黒く腫れ上がらせながらも、追い詰められた無惨はなんと&bold(){自ら爆散}、全身を大小1800もの肉片に変えて飛散した。 不意を突かれてもなお、縁壱は飛び散る肉塊1500余りを即時斬滅してのけたが、細かすぎた300ほど――すべて合わせれば頭一つ分――の肉片を切り損ねる。 ちょうど無惨の傍にいた女性の鬼・&bold(){珠世}が無惨の支配から逃れたため、彼女を説得し人間の味方に引き入れたものの、鬼の首魁は逃げおおせてしまった。 **結末 拠点に戻った縁壱を待っていたのは巌勝が鬼殺隊を裏切り、鬼と化したとの報せであった。 無惨を取り逃がしたこと、無惨の側近を見逃したこと、兄が鬼になったこと。この3つを理由に、縁壱は鬼殺隊を追放される。自刃すべしとの声もあったとのことだが、代替わりしたばかりだった当時のお館様が追放処分に留めさせたらしい。 本編では出ない裏設定であるが、上記の自刃が求められた理由として兄巌勝が裏切りに際し先代のお館様を殺害し、その首をもって無惨のもとへ下ったということもあると考えられる。 &font(#ff9900,b){「自分の強さは無惨を倒すためにあったのだと思う」「しかししくじってしまった」}。 縁壱は炭吉に自分の生き様をそう評したという。 その後、剣舞を見たがる炭吉の子供に応える形で十二の型を披露。同時に、耳飾りを託す縁壱の姿に、炭吉はもう彼が来ないことを悟った。 その後悔を知る炭吉は耳飾りとともに十二の型を神楽として継承することを約束する。こうして“最強の御業”は特殊な神楽舞として炭治郎に受け継がれることとなった。 #center(){#bold(){&color(#ff9900){お労しや 兄上}}} 痣の副作用で死んだと思われていた縁壱は、それから数十年の後、兄・巌勝――上弦の壱・黒死牟の前に現れた。 齢80を越え、枯れ木のような老人の姿でありながら、全盛期のそれと変わらぬ技を放つ。 #center(){#bold(){&color(#ff9900){参る}}} 上弦最強に君臨し続ける黒死牟でさえ反応すらできなかった一撃。死を確信するも、次の攻撃が放たれることはなかった。 至高の天才剣士・継国縁壱は&bold(){この瞬間寿命を迎え、[[立ったまま事切れていた>立ち往生]]}のだ。 *◆死後 縁壱の死後&bold(){黒死牟は無惨と共に日の呼吸の型を知る者を徹底的に殲滅した。} これにより鬼殺隊において日の呼吸は断絶、黒刀の剣士=日の呼吸の適性者は己の才能を活かすことができずに討死していき、「黒刀は早死にして出世できない」という逸話が生まれることとなったと考えられる。 また、剣の指導者としても誰より優秀だった縁壱が去り、当時の柱に連なる者たちの多くも痣の副作用で若くして死を迎えたことで鬼殺隊全体が徐々に弱体化。 そこに上記の日の呼吸への殲滅が加わった結果、当時の鬼殺隊は&bold(){壊滅に近い状況にまで追い込まれてしまった。} 本編の大正時代では鬼殺隊にも縁壱個人の仔細は伝わっていないようだが、断片的に残った上記一連の出来事に関する情報と唯一無惨を追い詰めたという事実、これらが縁壱を筆頭とする「始まりの呼吸の剣士」が特別視される要因となっている。 本人が炭吉に&bold(){&color(#ff9900){「為すべきことを為せなかった」}}と語っている通り、結果として縁壱は家族を守ることも鬼の首魁を倒すことも兄を止めることにも失敗している。 しかし彼の功績はその死後も大きな影響を与えている。 例えば[[全集中の呼吸>全集中の呼吸(鬼滅の刃)]]を伝授したことで、当時の鬼狩り達は急速に力をつけ凄まじい勢いで鬼を狩っていったとされ、彼の存在は当時の鬼殺隊の&bold(){革命的なブレイクスルー}を齎している。 また呼吸の伝授に伴い、(重大なデメリットはあるが)痣による肉体性能の限界突破の可能性も開拓された。 炭吉に[[ヒノカミ神楽]]を披露したことは、意図せずして自らの呼吸の後継を残すことに繋がり、炭治郎の命をつなぐことにもなった。 [[無惨>鬼舞辻無惨]]には逃げられたものの、彼の肉体に数百年に渡り決して消えない甚大なダメージを刻みつける。 加えて無惨に奥の手を引き出させたこと、その場に居合わせた珠世を逃したことも、最終決戦で大きな意味を持つことになる。 これらが一つでも欠けていれば、現代の鬼殺隊に勝利が訪れ得なかったのは明らかである。 天命こそ果たせなかったが、彼が残したものは多かった。そして、その何れもが長い時を経て芽吹き、花開くこととなった。 *◆余談 -縁壱の名は母親が&bold(){「人と人との繋がりを何より大切に」}と願い名付けられた。 -[[竈門炭治郎]]の祖先である炭吉一家は、鬼に襲われた際に縁壱に救われている。&br()鬼殺隊に加わった後に放置されていた縁壱とうたの家に住み着いていた炭吉夫婦だが、すやこが臨月を迎えたある日に鬼の襲撃に遭う。&br()そこに、鬼殺隊を追放され、かつて暮らしていた家に戻ってきた縁壱が現れ鬼を撃退。&br()さらにすやこのために産婆を呼びにいったが、その時には&font(b){とんでもない速さで戻ってきた}という。 -未来(我々の知る現代)にて、&bold(){縁壱とうたによく似た仲睦まじい夫婦が子供を連れている様子}が描かれている。 &font(#ff9900,b){追記修正を極めた者が辿り着く場所はいつも同じだ} #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,66) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #lsd() #comment_num2(num=30) }

表示オプション

横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: