ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko0823 基本種 ふんどしれいむの復讐
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れいむが甘えた声を上げていた。
聞いただけで脳みそを掻き毟りたくなる、濃厚で粘りのある訴えを。
「ゆっゆ~ん! まりさはすてきだねっ!! れいむのおよめさんになってね!?」
「れいむはかわいいねっ!! とってもゆっくりできる、びゆっくりなんだぜっ!!」
れいむは、リビングの庭に通ずる大きなガラス越しに、汚い野良まりさとすっきり行為をしていた。
体を上下に動かす度に、ナメクジが出すような分泌液を、透明な窓へと塗りたくっていく。
…後からする掃除がとても億劫です。
「何をしているんだ?」
ガラス両面の一部に粘液を付けた犯人達に向けて、極めて冷淡な声を掛けた。
怒りを通り越して、呆れの方が強い。
「ゆ? おにいさん! しょうかいするよっ!! れいむのすてきな、はにーだよっ!!! 」
「まりさはのらだけど、ゆっくりできるまりさなんだぜっ! このとうめいないたを、ゆっくりどけてねっ!?」
この頭の悪いれいむは、俺が飯を食わせている飼いゆっくりだ。
特別な資格や能力も一切持っていないが、他のれいむ種と一目で違う点は、
赤く燃えるような色をしたふんどしを腰に巻いている事だろうか?
「あかちゃんいっぱいつくろうねっ!! れいむは、こそだてがじょうずなんだよっ!!」
「まりさはかりがとくいだよっ!! あかちゃんにおなかいっぱいたべさせてあげるよっ!!」
既に明確な将来設計を固めていたふんどしれいむ。
こんな餡子脳で申し訳ない。
でも、適切な躾は行っている。
「…野良とすっきりして、子供作ったら駄目だと言っていたよな。忘れたのか?」
「ゆんぁあああんっ゛!? ふんどしさんひっぱらないでねっ! おしりがさけちゃうよっ゛!?」
「れいむぅうううっ゛! やめてあげてねっ!! いたがってるよっ゛!?」
俺はれいむのふんどしを掴んで宙へと浮かせる。
腰の部分を強めに締め上げて苦痛を与えているため、空中散歩を楽しむ余裕は無いらしい。
まりさは家族気取りで、涙を流しながら躾の静止を求めてくる。
このまりさは正直ウザいかな? これは家族の問題だから口を挟まないで欲しい。
「全く。困ったもんだな」
「ゆうううっ゛!! おじりがじんじんずるよおおおおおおっ゛!?」
「れいむっゆっくりしてねっ!? ぺーろぺーろしてあげるんだぜっ!!」
空に持ち上げていた赤ふんれいむを床へと下ろす。
躾を行った際の痛みでれいむはお漏らしをしてしまったらしい。
前方に巻かれた褌の一部分が水分を吸収して染みがじんわりと広がっていく。
「ゆええええええんっ゛!! まじざにぎらわれじゃうよおおおおおおっ゛!?」
「だいじょうぶだよっ! おもらししてゆっくりできないれいむでも、まりさはぜんぜんへいきだよっ!!
おかしなぬのをまいている、ゆっくりできそうもないれいむでも、まりさはがまんできるよっ!!」
泣いている赤ふんれいむに真面目に答えたまりさ。
それを聞いたれいむは、悲しみの表情を笑顔に変えて窓のまりさに向かって走り出す。
「ゆふっふうううんっ゛! まじざはゆっぐりでぎるよっ!! しあわせにしてねっ!?」
「ゆ~ん!! しーしーくさいれいむはびみょうだけど、ぎりぎりおっけーにしておくよっ!!」
透明なガラス越しでゆっくり達のラブラブちゅっちゅが始まる。
濃厚な接吻で窓に穴が開きそうだ。
あっという間に、甘そうな分泌液で薄汚れていく綺麗だったガラス窓。
しかし、本当に頭が可哀想なれいむだ。
飼い主として心配になってくる。
このまりさの暴言を、どの様な脳内変換をすればゆっくり出来る回答に辿り着けるのだろうか?
一遍、頭頂部を開いて調べてみたいものだ。
「やれやれ。ゆっくり行きますか」
俺は左右に首を振りながら、呆れ顔でコートを掴む。
そのまま玄関へと向かい、細かい雪が降り続いている外へと足を運んだ。
頬を赤く染めながら、上下運動を行うれいむとまりさ。
「ゆっ! ゆっ! ゆっ! なんだか、きもちよくなってきたよ!?」
「ゆゆゆっ!? ゆゆゆゆゆゆっ!!」
そのまま、すっきりしそうな勢いで喘ぐれいむ達。
全身を縦にのーびのーびしながら、相手の体温を貪欲に求めるその姿は称賛に値する。
だが、このまますっきり行為を完遂してしまうと、それぞれのお相手は透明なガラスさんだ。
つまり、結果的にこのゆっくり達は、ゆなにーをしてしまう事になる。
別にまりさはどうでもいいが、れいむに変な癖がついたらとても困る。
毎日毎日、ネバネバの汁がこびり付いた窓を拭くのは、真っ平ゴメンだ。
なので、この野良まりさには、赤ふんれいむに対する躾の役割を請け負ってもらい、尊い犠牲になって貰おう。
「ゆっ…? おそらをとんでるみたいっ!」
俺はまりさを持ち上げた。
ぬるぬるの体皮がとっても気持ち悪い。
失敗した。手袋を持ってくるべきだったよ…。
「おにいさんは、ゆっくりできるにんげんさんなんだねっ! ゆっくりしていってねっ!!」
浮かれ気分でご機嫌の野良まりさ。
ガラスの向こう側で、すりすりクライマックスを迎えようとしたれいむが、俺に抗議を訴えてきている。
どうやら、最悪の瞬間だけは免れたらしい。
危ない危ない。まさに危機一髪。
「ゆんゆーんっ! おそらさんはゆっくりできる……よ?」
持ち上げていたまりさをそのまま投擲。
更なるお空の旅をお楽しみください。
「ゆわあああっ゛!? あがごえぎげえあげえええっ゛!! おぶじぃい、ゆびゅうぐっ゛!?」
「うわああああああっ゛!? まじざあああああああああっ゛!!」
赤ふんれいむの視点からまりさの姿が消える。
その不思議な体感現象を、『まるで、お空を飛んでいったかのようなスピードだった』と、後にれいむは語った。
まあ、実際に飛行して行ったのだから間違いでもない。
「ゆわっ゛!? うごげっ゛!! ぶごえぇえええっ゛!?」
みっともなく地面を転がっていく野良まりさ。
元々薄汚れていた身体は、庭の泥で益々汚くなってった。
「いだいよっ゛!? どぼじでごんなごと……」
顔面を俺の方に向けて、お決まりの言葉を口にしていたまりさの抗議が止まる。
何故ならば、俺に大事なお帽子があっさりと取られたからだろう。
隙を見せたまりさが悪い。
「かえじでっ゛!? まじざのすできなおぼう…うわああああああああああああっ゛!?」
又も、明確な言葉を紡げず最後は甲高い悲鳴をあげたまりさ。
目の前で素敵なお帽子がいきなり解体されていては交渉どころではない。
黒い紙切れと化した帽子の破片が、まりさの足元へと降り注ぐ。
「…ゆ…うわあああっ゛……ゆわあああああああああんっ゛!?
まじざのゆっぐぢしだおぼうじがぁああああああああああああっ゛!?」
まりさは焦りながら黒い破片を舌を伸ばして一箇所に集め始める。
しかし、泥水を吸った帽子のパーツは急速に萎びていく。
修復させるどころか、破片で出来た大きな泥団子を捏ねている様なまりさの姿。
それでも諦めずに、必死で帽子の復元を試みている。
「ゆっ…ぐぅうっ…ゆぐううううううっ゛!?」
まりさの努力と健闘空しく、大方の予想通りに泥の塊以上の物体から昇華しなかった。
製作した黒団子を、視点を色々と変えながら確認しているまりさ。
様々なポジションから見ても自分のお帽子に似ても似つかない物体に絶望しているようだ。
「これに懲りたら、俺のれいむに近づくんじゃないぞ? 解ったな?」
「ゆぶうううっ゛!! まじざの…まじざのおぼうじがああああああっ゛!?」
俺はまりさに声を掛けてその場を後にする。
この野良まりさは、言葉使いこそ悪いが根は腐っていないはず。
強く生きてください。
良い奴かもしれない野良まりさを置き去りにして、俺は自宅へと向かった。
扉の閉める音が玄関に響く。
それを待ち構えたかのように、涙を流した赤ふんれいむが俺に詰め寄ってきた。
「おにいざんっ゛!? まじざはっ゛! れいぶのまじざはどうじだのっ゛!?」
「うー、外は寒かったぜ。はい、れいむお土産だ」
俺はれいむの頭の上に黒い切れ端を乗せた。
先程、まりさの帽子を解体した時の一部を、こっそりポケットに忍ばせておいたのだ。
「…まじざは? まじざは……どうしだ…の?」
「野良まりさはずっとゆっくりした」
れいむの身体が硬直する。
「あのまりさは、お前を利用してお家に入ろうとしていたんだ」
お兄さんの声が右から左へと流れる。
「俺はそんなまりさを制裁した。悪いことではないだろ?」
れいむは涙を流しながらまりさの顔を思い浮かべた。
「だって、このゆっくりプレイスの長は俺なんだ。当然、全ての権限は自分にある」
れいむは歯を食いしばり目の前の敵を見据えた。
その眼差しを意ともせずに溜息を付きながら家の奥へと消える長。
復讐の炎を瞳に宿したれいむが、まりさの仇を取る為に行動を起こした。
台所で何やら奮闘している、ふんどしれいむ。
その腰に巻いた褌は赤から白へと色を変えていた。
赤ふんは、今ごろ洗濯機の中の奔流に揉まれて清潔になっている事だろう。
「ゆーっ! ゆーっ!! ゆっくりでてきてねっ!!」
白ふんれいむは、慎重に透明なシートをお口で引っ張り出している。
それは薄くて耐熱性に優れたラップだった。
破らないように注意しながら、れいむはずりずりと後へ下がっていく。
「これがあれば、おにいさんもゆっくりできなくなるよっ! まりさのかたき……あーっ゛!?」
ぶつぶつ言いながら後進していたれいむは、乗っていたテーブルの上からまっさかさまに落ちた。
つい最近、れいむはラップを足の部分に巻かれるお仕置きをされた。
進もうとしてもツルツル滑って、前方に全然進めなかった事を思い出したのだ。
必死でお皿に向かうれいむを嘲笑うかのように、『ご飯さんはいらないのかー?』と、下げられて、
おトイレには間に合わず、お漏らしした画像をぷろぐさんに乗せられた屈辱。
その積年の思いもついでに晴らすために、恐ろしい復讐が実行される…予定。
「ゆっふっふっ! れいむはじぶんのさいのうがこわいよっ!!」
落下した時に後頭部を強打したれいむは、涙を滲ませながら呟く。
廊下の中央には、一枚の大きなラップが敷かれていた。
それも無造作に。
何の工夫も無く。
「さあ、ゆっくりくるしんでねっ!!」
れいむは絶大なる自信を持ちながら復讐を始める。
「…ん?」
俺は洗濯物を乾燥機に入れた後、れいむの様子を確認する為にリビングへと足を運んでいた。
その途中、奇妙な物体を目にする。
廊下に広げられた大きな一枚のラップ。
俺は首を傾げながらそれに近づいていく。
その時、何処からか視線を向けられている事に気づいた。
「……アイツは何してんだ?」
れいむが丸い身体を半分程廊下側にはみ出させて、にやけた顔をしながら片目で俺を観察している。
そこで俺は全てを理解した。
「全く……困った奴だぜ!」
「ゆゆっ!?」
俺はダッシュでれいむの側に駆け寄り、れいむを持ち上げた。
そして、れいむのあんよにラップをセット。
「いくぞ! れいむっ!! ゆっくり楽しめよっ!?」
「ゆっ! ゆゆっ!? ゆゆゆゆゆっ!!」
れいむはカーリングごっこをして欲しかったのだ。
数日前にラップでお仕置きした後、鞭ばかりでは良いゆっくりに育たないという事で、
飴成分のお遊戯として俺が考え出した、" カーリングれいむ にーまるいちまる "
「ゆっ゛!? ゆわあぁああああああああああああああっ゛!!」
フローリング製の長い廊下を滑るように走っていく白ふんれいむ。
その歓声はとても楽しそうだった。
思いのほか好評で嬉しい限りですな。
「うん。元気でよろしい」
壁に顔面から激突して緊急停止したれいむ。
その際にお漏らしをしてしまったので、褌は青色に着替えをさせてもらったらしい。
「これなら、ゆっくり…ひっく…ゆうううっ゛!」
悔しさをバネに変えて、青ふんれいむは新たな罠の設置に取り掛かる。
物差しの様な形をした棒状の板を口に咥えながら廊下を移動していくれいむ。
「ゆっ゛! れいむはがんばるよっ!! まりさみててねっ!!」
頭に乗せているまりさの形見に声を掛けながらトラップの完成を急ぐ。
れいむは、この物差しでお尻ぺんぺんを何度もされてきた。
丸い臀部が真っ赤に腫れ上がり、床に座るのにも激痛が走る異常事態。
この桃尻生産棒に、れいむは何度も泣かされて来たのだ。
最近は、『けつでかれいむ』やら、『おさるれいむ』などの記録写真も取られている。
その積年の思いもついでに晴らすために、恐ろしい復讐が再度実行される…予定。
「ゆっふっふっ! れいむはじぶんのさいのうが……さいのうが…!?」
物差しが廊下の溝に引っかかって、柔らかく撓っていく。
れいむは、一生懸命に押して外そうとしている。
押す。押す。押す。
まるで引くことを知らない猛牛の様に前進を続ける。
「ゆぐーんっ゛!? ゆっぐぢはずれでっ゛……ゆっ゛!! あああああああああぁあああっ゛!?」
限界まで撓った物差しが棒高跳びの原理で、れいむの身体を空中へと押し上げる。
そのまま廊下の壁に吸い込まれていくれいむ。
また少し、青い褌が汚れた。
れいむは、ちょっぴり不安を持ちながら復讐を始める。
「ゆっくり~。していって下さい…え?」
乾燥機から洗濯物を回収した俺は、またも奇妙な物体を目にする。
いや、今回は奇妙な光景と言うべきか。
「また何かしてるぞ?」
廊下の壁に、三本の長い棒を斜めに立てかけて、
棒と壁の間に出来た三角スペースに身体を潜り込ませているれいむの姿。
思いっきり丸見えである。
一体、何がしたいのだろうか?
れいむは、"キリッ" と、した顔をしながら俺を見つめている。
そこで俺は全てを理解した。
「全く……困った奴だぜ!!」
俺はマッハでれいむの側に駆け寄り、れいむを持ち上げた。
そして、れいむを衣装ケースに入れて、三本の棒を縦に置く。
「よし! れいむっ!! ゆっくり頑張ってねっ!」
「ゆっ! ゆゆゆっ゛!? ゆゆゆえええっ゛!!」
れいむは、結界遊びをしたかったのだ。
物差しで尻を叩くお仕置きした後に、鞭ばかりでは良いゆっくりに育たないという事で、
飴成分のお遊びとして考え出した、" 結界れいむ いのちぎりぎり "
俺がケース内へ投入した、"とっても、ゆっくり出来ない何か" が、結界れいむに迫る。
「ゆっ゛!? ゆわあぁあああぁおおおおおおっ゛!! だにごれぇええええええっ゛!?」
全然ゆっくりできない物を防壁する事で、優越感に浸るお遊び。
群れで行う習性の名残らしいのだが、最近は特技として自慢できる技術にもなっているようだ。
もしかしたら、青ふんれいむの取り得が増えるのかもしれないっ!
技術が向上したら資格を所得するのも良いな!
れいむの発する声はとても楽しそうだ。
思いのほか好評で嬉しい限りですな。
「うん。元気でよろしい」
すっかり痩せ細ったれいむがリビングに転がっていた。
当然、アレが迫ってきた時の恐怖でお漏らしをしてしまったので、褌は青から金へと色を変えた。
「ゆぅうっ゛!! まじざのがだぎはどれながっだよ……」
頬を涙で濡らし、謝罪を口にする金ふんれいむ。
もう、全て出来る事はやり尽くした。
今から、お兄さんから潰されてゆっくりするだろう。
復讐は…失敗に終わったのだ。
「さあ、れいむをおやりなさいっ!!」
れいむはリビングに入ってきたお兄さんに向かって切れのある声で叫ぶ。
その潔い姿は、まるでまな板に乗る鯉の様に、全てを悟ったような良い顔をしていた。
「は? 何しているんだよ。新しいお遊び?」
「ゆ?」
お兄さんは、れいむの行動が心底解らないと言う表情で、首を傾げていた。
予想外の反応を受けて、れいむはあっけに取られている。
「ゆ? ゆ? れいむは…」
「お前が変なのは何時もの事か……まあいいや。ご飯持ってきたぞ」
れいむの仕掛けた罠は、お兄さんにトラップとしての脅威は与えなかった。
ただ、遊んで欲しいから自分におねだりに来ただけ。
お兄さんの中では、れいむが裏切り行為を行ったとは夢にも思わず、
飼いゆれいむの現状は、以前と全く変化はしていなかった。
「ん? 食べないの? これ嫌いだっけ? 参ったな……ちょっと高いの食うか?」
何時もの視線でれいむを見つめるお兄さん。
その眼差しを受けながら、れいむはぴこぴこを上へと振りかざし、大きな声をあげる。
「たべるーっ!!」
金ふんれいむは、最善の選択を導き出した
「むーしゃむーしゃ! しあわせーっ!!」
「美味いか? もっと食え。今日のれいむは身体がガリガリだからな」
「…れいぶうううっ゛!! ゆっぐぢじでいっでねっ!?」
「きょうはおなかがすいたよ! ごはんさんがとってもおいしいよっ!!」
「うむ。それは良い事だ」
「ゆゆゆっ゛!! ちょうだいねっ!! まじざにゆっぐぢちょうだいねっ!?」
「ゆんゆ~ん♪」
「れいぶうううっ゛!! どぼじで、むじずるのおおおおおおおおおっ゛!?」
「……はあ。五月蝿いな…」
俺はガラスの向こう側で騒いでいるまりさを見た。
瞬時に俺の視線を認識したまりさは、この窓を開けろと騒ぎ出した。
金ふんれいむは野良まりさを一目も見る事無く、ご飯を口へと運び続けている。
「まりさは、とってもゆっくりできるんだよっ!
いまあやまってくれれば、れいむのおよめさんになってあげるよ!?」
まりさの言葉使いはそれなりだったが、形相はとっても必死。
まるで、全く売れない芸人の顔芸を髣髴させる
今にも頭から餡子噴出しながら死にそうだ。
つい先程、俺と離別した時には泥だらけの体だったが、現在は全身満遍なく傷だらけになっている。
多分、帽子が無いから他のゆっくり達に、ボコボコにされたんだろう。
「れいむ~♪ まりさはすてきなんだよ! かしこいんだよ!!
ゆんゆ~ん♪ ゆっ! くり!! していってねっ!? きめっ!!」
ポーズが決まったと感じているまりさの頭の上で、黒い塊がコロコロと左右に転がる。
これは、俺が裂いた黒帽子だった物のなれの果て。
俺は溜息を付きながら、隣でご飯を食べているれいむへ声を掛けた。
「おい。お前のお嫁さん候補が来ているぞ?」
「ゆん?……れいむしらないよ?」
俺が思った通りの疑問を口にしたれいむ。
それはそうだろう。
お飾りが無いゆっくりは、ゆっくりでは無いのだ。
「どぼじでえええっ゛!? まじざど、あんなにあいじあっだどにいいいいいいっ゛!?」
「れいむのまりさは、ずっとゆっくりしちゃったんだよ? ゆっくりできないゆっくりはしらないよ?」
俺がまりさを潰したと金ふんれいむには教えている。
帽子の欠片という遺品を与えて信憑性を増したのも計画通り。
これだけ死んだと刷り込まれた記憶では、お飾りの無いゆっくりを識別する事は不可能だろう。
「むーしゃむーしゃ! しあわせーっ! おかわりちょうだいねっ!!」
「はいはい。もう少し綺麗に食え」
「れいぶのばがああああああっ゛!? うっばあああああああああん゛!!」
まりさは泣きながら庭から出て行った。
その際、頭から地面に落ちた黒団子が、庭に設置していた物置の下にある隙間へと転がり込む。
後から紛失に気づいて探しに戻って来ても、絶対に見つからないように回収しておこうか?
でも、寒いからいいや。あの狭い隙間に入れるとは思えないし。
「それにまりさはここにいるからね! ずっとれいむといっしょだよ!!」
金ふんれいむは黒い切れ端を取り出した後、慈しむように頬を摺り寄せた。
大事な思い出を蘇らせるようにじっくりと…じっくり…。
「ゆっ! ゆっ! なんだか、からだがあつく…」
「あー、手が滑ったー、ごめーん。れいむー」
俺は発情したれいむに向けて、グラスに入っていた水を少量ぶっ掛ける。
殆どピンポイントで黒い物体へと直撃させた。
「ああああああっ゛!? れいむとまじざの、おもいでのけっしょうがああああああっ゛!!」
「ごーめーん。今直すからー」
黒い切れ端を指先で摘んで、圧縮しながら転がす。
まるで鼻くその様な形になった球体を指ではじく。
「あ。無くなっちゃった」
「うわああああああああああああああっ゛!?」
ごくごく自然な演技をした俺は満足そうにれいむを撫でる。
れいむはとてもゆっくりしていない表情をしていたが、これは一時的なものだ。
「ゆっくりしていってね!」
「ゆっぐぢでぎないいいいいいいいいいっ゛!?」
なんとっ?
『ゆっくりしていってね』の、オウム返しを出来ない位にれいむが追い込まれているだと!?
「しょうがない!! 俺がゆっくりさせてやる!! すーりすーり!!」
「いやあああっ゛!? おひげさんがいたああああああいっ゛!!」
これでも駄目か!?
だが、俺は諦めない!
絶対にれいむをゆっくりさせてやるぜ!
「いやあああんっ!? おにいさんはげしすぎるうううっ゛!!
らめえええっ゛!! れいむおかしくなっちゃううううううっ゛!?」
金ふんれいむの身体を弄るお兄さん。
その光景は、とても幸せそうに見えるが、そうでもないのかもしれない。
でも、この生温く不器用な関係は、これからも続いていく事だろう。
・トラップマスターれいむのお話
今回もぬる愛で
・色々な既出設定をお借りしました
過去作
ふたば系ゆっくりいじめ 683 あんらっき~を乗り越えて
ふたば系ゆっくりいじめ 665 基本種 れいむの受難
ふたば系ゆっくりいじめ 638 ばうんてぃはんたー
ふたば系ゆっくりいじめ 612 かってにはえてくる
ふたば系ゆっくりいじめ 593 迷作劇場
ふたば系ゆっくりいじめ 572 ぎゃんぶらー
ふたば系ゆっくりいじめ 507 火の用心
ふたば系ゆっくりいじめ 500 駄目だよ?
ふたば系ゆっくりいじめ 458 ドゲスー
ふたば系ゆっくりいじめ 449 希少種の価値 2
ふたば系ゆっくりいじめ 448 希少種の価値 1,5
ふたば系ゆっくりいじめ 443 希少種の価値
ふたば系ゆっくりいじめ 398 ゆっくり達を必殺技で葬る物語
ふたば系ゆっくりいじめ 382 穴だらけの計画とその代償
・他、5点
聞いただけで脳みそを掻き毟りたくなる、濃厚で粘りのある訴えを。
「ゆっゆ~ん! まりさはすてきだねっ!! れいむのおよめさんになってね!?」
「れいむはかわいいねっ!! とってもゆっくりできる、びゆっくりなんだぜっ!!」
れいむは、リビングの庭に通ずる大きなガラス越しに、汚い野良まりさとすっきり行為をしていた。
体を上下に動かす度に、ナメクジが出すような分泌液を、透明な窓へと塗りたくっていく。
…後からする掃除がとても億劫です。
「何をしているんだ?」
ガラス両面の一部に粘液を付けた犯人達に向けて、極めて冷淡な声を掛けた。
怒りを通り越して、呆れの方が強い。
「ゆ? おにいさん! しょうかいするよっ!! れいむのすてきな、はにーだよっ!!! 」
「まりさはのらだけど、ゆっくりできるまりさなんだぜっ! このとうめいないたを、ゆっくりどけてねっ!?」
この頭の悪いれいむは、俺が飯を食わせている飼いゆっくりだ。
特別な資格や能力も一切持っていないが、他のれいむ種と一目で違う点は、
赤く燃えるような色をしたふんどしを腰に巻いている事だろうか?
「あかちゃんいっぱいつくろうねっ!! れいむは、こそだてがじょうずなんだよっ!!」
「まりさはかりがとくいだよっ!! あかちゃんにおなかいっぱいたべさせてあげるよっ!!」
既に明確な将来設計を固めていたふんどしれいむ。
こんな餡子脳で申し訳ない。
でも、適切な躾は行っている。
「…野良とすっきりして、子供作ったら駄目だと言っていたよな。忘れたのか?」
「ゆんぁあああんっ゛!? ふんどしさんひっぱらないでねっ! おしりがさけちゃうよっ゛!?」
「れいむぅうううっ゛! やめてあげてねっ!! いたがってるよっ゛!?」
俺はれいむのふんどしを掴んで宙へと浮かせる。
腰の部分を強めに締め上げて苦痛を与えているため、空中散歩を楽しむ余裕は無いらしい。
まりさは家族気取りで、涙を流しながら躾の静止を求めてくる。
このまりさは正直ウザいかな? これは家族の問題だから口を挟まないで欲しい。
「全く。困ったもんだな」
「ゆうううっ゛!! おじりがじんじんずるよおおおおおおっ゛!?」
「れいむっゆっくりしてねっ!? ぺーろぺーろしてあげるんだぜっ!!」
空に持ち上げていた赤ふんれいむを床へと下ろす。
躾を行った際の痛みでれいむはお漏らしをしてしまったらしい。
前方に巻かれた褌の一部分が水分を吸収して染みがじんわりと広がっていく。
「ゆええええええんっ゛!! まじざにぎらわれじゃうよおおおおおおっ゛!?」
「だいじょうぶだよっ! おもらししてゆっくりできないれいむでも、まりさはぜんぜんへいきだよっ!!
おかしなぬのをまいている、ゆっくりできそうもないれいむでも、まりさはがまんできるよっ!!」
泣いている赤ふんれいむに真面目に答えたまりさ。
それを聞いたれいむは、悲しみの表情を笑顔に変えて窓のまりさに向かって走り出す。
「ゆふっふうううんっ゛! まじざはゆっぐりでぎるよっ!! しあわせにしてねっ!?」
「ゆ~ん!! しーしーくさいれいむはびみょうだけど、ぎりぎりおっけーにしておくよっ!!」
透明なガラス越しでゆっくり達のラブラブちゅっちゅが始まる。
濃厚な接吻で窓に穴が開きそうだ。
あっという間に、甘そうな分泌液で薄汚れていく綺麗だったガラス窓。
しかし、本当に頭が可哀想なれいむだ。
飼い主として心配になってくる。
このまりさの暴言を、どの様な脳内変換をすればゆっくり出来る回答に辿り着けるのだろうか?
一遍、頭頂部を開いて調べてみたいものだ。
「やれやれ。ゆっくり行きますか」
俺は左右に首を振りながら、呆れ顔でコートを掴む。
そのまま玄関へと向かい、細かい雪が降り続いている外へと足を運んだ。
頬を赤く染めながら、上下運動を行うれいむとまりさ。
「ゆっ! ゆっ! ゆっ! なんだか、きもちよくなってきたよ!?」
「ゆゆゆっ!? ゆゆゆゆゆゆっ!!」
そのまま、すっきりしそうな勢いで喘ぐれいむ達。
全身を縦にのーびのーびしながら、相手の体温を貪欲に求めるその姿は称賛に値する。
だが、このまますっきり行為を完遂してしまうと、それぞれのお相手は透明なガラスさんだ。
つまり、結果的にこのゆっくり達は、ゆなにーをしてしまう事になる。
別にまりさはどうでもいいが、れいむに変な癖がついたらとても困る。
毎日毎日、ネバネバの汁がこびり付いた窓を拭くのは、真っ平ゴメンだ。
なので、この野良まりさには、赤ふんれいむに対する躾の役割を請け負ってもらい、尊い犠牲になって貰おう。
「ゆっ…? おそらをとんでるみたいっ!」
俺はまりさを持ち上げた。
ぬるぬるの体皮がとっても気持ち悪い。
失敗した。手袋を持ってくるべきだったよ…。
「おにいさんは、ゆっくりできるにんげんさんなんだねっ! ゆっくりしていってねっ!!」
浮かれ気分でご機嫌の野良まりさ。
ガラスの向こう側で、すりすりクライマックスを迎えようとしたれいむが、俺に抗議を訴えてきている。
どうやら、最悪の瞬間だけは免れたらしい。
危ない危ない。まさに危機一髪。
「ゆんゆーんっ! おそらさんはゆっくりできる……よ?」
持ち上げていたまりさをそのまま投擲。
更なるお空の旅をお楽しみください。
「ゆわあああっ゛!? あがごえぎげえあげえええっ゛!! おぶじぃい、ゆびゅうぐっ゛!?」
「うわああああああっ゛!? まじざあああああああああっ゛!!」
赤ふんれいむの視点からまりさの姿が消える。
その不思議な体感現象を、『まるで、お空を飛んでいったかのようなスピードだった』と、後にれいむは語った。
まあ、実際に飛行して行ったのだから間違いでもない。
「ゆわっ゛!? うごげっ゛!! ぶごえぇえええっ゛!?」
みっともなく地面を転がっていく野良まりさ。
元々薄汚れていた身体は、庭の泥で益々汚くなってった。
「いだいよっ゛!? どぼじでごんなごと……」
顔面を俺の方に向けて、お決まりの言葉を口にしていたまりさの抗議が止まる。
何故ならば、俺に大事なお帽子があっさりと取られたからだろう。
隙を見せたまりさが悪い。
「かえじでっ゛!? まじざのすできなおぼう…うわああああああああああああっ゛!?」
又も、明確な言葉を紡げず最後は甲高い悲鳴をあげたまりさ。
目の前で素敵なお帽子がいきなり解体されていては交渉どころではない。
黒い紙切れと化した帽子の破片が、まりさの足元へと降り注ぐ。
「…ゆ…うわあああっ゛……ゆわあああああああああんっ゛!?
まじざのゆっぐぢしだおぼうじがぁああああああああああああっ゛!?」
まりさは焦りながら黒い破片を舌を伸ばして一箇所に集め始める。
しかし、泥水を吸った帽子のパーツは急速に萎びていく。
修復させるどころか、破片で出来た大きな泥団子を捏ねている様なまりさの姿。
それでも諦めずに、必死で帽子の復元を試みている。
「ゆっ…ぐぅうっ…ゆぐううううううっ゛!?」
まりさの努力と健闘空しく、大方の予想通りに泥の塊以上の物体から昇華しなかった。
製作した黒団子を、視点を色々と変えながら確認しているまりさ。
様々なポジションから見ても自分のお帽子に似ても似つかない物体に絶望しているようだ。
「これに懲りたら、俺のれいむに近づくんじゃないぞ? 解ったな?」
「ゆぶうううっ゛!! まじざの…まじざのおぼうじがああああああっ゛!?」
俺はまりさに声を掛けてその場を後にする。
この野良まりさは、言葉使いこそ悪いが根は腐っていないはず。
強く生きてください。
良い奴かもしれない野良まりさを置き去りにして、俺は自宅へと向かった。
扉の閉める音が玄関に響く。
それを待ち構えたかのように、涙を流した赤ふんれいむが俺に詰め寄ってきた。
「おにいざんっ゛!? まじざはっ゛! れいぶのまじざはどうじだのっ゛!?」
「うー、外は寒かったぜ。はい、れいむお土産だ」
俺はれいむの頭の上に黒い切れ端を乗せた。
先程、まりさの帽子を解体した時の一部を、こっそりポケットに忍ばせておいたのだ。
「…まじざは? まじざは……どうしだ…の?」
「野良まりさはずっとゆっくりした」
れいむの身体が硬直する。
「あのまりさは、お前を利用してお家に入ろうとしていたんだ」
お兄さんの声が右から左へと流れる。
「俺はそんなまりさを制裁した。悪いことではないだろ?」
れいむは涙を流しながらまりさの顔を思い浮かべた。
「だって、このゆっくりプレイスの長は俺なんだ。当然、全ての権限は自分にある」
れいむは歯を食いしばり目の前の敵を見据えた。
その眼差しを意ともせずに溜息を付きながら家の奥へと消える長。
復讐の炎を瞳に宿したれいむが、まりさの仇を取る為に行動を起こした。
台所で何やら奮闘している、ふんどしれいむ。
その腰に巻いた褌は赤から白へと色を変えていた。
赤ふんは、今ごろ洗濯機の中の奔流に揉まれて清潔になっている事だろう。
「ゆーっ! ゆーっ!! ゆっくりでてきてねっ!!」
白ふんれいむは、慎重に透明なシートをお口で引っ張り出している。
それは薄くて耐熱性に優れたラップだった。
破らないように注意しながら、れいむはずりずりと後へ下がっていく。
「これがあれば、おにいさんもゆっくりできなくなるよっ! まりさのかたき……あーっ゛!?」
ぶつぶつ言いながら後進していたれいむは、乗っていたテーブルの上からまっさかさまに落ちた。
つい最近、れいむはラップを足の部分に巻かれるお仕置きをされた。
進もうとしてもツルツル滑って、前方に全然進めなかった事を思い出したのだ。
必死でお皿に向かうれいむを嘲笑うかのように、『ご飯さんはいらないのかー?』と、下げられて、
おトイレには間に合わず、お漏らしした画像をぷろぐさんに乗せられた屈辱。
その積年の思いもついでに晴らすために、恐ろしい復讐が実行される…予定。
「ゆっふっふっ! れいむはじぶんのさいのうがこわいよっ!!」
落下した時に後頭部を強打したれいむは、涙を滲ませながら呟く。
廊下の中央には、一枚の大きなラップが敷かれていた。
それも無造作に。
何の工夫も無く。
「さあ、ゆっくりくるしんでねっ!!」
れいむは絶大なる自信を持ちながら復讐を始める。
「…ん?」
俺は洗濯物を乾燥機に入れた後、れいむの様子を確認する為にリビングへと足を運んでいた。
その途中、奇妙な物体を目にする。
廊下に広げられた大きな一枚のラップ。
俺は首を傾げながらそれに近づいていく。
その時、何処からか視線を向けられている事に気づいた。
「……アイツは何してんだ?」
れいむが丸い身体を半分程廊下側にはみ出させて、にやけた顔をしながら片目で俺を観察している。
そこで俺は全てを理解した。
「全く……困った奴だぜ!」
「ゆゆっ!?」
俺はダッシュでれいむの側に駆け寄り、れいむを持ち上げた。
そして、れいむのあんよにラップをセット。
「いくぞ! れいむっ!! ゆっくり楽しめよっ!?」
「ゆっ! ゆゆっ!? ゆゆゆゆゆっ!!」
れいむはカーリングごっこをして欲しかったのだ。
数日前にラップでお仕置きした後、鞭ばかりでは良いゆっくりに育たないという事で、
飴成分のお遊戯として俺が考え出した、" カーリングれいむ にーまるいちまる "
「ゆっ゛!? ゆわあぁああああああああああああああっ゛!!」
フローリング製の長い廊下を滑るように走っていく白ふんれいむ。
その歓声はとても楽しそうだった。
思いのほか好評で嬉しい限りですな。
「うん。元気でよろしい」
壁に顔面から激突して緊急停止したれいむ。
その際にお漏らしをしてしまったので、褌は青色に着替えをさせてもらったらしい。
「これなら、ゆっくり…ひっく…ゆうううっ゛!」
悔しさをバネに変えて、青ふんれいむは新たな罠の設置に取り掛かる。
物差しの様な形をした棒状の板を口に咥えながら廊下を移動していくれいむ。
「ゆっ゛! れいむはがんばるよっ!! まりさみててねっ!!」
頭に乗せているまりさの形見に声を掛けながらトラップの完成を急ぐ。
れいむは、この物差しでお尻ぺんぺんを何度もされてきた。
丸い臀部が真っ赤に腫れ上がり、床に座るのにも激痛が走る異常事態。
この桃尻生産棒に、れいむは何度も泣かされて来たのだ。
最近は、『けつでかれいむ』やら、『おさるれいむ』などの記録写真も取られている。
その積年の思いもついでに晴らすために、恐ろしい復讐が再度実行される…予定。
「ゆっふっふっ! れいむはじぶんのさいのうが……さいのうが…!?」
物差しが廊下の溝に引っかかって、柔らかく撓っていく。
れいむは、一生懸命に押して外そうとしている。
押す。押す。押す。
まるで引くことを知らない猛牛の様に前進を続ける。
「ゆぐーんっ゛!? ゆっぐぢはずれでっ゛……ゆっ゛!! あああああああああぁあああっ゛!?」
限界まで撓った物差しが棒高跳びの原理で、れいむの身体を空中へと押し上げる。
そのまま廊下の壁に吸い込まれていくれいむ。
また少し、青い褌が汚れた。
れいむは、ちょっぴり不安を持ちながら復讐を始める。
「ゆっくり~。していって下さい…え?」
乾燥機から洗濯物を回収した俺は、またも奇妙な物体を目にする。
いや、今回は奇妙な光景と言うべきか。
「また何かしてるぞ?」
廊下の壁に、三本の長い棒を斜めに立てかけて、
棒と壁の間に出来た三角スペースに身体を潜り込ませているれいむの姿。
思いっきり丸見えである。
一体、何がしたいのだろうか?
れいむは、"キリッ" と、した顔をしながら俺を見つめている。
そこで俺は全てを理解した。
「全く……困った奴だぜ!!」
俺はマッハでれいむの側に駆け寄り、れいむを持ち上げた。
そして、れいむを衣装ケースに入れて、三本の棒を縦に置く。
「よし! れいむっ!! ゆっくり頑張ってねっ!」
「ゆっ! ゆゆゆっ゛!? ゆゆゆえええっ゛!!」
れいむは、結界遊びをしたかったのだ。
物差しで尻を叩くお仕置きした後に、鞭ばかりでは良いゆっくりに育たないという事で、
飴成分のお遊びとして考え出した、" 結界れいむ いのちぎりぎり "
俺がケース内へ投入した、"とっても、ゆっくり出来ない何か" が、結界れいむに迫る。
「ゆっ゛!? ゆわあぁあああぁおおおおおおっ゛!! だにごれぇええええええっ゛!?」
全然ゆっくりできない物を防壁する事で、優越感に浸るお遊び。
群れで行う習性の名残らしいのだが、最近は特技として自慢できる技術にもなっているようだ。
もしかしたら、青ふんれいむの取り得が増えるのかもしれないっ!
技術が向上したら資格を所得するのも良いな!
れいむの発する声はとても楽しそうだ。
思いのほか好評で嬉しい限りですな。
「うん。元気でよろしい」
すっかり痩せ細ったれいむがリビングに転がっていた。
当然、アレが迫ってきた時の恐怖でお漏らしをしてしまったので、褌は青から金へと色を変えた。
「ゆぅうっ゛!! まじざのがだぎはどれながっだよ……」
頬を涙で濡らし、謝罪を口にする金ふんれいむ。
もう、全て出来る事はやり尽くした。
今から、お兄さんから潰されてゆっくりするだろう。
復讐は…失敗に終わったのだ。
「さあ、れいむをおやりなさいっ!!」
れいむはリビングに入ってきたお兄さんに向かって切れのある声で叫ぶ。
その潔い姿は、まるでまな板に乗る鯉の様に、全てを悟ったような良い顔をしていた。
「は? 何しているんだよ。新しいお遊び?」
「ゆ?」
お兄さんは、れいむの行動が心底解らないと言う表情で、首を傾げていた。
予想外の反応を受けて、れいむはあっけに取られている。
「ゆ? ゆ? れいむは…」
「お前が変なのは何時もの事か……まあいいや。ご飯持ってきたぞ」
れいむの仕掛けた罠は、お兄さんにトラップとしての脅威は与えなかった。
ただ、遊んで欲しいから自分におねだりに来ただけ。
お兄さんの中では、れいむが裏切り行為を行ったとは夢にも思わず、
飼いゆれいむの現状は、以前と全く変化はしていなかった。
「ん? 食べないの? これ嫌いだっけ? 参ったな……ちょっと高いの食うか?」
何時もの視線でれいむを見つめるお兄さん。
その眼差しを受けながら、れいむはぴこぴこを上へと振りかざし、大きな声をあげる。
「たべるーっ!!」
金ふんれいむは、最善の選択を導き出した
「むーしゃむーしゃ! しあわせーっ!!」
「美味いか? もっと食え。今日のれいむは身体がガリガリだからな」
「…れいぶうううっ゛!! ゆっぐぢじでいっでねっ!?」
「きょうはおなかがすいたよ! ごはんさんがとってもおいしいよっ!!」
「うむ。それは良い事だ」
「ゆゆゆっ゛!! ちょうだいねっ!! まじざにゆっぐぢちょうだいねっ!?」
「ゆんゆ~ん♪」
「れいぶうううっ゛!! どぼじで、むじずるのおおおおおおおおおっ゛!?」
「……はあ。五月蝿いな…」
俺はガラスの向こう側で騒いでいるまりさを見た。
瞬時に俺の視線を認識したまりさは、この窓を開けろと騒ぎ出した。
金ふんれいむは野良まりさを一目も見る事無く、ご飯を口へと運び続けている。
「まりさは、とってもゆっくりできるんだよっ!
いまあやまってくれれば、れいむのおよめさんになってあげるよ!?」
まりさの言葉使いはそれなりだったが、形相はとっても必死。
まるで、全く売れない芸人の顔芸を髣髴させる
今にも頭から餡子噴出しながら死にそうだ。
つい先程、俺と離別した時には泥だらけの体だったが、現在は全身満遍なく傷だらけになっている。
多分、帽子が無いから他のゆっくり達に、ボコボコにされたんだろう。
「れいむ~♪ まりさはすてきなんだよ! かしこいんだよ!!
ゆんゆ~ん♪ ゆっ! くり!! していってねっ!? きめっ!!」
ポーズが決まったと感じているまりさの頭の上で、黒い塊がコロコロと左右に転がる。
これは、俺が裂いた黒帽子だった物のなれの果て。
俺は溜息を付きながら、隣でご飯を食べているれいむへ声を掛けた。
「おい。お前のお嫁さん候補が来ているぞ?」
「ゆん?……れいむしらないよ?」
俺が思った通りの疑問を口にしたれいむ。
それはそうだろう。
お飾りが無いゆっくりは、ゆっくりでは無いのだ。
「どぼじでえええっ゛!? まじざど、あんなにあいじあっだどにいいいいいいっ゛!?」
「れいむのまりさは、ずっとゆっくりしちゃったんだよ? ゆっくりできないゆっくりはしらないよ?」
俺がまりさを潰したと金ふんれいむには教えている。
帽子の欠片という遺品を与えて信憑性を増したのも計画通り。
これだけ死んだと刷り込まれた記憶では、お飾りの無いゆっくりを識別する事は不可能だろう。
「むーしゃむーしゃ! しあわせーっ! おかわりちょうだいねっ!!」
「はいはい。もう少し綺麗に食え」
「れいぶのばがああああああっ゛!? うっばあああああああああん゛!!」
まりさは泣きながら庭から出て行った。
その際、頭から地面に落ちた黒団子が、庭に設置していた物置の下にある隙間へと転がり込む。
後から紛失に気づいて探しに戻って来ても、絶対に見つからないように回収しておこうか?
でも、寒いからいいや。あの狭い隙間に入れるとは思えないし。
「それにまりさはここにいるからね! ずっとれいむといっしょだよ!!」
金ふんれいむは黒い切れ端を取り出した後、慈しむように頬を摺り寄せた。
大事な思い出を蘇らせるようにじっくりと…じっくり…。
「ゆっ! ゆっ! なんだか、からだがあつく…」
「あー、手が滑ったー、ごめーん。れいむー」
俺は発情したれいむに向けて、グラスに入っていた水を少量ぶっ掛ける。
殆どピンポイントで黒い物体へと直撃させた。
「ああああああっ゛!? れいむとまじざの、おもいでのけっしょうがああああああっ゛!!」
「ごーめーん。今直すからー」
黒い切れ端を指先で摘んで、圧縮しながら転がす。
まるで鼻くその様な形になった球体を指ではじく。
「あ。無くなっちゃった」
「うわああああああああああああああっ゛!?」
ごくごく自然な演技をした俺は満足そうにれいむを撫でる。
れいむはとてもゆっくりしていない表情をしていたが、これは一時的なものだ。
「ゆっくりしていってね!」
「ゆっぐぢでぎないいいいいいいいいいっ゛!?」
なんとっ?
『ゆっくりしていってね』の、オウム返しを出来ない位にれいむが追い込まれているだと!?
「しょうがない!! 俺がゆっくりさせてやる!! すーりすーり!!」
「いやあああっ゛!? おひげさんがいたああああああいっ゛!!」
これでも駄目か!?
だが、俺は諦めない!
絶対にれいむをゆっくりさせてやるぜ!
「いやあああんっ!? おにいさんはげしすぎるうううっ゛!!
らめえええっ゛!! れいむおかしくなっちゃううううううっ゛!?」
金ふんれいむの身体を弄るお兄さん。
その光景は、とても幸せそうに見えるが、そうでもないのかもしれない。
でも、この生温く不器用な関係は、これからも続いていく事だろう。
・トラップマスターれいむのお話
今回もぬる愛で
・色々な既出設定をお借りしました
過去作
ふたば系ゆっくりいじめ 683 あんらっき~を乗り越えて
ふたば系ゆっくりいじめ 665 基本種 れいむの受難
ふたば系ゆっくりいじめ 638 ばうんてぃはんたー
ふたば系ゆっくりいじめ 612 かってにはえてくる
ふたば系ゆっくりいじめ 593 迷作劇場
ふたば系ゆっくりいじめ 572 ぎゃんぶらー
ふたば系ゆっくりいじめ 507 火の用心
ふたば系ゆっくりいじめ 500 駄目だよ?
ふたば系ゆっくりいじめ 458 ドゲスー
ふたば系ゆっくりいじめ 449 希少種の価値 2
ふたば系ゆっくりいじめ 448 希少種の価値 1,5
ふたば系ゆっくりいじめ 443 希少種の価値
ふたば系ゆっくりいじめ 398 ゆっくり達を必殺技で葬る物語
ふたば系ゆっくりいじめ 382 穴だらけの計画とその代償
・他、5点