都市伝説の正体(名探偵コナン)

登録日: 2022/05/28 Sat 22:56:02
更新日:2022/06/26 Sun 10:06:15
所要時間:約 8 分で読めます




ハンマー男が逆に殴られたんだよ…
この部屋を訪れた…あの3人の中の誰かにね


『都市伝説の正体』とは、『名探偵コナン』において江戸川コナンが解決した事件のうちの1件。
単行本第60巻に収録されており、テレビアニメは530・531話として2009年4月18日と25日に放送された。
アニメ版では『初恋の傷跡~古き傷跡と刑事の魂』の前日譚となるエピソードになる。
また、アニメ版で土曜18時からの放送となったのは本作が最初である*1

以下、ネタバレにご注意ください。



【あらすじ】
ハンマー男再び現れる」と、サッカーの東京スピリッツや沖野ヨーコの新作映画のニュースと共にニュースチャンネルを騒がせていた。
ターゲットになったのはいずれも髪の長い女性だった。ハンマー男の身長は180cmを超えているといい、昨晩、たまたま近くを通りかかった酔っ払いが犯行を目撃し追跡していた。

そんな会話をしながら下校していたコナンと蘭と園子。
蘭は長髪である事で不安がっていたが、そのうち逮捕されるかもしれないし、蘭なら空手で返り討ちにできると園子は茶化していた。
と、そこに噂をすればという言葉よろしく、ご存知高木と佐藤に遭遇する。
すると、いきなり佐藤が「キスして…今すぐ熱っついヤツ…。ホラ、早く!グズグズしないで!」と高木にキスを迫っていた。そこにコナンが話しかけてしまい、園子はいいとこだったのにとコナンを怒るが、コナンは向かいのマンション張り込みをしていて、そうだとバレない様にカップルのふりをしていたのだと推測する。
張り込みの理由は先述の酔っ払いがこのマンションにハンマー男が入っていったのを目撃していていて、ほとんどの住人にアリバイがあったものの1部屋だけ明らかに中にいるのにチャイムを鳴らしても出ないという不審な点から、そこにハンマー男が住んでいるかも知れないという事からだった。
住人はバックパッカーとして海外を放浪中らしく、しばらく部屋を男の友人に貸すと親に伝えており、隣人の証言では以前は彼女を連れて一緒に住んでいたものの、最近は彼女も来なくなり、1日中こもって外出するのは夜くらいで、いつも帽子やフードをかぶっていたため顔まではよく覚えていなかった。

しばらくするとマンションの玄関を遠くから張り込みをしていた千葉がやって来て、男女3人が問題の部屋に出入りをしていた事を報告。
その3人は、宅配便の男性、バイク便の女性、ピザの配達人の男性で、玄関のドアの下に貼ってあったメモの指示に従っていただけだと証言している。
ハンマー男の計画はいろいろな人を部屋に呼び込み、警察が事情聴取している内に隙を見て逃走をすることだと佐藤は確信し、問題の部屋へ急行する。
そしていざ部屋に入ってみると首に縄をかけた状態でうつ伏せになった男性を発見する。逃げられないと踏んでの自殺と思われたが、被っていた帽子を不審に思って取ると殴られたらしく血を流していることが判明。被害者の女性の関係者が復讐しに来たと推測されるが…。


【事件関係者】
  • ハンマー男
今回の事件を起こしたフードと帽子を被った男。
昨晩酔っ払いに追跡されマンションに入っていくのを目撃されており、それにより高木佐藤刑事は張り込みをする事になる。
「身長180cm」や「100mを11秒台で走る」という都市伝説が囁かれているが、正確な身長は殴られて倒れた状態から見た被害者と前日の目撃者しかいないためわかっておらず、足の早さについても酔っ払いでも見失わなかった事から高木に否定される。
そして今日あるマンションの3階中央の部屋に逃げたという新たな目撃情報があり、高木と佐藤が張り込んでいた。

だが、容疑者となっていた住人はコナンと佐藤が駆けつけた時には部屋の中で倒れており、逃げきれないと踏んで自殺を図ったのではないかと推測される。息はまだあり救急車で搬送されるが、意識不明の重体だった。
首吊りに邪魔になる帽子を被っている事や頭に殴られた跡が発見され被害者の関係者に復讐されたのではないかと改めて推測される。
住人の家を出入りしていた人物は3人おり、それぞれ宅配便・バイク便・ピザ屋の配達員だった。
注文時の声はガラガラ声で『風邪で寝ているから勝手に部屋に入って用を済ましてくれ』というメモが残っているため、住人とは誰も会っていないという。

  • 宅配便の男性
CV:廣田行生
180cm以上ある大柄の男性。問題の3階の部屋に荷物を届けに来ていた。
風邪で寝込んでいるため宅配の荷物を丸いテーブルに置いておくよう指示があり、同じテーブルに置かれていた受け取りの印鑑を押したという。
だが、伝票などが残っていなかったため、身元は不明。

  • バイク便の女性
CV:むたあきこ
160cmがないぐらいの小柄な女性。荷物の回収に来ていた。
テーブルにあった荷物を回収するように指示があったという。
彼女も同じく伝票などが残っていなかったため、身元は不明。

  • ピザの配達人の男性
CV:石野竜三
170cmぐらいのやせた男性。ピザを配達に来ていた。
出前の代金をテーブルの上の封筒に入れておいたから、ピザをテーブルの上に置いて行ってくれと指示があったという。
この中では唯一会社と名前が判明していたので確認を行ったが、40分以上経っているのにピザ屋に戻らず、何かあったのではないかと推測され…。

  • 被害者の女性4人
今回のハンマー男による一連の事件の被害者たち。
いずれも長髪で、頭をハンマーで殴られており重傷。幸い誰も命に別状はなかった。

【レギュラー陣】
ご存知主人公。
キスしようとしていた高木と佐藤に話しかけて中断させたために園子に怒られてしまう。相変わらず恋愛関係には疎い。
事件解決直前にハンマー男について語られていた特徴は、人面犬口裂け女の噂に尾ヒレが付いて怖い話になったように、みんなを怖がらせるために大袈裟に伝わっていただけだと一蹴する。

ご存知蘭姉ちゃん。
自身が長髪であることからターゲットになるかもしれないと不安がるが、幸いターゲットになる事はなかった。
まあ園子の言う通り腕っ節で返り討ちにする可能性が高いが。

ご存知蘭の親友。
高木と佐藤がキス寸前までいったのにコナンの邪魔で出来なかったことで怒っていた。

ご存知高木君。
張り込み中にカップルだと見せつける見せかけるために佐藤から熱っついキスを迫られるが、コナンの邪魔が入り叶わなかった。

ご存知警視庁のアイドル。
張り込み先のハンマー男に気付かれないようにカップルのフリをして高木にキスをしようとした。

ご存知千葉君。
事件の捜査で部屋でこんな事が起こっていることなど知る由もなく、3人を名前も聞かずにご丁寧に帰してしまうというやらかしをしてしまい、高木と佐藤ともども目暮に怒鳴られてしまう。
また以前、佐藤と張り込みをしていた時の話で「忘れられないよ、あの柔らかい感触は…」と口走ってしまい高木に胸ぐらを掴まれている。
今ならこの事を彼女に知られると修羅場になりそう。

ご存知警部殿。
上記の千葉のやらかしで3人を怒鳴り、いつもの事だがコナンの方がよっぽど頼りになると呆れる。

ご存知御曹司警部。
マンションの遠くから張り込みをしていた。

捜査一課管理官。
アニメ版のエピローグに登場する。


【その他】
  • 3階中央の住人の部屋
ダイニングの方は結構散らかってはいるものの一見不審な点がなかったが、トイレとお風呂場だけがなぜかやけにキレイになっており、排水溝には髪の毛が残されていなかった。
また、電気カミソリには充電式なのにコンセントが入っておらず、シャンプーや石鹸、歯磨き粉があるのに歯ブラシだけがないという状況だった。
また、洗濯機と乾燥機の中に血痕のついた手袋はあったが、下着靴下などが何故かなかった。
そして靴箱に左足のつま先に当て革がついている靴が1つだけ見つかり、コナンは事件の真相を確信する。


以下、事件の真相。さらなるネタバレにご注意ください



























報告は受けています…
ハンマー男さん…ですよね?

  • バイク便の女
今回の事件の犯人「ハンマー男」…ではなく「ハンマー」。
都市伝説で「ハンマー男」という呼び名が広まっていたため、皆その先入観にとらわれ、誰も正体が女性だとは思わなかったのである。
彼女は長身の男性による犯行と思わせるために厚底ブーツを使っており、酔っ払い相手に追いつかれたのもそのため。
自身とハンマー男をすり替えるために何人もの人を呼び、背格好が似たバイク便の男性を殴り倒し、本人確認をさせないために伝票を処分し、成り代わって逃げようとした。
その際、風呂場をキレイにした上で洗濯物の下着や靴下と厚底ブーツをバイク便の荷物として回収し、性別を隠そうとしていた。
だが、靴箱にバイク便の男性が履いていた靴を残してしまい、その一足にしか左足のつま先に当て革*2が使われていないことから、コナンにハンマー男の正体だと気付かれてしまった。
なお、本物のハンマー男はバイク便の男性の靴を残していたことからバイクを運転できないと推測され、さらにはツナギの格好も目立つため電車やタクシーにも乗れず、着替えるにはトイレがベストだが、ファミレスなどでは目立って着替えたあとの素顔や服装を覚えられる恐れがあるので、それを避けられるトイレ、この近くならば米花公園のトイレにいると推測された。

そして、コナンの推測通りピザの配達人をスパナで殴り倒し、米花公園のトイレでツナギを着替えようとする。
だが、そこに白鳥がやって来た為、奥のトイレで人が倒れていると誘導し、後ろからスパナで殴り倒そうとするも既に報告を受けていた白鳥によって見事に直前で止められてしまい、観念して逮捕された。

犯行の動機は自分を捨てて出て行った彼氏への逆恨みであり、その彼氏が出て行った時に長髪の女性を連れていた為、長髪の女性ばかりを狙ったのである。
このような交際相手にフラれたという身勝手な動機で無関係の人間に当たり、髪型が事件を起こすトリガーとなっているという共通点から、「園子のアブない夏物語」の犯人の女版とも言える。
まあ、彼氏自体は殺してはいない上死者は出なかったが。

  • 被害者の女性4人
上記のようなひどい動機で襲われた気の毒な被害者。
全員命に別状はないのが不幸中の幸いか。

  • バイク便の男性
背格好が似ているからとハンマー男に殺されかけ、ハンマー男にされかけた被害者。

  • ピザの配達人の男性
同じく今回の事件に巻き込まれた気の毒な被害者。犯人から「開かないトイレがあったから一緒に見てほしい」「ハンマー男の事件があった公園だから気になって」と頼まれ、それを引き受けるあたり、いい人なのかもしれない。


【エピローグ】
事件解決後、千葉は「どこまでいったんだよ!」と高木に佐藤との関係の進み具合を尋ねる。
さっきの千葉の発言により高木は拗ねていたが、張り込みの際に佐藤と恋人のフリをした時には手をつないだだけで、「柔らかい感触」とは手の感触のことであった。
そのことを聞かされた高木は安堵するのであった。

そして数日後、捜査中の事件の被疑者のの住居が判明し、この事件を追っていた佐藤と張り込みすることになるのだが、これを聞いた高木は張り込みを志願。
目暮は弟は狂暴な男らしいからと忠告し、それに続けて佐藤は気をつけてとだけ言う。そう、佐藤とは佐藤美和子ではなく別の佐藤「警部(男性)」だったのだ。まあ日本でもトップクラスに多い姓なのでこういうことも起こりうるのだが。
そのため、佐藤警部とガッカリしながら張り込みを続ける高木であった。

【エピローグ(アニメ版)】
高木が張り込んでいたその頃、松本は若い頃に追っていた連続殺人犯を埠頭で見かけて追跡するが、その犯人は口笛を吹き、こちらの存在に気付いて襲い掛かって来るというを見て魘されていた。
最近泊まり込みでついつい眠ってしまったようで、それを目暮が心配する。
その事件が近々時効を迎えるため、そのような夢を見たというが、最後の事件から15年後の現在、松本達の気づかない所でその凶悪犯が再び動き出す

尚、このシーンは原作第64巻File.7『口笛の男』の冒頭部分に相当する。


【余談】
ハンマー男が使っていた厚底ブーツは昔流行ったと言われていたが、『封印された目暮の秘密』では現役のファッションアイテムだった。


追記・修正は都市伝説を解明してからお願いします。

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最終更新:2022年06月26日 10:06

*1 再放送を除く。

*2 バイクのシフトペダルに当たる靴の爪先を保護する為のシフトパッド