しかし、貴様は童貞なのだろう?(もんむす・くえすと!)

登録日:2021/09/20 Mon 02:16:56
更新日:2024/03/24 Sun 21:04:14
所要時間:約 38 分で読めます





「人間はこんなに汚い連中なのだから、虐げても構わない」
「人間はこれだけ悪辣なのだから滅ぼされても仕方ない――」
「そんな理由を探しに、自分を納得させたかったのだ。」

「しかし、当てが外れてしまったようだな」





注意
本記事には18禁要素が含まれます


【概要】



「しかし、貴様は童貞なのだろう?」とは人気モンスター娘系逆レ同人ゲーム『もんむす・くえすと!』の名言にして迷言であり、人々が驚愕し、我に返り、納得する瞬間である。



【そこに至るまでのあらすじ】



人と魔物が共存できる世界を目指して旅をする少年、勇者ルカ。
そんな彼の動向を見守り、旅に同伴する美女、魔王アリスフィーズ16世。
彼らは今、ついに魔物たちの本拠地、ヘルゴンド大陸へと向かうため、神鳥ガルーダを蘇らせるべくオーブを集めていた。
しかし、神鳥の卵を持っていたのは魔物ではなく人間のテロ組織「イリアスクロイツ」、そしてルカにとって因縁の相手であり、嘗ての父の親友、ラザロであった。

【主な登場人物】



ルカ
「誰も怨まずに立派な勇者になるのよ」という母ルシフィナの遺言を元に勇者を目指す少年。
ただし出発の日に女神の洗礼を受けられなかったがゆえにニセ勇者*1
魔物、それを率いている魔王を倒すのではなく「人間と魔物が分かり合える世界」を目的としている。
ここまでの道中で多くの人や魔物を助け、心身ともに順調に(ニセではあるが)勇者として成長している。

基本的には明るく前向き、お人好しな楽天家だが、かなり暗い生い立ちの持ち主。
彼の父、マルケルスはかつて魔物に脅かされる人間を救うために勇者として旅立ったのだが、いつしか道を間違え、魔物根絶を目指す犯罪組織「イリアスクロイツ」を結成。
人間を苦しめる魔物はおろか、人間に対して有効的で共存を果たしている魔物たちを含めて無差別にテロ行為を繰り返すという愚行を重ねていたが、因果応報と言うべきか、魔物達の報復に合って殺害されたという。
そして母親ルシフィナはイリアスヴィルという村で幼いルカと共に暮らしていたが、流行り病にかかり死去。
幼いルカは母の命を救うため村人たちに助けを求めたが、当時のイリアスヴィルは閉塞的な村社会だったため、よそ者であったルシフィナ達は見捨てられた*2

旅立ちの頃はスライム娘一人追い払うのに全力を尽くすほどのへっぽこ勇者だったが、この時点での彼は成長を重ね、並の人間では遠く及ばない剣の技量を持ちながら、「風・地・水・火」の四精霊との契約を果たしたことで圧倒的な実力を持っており、各魔物種族の頂点であるクイーンクラスの魔物をも下すほど。
しかしその信念ゆえか絶対に殺しを良しとせず、どんな魔物が相手でもアリスから授けられた愛剣「堕剣エンジェルハイロウ」によって封印するにとどめていたのだが……


アリス
現役の魔王にして旅のグルメ。本名アリスフィーズ・フェイタルベルン。
ラミアのような外見をしており、上半身はスタイル抜群の紫肌の美女だが下半身は長い蛇のような尾を持つ。
魔王アリスフィーズとしては16世で、22歳と若い。
歴代の魔王達の中でもトップクラスの実力を持つ最上級妖魔。人前に出る際には騒ぎにならないよう人間の姿へと変身している。

「人と魔物の共存」を掲げるルカに興味を示し「その化けの皮がはがれる瞬間が来るのを見届けてやる」と嘯きながら彼の旅に同行。
「同行はするが協力はしない。他の魔物に屈することがあれば容赦なく見捨てる」という約束の元、魔物との戦いには基本的に力を貸すことはないが、何のかんので彼に対して剣の修業を付けてあげたり、旅の指針にアドバイスをしたりと面倒を見てくれている。旅費は全てルカ持ちだけど。

口癖は「ドアホ」で、魔王らしく誰に対しても尊大な態度。しかし根は真面目で非常に繊細な性格の持ち主。
魔物でありながら人間に対してもフラットな目線で接しており、若いながらに為政者たる魔王としての素質を持つ。
それ故に魔王でありながらルカからも信頼されている。
そんな彼女にもルカと同じく自分を縛るような辛い過去があり……


◇ラザロ
ルカの父、勇者マルケルスのかつての仲間。
ルカが産まれる前にマルケルスと共に魔王を倒す旅をしていたが挫折。魔物達にテロ行為を行うようになってしまう。
マルケルス亡き後のイリアスクロイツを引き継いで犯罪を繰り返していたが、この度その息子、ルカと改めて向き合うことになる。


【詳しい経緯(ネタバレ注意!)】


長い旅の末に4つの精霊を契約を終え、勇者としてさらなる成長を遂げたルカ。
しかし最後の精霊である火の精霊サラマンダーとの契約には骨を折り、重傷を負った所をアリスに運んでもらい、宿に連れられて休むことに。
しかし、その宿屋で眠りについたルカは妙な夢を見た。


目が覚めたルカはアリスに「いつまで寝ぼけているつもりだ」とボヤかれるも、次なる旅の目的について話し合う。
ルカはアリスと呼ばれた魔物の少女が出てくる夢の内容と、目の前にいるアリスについて思う所はあったものの、特に言及はしなかった。
まず第一の目的である四精霊との契約を果たした。
次の目標は四精霊の力を使いこなすこと、そして魔物達の本拠地の魔王城がそびえたつヘルゴンド大陸に向かうこと。
そしてヘルゴンド大陸に行くためには神鳥ガルーダの卵を孵化させる必要があり、そのためには世界中に散らばる6つのオーブを集める必要があること。
ルカたちはこれまでの道中でいくつかのオーブを集めていたため、残るオーブを集めようと町を後にした。


オーブ集めの冒険については中略するが、多くの困難を乗り越え、ついに6つのオーブをすべて集めたルカ。
後はガルーダの卵を孵化させるばかりだったが……神鳥の祠に行っても、そこには卵も何もなかった。


卵の行方をめぐり、精神的な危うさも見せたルカは卵を取り返すべく、それを奪い去ったイリアスクロイツの本部に単身で向かう。

「マルケルスの息子ルカがラザロに会いに来た。」
初代総長である父の名前を出すだけで、本部には意外なほどあっさりと迎え入れられた。
案内された先は地下に作られた大きな広間。

そこいたのは巨大な卵、そしてその卵と向き合う男、総長のラザロだった。


その後、紆余曲折の末にラザロがやられたことを知ったイリアスクロイツの団員は散り散りになった。
元々団員たちはラザロのような信念など持ち合わせておらず、悪事を働きたいだけの者ばかりだったようだ。
これでイリアスクロイツは壊滅。もう無実の魔物達が襲われることはない。
オーブもガルーダの卵も揃った。
ここで目覚めの儀式を行えば、今すぐにでもヘルゴンド大陸に向かうことができる。

先を急ごうとするルカだったが、今の彼の顔は酷く青ざめていた。
精神的に参ってしまっているようだから、少しでいいから休憩しておけ、とアリスは彼を見晴らしのいいところに連れて行き、休ませることにした。


アリスとの対話の末、マルケルスとその仲間達の死にまつわる真実、己がラザロに向けた感情などをめぐる苦悩から立ち直ったルカ。
彼を「その意気だ」と優しく称賛するアリスだったが、余裕の出来たルカもここになって初めて気づく。

今のアリスも、先ほどまでのルカに負けず劣らず鬱々としているのだ。

その理由はすぐにでも思い当たる。イリアスクロイツ本部にて明かされた、アリスが過去のマルケルス一行の仲間を殺した事実。
それをラザロに指摘された時、一瞬ではあるがとても悲痛な顔をしたのを思い出す。

ルカの様子が再び変わったのを感じてか、アリスは今度は自分の胸の内を解き明かす。


ルカは改めて、想いの丈を吐いたアリスに問う。
なぜアリスは魔王なのに世界を回ろうと思ったのか。それは人と共存する道を探していたからなのか。
しかしアリスの答えは逆だった。
アリス個人は母の跡を継いで共存の道を進みたかったが、魔王と言う立場がそれを許さなかった。
人間が魔物を攻撃するならそれを許してはならない。人間との全面戦争をも覚悟した。
そして旅に出て、人間の醜さを目にすることで「人間は共存不可能な滅ぼされてもしょうがない存在」として己を納得させようと思った。
だが実際は違った。
ルカと旅をして、世界にはイリアスクロイツのような人間が多くいる一方で、形はどうあれ、魔物を受け入れる人間がたくさんいた。
これならきっと人と魔物が共存できる世界を成せる。アリスはいつの間にかそう確信するに至った。

「ああ、きっと成せるさ。人と魔物が共存できる世界が。」

「……信じているぞ、貴様を。」

ここにきてアリスとより深く心が通じ合った。自分の信念もより強く深まった。ルカはそう感じた。
自分の理想のためだけではなく、アリスのためにもこの理想を成就させたい、強く決意した。

そしてアリスは改めてルカに問う。
これからルカは魔王城、即ち魔の大陸ヘルゴンドに向かうことになる。それがどれだけ危険なのかを分かっているのかと。
今までとは比較にならない程の危険が待ち受けている、それくらいルカにはわかっていた。
だからこそ覚悟も決めている。


「貴様の旅は、途中で果てることになるかもしれん。」
「しかし、貴様は童貞なのだろう?」
「女の味を知らないまま、力尽きるのはあまりにも不憫――よって、余が女と言うものを教えてやろう。」


いきなり何を言ってるんだこいつは
と先ほどの繊細な会話に心を動かされていた大多数のプレイヤーが困惑するようなセリフがアリスの口から飛び出す。
それに対するルカも「魔姦の禁を破ることになるから絶対ダメだ!」というもっと他に言うべきことがあるだろという言い逃れで逃げようとする。
しかしアリスは再び人間態に変身。
「人間態が相手なら魔姦の禁を気にすることもあるまい」「大陸の魔物達はより強力な性技を使うのだからここで女を知っておくべき」「訓練だと思っていれば余が快楽の世界へと導いてやる」
とあれこれ理由を付けながらもがくルカを押し倒す。
ルカは「だめぇ…やめてぇ……」という先ほどのアリスを慰めていた時の男らしさのかけらもないあひぃワードを言いながら抵抗するが欲情したアリスの魔王の腕力と勢いに敵うはずもなく、そのまま跨られる。
アリスは魔王の正統血統の自分の女性器がどれだけの快楽を男性器に与えるかを「余の魔王まんこ」なるパワーワードで言葉責めを交えつつ解説。
「くくっ……口では抗いながら、ちんぽは大きくなっているではないか」というゲスい竿役ならぬゲスい壺役のようなセリフを吐きながら、抵抗するルカの童貞を奪うのだった――


【解説】


  • ここまで読んで頂いたらわかるように主人公の勇者ルカとヒロインの魔王アリスがラザロと言う共通する因縁を通し、己の胸の内に抱いた心の弱さを晒し合い、今まで以上に絆が強固なものになる……という重要なエピソードで唐突にしんみりした雰囲気をぶち壊す迷言がぶっこまれた後、
    アリスのデザイン担当の健康クロス氏が手掛けた「恍惚としたサディスティックな笑みを浮かべながら騎乗位でルカに跨る人間態アリス」という美麗なエロイラストと共に情事シーンが始まるという大変ありがたいサービスカットが挟まるという感動の涙とハイセンスなギャグとハイクオリティなエロが入り混じった『もんむす・くえすと!』という作品を象徴する欲張りセットな名場面である。

  • 普通にプレイしているプレイヤーはこれまで何度もルカがもんむす達に敗北して童貞を奪われて、飼われたり、吸い殺されたりしてるシーンを数百回は目にしていると思われるが、所謂「正史」においてルカが童貞を奪われたのはこのアリスの一件が初めてであるサキュバス村のレベルドレインのアレは妖しいが
    読んでいて「あれ?見晴らしのいいところで休憩していたはずじゃ?」と思った方もいると思われるが、まさしくその通りで青空を背景にした完全な野外プレイ。
    それも「魔王まんこ」と豪語するだけあって大層具合がいいようで、あっという間に10発以上の射精をした末に精力の限界からその場で寝込んでしまっている。
    色々な意味でルカさんの初体験パネェっす。

  • 「魔姦の禁」という宗教上の理由で魔物であるアリスを拒もうとしたルカだったが、抵抗していたのは最初のうちだけで挿入してからは「中が動いてすごいよぉ…!」などといつも通り情けない台詞を吐きながら快楽に悶えてほぼ無抵抗。
    挙句に「女性の中に、それもアリスの体内に精を注いでしまう悦び――」なるモノローグがあるため、内心はノリノリだった様子。
    アリスはアリスで行為中に「くくっ……ずっと貴様を犯してやりたいと思っていたのだ」という汚い愛の告白までする始末。
    お似合いと言うべきか。

  • アリスの「人間を滅ぼしていいと思える理由を探していた」という描写は前章の序盤の頃に描かれており、出会って間もない頃の傷ついたアリスに対してド畜生な選択肢を取ると「自分は人間にとって恐れられる存在になることを決意した」という旨の発言と共に彼女と敵対することになるのがそれ。
    アリスの決意がどちらに転ぶのかはルカ次第なのである。スライム娘に負けてたらどうなってたんだろうか。

  • 上記のようにかなり唐突に見える濡れ場への突入であるが、アリス自身の心情と、後に彼女が取る選択との符合を考えると、「せめて一度くらいは最愛の相手と繋がりたい」という悲壮な乙女心の表れとも言える。

  • マルケルスを殺害した張本人がラザロというのは上述の通りだが、後のシナリオにおいてはこの一件の実情についてより一層踏み込んだ真相が明かされることとなる。


くくっ、ごちそうさま。
追記・修正も、今晩は満足だ。

まあ……初めてにしては上手くできたようだな。

それ…僕が?

ドアホめ、余のことだ!

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最終更新:2024年03月24日 21:04

*1 ここで言う女神の洗礼とは単なる宗教儀式ではなく、本当に創世の女神イリアスが地上に顕現し、勇者の力を与える儀式のことを指す。洗礼を受けると魔物から精力を狙われなくなるほか、教会から正式に勇者として認定を受け、打倒魔王の為に各町から宿泊料金の割引等のサポートを受けられるようになる

*2 結果的にこの流行り病でイリアスヴィルは村人の大部分が死亡してしまい、大量の移民を受け入れたことで、ルカはむしろ村の中の古参住民となったため、旅立ちの頃にはすっかり村に馴染んでいた