仮面ライダークウガ(仮面ライダーディケイド)

登録日:2010/05/19 Wed 04:58:47
更新日:2024/02/21 Wed 01:09:20
所要時間:約 12 分で読めます




仮面ライダーディケイド』に登場した仮面ライダークウガ
平成ライダー10作目ということで『ディケイド』には『クウガ』から『キバ』までの主役ライダーがリファインされて登場しているが、
記念すべき平成1作目ということもあってか、『ディケイド』に登場するクウガは準主役ライダーとして扱われている。


【仮面ライダークウガ】

スーツアクター:伊藤教人
『シンケンジャーの世界』『RX/BLACKの世界』『劇場版 オールライダー対大ショッカー』:富永研司(原典『クウガ』のスーツアクター)

『仮面ライダークウガ』と同じく、超古代戦士の能力を宿したライダー。
クウガに限らず、『ディケイド』に登場するリファインされた歴代主役ライダー、通称「リ・イマジネーションライダー」は原作と変身者が異なり、
『ディケイド』に登場するクウガには、五代雄介ではなく小野寺ユウスケが変身する。
「4号」と呼ばれるなど設定はほぼ原典と同じだが〈ライジングフォーム〉〈アメイジングマイティ〉は『クウガ』では偶然生まれた形態であり、
本来のクウガには想定されていない特殊形態であるという設定からか、『ディケイド』では存在しない。
ただ、フォームチェンジの際には『クウガ』での変身者である五代雄介の造語『超変身』を小野寺ユウスケも用いている。

各種必殺技では『クウガ』同様に相手に刻印を打ち込むが、あちらでは刻印でグロンギのバックルを破壊することで爆発させていたのに対し、
『ディケイド』ではグロンギ以外の怪人も刻印を打ち込んで爆発させている。

五代と比べると小野寺は実戦経験に乏しい可能性があることや、主役ではなく準主役という脚本の都合もあり、ボスクラスが相手だと苦戦する。

なお、原典のクウガと区別する意味合いで、ユウスケクウガ、小野寺クウガ、クウキなどと呼ばれることもある。



【アークル】

変身ベルト。
鳴滝がディケイドを倒すためにユウスケに渡した(元々『クウガの世界』に存在したのか、どこかから持って来たのかは不明)。
原典とは違って装着に苦痛を伴う様子はなく、また装着者の異常な筋力強化や超回復能力も見られないため、身体能力は変化しないと思われる。
だが、ユウスケは仮面ライダーG3-X装着者選抜試験に受かるだけの身体能力があり、それに関わっている可能性もある。



【トライチェイサー】

クウガ用バイク。
開発経緯や入手経路は不明。マトリクス機能はなく、常時ゴールドヘッドで使われる。また〈トライアクセラー〉もない(起動は普通のバイクと同じ)。
クウガ用バイクなのだが、変身時に使うことはほとんどない。原典ではクウガのバイクアクションが見せ場なのに。
名称が2000から2009になっているかは不明。



【フォーム一覧】

主役より目立つのを防ぐためか、ほとんどマイティフォームしか使わない。詳しい能力は仮面ライダークウガ(登場キャラクター)を参照。

グローイングフォーム

出番:クウガの世界
ダメージを受けて変身が解ける際に一瞬登場。芸コマだが、残念ながらこの演出は『クウガの世界』のみ。
また、『クウガ』ではグローイングフォームは他のフォームよりも角が短いという特徴があるのだが、こちらはCGでマイティフォームの色を変えた*1だけらしく、角は長いまま。
デアゴスティーニから発売された『仮面ライダー オフィシャルデータファイル』においては「こちらのグローイングフォームはそういうデザインの模様(要約)」と解説されている。


マイティフォーム

能力のバランスがとれた基本形態。劇中ではほぼコレが基本。
色合いのせいか、『シンケンジャーの世界』では浮いている気がしないでもない。


ドラゴンフォーム

出番:クウガの世界、オールライダー対大ショッカー
スピードと跳躍力を特化した形態。力不足で本来は武器必須のはずだが、原典におけるズ・バヅー・バ戦のオマージュなのか、素手で地獄兄弟と殴り合っていた。
映画『オールライダー対大ショッカー』では、水関係の棒術使いという共通点を持つXライダー戦で使用。
武器を奪うのかと思いきや、超変身した時点で既にドラゴンロッドを所持していた。


ペガサスフォーム

出番:クウガの世界
感覚強化の射撃形態。本来は遠距離から一撃必殺の弾を撃ち込む狙撃型だが、ディケイド戦では近~中距離で撃ち合った。単発式の狙撃銃で*2
また、本来は50秒しかこの形態を維持出来ないという弱点があったが、制限時間を余裕で無視していた*3
銃は八代藍から拝借。


タイタンフォーム

出番:クウガの世界、アマゾンの世界
テレビ本編中唯一『クウガの世界』以外で使った形態で、敵の武器を奪ってタイタンソードに変化させた。
原典では雄介が本形態の高い防御力を活かした「敵に敢えて近づいて刺し貫く」という独自の戦闘スタイルを取っていたが、こちらではただ単に「剣を使う形態」といった印象。
だが、原典の戦闘スタイルは五代雄介が一条薫との剣道の特訓で編み出した戦法であり、
タイタンフォーム自体は設定では他のフォームより遅いといっても、100mを7.2秒で走れるスペックがあり、原典においてもメ・ガリマ・バ戦では普通に斬り合っていたため、特に矛盾はしない。


アルティメットフォーム

出番:夏海の夢、ライダー大戦の世界、MOVIE大戦2010

俺はこれ以上、誰かの涙を見たくない!みんなの笑顔を守るためなら…究極の闇にもなる!

クウガの最強形態。
光夏海の中で他のライダーが全滅し、唯一残ったクウガが変身。ディケイドと拳をぶつけ合い爆発が起こったところで夏海の夢は終わる。
原典での五代は強い優しさで変身したため赤い目だったが、ユウスケはキバーラの噛み付きによる悪堕ち(?)状態で変身し、目が黒い本来のアルティメットフォームに変身した。
『MOVIE大戦2010』ではいつのまにか正気に戻っているユウスケ自らの意思で変身したが、この時も目は黒いままである(一応、変身過程でマイティフォームを経た後、一瞬赤目になるという演出が入る)。
黒目だが、どちらも「正気を失い殺戮を繰り返す」という本来の特性はなく、制御には成功している模様(本編は暴走気味だが、特性というより悪堕ちのせいに見える)。
上記のセリフを踏まえるのであれば、五代のように克服したのではなく、受け入れたのか、或いは「みんな」の中に士も含んでいたため完全な克服にならなかったのかもしれない。
同作では最後のライダーとして、ディケイド 激情態と戦闘。2人の殴り合いは必見。
どちらもチート能力があるのに使っていないのは気にしてはいけない。


ライジングアルティメット

出番:オールライダー対大ショッカー、MOVIE大戦2010

『オールライダー対大ショッカー』で初登場した新フォームで、士の妹・小夜の持つ『地の石』によってアルティメットフォームが強化された姿。
アルティメットフォームと同じく「究極の闇をもたらす者」であり「最も邪悪なライダー」とされる。

似た名前に原典の〈ライジングフォーム〉があるが、これはアマダムが外部からの電気ショックによる気質変化と、雄介の「強くなりたい」という意志が作用した事で発現した産物であり、この形態とは強化の過程が別物*4
RUは強化型アルティメットと考えられ、原典風に言えば「凄まじき金の戦士」となるか。

他のライジング系フォームと同じく、本来は存在しない形態であり、当初は『地の石』の力で洗脳されたユウスケが変身し、小夜の命令で動いていた*5が、『地の石』が破壊された事で洗脳が解除。
その後、ユウスケが自らの意思で変身しており、洗脳時は黒かった目が赤く変化している。

必殺技が設定上のみに留まったアルティメットフォームと異なり、こちらでは必殺技を使用しており、『MOVIE大戦2010』の一斉必殺技シーンでは《ライジングアルティメットナックル》というライダーパンチを出している。
自然発火や全専用武器使用能力の有無に関しては不明だが、両手から黒い波動《暗黒掌波動》を放つ事ができる。

しかし、せっかくの新フォームにして小野寺クウガでは(映像作品において)唯一となるオリジナルフォームなのに劇中での扱いは酷く、まともな活躍がない。
洗脳状態では生身の士をボコり、洗脳が解けてからはシャドームーンに一方的にボコられた。スペック上リマジシャドームーンと比べてパンチ力は20倍、キック力は17倍も差があるのに。
ライダーに攻撃したのは一回「波動浴びせた」のみ。
しかもシャドームーンはこの後仮面ライダーWにボコボコにされている。
好意的に解釈するなら洗脳解除後は使い慣れていなかったからだろう。

洗脳されていたせいで昭和~平成の歴代主役ライダーが揃うシーンでJ共々ハブられたのに、対価としてはあまりに酷い。
あまりにも活躍がないのでファンは「ディレクターズカット版で活躍シーンが追加されるはずだ」と信じていたが、結局全く追加されなかった。

一方、藤沢真行氏が描いた漫画版ではWが登場しないという関係もあってか、ディケイドと共に活躍する場面が描かれている。


『MOVIE大戦2010』の『ディケイド 完結編』ではディケイド 最強コンプリートフォームの力で各ライダーが最強フォームになった際に変身したが、全員一斉必殺技のシーンのみなので出番は数秒で目立たない。

SIC HERO SAGA『MASKED RIDER DECADE EDITION -オーズの世界-』では特に制約もなく、アッサリと、自らの意志でタイタンフォームからフォームチェンジしている。何故最初から使わなかったし。
こちらでは「雷を司る戦士」と呼称されている。

仮面ライダーウィザード第53話では、レジェンドライダーウィザードリングの力で召喚されたクウガが、
アマダム(霊石の方ではなく、魔宝石の世界の怪人の方)から力を取り戻した際にこの姿に変身している。
なお、レジェンドライダーウィザードリングで召喚されたライダー達は、通常のフォームチェンジが難しい形態や変身不可能になった形態にも変身できると(『MOVIE大戦アルティメイタム』の演出を手掛けた坂本浩一監督のアイデアで)設定されたため、原典とは矛盾はしない。

クウガはアルティメットフォームの時点で既に平成ライダー中最強スペックだったが、この形態はそれよりもさらに強いため新たな歴代最強になった。
それだけに活躍の無さが悲しい、色々な意味で可哀想なフォームである。

ちなみに変身ポーズは仮面ライダー1号的なアレンジを加えたオリジナルを使用するが、披露したのは『オールライダー対大ショッカー』で正気に戻った時の一回のみ。
『クウガ』放送当時のDX玩具版では再現出来ないが、COMPLETE SELECTION MODIFICATION版ではBGM用を兼用する右側のボタンをDモード*6の時に押す事で遂に再現可能となった。

この劇中での不遇ぶりもあり、「アルティメットのライジング化ではなく、ライジングとアルティメットの中間」「最強フォームはアルティメット」といわれる始末。
ただ、その刺々しくよりン・ダグバ・ゼバのような怪物に近づいた姿、小野寺クウガのオリジナルフォームとして一定の人気を得ている他、
ユウスケ役の村井良大氏も「オダギリジョーとは違う自分だけのクウガ」として気に入っているとのこと。
以上の点から、フィギュアはディケイドの隣に飾ってあげると雰囲気が出るだろう。

また、S.H.Figuartsでは黒目バージョン赤目バージョンを別々にネット限定販売された(アギトのようにパーツ交換式にすれば一体で済む)、ちなみに取り扱いサイトは別々。


スーパーライジングアルティメット


出番:MASKED RIDER DECADE EDITION -オーズの世界-
『オーズの世界』で発現した、小野寺クウガの究極形態。
ライダーロボの弱点を突く為、雷の力を司るライジングアルティメットに変身したユウスケに対して、更にディケイドがオーズアーマーのウナギウィップの、
ディエンドが召喚した仮面ライダーストロンガーの電ショックの電撃を注入した事で誕生した。
ライジングアルティメットよりも更に金色のアーマーが増えており、共通項はほぼ頭部のアーマーしかない。
ストロンガーのエネルギーも入っているせいなのか、胸部にはどことなく「S」に見える紋章が刻まれている。
膨大な雷エネルギーのせいか、アマダムはライジングフォーム同様、金色に輝いている。
更にスペックもパンチ力が120t、キック力が130t、ジャンプ力が150m、走力が100mを1秒……と凄まじいものになっている。

ちなみに名付け親は士。「ダサい」とかは禁句。
必殺技はスーパーライジングアルティメットピンポイントキックで、
ライダーロボのOシグナルをも一撃で破壊する程の凄まじい破壊力を誇るも、使用後は強制的にグローイングフォームと化してしまうデメリットがある。



【クウガゴウラム】

仮面ライダーディケイドの〈ファイナルフォームライド〉により、クウガが原典に登場するサポートメカ〈ゴウラム〉に変形した姿。
自由に飛行でき、コンクリートを容易く破壊するパワーを持つ。
原典の〈ゴウラム〉と同じように羽が展開するが、こちらはさらに内部から光の翼が出現する。言うまでもないが、バイクとは合体しない。
ちなみに『MOVIE大戦2010』ではアルティメットフォームからカードなしに一人で変形。この形態は〈アルティメットゴウラム〉と呼ばれており、微妙にデザインが異なっている。
変形後はゴウラムの尻側に頭が来るが、「ディケイドライナー」発動時にモモタロスが放ったデンガッシャー・ソードモードの刃に突き刺された際にユウスケの尻に入った事から、FFR後は身体の向きが関係ないことが判明した。



ディケイドクウガ

ディケイドがクウガのカードを用いて〈カメンライド〉したクウガ。
他のカメンライド同様、ベルトがディケイドライバーになっている点を除けば本来のクウガと同じビジュアルで、やはりモーフィングパワーで手に持った物を武器に変える事ができる。
出番:キバの世界、カブトの世界
初使用は『キバの世界』の仮面ライダーキバ戦。
タイタンフォームでドッガハンマーを奪ってタイタンソードに変え、そのままドラゴンフォームになってドラゴンロッドにした。
映像では描かれなかったが、その後のドッガの描写からして元に戻された模様。
『カブトの世界』の対ワーム戦では最初からペガサスボウガンを所持した状態でペガサスフォームに変身したが、
ライドブッカーが腰にマウントされていた状態だったため、ペガサスボウガンの出処は不明。
全ライダー中でも最強クラスとの呼び声が高いクロックアップを超感覚で見切って打ち破るという大快挙を成し遂げた。

過去のライダーで唯一再レギュラー化したためか、或いは10年の歳月のせいか、変身時などのエフェクトや効果音が原典から一新されている。
それはそれでカッコイイのだが、原典の「攻撃しながら徐々に身体がクウガに変わる」という演出はなくなっている(尤も、原典でも中盤からは一瞬でフォームチェンジするようになっていったが)。
また、スーツにマジョーラが使われた事でツヤが出ており、S.H.Figuarts 真骨頂製法のように、立体化される際には成型色や塗装を変更して小野寺版としてリリースされる事もある。
なお、効果音については以降のクウガモチーフのレジェンドライダーアイテムの玩具にも流用されている。



ユウスケ「士、追記・修正よろしく!」
士「お前がやれよ…」

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 平成ライダー
  • 仮面ライダーディケイド
  • 仮面ライダークウガ
  • 仮面ライダー
  • クウガ
  • ディケイド
  • 小野寺ユウスケ
  • ガードベント
  • 士のガードベント←ガイ「…ジー」
  • 村井良大
  • アンチクロックアップ
  • 制限時間無し
  • 黒目
  • 伊藤教人
  • 富永研司
  • 最も邪悪なライダー
  • 究極の闇
  • リ・イマジネーション
  • 不遇
  • 仮面ライダークウキ
  • クウガの世界
  • ライジングアルティメット

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2024年02月21日 01:09

*1 『クウガ』でプロデューサーを務めた高寺成紀氏が「アメイジングマイティのスーツはグローイングフォームの改造」と明かしているため、恐らく当時のスーツが現存していなかったための処置と思われる

*2 ただし、没設定では「近~中距離の連射モードと遠距離の狙撃モードを切り替える戦い方を想定していた」とされるため、ある意味では没設定を拾ったともとれる。

*3 特撮作品の劇中の演出における。なお、この形態やアクセルフォームのように時間制限付きのフォームが実際の時間よりも長く戦っている事はわりとよくある事である。

*4 ネット上ではよく「『ライジングフォームはアルティメットフォームの力の一端』だから、ライジングアルティメットは設定が矛盾している」という声が上がるが、実際のところはその設定が掲載された公式出典が不明で推測の域を出ないのが現状である。

*5 小夜の意思を伝える道具としても運用可能。

*6 DX玩具版基準及び『ディケイド』関連の変身音を流せるバージョン。