バーニングゴジラ

登録日:2019/09/21 Sat 21:45:21
更新日:2023/11/24 Fri 21:48:48
所要時間:約 8 分で読めます




あれは!?

(リュウ)だ!赤い(リュウ)だ!

画像出展:映画『ゴジラVSデストロイア』(1995)
製作・配給:東宝株式会社

(※推奨BGM:メインタイトル・香港破壊)

バーニングゴジラとは1995年公開のゴジラシリーズ第22作『ゴジラVSデストロイア』に登場するゴジラの俗称。

赤く発光する衝撃的なビジュアル、かつてゴジラを葬った兵器の力すら退ける圧倒的強さ、なにより感情移入を誘う場面で観客にその存在を強く印象づけたゴジラである。

●目次


【劇中での描写】


住処にしていたバース島が突如地下の天然ウランと熱水により消失。

体内に原子炉を持つにも拘わらず「体温が低い」ゴジラは大量の放射能を浴びたことで体内炉心が暴走し、その身体は至るところが炎のように赤く染まる

中国・香港を蹂躙したゴジラ自身もやはり苦しんでいるようで、鳴き声には呻きのようなものが混ざる。やはり排熱機関である背びれが一番異常を来していたのだろう。遠い雷鳴のような「ゴロゴロ」という音だった発光音も、空吹かしするような「ガリガリ」という音に変わっていた。

起きてしまえば「大気圏に火が点き、地球滅亡は確実」*1という「核爆発を起こしてもおかしくない」状態で四国の発電所へ向かうゴジラに自衛隊のスーパーXⅢが対峙。

体内の核分裂反応による体温の上昇自体はスーパーXⅢのカドミウム弾と冷凍弾により落ち着きを見せる。核爆発の可能性こそ鎮静化したものの、高温となった核物質の反応を止める事はもはや不可能でありこの作品で知ったちびっ子も少なくないメルトダウンで地球に穴を空ける可能性が判明

そんな状態で有明に上陸したゴジラは同族と再会。
しかし、それを邪魔したばかりか、唯一の同族を奪った相手への怒りに突き動かされるかのように行われた攻撃で、ついに体内の融合炉が臨界点を突破。

今のゴジラには、オキジジェン・デストロイヤーでさえ無力なのか……。

死闘の末に臆したか、本来熱に耐性をもつデストロイアが怖気付いて逃亡を図るが、これを自衛隊が撃墜。

自衛隊の冷凍兵器による集中攻撃でメルトダウンこそ免れたが、肉体の融解を止める事は出来ず、ゴジラは骨すら残さず消えていった。


ゴジラが…東京を死の街にして溶けていく……。

これが私達の償いなの…?

科学、核を弄んだ私達人類の……。

しかし急低下する放射能濃度に、「何か」に気付く小沢芽留。

そして濃霧の奥に蠢く巨大な影は、己の命を誇示するかのように咆哮をあげるのだった……。


【技・能力】

  • ◆バーニング熱線
デストロイアとも互角以上に渡り合った赤色熱線。

当たり前のように使用しているが、この赤い熱線はラドンと融合して放った「ウラニウム放射熱線」や、宇宙エネルギーを吸収した「バーンスパイラル熱線」のような「トドメに放つ超大技」を遥かに凌いでおり、核分裂が続く限り威力が無限に上昇し続けるチート特性を持つ*2

これを2発耐えるダイヤモンドコーティングが施されたスーパーXⅢのパイロットが「予想以上にパワーアップしています!」と言っているので、通常熱線はデストロイアに効かなかったかもしれない。

  • ◆体内放射
背鰭から後方に放たれる巨大なエネルギー波。
メルトダウン寸前には従来よりも攻撃範囲が拡大し、余波だけで周囲が爆発炎上する。
熱線との併用によりデストロイアに強力なダメージを与えた

ただでさえ強力なゴジラの細胞が異様に活性化。
オキシジェン・デストロイヤー・レイやヴァリアブル・スライサーなどでゴジラの胴体を斬り裂いても、瞬時に再生する
この怪獣王 自分が斬られたことに気づいてすらいない 切断面が元通りピッタリと接合している

  • ◆エネルギー付与
かつてモスラバトラに与えたような、生命エネルギー。
致命傷を負ったジュニアに赤いエネルギーを吸収させようとするが、最も助けたい命を救う事は出来ず、声にならない声と熱線ですらないエネルギーを吐き出し、悶絶。
その直後、己が生命を誇るかの如くに戻ってきたデストロイアに向けて、死を賭しての攻撃を開始する

  • ◆ハイパーバーニング熱線/インフィニット熱線
怪獣や人類の力を借りないゴジラが放つ最強クラスの熱線。

体内温度を急上昇させたことで背びれが融解(メルトダウン)。無限に上昇し続けるその熱量で太さも倍化し、オレンジがかった熱線の発射時にはその余波だけで周辺ビル群までもを焼き払う。

ジュニアの仇を打つべく、暴走を加速させたフシすらあるこの熱線は一撃で不死身に近いデストロイアの顔の右半分近くを吹き飛ばす尋常ではない威力を誇る

【その他・バーニングゴジラっぽい何か】


GODZILLA3部作



画像出展:映画『GODZILLA 決戦機動増殖都市』(2018)
製作・配給:ポリゴン・ピクチュアズ/東宝株式会社/東宝映像事業部

「アニゴジ」こと本3部作に登場するゴジラ・アースが第2部『決戦機動増殖都市』及び第3作目『星を喰う者』で見せた姿。
特定の呼称はないが、第2部Blu-ray コレクターズ・エディション封入特典の特製ブックレット内のインタビューでは「赤熱ゴジラ」
TCGのヴァイスシュバルツにおいては「"緋色に染まる"ゴジラ・アース」と称されている。

人類の策でメカゴジラ・シティに誘導され、以前に人類が分裂体であるゴジラ・フィリウスを葬ったのと同様の作戦で自身の電磁波エネルギーで生成されるシールドを失い、
そこへEMPハープーンを撃ち込まれて体内で電磁波エネルギーが暴走、爆発を起こして一度は沈黙したかに見えたゴジラ・アースだったが、
再び目を覚まし、分子制御によって自らを高熱化させ周囲を焼き払うという新たな攻撃法を会得。
この時、熱源となる体内のコアから発せられる赤い光が漏れ出している。
5000度をも超える高熱の前にEMPハープーンは融解、更に人類側が接近出来ず、攻めあぐねる間にシールドも復活。
そしてこれまでのお返しとばかりに熱線(色は青白のまま)を放ち、メカゴジラ・シティを完全に焼き尽くした。

第3部では、自身に喰らいついたギドラをこの技で焼き払おうとしたが、別次元から一方的に干渉してくるギドラには通用しなかった。


ゴジラ キング・オブ・モンスターズ




ゴジラVSスペースゴジラ


ゴジラがエネルギーを放出してんだぞ!どうなるか分かるだろ!

エネルギー過多になれば、スペースゴジラは爆発するでしょうね!
『VSデストロイア』の前作のクライマックスにおいて、ゴジラではなくスペースゴジラの方が爆発寸前に赤く光っていた。
『VSデストロイア』のゴジラの行く末を暗示するかのようだが、このときは強化は見られず、見るからに衰弱していた。
直前までゴジラは結晶体と福岡タワーを壊してエネルギー供給を断とうとしていたはずなのだが


ゴジラ 怪獣大決戦(スーパーファミコン)

その『VSスぺゴジ』と同時期に発売されたゲーム。全キャラ共通で闘争本能のゲージを持ち、満タンになると怒号状態となって赤く点滅する。
メリットとしては攻撃力が上がり超必殺技が使用可能になる事で、デメリットとしては気絶しやすくなる事。


【余談】

見た目からもその力強さや驚異的な雰囲気が文字通り火を見るよりも明らかなバーニングゴジラだが、
撮影用の着ぐるみは実際に全身から蒸気を吹き出したり赤く発光するギミックを備えていた為、
まさかのスーツの重量100kg超え、発光ギミックの所為で物凄く暑く、中の酸素濃度も驚くほど薄かったというとんでもない代物であった。

炭酸ガスギミックの危険性が分かったのは、なんと プールでの撮影中に失神転倒した為 だという。
「前作と同じサイズのプールだったら救助が間に合わなかったかもしれない」という恐ろしい証言まで為されている。

このためボンベを着用して撮影を行うことになったが、吸入用のチューブが着ぐるみの中から浮き出ないよう、顔を斜めにしていたとのこと。
あまりの重装備ゆえにスーアクの薩摩剣八郎氏もマトモに動けなかったと語っている。
完成映像は電飾のケーブル類を建物で誤魔化し、どうしても映る部分は映像処理で消し、撮影したゴジラを倍速で再生して誤魔化している。

その他にもどこかが漏電しているのか触れると電気ショックを感じたとか……

恐らく、怪獣映画どころか今まで世に出た着ぐるみで最も過酷で大掛かりなスーツと言っても過言では無いレベルである。
つまり、瀕死のゴジラの戦いを演じている薩摩剣八郎氏も冗談抜きの命懸けでゴジラを演じていたとも言える……。
マジでお疲れ様です!

また、バーニングゴジラの着ぐるみは映画ラストのゴジラジュニアのシーンを撮影する時、色が出たので赤い部分を黒く塗りつぶされた。
その為、バーニングゴジラの着ぐるみはバーニングゴジラとしては事実上映画完成前に消滅してしまった。




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最終更新:2023年11月24日 21:48

*1 某一兆度の炎についての科学的考察と同じで、常識外れの高熱と夥しい放射線により大気を構成する元素すら連鎖的に破壊されて、地球規模の核爆発が起きるということなのだろう。

*2 そこまで上昇するまでにゴジラの肉体が耐えられず爆発する。

*3 ちなみにデスゴジの玩具には「ヒートウォークゴジラ」という商品名のものがあったりするのだが…。