400系新幹線電車

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&font(#6495ED){登録日}:2023/02/07 Tue 23:03:35 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 5 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&bold(){「車掌さん、つばさってどいつだ?ああ、あの銀色のシシャモみてーな細ーいやつね」}} #center(){&bold(){「これがつばさかぁ~?シシャモっつーより、サヨリだな」}} 400系新幹線電車とは、山形新幹線用の新幹線電車である。 *概要 [[山形新幹線]]用の初代車両にして、初のミニ新幹線用車両。 1990年に[[試作車>試作機]]が落成し、1992年より細部の仕様が改められた[[量産車>量産機]]が製造開始された。 JR東日本にとっては新幹線では民営化後初の新型車、そして[[東北新幹線]]を走行する車両としても10年ぶりの新型ということで、旧来のイメージを脱却すべく、 &bold(){トータルコンセプト:「21世紀志向の高速列車」} &bold(){エクステリアイメージ:「アドバンス&ソリッド」} &bold(){インテリアイメージ:「ソフト&アドバンス」} を基本コンセプトとした。 その結果、新幹線では今なお異彩を放つ&bold(){「銀色の新幹線」}が誕生した。 なお、冒頭で「JR東日本が保有した~」と書いてないのは、400系は車籍こそ書類上はJR東日本となっているものの、&bold(){実際に所有していたのは第三セクターの「山形ジェイアール直行特急保有株式会社」}であり、実際にはJR東日本は400系を「借りて」運行しているという複雑な扱いになっていたためである。 *仕様 編成 6両(6M)→7両(6M1T) 電気方式 AC25000V(新幹線)・AC20000V(在来線) どちらも50Hz 車体 [[普通鋼製>鋼(金属)]] 制御方式 サイリスタ位相制御 [[主電動機>モーター]] MT203 直流直巻電動機(210kW) 歯車比 27:73=1:2.70 駆動方式 WN駆動 起動加速度 1.6km/h/s 最高運転速度 240km/h(新幹線)・130km(在来線) 保安装置 ATC-2、DS-ATC、ATS-P 上記の諸元を見て「あれ?」と思った方もいるだろう。 この車両、機構的にはどちらかというと[[枯れて安定したもの>枯れた技術の水平思考]]を採用しているのだ。 車体は普通鋼、つまり鉄製、制御装置も[[200系>200系新幹線電車]]と同じサイリスタ位相制御。 いわば&bold(){「200系の小型版」}とも言える車両である。 &s(){登場の時期や外見から最初はVVVF制御だと思った鉄ちゃんも絶対少なからずいるだろ。かくいう本項目の作成者もそうだった。} ただし。 山形新幹線は奥羽本線のレールを[[標準軌>国際標準軌(鉄道)]]に広げて、新幹線の車両を[[物理的>(物理)]]に直通出来るようにしたものであり、&bold(){カーブと勾配は狭軌の時代のままである。} 特に地獄の一丁目、もとい難所と言えるのが板谷峠。 古くから機関車列車には補機を要求し、[[キハ181系>キハ181系気動車]]のエンジンを過熱させ、485系もモハ増しマシのスペシャル編成でなければまともに通過できなかった難所である。 &bold(){「カーブも勾配も少ない専用路線だけを走る、トップスピード全振り設定」}が基本の新幹線にも板谷峠は壁となる。[[車>自動車]]で言えば、F1カーで山を登れというようなものだ。 ただ単に200系を小型化しただけではモーターが[[過熱>熱暴走(AC)]]して立ち往生するかもしれないし、なにかの影響で勾配区間で停車したら今度は「坂がきつすぎて」発車できなくなるかもしれない。 そのため、ギア比は直流モーターの新幹線としてはかなり大きめの1:2.70(200系は1:2.17)に設定してトルクを出せるようにし、その分下がった高速性能はモーター自体の回転数を高めることで、登坂能力と高速走行を両立させている。 &s(){…モーターの回転数に物を言わせ通勤電車のギア比で120km/hを出すE231系、電車用のモーターとしては類を見ない毎分7000回転のモーターを搭載したE351系と、JR東日本はモーターに関しては回転数至上主義な面が垣間見えているが、400系はその走りと言える車両かもしれない。} また、新幹線は25000V、在来線は20000Vと、電圧に5000Vの差があるものの、主回路系統に関しては特に電圧の違いに対する対策はされていない。 これは「在来線ではどうせ130km/hしか出さないし、そんな高出力は必要ないよね。むしろ80%パワーダウンという"リミッター"になると考えればいい」という考えからである。((変圧器の3次巻線は補助電源用のため、新幹線と在来線で巻数を切り替えて電圧の変化に対処している)) こういう大雑把な、よく言えばシンプルで信頼性の高い設計と割り切りが可能なのも、非VVVF制御ならではと言えるだろう。 車体が在来線規格で通常の新幹線電車よりも狭いため、座席は普通車が4列・グリーン車が3列となっている。 ただし4列シートの普通車は2両で大量の客を詰め込む必要があるため、シートピッチは指定席が980mm((これも200系に比べると若干狭い。))に対し、在来特急標準の910mmを採用していた。 そのためにどうしても窮屈感を覚えてしまうため、東北新幹線と結合される福島駅で、シートピッチに余裕のある200系の自由席に逃げ込む「福島ダッシュ」という悪癖も生み出してしまった。 &bold(){3列シートのグリーン車の新幹線}というのは後にも先にも400系のみ。後年にE5系がグランクラスで3列シートを採用しているが、あちらは「&bold(){新幹線のファーストクラス」}と形容されるように、グリーン車よりも更にワンランク上のクラス。 グリーン車として採用したのは未だに400系のみなのだ。 このことから鉄道ファンの間では、鮮烈な銀色の車体と合わせて「JR東日本の新幹線最高傑作の一つ」として挙げられることもある。 *高速度試験 400系は在来線規格の小型車体で軽量故にパワーウェイトレシオが大きく、空気抵抗も少ないという理由で高速試験用の車両として使われたことがある。 1991年3月に336km/hを、9月に345km/hを記録。 *運用の変遷 1992年に山形新幹線開業と同時に営業運転デビュー。 基本的には200系にぶら下がる形だが、始発・最終列車や、臨時列車では400系単独で東北新幹線を走行することもあった。 1995年に乗客増に対応するため、中間車を1両増やして7両化。この状態で10両編成の200系と連結すると、新幹線、いや&bold(){日本国内の旅客列車では最多両数の17両編成}となる。((2023年現在では、「やまびこ・つばさ」「はやぶさ・こまち」及びこれらの編成を流用する「なすの」などがこの記録を受け継いでいる)) 1999年にはE4系と連結される列車も設定。 同年12月には山形新幹線の新庄延長に併せてE3系(1000番台)が増備車として投入されたが、これに合わせてリニューアルが行われて、400系もE3系と同じカラーリングに変更される。 2001年9月以降、200系と連結する運用がなくなった。 2007年に山形新幹線に新型車両・E3系2000番台を導入することが発表され、翌年の2008年から置き換えが開始される。 2010年に400系の営業運転の終了が発表。同年4月に引退記念列車が運行され、4月30日に最後のL3編成が廃車となったことで、本形式は消滅した。 *保存車両 最後まで残っていたL3編成の先頭車が一両、大宮の鉄道博物館に保存されている。 外観は旧塗装に戻されているが、内装はリニューアル仕様のまま、という状態である。 *アニオタ的には アニオタ的には、「[[キテレツ大百科]]」や「[[クレヨンしんちゃん]]」など幾つかの作品に時事ネタなどとして400系が登場しているので、意外と馴染み深い車両かもしれない。 勇者シリーズでは「[[勇者特急マイトガイン]]」のマイトウイング、「[[勇者指令ダグオン]]」のウイングライナー/ダグウイングのモデル車種として採用された。 またアニメ関連ではないが、JR東日本は400系のメタリックな質感を活かした企業CMを展開していたこともある。 非常にカッコいいCMなので、動画サイトなどで観てほしい。 新幹線を240km/hで爆走したあとで板谷峠を130km/hで登ってきた方は追記修正をお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,1) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - マイトウイングで知りました -- 名無しさん (2023-02-07 23:08:43) - 0~300系は白系統のボディに青or緑のラインだったから初めて400系を見たときはその銀色のボディがすごい印象に残ったわ -- 名無しさん (2023-02-08 16:09:36) - 冬の山形は基本的に雪が積もってるから、真っ白な雪の中を走る黒と銀のボディがめっちゃ映える -- 名無しさん (2023-02-08 23:27:14) - 量産型スーパーXじゃないかww -- 名無しさん (2023-02-09 01:23:54) #comment #areaedit(end) }
&font(#6495ED){登録日}:2023/02/07 Tue 23:03:35 &font(#6495ED){更新日}:&update(format=Y/m/d D H:i:s) &new3(time=24,show=NEW!,color=red) &font(#6495ED){所要時間}:約 5 分で読めます ---- &link_anchor(メニュー){▽}タグ一覧 &tags() ---- #center(){&bold(){「車掌さん、つばさってどいつだ?ああ、あの銀色のシシャモみてーな細ーいやつね」}} #center(){&bold(){「これがつばさかぁ~?シシャモっつーより、サヨリだな」}} 400系新幹線電車とは、[[山形新幹線]]用の新幹線電車である。 *概要 山形新幹線の初代形式で、日本初のミニ新幹線用車両である。 また、[[JR東日本]]の新幹線車両では初の新形式でもあり、唯一従来の新幹線電車と同じ「X00系」の形式で登場した車両でもある。 1990年に[[試作車>試作機]]が落成し、1992年より細部の仕様が改められた[[量産車>量産機]]が製造された。 旧来のイメージを脱却すべく &bold(){トータルコンセプト:「21世紀志向の高速列車」} &bold(){エクステリアイメージ:「アドバンス&ソリッド」} &bold(){インテリアイメージ:「ソフト&アドバンス」} を基本コンセプトとした。 その結果、新幹線では今なお異彩を放つ&bold(){「銀色の新幹線」}が誕生した。 なお、400系は車籍こそ書類上はJR東日本となっているものの、&bold(){実際に所有していたのは第三セクターの「山形ジェイアール直行特急保有株式会社」}であり、実際にはJR東日本は400系を「借りて」運行しているという複雑な扱いになっていた。 *仕様 編成 6両(6M)→7両(6M1T) 電気方式 AC25000V(新幹線)・AC20000V(在来線) どちらも50Hz 車体 [[普通鋼製>鋼(金属)]] 制御方式 サイリスタ位相制御 [[主電動機>モーター]] MT203 直流直巻電動機(210kW) 歯車比 27:73=1:2.70 駆動方式 WN駆動 起動加速度 1.6km/h/s 最高運転速度 240km/h(新幹線)・130km(在来線) 保安装置 ATC-2、DS-ATC、ATS-P 外観は前述の通り銀色で、試作車には運転台窓下に丸型の飾り窓が設置されており、これも未来感を演出させる一因となった。 残念ながら量産車ではこの飾り窓は廃止され、代わりに窓下に緑の帯が追加されている。 上記の諸元を見て「あれ?」と思った方もいるだろう。 この車両、機構的にはどちらかというと[[枯れて安定したもの>枯れた技術の水平思考]]を採用しているのだ。 車体は普通鋼、つまり鉄製、制御装置も[[200系>200系新幹線電車]]と同じサイリスタ位相制御。 いわば&bold(){「200系の小型版」}とも言える車両である。 &s(){登場の時期や外見から最初はVVVF制御だと思った鉄ちゃんも絶対少なからずいるだろ。かくいう本項目の作成者もそうだった。} ただし。 山形新幹線は奥羽本線のレールを[[標準軌>国際標準軌(鉄道)]]に広げて、新幹線の車両を[[物理的>(物理)]]に直通出来るようにしたものであり、&bold(){カーブと勾配は狭軌の時代のままである。} 特に地獄の一丁目、もとい難所と言えるのが板谷峠。 古くから機関車列車には補機を要求し、[[キハ181系>キハ181系気動車]]のエンジンを過熱させ、485系もモハ増しマシのスペシャル編成でなければまともに通過できなかった難所である。 &bold(){「カーブも勾配も少ない専用路線だけを走る、トップスピード全振り設定」}が基本の新幹線にも板谷峠は壁となる。[[車>自動車]]で言えば、F1カーで山を登れというようなものだ。 ただ単に200系を小型化しただけではモーターが[[過熱>熱暴走(AC)]]して立ち往生するかもしれないし、なにかの影響で勾配区間で停車したら今度は「坂がきつすぎて」発車できなくなるかもしれない。 そのため、ギア比は直流モーターの新幹線としてはかなり大きめの1:2.70(200系は1:2.17)に設定してトルクを出せるようにし、その分下がった高速性能はモーター自体の回転数を高めることで、登坂能力と高速走行を両立させている。 また、新幹線は25000V、在来線は20000Vと、電圧に5000Vの差があるものの、主回路系統に関しては特に電圧の違いに対する対策はされていない。 これは「在来線ではどうせ130km/hしか出さないし、そんな高出力は必要ないよね。むしろ80%パワーダウンという"リミッター"になると考えればいい」という考えからである。((変圧器の3次巻線は補助電源用のため、新幹線と在来線で巻数を切り替えて電圧の変化に対処している)) こういう大雑把な、よく言えばシンプルで信頼性の高い設計と割り切りが可能なのも、非VVVF制御ならではと言えるだろう。 車体が在来線規格で通常の新幹線電車よりも狭いため、座席は普通車が4列・グリーン車が3列となっている。 ただし4列シートの普通車は2両で大量の客を詰め込む必要があるため、シートピッチは指定席が980mm((これも200系に比べると若干狭い。))に対し、在来特急標準の910mmを採用していた。 そのためにどうしても窮屈感を覚えてしまうため、東北新幹線と結合される福島駅でシートピッチに余裕のある200系の自由席に逃げ込む「福島ダッシュ」という悪癖も生み出してしまった。 &bold(){3列シートのグリーン車の新幹線}というのは後にも先にも400系のみ。 以降のミニ新幹線は定員確保のためグリーン車も2列となったため、3列を採用したのは未だに400系のみ。 このことから鉄道ファンの間では、鮮烈な銀色の車体と合わせて「JR東日本の新幹線最高傑作の一つ」として挙げられることもある。 *高速度試験 400系は在来線規格の小型車体で軽量故にパワーウェイトレシオが大きく、空気抵抗も少ないという理由で高速試験用の車両として使われたことがある。 1991年3月に336km/hを、9月に345km/hを記録。 *運用の変遷 1992年に山形新幹線開業と同時に営業運転デビュー。 基本的には200系にぶら下がる形だが、始発・最終列車や、臨時列車では400系単独で東北新幹線を走行することもあった。 1995年に乗客増に対応するため、中間車を1両増やして7両化。この状態で10両編成の200系と連結すると、新幹線、いや&bold(){日本国内の旅客列車では最多両数の17両編成}となった。 1999年にはE4系と連結される列車も設定。 同年12月には山形新幹線の新庄延長に併せてE3系1000番台が増備車として投入されたが、これに合わせてリニューアルが行われて、400系もE3系と同じカラーリングに変更される。 2001年9月以降、200系と連結する運用がなくなった。 2007年に山形新幹線に新型車両・E3系2000番台を導入することが発表され、翌年の2008年から置き換えが開始される。 2010年に400系の営業運転の終了が発表。同年4月に引退記念列車が運行され、4月30日に最後のL3編成が廃車となったことで、本形式は消滅した。 現在は最後まで残っていたL3編成の先頭車が一両、大宮の鉄道博物館に保存されている。 外観は旧塗装に戻されているが、内装はリニューアル仕様のまま、という状態である。 *アニオタ的には アニオタ的には、「[[キテレツ大百科]]」や「[[クレヨンしんちゃん]]」など幾つかの作品に時事ネタなどとして400系が登場しているので、意外と馴染み深い車両かもしれない。 勇者シリーズでは「[[勇者特急マイトガイン]]」のマイトウイング、「[[勇者指令ダグオン]]」のウイングライナー/ダグウイングのモデル車種として採用された。 またアニメ関連ではないが、JR東日本は400系のメタリックな質感を活かした企業CMを展開していたこともある。 非常にカッコいいCMなので、動画サイトなどで観てほしい。 新幹線を240km/hで爆走したあとで板谷峠を130km/hで登ってきた方は追記修正をお願いします。 #include(テンプレ2) #right(){この項目が面白かったなら……\ポチッと/ #vote3(time=600,1) } #include(テンプレ3) #openclose(show=▷ コメント欄){ #areaedit() - マイトウイングで知りました -- 名無しさん (2023-02-07 23:08:43) - 0~300系は白系統のボディに青or緑のラインだったから初めて400系を見たときはその銀色のボディがすごい印象に残ったわ -- 名無しさん (2023-02-08 16:09:36) - 冬の山形は基本的に雪が積もってるから、真っ白な雪の中を走る黒と銀のボディがめっちゃ映える -- 名無しさん (2023-02-08 23:27:14) - 量産型スーパーXじゃないかww -- 名無しさん (2023-02-09 01:23:54) #comment #areaedit(end) }

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