ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko0953 よいこのれいむとゆっくりしよう
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ankoss
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※独自設定垂れ流し
※れいむが優遇されます
「ゆ、ゆっくりしていってね……?」
雨の降りしきる中。買い物から帰ってきた俺を出迎えたのは、どこかおどおどしたゆっく
りれいむだった。
「やれやれ……おまえ、ここでなにしてやがる?」
ため息を吐きながら問いかける。答えのわかりきった無意味な質問。行動パターンの少な
いゆっくりのこと。どうせこいつも俺をじじい呼ばわりして「おうち宣言」でもするに違
いない。
まあ、慣れたことだ。せいぜい痛めつけてやることにしよう。
「ご、ごめんなさいだよ! きゅうにあめさんがふってきたから、れいむちょっとあまや
どりさせてもらっちゃったんだよ!」
「……あん?」
「あめさんがやんだらいなくなるから、すこしだけあまやどりさせてほしいんだよ……」
申し訳なさそうに眉を寄せ、一心に俺を見上げるゆっくりれいむ。
予想外の反応だ。こんなに物わかりのよいゆっくりは初めてだ。ゆっくりが人を気遣う表
情をするだって今まで見たことがない。
「驚いた。おまえ、ここが人間の家だって理解しているのか?」
「ゆうう……しってるよ! にんげんさんのおうちにはいっちゃいけないってしってるけ
ど、きゅうにあめさんがふってきて、ほかにいけるところがなくて……」
俺は思わず手に持った安物のビニール傘を見上げた。
こいつのいうとおり、雨は突然降ってきた。買い物に出かけていた俺もこうして傘を買う
羽目になったのだ。
突然の雨に、俺の家の軒下に逃げ込んだというわけだ。このれいむ、嘘を言っているので
はないようだ。
まじまじと見る。
薄汚れたおりぼん。汚れのしみついた肌。間違いなく、野良ゆっくりだ。だというのにこ
いつ、高級な飼いゆっくりのように聞き分けがいい。
少々興味がわいてきた。
「そんなところにいても寒いだろう。家にあげてやろう。あまあまだってやるぞ」
「ゆゆ!? いいよ、にんげんさん! れいむ、ここであめやどりさせてもらえればじゅ
うぶんだよ!」
なんと、あまあまの誘いまで断るとは。ますます興味が湧いてきた。それに、このれいむ
を「アレ」に使ったら面白そうだ。
「まあまあ。実はれいむ、ちょうどおまえみたいなゆっくりに手伝って欲しいことがあっ
たんだよ」
「ゆ? おてつだい?」
「そうそう。雨宿りさせてやる代わりに、俺を手伝ってくれ。それならいいだろ?」
驚いたことに、そう持ちかけてもれいむは遠慮しようとした。
だが結局、強引に押し切って俺はれいむを家に連れ込んだ。
本当に変わったやつだ。
だから……とてもとても楽しいことになる予感がした。
よいこのれいむとゆっくりしよう
「ゆわぁぁぁ……しあわせー……」
れいむは実にゆっくりとした声を漏らした。まあそれも無理もないだろう。
あのあと俺はまず、風呂場でれいむを洗ってやった。性格が綺麗でも体は小汚い野良だ。
家にそのまま上げるというのは問題がある。
ついでにオレンジジュースとお菓子を与えてやった。今のこいつの状態は、野良ゆっくり
にとっては望外のしあわせと言えるだろう。
「どうだ、れいむ? ゆっくりしてるか?」
「ゆ! おにいさんありがとう! れいむ、とってもゆっくりしてるよ! おにんさん、
なんでもいってね! れいむなんでもおてつだいするよ!」
絶句した。
俺の知る限り、野良のゆっくりというやつは甘やかすとどこまでもつけあがるものだ。こ
いつはつけあがるどころか俺に感謝し、あまつさえ俺との約束――お手伝いをする、とい
うことまでちゃんと覚えていやがったのだ。
なんだこいつ、元ゴールドバッジの野良とかか? そんなのがゲス化しないで捨てられる
とかありうるのか?
あるいは――狡猾なゆっくりで、俺をだまそうとしているか、だ。
興味は尽きなかったが、その真相はこれからの「お手伝い」で明らかにしてやろう。
俺はれいむを連れ、買い物してきた物と必要な道具を用意し、目的の部屋へと向かった。
鍵を外し扉を開くと、そこには板張りの殺風景な部屋がある。調度品といえばゆっくりで
も跳び乗れる背の低いテーブルと、その脇には砕けて中に入っていた水をぶちまけている
花瓶。花も入っていたはずだが、なくなっている。おそらく喰われてしまったのだろう。
そして、花瓶のすぐそばには。
「ゆ? ゆっくりしていってね!」
「ゆっくりしていってね!」
れいむの呼びかけに答えたのは、透明な箱に閉じこめられたゆっくりまりさ。
まりさはゆっくり特有の不敵な笑みを浮かべ、その習性で定型句を答えるとすぐさま顔を
歪ませて、
「ゆがああああ! じじぃ! ここからだすんだぜえええええ!」
じたばたと暴れだした。だがゆっくり捕獲専用の透明な箱はその程度では小揺るぎもしな
い。
「お、おにいさん! まりさがいやがってるよ! だしてあげてよ!」
「そのお願いは聞けないな。あいつは俺の家に勝手に上がり込んで『おうち宣言』した、
悪いゆっくりなんだ」
俺の言葉にれいむは表情をこわばらせる。
おうち宣言。ゆっくりの身の程知らずの象徴とも呼べる行為。人家に不法侵入し、帰って
きた持ち主に対し所有権を不当に主張すること。
その身の程知らずの行動は、決まって悲惨な結末を招く。この下手人のまりさは、その結
末への過程にあるというわけだ。
わめくまりさ。それを痛ましげに眺めるれいむ。実に好対照な饅頭ふたつだった。
「れいむ。お前はゆっくりが人間の家を理解しているお前のことだ。『おうち宣言』する
のが悪いことだって知ってるな?」
「ゆうう……しってるよ……ここはにんげんさんのおうちだよ! れいむたちのおうちに
は、できないんだよ……」
「ゆがあああああ! れいむっ! なにいってるんだぜえええ!? そのじじいがわるい
んだぜえええ! ゆっくりしないで、そのじじいをぶちのめして、まりささまをたすける
んだぜえええ!」
戯言を撒き散らすまりさを無視して、れいむに語りかける。典型的なゆっくりである箱の
中のまりさと違って、実に身の丈を知った物わかりのいいれいむだった。
「まりさは悪いことをした。だから罰を与えようと思う。おしおきしてやろうと思うんだ」
「ゆうう……そ、それは……」
「ん? やめて、とか言い出すつもりか?」
「……わるいことをしたら、おしおきされるのはしかたないよ……」
「本当に物わかりがいいゆっくりだな、お前は。びっくりだ」
「で、でも! あんまりひどいことをしないでほしいよ!」
「それはお前次第だ」
「ゆうう!?」
驚くれいむを後目に、わめき散らすまりさは無視し。俺はふたつの道具を用意する。
「おしおきは二種類考えていてな。ひとつは、これ」
取り出したアルコールランプに火をつける。
「このアルコールランプでまりさのあんよをこんがり焼いてやろうと思う」
「そ、そんなことしたらゆっくりできないよ!」
「じじいはなにばかなことをいってるんだぜええええ!?」
騒ぐゆっくりどもを無視し、もうひとつの道具、五寸釘の束を取り出す。
「もうひとつは、これ。この五寸釘をブスブスいっぱい突き刺してやる」
「ゆうううう!? そ、そんなああああ!?」
「ぐそじじいいいい! あんまりばかなこといってると、せいっさいしてやるんだぜええ
ええ!?」
ふるえあがるれいむに、俺を脅してくるまりさ。いや、まりさのはただの虚勢だ。顔色青
くしてやがる。
「さて、れいむ」
「ゆ、ゆひぃ!?」
「どっちのおしおきをやればいいと思う? お前が選んでくれ。それがお前にお願いした
『お手伝い』だ」
「ゆうううう!?」
俺はゆっくりの虐待を趣味としている。どっちの道具でやっても同じくらい苦しませる自
信はある。
だが、ゆっくりとしてはどちらを嫌がるのだろう? それに少し興味があったのだ。
このれいむはどっちを選ぶだろう? おそらく、自分が「痛くないと思う方」だ。俺はれ
いむが選ばなかった方の虐待を実行しようと思っている。
そのとき、れいむはどんな反応を見せるだろうか。自分が選んだせいでより過酷なおしお
きを受けるまりさを見て、なにを言うか。どう行動するか。それを見れば、この性格のよ
さそうなれいむが本当に善良かどうかわかるはずだ。
「どっちもゆっくりできないよ……!」
「でも、罪は罰さなくてはならない。まりさにおしおきするのはやめられない。せめてお
おしおきが軽くなるように、お前がどっちか選んでやれ」
「だめだよ! どっちもゆっくりできないよ!」
「選べないって言うなら両方やるぞ」
「ゆうう!? わ、わかったよ! それじゃあ、それじゃあ……」
ついに選ぶか。恐ろしくてたまらないのか、れいむは目をぎゅっと閉じて、
「れいむにくぎさんをさしてね!」
全くの予想外のことを言いやがった。
「……なに言ってるんだ、お前?」
「まりさにくぎさんをさすなんてかわいそうだよ! だかられいむにさしてね!」
「いや、あの……」
「さしてね! れいむにさしてね!」
そういってふりふりとあにゃるを向けてくるれいむ。
ああ、ようやく理解した。こいつ、きっとアレだ。アレに違いない。
俺は五寸釘を一本手に取ると、試しにとばかり軽くれいむのケツに突き刺した。
「ゆぐうううううう!?」
反応は予想外だった。
刺したとたんに全身に浮かぶ脂汗。横から顔を覗き込めば、目を堅く閉じ眉を寄せた苦悶
の表情。苦痛に跳ね回りたいだろうに、ぶるぶる震えて耐えるその姿はおしおきを受ける
覚悟が伺えた。
でも、こいつ、間違いなくガチで痛がっている。
自分から刺せというのだから、てっきりドMのたぐいだと思った。ドMなら妙に遠慮がち
だったのも、ドMゆえの卑屈な態度ということで一応の説明がつく。ゆっくりのドMなら
痛みで発情するはずだ。しかし、こいつは違う。
五寸釘を引き抜いてやると、れいむは「ゆはー」と息を吐いた。
「お前、なんのつもりだ?」
「ゆうう?」
「なんで、こんなクズの代わりにおしおきを受けようとする?」
「だって……いたいいたいは、いやだよ。かわいそうだよ!」
「それで自分が痛いのはいいっていうのか?」
「ほかのゆっくりがいたがってるよりは、ゆっくりできるよ!」
なんだこいつ。どこの聖人だよ? 初めは善良を装った演技かと思った。さもなければ本
当に善良なゆっくりか。
だがこいつは、どちらでもないようだ。
少々薄気味悪くなってきたが、同時に興味も湧いてきた。すぐにその正体を見極めてやる。
「……わかった。お前の心意気を汲んで、まりさのあんよは焼かないし釘も刺さない」
「ゆうう、よかったよぉぉぉ!」
「と、ととととうぜんなのぜ!」
微妙にビビリながら虚勢を張るまりさ。いいね、ゆっくりはやっぱりこうでないと。傲岸
不遜、自分本位の身の程知らず。それでこそゆっくりってもんだ。
そんなゆっくり代表みたいなまりさを透明な箱から取り出すと、アルコールランプのすぐ
隣においてやる。
「お、おにいさん? あんよはやかないんだよね……?」
「ああ、焼かないさ」
不安そうに聞いてくるれいむに俺は軽く答えてやる。
まりさは上から手で押さえつけているので口を開けず、うめき声しか上げられない。
そして、用意した道具の中からペンチを取り出すと、それで五寸釘をつかんだ。
「お、おにいさん? くぎさんはささないんだよね?」
「ああ、刺さないさ」
俺は五寸釘をアルコールランプの火にかざした。待つことしばし、熱に赤く染まる釘。ペ
ンチでなく素手で持っていたら火傷間違いなしだ。
「お、おにいさん? なにしようとしてるの……?」
「おしおきしようとしてるの」
言うなり、俺はまりさのほっぺたに焼けた釘を押しつけた。
「ゆっ……ぎゃあああああああああ!」
十分な力で押さえつけていたつもりだが、それでも相当痛いのか、ゆっくりらしからぬ力
で口を開き、絶叫するまりさ。
俺はそのまま、悲鳴を上げられるよう口は開けられ、それでいて逃がさぬよう押さえつけ
る力加減を調整しながら、二度、三度と続けてまりさのほっぺたに焼けた釘を押しつけた。
じゅっという饅頭皮の焼ける小気味いい音。まりさの爽快な絶叫。そして広がる、香ばし
く甘ったるい匂い。ゆっくり虐待の醍醐味を存分に味わう。至福の時間だ。
「お、お、おにいさあああん!? なにしてるのおおおおおお!?」
突然の無惨な光景に驚き目を見張るれいむ。
俺はアルコールランプの火で釘を加熱しなおしながら答えてやる。
「ああ、だから、おしおきだよ」
「だって、おしおきはしないって……!」
「あんよを焼かない。釘は刺さない。そうは言ったが、おしおきしないとは言ってない」
「そ、そんなあああ!」
再び釘を押しつける。焼ける音にまりさの悲鳴。それに、別な言葉が混じった。
「や、やるなられいむをやるんだぜえええええ!」
このまりさ、つくづくゲスだな。
れいむの方はと見れば、ぐっと唇をかみしめて、なにやら決意の表情。
「お、おにいさん! まりさにひどいことしないでね!」
「だめだ。こいつは罪を犯した。罰を与えなきゃいけない。おしおきはやめられない」
「じゃあれいむに……」
「だめだだめだ。自分からやってくれ、なんてやつにおしおきしたって罰にならない。そ
もそもこれはまりさの罪だ。こいつは見ず知らずのゆっくりだろう? お前に肩代わりな
んてできない」
「ゆうう……」
こんなに苦しんでいるまりさを目にしているというのに。釘でちょっと刺されただけであ
んなに痛がる、痛みに弱いゆっくりだというのに。それでもれいむは自分を痛めつけろと
言う。
こいつどんだけ人のいいゆっくりなんだか。
「ああ、でも、お前にもできることはあるぞ」
「ゆゆゆっ!? な、なにっ!?」
「まりさを励ましてやれ」
「ゆ! ゆっくりりかいしたよ!」
からかうつもりで言ってみたが、れいむは本気で受け取ったようだった。
どれ、面白いことになりそうだ。
俺は再び熱した釘を饅頭に押しつける作業に戻った。
「ゆがああああああ!!」
「まりさ! いたい? がんばってね!」
「くそれいむうううううう! まりさをたすけろ……ゆぎゃああああ!」
「おしおきはうけなきゃいけないよ! がまんしなくちゃ、だよ!」
「ゆぐぐぐうう、まりさはわるくな……ゆぎいいいいい!?」
「はんせいしないと、おしおきおわらないよ!? まりさ、ゆっくりりかいしてね!」
「ゆぎゃあああああ!! なにいって……ゆっぐううう!」
「まりさ、ゆっくりがんばって!」
「ゆぐがががああああああああ!」
なんだかおかしなことになってきた。だが、この奇妙な状況を俺はそれなりに楽しみなが
ら、まりさの饅頭肌をまんべんなく焼いていった。
・
・
・
「ゆふう……ゆふう……いだいぃぃ……いだいのぜぇぇぇ……」
痛みのあまり、もはや無視の息のまりさ。その面はひどいものだった。
いびつに気まぐれに、顔面にまんべんなく火傷の線が走っている。さながら焼き饅頭の出
来損ないといった風情だ。ふつうの網焼きや鉄板焼では均一に焼けてここまで中途半端な
悲惨さはない。なかなかいい案配だ。
れいむがいなければ、あんよを焼いた後で釘を刺す、という虐待をするつもりだった。そ
れをせずに道具を変えず虐待する、という即興の思いつきでやったものだが、思ったより
楽しめた。
「おにいさん……おしおきは、もうおしまい?」
「ああ、『おうち宣言』した分のおしおきはもうおしまいだ」
「まりさがいたがってるよ! ぺーろぺーろしてあげてもいい?」
「好きにしろ」
俺が許可すると、れいむはまりさを舐めて慰め始めた。
「まりさ、いたかったね! がんばったね! ぺーろ、ぺーろ」
「ゆぐぐ……」
しかしこのれいむ、やっぱりよくわからない。
結局こいつ、俺がまりさを焼いてる間ずっと、まりさのことを励まし続けた。あくまで前
向きに、親身になって。あんまり近寄るものだから、うっかり釘にふれて悲鳴を上げたこ
とがあった。それでもれいむはまりさを励ますことやめなかった。まったくもって恐れ入
る。
まあ、ゲスにそんなことをしたところでなにも変わりはしない。今は消耗してしゃべるこ
ともできないようだが、どうせこのまりさもすぐに「くそれいむ、なんでたすけなかった
ぁぁぁ!」だの、「よくもやったなくそじじぃ!」だの言い出すに決まっている。ゆっく
りは自分のことばかり考えて、自分のことすらよく見えていない身の程知らずなのだから。
このれいむにしたって本性は知れたものではない。さもなければ、こいつひょっとして頭
のおかしいゆっくりなのではないだろうか。
そんなことを考えていた時。
「……ありがとう……だぜ……」
そんなつぶやきが耳をかすめた。
俺は反射的にまりさをつかむと、手元に引き寄せた。
「ゆうう……!?」
「お、おにいさん!? なにするの!? おしおきはもう……」
「おしおきはまだ終わらない。そこを見ろ」
俺が顎をしゃくった先をれいむは見る。そこには砕けた花瓶がある。
「『おうち宣言』のおしおきは終わった。だが、こいつは俺の大事な花瓶を割りやがった。
そのおしおきは……そうだな。こいつの大事な物を奪うことにするかな?」
俺はまりさからおぼうしをとりあげた。
「ゆんやああ! まりさのおぼうしぃ! おぼうしぃぃぃ!」
焼け焦げた顔を不気味にゆがめ、涙を流して飛び上がるまりさ。だが立ち上がった俺は巧
みにまりさのぎりぎり届かない位置でおぼうしを揺らしてやる。
ゆっくりにとってお飾りは、自分が自分であることの証明。それを奪われることは自分を
失うこと。その喪失感は壮絶なものだ。その苦しみにはどんなゆっくりだって泣きわめく
しかない。
だから、れいむの行動がすぐには理解できなかった。
「おにいさん……れいむの……!」
それ以上は言葉にできないらしい。だが、行動でわかった。
れいむは額を床にこすりつけていた。ゆっくりの土下座。だが、れいむのするそれは、謝
罪のためではない。
れいむ種が土下座をすると言うことは、後ろ髪につけたお飾りをとりやすい位置にさらす
と言うことになる。つまりこいつは、まりさのおぼうしをとるなら自分のお飾りを取れ、
と言っているのだ。
さすがにこれは驚いた。正直、薄気味悪くなった。
「おまえ……どうしてそこまでするんだよ? こいつはお前の知り合いじゃないんだろ?
見ず知らずの、『おうち宣言』かますようなバカなゆっくりなんだぞ? そんなゲスの
ために、なんでそこまで……」
「れいむは、いらないゆっくりなんだよ……」
「いらないゆっくり、だと……?」
「ゆうう……れいむは……」
そして、れいむはたどたどしく自分の半生を語り始めた。
・
・
・
れいむは普通のれいむと普通じゃないありすとの間に生まれた。普通じゃないありす――
すなわち、れいぱーありすだ。
森の群の中、れいぱーありすの集団による突然の襲撃。親れいむはその被害者だった。し
かし、不幸中の幸いと言うべきか。襲われはしたものの、親れいむは永遠にゆっくりする
前に群れのゆっくりたちによってどうにか救われた。
そして、れいむは生まれた。
通常、れいぱーの子は忌み嫌われるが、親と同種の子は普通に育ててもらえることが多い。
だが、親れいむは既に子ゆっくりまで成長した子供を持っていた。愛情はすべて子ゆっく
りたちに注がれ、れいぱーの子であるれいむは厳しくされた。
「おまえなんてうみたくなかったよ! おまえはいらないこだよ!」
ことあるごとに、親れいむはれいむのことをそう罵られ、おしおきを受けたと言う。おし
おきを当然という考えはこのころ根付いたものらしい。
群れのゆっくりたちも表立って迫害することこそなかったが、常によそよそしかった。ど
うにか撃退はしたものの、れいぱーありすの残した被害は根深く、れいぱーの子はみな嫌
われていたのだ。
そんな真っ暗な日々。いつまでも続くと思われた毎日に、一つの光が射し込む。
「れいむ! まちにでよう!」
れいむが成体に近づいた頃。そうもちかけて来たのは、れいむと同じくれいぱーありすの
被害によって生まれた、幼なじみのまりさだった。
森の群はみんな冷たい。だが、誰も自分たちのことを知らない街に行けばゆっくりできる
はずだ。まりさの提案に、れいむは心躍らされた。
そして、二匹は街にでた。
不慣れなアスファルトの上を物珍しげに跳ね回るうち、二匹は車の走る道路にでてしまう。
突然やってくる巨大な鉄の塊。自動車。二匹は驚き、あわててよけようとした。
れいむはぎりぎり間に合った。だが、まりさはダメだった。焦ってれいむと一緒に跳ね、
先に着地したれいむの身体にぶつかり、車の方へと跳ね返った。
そして、まりさは車にひかれた。
「れいむが……いなければ……」
まりさはその言葉を残し、永遠にゆっくりした。
・
・
・
「……だから、れいむはいらないゆっくりなんだよ……」
「なるほど、そういうこと、か」
俺はようやく得心がいった。
ゆっくりは身の程知らずだ。その根元は、自分の存在に対する盲信だ。常に自分を最高と
根拠もなく信じ、特別な存在だと当たり前のように思いこんでいる。
たとえば、ゲスなまりさは自分が世界で一番すぐれたゆっくりだと信じている。だから力
の差というものを理解すらできず、人間を侮り横柄な口を利く。人間より自分の方が強い
と思い込んでいる。
たとえば、でいぶ。しんぐるまざーである自分は世界で一番かわいそうだと信じている。
だから優しくされて当たり前、誰もが世話を焼いてくれるものだと思いこんでいる。
たとえば、「おうち宣言」をするゆっくり。世界がすべて自分のものだと信じている。だ
から「おうち宣言」しさえすればどんな場所も自分のものになると思いこんでいる。
すべては自分を信じているから。これが人間だったら、いずれ現実にぶちあたり、世界に
おける自分の小ささを知り考えを改めるだろう。だがゆっくりはそうはいかない。思いこ
みのナマモノであるゆっくりにとって、信じたことこそ自分の真実なのだ。ゆっくりが本
当の意味で現実を知るのは、多くの場合何もかもが手遅れの死の間際なのだ。
しかし、このれいむには少しちがった。その生い立ちと今まで生きていた在り方から、信
じるべき自分がなく、思いこみの元となる自信というものがない。
寄りかかれるものが自分の中になければ、自分の外にそれを求める。
ゆえに、相手のことを思いやれる。「相手のために」と考えることで、相手によりかかる。
相手のことを本当に考えるからこそ、周りが見える。ゆえに、ゆっくりでありながら身の
程を知れる。
虐げられたれいぱーの子はなぜか善良であることが多い。その理由がわかったような気が
した。
「だから……れいむの……おりぼんを……」
だが、いくら善良であってもゆっくりの性質まで変わってしまうわけではない。お飾りを
失うのは恐ろしいのだろう。
あるいはこいつは、自分の代わりに街に連れ出してくれたまりさが死んだことがトラウマ
になっているのかも知れない。死に場所を求めて、自分の身を投げ出そうとしているのか
もしれない。
そんなれいむのことを見ていたら、俺もこんなことはしてられない。
「やめろよ、わかった。こいつのおぼうしを取ったりしないよ」
おぼうしを奪い取るなんて幼稚な虐待、この善良なれいむを前にしてする気にはなれなか
った。
俺はまりさにおぼうしを返してやった。
「まりさのすてきなすてきなおぼうしさん、ゆっくりおかえり!」
「まりさ! よかったね!」
喜び合う饅頭たち。
俺の方もなんだかうれしくなってきた。
だから、俺はじっと見守って機会を待った。身を寄せあう二人が喜びを高めあい、その頂
点に達し、
「ゆっくりしていってね!」
二匹でゆっくりの定型句を唱和したその瞬間。
まりさをつかんで引き寄せ、座り込み膝で挟んで固定する。ゆっくりはその名の通り鈍い。
突然のことに二匹ともまったく反応出きない。
「でも、罪は罰さなきゃならない。おしおきはするよ?」
用意していた道具の中からはさみを取り出し、まりさのおぼうしの鍔をちょっぴり切って
やった。
「お、おにいさんなにやってるのおおおおお!?」
「だから、おしおきだよ」
れいむに答えてやりながら、再びおぼうしをちょっぴり切る。
「ど、どうしてぇぇぇ!? だって、だって! おぼうしはとらないって……」
「おぼうしはとらない。だから、おぼうしを被せたまま、おぼうしを切り刻む。これが大
切な花瓶を割ったまりさへの、正当なおしおきだよ。ゆっくり理解しろ」
ふたたびチョキンと切る。
まりさは震えるだけで、声も出さない。顔をのぞき込んでみると、まりさはカッと目を見
開いていた。自分の命と同じくらい大切なおぼうしがどうなっているか、突然過ぎて理解
できないらしい。あるいは、理解したくないのかもしれない。
「れ、れ、れいむ! まりさ、どうなってるのぜ! いったいなにがおきてるのぜ……!?」
ちょっと目を上に向ければわかるだろうに……いや、目を向けるのが怖いのだろうか。ま
りさはれいむに問いかける。
れいむもまた目を見開き震えるばかりだ。
「れいむ、教えてやれよ」
再び、チョキンと左側の鍔の辺りを切ってやる。
「ま、まりさのおぼうしのよこがかけちゃったああああ!?」
「ゆううう!? お、おぼうしさんのよこがああああ!?」
れいむの解説に絶叫で答えるまりさ。よしよし、楽しくなってきた。
せっかくこんな善良なれいむがいるのだ。普通の虐待でつまらない。
ゲスなまりさには取り返しのつかない損害を。善良なれいむには精神的苦痛を。
せっかくの機会だ。楽しまなくては、な。
「ま、まりさのおぼうしのさきっぽがちょっときられたあああ!?」
「ゆうう? おぼうしのとんがりさん!? とんがりさんがどうしたのおおお!?」
「お、おりぼんが! おぼうしのおりぼんが!?」
「まりさのおぼうしのおりぼん!? とってもすてきなおりぼんがどうしちゃったのぜぇ
ぇ!?」
「あな! あなが! おぼうしさんのまんなかにあながっ!」
「あな!? あなってなに!? あなって、あなってえええええ!?」
悲鳴をBGMに、俺は理髪師よろしくテンポよくはさみを握るのだった。
・
・
・
「さて、これが鏡だ。お前の姿が映っている。理解できるか?」
ひとしきり、ハサミで遊んだ後。俺はまりさに自分の姿を見せてやった。
まあ、なんていうかひどい有様だった。
まずツラがひどい。縦横無尽、顔全体にくまなく広がった釘で焼かれた後は凄惨の一言。
食欲減退間違い無しの、焼き損ないの焼き饅頭といった風情だ。
そしておぼうし。もはやおぼうしとは呼べない。あの大きな鍔はすっかり切り取られ、特
徴的なとんがり帽子は先端を失ったできそこないの円筒だった。その円筒すらも虫食いの
ようにところどころが穴だらけ。おぼうしを飾っていたおりぼんはほとんどひもが引っか
かっている、という程度にしか残っていない。おぼうしを刻む過程で興が乗って髪も適当
に切ってやったので、髪型もセミロングからざんばらのショートヘア。
まりさはそんな悲惨な自分の姿を前に、呆然としていた。
しばらくそうしていたかと思うと、不意に頭の上の方に舌を伸ばした。そして、ふらふら
と所在なく舌をうごめかせる。なにをしているのだろうとしばらく眺めていると、何とな
く想像がついた。
おぼうしだ。おぼうしをつかもうとしているのだ。
おそらく、今までは舌を伸ばしているあたりにおぼうしの鍔があり、そこを引っ張ってお
ぼうしを脱いだりかぶったりしているのだろう。
だが、もうそれはない。失われたものを目の前にしながら、それでも信じられずありもな
いおぼうしの鍔を求めてゆらめく舌。
まりさは泣いた。声もなく泣いた。それでも舌はうごめき続けた。
なんて、すばらしい。儚くも滑稽で、悲しくも愚か。それはある種の感動を伴う光景だっ
た。思わず笑みがこぼれた。
さて、れいむの方はと見れば、
「おにいざん……どぼじで……」
こちらも静かに、しかしだくだくと涙を流していた。
「どぼじでごんなごどじだのおおおお!?」
「れいむ、ありがとう!」
俺の突然の感謝の言葉に、れいむはきょとんとした。
その空隙を逃さず、俺はまくし立てた。
「俺は本当はこいつのことを殺してしまうつもりだった。れいむのおかげで罰を与えるだ
けで、おしおきだけでまりさのことを許してやれた!」
「ゆ、ゆゆ?」
「れいむ、ありがとう! お前のおかげで俺は鬼にならずにすんだ!」
「で、でも、まりさがっ……!」
れいむが目を向けると、まりさもまたこちらをみた。二匹の饅頭の目と目があった。
「なあ、れいむ。まりさはゆっくりしてるか?」
「ゆっ……!?」
「顔は焼け爛れ、おぼうしはぼろぼろ。それでもまりさはゆっくりしていると思うか?」
「ゆ、ゆゆっ……!」
れいむは顔をゆがめた。ゆっくりの本能では、今のまりさはまったくゆっくりしていない
だろう。だが、善良なれいむにそれを口にすることはできないだろう。
さて、本能と理性、どっちが勝つか。
「まりさは……ゆっくりしているよっ……!」
理性が勝ったようだ。おめでとう、善良なれいむ。
でも、ゆっくりは嘘をつけない。それは、人間に対してだ。ゆっくりは普通、人間をだま
し通せるほどの知能はないし、嘘をついてもすぐ顔にでる。
苦悩に歪んだれいむの顔は、ゆっくりという言葉からはほど遠い。口にしたのが嘘である
ことなど、それこそゆっくりだってわかってしまうだろう。
そんな言葉を受け、まりさは、
「ゆっくりしていってね!」
涙混じりの声で、それでも元気に叫んだ。
「ゆ、ゆっくりしていってね!」
れいむは答えた。まりさは微笑んだ。泣きながら、笑った。
れいむもまた、笑いながら泣いた。
「さあ、お別れだ」
庭に面した出窓を開く。雨はもうあがっていた。そこにまりさを運んでやった。
「おしおきは終わりだ。お前はもうどこに行ってもいい。ただし、もう人間の家には入っ
てくるなよ?」
「まりさ、さようなら!」
れいむの別れの言葉を受けて、まりさは跳ねていった。庭の出口にさしかかったところで、
まりさは振り向いた。
「れいむ、ありがとう! ゆっくりしていってね!」
「ゆうう! ゆっくりしていってね!」
そして、まりさは跳ねていった。もう振り返ることはないだろう。
「まりさ、これからもゆっくりできるよね……? だいじょうぶだよね……?」
「そうだな……」
まあ、十中八九死ぬだろう。お飾りがないゆっくりは排斥される。野良では生き残れない
だろう。顔の傷はただでさえ脆いゆっくりの耐久性をさらに下げる。
あいつは確実に、苦しんで惨めに死ぬことだろう。
まあ、あいつのことはもうどうでもいい。十分楽しんだ。あとのことなど知った事ではな
い。それより、今は。
「なあ、れいむ。俺の飼いゆっくりにならないか?」
「ゆゆっ!?」
「お前がいたからまりさを殺さずにすんだ。お前がいるからゆっくりできた。これからも
いっしょにいてくれるとうれしい」
「れ、れいむもうれしいよ! でも、でも……」
「でも、なんだ?」
「れいむはいらないゆっくりなんだよ!」
「俺には必要なゆっくりだだ」
目と目があった。地べたと高み。饅頭と人。だが、この瞬間だけはきっと対等だった。れ
いむは自分を受け入れるものを必要とし、俺もまたれいむを必要としていた。
だから、
「れいむはおにいさんのかいゆっくりになるよ! ゆっくりおねがいします!」
れいむが俺の申し出を受け入れてくれたとき、俺は素直に微笑むことができた。
・
・
・
「さて、終わり、と」
れいむを飼いゆっくりにしたあと。俺はまりさの進入した部屋を片づけていた。
片づけと言っても簡単なものだ。割れた花瓶を片づけ広がった水を拭き取る。それだけだ。
そして、次の機会を作るために準備する。
新しい花瓶をテーブルの上にセット。安物の花瓶だが、低いテーブルから落ちても簡単に
は割れない。だからあらかじめ釘で傷を付けて割れやすくするのがポイント。テーブルに
は他にもお菓子を載せた皿をおく。庭に面した引き戸の鍵は開け、ゆっくりでもあけやす
いように少し開いておく。
そして、部屋を出て廊下から鍵をかける。これで準備完了だ。
俺はゆっくりの虐待を趣味にしている。それも、「おうち宣言」したゲスなゆっくりの鼻
っ柱をへし折ってやるのが特に好きなのだ。
部屋の中には物はほとんどないし、部屋は廊下から施錠してあるから万が一泥棒に入られ
ても基本的には大丈夫だ。そして中にはゆっくりの好むお菓子も入れてある。そうでなく
てもゆっくりというナマモノは人間の家に入りたがるものだ。
今日のまりさもこの部屋にまんまと誘い込まれたと言うわけだ。
「おうち宣言」したゆっくりを虐待するのは楽しいものだ。だが、どのゆっくりも行動が
似通っていて少々物足りなさも感じてきていた。
だが、今日は格別だった。あのれいむは最高だ。
れいむはどうしているかと見てみる。別室に作ってやった段ボールの巣穴。その中では、
タオルを下に敷き眠る饅頭の姿があった。
野良で生きてきたゆっくりには夢のような住居のはずだが、眠るれいむはどこか苦しげに
している。寝息に混じり、声が聞こえた。
「まり……さ……」
どうやら悪い夢でも見ているらしい。
今日のまりさの夢でも見ているのだろうか。あるいは、こいつのせいで死んだというまり
さか。
俺はそっとれいむの頬をなでてやった。
「ゆうう……」
くすぐったげに身をよじり、れいむの寝顔は穏やかなものになった。よしよし、こいつに
は元気でいてもらわなくてはならない。
これから、このれいむには虐待につきあってもらうつもりだ。こいつの善良さは、今日の
ようにゲスなゆっくりから今までにない反応を引き出してくれるだろう。こいつ自身の苦
しむ姿も楽しめそうだ。
さて、そんな日々を送り、こいつはどうなってしまうことだろう?
壊れてしまうかもしれない。善良さを保てなくなり、ゲスになるかもしれない。あるいは
案外、このまま俺が飽きるまで苦しみ続けてくれるかもしれない。
いずれにせよ、俺を楽しませてくれることだろう。
だから俺は、眠るれいむに優しく呼びかけた。
「ゆっくりしていってね」
れいむは眠ったまま小さく「ゆっくりしていってね」とつぶやき、微笑んだ。
だから、俺もまた微笑みを返した。
本当に、久しぶりに。とても、ゆっくりした気分で。
了
by触発あき
・過去作品
ふたば系ゆっくりいじめ 163 バトルゆ虐!
ふたば系ゆっくりいじめ 172 とてもゆっくりした蛇口
ふたば系ゆっくりいじめ 180 ゆっくりばけてでるよ!
ふたば系ゆっくりいじめ 181 ゆっくりばけてでるよ!後日談
ふたば系ゆっくりいじめ 199 ゆっくりたねをまいてね!
ふたば系ゆっくりいじめ 201 ゆっくりはじけてね!
ふたば系ゆっくりいじめ 204 餡小話の感想れいむ・その後
ふたば系ゆっくりいじめ 211 むかしなつかしゆーどろ遊び
ふたば系ゆっくりいじめ 213 制裁は誰がために
ふたば系ゆっくりいじめ 233 どすらりー
ふたば系ゆっくりいじめ 465 おぼうしをおいかけて
ふたば系ゆっくりいじめ 469 おぼうしをぶん投げて
ふたば系ゆっくりいじめ 478 おぼうしのなかにあったもの
ふたば系ゆっくりいじめ 513 ネリアン
ふたば系ゆっくりいじめ 534 ラストれいむロストホープ
ふたば系ゆっくりいじめ 537 地べたを這いずる饅頭の瞳に映る世界
ふたば系ゆっくりいじめ 574 けがれなきゆっくりパーク
ふたば系ゆっくりいじめ 596 復讐の為の人生なんて
ふたば系ゆっくりいじめ 611 とくべつなあまあま
ふたば系ゆっくりいじめ 656 かなう願いかなわぬ望み
ふたば系ゆっくりいじめ 695 おうち宣言成立理由
nue010 anko705のあの人の人生
nue034 anko767のおねえさん一問一答.txt
上記より前の過去作品一覧は下記作品に収録
ふたば系ゆっくりいじめ 151 ゆっくりみわけてね!
触発あきの作品集
※れいむが優遇されます
「ゆ、ゆっくりしていってね……?」
雨の降りしきる中。買い物から帰ってきた俺を出迎えたのは、どこかおどおどしたゆっく
りれいむだった。
「やれやれ……おまえ、ここでなにしてやがる?」
ため息を吐きながら問いかける。答えのわかりきった無意味な質問。行動パターンの少な
いゆっくりのこと。どうせこいつも俺をじじい呼ばわりして「おうち宣言」でもするに違
いない。
まあ、慣れたことだ。せいぜい痛めつけてやることにしよう。
「ご、ごめんなさいだよ! きゅうにあめさんがふってきたから、れいむちょっとあまや
どりさせてもらっちゃったんだよ!」
「……あん?」
「あめさんがやんだらいなくなるから、すこしだけあまやどりさせてほしいんだよ……」
申し訳なさそうに眉を寄せ、一心に俺を見上げるゆっくりれいむ。
予想外の反応だ。こんなに物わかりのよいゆっくりは初めてだ。ゆっくりが人を気遣う表
情をするだって今まで見たことがない。
「驚いた。おまえ、ここが人間の家だって理解しているのか?」
「ゆうう……しってるよ! にんげんさんのおうちにはいっちゃいけないってしってるけ
ど、きゅうにあめさんがふってきて、ほかにいけるところがなくて……」
俺は思わず手に持った安物のビニール傘を見上げた。
こいつのいうとおり、雨は突然降ってきた。買い物に出かけていた俺もこうして傘を買う
羽目になったのだ。
突然の雨に、俺の家の軒下に逃げ込んだというわけだ。このれいむ、嘘を言っているので
はないようだ。
まじまじと見る。
薄汚れたおりぼん。汚れのしみついた肌。間違いなく、野良ゆっくりだ。だというのにこ
いつ、高級な飼いゆっくりのように聞き分けがいい。
少々興味がわいてきた。
「そんなところにいても寒いだろう。家にあげてやろう。あまあまだってやるぞ」
「ゆゆ!? いいよ、にんげんさん! れいむ、ここであめやどりさせてもらえればじゅ
うぶんだよ!」
なんと、あまあまの誘いまで断るとは。ますます興味が湧いてきた。それに、このれいむ
を「アレ」に使ったら面白そうだ。
「まあまあ。実はれいむ、ちょうどおまえみたいなゆっくりに手伝って欲しいことがあっ
たんだよ」
「ゆ? おてつだい?」
「そうそう。雨宿りさせてやる代わりに、俺を手伝ってくれ。それならいいだろ?」
驚いたことに、そう持ちかけてもれいむは遠慮しようとした。
だが結局、強引に押し切って俺はれいむを家に連れ込んだ。
本当に変わったやつだ。
だから……とてもとても楽しいことになる予感がした。
よいこのれいむとゆっくりしよう
「ゆわぁぁぁ……しあわせー……」
れいむは実にゆっくりとした声を漏らした。まあそれも無理もないだろう。
あのあと俺はまず、風呂場でれいむを洗ってやった。性格が綺麗でも体は小汚い野良だ。
家にそのまま上げるというのは問題がある。
ついでにオレンジジュースとお菓子を与えてやった。今のこいつの状態は、野良ゆっくり
にとっては望外のしあわせと言えるだろう。
「どうだ、れいむ? ゆっくりしてるか?」
「ゆ! おにいさんありがとう! れいむ、とってもゆっくりしてるよ! おにんさん、
なんでもいってね! れいむなんでもおてつだいするよ!」
絶句した。
俺の知る限り、野良のゆっくりというやつは甘やかすとどこまでもつけあがるものだ。こ
いつはつけあがるどころか俺に感謝し、あまつさえ俺との約束――お手伝いをする、とい
うことまでちゃんと覚えていやがったのだ。
なんだこいつ、元ゴールドバッジの野良とかか? そんなのがゲス化しないで捨てられる
とかありうるのか?
あるいは――狡猾なゆっくりで、俺をだまそうとしているか、だ。
興味は尽きなかったが、その真相はこれからの「お手伝い」で明らかにしてやろう。
俺はれいむを連れ、買い物してきた物と必要な道具を用意し、目的の部屋へと向かった。
鍵を外し扉を開くと、そこには板張りの殺風景な部屋がある。調度品といえばゆっくりで
も跳び乗れる背の低いテーブルと、その脇には砕けて中に入っていた水をぶちまけている
花瓶。花も入っていたはずだが、なくなっている。おそらく喰われてしまったのだろう。
そして、花瓶のすぐそばには。
「ゆ? ゆっくりしていってね!」
「ゆっくりしていってね!」
れいむの呼びかけに答えたのは、透明な箱に閉じこめられたゆっくりまりさ。
まりさはゆっくり特有の不敵な笑みを浮かべ、その習性で定型句を答えるとすぐさま顔を
歪ませて、
「ゆがああああ! じじぃ! ここからだすんだぜえええええ!」
じたばたと暴れだした。だがゆっくり捕獲専用の透明な箱はその程度では小揺るぎもしな
い。
「お、おにいさん! まりさがいやがってるよ! だしてあげてよ!」
「そのお願いは聞けないな。あいつは俺の家に勝手に上がり込んで『おうち宣言』した、
悪いゆっくりなんだ」
俺の言葉にれいむは表情をこわばらせる。
おうち宣言。ゆっくりの身の程知らずの象徴とも呼べる行為。人家に不法侵入し、帰って
きた持ち主に対し所有権を不当に主張すること。
その身の程知らずの行動は、決まって悲惨な結末を招く。この下手人のまりさは、その結
末への過程にあるというわけだ。
わめくまりさ。それを痛ましげに眺めるれいむ。実に好対照な饅頭ふたつだった。
「れいむ。お前はゆっくりが人間の家を理解しているお前のことだ。『おうち宣言』する
のが悪いことだって知ってるな?」
「ゆうう……しってるよ……ここはにんげんさんのおうちだよ! れいむたちのおうちに
は、できないんだよ……」
「ゆがあああああ! れいむっ! なにいってるんだぜえええ!? そのじじいがわるい
んだぜえええ! ゆっくりしないで、そのじじいをぶちのめして、まりささまをたすける
んだぜえええ!」
戯言を撒き散らすまりさを無視して、れいむに語りかける。典型的なゆっくりである箱の
中のまりさと違って、実に身の丈を知った物わかりのいいれいむだった。
「まりさは悪いことをした。だから罰を与えようと思う。おしおきしてやろうと思うんだ」
「ゆうう……そ、それは……」
「ん? やめて、とか言い出すつもりか?」
「……わるいことをしたら、おしおきされるのはしかたないよ……」
「本当に物わかりがいいゆっくりだな、お前は。びっくりだ」
「で、でも! あんまりひどいことをしないでほしいよ!」
「それはお前次第だ」
「ゆうう!?」
驚くれいむを後目に、わめき散らすまりさは無視し。俺はふたつの道具を用意する。
「おしおきは二種類考えていてな。ひとつは、これ」
取り出したアルコールランプに火をつける。
「このアルコールランプでまりさのあんよをこんがり焼いてやろうと思う」
「そ、そんなことしたらゆっくりできないよ!」
「じじいはなにばかなことをいってるんだぜええええ!?」
騒ぐゆっくりどもを無視し、もうひとつの道具、五寸釘の束を取り出す。
「もうひとつは、これ。この五寸釘をブスブスいっぱい突き刺してやる」
「ゆうううう!? そ、そんなああああ!?」
「ぐそじじいいいい! あんまりばかなこといってると、せいっさいしてやるんだぜええ
ええ!?」
ふるえあがるれいむに、俺を脅してくるまりさ。いや、まりさのはただの虚勢だ。顔色青
くしてやがる。
「さて、れいむ」
「ゆ、ゆひぃ!?」
「どっちのおしおきをやればいいと思う? お前が選んでくれ。それがお前にお願いした
『お手伝い』だ」
「ゆうううう!?」
俺はゆっくりの虐待を趣味としている。どっちの道具でやっても同じくらい苦しませる自
信はある。
だが、ゆっくりとしてはどちらを嫌がるのだろう? それに少し興味があったのだ。
このれいむはどっちを選ぶだろう? おそらく、自分が「痛くないと思う方」だ。俺はれ
いむが選ばなかった方の虐待を実行しようと思っている。
そのとき、れいむはどんな反応を見せるだろうか。自分が選んだせいでより過酷なおしお
きを受けるまりさを見て、なにを言うか。どう行動するか。それを見れば、この性格のよ
さそうなれいむが本当に善良かどうかわかるはずだ。
「どっちもゆっくりできないよ……!」
「でも、罪は罰さなくてはならない。まりさにおしおきするのはやめられない。せめてお
おしおきが軽くなるように、お前がどっちか選んでやれ」
「だめだよ! どっちもゆっくりできないよ!」
「選べないって言うなら両方やるぞ」
「ゆうう!? わ、わかったよ! それじゃあ、それじゃあ……」
ついに選ぶか。恐ろしくてたまらないのか、れいむは目をぎゅっと閉じて、
「れいむにくぎさんをさしてね!」
全くの予想外のことを言いやがった。
「……なに言ってるんだ、お前?」
「まりさにくぎさんをさすなんてかわいそうだよ! だかられいむにさしてね!」
「いや、あの……」
「さしてね! れいむにさしてね!」
そういってふりふりとあにゃるを向けてくるれいむ。
ああ、ようやく理解した。こいつ、きっとアレだ。アレに違いない。
俺は五寸釘を一本手に取ると、試しにとばかり軽くれいむのケツに突き刺した。
「ゆぐうううううう!?」
反応は予想外だった。
刺したとたんに全身に浮かぶ脂汗。横から顔を覗き込めば、目を堅く閉じ眉を寄せた苦悶
の表情。苦痛に跳ね回りたいだろうに、ぶるぶる震えて耐えるその姿はおしおきを受ける
覚悟が伺えた。
でも、こいつ、間違いなくガチで痛がっている。
自分から刺せというのだから、てっきりドMのたぐいだと思った。ドMなら妙に遠慮がち
だったのも、ドMゆえの卑屈な態度ということで一応の説明がつく。ゆっくりのドMなら
痛みで発情するはずだ。しかし、こいつは違う。
五寸釘を引き抜いてやると、れいむは「ゆはー」と息を吐いた。
「お前、なんのつもりだ?」
「ゆうう?」
「なんで、こんなクズの代わりにおしおきを受けようとする?」
「だって……いたいいたいは、いやだよ。かわいそうだよ!」
「それで自分が痛いのはいいっていうのか?」
「ほかのゆっくりがいたがってるよりは、ゆっくりできるよ!」
なんだこいつ。どこの聖人だよ? 初めは善良を装った演技かと思った。さもなければ本
当に善良なゆっくりか。
だがこいつは、どちらでもないようだ。
少々薄気味悪くなってきたが、同時に興味も湧いてきた。すぐにその正体を見極めてやる。
「……わかった。お前の心意気を汲んで、まりさのあんよは焼かないし釘も刺さない」
「ゆうう、よかったよぉぉぉ!」
「と、ととととうぜんなのぜ!」
微妙にビビリながら虚勢を張るまりさ。いいね、ゆっくりはやっぱりこうでないと。傲岸
不遜、自分本位の身の程知らず。それでこそゆっくりってもんだ。
そんなゆっくり代表みたいなまりさを透明な箱から取り出すと、アルコールランプのすぐ
隣においてやる。
「お、おにいさん? あんよはやかないんだよね……?」
「ああ、焼かないさ」
不安そうに聞いてくるれいむに俺は軽く答えてやる。
まりさは上から手で押さえつけているので口を開けず、うめき声しか上げられない。
そして、用意した道具の中からペンチを取り出すと、それで五寸釘をつかんだ。
「お、おにいさん? くぎさんはささないんだよね?」
「ああ、刺さないさ」
俺は五寸釘をアルコールランプの火にかざした。待つことしばし、熱に赤く染まる釘。ペ
ンチでなく素手で持っていたら火傷間違いなしだ。
「お、おにいさん? なにしようとしてるの……?」
「おしおきしようとしてるの」
言うなり、俺はまりさのほっぺたに焼けた釘を押しつけた。
「ゆっ……ぎゃあああああああああ!」
十分な力で押さえつけていたつもりだが、それでも相当痛いのか、ゆっくりらしからぬ力
で口を開き、絶叫するまりさ。
俺はそのまま、悲鳴を上げられるよう口は開けられ、それでいて逃がさぬよう押さえつけ
る力加減を調整しながら、二度、三度と続けてまりさのほっぺたに焼けた釘を押しつけた。
じゅっという饅頭皮の焼ける小気味いい音。まりさの爽快な絶叫。そして広がる、香ばし
く甘ったるい匂い。ゆっくり虐待の醍醐味を存分に味わう。至福の時間だ。
「お、お、おにいさあああん!? なにしてるのおおおおおお!?」
突然の無惨な光景に驚き目を見張るれいむ。
俺はアルコールランプの火で釘を加熱しなおしながら答えてやる。
「ああ、だから、おしおきだよ」
「だって、おしおきはしないって……!」
「あんよを焼かない。釘は刺さない。そうは言ったが、おしおきしないとは言ってない」
「そ、そんなあああ!」
再び釘を押しつける。焼ける音にまりさの悲鳴。それに、別な言葉が混じった。
「や、やるなられいむをやるんだぜえええええ!」
このまりさ、つくづくゲスだな。
れいむの方はと見れば、ぐっと唇をかみしめて、なにやら決意の表情。
「お、おにいさん! まりさにひどいことしないでね!」
「だめだ。こいつは罪を犯した。罰を与えなきゃいけない。おしおきはやめられない」
「じゃあれいむに……」
「だめだだめだ。自分からやってくれ、なんてやつにおしおきしたって罰にならない。そ
もそもこれはまりさの罪だ。こいつは見ず知らずのゆっくりだろう? お前に肩代わりな
んてできない」
「ゆうう……」
こんなに苦しんでいるまりさを目にしているというのに。釘でちょっと刺されただけであ
んなに痛がる、痛みに弱いゆっくりだというのに。それでもれいむは自分を痛めつけろと
言う。
こいつどんだけ人のいいゆっくりなんだか。
「ああ、でも、お前にもできることはあるぞ」
「ゆゆゆっ!? な、なにっ!?」
「まりさを励ましてやれ」
「ゆ! ゆっくりりかいしたよ!」
からかうつもりで言ってみたが、れいむは本気で受け取ったようだった。
どれ、面白いことになりそうだ。
俺は再び熱した釘を饅頭に押しつける作業に戻った。
「ゆがああああああ!!」
「まりさ! いたい? がんばってね!」
「くそれいむうううううう! まりさをたすけろ……ゆぎゃああああ!」
「おしおきはうけなきゃいけないよ! がまんしなくちゃ、だよ!」
「ゆぐぐぐうう、まりさはわるくな……ゆぎいいいいい!?」
「はんせいしないと、おしおきおわらないよ!? まりさ、ゆっくりりかいしてね!」
「ゆぎゃあああああ!! なにいって……ゆっぐううう!」
「まりさ、ゆっくりがんばって!」
「ゆぐがががああああああああ!」
なんだかおかしなことになってきた。だが、この奇妙な状況を俺はそれなりに楽しみなが
ら、まりさの饅頭肌をまんべんなく焼いていった。
・
・
・
「ゆふう……ゆふう……いだいぃぃ……いだいのぜぇぇぇ……」
痛みのあまり、もはや無視の息のまりさ。その面はひどいものだった。
いびつに気まぐれに、顔面にまんべんなく火傷の線が走っている。さながら焼き饅頭の出
来損ないといった風情だ。ふつうの網焼きや鉄板焼では均一に焼けてここまで中途半端な
悲惨さはない。なかなかいい案配だ。
れいむがいなければ、あんよを焼いた後で釘を刺す、という虐待をするつもりだった。そ
れをせずに道具を変えず虐待する、という即興の思いつきでやったものだが、思ったより
楽しめた。
「おにいさん……おしおきは、もうおしまい?」
「ああ、『おうち宣言』した分のおしおきはもうおしまいだ」
「まりさがいたがってるよ! ぺーろぺーろしてあげてもいい?」
「好きにしろ」
俺が許可すると、れいむはまりさを舐めて慰め始めた。
「まりさ、いたかったね! がんばったね! ぺーろ、ぺーろ」
「ゆぐぐ……」
しかしこのれいむ、やっぱりよくわからない。
結局こいつ、俺がまりさを焼いてる間ずっと、まりさのことを励まし続けた。あくまで前
向きに、親身になって。あんまり近寄るものだから、うっかり釘にふれて悲鳴を上げたこ
とがあった。それでもれいむはまりさを励ますことやめなかった。まったくもって恐れ入
る。
まあ、ゲスにそんなことをしたところでなにも変わりはしない。今は消耗してしゃべるこ
ともできないようだが、どうせこのまりさもすぐに「くそれいむ、なんでたすけなかった
ぁぁぁ!」だの、「よくもやったなくそじじぃ!」だの言い出すに決まっている。ゆっく
りは自分のことばかり考えて、自分のことすらよく見えていない身の程知らずなのだから。
このれいむにしたって本性は知れたものではない。さもなければ、こいつひょっとして頭
のおかしいゆっくりなのではないだろうか。
そんなことを考えていた時。
「……ありがとう……だぜ……」
そんなつぶやきが耳をかすめた。
俺は反射的にまりさをつかむと、手元に引き寄せた。
「ゆうう……!?」
「お、おにいさん!? なにするの!? おしおきはもう……」
「おしおきはまだ終わらない。そこを見ろ」
俺が顎をしゃくった先をれいむは見る。そこには砕けた花瓶がある。
「『おうち宣言』のおしおきは終わった。だが、こいつは俺の大事な花瓶を割りやがった。
そのおしおきは……そうだな。こいつの大事な物を奪うことにするかな?」
俺はまりさからおぼうしをとりあげた。
「ゆんやああ! まりさのおぼうしぃ! おぼうしぃぃぃ!」
焼け焦げた顔を不気味にゆがめ、涙を流して飛び上がるまりさ。だが立ち上がった俺は巧
みにまりさのぎりぎり届かない位置でおぼうしを揺らしてやる。
ゆっくりにとってお飾りは、自分が自分であることの証明。それを奪われることは自分を
失うこと。その喪失感は壮絶なものだ。その苦しみにはどんなゆっくりだって泣きわめく
しかない。
だから、れいむの行動がすぐには理解できなかった。
「おにいさん……れいむの……!」
それ以上は言葉にできないらしい。だが、行動でわかった。
れいむは額を床にこすりつけていた。ゆっくりの土下座。だが、れいむのするそれは、謝
罪のためではない。
れいむ種が土下座をすると言うことは、後ろ髪につけたお飾りをとりやすい位置にさらす
と言うことになる。つまりこいつは、まりさのおぼうしをとるなら自分のお飾りを取れ、
と言っているのだ。
さすがにこれは驚いた。正直、薄気味悪くなった。
「おまえ……どうしてそこまでするんだよ? こいつはお前の知り合いじゃないんだろ?
見ず知らずの、『おうち宣言』かますようなバカなゆっくりなんだぞ? そんなゲスの
ために、なんでそこまで……」
「れいむは、いらないゆっくりなんだよ……」
「いらないゆっくり、だと……?」
「ゆうう……れいむは……」
そして、れいむはたどたどしく自分の半生を語り始めた。
・
・
・
れいむは普通のれいむと普通じゃないありすとの間に生まれた。普通じゃないありす――
すなわち、れいぱーありすだ。
森の群の中、れいぱーありすの集団による突然の襲撃。親れいむはその被害者だった。し
かし、不幸中の幸いと言うべきか。襲われはしたものの、親れいむは永遠にゆっくりする
前に群れのゆっくりたちによってどうにか救われた。
そして、れいむは生まれた。
通常、れいぱーの子は忌み嫌われるが、親と同種の子は普通に育ててもらえることが多い。
だが、親れいむは既に子ゆっくりまで成長した子供を持っていた。愛情はすべて子ゆっく
りたちに注がれ、れいぱーの子であるれいむは厳しくされた。
「おまえなんてうみたくなかったよ! おまえはいらないこだよ!」
ことあるごとに、親れいむはれいむのことをそう罵られ、おしおきを受けたと言う。おし
おきを当然という考えはこのころ根付いたものらしい。
群れのゆっくりたちも表立って迫害することこそなかったが、常によそよそしかった。ど
うにか撃退はしたものの、れいぱーありすの残した被害は根深く、れいぱーの子はみな嫌
われていたのだ。
そんな真っ暗な日々。いつまでも続くと思われた毎日に、一つの光が射し込む。
「れいむ! まちにでよう!」
れいむが成体に近づいた頃。そうもちかけて来たのは、れいむと同じくれいぱーありすの
被害によって生まれた、幼なじみのまりさだった。
森の群はみんな冷たい。だが、誰も自分たちのことを知らない街に行けばゆっくりできる
はずだ。まりさの提案に、れいむは心躍らされた。
そして、二匹は街にでた。
不慣れなアスファルトの上を物珍しげに跳ね回るうち、二匹は車の走る道路にでてしまう。
突然やってくる巨大な鉄の塊。自動車。二匹は驚き、あわててよけようとした。
れいむはぎりぎり間に合った。だが、まりさはダメだった。焦ってれいむと一緒に跳ね、
先に着地したれいむの身体にぶつかり、車の方へと跳ね返った。
そして、まりさは車にひかれた。
「れいむが……いなければ……」
まりさはその言葉を残し、永遠にゆっくりした。
・
・
・
「……だから、れいむはいらないゆっくりなんだよ……」
「なるほど、そういうこと、か」
俺はようやく得心がいった。
ゆっくりは身の程知らずだ。その根元は、自分の存在に対する盲信だ。常に自分を最高と
根拠もなく信じ、特別な存在だと当たり前のように思いこんでいる。
たとえば、ゲスなまりさは自分が世界で一番すぐれたゆっくりだと信じている。だから力
の差というものを理解すらできず、人間を侮り横柄な口を利く。人間より自分の方が強い
と思い込んでいる。
たとえば、でいぶ。しんぐるまざーである自分は世界で一番かわいそうだと信じている。
だから優しくされて当たり前、誰もが世話を焼いてくれるものだと思いこんでいる。
たとえば、「おうち宣言」をするゆっくり。世界がすべて自分のものだと信じている。だ
から「おうち宣言」しさえすればどんな場所も自分のものになると思いこんでいる。
すべては自分を信じているから。これが人間だったら、いずれ現実にぶちあたり、世界に
おける自分の小ささを知り考えを改めるだろう。だがゆっくりはそうはいかない。思いこ
みのナマモノであるゆっくりにとって、信じたことこそ自分の真実なのだ。ゆっくりが本
当の意味で現実を知るのは、多くの場合何もかもが手遅れの死の間際なのだ。
しかし、このれいむには少しちがった。その生い立ちと今まで生きていた在り方から、信
じるべき自分がなく、思いこみの元となる自信というものがない。
寄りかかれるものが自分の中になければ、自分の外にそれを求める。
ゆえに、相手のことを思いやれる。「相手のために」と考えることで、相手によりかかる。
相手のことを本当に考えるからこそ、周りが見える。ゆえに、ゆっくりでありながら身の
程を知れる。
虐げられたれいぱーの子はなぜか善良であることが多い。その理由がわかったような気が
した。
「だから……れいむの……おりぼんを……」
だが、いくら善良であってもゆっくりの性質まで変わってしまうわけではない。お飾りを
失うのは恐ろしいのだろう。
あるいはこいつは、自分の代わりに街に連れ出してくれたまりさが死んだことがトラウマ
になっているのかも知れない。死に場所を求めて、自分の身を投げ出そうとしているのか
もしれない。
そんなれいむのことを見ていたら、俺もこんなことはしてられない。
「やめろよ、わかった。こいつのおぼうしを取ったりしないよ」
おぼうしを奪い取るなんて幼稚な虐待、この善良なれいむを前にしてする気にはなれなか
った。
俺はまりさにおぼうしを返してやった。
「まりさのすてきなすてきなおぼうしさん、ゆっくりおかえり!」
「まりさ! よかったね!」
喜び合う饅頭たち。
俺の方もなんだかうれしくなってきた。
だから、俺はじっと見守って機会を待った。身を寄せあう二人が喜びを高めあい、その頂
点に達し、
「ゆっくりしていってね!」
二匹でゆっくりの定型句を唱和したその瞬間。
まりさをつかんで引き寄せ、座り込み膝で挟んで固定する。ゆっくりはその名の通り鈍い。
突然のことに二匹ともまったく反応出きない。
「でも、罪は罰さなきゃならない。おしおきはするよ?」
用意していた道具の中からはさみを取り出し、まりさのおぼうしの鍔をちょっぴり切って
やった。
「お、おにいさんなにやってるのおおおおお!?」
「だから、おしおきだよ」
れいむに答えてやりながら、再びおぼうしをちょっぴり切る。
「ど、どうしてぇぇぇ!? だって、だって! おぼうしはとらないって……」
「おぼうしはとらない。だから、おぼうしを被せたまま、おぼうしを切り刻む。これが大
切な花瓶を割ったまりさへの、正当なおしおきだよ。ゆっくり理解しろ」
ふたたびチョキンと切る。
まりさは震えるだけで、声も出さない。顔をのぞき込んでみると、まりさはカッと目を見
開いていた。自分の命と同じくらい大切なおぼうしがどうなっているか、突然過ぎて理解
できないらしい。あるいは、理解したくないのかもしれない。
「れ、れ、れいむ! まりさ、どうなってるのぜ! いったいなにがおきてるのぜ……!?」
ちょっと目を上に向ければわかるだろうに……いや、目を向けるのが怖いのだろうか。ま
りさはれいむに問いかける。
れいむもまた目を見開き震えるばかりだ。
「れいむ、教えてやれよ」
再び、チョキンと左側の鍔の辺りを切ってやる。
「ま、まりさのおぼうしのよこがかけちゃったああああ!?」
「ゆううう!? お、おぼうしさんのよこがああああ!?」
れいむの解説に絶叫で答えるまりさ。よしよし、楽しくなってきた。
せっかくこんな善良なれいむがいるのだ。普通の虐待でつまらない。
ゲスなまりさには取り返しのつかない損害を。善良なれいむには精神的苦痛を。
せっかくの機会だ。楽しまなくては、な。
「ま、まりさのおぼうしのさきっぽがちょっときられたあああ!?」
「ゆうう? おぼうしのとんがりさん!? とんがりさんがどうしたのおおお!?」
「お、おりぼんが! おぼうしのおりぼんが!?」
「まりさのおぼうしのおりぼん!? とってもすてきなおりぼんがどうしちゃったのぜぇ
ぇ!?」
「あな! あなが! おぼうしさんのまんなかにあながっ!」
「あな!? あなってなに!? あなって、あなってえええええ!?」
悲鳴をBGMに、俺は理髪師よろしくテンポよくはさみを握るのだった。
・
・
・
「さて、これが鏡だ。お前の姿が映っている。理解できるか?」
ひとしきり、ハサミで遊んだ後。俺はまりさに自分の姿を見せてやった。
まあ、なんていうかひどい有様だった。
まずツラがひどい。縦横無尽、顔全体にくまなく広がった釘で焼かれた後は凄惨の一言。
食欲減退間違い無しの、焼き損ないの焼き饅頭といった風情だ。
そしておぼうし。もはやおぼうしとは呼べない。あの大きな鍔はすっかり切り取られ、特
徴的なとんがり帽子は先端を失ったできそこないの円筒だった。その円筒すらも虫食いの
ようにところどころが穴だらけ。おぼうしを飾っていたおりぼんはほとんどひもが引っか
かっている、という程度にしか残っていない。おぼうしを刻む過程で興が乗って髪も適当
に切ってやったので、髪型もセミロングからざんばらのショートヘア。
まりさはそんな悲惨な自分の姿を前に、呆然としていた。
しばらくそうしていたかと思うと、不意に頭の上の方に舌を伸ばした。そして、ふらふら
と所在なく舌をうごめかせる。なにをしているのだろうとしばらく眺めていると、何とな
く想像がついた。
おぼうしだ。おぼうしをつかもうとしているのだ。
おそらく、今までは舌を伸ばしているあたりにおぼうしの鍔があり、そこを引っ張ってお
ぼうしを脱いだりかぶったりしているのだろう。
だが、もうそれはない。失われたものを目の前にしながら、それでも信じられずありもな
いおぼうしの鍔を求めてゆらめく舌。
まりさは泣いた。声もなく泣いた。それでも舌はうごめき続けた。
なんて、すばらしい。儚くも滑稽で、悲しくも愚か。それはある種の感動を伴う光景だっ
た。思わず笑みがこぼれた。
さて、れいむの方はと見れば、
「おにいざん……どぼじで……」
こちらも静かに、しかしだくだくと涙を流していた。
「どぼじでごんなごどじだのおおおお!?」
「れいむ、ありがとう!」
俺の突然の感謝の言葉に、れいむはきょとんとした。
その空隙を逃さず、俺はまくし立てた。
「俺は本当はこいつのことを殺してしまうつもりだった。れいむのおかげで罰を与えるだ
けで、おしおきだけでまりさのことを許してやれた!」
「ゆ、ゆゆ?」
「れいむ、ありがとう! お前のおかげで俺は鬼にならずにすんだ!」
「で、でも、まりさがっ……!」
れいむが目を向けると、まりさもまたこちらをみた。二匹の饅頭の目と目があった。
「なあ、れいむ。まりさはゆっくりしてるか?」
「ゆっ……!?」
「顔は焼け爛れ、おぼうしはぼろぼろ。それでもまりさはゆっくりしていると思うか?」
「ゆ、ゆゆっ……!」
れいむは顔をゆがめた。ゆっくりの本能では、今のまりさはまったくゆっくりしていない
だろう。だが、善良なれいむにそれを口にすることはできないだろう。
さて、本能と理性、どっちが勝つか。
「まりさは……ゆっくりしているよっ……!」
理性が勝ったようだ。おめでとう、善良なれいむ。
でも、ゆっくりは嘘をつけない。それは、人間に対してだ。ゆっくりは普通、人間をだま
し通せるほどの知能はないし、嘘をついてもすぐ顔にでる。
苦悩に歪んだれいむの顔は、ゆっくりという言葉からはほど遠い。口にしたのが嘘である
ことなど、それこそゆっくりだってわかってしまうだろう。
そんな言葉を受け、まりさは、
「ゆっくりしていってね!」
涙混じりの声で、それでも元気に叫んだ。
「ゆ、ゆっくりしていってね!」
れいむは答えた。まりさは微笑んだ。泣きながら、笑った。
れいむもまた、笑いながら泣いた。
「さあ、お別れだ」
庭に面した出窓を開く。雨はもうあがっていた。そこにまりさを運んでやった。
「おしおきは終わりだ。お前はもうどこに行ってもいい。ただし、もう人間の家には入っ
てくるなよ?」
「まりさ、さようなら!」
れいむの別れの言葉を受けて、まりさは跳ねていった。庭の出口にさしかかったところで、
まりさは振り向いた。
「れいむ、ありがとう! ゆっくりしていってね!」
「ゆうう! ゆっくりしていってね!」
そして、まりさは跳ねていった。もう振り返ることはないだろう。
「まりさ、これからもゆっくりできるよね……? だいじょうぶだよね……?」
「そうだな……」
まあ、十中八九死ぬだろう。お飾りがないゆっくりは排斥される。野良では生き残れない
だろう。顔の傷はただでさえ脆いゆっくりの耐久性をさらに下げる。
あいつは確実に、苦しんで惨めに死ぬことだろう。
まあ、あいつのことはもうどうでもいい。十分楽しんだ。あとのことなど知った事ではな
い。それより、今は。
「なあ、れいむ。俺の飼いゆっくりにならないか?」
「ゆゆっ!?」
「お前がいたからまりさを殺さずにすんだ。お前がいるからゆっくりできた。これからも
いっしょにいてくれるとうれしい」
「れ、れいむもうれしいよ! でも、でも……」
「でも、なんだ?」
「れいむはいらないゆっくりなんだよ!」
「俺には必要なゆっくりだだ」
目と目があった。地べたと高み。饅頭と人。だが、この瞬間だけはきっと対等だった。れ
いむは自分を受け入れるものを必要とし、俺もまたれいむを必要としていた。
だから、
「れいむはおにいさんのかいゆっくりになるよ! ゆっくりおねがいします!」
れいむが俺の申し出を受け入れてくれたとき、俺は素直に微笑むことができた。
・
・
・
「さて、終わり、と」
れいむを飼いゆっくりにしたあと。俺はまりさの進入した部屋を片づけていた。
片づけと言っても簡単なものだ。割れた花瓶を片づけ広がった水を拭き取る。それだけだ。
そして、次の機会を作るために準備する。
新しい花瓶をテーブルの上にセット。安物の花瓶だが、低いテーブルから落ちても簡単に
は割れない。だからあらかじめ釘で傷を付けて割れやすくするのがポイント。テーブルに
は他にもお菓子を載せた皿をおく。庭に面した引き戸の鍵は開け、ゆっくりでもあけやす
いように少し開いておく。
そして、部屋を出て廊下から鍵をかける。これで準備完了だ。
俺はゆっくりの虐待を趣味にしている。それも、「おうち宣言」したゲスなゆっくりの鼻
っ柱をへし折ってやるのが特に好きなのだ。
部屋の中には物はほとんどないし、部屋は廊下から施錠してあるから万が一泥棒に入られ
ても基本的には大丈夫だ。そして中にはゆっくりの好むお菓子も入れてある。そうでなく
てもゆっくりというナマモノは人間の家に入りたがるものだ。
今日のまりさもこの部屋にまんまと誘い込まれたと言うわけだ。
「おうち宣言」したゆっくりを虐待するのは楽しいものだ。だが、どのゆっくりも行動が
似通っていて少々物足りなさも感じてきていた。
だが、今日は格別だった。あのれいむは最高だ。
れいむはどうしているかと見てみる。別室に作ってやった段ボールの巣穴。その中では、
タオルを下に敷き眠る饅頭の姿があった。
野良で生きてきたゆっくりには夢のような住居のはずだが、眠るれいむはどこか苦しげに
している。寝息に混じり、声が聞こえた。
「まり……さ……」
どうやら悪い夢でも見ているらしい。
今日のまりさの夢でも見ているのだろうか。あるいは、こいつのせいで死んだというまり
さか。
俺はそっとれいむの頬をなでてやった。
「ゆうう……」
くすぐったげに身をよじり、れいむの寝顔は穏やかなものになった。よしよし、こいつに
は元気でいてもらわなくてはならない。
これから、このれいむには虐待につきあってもらうつもりだ。こいつの善良さは、今日の
ようにゲスなゆっくりから今までにない反応を引き出してくれるだろう。こいつ自身の苦
しむ姿も楽しめそうだ。
さて、そんな日々を送り、こいつはどうなってしまうことだろう?
壊れてしまうかもしれない。善良さを保てなくなり、ゲスになるかもしれない。あるいは
案外、このまま俺が飽きるまで苦しみ続けてくれるかもしれない。
いずれにせよ、俺を楽しませてくれることだろう。
だから俺は、眠るれいむに優しく呼びかけた。
「ゆっくりしていってね」
れいむは眠ったまま小さく「ゆっくりしていってね」とつぶやき、微笑んだ。
だから、俺もまた微笑みを返した。
本当に、久しぶりに。とても、ゆっくりした気分で。
了
by触発あき
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ふたば系ゆっくりいじめ 163 バトルゆ虐!
ふたば系ゆっくりいじめ 172 とてもゆっくりした蛇口
ふたば系ゆっくりいじめ 180 ゆっくりばけてでるよ!
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ふたば系ゆっくりいじめ 199 ゆっくりたねをまいてね!
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ふたば系ゆっくりいじめ 465 おぼうしをおいかけて
ふたば系ゆっくりいじめ 469 おぼうしをぶん投げて
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