サンリオ

登録日:2020/10/29 Ttu 22:13:00
更新日:2023/12/07 Thu 17:35:32
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【概要】

株式会社サンリオ(以下「サンリオ」という)とは、自社で開発されたキャラクター事業を展開する日本の大企業の一つ。
ハローキティやポムポムプリン、シナモロールなど数え切れないほどの誰もが知るキュートなキャラクターを世に送り出しており、日本のみならず海外でもその人気と知名度は高い。
アニヲタ民も、自分の姉妹やクラスの気になるあの子がサンリオのグッズを使っていた記憶はないだろうか。
あるいは子供のころに大好きなサンリオのキャラクターがいたという人もいるかもしれない。
また、自社のキャラを使った映像、飲食、出版など幅広い事業も手掛けている。特にテーマパーク事業であるサンリオピューロランドは、サンリオの全てが詰まったテーマパークとなっており、同社のキャラクターが好きな人にはたまらない空間だろう。
なお、あまり知られていないが自社キャラのみならずスヌーピーといった他社コンテンツの関連グッズも販売している。

2023年8月現在の本社及び本店の所在地は、東京都品川区大崎一丁目。


【沿革】

辻信太郎氏が山梨県で山梨シルクセンターを株式会社化したのが全ての始まり。
当初は当時の社名の通り絹製品を販売する会社で、ファンシーなキャラクターを展開する今の事業と比べたらまさに180度も違う。
しかしその事業は早々に失敗したため、すぐさま小物雑貨の販売事業に方向転換した。
その後、花柄のゴム草履のヒットにより「きれいでかわいいイラストを付けると売れ行きが大きく伸びる」ことに気付いた辻氏は、キャラクター商品の開発に乗り出す。

本格的な方向転換をしてからしばらくは、水森亜土、やなせたかしなどの様々なイラストレーターにイラストを提供してもらいキャラクター商品の販売を行っていた。
だが、やがて自社の社員がキャラクターの開発を手掛け、そこからキャラクターをあしらった商品の販売を行っていく方針を取るようになった。
そして1973年に現在の「サンリオ」へと名称変更し、本社も山梨県から東京都品川区五反田(当時)へと移した。
社名はスペイン語で「聖なる川」を意味する「san rio」に由来し「文明とはいつも川辺から発祥するものなので文明を興す会社になるよう」名付けたという。
なお当初は「山梨」を音読みした「サンリ」に語呂合わせで「オ」を付けたものとしていたこともある。
しかし後に「山梨の王を目指しサンリオと名づけた」とする説はガセとされ、サンリオからは直々に否定されている。

そして、自社社員がキャラクターの開発を行うようになってたったの1年で、サンリオの顔であり今や「カワイイ」の象徴的存在といっても過言ではないキャラクター、ハローキティを誕生させる。
しかも、ハローキティを誕生させた翌年の1975年にはマイメロディ、リトルツインスターズという現在でも根強い人気を持つキャラクター達が次々と産声を上げた。
その後も以下の通り、後述のサンリオ大賞でも今なお高順位を獲得しているほどの人気を持つキャラクターたちを続々と生み出してきた。


1970年代

ハローキティ
マイメロディ
リトルツインスターズ
タキシードサム

1980年代

ハンギョドン
けろけろけろっぴ
あひるのペックル
ポチャッコ

1990年代

バッドばつ丸
ポムポムプリン
ディアダニエル 

2000年代

シナモロール
クロミ
チャーミーキティ
マイスイートピアノ
ジュエルペット

2010年代

SHOW BY ROCK!!
KIRIMIちゃん
ぐでたま
リルリルフェアリル
アグレッシブ烈子
ミュークルドリーミー


そしてもちろん現在でも毎年のように新たなキャラクターを生み出している。
近年はぐでたま(生卵)やKIRIMIちゃん(焼き鮭)のように、身近だがモチーフにされにくいものをあえて使ったキャラクターや、『SHOW BY ROCK!!』のキャラクターやデビルミント鬼龍などサンリオらしくないキャラクターも誕生しており、これにはサンリオのファンもそうでない人も驚かされたことだろう。
今後どのようなキャラクターが誕生するのか楽しみなところ。


【主なサンリオキャラクター】

・ハローキティ
フルネームはキティ・ホワイト。1974年11月1日、イギリスはロンドン郊外の生まれで体重はリンゴ3個分……そんなプロフィールを持つ、あまりにも有名なサンリオの顔。
夢の国の王様があのネズミなら、我らがハローキティはサンリオの女王様といったところか。
両親や双子の妹のミミィ、彼氏のダニエルくんもいるよ。

日本国外での人気度はサンリオキャラクターでは1番といっていいほどで、アメリカの歌手レディー・ガガをはじめ著名人にもファンが多数おり、他のサンリオキャラを差し置いてちゃっかりとユニバーサル・スタジオ・ジャパンのキャラクターとして添えられている。
特に熱烈なキティ好きは「キティラー」と呼ばれることも。覇王鬼帝?なんのことかね?
数え切れないほど様々な外部コンテンツとのコラボを果たしており、お土産屋さんでよく見かける「ご当地キティ」などなど枚挙に暇がない。
また2018年にはユーチューバーデビューも果たした。この世の全てとコラボする気なのか。

ただ、今の人気ぶりからは信じられないが、1977年ごろに一次ブームが起きるも、70年代末期から80年代初頭にかけて人気が低迷し長らく下積み時代を強いられていたことがあった。
この時期は3代目デザイナー・山口裕子氏曰く「何をやってもキキララと比較された」上に、顧客からも「誰その白い猫?」などと言われてしまっていたほどだったとか。
色味が強めで主線の太い絵柄ゆえに無機質な印象が強く、服装やポーズがワンパターンなどデザイン上の要因が大きかったようだ。
しかし「キティをサンリオで一番売れるキャラクターに育て上げる」という目標の下、顧客リサーチと意見の反映を徹底した山口氏の尽力が功を奏すると共に、関連キャラクター「タイニーチャム」の大ヒットによってキティ人気も息を吹き返して急速にキャラ人気が向上。
90年代初頭の第3次キティブームを経て、サンリオ代表キャラクターの筆頭格に上り詰め、今に至る人気を不動のものとしたという経緯がある。

なおネットでは、「キティちゃん」より「キティさん」と、何故か「さん」付けで呼ばれることが多い。
また、あらゆる物事とコラボを展開しているからか「キティさんは仕事を選ばない」などとよくネタにされているが、本人は自身のチャンネルで「全ての仕事を選んでいる」と反論してそのことを否定している。

「選ばないっていうか〜むしろ全部選んでる。」*1

ちなみにもちろんキティ以外のキャラクターがコラボすることも多いが、2018年の株主総会において、当時のサンリオ社長は「大好きなのに中々売れず無くなってしまいそうなものがあったら、うちに言いなさい。キャラとコラボさせたら売れるから。私は世界中皆が仲良くするためにこの会社を作った」(要約)とその意図について語り、ネットで拡散され反響を呼んだ。*2

サンリオ的には「キャラクター自身が声を発している」というスタンス(要は「キティはキティであり中の人などいない」)なので、担当声優がいること自体を公にしていないが
1990年頃からオーディションを通った林原めぐみがほぼ30年キティの声を専属でやっていた。ちなみに以前は白石冬美氏、次いで小山茉美氏が担当していたが、小山氏がピューロランド開園前後に渡米し休業していた為、新たなキャストのオーディションを行った末林原に引き継がれる。
というのは、伏せていながらも以前発売されていたビデオソフトにちゃっかりクレジットされていたりするなど公然の事実で、キティ誕生50周年を期に声優の交代が決まり卒業となった林原氏もブログで改めて明らかにした。サンリオのYouTubeチャンネルで質問企画をやった際には中の人ネタを堂々とやっている。なお、林原氏の降板に際してその質問企画を含めた多数の動画が非公開となってしまった。

・マイメロディ
ハローキティの翌年に誕生した、ピンクの頭巾を被ったウサギ
元は『赤ずきん』をモチーフとしたキャラクターとして作られており名称も決まっていなかったが、1976年にマイメロディと命名された。
デビュー当初はモチーフ通りの真っ赤な頭巾が印象的だったが、デザインの変遷により、ピンク色の頭巾が主流となった。また、初期は立ち耳だったが最近は耳が垂れていることも多い。

テレビ東京で放送されたアニメ『おねがいマイメロディシリーズ』でアニメ化もされた。
……だが、同作はサンリオとして、子供向け番組としてこれでいいのかと言いたくなるほどあまりのカオスっぷりを見せつけた。
肝心のマイメロディ本人も、悪気のない天然ぶりで周囲を振り回す(ライバル?のクロミがその最たる被害者)という、原作からかけ離れた性格改変がなされているため、ファンからは賛否両論。


・リトルツインスターズ
「キキララ」といったほうがピンとくるかもしれない、青髪の男の子キキとピンク髪の女の子ララの双子の姉弟。
双子星を擬人化しており、サンリオとしては初めて人をイメージしたキャラクターである。ちなみに初期は髪色が茶色と大人しめなものだった。

直訳したら「小さな双子星」ということで小柄なキャラクターというイメージが長らく強かった。
だが近年になって、公表されている身長が「ふたり合わせてお月様と同じくらい」で、月の直径が3474㎞であるため計算上二人の身長は1737㎞と、まさに天文的サイズだと話題になった。
太陽系外縁天体のセドナと同じくらいなので、天体の擬人化キャラクターなら納得のサイズ……と思いきや、サンリオ広報によってこのお月様は現実のではなく、あくまで「リトルツインスターズの世界におけるお月様」であるということが語られた。
実際にイラストではナイトキャップを被った顔のある三日月が登場しており、これのことを言っているらしい。
キキララが二人で乗れる程度の大きさなので実際に「お月様と同じくらい」ということなのだろう。


・けろけろけろっぴ
くりくりお目目がキュートなカエル。3姉弟の真ん中、まあここまではいいとして。カエル泳ぎが苦手でクロールが得意。しかも水中でも呼吸ができるらしい……君、本当にカエルか?*3
カエルつながりでド根性なカエルや『僕のヒーローアカデミア』の梅雨ちゃんとコラボしたことも。
ちなみにピューロランドでの着ぐるみが怖い。なんでカエルなのに前足の方が長いんだ!


・バッドばつ丸
頭が尖った男の子のペンギンをモチーフとしたキャラクター。
当時のサンリオには珍しく、パステルカラーでもなく「良い子」とも言えない、いわゆる「ちょい悪」的なキャラクターだったが、そこがかえって新鮮だったのだ。
サンリオ内での悪役をイメージしたキャラクターで、その名前と天邪鬼な性格はまさに悪役由来。
そうした方向性から没にされかけたが、ファンの人気を得たことでデビューを果たした。
男の子キャラクター(メンバーはけろっぴなど、サンリオ古参男マスコットズ)で結成されたユニット「はぴだんぶい」のリーダーも務めている。


・シナモン
キャラクターコンテンツ『シナモロール』のメインキャラクターな男の子。
誕生日は3月6日。
をモチーフとしているが元々はウサギをモチーフとしており、耳としっぽを犬っぽく変えて今のようになった。モカやカプチーノなど様々な仲間たちがいる。
2017年には、品川区の観光大使に任命された。
人気も高く、サンリオキャラクター大賞では常に上位にランクインしており、2015年の第30回から8連続でベスト3になっている。2022年で誕生20周年を迎えた。
ネット上ではやたらいじめられることで有名だったが、公式Twitterアカウントが言及して以降その傾向はなくなった。


・ポムポムプリン
ゴールデンレトリバーとプリンをモチーフにしたキャラクター。
社内で行われた犬キャラクターデザインコンペで最も支持を集めたことにより誕生した。
手下お友達にはハムスターのマフィンやネズミのベーグルなど、チャーミングなおチビちゃんたちが勢ぞろい。
おしりにある×印の穴はチャームポイントで、様々なグッズなどでも後ろ姿のイラストには必ずついている。ズボンをはいていようが×印は浮き出ている
しかし可愛い顔をして趣味の一つに「靴を片方だけ隠す」というなかなかに邪悪なものがある。
まあ犬なのでしゃーない。
あと、そうめんの独り占め。ながすでちゅう!


ジュエルペット
目が宝石でできた動物と宝石を掛け合わせたような不思議な生き物たちの総称。
なんと総勢42種類もおり、モチーフ元の動物は犬、猫、ウサギなどの哺乳類が圧倒的に多い。
『おねがいマイメロディ』シリーズの後釜として長年に渡りテレ東で放送され続けてきたが、シリーズによっては『マイメロ』に劣らないカオスなエピソードもある。


SHOW BY ROCK!!
音楽とバンドをテーマとしたキャラクター郡で、数多くのキャラクターがいる。
このキャラクターは「ミューモン」と呼ばれており、獣人形態と人間形態と2つの姿があるが、後者は普通に深夜アニメに紛れても違和感が無いようなサンリオらしくない見た目となっている。
しかし今までサンリオにあまり興味がなかった層にも支持を拡げており、後述のサンリオ大賞においては早くもトップ10入りを果たしている。


【サンリオキャラクター大賞】

1986年から毎年1回開催されている、全サンリオキャラの人気度を競う投票企画。サンリオの月刊機関紙『いちご新聞』(略称『いち新』)紙上で実施されている。
以前は『いち新』紙上のみで投票が実施されていたが、2010年以降は同紙を持っていなくても携帯電話・パソコン・サンリオショップ店頭から投票できるようになった。
海外からの投票も受け付けており、総合順位とは別に海外順位も発表されるので、どの国や地域でどのような順位になっているか、つまりお国それぞれでの人気ぶりも確認することができる。
ランクインするキャラクターの顔ぶれは、日本とはまるで違うことも珍しくない。例えば日本では近年トップ10入りすら逃しているアヒルのペックルが、香港では1位を獲得し続けているという面白いデータがある。日本と各国の結果を見比べるのも楽しい。

これまでもサンリオファンが推しキャラのために全力を尽くす一大イベントだったが、近年のSNSの発達やキャラクターそれぞれの公式アカウントからの投票の呼び掛け、サンリオキャラのファンの母数が増えたことやネットニュースなどでも大体的に取り上げられるようになったこともあり、様々な要因でその盛り上がりは以前と比べると明らかに大きくなった。
また、サンリオと別企業のキャラとがコラボしたキャラを投票するコラボ部門も誕生した。

なおサンリオのキャラのファンだと公言している有名人も多く、彼・彼女らがサンリオキャラをSNSなどで応援することがよくある。
代表的なところだと、ポムポムプリン推しの元AKB48メンバー・渡辺麻友だろう。
この活動の縁によるものなのか、彼女とポムポムプリンの共演が実現したことも。

なお、サンリオがスヌーピーのグッズを販売していた関係からか、ごく初期にはスヌーピーが高順位で毎年のようにランクインしていた時があった。
現在は自社版権キャラのみでやっていくことになっているためか、ノミネート自体は除外されている。


【テーマパーク】

1990年にサンリオをテーマとした屋内型テーマパークであるサンリオピューロランドを東京都多摩市内に創設。
ショー型アトラクション、ライド型アトラクション、パレード、レストランのメニューなどなどサンリオをテーマとした様々な物が存在しておりまさにサンリオ尽くし。
特にパレード曲の『KAWAII FESTIVAL』は、ヒャダインが手掛けているせいかかなり中毒性の高い曲となっている。
また、姉妹施設として大分県にハーモニーランドがある。


【ゲーム】

サンリオキャラクターのキャラゲーはファミコンの時代から今に至るまで、形やジャンルは様々だがかなりの数がリリースされており、名作から珍作、クソゲーまで多種多様。

中でも有名なのは、ゲームボーイカラー用ソフトサンリオタイムネットという迷ゲームだろう。開発はイマジニア。『ポケモン』全盛期に世に出た、所謂便乗作品である。
微妙にトチったゲームバランス、キャラ崩壊したサンリオキャラたち、アクの強いキャラデザ、『ポケスペ』にも劣らぬハードな作風の漫画版など色々と話題に事欠かず、今なお語り継がれる作品である。
一応登場するモンスターもまたサンリオキャラ扱いキャラではあるものの、当然の如くサンリオ大賞への出場権は無い。まあうんことかいるしね……クソゲーだけにね。


他にも、一時期富士通のPCではサンリオのアプリゲーム『TINY PARK』が無料で遊べた。
今の20代、30代のお兄さんお姉さん方なら「キティちゃんの塗り絵」「ポムポムプリンがスケボーするやつ」と言えば伝わるかもしれない。



追記・修正は、サンリオキャラクターを思い浮かべながらよろしくお願いします!

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最終更新:2023年12月07日 17:35

*1 2023年11月時点で50周年を折りにか動画は削除されている。

*2 そのため、この企業理念に反するような商品(人を傷つける道具になりうる包丁など)や作品(銃火器を扱うFPSゲームなど)はコラボ対象から外している。ガンダムや仮面ライダーはいいのかというツッコミはこの際置いておこう。

*3 カエルは両生類なので肺呼吸で水の中にずっといると溺死する。ただし皮膚呼吸を併用しているので乾くと死ぬ。オタマジャクシは鰓呼吸。