聖クロス女学院物語

登録日:2023/01/25 Wed 00:06:18
更新日:2023/01/28 Sat 12:59:49
所要時間:約 33分で読めます




(セント)クロス女学院物語(ストーリア)はかつて角川つばさ文庫で発刊されていた児童文学。セイクロスではない
カソリック系女子校を舞台にした学園モノ。
作者は仏教系女子校出身の南部くまこ。イラストはKeg*1。既刊3巻。……全3巻ではないと信じたい。
公式的には百合小説ではない(by作者)。

【概要】



お嬢さま学校である「聖クロス女学院」を舞台にした児童文学。
主人公は陽奈という中学一年生。幼稚舎から学院に通っており、中等部に入学したばかり。
そんな時中学受験で入学してきた残念な美少女・花音と出会い様々な事件に巻き込まれることとなる。
中等部だけに伝わる秘密の儀式『デスティーノ』が話の核になっている。
お嬢さま学校ものとしては、お姉さまより同学年の友人たちとの交流がメイン(お姉さまキャラもたくさん登場するが)。

という感じでマリみてのようないかにもなお嬢様学校物語である。
あくまでミッションスクールを舞台とした女子校ストーリア。
別にお嬢さま学校が舞台だからと言って女の子同士の恋愛を描いた百合小説というわけではない。

それはそれとして、南部くまこといえば著作の大半が百合ものの百合小説家。児童文学は本作初挑戦である*2
またアニメイト池袋百合部及び書泉ブックセンター百合部にて本作が紹介されたことがある。
作中でも主人公の陽奈とお姉さまの史織の関係など、ところどころ危ない橋を渡っている。
てか作者がツイッターで登場人物の関係を『恋』とか言い出している。

不穏な要素しか無いが公式的には百合ではない。女子校ストーリアである。
作者が言っているんだから間違いない。この場合作者が一番信用できないは禁句

最近Twitterで将来的には本格的な百合展開にする予定だったことや当時の角川つばさ文庫の区分上公式には百合にできなかったことを仄めかしている。
ちなみに作者が自身の百合作品をまとめて紹介する場合、ほぼ確実に本作も混じっている

ただまあ、本当に百合になる前に打ち切られてしまったというか……。
打ち切りとその後については後述。


【あらすじ】


ここは聖クロス女学院。長い歴史を持つ名門カソリック系お嬢さま学校である。
主人公の松本陽奈は初等部を卒業し中等部に入学したばかりの生徒。
幼稚舎からの親友である青田奈々や憧れのお姉さまである羽藤史織たちに囲まれ、大好きな学院で楽しく過ごしていた。
特に初等部から心待ちにしていた『デスティーノ』に胸躍らせる日々。
そんなある日、眼帯をした謎のクラスメイト青柳花音と出会う。
彼女はオカルトが大好きであり、幼なじみの宮下葵と共にオカルトを研究する部活『神秘倶楽部』をつくろうとしていた。
ひょんなことから花音に気に入られ、強引に神秘倶楽部の勧誘を受けることとなった陽奈。
このことをきっかけにし、陽奈は学院で予想だにしていない体験をしていくことに。


【用語】


◆聖クロス女学院
本作の舞台となる名門カソリック系お嬢様学校。この物語では丘の上にある中等部が話の中心になる。
中身はお手本のようなお嬢さま学校。創立百周年を迎えた歴史ある学校であり校舎は装飾豊かな雰囲気ある建物。
幼稚舎から大学までエスカレーター式になっている。中学からの途中入学も可能でありそちらは「受験組」と呼ばれる。
クラス名は1組や2組ではなく、「エルサレム組」「ベトレヘム組」「ナザレト組」。
教師陣は当然シスターであり、先輩には「さま」をつける。
部活動も盛んであり特に演劇部は宝塚を輩出したことがあるらしい。
一方規則は厳しく、長期休暇の旅行や放課後の立ち寄りには申請が必要になる。
というコテコテのお嬢様学校である。ただし「ごきげんよう」とは言わない。言おうものなら盛大な失笑を食らう。


◆デスティーノ
本作の中核の用語。中等部だけに伝わる秘密のお手紙のこと。
1年生は1年間だけ3年生のお姉さまと文通をすることが出来る。そこでは悩みや日々のことなどなんでも話していい。ここで1年生は「妹」と称される。
ただしルールがひとつだけ。お姉さまの正体は秘密であり、詮索するようなことをしてはいけない。ルールを破ればお姉さまとの運命が途絶えてしまうと伝えられている*3
お姉さま側は妹が誰か知っている。

デスティーノは入学初日の1年生の靴箱に手紙が入っていることから始まる。妹がデスティーノ用の秘密のポストに返事の手紙を投函し、それをデスティーノの郵便係がそれぞれのお姉さまに配る。お姉さまが返事を書き郵便係が妹の靴箱や本の間などに知らない間に届ける。というのが一連の流れ。それを繰り返しお姉さまとの交流が続いていく。
主人公の陽奈などこれを中等部の楽しみにしている者も多い。……葵のように極端に面倒くさがっている者もいるけど。
秘密のポストの場所は名前通り秘密。1年生はこれを探すことがデスティーノの最初の試練となる。
手紙の間隔は人によってまちまち。マメに書いていれば短くなるし、返信を面倒くさがっていれば遅くなる。当然どちらかが手紙を書くのをやめればそれで縁は途切れてしまう。
いつからこのようなことが始まったのかは不明。

3巻発売後に読者にデスティーノが贈られるキャンペーンが開催された。編集部にお便りを送ることで好きな生徒からお手紙が届く。キャラはお姉さまだけではなく1年生組でもオッケー。キャンペーンは終了したが現在は作者のnoteで読める(有料)。
お姉さまの意外な一面が見られたり裏設定が知れたりする。キャンペーンの仕様上仕方が無いが、「あなた(読者)」にだけディープな秘密を教えてくれるなど、ちょっと夢小説っぽい。


◆持ち上がり組
初等部から持ち上がりで入学した生徒たちのこと。主人公の陽奈や親友の奈々などが持ち上がり組。
全体的におっとりのんびりとした生徒が多い。上述の通り学院は大学までエスカレーター式なので勝負事をあまり体験しなかったためこんな風土になった。
少なくとも初等部6年この学校にいたため、カソリックが身体に染みついている。陽奈と奈々も何かあるととっさに十字を切ってしまう。


◆受験組
中学受験をして中等部から入学した生徒たち。作中では花音・葵・璃子など。
受験を勝ち抜いて入学した「努力の人」とシスターたちに称されている。おっとりとした気質の持ち上がり組よりも頭が良くガッツがあるという風潮がある。
中学から入ったためか信心深い持ち上がり組とは対照的にあまり興味がない。花音に至っては「信者じゃない」と断言している。
金があるのかこっちの方がお嬢さま多い(親が家元の花音、父が社長の葵、家が総合病院の璃子)。
中等部1年生は、なんとなく持ち上がり組と受験組で壁がある。


◆神秘倶楽部
本作のもう一人の主人公である青柳花音がオカルト大好きすぎて作った部活。
1巻がこの部活の立ち上げで2巻が部室の制作と、この神秘倶楽部に関することがストーリーの中心要素。
オカルトについて話し合うのが活動内容。……ではあるものの活動はあまり盛り上がっていない。メンツが強引に入部させられた陽奈、花音の付き添いの葵、陽奈と一緒にいたい奈々、オカルト好きだがあまり参加できない顧問のペルムイなので。ついでに物語の都合上よく事件に巻き込まれるのでろくに活動できない。
部外者には「怪しい部活」扱いされている。花音としては最終的に「みんなの憧れの部活」にしようとしている。

2巻では部室として学園の隅の小部屋をもらった。……ただしものすごく古くオンボロだが。
大昔学院に寮があった時代に待合室に使われていたものらしい。
しかも中にはやたらアンティークな備品が大量に置かれており、陽奈たちはまず部室の掃除から始めることになった。
石造りで振り香炉まであるなど、建物自体はシック。


◆クロちゃん
1巻の終盤で現れた謎の野良ウサギ。神秘倶楽部の部室で飼われることに。
実は色々と2巻の秘密を握っているウサギ。


【登場人物】


◇メインキャラクター


陽奈、花音、奈々、葵の4人。全員エルサレム組。

◆松本陽奈
本作の主人公である中学一年生。幼稚舎から学院に通っている持ち上がり組。
明るく感受性の強い女の子。感動しやすい性であり、始めて来たお姉さまからの手紙に舞い上がるのが本作のファーストシーンになった。新しい環境である中等部のひとつひとつに想いを巡らせ心躍らせている。特に陽奈にとってデスティーノは尊いものであり、常に心を込めて取り組もうとする。かわいい。
感受性が強いためか他人に深く感情移入してしまう節がある。2巻の時子の事件とかが分かりやすい。逆に相棒の花音はああ見えて割り切るところは割り切るタイプ。ちなみに花音は陽奈のそういうところが結構好き。
感動しやすいため物事をよくロマンチックに捉えている。なのでドラマチックなことが好きな花音とは感性が近くウマが合う。特に史織関係の感想は大体一致する。
ただ変なところで頑固。律儀とも言う。きちんと通すべき筋は通さないと気が済まず、そこについては誰が相手でも譲らない。史織にすら「頑固なのね」と苦笑された。

作中では語り部で周囲に振り回されていくポジション。
特にオカルトが大好きすぎて突拍子もない行動に出る花音には頭を痛めている。
例外的に奈々相手だけは自分がリードする。

主人公だけあって大体の登場人物と絡んでいる。
奈々は幼なじみであり姉妹のように仲がいい。一緒にいることがほとんど当たり前になっている。
花音は特に気の合う相手。彼女の変人ぶりに悩まされながらも毎日付き合ってやっている。
はまだ少し怖いが、少しずつ慣れ親しもうと努力している。なんだかんだ頼りにしている。
璃子にはまだ苦手意識を抱いている。あんまりワガママすぎる彼女の言動に怒りを見せることも。
史織さまは今一番大好きなお姉さま。初めて出会った時からひとめぼれしており、彼女と話すたびに緊張してしまう。
逆に変なちょっかいをかけてくる蜜希さまはやや苦手。奈々のこともあり一時期ふくれていた。
作者曰く「史織さまに恋しているけど花音ことも恋愛に近い気持ちで好き。奈々とは姉妹のように仲が良く、葵のことも少し気になっている(意訳)」とのこと。……先に言っておくと作者のキャラ語りは基本こんな感じである。
誰とくっついてもおかしくないオールマイティ主人公。


◆青柳花音
もう一人の主人公である受験組の美少女。日本人形風の整った容姿をしている。
幼少期に遭った交通事故の影響で右目を失っており常に眼帯を身につけている(フリルのついた自作のもの)。
極度のオカルトマニアであることを除けば完璧超人。親が家元なので本当にお嬢さまである
作中でも間違えられたが、名字の読みは「あおやぎ」ではなく「あ・お・や・・ぎ」

「ですわ」などのお嬢様口調を多用したがる芝居がかった女の子。ドラマチックなことが大好きであり、聖クロス女学院に入学できたことは誰よりも喜んでいた。そしてウキウキで「ごきげんよう」と周囲にあいさつをして、陽奈に「女子校でそれ言うのは都市伝説」とツッコまれた。良くも悪くもマイペースで学校では浮いている。
そして三度の飯よりオカルトが好き。オカルトについての造詣は深く、中一とは思えない知識量を持つ。大好きすぎるため所かまわず話し周囲に苦笑いされるのが花音の日常。大好きすぎるため学院ではオカルトを研究する神秘倶楽部をつくろうとした。ふとしたきっかけで陽奈を強引に神秘倶楽部に入れようとしたのが物語の始まりとなった。なおオカルトは好きだが幽霊は嫌い。怖いらしい。

こんな変人だがそれ以外は極めて完璧超人。秀才肌でありこの学園には首席で入学した。頭の回転は速く作中で初めてデスティーノの秘密のポストを見つけたのは彼女だった(本人はオカルトの力と言っているが)。本作は所々でミステリー要素があるが、探偵役を務めるのは大抵花音である。
まさに残念な美少女という言葉が似合う変人。変人だが節度は守るため騒ぎはそこまでおこしていない。まあ平成の児童文学で鉈ふりのマッキーみたいなの出てきても困るし。

オカルトに傾倒しているのは幼少期の事故が原因。
事故に遭った時、花音は何かに包まれるような感覚があった。その何かのおかげか大事故にも関わらず右目以外はほぼ無傷でいた。それ以来計り知れない何かが存在すると思い、オカルトに強く興味を持つようになった。これが花音の根幹。
この事故は未だに花音の精神に大きな傷を残している。あまりに大きな事故だったため時折生きていることの現実感がなくなることがあるらしい。ふと「本当はあの時死ぬべきだったのではないか」「自分の未来が想像できない」など考えてしまうことがある。
これらのことで思うことがあるのか、あえて傷を修復しきっていない(右目に大きな傷が残っているが本来はもっときれいに整形できた)。ちなみに傷を見たことがあるのは葵だけ……だったがとある事情により陽奈も見ることになった。


◆青田奈々
陽奈の親友であり幼なじみ。眼鏡をかけたちょっと目立たない少女。美術部と神秘倶楽部を兼部している。
家がカソリックであり日曜日には家族で教会にミサに行く。奈々も受洗したことがある。

気弱で静かな女の子。本人も気にしているが、落ち込んだりマイナス思考になったりしやすい性格をしている。奈々のお姉さまのお手紙はものすごく簡素であったが、それについてもガッツリ落ち込んだほど。人見知りしやすく、物語初期は変人の花音と葵を見るだけで「ヒッ……」と悲鳴を上げていた。幼なじみの陽奈と時子とだけは落ち着いて話せる。
その反面かなり真面目。特に絵画は長年コツコツ積み重ねて来たためかなりの腕らしい。陽奈は奈々にもっと自信を持ってもらいたいと思っている。花音やお姉さま方に好かれるなど人柄は評価されがち。

陽奈のことが大好きでいつも彼女にべったり。幼稚舎で出会いそれから中等部まで奇跡的にずっと同じクラス。初等部で奈菜がいじめられた時も陽奈だけは彼女の味方だった。幼少期に「えいえんの友」の証として交換したおメダイ*4がふたりの宝物。
そんなため奈々は常に陽奈と一緒にいたがる。中等部の部活選びでは一緒に美術部に入ることを陽奈に念押ししていた。陽奈が強引に神秘倶楽部に入部させられた時には友情が綻びかけたが……。その後陽奈の神秘倶楽部入りを認め自分も兼部したが、陽奈と別れていると彼女が何をしているのか気になってしまい苦悩している。作者「奈々の初恋は陽奈かもしれない」
陽奈も奈々のことが大好き。というかいつでも一緒にいることが互いにとってほとんど当たり前になっている。3巻にて陽奈は蜜希さまとの間接キスには結構本気で戸惑ったが、その11ページ後に普通に奈々としていた

一見目立たない奈々だが、なぜかお姉さまには結構愛されている
まず生徒会副会長であり学園の王子さまの領家蜜希には妙に気に入られている。基本気さくな蜜希だが、なぜか奈々に対してはさらにフレンドリー。
さらに1巻・2巻のキーパーソンである「うさぎのお姉さま」こと岩下時子とも何か繋がりがあるようで……。
初等部では良くも悪くも陽奈にべったりな閉じた世界で過ごしてきた奈々。しかし中等部では様々なお姉さまに出会い世界を広げていくことになる


◆宮下葵
花音の幼なじみである受験組。そして花音にとっての騎士(ナイト)さま
中性的な容姿をしている。制服を着ているとギリ女の子に見えるが私服だとかなり男っぽい。
男っぽい見た目通り中身も男の子っぽい
口調は粗く女の子とは思えないほどガサツ。基本的に思ったことはストレートに言う性格をしている。陽奈には俺っ子じゃないことを不思議に思われたほど。
趣味の感性も男の子寄り。部室をイチから作ることになった時は、周りが嫌々な中ひとりだけ「自分たちの好きに作れるなんて楽しそう」とワクワクしていた。多分秘密基地づくりとか熱中するタイプ。
スポーツも得意であり小学校の時は陸上の県記録持ちだった。学院でも様々な運動部に誘われているが花音の隣にいるために断っている(ひと悶着あった末たまに助っ人として出ることになった。)。
こんな性格のためか、陽奈は葵をちょっとおっかなびっくりに接している。花音を呼び捨てにするようになっても葵のことは「葵さん」だった。

花音とは幼稚園時代からの幼なじみ。家が隣同士のため何かと交流が多かった。なお花音のオカルト趣味に一番辛辣にツッコむのは葵。言いたいことは言う性格なので。
だが色々言いつつも花音のことを誰よりも大切に想っている
花音が事故に遭った時、それを間近で目撃していたのは葵だった。一瞬ですべてが変わってしまったという体験は葵にとって大きなトラウマになってしまった。目の前で起きてしまったことで責任を感じ、それ以来ずっと花音を守るように。片目がないことで不自由の多い花音がまともに暮らせているのは、日々葵がフォローしているからというのが大きい。花音が日常でどう不自由するかほぼ完璧に理解しており、陰ながらフォローしている。ガサツな葵であるが花音のことになるとかなり慎重になる(そして花音は自分のことになるとガサツなのでよく言い争いになる)。
花音もそんな葵の想いを分かっている。マイペースな気質の花音だが、葵の悪口を言われると本気で怒る。
まあその辺りが後の璃子との因縁を生んでいるわけだが……。

作者曰く「花音を愛しており花音しか見ていない。けれどそんな自分を変えたいとも思っている(意訳)」。実際3巻では華枝お姉さまに興味があるようなそぶりを見せていた。
葵が花音に一途に矢印向けているのに対し、花音は陽奈や史織などいろんなところに矢印を向けている。……微妙に負けヒロイン系幼なじみの匂いがする。


◇生徒会のお姉さま


陽奈が大好きなお姉さまたち。中等部の生徒会は指名制ということもあり、学園の憧れの的である。
史織と蜜希がエルサレム組、華枝がベトレヘム組。


◆羽藤史織
中等部の生徒会長である中学三年生。そして陽奈と花音の憧れの人。ちなみに巨乳。
受洗を受けている本物のカソリック信者。特別な時に身につける白いヴェールが彼女のトレードマークになっている。

「お嬢さま学校のお姉さま」を体現している完璧超人なお姉さま
誰にでも優しく常に優雅で落ち着いている。それでいてとっつきにくいわけでもなく気さくでたまには冗談も言う。3巻での登場シーンは多分彼女なりのジョークだったんだと思う。
博愛と献身が擬人化したようなお方である。陽奈からは「大天使」と評された。ちなみに本人は週2回教会へボランティアに行くのが日課であるとか(生徒会・宗教研究会・ボランティアの三足わらじ)。
「祖父がホテル経営」と言っている描写があるのを見るに家柄もいいらしい。ついでにヴァイオリンも演奏できる。マジで隙がないお姉さま。本当に中三か?
ちなみに姉がいるので、学院ではお姉さまだが家では妹。

陽奈と花音は崇拝に近い憧れを抱いている。作者曰く「恋している」
陽奈は史織の入学式での挨拶を聞いて以来一目惚れしていた。陽奈と史織に接点が出来たのは美術館でのこと。陽奈が奈々との「えいえんの友」の証であるメダイをなくし途方に暮れていた時、偶然声をかけてくれた史織が親身に探してくれた。それで陽奈は史織に名前を覚えてもらいそれから何かと話す機会が増えた。
陽奈は天使のような史織が本当に大好き。ひたいを触られめまいのような感覚がしたり、史織の姿をうっすらと光に包まれているように見えると言ったり。完全に心酔状態。やっぱり恋しているかもしれない。陽奈は雲の上の人のはずの史織に個人的な接点が出来たことに何よりも喜んでいる。
花音も史織のことが大好き。マイペースな花音であるが史織の前でだけは猫を被ったように物静かになる。花音は自分よりも史織と仲がいい陽奈にやや嫉妬している。
そんなこともあり一時期陽奈と花音は、自分のデスティーノのお姉さまの正体こそが史織だと張り合っていた。最近は「どちらかが史織さまだとしたらもう一方は違うことになる」と気が付きあまり言い合わなくなった。


◆領家蜜希
生徒会副会長であり史織の親友。ボーイッシュな外見をした女子校の王子様。作者曰く葵とはまた違ったタイプの男まさり。
ノリが良くいたずら好きな性格。史織が入学式のあいさつで「楽園へ、ようこそ」と言った後に「地獄かもしれないよ!」と茶々を入れていた。そして史織には「悪魔の使い」呼ばわりされた。周囲には「ひっかきまわすのが趣味」と認識されている。常に明るく楽しそうな人である。
最近は純情な陽奈をからかうのが楽しい模様。ひみつのデートに誘ったりハニーと呼んだり間接キスをさせようとしている。そのたびに史織と華枝にたしなめられる。陽奈には一時期「いいかげんな人」として苦手意識を持たれていた。
史織とは幼稚舎からの付き合いで大の仲良し。一見真逆の二人だが、互いに相手の性格を理解している。そんなこともあるためか、蜜希にとって史織は自分が甘えることのできる数少ない存在である。1巻の例のシーンでの二人の絡みでは、1年生組は真っ赤になってドギマギしていた

現在は奈々がお気に入りらしくよく声をかけている。蜜希も元々絵が好きであり、そのため絵画が得意な奈々に興味を持ったらしい。出会った直後に(多少強引に)自分を絵画のモデルにするようお願いしていた。奈々は引っ込み思案な気質なので、生徒会副会長のお姉さまと縁が出来たことに本気で慄いている。最近は少し慣れてきたのか3巻では絵のモデルを頼んでいた。
奈々に対しては、他の1年生の子よりもウェットな感情を抱いている様子。奈々が他のお姉さまと仲良くしていた時にはどことなくつまらなそうにしていた。意外とヤキモチ焼きかもしれない。
読者キャンペーンのお手紙の蜜希さま編を見るに、素の彼女はちょっと後ろ向きな気質。奈々にかまうのもその辺りがあるかららしい。
様々な下級生に粉をかけているが、本人曰く本命は史織


◆千乃華枝
生徒会書記長。史織・蜜希・華枝の3人で生徒会組である。
優しくおっとりとしたお姉さま。というか生徒会の中で蜜希だけイレギュラーすぎる。
生徒会と料理部を兼任であり料理部では部長をやっている。生徒会ではよく自作のお菓子を振舞っている。特にフィナンシェが得意。沖縄旅行編ではサーターアンダギーをつくっていた。
……3巻で打ち切られたこともあってか目立つ機会に恵まれず、史織・蜜希に比べると若干不遇。一応3巻で葵とフラグを立てるなど今後に期待できる描写はあったのだが……。
だがキャンペーンのお手紙でシレっとすごい秘密を教えてくれた。


◇その他生徒たち


◆花山院璃子
2巻から登場する陽奈たちの隣のクラスの少女。1年ナザレト組。そして花音・葵の幼稚園からの幼なじみ。家が総合病院というガチのお嬢様。
自分のことを「璃子」と呼ぶどこか幼さの残る性格をしている。
作中ではとにかく花音に突っかかってくるポジション。花音たちが何かやろうとするたびに邪魔しようとしたりツッコミ入れようとしたりしてくる。
オカルト好きの花音とは対照的に科学好き。家が病院ということも関係あるらしい。花音曰く「ああ見えて博識」。花音も科学に造詣が深いことは認めている。花音がオカルト知識を披露するたびに、それを科学的な観点から鼻で笑う。神秘倶楽部に対抗して、科学系の「メゾン・ド・サイエンス」をつくろうとしていた。

子供っぽく負けず嫌いな上に敵意は向けてくるという面倒くさい子。花音は心底面倒くさがっている。逆に葵は「ツンデレ」と面白がっているが。
彼女も史織のことが大好きであり、史織にだけは甘えている。実は史織とは親戚同士であり従妹の関係。このアドバンテージには花音も敗北感を覚えていた。

やたら花音に突っかかってくるのは葵が関係している。
璃子は幼稚園の時から葵のことが大好きだった。「葵ちゃんとケッコンする!」と言い出すほど。しかし葵は花音の事故以来、責任を感じて彼女に付き添うように。そのため花音に葵をとられたように思い突っかかってくるようになった。花音の眼帯を奪おうとして喧嘩になったこともあったとか。悪い意味で吹っ切れたのか今では葵にも敵意むき出し。
作者曰く花音への心情は「嫌いすぎて好き、好きすぎて嫌い」。本当は花音のことが好きだがつっかかることでしかコミュニケーション取れないタイプ。作中でも文句言いつつも花音にべったりくっついている(そして陽奈に「文句言うならそもそも来るな」と怒られる)。
その辺り分かっているのか花音と葵も本気で彼女を嫌ってはいない。


◆駒林千春
2年ナザレト組。新聞部とデスティーノのポスト係を兼任している。1年生がポストに入れたデスティーノの手紙は彼女を通してお姉さまに届けられる。
お調子者でにぎやかな性格。騒ぎごとも大好き。嬉しくなるとニンマリ笑うため陽奈には「チェシャ猫お姉さま」と評された。
やたらと報道のためのバイタリティがある人。その体力と根性は花音も「ジャーナリストが天職」と言っていた。だがかなり口が軽いため、それを知った花音には「ジャーナリストは無理」と言われた。最近は面白半分で話題性ばかり追いかけているため生徒会に目をつけられがち。
ゴシップ目当てで活動するため、作中では璃子と並んでトラブルメーカー。
キャンペーンのお手紙を見るに郵便係は責任重大なのに、この人に任せていいんだろうか?


◆陽奈のお姉さま
陽奈のデスティーノのお相手。いつも青いインクを使っており、便箋の色は季節に合わせて変えている。
優雅で時にユーモアもあるという完璧なお姉さま。陽奈はお姉さまのことが大好き。彼女との遣り取りを「ケーキより甘い」と言い出すなどかなーり愛慕している。彼女への手紙にはとにかく力を入れており、毎回時間をかけて丁寧にお姉さまへの想いを届けようとしている。
お互い熱心に手紙を書いているため枚数はかなりのものになっている。花音曰く「クラスで一番熱いデスティーノ」

なお現状陽奈が推測するお姉さまの正体は史織。陽奈がお姉さまにしか教えていない情報を、なぜか史織も知っているという状況が何度もあった。また口調も少し似ている。あと陽奈は史織が大好きなので個人的な想いで「史織様だったらいいな」と考えている。
だがあからさますぎるので逆にミスリードかもしれない。特に蜜希は「デスティーノの時は他のお姉さまになりきる」という怪しいことを言っているし。
ちなみに花音は「史織さまは忙しく、あまり時間がない。なので小まめに返信を送る陽奈のお姉さまは史織さまではない。よって返信が遅い私のお姉さまこそ史織さまである」という理論を立てていた。


◆奈々のお姉さま
入学式のはじまりの手紙以外一度も手紙を書いていないお姉さま。
最初の手紙は丁寧なうさぎの絵と「ご入学、おめでとうございます」というそっけない言葉だけだった。
デスティーノを楽しみにしていた奈々はちょっとしょげることになった。


花音と葵のお姉さまも作中で触れられているが、語り部の陽奈が手紙を見たことがないので詳細は不明。
葵のお姉さまは乙女チックで、男っぽい葵は毎回返事に悩んでいる。


◆岩下時子



◇シスターたち


◆シスター・パオーラ
学園のシスターのひとり。作中の描写から見るに古株らしい。
真面目な性格でお説教が多いシスター。花音の華美な眼帯を咎め、それを陽奈が見ていたことが、陽奈と花音のファーストコンタクト。また花音が神秘倶楽部を発足させようとしたときには「カソリックでオカルトなんてとんでもない」と血相を変えて怒っていた。しかもこの人が部室等の取り締まりをしているため、陽奈たちはその後も何かと関わることに。
とにかく生真面目で頭の固い人。穏健派の学長とはどこか仲が悪い。
こんな性格のため生徒たちには裏で「シスター・パオパオ」などと呼ばれている。
ただ言っていることすべてが間違いというワケではない。というか(裏があるとはいえ)最終的に花音の要望を聞いてしまう学長が寛大すぎる。「カソリックでオカルト広めるな」についてはこの人にも一理ある。てかミッションスクールでオカルトは割と御法度。

実はかわいいもの好き。学園のオークションバザーではテディベアなど乙女チックなものを買いそろえていた。しかも絶対購入したかったらしく、大金はたいて必ずオークションに勝つ気でいた。


◆シスター・ペルムイ
海外から派遣されたまだ若いシスター。多分スペイン人*5。史織たちの推薦で神秘倶楽部の顧問を務めることになる。
陽気なシスター。大阪で日本語を覚えたらしく関西弁で話す(パオパオには「ちゃんとした言葉を使え」と怒られている)。立場上大っぴらには言えないがUFOやUMAなどオカルト大好きであり、神秘倶楽部の顧問は二つ返事で引き受けてくれた。基本的に花音たちの味方のシスター。
何故か常に白いギターを持っている。テンションが上がるとジャカジャカ場所を問わず弾き出す。職員室でも弾きやがった。ちなみに使っているのはかなり出来の良いフラメンコギター。その関係で器楽部の顧問もしているようだ。


◆シスター・テレサ学長
聖クロス女学院の学長。若くして学長となった優秀な女性。
穏やか……ではあるのだが抜け目がなく頭の回る人。作中では穏やかに話しながらシレっと周囲を自分の計画通りに動かそうとする。例えば2巻では神秘倶楽部に部室を与えたが、その真意は物置化した小部屋を整理するための人出が欲しいということだった。一応整理した備品をバザーで売ることを認めるなどフェアではある。なお花音は頭がいいので毎回学長の真意に気が付くが、結局手のひらで踊らされることになる。
あと舌戦もやたらと強い。花音が普通の眼帯をつけない理由として「かっこ悪いからです」と言った時には、「じゃあ世の中でやむを得なく眼帯をしている人はかっこ悪いのかしら?」と手痛い一言を浴びせた。その後特例であると納得させたうえで眼帯を許可したが。

実は彼女とパオパオこそがデスティーノの始まりという噂がある
飽くまで噂だがデスティーノの始まりのエピソードとして、とある下級生がお慕いするお姉さまに手紙を書いたというのがあるらしい。だがそれが抜け駆けのようで下級生は顰蹙を買ってしまい大事になり、結局下級生は自主退学してしまった。それを危惧し、抜け駆けを無くすよう公平さを保つために生まれたシステムがデスティーノ……かもしれない。
そしてそのお姉さまこそが若き日の学長で、下級生がパオパオの妹。なお学長とパオパオは同級生だった。一部では妹の退学の原因になってしまったためパオパオは学長を嫌っているとも言われる。さらに当時パオパオは学長が好きであり、妹に代わって代筆していたという噂もある。
……ただまあ、1巻で『デスティーノは創立直後からあるとも言われる』との話もある。学院は創立百周年なのでふたりの年齢的にあり得ないということになる。だが「創立直後からある」自体が確証のない噂。なので本当に噂は噂である。


◇その他


◆陽奈のママ
あっけらかんとした陽奈の母。花音のファンであるらしい。


◆陽奈のパパ
娘が難しい年ごろになったためちょっと反発されている。理詰めで考えるパパとロマンチストな陽奈では相性が悪い。
パパがデスティーノをメンター制度に例えた時には、陽奈は「そんなつまらない考え方しなくていいのに」と思っていた。
陽奈も立派な反抗期。


◆葵のパパ
化粧品会社の社長。
娘が淑女っぽくないことと自分に懐いてくれないことに悩みがち。


◆たかしパパ
葵のもう一人の父親。葵の母は娘を産んですぐに亡くなっており、彼が葵の実父と共に葵を育てていた。
豪快な体格をしているが職業はノンフィクション作家。何故か葵は実の父より彼の方に懐いている。



それにしても、清々しいまでに「主人公と同年代の少年」とかが出てこない。
徹底している……!


【各巻の内容】



◆ようこそ、神秘倶楽部へ!


カソリック系お嬢さま校・聖クロス女学院の1年生は、ヒミツのポストを通じて上級生と文通できる習わしがある。
でも相手のお姉さまがだれかは教えてもらえないの。バレたら<運命>がとだえちゃうんだって!
でも、初等部からの<持ち上がり組>の陽奈はお姉さまの正体が知りたくてウズウズ。
<受験組>のおさわがせ少女、花音から、「わが神秘倶楽部に入部すればわかるかもしれなくてよ」とユーワクされちゃって!?

第1巻。表紙は陽奈と花音。キャラ紹介や神秘倶楽部発足などプロローグ的な内容。
陽奈は学園生活を謳歌しようとする中で花音に気に入られ、神秘倶楽部に強引に勧誘されることとなる。
見どころは、妙にお耽美な雰囲気で抱き合う史織と蜜希を見て思わず真っ赤になってしまう1年生組


史織、あたしはもうダメだ

はいはい

どうして夕暮れってせつないんだろう。また明日まで太陽が昇らないなんて!

わかったわかった



◆ひみつの鍵とティンカーベル


ここは聖クロス女学院。ちょっと変わったお嬢さま・花音とその騎士・葵は、中1なのに学院中から注目される有名人。
2人の作った<神秘倶楽部>にムリヤリ引っぱりこまれた陽奈だったけど…今ではすっかりなかよしに。
部室もゲットしたし、憧れの生徒会のお茶会におよばれしたり、毎日楽しいの♪
ところがそんな神秘倶楽部でとんでもない事件が! しかもなにかとつっかかってくる璃子さんに知られちゃって!?

2巻。表紙は陽奈と奈々。部室制作編。
ようやく部室を手に入れた陽奈たち。だが部室の掃除にバザーに璃子の乱入、そしてバザーの売り上げ盗難と様々な出来事に巻き込まれる。
そしてその出来事は、とあるひとりの少女に収束していく


時ちゃん、わたし、ずっとお返事、まってたんだよ!



◆花音のひみつとガジュマルの精霊


沖縄の、葵のパパの別荘に遊びにきた陽奈たち。古い大木の下でふしぎな女の子を目撃して、花音は「きっと木の精霊ですわ! これでこそ神秘倶楽部の夏合宿」と大喜び。
けれどそれは「目玉を食べる」ことで知られている妖怪。陽奈は、花音の残された目がねらわれてるんじゃないかと心配で…!?
あこがれの生徒会のお姉さまや、メゾン・ド・サイエンスの璃子さんまで合流して、ドキドキいっぱいの南の島生活!

3巻。表紙は陽奈と葵。学園が出てこない沖縄旅行編。
沖縄の妖怪であるキムジナーが登場する、オカルト要素とホラー要素強めの作品。
沖縄旅行を楽しむ中で、陽奈と葵はキムジナーに狙われたり神隠しに遭ったりすることに。
そして陽奈は、ついに花音の傷跡を見ることになる


花音は、これまでにあったことがない、とくべつな友達

もしも学年がちがっていたら、わたしはきっと魔術をかけたくなるくらい、
あなたにつよくひかれていたと思う

だけどいまは、あなたの傷が見えるほど近くにいるから




だがこの3巻をもって『聖クロス女学院物語』は打ち切りということに……。


【打ち切りとその後】


残念な話だが第3巻で打ち切り。その後続編は出ていない。
ラノベ文庫ほどではないが児童文庫も打ち切られるときは打ち切られる。
3巻は明確なオカルト要素が登場するなど、話が動き始めた時期だったのに……。


だが打ち切られた後も定期的にアクションを起こしている。

まず2017年アニメイト百合部の棚にて本作が紹介される。
『citrus』や『やがて君になる』など錚々たるメンツに並んで本作が紹介された。
……ガチ百合作品に交じって、曲がりなりにも児童文庫である『聖クロス女学院物語』が並んだ。今更だが本作は公式的には「小学中級から」である。
しかも棚で一番ピックアップされていた(ポスター付き)。

さらに2019年書泉ブックタワー8階百合コーナーにて本作の特集コーナーが組まれた。
キャラやストーリー解説の資料も置かれた気合の入ったコーナーだった。

さらにさらに同年HMV&BOOKS SHIBUYAにてサイン本が販売される(上述の2店でも販売された)。

同じく2019年には僅かながら重版も決まった。

2022年12月末には、(セール中だったのもあるだろうけど)紀伊国屋書店電子書籍子どもの本ランキング2位だった。

というように打ち切られたが何だかんだ忘れられてない作品という感じになりつつある。


作者もかなり思い入れがあるらしくなんらかの形で完結させたいと考えてる。
……とかなんとか言っていたら、2020年からnoteで作者が新作の配信を始めた(ちゃんと編集部に了解を得ている)。
事実上の第4巻であり内容は秋の文化祭編。
ネット媒体のためか作者のリミッターが3割くらい外されている史織さまが爆弾発言しやがったぞ!
今後これをKDPで出版するのが目標とのこと。配信ペースは遅いが気長に待とう。


ちなみに2020年から角川つばさ文庫で発刊されている『一年間だけ』という作品がある。
恋愛群像劇モノなのだが、その中で女の子同士のカップルが登場している(作中で堂々と『同性の恋人』扱いされている)。
それを踏まえると今の角川つばさ文庫なら南部くまこが戻ってこられるのかもしれない……。
というか戻ってきてください。



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最終更新:2023年01月28日 12:59

*1 Kegといえば美少女ゲームの原画を手掛けている人であるが、児童文学でも何作かイラストを担当している

*2 本作の巻末の著者紹介の代表作ではガッツリ百合ものの「囁きのキス~Read my lips.」が紹介された。仕方が無いが児童文庫でガールズラブものとは言えなかったらしく「聴覚障害の女の子が主人公」という部分に焦点があてられた

*3 少なくとも「お姉さまは誰ですか?」などと文面に書こうものなら、もう返事は帰ってこないだろう

*4 キリスト教で使われるお守り代わりのメダルのこと

*5 スペイン語で話すシーンがあることと、スペイン発祥説のあるフラメンコのギターを持っていることから