トリックvsマジック(名探偵コナン)

登録日:2016/08/27 (土曜日) 16:28:56
更新日:2018/05/14 Mon 11:02:55
所要時間:約 9 分で読めます







今宵怪奇と幻想のマジックワールドを、心行くまでお楽しみください!






『トリックvsマジック』とは、2006年8月28日・9月4日にアニメ「名探偵コナン」第450・451話として放映されたアニメオリジナルエピソードである。







以下、ネタバレにご注意ください。



【あらすじ】
人気マジシャンの冬城幻陽から大至急会いたいと連絡を受けて、米花ホールの冬城の楽屋を訪れた小五郎・蘭・コナン。
冬城主催のマジック団員の中に彼の命を狙っている者がいるのでそれが誰かを突き止めて欲しいという。団員は冬城を除いて五人、そのうち四人には動機があると冬城は言う。しかし団員同士の会話を小五郎とコナンが盗み聞きした感触では、どうも全員に動機がありそうだった。
その日の夜にマジックショーを控えており中には命がけのマジックもあったので、冬城は小五郎とある取り決めを交わした。それは手の動きによる緊急のサインで、サインが出たらたとえショーの最中でも冬城の救出に行くというものだった。

ショーが始まり、美女の胴切り等の見事なマジックを魅せていく冬城。そしてついに命がけのマジックが始まった。仰向けに磔にされた冬城の上に無数の鋼鉄の針がついた天井が落ちてくるというマジックだ。ベルトで両手両足を繋がれカーテンで冬城の姿が隠れるその時、冬城の左手が緊急事態のサインを告げた。急ぎ舞台に向かう小五郎とコナン。しかし救出は間に合わず天井は落下し、冬城の悲鳴が響き渡った…














ご安心ください、私はこの通り生きています!




実はサインはわざとで、小五郎がちゃんとサインを見ているか試すためにやったことだった。小五郎は舞台上で恥ずかしそうにしていたが、観客からは笑いと拍手が巻き起こり演出としては大成功を収めショーの前半は終了した。
休憩時間、騙した事を謝罪する冬城と若干不機嫌になる小五郎。しかし後半にも命がけのマジックはあるので引き続き注意して欲しいとのことだった。


後半最初にして続いての命がけマジックは水中脱出。水槽の蓋に足を繋がれ、逆さ吊りのまま水槽でもがく冬城、彼がカーテンに隠れる直前も緊急事態のサインは出ていない。
冬城がカーテンに消えてから数分、何の音沙汰もないことに不安になる蘭。そしてカーテンが上がり、本来は水槽の上に脱出した冬城が立っているはずだったのだが、冬城は水槽の中にいたまま動かなくなっていた…



【事件関係者】
  • 冬城幻陽(ふゆき げんよう)
CV:関俊彦
明るいイメージの真田一三とは対照的にダークな雰囲気を売りにしている人気マジシャン。35歳。
団員の中にいるであろう自分の命を狙う犯人を突き止めて欲しいと小五郎に依頼する。すでに最近の稽古中に二度も機材が落下してくるというトラブルに合っており身の危険を感じているが、プロのマジシャンのプライドが許さないと危険を承知でショーを決行する。
天井落下マジックで殺害されたと思われたのは冬城の自作自演だったが、次の水中脱出マジックで脱出できず、小五郎の救命活動の甲斐なく亡くなってしまう。


  • 上原美佐(うえはら みさ)
CV:笠原留美
マジック団のアシスタントその1、ロングヘアーの26歳。でかい。
冬城の元恋人で、三年前に冬城から一方的に婚約を破棄されたことを未だに恨んでいるらしい。
水中脱出マジックでは、中川と共に冬城の足を蓋に取り付けたり水槽のカーテンを上げ下げする係。


  • 中川千明(なかがわ ちあき)
CV:鈴木麻里子
マジック団のアシスタントその2、ショートカットの24歳。やっぱりでかい。
冬城の元妻で一年前に協議離婚したが、冬城が何度も浮気していたことを根に持っているという。


  • 石田一馬(いしだ かずま)
CV:福島潤
冬城の愛弟子でビデオ係。19歳。
マジシャンとしての素質があり、素直でいい子らしい。冬城も彼だけは信用でき、石田に命を狙われる動機もないと言っていたが、いつまでもビデオ係で舞台に立たせてくれないことを恨んでいるのではと中川は疑っている。
ショーの最中に何が起ころうとビデオを撮り続けるよう冬城に言われていたため、救命活動には参加せず(もう一人の名探偵に出てくる彼のように)ずっとビデオを回していた。


  • 庄司真吾
CV:成田剣
元冬城の兄弟子で演出家。37歳。
残念ながらマジックの才能はないらしく、冬城が仕方なく演出家として雇っている。演出の方向性の違いで冬城と意見が食い違うことが多く、今回のショーが終わればクビにされる予定。
天井落下マジックのことは聞かされてなかったらしく、あの悲鳴と血糊はただグロテスクなだけだと激怒していた。
舞台裏のカメラでショーの様子を監視していた。


  • 長谷川実
CV:長嶋雄一(現:チョー)
貧乏くさい髭(上原談)のクレーン係。45歳。
ギャンブル好きで冬城に多額の借金をしている。故に冬城には頭が上がらないらしく、上原と中川が不謹慎な会話をしていた時に「性格は悪いが俺達が生活できるのは彼のおかげ」と(本心ではないだろうが)冬城をフォローする発言をしていた。
鎖で吊るされた水槽の蓋をクレーンで動かす係。


【レギュラー陣】
ご存知主人公。
マジック道具に怪しい仕掛けがないかを小五郎と確認している時に上原と中川が来たので、美女の胴切りの道具に小五郎を隠す。その時のやりとりはある意味今回一番の見どころ。

コナン「足引っ込めて」
小五郎「はい」


ご存知蘭姉ちゃん。
婚約破棄や浮気を普通のことのように話す冬城に幻滅していたが、ショーが始まると忘れたように楽しんでいた。


ご存知眠りの小五郎。
コナンに美女の胴切りの道具に入れられた時に自分も切られないか心配していたが、またくっつくから大丈夫と言われビビる。上記のセリフのように、小五郎がコナンに敬語を使うシーンは恐らくこれが唯一。
さらに隠れているとは知らない長谷川に道具ごと八つ当たりで蹴られ色々と災難。


ご存知警部殿。
今回は高木への突っ込みがメイン。


ご存知高木君。
筋弛緩剤を禁痴漢罪と聞き間違え、雷で一時停電した時にびっくりして佐藤刑事に抱き着くという痴漢行為をやらかす。でも相手が(両想いの)佐藤刑事だから大丈夫だろう。


ご存知一課の紅一点。
抱き着いてきた高木刑事を張り倒す。


ご存知千葉君。
舞台裏や石田撮影のビデオを操作したり控室にいる容疑者を見張っていたりと地味に活躍している。


  • 真田一三
有名マジシャン殺人事件怪盗キッド初登場の事件にも登場した人気マジシャン。
名前のみ登場。





【水中脱出マジックの流れ】






1,マジック開始の15分ほど前にβ遮断剤を石田から貰って飲む。飲むと心拍数が低下しより長時間水中で息を止めていられるようになる。
このβ遮断剤を石田が筋弛緩剤(腹筋を使えなくするため)とすり替えたと小五郎は推理するが、鑑識の結果ではその成分は検出されなかった。
※β遮断剤は本来狭心症や不整脈に対して用いられる薬。


2,両手に手錠をかけられ、二つの凹みがある両開きの水槽の蓋に冬城の足を入れたあと、二つある掛け金を掛けて更に南京錠をかける。
この時アシスタントの二人が掛け金の継手ピンを外す。すると掛け金も南京錠も意味をなさず、継手から簡単に蓋が空くようになる。
上原と中川がピンを外さなかったとも小五郎は推理するが、二人ともちゃんとピンを持っていた。


3,水槽に入れられカーテンで隠された後、腹筋を使って体を起こし蓋の裏に隠された取っ手を使って起き上がり一旦息継ぎをし、次にカーテンが上がる前に元に戻り観客にもがいているふりを見せる。
この時点では緊急サインは出ていなかったので、異変後に上原達がピンを外したという小五郎の推理は間違っていることになる。


4,もう一度カーテンで隠されると、簡単に外れるようになっている手錠を外して再び腹筋を使って起き上がり水槽から脱出、再びカーテンが上がると冬城が水槽の上に立っている、はずだったが水槽の中にいたままだった。




【以下、事件の真相…さらなるネタバレに注意】











水槽の蓋をクレーン操作するための鎖がずっと下がったままだったこと、二度目にカーテンで冬城が隠れた時に真っ暗になったこと。そして通常とは逆に継手の真ん中が短くなっており、長い部分の側面に最近空けられた穴があることからコナンは犯人とそのトリックを暴く。
いつものようにコナンは麻酔針を打ち込み、眠りの小五郎の推理ショーが始まる…













後悔は…していません。
最後に一世一代のマジックを見せられたんですから…



  • 庄司真吾
マジックの最中は舞台裏ではなく水槽真上の梁の上に潜んでいた。水槽の上はライトが届かず暗かったので観客やアシスタントに気づかれる心配はない。そしてカーテンが上がって冬城がもがいているふりをしている時に、蓋についている鎖をつたって蓋の上に降り掛け金の継手にピンを差し込む。
その後カーテンが下げられた時蓋の上から飛び降り、舞台が真っ暗になった瞬間素早くカーテンの下から舞台裏に逃げ込んだ。最後に皆が異変に気付くと冬城を下ろさせビデオと皆の視線を反らしてピンを抜いた。小五郎に人工呼吸を頼んだのは、実は蓋にいた小五郎を引き離すためだった。

しかし身体検査をしても庄司の体からピンが出てこない。実は庄司が使ったのはピンではなくリングで、そのリングとは開くことのできる指輪だった。それを継手側面の穴に通してピン代わりにしたのだ。
マジシャンならマジックのタネは身に着けているもので、実際にそれが使われた証拠はないと食い下がる庄司だったが、舞台に駆け付けた時には指輪がなく、蓋に近づいた後には指輪がついていた所が石田のビデオに映っており犯行を認めた。
本人の口から直接動機は語られていないが、冬城が言うように演出家をクビになることが関係しているのだろうか。また、最後の笑顔がちょっと怖い。


  • 石田一馬
庄司が犯行を認めた後の彼の言動を見る限り、冬城には恨みなどなく本当にマジシャンとして尊敬していたようにも見える。師匠の死を乗り越え、真田一三にも負けないような立派なマジシャンになってくれるよう祈る。


  • 目暮十三
一世一代のマジックを見せられたと語る庄司に「マジックは人を楽しませるものでしょう。それを殺人の舞台に使うなんて、貴方はマジシャン失格なだけじゃない。人間としても失格だ!」と怒りを露わにしていた。


  • 江戸川コナン
眠りの小五郎中に、マジックに仕掛けられたトリックを事前に見抜けなかったのは俺のミスだと反省していた。


  • 毛利小五郎
眠っている間に推理する自分を「これは究極のマジックではないか」と勘違いする(ある意味「コナンのマジック」と言えなくもないが)。そこで「これからは眠りの小五郎ではなく『マジシャン小五郎』でいこう」と高笑いする。






追記・修正は筋弛緩剤を飲んでからお願いします。



この項目が面白かったなら……\ポチッと/