幸せを運ぶ爆発(ロックマンエグゼ)

登録日:2020/09/24 Thu 03:30:15
更新日:2020/10/16 Fri 15:27:28
所要時間:約10分で読めます







爆発で人を幸せにする?ハッ、なに言ってやがる…そんなこと出来るわけねえだろ!


出来る!知らねえのか?花火を見ると、誰だって幸せな気分になれるんだぜ?




「幸せを運ぶ爆発」とは、『ロックマンエグゼStream』19話のサブタイトルである。

脚本:久保田雅史 監督:池上太郎

●目次


概要

アニメ版『ロックマンエグゼ』の三作目『ロックマンエグゼStream』の中でも、屈指の名エピソードとして有名なエピソードの1つ。

ロックマンエグゼ5にて登場する、六尺玉燃次の初登場、及びそのネットナビナパームマンの再登場回となっている。

登場人物

主人公。ネット警察のネットセイバーとして、アステロイドが起こす事件を追っている。

  • 真辺鈴(まなべ りん)
ネット警察に勤める女性。階級は警視。アステロイドと戦う力を持つロックマン達をサポートする。

元々はクリームランドを狙うもロックマンの活躍でデリートされた軍事用ネットナビ。
デューオの配下であるスラーに人を試す目的で作られる「アステロイド」として再構築された。
軍事用ネットナビとして登場した際は慇懃無礼で狡猾であったが、今回アステロイドとして登場したものは粗野な性格をしている。

  • 土門凱 (どもん がい)
連続爆破事件を起こすテロリスト。
デューオの使者であるスラーから爆発という特性を同じくするナパームマンを与えられさらなる凶行に及ぶも、
ネット警察に追い詰められての逃走中にPETを失いナパームマンと離れてしまう。

花火職人の青年。かつての自身のネットナビ「燃次郎」との思いを胸に秘めている。


話の流れ

アステロイド「ナパームマン」

冒頭、不穏なBGMと共に電脳世界に舞い散る爆発。
そこでは我らが主人公ロックマンと、アステロイドのナパームマンが激闘を繰り広げていた。

一方、ナパームマンのオペレーター土門凱(どもん がい)は現実世界で真部鈴率いるネット警察の包囲網から逃げ回っていた。
土門からまともなオペレートを受けられない状況で次第に追い詰められていくナパームマン。
悪あがきとばかりにバルカンアームやファイアボムと言った広範囲の技を辺り構わずバラ撒くも、ロックマンもバブルショットの連射で応戦。
そんな中、土門は包囲網を潜り抜けたもののPETを落とし、トラックに轢かれて粉々にしてしまう。

これにより、ナパームマンは戻る場所も失い、満身創痍の状態で電脳世界を彷徨うこととなった……。


花火職人六尺玉燃次

所変わり、舞台は怒号響く花火工場。

バッキャロォ!!なんだこの気合の抜けた詰め方!!
てめえ花火を舐めてんのか!?

声の主は花火職人、六尺玉燃次
観客は皆俺たちの花火を楽しみにしてるんだ!と作業員達の気合を入れ直す傍ら、現場を訪れた親方に「元気そうで良かった、あれ以来元気がなかったから心配していた」と声をかけられる。

誰もがネットナビを所有するこの世界、燃次も例に漏れず燃次郎という名のネットナビを所有していた。
しかし、過去に起きた花火の発射装置の故障事故。このままでは花火ごと大爆発を起こしてしまうという危機に、燃次郎は自分が制御装置を破壊することで発射装置そのものを止めようとする。

「バカ言え、いくらナビだってそんなことしたら…!」
「こんな時の為のナビだろ!」

必死で止めようとする燃次。
しかし燃次郎は暴走一歩手前の制御プログラムを自らの手で停止させ、
そのエネルギーの負荷に耐えきれずデリートされてしまう。

「あばよ…燃次」

こうして燃次郎の犠牲で最悪の事態は未然に防がれたのだった。
燃次もナビの鑑たるその姿に、「燃次郎は、俺の誇りです……!」
と気合を新たに天国の燃次郎にも届くくらいの花火を打ち上げることを誓う。


ナパームマンと燃次

仕事を終えてアパートに帰宅する燃次。
「いつまでもくよくよしていても仕方ない」と充電中のPETを手に取り、新たなナビを作ろうとするが、なんとそこには満身創痍のナパームマンがインストールされていた。
そう、ナパームマンは満身創痍の状態で電脳世界を彷徨った結果、偶然にも充電中の燃次のPETに辿り着いたのだ。
自分ではどうしようもないと、燃次は街の病院に走り、PETを手渡す。

「先生、こいつを…こいつを助けてやってくれねえか!?」
「あのね…私に何をしろっていうんだね…、私は獣医だよ?」

大慌てで駆けつけたものの、なんとその病院は動物病院
当然手が施せるわけもなく、「ネットナビの故障ならメンテナンスセンターかチップ屋に…」という言葉を聞き燃次は街中を走り回り、
日暮屋にて大量のリカバリー系チップを購入し、一晩中かけてナパームマンをメンテナンス。
無事ナパームマンは万全の状態で目を覚まし、目の前で机に突っ伏して眠る燃次を見て自分の置かれている状況を察する。

「こいつ…俺を助けたのか…?なんで…?」

目を覚ました燃次は、何故助けたのかというナパームマンの問いに「目の間で苦しんでいる奴が居たら助ける、そんなの人として当たり前じゃねえか」と気風よく返す。
今まで自分の能力で人を傷つける事しか考えなかったであろうナパームマンは困惑する。

一方の燃次はナパームマンが助かったことに気を良くし、フレンドリーに名前を尋ねる。
自分はネット警察に追われる身。名前を言う事など出来るわけもなく、言葉に迷う。
すると燃次は「じゃあ勝手に燃次郎って呼ばせてもらうからな」と会話を続ける。
以降、ナパームマンは燃次からは「燃次郎」と呼ばれるようになるのだった。

「あ、そうだ燃次郎!腹減ってねえか?一緒に朝飯にしようぜ!」

「ナビが飯を食うか!!」

どこかとぼけた燃次を見て、ナパームマンは不敵な笑みを浮かべながら「都合がいい」とほとぼりが冷めるまで燃次のPETに潜伏することを決めるのだった。
その一方では、熱斗とロックマンが「おそらくこの辺りのネット機器に隠れている」とナパームマンの捜索を進めていく。

再び所変わり、舞台は再び花火工場へ。燃次が花火職人であることを知ったナパームマンは、燃次の花火の出来も相まって「爆発は俺の大好物だぜ!」と機嫌を良くするが……

「こいつはそんじょそこらの花火じゃねえ。なんたって、俺の夢が詰まってんだからよ!」

「お前の夢……?」

「そうさ、俺の夢は、俺の作った花火で世界中の人を幸せにすることなんだ」

爆発で人を幸せにする。それを聞いたナパームマンは反論するように「そんなことが出来るか」と言い返す。
しかし燃次も自分の誇りを曲げることはなく、互いに譲ることのない口喧嘩に発展していく。

「爆発で人を幸せにする?ハッ、なに言ってやがる…そんなこと出来るわけねえだろ!」

「出来る!知らねえのか?花火を見ると、誰だって幸せな気分になれるんだぜ?」


口論がヒートアップする中、そこにナパームマンを追って熱斗が工場に辿り着く。
燃次から見れば危険な花火工場に迷い込んできた子供。当然追い返そうとするが、
ネット犯罪を追う人間であることを証明するネットセイバーのエンブレムを見せられたことで謝罪しつつ熱斗を解放。
彼にジュースを奢りつつ、ナパームマンの捜索に協力することを約束する。
満身創痍で自分のPETにやってきた燃次郎が、そのナパームマンだということなど夢にも思わず…。

肩越しに様子を伺うナパームマン。
一方でネット警察の包囲網を抜けた土門はとある場所に潜伏して次の爆破事件を計画していた。
傍らには、『Fire works Festival』と書かれた花火大会のポスターが……。


そして、ついに燃次の夢の花火、燃次郎玉が完成する。
自分と同じ名前の花火に困惑するナパームマン。曰く、これは「爆発が人を幸せにすることを証明する」花火なのだという。
意見の変わらぬ燃次に「まだそんな出鱈目を」と言い捨てる。

しかし、やはり口喧嘩をしても気が合うようで、この頃には帰り支度をしに行く燃次を威勢良く見送るなど、互いの信頼関係も次第に出来つつあった。
そして、ナパームマンはひょんなことから過去の事故を知る親方に、燃次郎の話を聞くこととなる。

燃次が自分を気に入っていること、燃次郎という名をつける意味。
それを知ったナパームマンは、気持ちの整理がつかないまま、その夜、燃次に「もしもお前がよかったらこのまま自分のナビにならないか」と誘われる。
自分がネット警察から追われる身であること、燃次の誘いへの答え、様々な気持ちが交錯するまま、その夜は更けていく…。

「燃次…俺は…」


花火大会


そうして迎えた花火大会当日。
現地には花火職人である燃次と、聞き込みを続ける内に燃次からナパームマンのメンテを依頼された獣医に辿り着いた熱斗も捜査のために会場に向かう。
順調に作業が進む中、土門の暗躍により花火を運ぶフォークリフトが暴走を起こす。

その場に居合わせた熱斗がロックマンをプラグインし止めようとするが、既にフォークリフトの電脳世界はウイルスの巣窟。
待ち伏せにあったような形でウイルスの総攻撃に見舞われるロックマン。

ナパームマンもすかさず「自分をプラグインしろ」と燃次に指示するが、花火の関わる機器の故障。
燃次はあの日の辛い記憶を思い出してしまう。だがナパームマンがそれを一括。

「心配いらねえよ。俺は燃次郎とは違う!」

その言葉で全てを察した燃次はナパームマンをプラグイン。圧倒的な火力でウイルスを一掃し、結果としてロックマンも助けたこととなった。

「ナパームマン…君は…?」

「ヘッ」

だがこの一件で、燃次がナパームマンを所持していることが露見する。
熱斗は勿論、会場に潜んでいたかつてのオペレーター、土門にも…
関係者テントの中で、なぜ燃次がナパームマンを所持しているのか問い詰める熱斗。そもそも燃次は燃次郎=ナパームマンだということすら知らなかった。
そして、ここに来てついにその事実を知る。しかし、ナパームマンの真っ直ぐな目を見て、燃次は熱斗をテントの外へと連れ出す。おそらくは説得の為だろう。

だが、そのスキをついて土門が燃次のPETを奪取。また一緒に犯罪を起こそうとナパームマンに呼びかけた。が…

「俺は…俺を必要としてくれる人間を見つけたんだ」

「あいつが言ってた…。爆発で人を幸せにする事が出来ると」

「なら、爆破の能力しか無い俺でも、誰かを幸せにすることが出来るかも知れねえ!」

ナパームマンは、もう悪事には加担しないことを土門に宣言した。
しかし、これを聞いた土門は狂ったような目つきで「お前の本心が残酷なアステロイドだということをわからせてやる」とナビを実体化させるディメンショナルチップを投入する…。

「やめろ…やめろおおおおおお!!」

ディメンショナルチップで実体化したナパームマンの瞳は紅く染まっており、理性を失い暴走する。
燃次の制止も効かず、物語の序盤の再現のように、現実世界でファイヤーボム、ナパームボムを乱射。
しかしクロスフュージョンで実体化したロックマンはフウジンラケットでナパームボムを打ち返し、ひるんだナパームマンに決定的なスキができてしまう。
このスキを逃す手はないと、CFロックマンはバルカンでとどめを刺そうとするが、そこへナパームマンを庇うように燃次が割って入る。

「確かにこいつは悪事を働いたかもしれねえ…そいつを許せなんて言わねえよ…。ただ、こいつにもやり直すチャンスを与えてやってほしいんだ!」

その言葉に応えるように、ナパームマンは正気を取り戻す。もう危険はないと、熱斗とロックマンもクロスフュージョンを解除。
土門はネット警察に今度こそ完全に包囲される。これで全てが解決する。そう思った矢先――

「けど残念だったなぁ…俺の奥の手はもう止められねえぜ」

土門は巨大な花火発射装置に細工をしてあり、観客席に向けて花火を撃ち込もうとする。
中には燃次郎玉が装填されており、かつてはなんとか止めることのできた花火による惨事が現実になってしまう…。
それを見たナパームマンは、ゆっくりと花火発射装置に向かって歩きだし…

「お、おい燃次郎…!?止めろ燃次郎!!」

「燃次の夢を…悪事なんかに利用させてたまるか…!」

かつて燃次郎が発射装置を止めたように、ナパームマンも発射装置を支え、力尽くで本来の発射方向へと調整。そして、スパークする発射装置のエネルギーによる負荷に加え、花火発射の衝撃が彼を襲う…

(燃次……)

ナパームマンの活躍により、観客席への被害は一切発生せず、燃次郎玉は本来の「人を笑顔にする爆発」として空に上がる。
次々に美しい模様を夜空に描いていく燃次郎玉。それを見た人々の歓声や感動の声が次々に上がっていく。

「燃次…。ホントだ。お前の花火が皆を笑顔にしてやがるぜ…。あるんだな、人を幸せにする爆発ってやつがよ…。今度生まれ変わったら、俺も――」

倒れ、デリートしかけていくナパームマン。夜空に響き渡る燃次の声…
しかしその傍で、ナパームマンのPETを見つけた真部がディメンショナルチップの取り出しに成功。
光りに包まれるナパームマン。それと同時に、『ログアウト』の効果音が流れ……


「燃次郎」

翌日、真部が、ネット警察本部で燃次に対し厳しい声で伝える。

「これは例外中の例外。あくまで実験的な更生プログラムの一環と考えて下さい。」

そこには、アドバンスドPETからプログレスPETへとリニューアルされた燃次のPET。そのエンブレム部分はナパームマンのエンブレムが描かれていた。
真部の注意に対し、「わかってるよ、んなこたぁ」と返答。それを聞いた真部の顔は優しい物へと変わり…

「じゃあ、保護観察、よろしくおねがいします。」

「へっへへ、んじゃ帰ろっか、燃次郎!」

「だから俺は燃次郎じゃなくてナパームマンだって言ってんだろ!」

そう、ディメンショナルチップを引き抜かれたことでナパームマンはデリートされずにPETに戻ることができたのだ。
回復したナパームマンは更生プログラムの一環として正式に燃次のナビとなり、二人で変わらない口喧嘩をしながらアパートへと帰っていくのだった。

この後、彼らはデューオに選ばれし者として熱斗、ロックマン達と共に激しい戦いに身を投じる事となるのだが…それはまた、後の話…。





「そうだWiki篭り!お前の快気祝いに追記・修正させてやるよ!

「だからWiki篭りは追記・修正はしねえって言ってんだろ!!」
この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2020年10月16日 15:27