ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko0212 それをしてはいけないわけ
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ankoss
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※M1あきさんの「同族を躊躇無く当然のように食べてしまうまりさ」に触発されて書きました」
※独自設定垂れ流し
※個人的かつ勝手な解釈です
※独自設定垂れ流し
※個人的かつ勝手な解釈です
まりさは、生まれた。
始めに上げた産声は、ゆっくり特有の「ゆっくりしていってね」ではなく、生まれるのを
邪魔していたそれを食い破る湿った音だった。
口の中に拡がる甘味が、まりさが生きるために必要なこと全てを教えてくれた。
だが、たったひとつ。
その禁忌の甘味は、まりさから、とても大切なルールを決定的に奪い去った。
始めに上げた産声は、ゆっくり特有の「ゆっくりしていってね」ではなく、生まれるのを
邪魔していたそれを食い破る湿った音だった。
口の中に拡がる甘味が、まりさが生きるために必要なこと全てを教えてくれた。
だが、たったひとつ。
その禁忌の甘味は、まりさから、とても大切なルールを決定的に奪い去った。
それをしてはいけないわけ
「ゆんゆ~ん♪ まりさ、ここはとってもゆっくりできるよ!」
春と言うには遅く、梅雨にはまだ遠い、柔らかな日射し。森の中、ゆっくりれいむは実に
ゆっくりと過ごしていた。
ゆっくりと過ごしていた。
「ぽかぽかだよぉ……」
まどろむような太陽の恵みを浴び、れいむはその暖かさに溶けるみたいにのんびりとした。
艶やかな髪、しっとりとしたモチモチの肌は、栄養状態の良い飼いゆっくりなのだろう。
久しぶりの森のお散歩に、疲れてしまったのかも知れない。
艶やかな髪、しっとりとしたモチモチの肌は、栄養状態の良い飼いゆっくりなのだろう。
久しぶりの森のお散歩に、疲れてしまったのかも知れない。
「ゆうぅ……ゆうぅ……」
早くもれいむは穏やかな寝息を立て始める。
そこに、ゆっくりまりさが通りかかった。
野生のまりさだ。
まりさはゆっくりとしているれいむをみると、とても穏やかな微笑みを浮かべた。
だが、まりさは今、ゆっくりできないことがあった。
それは、些細なこと。小腹が空いたのだ。
先ほどから食べ物を探していたが、木の実もキノコも、花も虫も……どうにも、適当な食
べ物が見当たらない。
そこに、ゆっくりとしたれいむと出会えた。
笑みを崩さず、まりさはれいむを起こさないよう、そっと……構えた。
そして、
そこに、ゆっくりまりさが通りかかった。
野生のまりさだ。
まりさはゆっくりとしているれいむをみると、とても穏やかな微笑みを浮かべた。
だが、まりさは今、ゆっくりできないことがあった。
それは、些細なこと。小腹が空いたのだ。
先ほどから食べ物を探していたが、木の実もキノコも、花も虫も……どうにも、適当な食
べ物が見当たらない。
そこに、ゆっくりとしたれいむと出会えた。
笑みを崩さず、まりさはれいむを起こさないよう、そっと……構えた。
そして、
「ゆっ!」
れいむへと飛んだ。距離を破壊力に変えた体当たりだ。
「ゆ? ゆゆっ!?」
衝撃にれいむ転び、その底面――あんよを晒してしまう。
まりさはすかさず帽子の中から愛用の木の枝を取り出すと、れいむのあんよへと斬りかか
った。
まりさはすかさず帽子の中から愛用の木の枝を取り出すと、れいむのあんよへと斬りかか
った。
×
×
×
×
×
あと、ほんの少しでまりさが生まれるという時。まりさの親は永遠にゆっくりしてしまっ
た。
事故か。餓死か。襲われたのか。
死んだのか、殺されたのか。
まりさにはわからない。
少なくとも身体は残っていたのだから、捕食種に襲われたのではないだろう。
普通ならお腹のなかにいたまりさもまた、親の死によって永遠にゆっくりしていたことだ
ろう。
だが幸運にも、まりさは親の体内で意識を得た。
母体の中。周りは皮と餡子に阻まれ動けない。
徐々に冷えていく周囲の餡子は、とてもゆっくりできるないものだった。
そこで、まりさは歯を使った。成体ゆっくりは歯や木の枝を使って土を掘り、巣を作る。
本能的にそれを行ったのだ。
幼い歯でも体内の皮は破ることができた。そして、餡子を食べて掘り進むことは辛くなか
った。口にした餡子はすぐさま活動のエネルギーに効率よく変換されていった。
また、甘さも丁度良かった。ゆっくりは苦しむほどに甘くなると言うが、親はそれほど苦
しまず死んだらしい。ぱさつき始めた甘さ控えめの餡子は、まりさの舌を不必要に肥えさ
せることはなかった。
また、食べるごとにゆっくりの生きる知識を与えた。まりさが食べたのは、記憶餡と呼ば
れるゆっくりの記憶が記録された餡子だった。幼い身体はどん欲に記憶を吸収し、まりさ
はこの過程で野生でどうにか生きるだけの知識を得た。
そして、まりさは生まれ落ちた。
親の身体を食い破り、世に出たのだ。
ゆっくりの間では本来、同族を殺し喰らうことは禁忌とされる。このとき、生きるために
当たり前のことをしたという認識しかない。
生まれたときに生きる必然としてそれを行ったまりさにとって、同族喰らいは禁忌ではな
かったのだ。
そして、それがまりさを生き残らせた。
まりさは最初に親を喰うことで子ゆっくりまで成長できた。
だが、子ゆっくりでも森の中で餌を集めるのは困難だ。しかしそれは、普通の食料に限っ
ての話だ。
森にはゆっくりが無数に住んでいた。
ゆっくりはもともと無警戒なナマモノではあるが、同族相手ともなればなおさらである。
だから、まりさはゆっくりを食べた。
ゆっくりは饅頭だ。食べ物だ。禁忌にさえ思わなければ問題ない。むしろ栄養価は高く、
野生で生き残る上でまたとない食料と言えた。
また、まりさはゆっくりにしては頭のいいほうだった。
必ず自分より小さいゆっくりを遊びに誘い出し、他のゆっくりがいないところで殺し、喰
らった。
まりさの得意技は、まず体当たりで転ばし、あんよを枝で傷つけること。ゆっくりはあん
よを傷つけられれば動けなくなる。逃げられる心配なく食べることができた。
同族を食べるときは、餡子ばかりでなく髪の毛からお飾りまで全部綺麗に食べた。証拠は
残さなかった。
実に慎重に、ごく当たり前に。
まりさは同族を喰らい続けた。
それはなんでもない、まりさにとっての日常になっていたのだ。
た。
事故か。餓死か。襲われたのか。
死んだのか、殺されたのか。
まりさにはわからない。
少なくとも身体は残っていたのだから、捕食種に襲われたのではないだろう。
普通ならお腹のなかにいたまりさもまた、親の死によって永遠にゆっくりしていたことだ
ろう。
だが幸運にも、まりさは親の体内で意識を得た。
母体の中。周りは皮と餡子に阻まれ動けない。
徐々に冷えていく周囲の餡子は、とてもゆっくりできるないものだった。
そこで、まりさは歯を使った。成体ゆっくりは歯や木の枝を使って土を掘り、巣を作る。
本能的にそれを行ったのだ。
幼い歯でも体内の皮は破ることができた。そして、餡子を食べて掘り進むことは辛くなか
った。口にした餡子はすぐさま活動のエネルギーに効率よく変換されていった。
また、甘さも丁度良かった。ゆっくりは苦しむほどに甘くなると言うが、親はそれほど苦
しまず死んだらしい。ぱさつき始めた甘さ控えめの餡子は、まりさの舌を不必要に肥えさ
せることはなかった。
また、食べるごとにゆっくりの生きる知識を与えた。まりさが食べたのは、記憶餡と呼ば
れるゆっくりの記憶が記録された餡子だった。幼い身体はどん欲に記憶を吸収し、まりさ
はこの過程で野生でどうにか生きるだけの知識を得た。
そして、まりさは生まれ落ちた。
親の身体を食い破り、世に出たのだ。
ゆっくりの間では本来、同族を殺し喰らうことは禁忌とされる。このとき、生きるために
当たり前のことをしたという認識しかない。
生まれたときに生きる必然としてそれを行ったまりさにとって、同族喰らいは禁忌ではな
かったのだ。
そして、それがまりさを生き残らせた。
まりさは最初に親を喰うことで子ゆっくりまで成長できた。
だが、子ゆっくりでも森の中で餌を集めるのは困難だ。しかしそれは、普通の食料に限っ
ての話だ。
森にはゆっくりが無数に住んでいた。
ゆっくりはもともと無警戒なナマモノではあるが、同族相手ともなればなおさらである。
だから、まりさはゆっくりを食べた。
ゆっくりは饅頭だ。食べ物だ。禁忌にさえ思わなければ問題ない。むしろ栄養価は高く、
野生で生き残る上でまたとない食料と言えた。
また、まりさはゆっくりにしては頭のいいほうだった。
必ず自分より小さいゆっくりを遊びに誘い出し、他のゆっくりがいないところで殺し、喰
らった。
まりさの得意技は、まず体当たりで転ばし、あんよを枝で傷つけること。ゆっくりはあん
よを傷つけられれば動けなくなる。逃げられる心配なく食べることができた。
同族を食べるときは、餡子ばかりでなく髪の毛からお飾りまで全部綺麗に食べた。証拠は
残さなかった。
実に慎重に、ごく当たり前に。
まりさは同族を喰らい続けた。
それはなんでもない、まりさにとっての日常になっていたのだ。
×
×
×
×
×
そして、いつものように、ごく当たり前に。
まりさはれいむへ枝を切り下ろす。これを何度も繰り返し、あんよの機能を奪うのだ。
何度もやった、慣れた作業。
だが、枝から伝わる感触は、いつもの皮を裂くそれではなかった。
まりさはれいむへ枝を切り下ろす。これを何度も繰り返し、あんよの機能を奪うのだ。
何度もやった、慣れた作業。
だが、枝から伝わる感触は、いつもの皮を裂くそれではなかった。
「ゆ?」
見れば、れいむは転がってそのおさげでまりさの枝を絡め取っている。
まりさが驚く暇もなく、れいむは動いた。
円の動きだ。まりさは枝を離す暇もなく、その円に巻き込まれる。
つまり、まりさはれいむのおさげで投げ飛ばされたのだ。
まりさが驚く暇もなく、れいむは動いた。
円の動きだ。まりさは枝を離す暇もなく、その円に巻き込まれる。
つまり、まりさはれいむのおさげで投げ飛ばされたのだ。
「ゆゆぅっ!?」
地面に激突する。身体中をゆっくりできない衝撃が駆けめぐり、動きを麻痺させる。
それが、決定的な隙になった。
それが、決定的な隙になった。
「ゆっくりかむよ!」
「ゆぎゃああああああ!?」
「ゆぎゃああああああ!?」
まりさのあんよが食いちぎられる。中央付近のそこは、ゆっくりの移動にもっとも重要な
部分だった。ここを深く傷つけられると、ゆっくりはまずまともに動けなくなる。
部分だった。ここを深く傷つけられると、ゆっくりはまずまともに動けなくなる。
「ど、どぼじで……?」
まりさには訳が分からなかった。
れいむは眠っていたはずだ。決定的な隙だった。それに、いつもの手順でミス無くやった。
あんよの機能を奪われ横たわるのはれいむのはずだった。
それなのに、まりさの方が動け無くされている。
あんよを食いちぎられた痛みより、その疑問が、まりさの餡子脳を駆けめぐる。
そこに、さらなる混乱がやってくる。
れいむは眠っていたはずだ。決定的な隙だった。それに、いつもの手順でミス無くやった。
あんよの機能を奪われ横たわるのはれいむのはずだった。
それなのに、まりさの方が動け無くされている。
あんよを食いちぎられた痛みより、その疑問が、まりさの餡子脳を駆けめぐる。
そこに、さらなる混乱がやってくる。
「よし、よくやったな、れいむ」
やってきたのは人間の男だった。
カメラを構え、まりさを撮影しながら近づいてくる。
カメラを構え、まりさを撮影しながら近づいてくる。
「ゆ? ゆ? ゆ?」
「お……わけがわからないって顔してるな。それじゃ困るな。クライアントの要望は罪を
自覚させること、だったな。よし、説明してやろう。と、その前に……」
「お……わけがわからないって顔してるな。それじゃ困るな。クライアントの要望は罪を
自覚させること、だったな。よし、説明してやろう。と、その前に……」
ニコニコと屈託のない笑みを向ける男。
突然、注射器を取り出すと、まりさに注射した。
突然、注射器を取り出すと、まりさに注射した。
「ゆっ!?」
「驚きなさんな、痛み止めだ……どうだ、もう痛みはないだろ?」
「ゆっ……ゆっくりしてきた……」
「よし、じゃあ質問タイムだ。逃げようとするなよ? 俺もこのれいむも今のお前よりは
素早い。それに派手に動いたら餡子が漏れる。お前、すぐ死ぬぞ? あと、答えなくても
殺すから」
「驚きなさんな、痛み止めだ……どうだ、もう痛みはないだろ?」
「ゆっ……ゆっくりしてきた……」
「よし、じゃあ質問タイムだ。逃げようとするなよ? 俺もこのれいむも今のお前よりは
素早い。それに派手に動いたら餡子が漏れる。お前、すぐ死ぬぞ? あと、答えなくても
殺すから」
まりさは頷こうとし……だが、動きを止めた。
痛みはなくなったが、あんよから餡子が漏れ出る感触はあったからだ。むしろ痛みがない
だけ不気味だった。
そして、男はカメラで撮影しながら質問を始めた。
痛みはなくなったが、あんよから餡子が漏れ出る感触はあったからだ。むしろ痛みがない
だけ不気味だった。
そして、男はカメラで撮影しながら質問を始めた。
「お前、ゆっくりを喰ったな?」
「ゆ! まりさはゆっくりをたべたよ!」
「悪いことだとは思わなかったのか?」
「ゆっくりはおまんじゅうだよ! だからたべたんだよ!」
「ゆ! まりさはゆっくりをたべたよ!」
「悪いことだとは思わなかったのか?」
「ゆっくりはおまんじゅうだよ! だからたべたんだよ!」
まりさはなにを聞かれているかわからなかった。
ゆっくりは饅頭。つまり、食べ物。自分は今までそれを食べてきた。何一つ間違っていな
い。
ゆっくりは饅頭。つまり、食べ物。自分は今までそれを食べてきた。何一つ間違っていな
い。
「そうか。ゆっくりが饅頭ってのはまったくもって正しい。でも、おまえと同族だろ?
抵抗とかないのか?」
「なにいってるの? おまんじゅうはたべものだよ?」
「ふうん……で、同族を喰うのはいいとして、だ」
抵抗とかないのか?」
「なにいってるの? おまんじゅうはたべものだよ?」
「ふうん……で、同族を喰うのはいいとして、だ」
男の口元が歪み、皮肉な笑みの形を取る。
「友達を喰らうのは、平気なのか?」
「ゆ?」
「お前は仲のよかったありすを喰らったはずだ。ありすは毎日お前のことを楽しそうに話
していたそうだ。ずいぶん親しかったんだろう? そんな仲良しを喰らって平気なのか?」
「ありすって、ありすのこと?」
「ゆ?」
「お前は仲のよかったありすを喰らったはずだ。ありすは毎日お前のことを楽しそうに話
していたそうだ。ずいぶん親しかったんだろう? そんな仲良しを喰らって平気なのか?」
「ありすって、ありすのこと?」
まりさの餡子脳に浮かび上がるのは、モチモチとした綺麗な肌、輝く蜂蜜色の髪のありす
だ。カチューシャについた輝くバッチの綺麗な、とてもゆっくりとしたありすだった。
男の言うとおり、とても仲良く過ごしていたことがあった。
だ。カチューシャについた輝くバッチの綺麗な、とてもゆっくりとしたありすだった。
男の言うとおり、とても仲良く過ごしていたことがあった。
「お前ら名前で区別しないんだったな……ええと、お前が一ヶ月ぐらい前に喰らったあり
すのことだ。カチューシャにバッジがついたやつ」
「いっかげつ……よくわからないけど、ばっじのありすならおぼえてるよ!」
「食べたのか?」
「おいしかったよ!」
「お、おいしかったって、お前……仲良しだったんだろ?」
「なかよしだったよ!」
「なんで仲良し喰っちまうんだよ?」
「おなかがすいたからだよ! それにありすはしゅーくりーむだからたべものだよ! た
べるのはあたりまえだよ! たべたら、まりさはゆっくりできるんだよ!」
すのことだ。カチューシャにバッジがついたやつ」
「いっかげつ……よくわからないけど、ばっじのありすならおぼえてるよ!」
「食べたのか?」
「おいしかったよ!」
「お、おいしかったって、お前……仲良しだったんだろ?」
「なかよしだったよ!」
「なんで仲良し喰っちまうんだよ?」
「おなかがすいたからだよ! それにありすはしゅーくりーむだからたべものだよ! た
べるのはあたりまえだよ! たべたら、まりさはゆっくりできるんだよ!」
男はしばし絶句したようだった。
まりさにはわからない。
確かにありすとは仲良くしていた。そしてお腹が空いたから、食べた。
ありすは食べ物だから食べるのは当たり前で、仲良しだったから隙を突くのも簡単で食べ
やすかった。
食べたらとてもゆっくりできた。
なにひとつ、おかしいことはない。
それなのに、
まりさにはわからない。
確かにありすとは仲良くしていた。そしてお腹が空いたから、食べた。
ありすは食べ物だから食べるのは当たり前で、仲良しだったから隙を突くのも簡単で食べ
やすかった。
食べたらとてもゆっくりできた。
なにひとつ、おかしいことはない。
それなのに、
「お前、おっかねえなあ」
男はどうもわかってくれないようだった。
「つまり……お前は何一つ間違ってない、と」
「そうだよ! まりさはゆっくりしてるよ!」
「そうだよ! まりさはゆっくりしてるよ!」
男はぼりぼりと頭をかいた。
言葉に困っているようだ。とてもゆっくりしていないとまりさは思った。
ゆっくりしていないと言えば、今の自分の状況もそうだ。未だあんよから餡子はもれてい
る。このままではもの凄くゆっくりできないことになってしまう。
言葉に困っているようだ。とてもゆっくりしていないとまりさは思った。
ゆっくりしていないと言えば、今の自分の状況もそうだ。未だあんよから餡子はもれてい
る。このままではもの凄くゆっくりできないことになってしまう。
「おにいさん! まりさのあんよをなおして! ゆっくりできなくなるよ!」
「ダメだな。それは聞けない。まりさ、お前は間違ってないと言うが、三つ間違っている」
「ゆゆ!?」
「ひとつは、お前が食べたありすが飼いゆっくりだったってこと」
「にんげんさんにかわれたゆっくりは、とってもおいしいよ! まちがってなんかないよ!」
「飼いゆっくりを喰ったら、人間に報復されるさ。それでお前、あんよ食いちぎられてそ
のざまだろ?」
「ゆうう!?」
「お前に言ってもわからないだろうが、ありすのバッジは特別製でな、発信器と、録音機
能までついてた。お前がどうやってありすを喰らったか、飼い主は知っていた。でもどの
まりさかまではわからない。俺は飼い主に頼まれて、お前を捜し出して制裁する役を担っ
た。そのためにこうして撮影している。そこのれいむもそのために仕込んだゆっくりだ」
「ダメだな。それは聞けない。まりさ、お前は間違ってないと言うが、三つ間違っている」
「ゆゆ!?」
「ひとつは、お前が食べたありすが飼いゆっくりだったってこと」
「にんげんさんにかわれたゆっくりは、とってもおいしいよ! まちがってなんかないよ!」
「飼いゆっくりを喰ったら、人間に報復されるさ。それでお前、あんよ食いちぎられてそ
のざまだろ?」
「ゆうう!?」
「お前に言ってもわからないだろうが、ありすのバッジは特別製でな、発信器と、録音機
能までついてた。お前がどうやってありすを喰らったか、飼い主は知っていた。でもどの
まりさかまではわからない。俺は飼い主に頼まれて、お前を捜し出して制裁する役を担っ
た。そのためにこうして撮影している。そこのれいむもそのために仕込んだゆっくりだ」
横倒しのままのまりさが横目でれいむの方を見ると、れいむは「ゆふん!」と自慢げに胸
を張っていた。
このれいむは訓練を受けた囮だったというわけだ。
を張っていた。
このれいむは訓練を受けた囮だったというわけだ。
「もう一つの間違いは、同族を喰うのが悪くないと思ってること」
「ゆっくりはおまんじゅうだよ! たべていいんだよ! まちがってないよ!」
「いいや間違いだ。間違いってことに『しなくちゃいけない』。だっておっかないだろ?
仲間にいつ喰われるかわからないなんて、全然『ゆっくり』できないじゃないか。お前
はゆっくりという種にとって異物なんだよ。俺が制裁しなくても、いつかは排斥されただ
ろうさ」
「ゆっくりはおまんじゅうだよ! たべていいんだよ! まちがってないよ!」
「いいや間違いだ。間違いってことに『しなくちゃいけない』。だっておっかないだろ?
仲間にいつ喰われるかわからないなんて、全然『ゆっくり』できないじゃないか。お前
はゆっくりという種にとって異物なんだよ。俺が制裁しなくても、いつかは排斥されただ
ろうさ」
同族は殺してはならない。
当たり前のことだから? 道徳的にいけないことだから?
答はいくつもあるだろう。だが、シンプルな回答がある。
当たり前のことだから? 道徳的にいけないことだから?
答はいくつもあるだろう。だが、シンプルな回答がある。
「最後のひとつは……お前、自分が喰われると思ってないだろ? その思い上がりが最大
の間違いだ」
「ゆっ……?」
の間違いだ」
「ゆっ……?」
シンプルな回答――それは、「自分が生きるため」だ。
仮に同族殺しを認めれば、同族を殺すばかりではなく、自分が殺されることも覚悟しなけ
ればならない。
それは実に恐ろしいことだろう。なにしろ笑顔をかわした隣人がある日突然自分を殺しに
来るかも知れない。そんな状態では社会は立ちゆかない。
だから人は法で縛り、道徳を唱え、殺人を禁忌とした。
まりさはゆっくりにしては賢かった。だから今まで失敗しなかった。
そして餡子脳だった。だから今まで本当の意味でそれを考えたことがなかった。
だから、できていなかった。
自分が殺す側にいるだけではなく、自分が殺される立場に回る覚悟を。
仮に同族殺しを認めれば、同族を殺すばかりではなく、自分が殺されることも覚悟しなけ
ればならない。
それは実に恐ろしいことだろう。なにしろ笑顔をかわした隣人がある日突然自分を殺しに
来るかも知れない。そんな状態では社会は立ちゆかない。
だから人は法で縛り、道徳を唱え、殺人を禁忌とした。
まりさはゆっくりにしては賢かった。だから今まで失敗しなかった。
そして餡子脳だった。だから今まで本当の意味でそれを考えたことがなかった。
だから、できていなかった。
自分が殺す側にいるだけではなく、自分が殺される立場に回る覚悟を。
「れいむ、いいぞ。そいつ喰っちまえ」
ゆっくりできない予感にまりさが横目でれいむの方を見ると、そこには大きく開かれた口
があった。
があった。
「ゆっくりりかいしたよ!」
れいむの明るい声と共に、まりさはれいむのいた側――左の視界を囓り取られた。れいむ
の姿が見えなくなり、失った視界の代わりに感覚は痛みに満たされた。
の姿が見えなくなり、失った視界の代わりに感覚は痛みに満たされた。
「ゆぎゃあああああああああ!!」
喉も裂けんばかりの絶叫。
だが、れいむも男もまるで頓着しない。
だが、れいむも男もまるで頓着しない。
「おい、れいむ。あまり一気に喰うな。少しずつ喰え。それと、目と口は最後まで残して
おけ。喰われる自分を見せて、最後まで悲鳴を上げさせる」
「ゆっくりりかいしたよ!」
おけ。喰われる自分を見せて、最後まで悲鳴を上げさせる」
「ゆっくりりかいしたよ!」
まりさの餡子が冷えた。本当に、喰われる。
「ど、どうぞくをたべちゃいけないんじゃなかったのおおお!?」
「いいんだよ。れいむはそういう風に育てて、人様に迷惑かけないように躾て、俺がきち
んと管理してるから。お前は野放しで飼いゆっくりを喰った。だから死ね。もう喋るな。
悲鳴だけ上げてろよ。さ、れいむ。喰え」
「ゆっくりたべるよ!」
「いいんだよ。れいむはそういう風に育てて、人様に迷惑かけないように躾て、俺がきち
んと管理してるから。お前は野放しで飼いゆっくりを喰った。だから死ね。もう喋るな。
悲鳴だけ上げてろよ。さ、れいむ。喰え」
「ゆっくりたべるよ!」
そして、れいむの「食事」が始まった。
――ゆっくりは饅頭。
頬の皮を剥がされた。餡子がむき出しになり、風に晒されて激痛が走った。
くちゃくちゃと皮が咀嚼される音がおぞましかった。
頬の皮を剥がされた。餡子がむき出しになり、風に晒されて激痛が走った。
くちゃくちゃと皮が咀嚼される音がおぞましかった。
「やぢゃあ! やぢゃあ! やぢゃああ!」
――食べるのは当たり前。
おぼうしを取られ、目の前でゆっくりと食べられた。
自慢だったおおきな鍔も、真っ白できれいなリボンも、みんなみんな目の前で少しずつ歯
で噛みちぎられ舌で舐め取られ、少しずつ食べられる様は心に激痛をもたらした。
おぼうしを取られ、目の前でゆっくりと食べられた。
自慢だったおおきな鍔も、真っ白できれいなリボンも、みんなみんな目の前で少しずつ歯
で噛みちぎられ舌で舐め取られ、少しずつ食べられる様は心に激痛をもたらした。
「ばりざの! ばりざのずできなおぼうじがあああああああ!」
――食べれば、ゆっくりできる。
餡子を舐め取られた。舌はぞっとするほど柔らかく、恐ろしいほど簡単に餡子はごっそり
とこそぎ取られた。喪失感と、失われた場所に注ぎ込まれあふれ出す痛みはまりさに恐怖
と絶望をもたらした。
餡子を舐め取られた。舌はぞっとするほど柔らかく、恐ろしいほど簡単に餡子はごっそり
とこそぎ取られた。喪失感と、失われた場所に注ぎ込まれあふれ出す痛みはまりさに恐怖
と絶望をもたらした。
「やべぢぇ、やべぢぇ、やべぢぇぇぇ!」
まりさは間違っていなかったはず。
でも、まりさは間違えたからこうなった。
でも、まりさは間違えたからこうなった。
なんで、どうして、こんな、ひどい。
やめて、ゆるして、おねがい、だめ!
たべないで、たべないで、たべないで!
おかーさん、おかーさん、おかーさん!
やめて、ゆるして、おねがい、だめ!
たべないで、たべないで、たべないで!
おかーさん、おかーさん、おかーさん!
「ゆっぐじでぎな……ぃ……」
れいむは慎重に「食事」を進めたが、やがて致死量の餡子が失われた。
……おかーさん……どうして、おしえてくれなかったの……?
最後に自分の餡子の奥に、そう、問いかけ。
まりさは極限の苦しみの中、永遠にゆっくりした。
まりさは極限の苦しみの中、永遠にゆっくりした。
了
by触発あき
元ネタ:M1