悪意と聖者の行進(名探偵コナン)

登録日:2022/05/18 Wed 17:23:12
更新日:2022/05/21 Sat 00:29:49
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似てたのよ、彼に…さっきのあなたが…


「悪意と聖者の行進」とは、『名探偵コナン』において江戸川コナンが解決した事件のうちの1件。
単行本第36巻に収録されており、テレビアニメでの本放送は第301・302話として2002年11月25日と12月2日に放送された。
揺れる警視庁 1200万人の人質」の前日譚となるエピソードになる。


以下、ネタバレにご注意ください。


【あらすじ】
10月24日の日曜日、コナン達少年探偵団は、阿笠と共に毎年優勝候補と騒がれながらもなかなか優勝を決められていなかったが悲願の優勝を飾った東京スピリッツの優勝パレードを見に来ていた。
しかし、あまりにファンが多くよくパレードが見えないため、元太はゴミ箱に乗ろうとするもひっくり返してしまい、近くにあった郵便ポストに乗って撮影していたところ、サングラスをかけた女性に怒られてしまう。
正体は変装した佐藤で、「今日行われる東京スピリッツの優勝パレードで面白い事が起こる」というFAXが送られてきて、タチの悪いイタズラとは思いつつも万が一のために警戒に当たっていたのだ。もっとも本庁の刑事たちにとってはそれだけではないようだが…。
実は白鳥たちは佐藤の非番に合わせて高木が休暇届けを出したことから、2人が今度の日曜日にデートに行くことを察知。高木を尋問して行き先がトロピカルマリンランドであることまで自白させていた。
更に2人が今度の日曜日を待ちきれずに勇み足をし、変装姿で会う約束をしたのでは…と疑念を持った刑事たちは、付近の警戒とともに今度の日曜のデートまで、昼夜を問わず二人を見張るという使命も背負うこととなったのである。
その事実を真っ向から否定する佐藤だが、そこへタイミングの悪いことに噂の高木が変装した姿で現われる。ところが高木の姿を見た途端、佐藤、そして白鳥と由美は青ざめた表情に急変する。
高木は佐藤に変装がイケてるかを問うが、なぜか彼女に平手打ちされる。さらに変装する必要はないと目暮から言われたはずだと釘を刺されてしまった。
なぜ佐藤が高木に当たったのかというと、由美や白鳥が言うには3年前に彼が警視庁に配属される前に7日間だけ捜査一課に在籍していたある刑事と似ていたからだったとのこと。

その後も何事もなくパレードは続き、白鳥もタチの悪いイタズラだと断定しようとしたが、高木が車を移動させようとした時に鍵を落とし、拾おうとしたところ車の下に怪しい紙袋を発見。
そしてその紙袋は爆発し、高木の車は大破するが高木本人は間一髪で助かった。
すぐにパレードは中止になり現場検証が行われ、使用されたのはプラスチック爆弾で起爆装置は無線式と判明。爆弾の形態は異なるが、3年前の事件と同様、警察官の命を狙って携帯を使い作動させたと推測される。
その後、コナンは光彦がパレードの時に撮ったビデオに犯人が映っているかもしれないと考えるが、先程の人混みの中でカメラを盗まれていた。しかし事前に抜き取っていたためテープは無事で、カメラも阿笠がゴミ箱に捨ててあったのを発見する。

近くの電気屋でテープを確認するが、ほとんど光彦の足や佐藤&高木しか映っていなかった。その時電話ボックスが爆発したという連絡が入り…


【事件関係者】

  • 謎の人物
警視庁宛にFAXで脅迫文を送りつけた謎の人物。
紙袋の爆弾携帯電話による遠隔操作で爆発させる。しばらく後の電話ボックスの爆発もこの人物による犯行と思われる。


【レギュラー陣】
ご存知主人公。
少年探偵団と共に優勝パレードを見にやってくる。爆発事件発生後、光彦のビデオカメラが盗まれたのを見て東京スピリッツの熱狂的なファンか、撮られたくない姿を撮られた犯人かもしれないと推理する。

ご存知高木君。
癖毛状のカツラとサングラスで変装しでパレード会場にやってくるも、上述の通り松田の影を思い出していた佐藤に平手打ちをくらってしまう。
佐藤と今度の日曜日に新しくできたトロピカルマリンランドでデートの約束をしていたが、それを由美から白鳥に密告され、尋問を受けて自白してしまう。
車のを落として拾おうとした時に爆発に巻き込まれたと思われたが、警戒していたことも相まって間一髪で助かる。

ご存知一課のアイドル。
パレードの妨害をするというファックスを受けて変装してパレード会場にやって来るが、高木の変装でかつての松田の面影を思い出し、つい彼にきつく当たってしまう。
その後爆発事件が発生し、高木が巻き込まれたと思い手に火傷を負いながら懸命に車をこじ開けようとするが、高木は無事だった。その後は火傷の手当てをするため一旦皆と別れることになり…

ご存知警部殿。
犯行予告を受けて駆けつけていて、爆発事件発生後は捜査を担当。

ご存知御曹司警部。
彼もまた変装した高木を見て、松田の事を思い出していた。

ご存知千葉君。
事件発生直後に、目暮の指示に従い道路封鎖を行う。

ご存知佐藤の親友。
高木の車が爆発した時に必死になって助けようとする佐藤の姿を見て、助けようとしたのは松田だったのかもしれないと推測する。

ご存知哀ちゃん。
迷宮のフーリガン』以降ビッグ大阪のファンになったので、パレード中は東京スピリッツが来年優勝しないように呪いをかけていた。

ご存知天才発明家
子供達の保護者として同行している。

ご存知純真小学生。
今回は特に目立った活躍はしていない。

ご存知探偵団団長。
郵便ポストに乗っかって撮ろうとしていたところを佐藤に注意される。

ご存知天才小学生。
撮影している途中に誰かにビデオカメラを盗られるも、テープは容量が切れそうになっていたため抜きとっており無事であった。
しかし、近くの電気屋で再生してみると自分の足や高木と佐藤、観衆ぐらいしか映っていなかった。

  • 赤木英雄
  • 上村直樹
東京スピリッツのサッカー選手。
彼らが連続ゴールを決めてチームを悲願の優勝に導いた。
パレードに参加していたが、爆弾には巻き込まれずに済んだ。


【その他】

  • 東京スピリッツ
赤木と上村が所属しているチーム。
毎年優勝候補と騒がれながらもなかなか勝てていなかったが、今年の試合で1-0で負けていた後半のロスタイムにヒデが同点にし、延長に入った直後にナオキがVゴールを決めて大逆転勝利を果たし、優勝パレードを開催。

3年前、高木が警視庁に配属される前に7日間だけ捜査一課に在籍していた刑事。
佐藤は高木のサングラス姿を見て彼の面影を思い出し…


以下、事件の真相。さらなるネタバレにご注意ください






























何かが映っていたんじゃなく…
何も映っていないから犯人はこのテープを隠滅しようとしたんだよ!


  • 郵便局強盗犯一味
今回の事件の犯人達。
犯行の目的は警察を狙ったわけでもスピリッツに対する嫌がらせでもなく、五十日(納金日)前の休日で局員が少ない時を狙った郵便局強盗だった。
わざわざ犯行を予告したのは、予告で犯行を匂わせ、そして実際に爆発が起これば3年前の事件も相まって警察の目線をそらすことができると考えたため。
警察の目をそらし、郵便車両を乗っ取って郵便局に向かう計画だったのだが、郵便ポストに14時30分と回収時間が書かれていて、業務を妨害しないようにパレードは片側一車線しか使っていないため、遅れるのもありえないのにも関わらず郵便局の車が回収に来ていないということからコナンたちに怪しまれてしまった。
さらにその時間にコナンたちが婦人警官(由美)とビデオカメラを持ちながら会話をしており、警察と知り合いであれば爆発が起きた時に証拠品として提出・検証される時間も短縮され、郵便車両が映っていないことを知られるのを恐れて、光彦のビデオカメラとテープを盗もうとした。
結果的に、光彦が直前にテープを入れ替えていたため失敗に終わってしまう。

その後、計画通りに郵便局を襲うも、予想に反して大勢の郵便局員が現れる。その正体は警察で、拳銃を向けた刑事たちに包囲されると観念し逮捕され、爆弾を仕掛けて仲間の帰りを待っていた強盗犯の一味も逮捕されるのだった。

  • 警視庁の刑事達
「あら、知らなかった?同じ公務員でも決まった休日がある郵便局とは違って24時間年中無休なのよね、我々警察官は」
コナンの推理により強盗のターゲットとなった郵便局が特定され、その郵便局に局員の変装をして一同が集まる。そんなこととは露知らず郵便局に強盗に押し入った犯人たちに、大勢で拳銃を向けて観念させ、爆弾を仕掛けた犯人らも含めて逮捕した。

  • 東京スピリッツ
自分達のパレードの開催日が休日で局員が少ないという理由で爆弾事件を起こされた今回の事件のある意味被害者。

  • 郵便局員
CV:宝亀克寿
襲撃された郵便局の局員。
警視庁の刑事達と共に郵便局にいたが、拳銃を突き付けられた時はさすがに驚いていた。

  • 筒見(つつみ)
CV:松本保典
郵便車を乗っ取られ縛られていた今回の事件の被害者。
強盗犯に脅されて郵便局の入り口から入るが、事件解決後、無事警察に保護される。

  • 強盗犯
CV:川津泰彦
強盗団の(おそらく)主犯と思われる男。
筒見と同乗していた局員の制服を着て成りすまし、上手く仲間達と郵便局に乗り込んだつもりだったが、先述のように計画は既に露見しており、変装していた警察に取り囲まれ御用となった。


止めにしよっか!今度のデート!
私、呪われてるし…!


【エピローグ】
事件解決後の夜、高木と佐藤は街中を歩きながら事件の事を振り返り、事件で助言してくれたコナンの事を感心していた。そして佐藤は昼間にひっぱたいたことを謝まった。
だが、自身の大切な人を次々に失った過去を思い出し、その度に辛い思いをしてきたため、佐藤はデートを一旦取り止めることを申し出る。
高木は一度は踏ん張ろうとするが、佐藤のことを思い、自分では釣り合わないと身を引いてしまった。由美「あの、腰抜けが…」

同じ頃、2人がいい感じになっていたのを由美や阿笠、少年探偵団らが温かく見守っていたが、佐藤美和子絶対防衛線に所属の刑事達は睨みつけていた。
そして2人がデートを取り止めにしたと分かると、コナン達はがっかりするが、他の刑事達は露骨に嬉しそうにしていた。

翌日、佐藤に振られた高木はそのショックから立ち直れないでいたが、そんな彼に男性刑事達は肩を揉んだり菓子を恵もうとしたりと、凄く嬉しそうな顔をしながら色々気遣っていた。
その光景を見た歩美は高木が大人気だと言うが、コナンは「それは違うんじゃ…」と微妙な顔をしながら思うのだった。

今回は3年前の事件とは無関係だったが、この事件の実況検分の日にその犯人は再び牙を剥く…。


【余談】
  • 「揺れる警視庁 1200万人の人質」の前日譚となるエピソードとなるが、アニメでは別の事件を間に挟んでいる。

  • トロピカルマリンランドでのデートの約束自体は、次回のこともあったのか完全には取りやめてはおらず、後の事件では晴れてデートをする事になった。

  • 佐藤が「同じ公務員でも」と言っているのは、本作が当時郵政民営化以前に描かれた為。長期連載に伴ういつもの事なのでつっこんだら負け。



追記・修正はパレードを見ながらお願いします。

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最終更新:2022年05月21日 00:29