ヒーローの先生!(超光戦士シャンゼリオン)

登録日:2012/10/23(火) 14:15:08
更新日:2018/04/07 Sat 14:46:01
所要時間:約 6 分で読めます





「ヒーローの先生!」は超光戦士シャンゼリオンの第30話のサブタイトルである。

ちゃらんぽらんな主人公がヒーローオタクの怪人に熱烈な指導をされるという、色々とぶっ飛んだシャンゼリオンの中でも屈指の迷エピソード。
しかしながらヒーローのあるべき姿を描いた、名エピソードでもある……?
脚本はやっぱり井上敏樹……ではなく木下健(荒川稔久の変名)。


◆ストーリー
速水たちを騙してこっそり温泉旅行に行こうとしていた暁は、幼稚園バスを襲うダークザイドを発見。
ゴハットというその闇生物は、足を滑らせてコケた暁を「こんなのヒーローじゃない!」と一蹴するが、その暁がシャンゼリオンであることを知って落胆する。
「う、嘘だぁ……こんな奴がシャンゼリオンなんて……」
涙を流しながら逃げていってしまう。

その後、自らのアジトでシャンゼリオンの戦闘を録画したビデオテープを見ながら自分の求めるかっこいいヒーロー像を語るゴハットは、暁を絶対に更生させてやると決意するのだった。

事務所に戻ってきた暁の前に、謎の男が現れた。
自作のシャンゼリオングッズを持ち歩く彼は、やってくるなり「暁を更生させたい」と語る。
そんなのは自分の勝手だという暁に、
「勝手なんか許されないのよ、ヒーローってもんは!」
「ヒーローは、ヒーローになった時から小市民の幸せは捨てる。基本中の基本ですよ!」
と熱弁をふるう男。
「一理どころか十理くらいある」と速水たちも男の擁護に回ってしまうのだった。

男にせっつかれ、暁は街をパトロールする羽目に。寂しそうな子供を素通りする暁に男は文句を垂れ、暁の顔にまでいちゃもんを付け始める。
「必ずお前を正統派ヒーローに更生させてみせる……」
我慢の限界に達した男=ゴハットは、正体を現して去っていく。

ゴハットをほったらかして旅行に行こうとする暁だったが、るいが拉致されてしまう。
後を追った暁はシャンゼリオンに変身して戦闘を開始するが、即座にゴハットのダメ出しが飛んだ。
「ヒーローはまず出てきたら名乗りでしょ!」
自分でお手本を見せたゴハットは、
「シャンゼリオンキィーック!」
とノリノリで飛び蹴りをかまし、戦いを優勢に進める。
挙げ句の果てには、正統派ヒロインのあるべき姿について(実演つきで)熱く語り始めた。

「てかさ、お前やってて恥ずかしくないの?」
冷静にツッコミを入れる暁だったが、ゴハットは再度るいを拉致すると「スーパーヒーローマニュアル」なる冊子を渡して姿を消す。

マニュアルにはギャバンみたいなヒーローの絵と共に、かっこいい変身ポーズや名乗り方、技の数々が記されていた。
マニュアルを放り捨てる暁に対し、愛想を尽かした速水とエリは出て行ってしまう。

採石場っぽい場所で磔にされたるいの下にやって来た速水とエリ。
二人は空裂輝を呼ぶが、ゴハットは
「そもそもおたくらが手伝って甘やかすから、ご主人様があんなになるんでしょうが!」
とサポートメカに説教をかまし、空裂輝もそれに納得して帰ってしまう。

速水たちが諦め……というか呆れた瞬間、トランペットの音が鳴り響き、ウッディみたいな格好をした暁が颯爽と現れた!

「俺のこの身体の輝きは、闇を蹴散らす正義の光! 見よ……燦然!!」

名乗りを上げるシャンゼリオンに満足げなゴハット。

燦然したシャンゼリオンはるいを救出すると、シャンゼリオンジャンプやシャンゼリオン爆弾パンチ、爆裂投げにきりもみシュート、フライングタックルなどといったこれまで一度たりとも使っていない数々の技を繰り出し、ゴハットと互角に渡り合う。

だがさっさと自分を倒してくれないシャンゼリオンにやきもきしたゴハットは、とうとう自らの弱点を教えてしまう。
「あ、そう? んじゃ行くぜ」
「さあ、いらっしゃい!」

シャンゼリオンの一撃を嬉々として待ち構えるゴハット。
シャイニングブレードによって腹を串刺しにされたゴハットは、ヒーローらしいヒーローにやっつけられるのが夢だったと語り、爆発四散した。

かくして前代未聞のヒーロー騒動は終わった。
沈む夕陽の中、トランペットを奏でる暁の姿は、どこか満足そうであった……?


◆キャラクター
厄介な相手に絡まれ困り顔の主人公。
後半は意外に似合うヒーローチックな言動を披露してみせた。
「若さとはあきらめないことだ。愛って、悔やまないことなんだ」

  • 速水克彦
ゴハットの語るヒーロー論に全面同意し、暁をどうにか更正させようとする。
「俺が先生になってやるから、早くこのテキストで勉強するんだ」

  • 桐原るい
暁の秘書。
怪人に拉致られるというヒロインっぽい目に遭うが、本人的にはヒロインの自覚がなかったらしい。
「あたし……ヒロイン……?」

  • 南エリ
直前のエピソードではガウザーと恋愛してお茶の間にキスシーンを提供していたが、ふっきれたらしく今回は普通。

  • ゴハット
今回の敵怪人。両腕の触手で戦うほか、歌声を聞かせた相手を操る能力を持つ。
生粋のヒーローオタクで、冒頭で子供を襲ったのもヒーローに来てほしかったから。
他のダークザイドが爆散するビデオを見つつ「シャンゼリオンと戦えた先輩が羨ましい」とまで語る始末。
人間体はビン底メガネのキモヲタ姿で、なぜか首に赤いマフラーみたいなものを巻いている。

最後は弱点を貫かれてご満悦の大爆発。
このトドメの演出が完全にリボルケインだった。

道具モチーフは帽子(ハット)、隠しモチーフの東映特撮怪人はヒトデムラサキorシャドウ鬼ヒトデ


【余談】
  • 本作品に登場した「スーパーヒーローマニュアル」は、スタッフのつてでとある同人作家に作成してもらったものだという。
なお、この同人作家の手でコミケにて販売されていたこともあったとか。



  • ヒーローらしからぬおちゃらけ主人公で有名なシャンゼリオン。
このエピソードはそんな主人公像に一石を投じ、古き良き昭和ヒーローの姿を思い起こさせると同時に、「果たしてどのような言動がヒーローにふさわしいのか」と考えさせる内容であった。
セリフ回しや演出も他の昭和特撮を参考にしたと思われる面が。


まあ一番大事なのは、
「どうしてそうやって自分の意見を人に押しつけたりするんですかー!?」(by暁)

ということ。
……ファンによる度の過ぎた価値観の押しつけはやめましょう。



追記・修正はヒーローらしく、かっこよくお願いします。


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