イースター島奇談(ゲゲゲの鬼太郎)

登録日:2022/11/27 Sun 19:40:11
更新日:2023/01/26 Thu 10:26:01
所要時間:約 3 分で読めます




私は遂に魔法の奥義を得る方法を知った。
それには地獄の使者に会えばいい。
その地獄の使者に会った暁には、
金も命も幸福も思うままに得る事ができる。

その地獄の使者に会う入り口はイースター島にある。
私はこの秘密をペルーから来た知り合いから聞き出すため、
ついに殺してしまった。
しかし、命も金も幸福も自由になる術を知る事ができる。



イースター島奇談」とは、「ゲゲゲの鬼太郎」アニメ第二期のエピソードの一つ。
テレビアニメ黎明期の作品ということで、以降のシリーズ以上に危険なエピソードが多い第二期だが、その中でも今回はあの「足跡の怪」と並ぶ最恐エピソードと名高い。 
脚本:安藤豊弘

【あらすじ】

毎度おなじみのねずみ男。彼はある町で、よく当たる占い師と評判のペルー人・アレス(CV:坪井章子)に乗っかって一儲けしようとあくせくしていた。
だがそれを気に入らない男が一人。
同じ町で占い師を営む福島という男は、商売あがったりだと乗り込んできて、口論の末についにアレスを殺してしまう。
福島は荷物をまとめて逃げ出すが、そんな非道は人間であっても許せないと鬼太郎とねずみ男も後を追う。
その頃、福島は荷物の中にあった父(CV:増岡弘)*1の遺品の日記から、それに会えば永遠の命も莫大な富も思うがままにできるという地獄の使者アクアクがイースター島にいるという話を知り、喜び勇んでイースター島へと向かった。
だが欲に目が眩んだ福島は気づいていなかった。永遠の命も莫大な富も自在にできるものがこの世にあるのなら、なぜ父はこの世にいないのかという簡単な矛盾に。

鬼太郎一行はイースター島に先回りして宿屋の従業員に扮し、福島に制裁を加える機会を待った。
けれど急く福島は父の日記を頼りに宝の謎を解いていったが、最後の謎を解いたときにモアイ像が倒れ、その下敷きになってしまう。
そして地中からついにその姿を現す地獄の使者アクアク。血まみれの福島を連れ去ろうとするアクアクに、鬼太郎はその男は悪人で裁きを与えなければならないと静止するが、アクアクはならばちょうどいい、地獄の制裁をこの男に与えてやるとうそぶいて福島を地の底深く連れ去った。

後日、日本に戻ってきた鬼太郎たちは福島が逮捕されたという報を聞いて留置所に駆け込んだが……。

【登場人物】

  • 福島
CV:野田圭一
この物語の主人公。
顔は水木作品のいつもの量産型サラリーマンだが、中身は欲深く良心の欠片もない最低な男。
占い師を自称しているが、自分の悲惨な未来もわからないことから恐らく口からでまかせを言ってるだけであろう。
アクアクに会って永遠の命や富を手に入れようとするが、その末路はあまりにも無惨なものであった。

  • アクアク
CV:北川国彦
イースター島の伝承に伝わる地獄の使者。顔はガイコツで、ガイコツの杖を持った小柄な老人のような姿をしている。
会った者に永遠の命や無限の富を与えると福島や福島の父は信じていたが、もちろんそんなことはなく、地獄に落ちるにふさわしい人間を地獄に連れ去ってしかるべき罰を加える。
鬼太郎には一切害意を見せることはなく、むしろ鬼太郎からの呼びかけには穏やかに応じたことから、恐ろしい外見とは裏腹に罪なき者には手を出さない理知的な存在であることがうかがえる。
旧アニメ版「悪魔くん」の第21話にも登場するが、さすがにここまで恐ろしい存在ではなかった。

「人の命を虫ケラのように殺す奴は許しておけないんだ。とっ捕まえて地獄の責め苦を味わわせてやる……!!」
我らが主役。正義のヒーローが板についてきた時期だが、今回は非道な悪党を前に本来持ち合わせる“闇”の側面を発揮。あえて福島を正面から捕まえようとせず、真綿で首を締めるように追い詰めようとする。
……とはいえ、結局本筋には何も影響することなく終わった。
そして最後に福島の最期を見た時には本気で恐怖にすくみ上がり、底知れぬ“闇”を持つはずの鬼太郎ですら及ばない本当の地獄の恐ろしさを視聴者にまじまじと伝えることに。

おなじみの恋女房。ねずみ男と共にアレスの手伝いをしていたことから嫌疑をかけられてしまう。
ラストでは福島の最期を目の当たりにして壮絶な顔芸を見せる。

福島へ制裁を下さんと暗い情熱を燃やす鬼太郎に、やや引き気味。

【余談】

鬼太郎最恐エピソードの一つとして名高い本作であるが、同時にツッコミどころも多い。
二期の特徴で鬼太郎が事態の解決になんら寄与しないことや、イースター島の描写が適当なことはよしとしても。
『永遠の命や無限の富を与える地獄の使者、という怪しいとか胡散臭いとかいうレベルではない話を鵜呑みにする福島』
『というか物語の舞台がイースター島である必要性が何もない』
などが挙げられる。
しかし、悪事を働いた者により以上の恐ろしい罰が下されるという末路。作中で必死になって宝の謎を解いていく福島がどんどんと破滅に近づいているという緊迫感は視聴者にじわじわと染み込んでいき、最後の瞬間に絶頂を迎える恐怖は今でも鬼太郎最恐エピソードの一つに変わりはない。



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最終更新:2023年01月26日 10:26

*1 EDクレジットでは「矢田耕司」と誤記されている。