ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko2245 名付
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ankoss
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いじめ ギャグ パロディ 小ネタ 人間なし 古典 作:米印
ぽっこり膨らんだお腹には三つ目の命が宿っている。
先に生まれた姉妹が、やがて生まれてくる妹に話しかけるのを見ながられいむは幸せに浸っていた。
夫のさなえがキリリと締まった貌で目の前にやってきたのはそんな時だった。
「れいむ、おはなしがあります」
「ゆん? どうしたの、さなえ?」
「さなえとれいむには、すでにさなえ(子)とれいむ(子)がいますよね」
「そうだよ。さなえ(子)もれいむ(子)も、かわいいかわいい れいむのおちびちゃんだよ」
二匹の子供が、名前を呼ばれたことに気付いて顔を上げた。
「おとーさんおかーさん、よんだー?」×2
「よんでいませんよ。さなえ(父)はれいむ(母)とおはなしがあるので、さなえ(子)とれいむ(子)
はおそとであそんできてください」
「はーい」×2
笑顔で送り出した子供たちが巣の出入り口付近で遊び始めたのを確認して、さなえ(父)はれいむ(母)
に向き直る。
真剣な表情のさなえの様子にれいむは固唾を呑んで次の一言を待つ。
「やっぱりややこしいので あたらしくうまれてくるおちびちゃんには ちょっとちがったおなまえをつ
けましょう!」
「……ゆ?」
ただ、飛び出してきた台詞は予想だにしていなかった話題だった。
※ ※ ※
名付
※ ※ ※
現在、おうちにはさなえが二匹れいむが二匹。これにさらに一匹加わったら、生まれてくるのがさな
えだろうとれいむだろうと、一言呼びかけるのにも面倒なことになるのではないのか、というのがさな
えの言い分だった。
しかし、そもそもゆっくりは同種のゆっくりがどれだけいようとも個体識別ができる存在である。飾
りが在ればの但し書きは付くが、その識別能力は高い。それに同じ名前であろうとも、ゆっくりたちか
らすればそれぞれ違った個体を指す固有名になるのである。
当然のようにれいむは反論した。
「れいむもさなえも ちゃんとしたおなまえだよ? それなのに うまれてくるおちびちゃんにだけ
へんなおなまえをつけたりしたら かわいそうだよ!」
「れいむのいいたいことも わかります」
その反論を予想していたさなえは落ち着いて肯きを返す。
「しかしっ! じょうしきに とらわれてはいけません! ちょっとちがった おなまえをあげることで
そのこはもっとゆっくりできるはずなのです!!」
「ゆゆ!? それはほんとうなの、さなえっ!!」
「もちろんです! しんずるものは すくわれるのです!」
余りにも力強く断言するさなえの言霊に、れいむは一瞬で呑み込まれていた。
そして新しく生まれてくる二匹のおちびちゃんに名前を付けてあげることとなった。
「けど、どういうなまえをつけたらいいの?」
ゆ~ん、と呻きながら悩むれいむが眉間に皺を寄せつつ、発案者のさなえに疑問を投げかける。
「あたらしい おちびちゃんだけの おなまえをつけてあげるなら、れいむは とってもすてきな おなま
えを つけてあげたいよ?」
「そうですね……」
当然さなえもれいむと同じ心境ではあるので、二匹は揃って難しい顔をする。
だが所詮はゆっくり。難しく考え込むことは得意ではなかった。
「こまったときは ぱちゅりーにそうだんしようね!」
「そうです、そうしましょう!」
あっさりと丸投げされたぱちゅりーにはたまったものではない。
ぱちゅりーも当然、常識的なゆっくりであるから子供の名前はその個体の名前で呼べば良いと思って
いる。
……のだが、
「わーく、わーく」
「わーく、わーく」
「……むきゅ」
きらきらと期待に満ちた目で見られている以上、思うままに告げることも憚られる。
仕方なくぱちゅりーは何となく思いついた方法を口にした。
「そうね、ぱちぇもおちびちゃんの名前を付けるなんてしたことはないんだけど……。れいむやさなえ
が言われて嬉しい言葉を、一番好きな言葉をおちびちゃんのお名前に着けてあげたらどうかしら?」
「ゆぅ~! それはいいかんがえだよ!」
「さすがですね、ぱちゅりー!」
「む、むきゅ……それほどでもないわよ……?」
適当な思いつきだけに、手放しに褒め称えられると後ろめたいぱちゅりーだった。
「ゆーんと……れいむはやっぱり『かわいい』だよ」
「さなえは……『しんじんぶかい』でしょうか? ぱちゅりーはどうです?」
「むきゅ? ぱちぇは当然『かしこい』だけど……」
何となく腑に落ちない気分に陥ったぱちゅりーだったが、自分でも何にひっかかっているのかが解ら
ない。
解らない内に、れいむとさなえはぱちゅりーのおうちを後にする。
「それじゃ、むれのみんなにも きいてみようね!」
「そうしましょう!」
そうしてれいむとさなえは群のゆっくりのおうちを一軒一軒巡りながら、そこに住むゆっくりが一番
好きな言葉を聞いて廻った。
「まりささまは、とーぜん『かっこいい』だぜ!」
「『とかいは』よ。わかるでしょ?」
「『ち~んぽ』」
「ちぇんはかけっこが『はやい』っていわれるとうれしいんだよ~。わかるよ~」
「れいむは『おうたがじょうず』って褒めてもらうと、それだけでゆっくりできるよ」
「じゃおじゃお、『じゃおーん』」
「でいぶは『しんぐるまざー』なんだよっ! そんなこともわ……でいぶをむしするなぁあああああ
っ!!」
「ゆっへっへ、まりささまのことは ちゃんと『さま』をつけてよぶんだぜ? さもないと いたいめを
みる……どこにいくんだぜ? まだまりささまのはなしはおわってないんだぜぇえええええ!!」
「むっきゅっきゅ、とうぜんぱちぇは『もりのけんじゃ』よっ! あっちのぱちぇの おはなしなんて
きいてないで ぱちぇのしじに したがいなさいっ!!」
「ハァ、ハァ! どうかてんこのことは『めすぶた』って、そうよんでちょうだい!!」
「いけません総頭領娘さま! どうか正気にお戻りを……『ふぃーばぁーっ!!』」
いくさんの放電に追い立てられるようにして、れいむとさなえはおうちに戻った。
それから半日を掛けて、二匹は群のみんなから聞いた言葉を参考にして一生懸命おちびちゃんの名前
を考えた。
その夜、急に産気づいたれいむは一匹のれいむを産み落とした。
「おとーしゃん! おかーしゃん! ゆっくししちぇいっちぇね!」
生まれたばかりだというのに健気に挨拶をしてくる我が子。嬉しくなったれいむとさなえは、満面の
笑みを浮かべて二匹で考え抜いた最高の名前を送った。
「かわいくしんじんぶかくてかしこい・かっこいいとかいはのち~んぽがはやい・じゃおーんはおうた
がじょうずなしんぐるまざーさまがもりのけんじゃで・めすぶたはふぃーばぁーっ!! なおちびちゃ
んのれいむ、ゆっくりしていってね!!」×2
「……ゆ?」
それから数分後、おうちの中には盛大な泣き声が轟いていた。
生まれたばかりの子供が泣いている理由は単純明快。自分の名前が覚えられなかったからである。
「ゆわぁ~ん! ゆわぁ~んっ!!」
「ゆ、ゆ、ゆっくりしていってね、おちびちゃん。ゆっくりしていってね! れいむのおちびちゃんの
おなまえは、かわいくしんじんぶかくてかしこい・かっこいいとかいはのち~んぽがはやい・じゃおー
んはおうたがじょうずなしんぐるまざーさまがもりのけんじゃで・めすぶたはふぃーばぁーっ!! な
おちびちゃんのれいむ、だよ!」
「しょんにゃに なぎゃいおにゃまえ おぼえりゃれにゃいよおぉぉぉぉぉっ!!」
「かわいくしんじんぶかくてかしこい・かっこいいとかいはのち~んぽがはやい・じゃおーんはおうた
がじょうずなしんぐるまざーさまがもりのけんじゃで・めすぶたはふぃーばぁーっ!! なおちびちゃ
んのれいむ、どうかゆっくりしてください!」
「ゆっぐりでぎりゅわげないでじょおぉぉぉぉぉっ!!」
更に数分後、(前略)れいむはゆっくりできない余りに死んでしまった。
「おにゃまえがわからにゃいよ……」
(前略)れいむは最後にそう呟いたという。
二匹は涙を流しながらおちびちゃんのお墓を造った。
小枝の墓標を建てたさなえが、ふと頭を傾げながられいむに訊ねる。
「ところでれいむ、おちびちゃんの おなまえは なんでしたっけ?」
「ゆ? ……ながすぎて わすれちゃったよ?」
※
元ネタ:じゅげむ
いじめ ギャグ パロディ 小ネタ 人間なし 古典 作:米印
ぽっこり膨らんだお腹には三つ目の命が宿っている。
先に生まれた姉妹が、やがて生まれてくる妹に話しかけるのを見ながられいむは幸せに浸っていた。
夫のさなえがキリリと締まった貌で目の前にやってきたのはそんな時だった。
「れいむ、おはなしがあります」
「ゆん? どうしたの、さなえ?」
「さなえとれいむには、すでにさなえ(子)とれいむ(子)がいますよね」
「そうだよ。さなえ(子)もれいむ(子)も、かわいいかわいい れいむのおちびちゃんだよ」
二匹の子供が、名前を呼ばれたことに気付いて顔を上げた。
「おとーさんおかーさん、よんだー?」×2
「よんでいませんよ。さなえ(父)はれいむ(母)とおはなしがあるので、さなえ(子)とれいむ(子)
はおそとであそんできてください」
「はーい」×2
笑顔で送り出した子供たちが巣の出入り口付近で遊び始めたのを確認して、さなえ(父)はれいむ(母)
に向き直る。
真剣な表情のさなえの様子にれいむは固唾を呑んで次の一言を待つ。
「やっぱりややこしいので あたらしくうまれてくるおちびちゃんには ちょっとちがったおなまえをつ
けましょう!」
「……ゆ?」
ただ、飛び出してきた台詞は予想だにしていなかった話題だった。
※ ※ ※
名付
※ ※ ※
現在、おうちにはさなえが二匹れいむが二匹。これにさらに一匹加わったら、生まれてくるのがさな
えだろうとれいむだろうと、一言呼びかけるのにも面倒なことになるのではないのか、というのがさな
えの言い分だった。
しかし、そもそもゆっくりは同種のゆっくりがどれだけいようとも個体識別ができる存在である。飾
りが在ればの但し書きは付くが、その識別能力は高い。それに同じ名前であろうとも、ゆっくりたちか
らすればそれぞれ違った個体を指す固有名になるのである。
当然のようにれいむは反論した。
「れいむもさなえも ちゃんとしたおなまえだよ? それなのに うまれてくるおちびちゃんにだけ
へんなおなまえをつけたりしたら かわいそうだよ!」
「れいむのいいたいことも わかります」
その反論を予想していたさなえは落ち着いて肯きを返す。
「しかしっ! じょうしきに とらわれてはいけません! ちょっとちがった おなまえをあげることで
そのこはもっとゆっくりできるはずなのです!!」
「ゆゆ!? それはほんとうなの、さなえっ!!」
「もちろんです! しんずるものは すくわれるのです!」
余りにも力強く断言するさなえの言霊に、れいむは一瞬で呑み込まれていた。
そして新しく生まれてくる二匹のおちびちゃんに名前を付けてあげることとなった。
「けど、どういうなまえをつけたらいいの?」
ゆ~ん、と呻きながら悩むれいむが眉間に皺を寄せつつ、発案者のさなえに疑問を投げかける。
「あたらしい おちびちゃんだけの おなまえをつけてあげるなら、れいむは とってもすてきな おなま
えを つけてあげたいよ?」
「そうですね……」
当然さなえもれいむと同じ心境ではあるので、二匹は揃って難しい顔をする。
だが所詮はゆっくり。難しく考え込むことは得意ではなかった。
「こまったときは ぱちゅりーにそうだんしようね!」
「そうです、そうしましょう!」
あっさりと丸投げされたぱちゅりーにはたまったものではない。
ぱちゅりーも当然、常識的なゆっくりであるから子供の名前はその個体の名前で呼べば良いと思って
いる。
……のだが、
「わーく、わーく」
「わーく、わーく」
「……むきゅ」
きらきらと期待に満ちた目で見られている以上、思うままに告げることも憚られる。
仕方なくぱちゅりーは何となく思いついた方法を口にした。
「そうね、ぱちぇもおちびちゃんの名前を付けるなんてしたことはないんだけど……。れいむやさなえ
が言われて嬉しい言葉を、一番好きな言葉をおちびちゃんのお名前に着けてあげたらどうかしら?」
「ゆぅ~! それはいいかんがえだよ!」
「さすがですね、ぱちゅりー!」
「む、むきゅ……それほどでもないわよ……?」
適当な思いつきだけに、手放しに褒め称えられると後ろめたいぱちゅりーだった。
「ゆーんと……れいむはやっぱり『かわいい』だよ」
「さなえは……『しんじんぶかい』でしょうか? ぱちゅりーはどうです?」
「むきゅ? ぱちぇは当然『かしこい』だけど……」
何となく腑に落ちない気分に陥ったぱちゅりーだったが、自分でも何にひっかかっているのかが解ら
ない。
解らない内に、れいむとさなえはぱちゅりーのおうちを後にする。
「それじゃ、むれのみんなにも きいてみようね!」
「そうしましょう!」
そうしてれいむとさなえは群のゆっくりのおうちを一軒一軒巡りながら、そこに住むゆっくりが一番
好きな言葉を聞いて廻った。
「まりささまは、とーぜん『かっこいい』だぜ!」
「『とかいは』よ。わかるでしょ?」
「『ち~んぽ』」
「ちぇんはかけっこが『はやい』っていわれるとうれしいんだよ~。わかるよ~」
「れいむは『おうたがじょうず』って褒めてもらうと、それだけでゆっくりできるよ」
「じゃおじゃお、『じゃおーん』」
「でいぶは『しんぐるまざー』なんだよっ! そんなこともわ……でいぶをむしするなぁあああああ
っ!!」
「ゆっへっへ、まりささまのことは ちゃんと『さま』をつけてよぶんだぜ? さもないと いたいめを
みる……どこにいくんだぜ? まだまりささまのはなしはおわってないんだぜぇえええええ!!」
「むっきゅっきゅ、とうぜんぱちぇは『もりのけんじゃ』よっ! あっちのぱちぇの おはなしなんて
きいてないで ぱちぇのしじに したがいなさいっ!!」
「ハァ、ハァ! どうかてんこのことは『めすぶた』って、そうよんでちょうだい!!」
「いけません総頭領娘さま! どうか正気にお戻りを……『ふぃーばぁーっ!!』」
いくさんの放電に追い立てられるようにして、れいむとさなえはおうちに戻った。
それから半日を掛けて、二匹は群のみんなから聞いた言葉を参考にして一生懸命おちびちゃんの名前
を考えた。
その夜、急に産気づいたれいむは一匹のれいむを産み落とした。
「おとーしゃん! おかーしゃん! ゆっくししちぇいっちぇね!」
生まれたばかりだというのに健気に挨拶をしてくる我が子。嬉しくなったれいむとさなえは、満面の
笑みを浮かべて二匹で考え抜いた最高の名前を送った。
「かわいくしんじんぶかくてかしこい・かっこいいとかいはのち~んぽがはやい・じゃおーんはおうた
がじょうずなしんぐるまざーさまがもりのけんじゃで・めすぶたはふぃーばぁーっ!! なおちびちゃ
んのれいむ、ゆっくりしていってね!!」×2
「……ゆ?」
それから数分後、おうちの中には盛大な泣き声が轟いていた。
生まれたばかりの子供が泣いている理由は単純明快。自分の名前が覚えられなかったからである。
「ゆわぁ~ん! ゆわぁ~んっ!!」
「ゆ、ゆ、ゆっくりしていってね、おちびちゃん。ゆっくりしていってね! れいむのおちびちゃんの
おなまえは、かわいくしんじんぶかくてかしこい・かっこいいとかいはのち~んぽがはやい・じゃおー
んはおうたがじょうずなしんぐるまざーさまがもりのけんじゃで・めすぶたはふぃーばぁーっ!! な
おちびちゃんのれいむ、だよ!」
「しょんにゃに なぎゃいおにゃまえ おぼえりゃれにゃいよおぉぉぉぉぉっ!!」
「かわいくしんじんぶかくてかしこい・かっこいいとかいはのち~んぽがはやい・じゃおーんはおうた
がじょうずなしんぐるまざーさまがもりのけんじゃで・めすぶたはふぃーばぁーっ!! なおちびちゃ
んのれいむ、どうかゆっくりしてください!」
「ゆっぐりでぎりゅわげないでじょおぉぉぉぉぉっ!!」
更に数分後、(前略)れいむはゆっくりできない余りに死んでしまった。
「おにゃまえがわからにゃいよ……」
(前略)れいむは最後にそう呟いたという。
二匹は涙を流しながらおちびちゃんのお墓を造った。
小枝の墓標を建てたさなえが、ふと頭を傾げながられいむに訊ねる。
「ところでれいむ、おちびちゃんの おなまえは なんでしたっけ?」
「ゆ? ……ながすぎて わすれちゃったよ?」
※
元ネタ:じゅげむ