男! 一反もめん(ゲゲゲの鬼太郎)

登録日:2020/08/13 (木曜日) 14:44:38
更新日:2020/08/27 Thu 21:56:33
所要時間:約 8 分で読めます





「やあ人間の皆さん、僕はゲゲゲの鬼太郎です」

「数百年の年月が経つと、物にも魂が宿り、妖怪になるという事をご存知ですか?」


【概要】
ゲゲゲの鬼太郎第5期の第4話。
一反もめんの主役回で人間と妖怪の交流がテーマだが、三条陸の伏線回収の上手さやシリーズお馴染みの宿敵の顔見せ、第5期恒例となる異様に可愛いゲストなどが詰まった良回。


【あらすじ】
鹿児島県のとある海辺町。

「はるお。なつお。あきお…」

少女 綾は風邪を引いた妊娠中の母に物資を届けるため、に隣接した病院への海岸を弟の名前を考えながら近道していたところ、綺麗なピンクの巻貝を拾う。
病院に着いた綾は、母から最近波に子どもが攫われて行方不明になる事件が多いと聞かされるも、引き潮だから大丈夫と帰りも海岸を通る事に。
再び弟の名を考えながら海岸を帰っていると、岩に水浸しの白い布が打ち上げられているのを見つける。

「? タオルだ」

「…タオルじゃ、なかですばい」

近くから聞こえる謎の声。綾は周りを見回すが誰もいない。
すると、タオルが手のような物で平べったい体を起き上がらせた。

「このタオル生きてる!」

「いやわしはタオルじゃなかと妖怪ですばい、名前はなぁ…」

その時、琵琶の音と共に海が妖しく輝きだし、急な高波が海岸に押し寄せた。

「こっから離れんといかんばい!」

危険を察したぐっちょりタオルは天高く飛翔。

「タオルが飛んだ…」

呆然とする綾を掴んで急上昇し高波を回避したのだが…

「…もぅ飛べましぇん」

そのままゆっくりと町へ落ちていった。


【登場人物】
  • 一反もめん
お馴染み空を舞う一反の木綿にして、今エピソードの主役。
飄々な姿と声の割に、張り付いた表情で感情が読み取られにくい事を気にしている。
鹿児島へ里帰り、土産を持って横丁へ帰ろうと海辺を飛んでいた所、高波にさらわれそうになった子どもを助けたはいいが水浸しになって綾と出会った。

お馴染み主人公。
子泣きの暴れっぷりに疲弊していると、横丁内で何者かの異様な妖気を察知する。
後に一反もめんからの連絡である確信を持ち、鹿児島へ向かった。

お馴染み鬼太郎の父親。
一反もめんの報告に嫌な予感を覚えていた。

お馴染み横丁の花一輪。
一反もめんの回想で彼をポーカーフェイスと称した。

お馴染みバイプレイヤー。
今回は金儲けの匂いがビビビッと、しなかったので横丁でふて寝をかます。
一反もめんの回想では、いつも同じ顔でつまんねえ奴と皮肉っていた。

  • 子泣き爺
お馴染み石爺。
一反もめんの土産の薩摩揚げで一杯するのが楽しみらしく、中々帰ってこないので泣き喚いて妖怪アパートを混乱に陥れた。

  • 砂かけ婆
お馴染み砂婆。
妖怪アパートで暴れる子泣きを砂による実力行使で叱りつけ、家賃を催促する。

  • かわうそ
今期のレギュラー。
元沼住まいの妖怪で海水は苦手だが、部屋の苔掃除を手伝う条件で鬼太郎を鹿児島まで連れて行く。
連れて行った後は相手が相手なので鬼太郎に退避させられた。

ゲスト
  • 綾(あや)
CV:雪野五月
一反もめんと出会った少女。
第5期恒例異様に可愛いゲストロリ筆頭。
性格は明るく無邪気で、それでいてしっかり者。加えて、
  • 妖怪であり姿也が異様な一反もめんに親しみ慕う
  • 夕食が一人で作ったとは思えないほど豪華
  • 一反もめんの体を縫う裁縫技術
・後半に見せる泣き顔や恐怖顔がそそる
というハイスペックロリ。

  • 綾の母
CV:中 友子
妊娠中で入院中。もうすぐ男児が産まれるので、しっかり者の娘に名前を考えてもらっている。

  • 綾の父
CV:中尾 良平
夜遅くまで仕事しており、帰るのは遅め。


【以下、ストーリーのネタバレ】

「タオルタオルって…わしは一反もめんです」

助けられたお礼に一反もめんを自宅の庭で干し、落ちた時に裂けた箇所を縫う綾。その聞き慣れない名前の響きに思わず返す。

「いったん…もんめ?」

「もんめじゃない一反もめん。もめんは布の木綿で、一反ちゅうのは布の大きさの事」

「ふぅん…要するに昔のタオルの事でしょ?」

分かりやすい解説を砕かれ、一反もめんは呆れに体を投げ出した。

反物も知らんとか。だから最近の子どもは苦手たい…あぁもこんな小娘に助けられるとか情けなかぁ…

内心で毒付く布きれ。
ふと、自分をじっと見つめる綾に気付く。

「…なんかしょんぼりした顔してるね」

自分の気持ちを読み取った事に驚くと、綾は「そんな顔してたよ」とあっさり言ってのけた。

「わし、こんな外見しとるからなぁ…」

手をにぎにぎさせて興奮する一反もめん。

「わしだって怒ったり泣いたりばする。色々と拘りもあるとに、皆分かってくれんとです」

コンプレックスを打ち明け、二人は意気投合した。

「今度は嬉しそうな顔になったね!」

「もぅ嬉しかよぉ!」



「あの子が…欲しい…」



翌日。復活した一反もめんは綾の前で華麗に空を飛んでみせ、「拘り」の急旋回時に急速回転する尻尾を見せつける。

「濡れてなきゃいつでもこんなもんです」

「だったら、乾燥機使えばすぐ乾いたのに」

綾の何気無い一言に、途端にしどろもどろとなるもめん。

「ありゃいかんよ、目が回るしなにより暑か。灼熱地獄ですたいっ」

どうやら過去に乾燥機に突っ込まれてトラウマになったらしい。自然乾燥が一番と誤魔化すが、

「あっ、あんなところに乾燥機が!」

「ぎくぅうう!」

綾の他愛ない嘘に騙されてしまうのだった。


一反もめんが綾を抱いて空を飛んでいると。

「ねえタオルさん。みんなもきっとタオルさんの事分かってくれるよ。私だって分かったんだから」

「どげんしたと急に」

「そんな気がしただけ!」

「そうですか」



「欲しい…貝を拾ったあの子が欲しい…」



一反もめんは高波による子どもの行方不明は恐ろしい妖怪の仕業だと綾に語り、カラスに頼んで鬼太郎へ救援を送った。

「また人間の為にタダ働きかよ! やだねぇ正義の味方ちゃんは」

「別に人間の味方をしている訳じゃないよ。ただ今回は…妖怪の側に原因がありそうだからね…」

鬼太郎は鹿児島へ向かうべく、かわうそに掴まって横丁の水路から海へ出た。



「探すのだ。貝を持ったあの子を!」



その夜、鹿児島の海では不気味な琵琶の音が響き渡っていた。
海岸で鬼太郎を待っていた一反もめんは急に濃霧が立ち込めてきた事を不思議に思うも、それによって押し寄せてきた高波に気付く事が出来ずに飲み込まれてしまう。

「しまったばい…!」

浜に打ち上げられる水を吸った一反もめん。彼の前を、何者かの命を受けた不気味な舟幽霊達が町へ向かっていく。

「あの子はどこだぁ…」
「あの子が欲しい…」
「印の貝を持ったあの子がぁ…」

「…貝? …そういえば綾が貝を胸に着けて……! 」

一反もめんは綾がピンクの巻貝を服につけていた事を思い出す。
彼らの狙いが綾だと知るも、濡れた一反もめんは飛ぶ事ができなくなっていた。

「霧だ…なんか不気味…」

自室で窓の外から海岸を眺めていた綾は、立ち込めてきた霧の中に舟幽霊達の姿が見え、慌てて灯りを消してカーテンを閉めて鍵を掛ける。

「あの子はどこだぁ…あの子を探せぇ…」

恐怖に耳を塞いで目を閉じ、一反もめんの帰りを待つが、服に着けていた巻貝が妖しい光を放ち出した。
舟幽霊達はそれを目印に綾を強襲。壁をすり抜けて迫る舟幽霊達に綾は恐怖しながら窓から屋根に登るも、足首を掴まれてしまう。

「綾ぁぁぁぁぁ」

そこへ、なんとか辿り着いたべちゃべちゃの一反もめんが力を振り絞って突進し、舟幽霊達を吹き飛ばした。
しかし舟幽霊達はすぐ直ぐさま手にした柄杓から水を生み出して一斉に一反もめんへぶっ掛ける。

「タオルさんっ!」

相性最悪の攻撃に一反もめんはどうする事もできず力が抜けてふにゃふにゃとなり、目の前で綾を拐われてしまった。

舟幽霊達によって海岸へ無理矢理連れてこられた綾。
すると海の中から、一人の妖怪が姿を現した。

「ふっふっふ…はっはっは!」
「待ちかねたぞ!」

  • 海座頭
CV:沢木郁也
琵琶を持った座頭の妖怪。妖力で作ったピンクの巻貝を目印に子どもを襲っていた。
琵琶を弾くだけで舟幽霊や水流を自在に操り、その霊圧は鬼太郎が怯むほど強大。
人を食う類の妖怪ではなかったようだが…。


「お前は美味そうだ」

綾を泡で包み引き寄せる海座頭。
彼の周りの水中には、行方不明となった大勢の子ども達が泡に包まれた仮死状態で沈んでいた。

「子どもはみんな美味そうだ…3年も漬ければ食べ頃になる」

その恐ろしさに涙を流して綾は叫ぶ。
そこでようやく到着した鬼太郎が髪の毛針で泡を破り、連射して舟幽霊達を消滅させた。

「誰だ! 」

「…ゲゲゲの鬼太郎」

綾を救出した鬼太郎は海座頭と対峙。何故こんな事を始めたのか尋ねるが、問答無用と戦闘に突入する。
琵琶を弾いて触手のような水流を発生させる海座頭に髪の毛槍で対抗する鬼太郎。

「馬鹿め! 海の上でわしに勝てると思ったか!」

しかし海をホームグラウンドとする海座頭には歯が立たず、毛槍を弾かれて水流に拘束されてしまった。


「うぅ…綾ぁ……くそぉ…」

その頃、一反もめんは重い体を引きずりながら海岸への道を這っていた。
ふと明かりが点いている店の前に出ると、そこは24時間営業のコインランドリー。
そして店内には当然、乾燥機が。

「あーれー! 駄目だよ乾燥機は〜! 暑くて回転が速くて嫌い!」

ぐるんぐるん回されるトラウマが蘇る一反もめん。

今度は嬉しそうな顔になったね!

同時に、自分を慕ってくれた綾の笑顔が浮かぶ…。

「綾… 」


「うぉおおおおおおぉぉ……どすこおぉい!」

覚悟を決めた男 一反木綿は、勇んで乾燥機へ突入した。


「邪魔する奴には死んで貰おう 」

海座頭は鬼太郎にトドメを刺すべく、水流の先を鋭利にさせた「水霊銛」で鬼太郎を串刺そうとする。
貫く一瞬、飛び散る水に思わず目を瞑る綾。

「綾、もう心配いらんですばい 」

優しい声に綾が目を開くと、一反もめんが鬼太郎を背に乗せて助けていた。

「おお、なんだかふかふかしとるのう。どうしたんじゃ?」

「な、なんでもなかとよ。それより鬼太郎」

「分かってる。海座頭が許せないっていうんだろ」

「顔に書いてあるわい。あの子は一反もめんにとって大切な人間のようじゃな」

「綾の言う通りだったばい…」

綾が言っていた事を思い出し、一反もめんは呟いた。

「よし、お前がいれば千人力だ! 行くぞ! 」

空の利を得た鬼太郎へ無数の水霊銛を放つ海座頭だったが、一反もめんは全て紙一重に回避する。
しかし鬼太郎のリモコンゲタも、海座頭は琵琶で水流の防壁を作り出して凌いでしまった。

「鬼太郎、わしにまかせときんしゃい」

一反もめんのアイデアに従う鬼太郎。海座頭の周りを大きく迂回し、尻尾に鬼太郎を摑まらせた。

「あれは…急旋回!」

綾へ見せた「拘り」によって凄まじい回転を伴った鬼太郎を投擲、見事に水流の防壁を破る。

「ぎ…ぃやあああぁ!」

そのまま海座頭に強烈な一撃を食らわせ、力の源である琵琶を粉々に破壊した。


子ども達を無事に取り戻した海岸で、一反もめんと綾は再会に喜ぶ。

「綾、無事でよかったばい」

「…あれ、ふかふか…」

あれだけ濡れた一反もめんが短時間で乾いた理由に気付いた綾は、改めてお礼を言うのだった。

「ゆ、許してくれ。子ども達はちゃんと返しただろう?」

二人を見届けた鬼太郎は、琵琶がなくなり白旗を揚げた海座頭へ最初の質問を再度問い質すと、ある妖怪に「海に漬けた人間の子どもは格別に美味い」と唆されたと語る。
近くの岩に隠れる妖気を察知した鬼太郎が髪の毛槍を投げるが、出てきたのは朱の盤(CV:小西克幸)だった。

「お、俺はただの通りすがりの善良な赤鬼ですよっ!」

「そいつだ! そいつに唆されたんだ!」

あっさり突き付けられた朱の盤は、意外な身のこなしの軽さで慌てて逃走した。


翌日。

「では、発表いたします!」

病院にて、両親の前で弟の名前を発表する綾。

「弟の名前は…じゃーん! 」

広げられた紙には。






「「………………………………」」

「もんめ! 」

「「………………………………」」

珍妙な名前に困惑し呆気に取られる両親へ綾は力説した。

「もんめだよもんめ! 知らないの!? 昔のタオルで、強くて優しいんだよお!」


「もんめじゃない木綿。英語でCOTTON」

その様子を病院の外から眺める一反もめんとゲゲゲ親子。
最後にもう一度合わなくて良いのか尋ねる鬼太郎に、一反もめんは「わしにはわしを理解してくれる仲間が待っている」事を綾に教えて貰ったと語った。

「じゃあ帰ろうか。タオルさん」

「あぁもう止めてください」




そう、タオルさんは強くて優しくて…


ふふ…そしてふかふか








とある料亭。

「やはりまだそんな人助けのような真似をしているのだな、鬼太郎は… 」

朱の盤の報告を聞く、厳しい老人の様な妖怪(CV:青野武)。

「実に下らん…この不味い酒と同じだ」

妖怪は忌々しそうにお猪口を妖力で消滅させる。そのまま朱の盤を引き連れて店を出ていくが、彼らが去った後の店は謎の大爆発を起こすのだった…



【余談】

  • この一件で一反もめんは子ども好きになったようで、後の主役回も子どもが関係する話だったり、別の回でも子どもを襲う妖怪に対して特攻かましたりしている。





追記・修正は子どもに「もんめ」と名付けてからお願いします

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最終更新:2020年08月27日 21:56