この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる

登録日:2019/10/21 (月) 00:07:52
更新日:2024/04/22 Mon 21:30:34
所要時間:約 6 分で読めます






鎧を三つ貰おう。着る用。スペア。そしてスペアが無くなった時のスペアだ。




出典:TVアニメ「慎重勇者」公式サイト、19年10月20日閲覧、http://shincho-yusha.jp/
(C)土日月・とよた瑣織/KADOKAWA/慎重勇者製作委員会



■概要

『この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる』とは『カクヨム』で連載している小説。
カドカワBOOKSから書籍化もされており、こちらは既刊6巻。
著者は土日月、イラストは『伝説の勇者の伝説』のとよた瑣織が担当。

一見するとよくある最強モノのパロディだが背景はハードで
作者曰く前半がギャグパート、後半がシリアスパートの作風である。

カクヨム初となるアニメ化が決定。
書籍化およびコミカライズでは原題そのままだったが、『慎重勇者~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~』と改題され、19年10月から1クール放映。
作画も動画も良かったのだがEDが未完成のまま放送というのを不安視されていたが、
やっぱり3話が放送延期してしまい2話が再放送された。聖哉「何故2話のあと3話が来ると思ったのか」
これについて「アニメスタッフも慎重すぎる」という声が相次いだ。
そして、まさかの第10話も放送延期される。聖哉「最終決戦前に準備を整えるのは当たり前だろう」
19年冬アニメは総集編を挿入するアニメが多く、年末に間に合わないものが多かったが、なんとかこのアニメは年末に押し込んで放送が終了した。

アニメ放送終了後原作は4章に突入したのだが20年11月の更新を最後に連載が止まっていた。
そしてそれから4年経過した24年3月から更新が再開された。
またこの更新再開を機に原作版のタイトルをアニメと同じ『慎重勇者~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる~』に改題している。

■あらすじ

超ハードモードな世界の救済を担当することになった駄女神リスタ。
彼女が召喚した勇者・聖哉は、抜群のステータスだが、ありえないくらい慎重で!?

スライム相手に塵ひとつ残さぬ火力で挑む勇者の冒険譚、開幕!

(公式より引用)

■主な登場人物

CV:梅原裕一郎
レディ・パーフェクトリー(準備は完全に整った)

主人公。リスタが召喚した慎重勇者。ゴブリンスレイヤーの異名は持っていない。
イケメンで高身長で、頭もステータスもスキルも一級品というハイスペックな勇者だが、ありえないくらい慎重。
レベル差がハッキリしているのにスライム相手に本気で攻撃し、遺体の処分にこそ全力を注ぐ、
外出の際に玄関の鍵を掛けた後、本当に閉まっているか確かめる為にドアを三十回ほど引いてから出掛ける……
そんな男である。
もはや病気とか超狂戦士とか言われるレベル。
しかし、本人も知らないがこの性格は生まれつきのものではなく、後天的になってしまったもの。その理由とは……?

「統一神界は人間界よりも時間の流れが1/100と極端に遅い」性質を利用し、
「救済対象の異世界の中で活動する」他の勇者と違いしょっちゅう統一神界に来ては鍛錬を繰り返している。
そしてそのスペックの高さであっという間*1に大幅強化を達成する様は正に俺TUEEEキャラ。
また思考や判断の方向性、観察眼は勇者として的確で、娯楽や寄り道には一切興味を示さない、
事態の解決に全力を注ぐストイックなキャラでもある。
一見過剰な慎重さや努力も難度S級と称されるゲアブランデでは結果的には妥当だったりもする。
取り越し苦労に終わることも珍しくないが


あと召喚直後にリスタルテへ「得体の知れない珍妙な者」と言うわ、
イシスターの立場を知ってなお「ババア」と言うわ、とこちらもありえないくらいに思ったことをそのまま口にする毒舌家。
てかかなーり性格は悪い。

CV:豊崎愛生
本作のヒロイン。通称「リスタ」。生まれて100年程度の新米女神。治癒を司る。Fカップ(自己申告、なお書籍版だとDに縮小…)。
今まで5回ほどしか世界を救世していないが、難度S級の世界を救世する仕事を与えられる。
しかし召喚した勇者はS級世界を救世するに相応しいものの、慎重すぎる勇者だった。

アホでドジで天然な一面があり、勇者の足をよく引っ張るが一応本作のツッコミ&常識人枠。
その性格と何だかんだで聖哉が俺TUEEEなのでザコの掃討も偵察含む情報収集もこなしてしまい、
おまけに慎重すぎるがゆえに聖哉が負傷することはまず無いので治癒能力が活躍する場面は少なく、
旅の中では統一神界へのゲートを開く移動可能なポータル扱いの場面も多い。あと飯炊き。

ちなみに本作は彼女の一人称で進む。
いろんな意味でワトソン君みたいなポジション。

アニメではどこぞの駄女神のごとき顔芸を度々披露する。


神々

後述するように登場する神々は三柱の最高神を除き統一神界と呼ばれる世界に住んでいる。
ステータスの強化やスキル追加を求める聖哉に協力し、稽古をつける……が、揃いも揃ってキャラが濃い。
そして聖哉の俺TUEEEに振り回されるある意味犠牲者や共謀者。

  • アリアドア
CV:山村響
リスタが生まれた時から面倒を見てくれる優しい女神。リスタルテ曰く推定Gカップ。
上のテイザービジュアルだと中段に並んでる四人の中央右。
封印の神ではあるが、封印するより誰かに掛かっている封印を解く方が得意。潜在能力解放とかしてくれる。
長年生きているだけに300もの世界を救ってきたベテランで、救世に失敗して滅ぼしてしまった世界は一つだけ。
またリスタルテと面識や交友の無い神々を聖哉に紹介してくれる。
何故か聖哉を知っているような素振りを見せるが……。

  • セルセウス
CV:斧アツシ
日々剣の練習をしている剣神。
格下と見た相手にはよく調子に乗るオッサン。
聖哉の剣の修行相手に選ばれたのだが、彼にあっさり力を追い越され、訓練という名のイジメに遭わされた結果、剣神なのに剣を見るのも嫌になる
その後は趣味のケーキ作りに精を出し、カフェをオープンする
そのありえない落ちぶれぶりにより、聖哉に軽んじられるだけでなくもはやリスタ他にも憐憫の目でしか見られないかわいそうな神。

  • アデネラ
CV:井澤詩織
ボサボサの髪とボロボロの衣服をした軍神。滑舌の悪い病み属性。
上のテイザービジュアルだと中段に並んでる四人の左端。
奥義『連撃剣』をすぐに自分のものにした聖哉に惚れてしまう。
本気を出せればSS級の魔王に匹敵する。

  • ミティス
CV:三石琴乃
『神緑の森』に住んでいる弓の女神。
上のテイザービジュアルだと中段に並んでる四人の右端。
白い髪を腰まで伸ばした清楚な女性……に見えるが実はド淫乱。
召喚した、または召喚された勇者を片っ端から性的に食ってしまうため(つまり間接的に世界を滅ぼした)、罰として神緑の森に隔離されている。

  • ヴァルキュレ
CV:ファイルーズあい
ボーイッシュな美形で鎖を巻きつけた破壊の女神。破壊術式の使い手で、リスタ曰く「神界最強」。
上のテイザービジュアルだと中段に並んでる四人の中央左。
絵を趣味とする一方で豪放で気が強く、おまけにリスタルテの胸を揉みたがるセクハラ魔。

  • イシスター
CV:潘恵子
統一神界を治めている大女神。
千里眼と予知能力を持ち、人間界や神界のことを見守っている。
アニメだと炉端にいるおばあちゃん。

かつては地上を邪悪から守るべく戦いの女神として活躍したことがあり、当時の部下には「セイヤ」という名の少年もいた。



ゲアブランデの住民

  • マッシュ
CV:河西健吾
竜族の血をひく少年の戦士。勇者一行の荷物持ちその1。
当初は聖哉を嫌っていたが、彼に助けられてからは弟子になる事を決める。

  • エルル
CV:古賀葵
竜族の血をひく少女。魔法使い。勇者一行の荷物持ちその2。マッシュの幼なじみ。
自分に唯一できることだからと炎魔法を覚えているが、実はその才能もない。

  • リヴァイエ
CV:勝生真沙子
竜族の地を治める竜王母。

  • ロザリー=ロズガルド
CV:花守ゆみり
ロズガルド帝国の皇女。
聖哉とは正反対の「ガンガン行こうぜ!」タイプなため、彼を怒らせる。

  • ウォルクス=ロズガルド
CV:金尾哲夫/木村珠莉
ロザリーの父親でロズガルド帝国の皇帝。
老齢ながらも勇者を除きゲアブランデ最強の戦士と呼ばれ、「戦帝」の異名を持つ。レベルは90、ステータスも四天王最強に迫るほど。
しかし既に高齢で認知症を患っており、発症すると幼児退行とお漏らしが止まらなくなってしまうため、帝都から出てこられない。
アニメではいくらなんでも見るに堪えない等の問題からか、精神だけ幼児になるのではなく正真正銘の幼児になってしまう設定に変更された。

+ 実は……
聖哉達と会う前に魔王討伐に赴くも敗北、そして懐柔されていた。
そしてチェイン・ディストラクションを誘発する武器ゴッドイーターと魔人化(CV:小野友樹)をもたらす魔神の霊玉を授けられ、聖哉とリスタルテの暗殺を目論む。

ゲアブランデの魔王軍

リヴァイエによるとゲアブランデのおよそ七割を掌握している。

  • ケオス・マキナ
CV:たかはし智秋
魔王軍の四天王の一人。
女性型だが変身するごとにステータスが大幅に上がり、最終形態ではDクラスの魔王に匹敵する。
魔王が勇者召喚の気配を察し、最初の村を襲うように指示される。
「魔王軍が最初から本腰入れて勇者を殺せばいいのに」というお約束ツッコミを実践してくるという、難度S世界の所以を最初に感じさせる役。

  • デスマグラ
CV:うえだゆうじ
魔王軍の四天王の一人。
魔物の使役や改造の名手で、アンデッドの一万の大群を差し向ける。

  • キルカプル
CV:上別府仁資
魔王軍の四天王の一人。
モンスターでありながら人間と共存しているドワーフ族だが、普通に魔王に仕えている召喚術師。
道具屋に成りすましていたが、イザレの村の住民と妻子、
そして自分の命を捧げる事で名実ともに規格外の死神クロスド=タナトゥスを召喚する。

  • ベル=ブブ
CV:山本兼平
蝿型のモンスター。勇者を殺して四天王に成り上がろうとしている。
別に四天王ではないはずなのに、ステータスはケオス・マキナの最終形態を上回り、
特に素早さは聖哉のカンストした素早さの値の約2倍の40万という驚異的な値を誇る。
さらに持ち前の翅を使い空中を高速で動き回るので捕らえるのは難しい。しかも頭も回る。
攻撃方法は敵に高速で接近し捕獲、そのまま上空に運んで落下させ、大地に逆花火を咲かせるエゲツない方法。

  • イライザ=カイゼル
CV:土田大
魔王軍の四天王の一人。
ステータスが全体的に高い最強の四天王。
……なのだが、何故か聖哉とは関係ない所で勝手に死んでいるため、聖哉と戦った事がない。

  • 魔王ゼノスロード
CV:藤原啓治
ゲアブランデの魔王。
難度S級の魔王の肩書きに違わず、ステータスが高いうえに驚異的な生命力を誇る。
さらには勇者と女神の天敵たる魔道具チェイン・ディストラクションを完成させ、魔王城に張り巡らせている。
その生命力故に聖剣イグザシオン以外の攻撃では致命傷を与える事が出来ず、
ゼノスロードの攻撃はアダマンタイマイで出来た伝説の鎧でしか、まともに防ぐことは出来ない。
聖哉は諸事情でイグザシオンを入手できず、キルカプルによって伝説の鎧が壊されたので絶体絶命のピンチになったが……。
ちなみに1章のボスだがゲアブランデでは「魔王」で通じるのでそうとしか呼ばれず、本名が分かったのは3章になってからだった。


■用語

最奥神界と統一神界という天界に住んでいる。
最奥神界には三千世界を創造した創造の神ブラーフマ、
理の神ネメシィル、時の神クロノアの三柱が住み、彼らの子である一般の神が統一神界に住む。
最奥神界を統べるのはブラーフマ、統一神界がイシスターが治める。

神にも生まれに二種類あり、一つは神として統一神界に生まれる者と、生前善行を積んだ者が神として転生するというもの。
後者は人間から神に転生する際に記憶が失われる*2ので、神も基本的に自分がどちらかなのかは知らない。
イシスターのみ誕生の経緯を知っており、神々は何かのきっかけで彼女から教えてもらう。

人間を遥かに凌ぐ力を持つが、イシスターに『神界特別措置法施行(オーダー)』を願い出なくては本来の力を出せない。
そのうえ人間界に行けばさらに力を制限されるので、人間界にいる時の神は弱体化に弱体化された状態となる。

彼らの体に宿る魂は仮の魂(アストラルソウル)で本当の魂(ディバインソウル)があるのは、
『時の停止した部屋』という場所にあり、このため肉体に大ダメージを負っても神界に帰るだけで死ぬことはない。
しかし仮の魂を壊せば連鎖的に本当の魂までも壊してしまう魔導具『チェイン・ディストラクション』のように、本当の魂が壊されれば死んでしまう。
ゆえにそういった作用を持つ魔道具は神と勇者の天敵である。

なお人間との恋愛及び性行為は禁止事項であり、破った勇者は元の世界へ強制送還される。神も罰を受ける。

  • 勇者
窮地に陥った世界を救うため神が召喚する選ばれし者。
一つの世界に勇者召喚は一回のみで、何人も送り込めないし失敗=世界の滅びである。
彼らのステータスやスキルは送り込まれる世界によって微妙に異なる。
送り込まれた先で死んでも元の世界に帰るだけ。そして記憶を消されその世界へは行くことは出来なくなる。
これは勇者の魂も仮の魂で本来の魂が元の世界にあるからであり、『チェイン・ディストラクション』で殺されてしまえば、勇者も元の世界へ戻れず死ぬ。
ちなみに世界を救ってもステータスと記憶はリセットされる。

神による勇者召喚と言えばチート特典をもらう展開がお馴染みだが、本作ではそんな特典は一切もらえない。
あくまでも勇者は生まれ持った才能と努力で世界を救世しなくてはならない。
一応神も現地についていくことが特典といえばそうだが、その神がサポート向きならともかく、
なかには『ボールペン習字の神』という、それどう冒険をサポートするの?な神もいるので、当たりはずれが激しい。リスタルテはああ見えて当たりの部類である。

ちなみに「異世界モノの人気や普及で召喚した神々の意図が理解されやすい」という理由から、勇者は日本人ないし日本在住者の中から選ぶのが定番パターン。
別にそれ以外から選んでも構わないのだが、リスタルテ曰く「(日本人以外だと)システムを理解して貰うのに丸一ヶ月ほど掛かった」とのこと。

  • 魔王
世界を闇に包もうとする魔物。
難度S級の魔王ともなると上位の神の全力に匹敵するステータスを持つ。
魔王が勇者を倒すと邪神から力を与えられステータスが向上する。
劇中ではB級の魔王がSS級の魔王へとパワーアップしており、こうなると直接干渉できない神々は滅びた世界として放置するしかなくなる。




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最終更新:2024年04月22日 21:30
添付ファイル

*1 数年はかかると言われた修行を数日程度でこなす。それを統一神界でやっているのでゲアブランデから見ると数分~数時間

*2 もっとも人間時代の経験などの中で「魂深くに刻まれたもの」が何らかのきっかけで表に出ることはある