傘化け(ゲゲゲの鬼太郎のエピソード)

登録日:2022/08/08 Mon 23:03:16
更新日:2022/08/11 Thu 20:15:31
所要時間:約 8 分で読めます





「傘化け」とは、水木しげる原作「ゲゲゲの鬼太郎」のエピソードのひとつで、同エピソードに登場する妖怪である。
アニメ第2期では、「傘ばけ」のタイトルで第24話として放映された。

【あらすじ】


ここは、山奥にある一軒のボロ屋。


「いくらお化けだからって こんなボロ屋で一生暮らすなんて……」

「どう考えたって馬鹿げてるな」

「おれだって人間みてえに幸福になりてえよ」

そこに住んでいた傘の妖怪・傘化けがそうぼやいていると、髭を生やした仙人が訪ねてきた。


「超能力を持ちながら人間に見つからずにこっそり生活するというお化けの考え方は古いんじゃないかな」

初めて人間と話したことに感激する傘化け。
仙人は「人間が幸福だと思ったら人間に化けてみりゃあいいんだ」と勧めるが、傘化けは「化けたらってタヌキじゃあるまいし」と乗り気じゃない。
そこで「鬼太郎のチャンチャンコを借りれば化けられる」と助言。傘化けはさっそく鬼太郎に会いに行った。

…だが、その仙人の正体はねずみ男だった。


一方、散歩していた鬼太郎の前に傘化けがやってくる。
妙に馴れ馴れしい態度の傘化けに辟易している鬼太郎だったが、傘化けの「ちょっとそのチャンチャンコ貸してくれ」という頼みを聞いて激高する。


「ばかっ!!」

「これは大切な祖先の霊毛できてるんだ 川が()に流れても お前らに貸せるかい」

だが傘化けは「同じ妖怪でありながらそれがエチケットか!!」と一歩も譲らず、終いには「実力で借りる!!」と力ずくで奪いにかかった。
鬼太郎は毛針を撃ち込むも跳ね返されてしまい、続けて目玉おやじの助言で指鉄砲を撃つもやはり跳ね返されてしまった。

止むを得ず砂かけ婆のアパートへ撤退しようとするも、回転して飛来する傘化けが追いかけてきた。
さらに傘化けは分身し、鬼太郎に催眠術をかけようとする。

目玉おやじに目を瞑って走るよう助言された鬼太郎は何とか砂かけ婆のアパートへ逃げ込み、傘化けのことを知らせた。
だが、傘化けはついにアパートまで到達し、呼子の頭頂部を切断した。

鬼太郎たちは大急ぎでアパート内に逃げ込むも、傘化けは屋根に穴を開け、さらに目から熱線を発射して火災を起こした。


「これは鬼太郎がおれにチャンチャンコを()ないことからおこったのだ!!」

それを聞いた砂かけ婆は早くチャンチャンコを脱ぐよう鬼太郎に言う。
それでも渋る鬼太郎に、子泣き爺も「そんなこと言ってる場合じゃない!!それに貸すだけじゃないか」と説得する。

ようやく降伏した鬼太郎は「一か月だけ」という条件付きでチャンチャンコを傘化けに貸すが…


「バカやろう 借用ってのは永遠に借用するっていう意味なんだ」


それを聞いて怒る鬼太郎を、子泣き爺は「ならぬ堪忍するが堪忍」だと諫めるのだった。

チャンチャンコを手に入れてご満悦の傘化け。どんなものに化けようかと考えていると、シルクハットを被ったねずみ男が現れ、「松下金之助」という大富豪の長男に化けることを勧めた。


「君は何者だ!?」
「アイデアコンサルタントとしてアイデアを出し、それが成功したら10パーセント頂戴しておる ねずみコンサルタントです」

それを聞いた傘化けはその話に乗ることにした。
ねずみ男は、傘化けが自由に化けられるのは自分の霊素とチャンチャンコの霊素との化学変化によるものだと説明。
そして松下家に行って金之助の長男そっくりに化けて全財産を手に入れるように仕向ける。
すなわち、「松下家の長男に化けて松下家を乗っ取る」…という魂胆だ。
翌日、傘化けは松下家の長男・幸太郎に化けて家に潜入。

おやつのケーキを食べていた所へ、本物の幸太郎が学校から帰ってきた。
すると、傘化けの幸太郎は…

「お母さん、用心した方がいいですよ」
「松下家のような大金持ちになりますと偽者だって紛れ込みますからな」

と言葉巧みに母親を騙す。
本物の幸太郎は自分に似た子供がいることに困惑するが、傘化けの幸太郎はなおも続ける。

「お母さん、早く追っ払ってください!! ぼく自身の頭が混乱しますからね」

偽者に騙されているのも知らずに、幸太郎の母親は使用人たちに本物の幸太郎を追放させる。
幸太郎は訳が分からず大泣きするが、微妙に石ノ森章太郎先生の自画像っぽい顔の使用人に「泣いて同情させようたって駄目だ!!とっとと失せろ!!」と追い出されてしまう。
そのまま家の外で泣き続ける幸太郎の前にねずみ男が現れる。


「うわーん」

「幸太郎ちゃん いらっしゃい」
「あちらで取れなければこちらで取る。わたしふたまたコンサルタント」

ねずみ男は幸太郎を慰め、保護してやることにする。だが…


(あいつが失敗しても「松下家の御曹司は私が保護しておりました」といえば 謝礼金一億は固い)

(おれもとうとうこれで花を咲かせたね うししししし)

と、内心でほくそ笑むのだった。
やがて隠れ家に来た途端、大きな檻の中に閉じ込められてしまう幸太郎。


「ぼくをこんな檻に入れて イヌじゃないよ!!」

「一か月も辛抱してれば出してやるよ それに食べ物も与えるし……」

一方松下家では、幸太郎の母が夫・金之助に相談していた。なんでも幸太郎が変だというのだ。
医者は何ともないというも、幸太郎が幸太郎でないみたいと心配する母親。
警察もその話をまるで信じてくれず、すっかり困ってしまう。

すると、「不思議事件解決コンサルタント 根津見尾床」なる人物が訪ねてくる。
その人物の正体はやはりねずみ男。

「事件のあらましはわたしどものテレパシーで存じておりますが これは「ゲゲゲの鬼太郎」を呼ぶしか方法はありません」

と、言葉巧みに金之助を騙し、費用として一千万円を受け取った。マッチポンプじゃねーか
当の鬼太郎はというと、砂かけ婆のアパートの修理を手伝っていた。

「鬼太郎どうしたんだ チャンチャンコ無しじゃあかっこつかんじゃないか」
「ねずみ男 いらんことを言うんじゃない!! 鬼太郎には今家を修理してもらってるんだ!!」
「おばば ねずみ男もいってるじゃないか おれ戦ってチャンチャンコを取り返してくる」

しかし砂かけ婆は傘化けが手強いために難色を示し、目玉おやじに相談してからと窘める。
目玉おやじは言う。


「自信があるなら やれ!!」

…と。

ねずみ男の案内で傘化けの所へ向かう鬼太郎。
案内したら案内料をもらうと嘯くねずみ男に、鬼太郎は「がめついなあ」とぼやく。
すると、傘化けが変身した偽者の幸太郎と鉢合わせ。傘化けは元の姿に戻って鬼太郎に催眠攻撃を仕掛ける。
鬼太郎は眼を回して倒れ、傘化けは「この熱でオシャカだ!!」と目から全エネルギーを使った熱線を放ってとどめを刺そうとするが…


「おっと」

ピカッ バーッ

「ギヤーッ」

鬼太郎は取り出した鏡を使って相手の熱線を反射し、逆転勝利した。
傘化けは燃えカスと化し、鬼太郎はチャンチャンコを奪還して「うふふふふ」とご満悦。

だがそこへ警察官が現れ、ねずみ男に幸太郎を誘拐した上に金之助から大金を騙し取ったことを詰問。
署まで連れて行こうとするが、鬼太郎に妖怪は警察の範囲外だから、と止められる。
そして巻き上げたお金を警察に渡すよう鬼太郎に説得されたねずみ男は、渋々ながら警察に大金を渡した。

やがて本物の幸太郎は解放され、鬼太郎に礼を言ったのだった。

「鬼太郎さん ありがとう」
「いやいや」

一方で、儲け損なったねずみ男は「世の中ってうまくいかねえもんだなあ」とぼやいていたが……。


【登場人物】


お馴染み主人公。
今回は傘化けからチャンチャンコを永久に借用される羽目に遭ったが、無事取り返した。

お馴染み鬼太郎の父。

お馴染み自称『鬼太郎の大親友』。
傘化けや松下家を言葉巧みに騙して一攫千金を狙ったトリックスター。

  • 砂かけ婆
傘化けにアパートを襲撃される。

  • 子泣き爺
傘化けにチャンチャンコを貸すのを渋る鬼太郎を諫める。

  • 呼子
アパートの妖怪の一人。傘化けに頭頂部をちょん切られる。

  • 傘化け
文字通り傘のような妖怪。
人間のように幸福に暮らしたいと願っていたところ、仙人に化けたねずみ男にそそのかされて鬼太郎からチャンチャンコを永久に借用した。
主な武器は単眼からの熱線と分身を使った催眠攻撃。傘の隙間の中に入ったあらゆる攻撃を反射し、回転飛行状態では丸鋸のように相手を切り裂く。
最後は自分の熱線を鏡で反射されて燃えカスと化した。
ただ幸せになりたかっただけにも拘らず、ねずみ男に唆されまくった末に燃えカスになってしまったという点では彼もまた被害者と言えるかもしれない。

  • 松下金之助
大富豪。
ねずみ男に騙されかける。

  • 幸太郎
松下家の御曹司。
傘化けが変身した偽者に騙された母親と使用人に家を追い出されたところをねずみ男に保護されるが、犬の如く檻に入れられてしまう。
鬼太郎が傘化けを退治した後解放され、鬼太郎に礼を言った。


追記修正は、傘化けの熱線を鏡で跳ね返してからお願いします。

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最終更新:2022年08月11日 20:15