ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko0798 輝石の価値は
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ankoss
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・希少種虐待です。繰り返す、これより当としあきは希少種を虐待する
・虐待レベルを凄惨としたものの、希少種補正が入ってるものと思われます
・俺設定、パロディ、設定の借用、説明過多等が含まれている可能性があります
・希少種虐待派でもないかぎり精神的人間虐めも入ってるのかしら、コレ
・餡コンペに出す……そう考えていた時期がわたしにもありました
以上、てるあきよりの諸注意でした
【輝石の価値は】
やることは至極単純。しかしその内実にかけた金銭は莫大
贅沢の粋、ここに極まれりといったところか
此度の内容について私は正直そう思った
巨大な透明のケース。その中には三匹のゆっくりとそれを飼うのに必要なものが諸々揃っている
食料品、トイレット用品、寝具、遊具。一通り目を通した後に三匹のゆっくりに目を向ける
そこにいたのはれいむだとかまりさといった通常種と比べると、
一部の人、いやほとんどの人が激怒して「比べるな!」と言うであろう希少種がいた
ゆっくりさなえ、ゆっくりかなこ、ゆっくりすわこ
一匹でも「【その日】から読む本」に縁がないとあえないであろう希少種ゆっくり、
もっともこの三匹は家族をつくることが多いため、三匹セットで市場に出まわることがある
つまり、三冊読むか前後賞でも当てないと顔を拝むことなどまずないだろう
三匹ともすやすやと寝ており、これから何が始まるかなぞ露程も知る余地はない
手が震えない、と言えば嘘になるがこれも仕事、やるべきことをやってこその勤め人である
『井枯君、準備はできたかね』
「主任ですか。こちらはとうに諦めがつきましたよ」
『心にもないことを。それじゃあ彼女たちに起きてもらうとするかね』
パチン、という小気味のよい音と共にケースの中がライトアップされる
「ゆゆーん……。ゆ! ゆっくちしていってくだちゃいね!」
ライトの光を浴び、まず最初に目を覚ましたのはさなえだった
他の二匹が成体サイズであるのに対し、赤子と子供の中間と言ったサイズである
どういうわけか成体のかなことすわこが親でさなえが子となる家族形式をとる
今回も他聞に漏れず両親、子共々てんでバラバラな一家を作った事になる
「ゆゆーん。ゆっくりしていくといい!」
「あーうー!」
引き続いてかなことすわこも目を覚ます
そしてあたりを見渡す。この部屋には私しかおらず、当然視線があうわけで
「ゆっくりしていってね」
「ゆっくりしていくといい。おにーさんはゆっくりできるひとかい?」
かなこが尋ねてくる
さて、なんと答えたものか
「ゆっくりできるかは置いといて、おにーさんは君たちの世話係だ」
「あーうー?」
「あにょ……わたちたちはかいゆっくりなんですか?」
さなえがおそるおそる聞いてくる。すわこも首を傾げている
ふむ。現状を把握しきれてないらしい
「えーっとだな。君たちは今は一応かいゆっくりだ
おにーさんたちは君たちについて調べたいことがある。だから君たちをかっている
ただ、調べたいことを調べ終わったら君たちが望むところへ放してあげてもいいし、
もっといい環境を持つ人のところでかいゆっくりになってもらってもいい
……そんな感じかな」
「うさんくさいおにーさんだね……」
「うん、自分でもそう思う
余談ではあるけど、この部屋でかなこさまは柱を振り回すことは出来ないよ
危ないから別の部屋に柱は置いてある。注連縄は取り上げないから我慢してね」
「ふん。わかったわ」
どうやら印象はかなり悪いらしい
もっとも嘘をつくのは嫌いなので、嘘をついて仲良くなるよりはマシだと思っている
「それからすわこさま?
一応水場はあるけど、ケースの外まで水は出ないようになってるから」
「あーうー……?」
やはりすわこさまにも訝しがらている。仕方ないね
「そして最後にさなえちゃん?」
「な、なんでしゅか……?」
「これをあげよう」
ケースの中になんとかさなえちゃんの口に収まるサイズの石ころを投げ入れる
石ころといっても見た目は透き通っており、形は綺麗な立方体
そして表面には数字がかかれている
「これは……なんでしゅか?」
「輝石って言うんだ。キセキ。それでサイコロをつくった」
「さいころ……しゃん?」
「そう、サイコロさん。ゆっくりは3より大きい数が数えられないのがいるって聞いたから
そのサイコロは1,2,3,1,2,3といった感じに数字がふられてる」
「ゆう……」
さなえちゃんはおそるおそるもみあげでそれを触る
ころころと転がし、だんだんとサイコロの扱いも大胆になっている
転がす度にサイコロは光を反射し、そのキラキラとする様子が気に入ったのか、
サイコロに対する不信感はなくなったようだ
「気に入ったかい?」
「はい!」
「じゃあそれが僕からの最初のプレゼントだ」
「ゆわーい! おにーしゃんありがとうございまちゅ!」
「気に入ってくれてなによりだよ
それじゃあ、起きたばかりでお腹が空いてるだろ?
ご飯の用意をしようか」
と言って彼女たちの面倒を見続けて一週間程たつ
いくらテーブルサイズとはいえ、ケースの中ではあまりゆっくりできないだろうということで
世話係の自分が本を読んであげたり、一緒にすごろくの相手を務めたり、
にらめっこをしたり、射的ごっこをしてあげたりした
われながら親身になって世話をしたと思うのだが、
その甲斐あってすわこさまやさなえちゃんとは仲良しに、
まぁかなこさまともお酒の付き合いができるぐらいには打ち解けることができた
さなえちゃんは片時もサイコロからはなれず、
何をするにしても頭の上に載せてるか、口の中に入れてるか、もみあげで抱えているか
そんな感じである。おかげで扱いも手馴れたもの、といったところだ
……それだけにこれからのことを考えるとつらいわけだが
「あーうー?」
「……ん? どうかしましたかすわこ様?」
「『ところでおにーしゃんがさいしょにいってた
しらべたいことってのはもういいのかい?』
……だしょうです」
さなえちゃんがすわこさまの言葉を翻訳してくれるおかげで、
今では彼女とも普通に意思の疎通が成り立つ
最初は三日たったら言おうと思い、ズルズルと引き伸ばしていたことがある
主任から引き伸ばすことに関しては問題ないが、とは言われていた
「そのことなんだけどね……」
しかし、こうも言われた
むこうから言ってきたら待ったなしだ、とも
「僕はこれから、君たちを虐待しないといけない」
とっさにかなこさまとすわこさまが前に出る
「ちょっと待ってくれ! 話を最後まで聞いてくれ!」
「ゆっくりできないおにーさんのはなしなんか聞かないよ!」
「あーうー!!!」
「話を聞かないなら……この場で君たちを殺さないといけない」
「……おにーさんはほんきでいってるのかい?」
「うそ……でしゅよね? うしょっていってくだちゃい!」
心を鬼にして、感情を冷却して、口から声を搾り出す
「……。まずは君たちが助かる条件を言う
3回。3回だ。3回さなえちゃんに痛い目にあってもらう
そうしたら君たちは開放される」
かなこさまは凄い勢いで睨みつける
蛇に睨まれた、という表現をしたかったが、
生憎と無理矢理ではあるが凍らせた心の中へ蛇は入ってこれなかった
「1日1回、『さなえちゃんに』サイコロを振ってもらう
1がさなえちゃん、2がかなこさま、3がすわこさまだ
出た目に応じたゆっくりになんらかの痛い目にあってもらう」
「……」
すわこさまも歯を食いしばってこちらを見てる
もっと、もっと憎んでくれ。そうしないとこちらも辛い
「3回1の目が出ればそれでおしまいだ……
今までサイコロを何度か振ってもらったけど、
出る目に偏りがなかったのはわかってもらえたと思う」
だんだんと心が落ち着いていく。いや、底冷えしているのか
「つまり普通に考えれば10日ぐらいで君たちは自由になれるんだ」
そう、普通に考えればそうなる
そうなることを願う彼女たちを育てていた世話係としての自分と、
そうなることを願わない研究者としての自分
今自分はどちらの顔をしていたのだろうか
1日目:
「しゃにゃえ、さいころさんふりたくない……」
「さなえ、がんばるんだ。わたしもすわこもがんばるから」
「あーうー」
三匹は互いに互いを励まし合っている
やはり、家族というものは強い
「しょれじゃあ……いきましゅ」
さなえは口にサイコロを含み、プッと飛ばす
コロコロコロ……
「出目は……2か」
「かなこしゃまごめんなしゃい!?」
「さなえがわるいんじゃない。さなえはゆっくりしたいいこだよ」
オロオロするさなえをかなこはゆっくりなだめる。流石一家の大黒柱
「それじゃあかなこ様、いきますよ?」
親指で中指を押さえ、照準をかなこ様の額に向ける
「ぐっ!?」
バチンッ!という弾けた音と共にかなこ様は2,3歩後ずさった
1日目の虐待はデコピンである。虐待の内容は3日おきに「悪化」する
しかし、まだそのことは伝えていない
「あーうー」
「ぺーりょぺーりょ!」
すわことさなえは真っ赤に腫れたかなこの額をなめる
いかに希少種といえどもゆっくりはゆっくり、
皮を破りかねない衝撃に対し、かなこの体はビクン!ビクン!と定期的に震えていた
それでも決して悲鳴をあげないかなこ様は強い父なのだろう
4日目:
「……2か」
2232。残念ながらまだ1の目は出ない
「きゃなこしゃまごべんにゃざいいいいい!!!!」
「さなえはなきむしだねぇ。ほーらいいこだ。すーりすーり」
「しゅーりしゅーり!」
「そろそろいくぞ」
そう言うとさなえちゃんはかなこ様から離れ、すわこ様の帽子の中に入った
子供に酷いところを見せたくないという親心なのだろう
「それで、今日もデコピンかい」
「いや、今日からはコレだ」
そう言って布団たたきを取り出す
「右の頬か左の頬、好きな方を選ぶといい
さなえちゃんとすりすりしたい方を残しておくといい」
「あんた……ぜんぜんゆっくりしたかおをしてないね」
質問に答えず、かなこは言う。好きでやっているわけじゃない
とてもじゃないがゆっくりのいうゆっくりした顔なんてしてないだろう
「じゃあ右にいくぞ」
「……さっさとやっちまってくれ」
「さっさと、か……フンッ!」
スッパーンッ!
「くぎゅっ!?」
かなこさまからすれば何が起きたのかわからなかったに違いない
人間で言えば真横から轢き逃げされたような衝撃が体を貫き、
そのまま吹っ飛んだに等しい。ピクピクと動きはするものの、口から泡を吹いている
「すわこさま、餌の用意はしておく
かなこさまの意識が戻ったら食べるといい」
そう言って部屋を出る
昨日までは仲良く三人で食事をしていただろうが、
今晩ははたして一家揃っての夕餉を迎えられるのだろうか
8日目:
2232322 今日の出目:3
……まだ一度もさなえちゃんは痛い目にあってない
かなこ様もすわこ様も笑顔でさなえちゃんと接しているが、
それはつまりこの環境からまだ逃れられないということを示す
「すわこさま、動かないでくださいね
万一手元が滑って中枢を刺す可能性が0というわけじゃないですし」
「あーゔー!!!」
8日目だから8本、帽子を取られたすわこ様の頭にまち針を刺す
プルプルと震えて涙を流すものの、さなえちゃんのために耐えているのだろう
「ずわこざまああぁぁぁ!!!」
「さなえ、めをつむるんだ」
「それじゃあ針を抜きますね」
「あ゙ーうー!!!」
一本一本、丁寧に針を抜いていく
万一にも殺してはならないと考えると手が震えかねないが、
ここ数日は実にスムーズに、作業的に加虐を行うことができた
すわこ様は左頬に、かなこ様は両頬にミミズ腫れの跡を残し、
額にはデコピンによる傷、頭には傷跡こそないもののいくつもの針をさされ、
とてもではないが見られた顔とは言えなかった
「かなこさま、すわこさま。さなえのせいで、さなえのせいで……」
「あーうー……」
「さなえはいいこだよ。いいこだからなきやんでね……」
さなえちゃんをあやすかなこ様とすわこ様
疲れながらもさなえちゃんの幸せが自分の幸せ、そんな様子で二匹は微笑んでいた
12日目:
22323223233
「ゆっくりできないさいころしゃんなんかしらにゃい!」
さなえはサイコロを振るのを拒否した
それ自体は予測の範疇であったのだが……
「サイコロ、ふってくれないのかい……?」
「おとーちゃんとおかーちゃんをいじめるさいころさんなんかしらにゃい!」
ぷいっと知らんぷりをするさなえ
たしかにサイコロを振らなければ加虐をする対象は選ばれない
「さなえ。サイコロを振らないってことは、
さなえが選ばれてみんなで帰れることもなくなるってことだよ?」
「あ……」
「それともう一つ」
むんず、とかなことすわこの頭をつかむ
後ろには既にホットプレートが用意されているが、三匹はそれがなんなのかは知らない
もっとも、ここで新たに用意されたものでゆっくりできた経験がないのだ
ゆっくりできないものだとはなんとなく理解していただろう
その上に、二匹のゆっくりを押し付けた
「あ゙あ゙ーゔー!!!」
「ゆぎゃあああああ!!!」
中身はなんであれやはり饅頭。皮の焼ける匂いが鼻腔をくすぐる
「サイコロを振らなかった場合は二人とも虐待を受けてもらう」
「かなこさま……、すわこさま……
さなえのせいで……。しゃなえのせいで……」
「一日ゆっくりすれば歩けるようになる。今日の餌はさなえが口移しでやるんだ」
そう言って二匹を床に下ろす
さなえは涙をあふれさせながらかけより、
部屋を出るまでごめんなさい、ごめんなさいと二匹に謝り続けていた
19日目:
22323223233×323222
「ゆっくりできないさなえはしねええええ!!!!」
「あーうーあーうー!」
部屋に入るとあたまにわっかをつけたかなこがさなえに飛び掛ろうとしており、
そのわっかを後ろから引っ張ることで必死にかなこをとめようとするすわこがいた
さなえは親の制裁宣言に恐怖のあまりしーしーを漏らしており、
状況を危険と判断した自分は一時的にかなこを別のケースにいれることにした
あたまのわっかを外ししばらくするとかなこは落ち着き、
自分の行った所業についてすわことさなえに泣きながら謝った
やはり6セット目の金箍児もどき――不定期に頭を締め付けることで睡眠を妨害する――
を三日連続でつけたことによるストレスが原因だったらしい
かれこれ15日目より三匹の食欲が徐々に落ちており、
これ以上の連続実験は危険と判断。主任に交渉することにする
今日の出目:3
「すわこさま。帽子で隠れる部分と前髪か後ろ髪、どれがいいですか」
「あーゔー」
「『うしろがみでおねがいします』だそうです……」
「あいよ。わかった」
すわこは涙目でされるがままの現状に耐える
「あう!? あう!?」
ブチッ ブチッ
髪の毛を千切るたびにすわこは「あう!?」と泣いた
ゆっくりはハゲ饅頭になるのを嫌う
そりゃ人間だってハゲにはなりたくないが、ゆっくりの場合少々事情が異なる
ハゲはゆっくりできないものとされ、制裁の対象になる
いずれ髪の毛が生えてくるにせよ、
ゆっくりの場合、それまでに生きていられるかという切実な問題が絡む
もっとも今回は後ろ側三分の一を抜くだけだ
三回連続で3の目が出れば話は変わるだろうが、その可能性は4%弱
流石に丸ハゲになることはないだろう
22日目:
22323223233×323222333
今日の出目:2
すわこもさなえも瞼の下を真っ赤にして泣いている
涙が枯れる日はなく、目元の皮は若干薄くなっていた
別の研究所では非ゆっくり症なる疾患が発見されたそうだが、いろんな意味で心配である
結局主任へ交渉したものの、
『ゆっくりは動物ではない。それ故に生死は問わない』
との返答と共に、虐待を兼ねたデータ取りをするという言葉を頂いた
最初に実験動物取り扱いに関するガイドラインを無視しているのだ
これぐらいのことはやらかして当然なのだろう
食欲は更におち、現時点でぎりぎり生命維持が可能な量だと思われる
「動かないでくださいよ。できるだけ薄い方がいいでしょ?」
かなこを枕に寝かせ横にして固定する
かなこはこれから行われることを聞いてから震えが止まらなかった
すわことさなえは一瞬ポカンと考えることを放棄し、次の瞬間凄い勢いで泣き出した
「必ず歩けなくなるわけじゃない、はずだし二人とも泣くな……」
そして、かなこの底部に実験用のスライサーをセットして
スパッ、っとかなこの底部を厚さ1mm分カットした
「がなごのあんよざんがああああああ!!!」
ヒラリと舞う自分の一部を見てかなこははじめて絶叫した
すわことさなえは、そのはじめて見せるかなこの絶叫に対し思わずビクッとする
スライサーを外し元の体勢にすると
「いだいよおおお!!! あるげないよおおお!!!」
と絶叫する。慌てて横にし、すわことさなえに底面を舐めさせることにした
かれこれ30分もするとかなこはずーりずーりとだが動けるようになったものの、
その顔に今までのような精悍さはなく、うっすらと恐怖が張り付いていた
その顔を見たすわことさなえの顔にはそれ以上の恐怖が張り付いており、
ゆっくりという呼称からは程遠いものとなっていた
26日目:
22323223233×3232223332323
今日の出目:3
かなこの心が折れて以来、この一家は常にビクビクして一日を過ごしていた
たとえどんなにゆっくりできない格好であれど、
通常種から虐待をうけることも、捕食種から狙われることも、餓死することもなく
一日一回人間から虐待を受けることを除けばそれなりの生活ができるのにも関わらず、だ
実験開始直後は笑顔の絶えなかった一家も、今や憔悴しきっていた
昨日はビニールで包み安全を確保した上でだが、
ゆっくりりぐるの群れの中に投げ込まれたすわこは
今日はどうなるのかと白目を剥きかねない勢いで震えていた
もっとも、今は目隠しをしているので本当に白目を向いてしまったらどうしようと心配である
「今日は……ビニールで包む必要はないか。というか第1セットレベルなんじゃこれ」
「あうあうあう!?」
目隠しを外すと
「おおぶざまぶざま」
「おおのろいのろい」
「おおじんじおおじんじ」
三匹のきめえまるがすわこを取り囲んでいた
希少種ともなると、きめえまるを見ても落ち着いて対処することができ、
「おおむだいむだい」ときめえまるの方から去っていく事の方が圧倒的に多い
ところがどうだ。すわこは目を白黒させ、口は開きっぱなし、それでガクガク震えている
「あうあうあうあう!!!???」
「「「おおみじめみじめ」」」
三匹のきめえまるは凄い勢いですわこの周囲を回り、蔑む
そのきめえまるの連続蔑みに対しすわこは――
「あゔあ゙うあ゙――うぇ゙え゙え゙え゙え゙え゙!!!」
「吐いた!? 不味い!」
すぐさま中身をすくい口の中に突っ込む
そしてオレンジジュースをかけ、横にした
精神的にすり減っていたすわこにとって、
今日のきめえまるによる侮蔑は下手な通常種並に効果を発揮した
なんとか一命は取り留めたものの、これ以上実験を続けるなら……
「ずわ……ご……さまあ゙……」
さなえは、カタカタ震えるばかりですりすりもぺろぺろも出来ない有様であった
31日目:
22323223233×323222333232332232
今日の出目:2
「主任。これ以上加虐したら死んでしまいます」
『事前に定められたルールだ。やりたまえ』
決定は覆らず、作業という名の「処刑」を執り行う
「やべでぐだざいいいいいい!!!!!
まだじにだぐないいいい!!!」
かなこの口の端に指をかけて持ち上げ、反対の手ではタバスコの蓋をあける
「きっと、大丈夫だ」
手のひらを開いて口を無理矢理あけ、タバスコの瓶をスッと一振り
そしてすぐさま口を閉じる
「~~ッ゙~ッ゙゙~~゙ッ゙゙~ッ゙~!!!!!!」
ブリンブリンと凄まじい勢いで尻をふるかなこ
背中の注連縄が何度も当たって痛かったが、我慢する
「――ッ!!!! ――ッ!!」
ブリンッ! ブリンッ!と尻が揺れるたびに
前の穴と後ろの穴からかなこの中身がビュッ、ビュッと噴き出す
「がなござまあ゙ああ゙あ゙あああ゙あ゙あ゙!!!!!!!!!」
……
数分後、手を放すとそこには中身まみれになった床と
少し前までかなこであった皮があるばかり
そしてその傍らには
「みらくるふるーつ! らいすしゃわー! みらくるふるーつ!
らいすしゃわー! みらくるふるーつ! らいすしゃわー!」
完全に壊れてしまったさなえと、ショックのあまり自我を亡失したすわこがいた
[実験結果報告書]
(前略)
結局、実験は成功とも失敗ともつかぬまま終了した
ゆっくりさなえのもつという奇跡の力
さなえに振りかかるであろう万難を、通常では有り得ない確率を持って排する能力
その力のお陰でさなえは結局一度も加虐されることはなかった
しかし、さなえの心は加虐されるかなことすわこの姿によって疲弊し、
凄惨なかなこの最後を見て、音を立てて折れてしまった
本当に奇跡の力であるならば、この事態に陥るという前提すら成り立たたず、
また徐々に苛烈になっていく虐待に対しなんらかの事象が発生するはずである
それが起こりえなかったということは能力の発揮に何らかの制限があるものと推測される。
結果、これ以上に研究、実験、考察を必要とするものとして報告を終えたい
20XX年1月○○日
虹裏ゆっくり研究所 希少種研究部副主任 井枯照明
――パキン
どういうわけか、突然ケース内で輝石のサイコロが割れた
キラめく断面がものを言うはずもなく、ただキラキラと輝くばかりであった
すわこは何も言わずにさなえを帽子で隠し、無言でかなこだったものを掻き集めていた
あとがき:
希少種の価値基準でめっさ悩んだわけですが、胴の有無で億いくかどうかの線引きをしてみたり
ただ、価値に関しては作品ごとに変わるかもしれません
……意外と中の人の金銭感覚が透けたりしそうで怖いです
独白はここまでにしまして、読了の程ありがとうございます
どうにも(執筆面で)ヒャッハー!系は苦手な作者です
というよりも叩かれない希少種ヒャッハー!が書ける人は天帝レベルだろJK……
生憎原作は妖永花以外はEASYクリアがなんとかな腕前でして
と、話がそれた
淡々と、ただ淡々と実験という名の虐待を受ける希少種
それが自分の発想で書ける文章としての限界でした
かなこさまがいじめられることが多いのは、
リアクション上すわこさまでは表現が限られるためです
表現力があればかなこさま一辺倒ということはなかったのですが。すいません
どんなに希少なゆっくりでも、それが唯一のものではないかぎり
このような目に遭う子はどこかに必ずいるのでしょう
NextRoot:
は今回はお休みです。
とりあえず前作で提示したBかCのどちらかを書き上げて、
またネタが二つ浮かんだら投稿しようかと思います
なお、前作でCを選んだ方。実はアレ、超絶に後味の悪い地雷ルートです
何故地雷なのかは次回作を読むか、当方の名前の由来に気づいた時になんとなくわかるかと
さて、それでは此度は閉幕。またのご開演をお待ちください
過去の演目:
ふたば系ゆっくりいじめ 676 お汁粉職人の朝は早い(ジャンル:ゆっくり食品加工)
・虐待レベルを凄惨としたものの、希少種補正が入ってるものと思われます
・俺設定、パロディ、設定の借用、説明過多等が含まれている可能性があります
・希少種虐待派でもないかぎり精神的人間虐めも入ってるのかしら、コレ
・餡コンペに出す……そう考えていた時期がわたしにもありました
以上、てるあきよりの諸注意でした
【輝石の価値は】
やることは至極単純。しかしその内実にかけた金銭は莫大
贅沢の粋、ここに極まれりといったところか
此度の内容について私は正直そう思った
巨大な透明のケース。その中には三匹のゆっくりとそれを飼うのに必要なものが諸々揃っている
食料品、トイレット用品、寝具、遊具。一通り目を通した後に三匹のゆっくりに目を向ける
そこにいたのはれいむだとかまりさといった通常種と比べると、
一部の人、いやほとんどの人が激怒して「比べるな!」と言うであろう希少種がいた
ゆっくりさなえ、ゆっくりかなこ、ゆっくりすわこ
一匹でも「【その日】から読む本」に縁がないとあえないであろう希少種ゆっくり、
もっともこの三匹は家族をつくることが多いため、三匹セットで市場に出まわることがある
つまり、三冊読むか前後賞でも当てないと顔を拝むことなどまずないだろう
三匹ともすやすやと寝ており、これから何が始まるかなぞ露程も知る余地はない
手が震えない、と言えば嘘になるがこれも仕事、やるべきことをやってこその勤め人である
『井枯君、準備はできたかね』
「主任ですか。こちらはとうに諦めがつきましたよ」
『心にもないことを。それじゃあ彼女たちに起きてもらうとするかね』
パチン、という小気味のよい音と共にケースの中がライトアップされる
「ゆゆーん……。ゆ! ゆっくちしていってくだちゃいね!」
ライトの光を浴び、まず最初に目を覚ましたのはさなえだった
他の二匹が成体サイズであるのに対し、赤子と子供の中間と言ったサイズである
どういうわけか成体のかなことすわこが親でさなえが子となる家族形式をとる
今回も他聞に漏れず両親、子共々てんでバラバラな一家を作った事になる
「ゆゆーん。ゆっくりしていくといい!」
「あーうー!」
引き続いてかなことすわこも目を覚ます
そしてあたりを見渡す。この部屋には私しかおらず、当然視線があうわけで
「ゆっくりしていってね」
「ゆっくりしていくといい。おにーさんはゆっくりできるひとかい?」
かなこが尋ねてくる
さて、なんと答えたものか
「ゆっくりできるかは置いといて、おにーさんは君たちの世話係だ」
「あーうー?」
「あにょ……わたちたちはかいゆっくりなんですか?」
さなえがおそるおそる聞いてくる。すわこも首を傾げている
ふむ。現状を把握しきれてないらしい
「えーっとだな。君たちは今は一応かいゆっくりだ
おにーさんたちは君たちについて調べたいことがある。だから君たちをかっている
ただ、調べたいことを調べ終わったら君たちが望むところへ放してあげてもいいし、
もっといい環境を持つ人のところでかいゆっくりになってもらってもいい
……そんな感じかな」
「うさんくさいおにーさんだね……」
「うん、自分でもそう思う
余談ではあるけど、この部屋でかなこさまは柱を振り回すことは出来ないよ
危ないから別の部屋に柱は置いてある。注連縄は取り上げないから我慢してね」
「ふん。わかったわ」
どうやら印象はかなり悪いらしい
もっとも嘘をつくのは嫌いなので、嘘をついて仲良くなるよりはマシだと思っている
「それからすわこさま?
一応水場はあるけど、ケースの外まで水は出ないようになってるから」
「あーうー……?」
やはりすわこさまにも訝しがらている。仕方ないね
「そして最後にさなえちゃん?」
「な、なんでしゅか……?」
「これをあげよう」
ケースの中になんとかさなえちゃんの口に収まるサイズの石ころを投げ入れる
石ころといっても見た目は透き通っており、形は綺麗な立方体
そして表面には数字がかかれている
「これは……なんでしゅか?」
「輝石って言うんだ。キセキ。それでサイコロをつくった」
「さいころ……しゃん?」
「そう、サイコロさん。ゆっくりは3より大きい数が数えられないのがいるって聞いたから
そのサイコロは1,2,3,1,2,3といった感じに数字がふられてる」
「ゆう……」
さなえちゃんはおそるおそるもみあげでそれを触る
ころころと転がし、だんだんとサイコロの扱いも大胆になっている
転がす度にサイコロは光を反射し、そのキラキラとする様子が気に入ったのか、
サイコロに対する不信感はなくなったようだ
「気に入ったかい?」
「はい!」
「じゃあそれが僕からの最初のプレゼントだ」
「ゆわーい! おにーしゃんありがとうございまちゅ!」
「気に入ってくれてなによりだよ
それじゃあ、起きたばかりでお腹が空いてるだろ?
ご飯の用意をしようか」
と言って彼女たちの面倒を見続けて一週間程たつ
いくらテーブルサイズとはいえ、ケースの中ではあまりゆっくりできないだろうということで
世話係の自分が本を読んであげたり、一緒にすごろくの相手を務めたり、
にらめっこをしたり、射的ごっこをしてあげたりした
われながら親身になって世話をしたと思うのだが、
その甲斐あってすわこさまやさなえちゃんとは仲良しに、
まぁかなこさまともお酒の付き合いができるぐらいには打ち解けることができた
さなえちゃんは片時もサイコロからはなれず、
何をするにしても頭の上に載せてるか、口の中に入れてるか、もみあげで抱えているか
そんな感じである。おかげで扱いも手馴れたもの、といったところだ
……それだけにこれからのことを考えるとつらいわけだが
「あーうー?」
「……ん? どうかしましたかすわこ様?」
「『ところでおにーしゃんがさいしょにいってた
しらべたいことってのはもういいのかい?』
……だしょうです」
さなえちゃんがすわこさまの言葉を翻訳してくれるおかげで、
今では彼女とも普通に意思の疎通が成り立つ
最初は三日たったら言おうと思い、ズルズルと引き伸ばしていたことがある
主任から引き伸ばすことに関しては問題ないが、とは言われていた
「そのことなんだけどね……」
しかし、こうも言われた
むこうから言ってきたら待ったなしだ、とも
「僕はこれから、君たちを虐待しないといけない」
とっさにかなこさまとすわこさまが前に出る
「ちょっと待ってくれ! 話を最後まで聞いてくれ!」
「ゆっくりできないおにーさんのはなしなんか聞かないよ!」
「あーうー!!!」
「話を聞かないなら……この場で君たちを殺さないといけない」
「……おにーさんはほんきでいってるのかい?」
「うそ……でしゅよね? うしょっていってくだちゃい!」
心を鬼にして、感情を冷却して、口から声を搾り出す
「……。まずは君たちが助かる条件を言う
3回。3回だ。3回さなえちゃんに痛い目にあってもらう
そうしたら君たちは開放される」
かなこさまは凄い勢いで睨みつける
蛇に睨まれた、という表現をしたかったが、
生憎と無理矢理ではあるが凍らせた心の中へ蛇は入ってこれなかった
「1日1回、『さなえちゃんに』サイコロを振ってもらう
1がさなえちゃん、2がかなこさま、3がすわこさまだ
出た目に応じたゆっくりになんらかの痛い目にあってもらう」
「……」
すわこさまも歯を食いしばってこちらを見てる
もっと、もっと憎んでくれ。そうしないとこちらも辛い
「3回1の目が出ればそれでおしまいだ……
今までサイコロを何度か振ってもらったけど、
出る目に偏りがなかったのはわかってもらえたと思う」
だんだんと心が落ち着いていく。いや、底冷えしているのか
「つまり普通に考えれば10日ぐらいで君たちは自由になれるんだ」
そう、普通に考えればそうなる
そうなることを願う彼女たちを育てていた世話係としての自分と、
そうなることを願わない研究者としての自分
今自分はどちらの顔をしていたのだろうか
1日目:
「しゃにゃえ、さいころさんふりたくない……」
「さなえ、がんばるんだ。わたしもすわこもがんばるから」
「あーうー」
三匹は互いに互いを励まし合っている
やはり、家族というものは強い
「しょれじゃあ……いきましゅ」
さなえは口にサイコロを含み、プッと飛ばす
コロコロコロ……
「出目は……2か」
「かなこしゃまごめんなしゃい!?」
「さなえがわるいんじゃない。さなえはゆっくりしたいいこだよ」
オロオロするさなえをかなこはゆっくりなだめる。流石一家の大黒柱
「それじゃあかなこ様、いきますよ?」
親指で中指を押さえ、照準をかなこ様の額に向ける
「ぐっ!?」
バチンッ!という弾けた音と共にかなこ様は2,3歩後ずさった
1日目の虐待はデコピンである。虐待の内容は3日おきに「悪化」する
しかし、まだそのことは伝えていない
「あーうー」
「ぺーりょぺーりょ!」
すわことさなえは真っ赤に腫れたかなこの額をなめる
いかに希少種といえどもゆっくりはゆっくり、
皮を破りかねない衝撃に対し、かなこの体はビクン!ビクン!と定期的に震えていた
それでも決して悲鳴をあげないかなこ様は強い父なのだろう
4日目:
「……2か」
2232。残念ながらまだ1の目は出ない
「きゃなこしゃまごべんにゃざいいいいい!!!!」
「さなえはなきむしだねぇ。ほーらいいこだ。すーりすーり」
「しゅーりしゅーり!」
「そろそろいくぞ」
そう言うとさなえちゃんはかなこ様から離れ、すわこ様の帽子の中に入った
子供に酷いところを見せたくないという親心なのだろう
「それで、今日もデコピンかい」
「いや、今日からはコレだ」
そう言って布団たたきを取り出す
「右の頬か左の頬、好きな方を選ぶといい
さなえちゃんとすりすりしたい方を残しておくといい」
「あんた……ぜんぜんゆっくりしたかおをしてないね」
質問に答えず、かなこは言う。好きでやっているわけじゃない
とてもじゃないがゆっくりのいうゆっくりした顔なんてしてないだろう
「じゃあ右にいくぞ」
「……さっさとやっちまってくれ」
「さっさと、か……フンッ!」
スッパーンッ!
「くぎゅっ!?」
かなこさまからすれば何が起きたのかわからなかったに違いない
人間で言えば真横から轢き逃げされたような衝撃が体を貫き、
そのまま吹っ飛んだに等しい。ピクピクと動きはするものの、口から泡を吹いている
「すわこさま、餌の用意はしておく
かなこさまの意識が戻ったら食べるといい」
そう言って部屋を出る
昨日までは仲良く三人で食事をしていただろうが、
今晩ははたして一家揃っての夕餉を迎えられるのだろうか
8日目:
2232322 今日の出目:3
……まだ一度もさなえちゃんは痛い目にあってない
かなこ様もすわこ様も笑顔でさなえちゃんと接しているが、
それはつまりこの環境からまだ逃れられないということを示す
「すわこさま、動かないでくださいね
万一手元が滑って中枢を刺す可能性が0というわけじゃないですし」
「あーゔー!!!」
8日目だから8本、帽子を取られたすわこ様の頭にまち針を刺す
プルプルと震えて涙を流すものの、さなえちゃんのために耐えているのだろう
「ずわこざまああぁぁぁ!!!」
「さなえ、めをつむるんだ」
「それじゃあ針を抜きますね」
「あ゙ーうー!!!」
一本一本、丁寧に針を抜いていく
万一にも殺してはならないと考えると手が震えかねないが、
ここ数日は実にスムーズに、作業的に加虐を行うことができた
すわこ様は左頬に、かなこ様は両頬にミミズ腫れの跡を残し、
額にはデコピンによる傷、頭には傷跡こそないもののいくつもの針をさされ、
とてもではないが見られた顔とは言えなかった
「かなこさま、すわこさま。さなえのせいで、さなえのせいで……」
「あーうー……」
「さなえはいいこだよ。いいこだからなきやんでね……」
さなえちゃんをあやすかなこ様とすわこ様
疲れながらもさなえちゃんの幸せが自分の幸せ、そんな様子で二匹は微笑んでいた
12日目:
22323223233
「ゆっくりできないさいころしゃんなんかしらにゃい!」
さなえはサイコロを振るのを拒否した
それ自体は予測の範疇であったのだが……
「サイコロ、ふってくれないのかい……?」
「おとーちゃんとおかーちゃんをいじめるさいころさんなんかしらにゃい!」
ぷいっと知らんぷりをするさなえ
たしかにサイコロを振らなければ加虐をする対象は選ばれない
「さなえ。サイコロを振らないってことは、
さなえが選ばれてみんなで帰れることもなくなるってことだよ?」
「あ……」
「それともう一つ」
むんず、とかなことすわこの頭をつかむ
後ろには既にホットプレートが用意されているが、三匹はそれがなんなのかは知らない
もっとも、ここで新たに用意されたものでゆっくりできた経験がないのだ
ゆっくりできないものだとはなんとなく理解していただろう
その上に、二匹のゆっくりを押し付けた
「あ゙あ゙ーゔー!!!」
「ゆぎゃあああああ!!!」
中身はなんであれやはり饅頭。皮の焼ける匂いが鼻腔をくすぐる
「サイコロを振らなかった場合は二人とも虐待を受けてもらう」
「かなこさま……、すわこさま……
さなえのせいで……。しゃなえのせいで……」
「一日ゆっくりすれば歩けるようになる。今日の餌はさなえが口移しでやるんだ」
そう言って二匹を床に下ろす
さなえは涙をあふれさせながらかけより、
部屋を出るまでごめんなさい、ごめんなさいと二匹に謝り続けていた
19日目:
22323223233×323222
「ゆっくりできないさなえはしねええええ!!!!」
「あーうーあーうー!」
部屋に入るとあたまにわっかをつけたかなこがさなえに飛び掛ろうとしており、
そのわっかを後ろから引っ張ることで必死にかなこをとめようとするすわこがいた
さなえは親の制裁宣言に恐怖のあまりしーしーを漏らしており、
状況を危険と判断した自分は一時的にかなこを別のケースにいれることにした
あたまのわっかを外ししばらくするとかなこは落ち着き、
自分の行った所業についてすわことさなえに泣きながら謝った
やはり6セット目の金箍児もどき――不定期に頭を締め付けることで睡眠を妨害する――
を三日連続でつけたことによるストレスが原因だったらしい
かれこれ15日目より三匹の食欲が徐々に落ちており、
これ以上の連続実験は危険と判断。主任に交渉することにする
今日の出目:3
「すわこさま。帽子で隠れる部分と前髪か後ろ髪、どれがいいですか」
「あーゔー」
「『うしろがみでおねがいします』だそうです……」
「あいよ。わかった」
すわこは涙目でされるがままの現状に耐える
「あう!? あう!?」
ブチッ ブチッ
髪の毛を千切るたびにすわこは「あう!?」と泣いた
ゆっくりはハゲ饅頭になるのを嫌う
そりゃ人間だってハゲにはなりたくないが、ゆっくりの場合少々事情が異なる
ハゲはゆっくりできないものとされ、制裁の対象になる
いずれ髪の毛が生えてくるにせよ、
ゆっくりの場合、それまでに生きていられるかという切実な問題が絡む
もっとも今回は後ろ側三分の一を抜くだけだ
三回連続で3の目が出れば話は変わるだろうが、その可能性は4%弱
流石に丸ハゲになることはないだろう
22日目:
22323223233×323222333
今日の出目:2
すわこもさなえも瞼の下を真っ赤にして泣いている
涙が枯れる日はなく、目元の皮は若干薄くなっていた
別の研究所では非ゆっくり症なる疾患が発見されたそうだが、いろんな意味で心配である
結局主任へ交渉したものの、
『ゆっくりは動物ではない。それ故に生死は問わない』
との返答と共に、虐待を兼ねたデータ取りをするという言葉を頂いた
最初に実験動物取り扱いに関するガイドラインを無視しているのだ
これぐらいのことはやらかして当然なのだろう
食欲は更におち、現時点でぎりぎり生命維持が可能な量だと思われる
「動かないでくださいよ。できるだけ薄い方がいいでしょ?」
かなこを枕に寝かせ横にして固定する
かなこはこれから行われることを聞いてから震えが止まらなかった
すわことさなえは一瞬ポカンと考えることを放棄し、次の瞬間凄い勢いで泣き出した
「必ず歩けなくなるわけじゃない、はずだし二人とも泣くな……」
そして、かなこの底部に実験用のスライサーをセットして
スパッ、っとかなこの底部を厚さ1mm分カットした
「がなごのあんよざんがああああああ!!!」
ヒラリと舞う自分の一部を見てかなこははじめて絶叫した
すわことさなえは、そのはじめて見せるかなこの絶叫に対し思わずビクッとする
スライサーを外し元の体勢にすると
「いだいよおおお!!! あるげないよおおお!!!」
と絶叫する。慌てて横にし、すわことさなえに底面を舐めさせることにした
かれこれ30分もするとかなこはずーりずーりとだが動けるようになったものの、
その顔に今までのような精悍さはなく、うっすらと恐怖が張り付いていた
その顔を見たすわことさなえの顔にはそれ以上の恐怖が張り付いており、
ゆっくりという呼称からは程遠いものとなっていた
26日目:
22323223233×3232223332323
今日の出目:3
かなこの心が折れて以来、この一家は常にビクビクして一日を過ごしていた
たとえどんなにゆっくりできない格好であれど、
通常種から虐待をうけることも、捕食種から狙われることも、餓死することもなく
一日一回人間から虐待を受けることを除けばそれなりの生活ができるのにも関わらず、だ
実験開始直後は笑顔の絶えなかった一家も、今や憔悴しきっていた
昨日はビニールで包み安全を確保した上でだが、
ゆっくりりぐるの群れの中に投げ込まれたすわこは
今日はどうなるのかと白目を剥きかねない勢いで震えていた
もっとも、今は目隠しをしているので本当に白目を向いてしまったらどうしようと心配である
「今日は……ビニールで包む必要はないか。というか第1セットレベルなんじゃこれ」
「あうあうあう!?」
目隠しを外すと
「おおぶざまぶざま」
「おおのろいのろい」
「おおじんじおおじんじ」
三匹のきめえまるがすわこを取り囲んでいた
希少種ともなると、きめえまるを見ても落ち着いて対処することができ、
「おおむだいむだい」ときめえまるの方から去っていく事の方が圧倒的に多い
ところがどうだ。すわこは目を白黒させ、口は開きっぱなし、それでガクガク震えている
「あうあうあうあう!!!???」
「「「おおみじめみじめ」」」
三匹のきめえまるは凄い勢いですわこの周囲を回り、蔑む
そのきめえまるの連続蔑みに対しすわこは――
「あゔあ゙うあ゙――うぇ゙え゙え゙え゙え゙え゙!!!」
「吐いた!? 不味い!」
すぐさま中身をすくい口の中に突っ込む
そしてオレンジジュースをかけ、横にした
精神的にすり減っていたすわこにとって、
今日のきめえまるによる侮蔑は下手な通常種並に効果を発揮した
なんとか一命は取り留めたものの、これ以上実験を続けるなら……
「ずわ……ご……さまあ゙……」
さなえは、カタカタ震えるばかりですりすりもぺろぺろも出来ない有様であった
31日目:
22323223233×323222333232332232
今日の出目:2
「主任。これ以上加虐したら死んでしまいます」
『事前に定められたルールだ。やりたまえ』
決定は覆らず、作業という名の「処刑」を執り行う
「やべでぐだざいいいいいい!!!!!
まだじにだぐないいいい!!!」
かなこの口の端に指をかけて持ち上げ、反対の手ではタバスコの蓋をあける
「きっと、大丈夫だ」
手のひらを開いて口を無理矢理あけ、タバスコの瓶をスッと一振り
そしてすぐさま口を閉じる
「~~ッ゙~ッ゙゙~~゙ッ゙゙~ッ゙~!!!!!!」
ブリンブリンと凄まじい勢いで尻をふるかなこ
背中の注連縄が何度も当たって痛かったが、我慢する
「――ッ!!!! ――ッ!!」
ブリンッ! ブリンッ!と尻が揺れるたびに
前の穴と後ろの穴からかなこの中身がビュッ、ビュッと噴き出す
「がなござまあ゙ああ゙あ゙あああ゙あ゙あ゙!!!!!!!!!」
……
数分後、手を放すとそこには中身まみれになった床と
少し前までかなこであった皮があるばかり
そしてその傍らには
「みらくるふるーつ! らいすしゃわー! みらくるふるーつ!
らいすしゃわー! みらくるふるーつ! らいすしゃわー!」
完全に壊れてしまったさなえと、ショックのあまり自我を亡失したすわこがいた
[実験結果報告書]
(前略)
結局、実験は成功とも失敗ともつかぬまま終了した
ゆっくりさなえのもつという奇跡の力
さなえに振りかかるであろう万難を、通常では有り得ない確率を持って排する能力
その力のお陰でさなえは結局一度も加虐されることはなかった
しかし、さなえの心は加虐されるかなことすわこの姿によって疲弊し、
凄惨なかなこの最後を見て、音を立てて折れてしまった
本当に奇跡の力であるならば、この事態に陥るという前提すら成り立たたず、
また徐々に苛烈になっていく虐待に対しなんらかの事象が発生するはずである
それが起こりえなかったということは能力の発揮に何らかの制限があるものと推測される。
結果、これ以上に研究、実験、考察を必要とするものとして報告を終えたい
20XX年1月○○日
虹裏ゆっくり研究所 希少種研究部副主任 井枯照明
――パキン
どういうわけか、突然ケース内で輝石のサイコロが割れた
キラめく断面がものを言うはずもなく、ただキラキラと輝くばかりであった
すわこは何も言わずにさなえを帽子で隠し、無言でかなこだったものを掻き集めていた
あとがき:
希少種の価値基準でめっさ悩んだわけですが、胴の有無で億いくかどうかの線引きをしてみたり
ただ、価値に関しては作品ごとに変わるかもしれません
……意外と中の人の金銭感覚が透けたりしそうで怖いです
独白はここまでにしまして、読了の程ありがとうございます
どうにも(執筆面で)ヒャッハー!系は苦手な作者です
というよりも叩かれない希少種ヒャッハー!が書ける人は天帝レベルだろJK……
生憎原作は妖永花以外はEASYクリアがなんとかな腕前でして
と、話がそれた
淡々と、ただ淡々と実験という名の虐待を受ける希少種
それが自分の発想で書ける文章としての限界でした
かなこさまがいじめられることが多いのは、
リアクション上すわこさまでは表現が限られるためです
表現力があればかなこさま一辺倒ということはなかったのですが。すいません
どんなに希少なゆっくりでも、それが唯一のものではないかぎり
このような目に遭う子はどこかに必ずいるのでしょう
NextRoot:
は今回はお休みです。
とりあえず前作で提示したBかCのどちらかを書き上げて、
またネタが二つ浮かんだら投稿しようかと思います
なお、前作でCを選んだ方。実はアレ、超絶に後味の悪い地雷ルートです
何故地雷なのかは次回作を読むか、当方の名前の由来に気づいた時になんとなくわかるかと
さて、それでは此度は閉幕。またのご開演をお待ちください
過去の演目:
ふたば系ゆっくりいじめ 676 お汁粉職人の朝は早い(ジャンル:ゆっくり食品加工)