お金なんか大きらい!(ドラえもん)

登録日:2021/05/05 (水) 16:09:27
更新日:2021/05/10 Mon 19:47:57
所要時間:約 5 分で読めます



お金なんか大きらい!」とは漫画「ドラえもん」のエピソードのひとつ。小学三年生1972年1月号に掲載され、単行本第16巻収録。「ドラえもん」における正月エピソードのひとつであり「のろのろ、じたばた」と同じように「効果が両極端な薬を飲んだことから始まるどたばた劇」でもある。また、作中にのび太が友人と出会う描写が一切無いため、唐突に感じるであろうオチが特徴。

【あらすじ】


お正月。お年玉を手にしたのび太は、ドラえもんに向かってぼやき始める。


毎年 お年玉をもらうと感じるんだ。すくないなあってね。


そんなのび太を「ぜいたくいうな。」と、やんわり諌めるドラえもん。しかし、物価は毎年上がっているのだからもう少し多額のお年玉が欲しいと考えたのび太は、金額アップの交渉のためにパパのもとへ。すると、のび太が部屋を出ていったのと入れ違いにパパが入ってくる。ドラえもんに相談したい事があり、交渉に来たのび太を死角に隠れてやりすごして来たのだ。
パパの相談とは…


毎年お年玉をやると、のび太がもんく いうんだよ。


子どもがやたらとお金を欲しがるのは良くないので、薬か何かでのび太がお金を欲しがらないようにしてほしいとのこと。それを聞いたドラえもんは「お金がきらいになるくすり(キャンディー)」を取り出す。1粒飲ませれば、お金を見るのも嫌になるという。それを受け取ったパパは、早速のび太に飲ませに向かう。
しかし、その直後…


どこにも いないや。


家中探してもパパを見つけられずに部屋に戻って来たのび太が、ドラえもんにある事を相談する。それは…


どうだろ。お金をくれたくなる くすりかなんかないかしら。


それを聞いたドラえもんは、パパにあげた物とは別の薬をのび太に手渡す。(何故どちらの頼みもきいてしまうのか)これを飲ませると気前がよくなり、やたらと人にお金や物をあげたくなるという。のび太もまた、それを受け取ってパパに飲ませに向かう。
そして…


このキャンディーを……。


廊下で顔を合わせたのび太とパパの声がきれいに重なる。妙な偶然(ではないが)に不思議がりつつも、手に持った薬を交換するふたり。そのままのび太は階段を上っていき、薬が効いたらパパがいくらくれるかと楽しみにしながら薬を口に放り込む。すると…


こ、このお金、うけとってくれっ。


部屋に入るなり机の引き出しにいれてあったお年玉を取り出し、ドラえもんに押しつけようとする。しまっておけばいいのだとドラえもんは言うが、のび太はお金を持っていると思うだけでも気分が悪く、蕁麻疹が出そうになるらしい。そこへ…


おお、のび太よ。これあげるよ。とっといてくれ。


パパが笑顔で駆けて来て、のび太に1万円札を手渡す。それを見たのび太は真っ青な顔で仰天し、悲鳴をあげてお札を床に投げ捨てる。
それでも諦めずに、助けると思ってもらってくれと懇願しながらのび太を追い回すパパと、そんなパパから逃げるのび太。そして…


親のいうことが きけないのかっ。



パパがいじめるよおっ。


お互いに泣き叫びながらお金の押しつけ合いを始めてしまう。
そんなはたから見ればいき過ぎた躾か虐待と間違えそうな光景を見かねて、事情は知らないながらも仲裁に入るママ。するとパパは…


そうだ!きみに毛がわのコートを買ってやろう。


他にもダイヤでもなんでも欲しい物を買ってあげると提案。貯金を全額おろしに銀行へ出かけていく。
どうやら薬が効きすぎたようで、今のパパは人に何かを与えずにはいられなくなっているのだ。流石にまずいと感じたドラえもんは、薬の効果を取り消す薬をパパに飲ませようとするがなかなか見つからず、1度目は気前の良くなる薬を、2度目はお金が嫌いになる薬を、それぞれ間違えて出してしまう。そのふたつの瓶を野比家の玄関前の道に放り投げ、3度目でようやく目当ての物を取り出して、パパを探して歩きだす。その後、パパの着物を着て、困り顔で歩いている青年に遭遇。何故それを着ているのかと尋ねると、変なおっさん(パパ)に無理矢理渡された、とのこと。
そしてようやくパパを見つけるが…。


ぼくの家をあげる。すぐひっこしてきなさい。


あろうことか、パパは自分(とママとのび太とドラえもん)の家をホームレスの人に譲ろうとしていた。それをあわてて制止し、パパの口に薬を放り込むドラえもん。正気に戻ったパパは「家をあげる」発言を撤回し、むやみに人に変な薬を飲ませないようにと(そもそも自分が薬をくれと頼んだ事は棚にあげて)ドラえもんに注意する。ドラえもんも反省して一件落着、かと思われたが…


あっ。くすりが ふたつともからっぽ!!


先ほど間違えて出したふたつの薬を、誰かが全て飲んでしまったらしい。そしてそこには…


ぼくの貯金ぜんぶあげる。



たのむ、このお金もらってくれ。



うけとらないと、ひどいぞ。



たすけてえ


「貯金箱や財布(ジャイアンだけはタオルか何かだが)を手にのび太を追い回す友人たちと、そんなみんなから逃げ回るのび太」という光景が広がっていた。まだ騒動は終わっていなかったのだ。困り顔で、薬の効果を取り消す薬を持ってみんなに駆け寄るドラえもんであった。

【初登場のひみつ道具】


〇お金が嫌いになる薬*1
瓶に入った黒い飴玉のような球状の薬。これを飲むと、お金を持つことも見ることも嫌になる。簡単に言えば「対象が『お金』限定の『苦手つくり機』」である。

〇気前の良くなる薬
瓶に入った白い球状の薬。これを飲むと、無性に人に物やお金をあげたくなる。
「お金を手放したくてたならなくなる」という点は、お金が嫌いになる薬と同じ効果である。

〇薬を効かなくする薬
瓶に入った赤い球状の薬。上記ふたつの薬の解毒剤。
3つとも正式名称は不明だが、仮にこれが正式名称ならば「クイックとスロー」を上回るそのまんま加減である。


こ、この項目、追記・修正してくれっ。


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2021年05月10日 19:47

*1 作中ではひらがな表記の部分が多い。他のふたつの薬も同様。