ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko2267 長の資質 後編
最終更新:
ankoss
-
view
長の資質 後編 32KB
制裁 自業自得 仲違い 同族殺し 群れ 自然界 ヒマなときにでもどうぞ
おちびちゃん手当てが成立してからいくらばかりか月日は流れ……。
「さっさとしょくりょうをもってきてね!でいぶにはおちびちゃんが、たっくさんいるんだよ!
だからしょくりょもたっくさんひつようなんなだよ!りかいできる?」
「このむれのそとに、まりささまのようしえんぐみのおちびちゃんが50ぴきいるんだぜえ!
ひんぱんにあいにいってるからいっしょにくらしてるもどうぜんなんだぜえ!
だからさっさと50ぴきぶんのしょくりょをよこすんだぜえ!」
「んほおおおおおおお!とかいには、ようしにしたおちびちゃんが554ひきいるのおおおおおお!
はなれていても、こころはいつもありすといっしょよおおおおおおおおお!
だからさっさと554ひきぶんのしょくりょをよこしなさいいいいいい!」
ここはおちびちゃん手当ての支給場である洞窟。
今この場所は、おちびちゃん手当てを受給しようとする大量のゆっくりたちによりごったがえしていた。
さて、上のセリフからもわかるとおり、今この群れでは実際には存在しない赤ゆを、存在すると偽って、
おちびちゃん手当てを貰おうとするゆっくりによる問題が深刻化していた。
さすがに50匹だの554匹だのの養子縁組の受給は拒否されたが、おちびちゃんがいるという詐称は当然のこと、
もうとっくに成体ゆっくりになったゆっくりを赤ゆっくりだと言い張ったり、中には明らかにただの泥団子を、
自分のおちびちゃんであると主張して、おちびちゃん手当てをもらおうとする者まで出る始末だった。
それでなくても、最近は週休二日制が廃止され、怠け者ゆっくりが増えてきているのだ。
何とかしてタダ飯にありつこうと、連日あの手この手で手当てを貰おうと、ゆっくりたちが受給場所に押し寄せてきているのだ。
そして悪い事に、大半の事例はろくに調べもせずに、受給の許可が下りてしまうのだ。
手当ての審査などをしているのは、まりさが長になったと同時に、幹部になった取り巻きの若いゆっくりたちなのだが、
これがまた無能極まりなかった所為だ。
やってきたゆっくりの言われるままに、ろくすっぽに調べもせず、よほど極端な例でもないかぎり、
ほいほいと食料を渡してしまうのだ。
それがまた、事態の悪化に拍車をかけることにつながっていった。
「ゆ、ゆぐぐぐぐ……」
一匹、自分のおうちで悩んでいる長まりさ。
また以前のように、新しい法案でも考えているのであろうか?
だがその様子は気のせいか、前回とくらべて若干余裕が無いように見える。
「うーむ…このままじゃまずいよ……」
自分の作った掟であるおちびちゃん手当てが、思っていた以上に群れの財政を圧迫している。
具体的には、先代の長ぱちゅりーの代からこつこつためていた食料の貯金が、物凄い勢いで切り崩されているのだ。
もちろんみなから徴収している税など集めた先から消えていってしまう。
これほどの勢いで食料が減るとは長まりさは完全に予想外だった。
仮に、食料をただで貰おうと暴走するゆっくりたちのことを考慮にいれてなかったとしても、
はっきりいって見通しが甘かったことは認めざるを得ない。
唯一の救いは、群れのゆっくりの規定数がもう限界のため、おちびちゃん手当て目当てに、
やたらめったら大量に赤ゆを産むつがいがいないことであった。
もしその縛りがなかったとしたら、そりゃあもう想像するだけでも悲惨な事態に陥っていた事であろう。
人間の考えた掟をあれだけゆっくりできないと罵っていた長まりさが、唯一守っている規定数制限のおかげで、
何とか群れがもっている状態というのも皮肉な話だ。
「ゆうう、こうなったら、おちびちゃんてあては、はいあんにして…」
潔く失敗を認め、おちびちゃん手当てを廃止すべきであろうか?
もちろんそれがいいに決まってる。今現在の問題がおちびちゃん手当てなのだからその原因を取り除くのは至極全うな手段だ。
だが、そう考えた矢先、まりさの脳裏に以前の男の言葉や先日のぱちゅりーとの一件の記憶がよみがえる。
『前長の掟を廃止するような主張ばかりだな……』
『せんだいのおさや、あのとききにんげんさんのいっていたことばのいみがまりさにはわからないの!』
「ゆがああああああああああああ!ちがう!ちがうよおおおおおおおおおおおおおおおお!
まりさは!まりさはあたらしいむれを!あたらしいおきてでゆっくりさせるんだああああああああ!
あんなにっんげんさんや、グズのぱちゅりーには、まねできないようなみんながゆっくりできるむれをつくるんだあああああああああ!
みるな、みるな、みるな、みるなあああああああああああ!そんなめでまりさをみるんじゃないいいいいいいいいいいいい!」
ジタバタとおうちで転がり回る長まりさ。
長まりさ自身の大きすぎるプライドは、またも本来は存在しないはずの、架空の敵を作り出していたのだ。
自分が考えた掟を撤回すれば、ほれ見たことかと、その敵にあざ笑われる。
その敵の起源は、みなに認められていた前長へのコンプレックスや、人間に対する無意味な対抗心からきていると分析できるかもしれない。
だが長まりさは当然そんなこと意識していなし、できない。
全ては無意識下で行われていることだ。
おちびちゃん手当てを撤回するわけにはいかない。
それは勝ち負けで言うところの、負けにあたる行為だ。
そんなのはまりさのプライドが許さない。いや許されないのだ。
おちびちゃん手当ては撤回しない!その上で、何とかして現状を打破する策を考えなければ。
「ゆうううううう!」
頭を悩ませるまりさ。
だが、いくら考えてもついに名案は浮かぶ事はなかった。
「ゆう、なんだかさいきんもりにおちているしょくりょうがすくないよ……」
「そうだね、かりにいっても、ぜんぜんしょくりょうがとれないよ」
「こんなんじゃふゆさんがきたときに、えっとうのじゅんびがまにあわないかもしれないね…」
群れの近くの森で狩りをするかたわら、口々に近況を話し合うゆっくりたち。
どのゆっくりも口にすることは同じだ。最近森で取れる食料の量が減ってきた、そんな話題ばかりである。
みんながみんな同じことを口にするのだから、それは多分その通りなのだろう。
事実森全体の資源は確実に例年よりも減っていた。
何故こんななっているのか?
一気に規定数ギリギリまで群れのゆん口が増えたため、森の資源が枯渇してしまったのだろうか?
無論それも影響はしている。が、それが直接の原因ではない。
そもそもそうならないように、事前に人間が森の大きさに応じて規定数を決めているのだ。
基本的に、ゆっくりの数が人間が決めた規定数以内ならば、ゆっくりが食料不足になることはない。
それでは何が原因なのか?
まあもったいぶっといて何だが、別に深い訳があるということではない。
今年は近年稀に見る異常気象で、森の資源の育ちが悪く、例年に比べて明らかに収穫できる食料の量が少なくなってしまったというだけのことだ。
長いスパンで見れば、時々こういうこともあるだろう。それはそれで自然な話だ。
この異常気象によって起こる食料不足は完全に偶然の産物であり、ゆっくりはおろか人間でさえ予想できうるものではない。
だからこれは誰のせいでもない自然災害のようなものである。
しかしだからといって現に森にすんでいるゆっくりたちは、災害じゃしょうがないね、で済ますわけにはいかない。
このまま食料の採取量が少ない状態で冬に突入すればどうなるか、ちょっと想像をたくましくすればわかりそうなものである。
だがしかし………。
「ゆゆ!だいじょうぶだよ!こんなときのために、れいむたちは、むれにぜいをはらってるんだよ!
それにこまったことになってもきっと、あのゆっくりできるおさまりさがなんとかしてくれるよ!」
「そうだね!おさにまかせておけば、あんっしんだね!」
群れのゆっくりたちは、迫りくる崩壊の気配に対して、呆れるほど無頓着であった。
そう!何故なら自分たちにはスーパーリーダーであるまりさがいるのだから!
今年の越冬もきっとゆっくりと上手くいくに違いない。そうみな信じて疑っていなかった。
「はあっ、はあっ、まずいいいいいいいいいいい!ごれはまずいよおおおおおおおおおおおおお!」
一匹、自分のおうちで悩んでいる長まりさ。
その様子はもはや以前のように新しく何かをやってやろうとかそういう気概に溢れたものではなく、
明らかに今ある問題を何とかしなければという保守的で切羽詰まったものである。
その息は荒く、何日もろくに寝ていないために目が血走ってる。
また、見えない何らかの恐怖におびえるかのように時折、ビクリと痙攣したように震えだしたりして、挙動も明らかにおかしかった。
「ゆがががが、どうずればあああああ………」
長まりさもまた気づいていたのだ。どういうわけかまったくわからないが、
明らかに以前と比べて森で取れる食料が少なくなってきていることに。
ただでさえ群れのゆん口はこの短期間で一気に増えている。
しかも増えた分はそっくりそのまま、狩りなどが出来ない上に、ムダに大飯ぐらいの赤ゆなのだ。
このまま行けば、越冬の際に群れ全体が食糧不足になるのは明らかだ。
だが、こんなときにのためにと、先代から貯蓄してある食料庫は今や……。
「ゆがあああああああ!どうしじでごんなごとにいいいいいいい!
まりざなにもわるいごとしてないいいいいいいいいいい!」
己の不運を嘆く長まりさ。
まあ、確かに異常気象については同情の余地はある。
だが、こんな現状になっているそれ以外の原因が実は自分の所為であるということを長まりさは考えない。いや考えられない。
何故ならまりさは無能だから。
さて、群れの多くのゆっくりは気づいていないが、目前に迫る越冬に対して今この群れの置かれている状況は最悪の一言であった。
まずこの群れのゆっくりのゆん口が多いこと。これはすぐ上で述べたとおりだ。
原因は言うまでもなく無能まりさがスッキリ制限を解除したためである。
先代の長ぱちゅりーが、規定数に充分余裕があるのにもかかわらず、スッキリ制限をしていのは、
群れのゆっくりたちの年齢バランスを考えていたからだ。
今現在この群れが置かれている状況のように、赤ゆばっかり大量に増えてしまっては、群れの衰退に繋がるということをよく理解していたのだ。
無論、無能まりさにそんな高度なことが理解できるはずもない。
次に、週休二日制が廃止されたために、群れ全体でゲスゆや怠け者ゆっくり率がはね上がってしまったことだ。
例えばの話、銀バッチ程度の飼いゆなら、しつけをせずにずっと甘やかしているとゲス化してしまうことが多いのは良く知られたことだろう。
要はそれと同じことだ。甘やかしたり、ゆっくりした環境に長くいると、そこに胡坐をかくことになる。
今や、群れのゲスゆ率は、先代のときとは比べ物にならないほど上昇していた。
そして、狩りに行かないゆっくりが増えれば、当然それに連動して、税として取れる食料の量も減ってくるだろう。
さらには無能まりさによって税率はかなり低く抑えられている。
いまやこの群れの税収は雀の涙程度であった。
そしてとどめがおちびちゃん手当だ。
このムチャな掟によって今や、長い時をかけて、コツコツと溜めて来た食料ほぼ枯渇しており、
越冬の緊急資源としてはまったく当てにできない状況だ。
そのことを今知っているのは無能まりさだけだからいいものを、それが群れのゆっくりにばれれば即暴動ものだろう。
もしもの時のためにと、用意しておいた貯蓄が、いざそのときになって使おうとしたらなくなっていたのだらから。
そんなわけで今、誰も気づいていないが、今群れは大ピンチであった。
よくもまあこれだけの悪条件が揃いも揃ったもんである。
こうなってしまった以上群れを存続させるために取り得る手段はそう多はないだろう。
正直に今の群れの食料状況を皆に打ち明け、越冬に向けて、全員一丸となって食料集めにいそしむのだ。
無論おちびちゃん手当てなんて馬鹿げた掟は廃止するしかない。
あるいは群れ全体を生き残らすために、赤ゆたちを間引く必要すらあるかもしれない。
とはいえ、非常に苦しい状況だが、まだ今なら全滅しない可能性も充分ありえるのだ。
だが、そんな状況で無能まりさは、
「ゆがあああああああ!こんな!こんなところで、おちびちゃんてあてはおわらせないよおおおおおおおおおお!
これはまりさがかんがえた、とってもゆっくりできるおきてなんだあああああああああああああ!
それを、それを、はいあんになんてさせるかあああああああああああああ!」
無能まりさは、群れの存続よりも、あくまで自身の掟を死守することを選んだ。
何故ならこれを撤回してしまったら、自身の負けを認めることになってしまうからだ。
そんなこと無能まりさには耐えられない。
今この無能まりさにとって重要なことは、群れの運営ではなく、いかに自身のプライドを守るかということだ。
それが群れのみなのゆっくりに繋がると信じているのだ。
「まもるよおおおおおおおおおお!このおきてだけはどんなことになってもぜったいにまもるよおおおおおおおお!
なぜならこれはみながゆっくりすためにひつようなことなんだからねええええええええええええええ!
ゆはっ!ゆはははははは!そうだよ!こんなすばらしいおきてをまもるためなら、みんなちょっとくらいゆっくりできなくなっても、
しかたないねええええええええええ!」
無能まりさの顔が邪悪に歪む。
「ゆがああああああ!くそにんげんんんんんん!ばじゅりいいいいいいいい!みてろよおおおおおおおおおおおおおお!
までぃざわあああああああああ!までさはおまえらなんかに、まけないよおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
無能まりさは吼える。実際は存在し得ない心の敵に向かって。
コイツはいったい誰と戦っているのだろうか?
「みんな!またおさがゆっくりできるおきてをつくるみたいよ!」
「こんどはいったいどんなとかいはなおきてをができるのかしら?」
「わかるよー!きっとえっとうにむけて、みんなにしょくりょうをはいきゅうするってほうあんにちがいないんだねー!」
いつもの広場で、噂話をするゆっくりたち。
いかに鈍感なゆっくりたちとはいえ、今現在の食料不足についてはいろいろと思うところはあった。
なので最近群れでは、長まりさが越冬にむけて、全てのゆっくりに食料を配給してくれる掟を作ってくれるのではないかと、噂になっていたのだ。
今日の発表もきっとそのことについてに違いない。みなそう思っていた。
と、そこへ、長まりさが広場の中央に現れる。
その様子は目の焦点が定まらず、どことなく狂気をはらんでいたのだが、浮かれているゆっくりたちはそのことを気づくものはいなかった。
「ゆっへへへ、みんなきいてね……」
長まりさが話はじめる。
いよいよ群れのみなに食料を援助する掟が発表させるのかと、期待に満ちた視線を送るゆっくりたち。
だが長まりさの口から発せられた内容は、にわかには信じがたいものであった。
「ゆふふふ、こんどからはぜいりつを、ひきあげることにきめたよ!
ゆふ!べつにたいしたりょうじゃないよ!とってきたしょくりょうの9わりでいいよ!りょうっしんてきだね!
あとそれから、これはらは、しゅうきゅうぜろにちせいにするよ!ゆっくりしないで、まいにちはたらいて、ぜいをたっくさんおさめてね!
あ、それからこんどからひとりっこせいさくをどうにゅうするよ!
おちびちゃんはいっかにいっぴきまでだよ!いっぴきいじょういるおうちはほかのおちびちゃんをつぶしてね!」
「「「「……………は?」」」」
ぽかんと口を開けたアホずらで呆然とする群れのゆっくりたち。誰一人として長まりさの言葉の意味を理解できない。
「ゆゆ!みんながいいたいことはわかってるよ!おちびちゃんてあてのことでしょう?
だいじょうぶ!これはいままでどおりつづけていくよ!なんったってこれはまりさがかんがえた、とってもゆっくりできるおきてだからね!
みんなうれしいでしょ!ゆふふふうれしいにきまってるよね!まりさにまかせておけばあっしんだね!」
「「「「……………」」」」
沈黙。
だが次の瞬間
「はあああああああああああああああああ!なにいってるのおおおおおおおおおおおおお!」
「なんなのおおおおおおおおおおおおおお!あの、いなかものわあああああああああああ!」
「わからないよおおおおおお!ほんとになにいってるのかわからないよおおおおおおおおお!」
一斉に怒号を上げる群れのゆっくりたち。
そりゃ当然だ。いちいち理由を説明するまでもない。誰だってこんな無茶苦茶やられれば腹が立つ。
これはつまり、おちびちゃん手当てという一つの掟を生かすために、他の全ての掟を犠牲にした法案なのだ。
だが長まりさは、そんな群れの面々に臆すことなく反論する。
「うるさいよ!これはとってもすばらしい、まりさのおきてを、いじするためにひつようなことなんだよ!
もんくばっかりいってないで、さっさとかりにいってね!おきてで、しゅうきゅうぜろにちせいって、いまきまったんだよ!
だいたいおまえらがとってくるしょくりょうのりょうがすくないからこんなことになったんだよ!
まりさはわるくないんだよ!ぜんぶむれのみんながわるいんだよ!だからぞうぜいもやむなしなんだよ!」
無茶苦茶な理論をまくし立てる長まりさ。
自分の今までの政策の失敗責任を取ることは決してなく、困ったらとにかく国民に痛みを押し付けて増税増税。
まったく国政ってのは楽な仕事だ。
「ふざけないでね!そもそもえっとうのじきがちかいのに、そんなぜいなんてはらえるわけないでしょ!
それにさいきん、もりでとれるしょくりょのりょうがへってきてるんだよ!
おちびちゃんてあてなんてどうでもいいから、むれのちょぞうこにあるしょくりょうをみんなにくばってね!
こんなときのためのちょちくでしょ!」
暴走する長まりさに、至極全うに反論する群れのゆっくりたち。
だがその反論は、今の長まりさに対しては、火に油だった。
「ゆがあああああああああああああ!おまえらまでそんなことおおおおおおおおおおおおお!
さてはおまえらにんげんさんのてさきだなあああああああああああああああああ!
まりさのすばらしいおきてをつぶそうっていったって、そうはいかないよおおおおおおおおお!
せいっさいだよおおおおおお!まりさにさからうものはみんっなせいっさいするよおおおおおおおおおおおおお!」
暴走し、わけのわからないことをまくし立てる長まりさ。
「………こいつ、いったいなにをいっているんだみょん!」
さっきほどからの長まりさの尋常ではない様子に、ようやく群れのゆっくりたちも長まりさがどこかおかしいことに気づきはじめる。
「ねえ、あのおさ、ちょっとやばいんじゃないの?」
「そういえば、なんだかここのところようすがおかしかったような…」
「さいきん、おうちのなかでひとりでぶつぶつと、かべにむかってつぶやいているって、うわさだよ」
「きみがわるいね」
気持悪いものでも見るかのような視線をまりさに向ける群れのゆっくりたち。
その視線を受けてますます混迷を深める長まりさ
「うああああああああああああああああ!みるなみるなみるなみるなああああああああああああああ!
まりさをみくだすななああああああああああああああああ!
まりさはしんのりーだーなんだぞおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
そんなめをするやつはせいっさいだあああああああああああああああああ!」
そう叫びながら、ついに長まりさは、一番近くにいたれいむに飛び掛る。
「ゆひい!」
突然体当たりを仕掛けられ、吹っ飛ばされるれいむ。
「ちょっと、なにするよのこのいなかものが!」
「みょん!おさがらんしんしたみょん!みんなでとりおさえるみょん!」
すぐに止めに入る群れのゆっくりたち。
長の様子がおかしいのは誰の目にも明らかであった。
そして、
「ゆがが、はなぜええええ!おさにごんなごとしていいとおもってるのかあああああ!」
乱闘の末に、両脇をがっちりと取り押さえられている長まりさ。
まだ何かぶつぶつと呟いているが、その口調は弱弱しい。
「とりあえずおちつくまで、どこかにとじこめておくみょん!」
「そうだね!きみがわるよ!」
誰かが発したその提案にみなうなずく。
とりあえず落ちつくまでは誰も長まりさに関わりたくなかったのだ。
それに今はもっと重要なことがある。
「これからどうするの?」
「とりあえず、しょくりょうこにいこうよ!それからしょくりょを、こうへいにみんなでわけあえばいいよ!」
「それがいいみょん!これでとりあえずは、ことしのえっとはあんっしんだみょん」
「あとのことは、はるさんがきてからゆっくりきめればいいよね!」
自然な場の流れから、皆で食料庫の食料を分けようと言う話になった。
これは現状を考えた上での群れのゆっくりたちの総意と言ってもよかったし、
ゆっくりたちは、目前に迫っている越冬に対してとりあえずの安心が欲しかったのだ。
長の問題は別にその後でもいい。そうだれもが考えていた。
だが…。
「「「「「「どうしてしょくりょうがこれだけしかないのいのおおおおおおおおお」」」」」」
群れのゆっくりたちを待ち受けていたのは、ほぼ空の状態の食料庫であった。
本来なら、ここには大量の食料が積まれていたはずである。
だがいまはほんの僅か、せいぜい数匹のゆっくりが越冬できる程度の量しか残されていない。
こんなもの、群れの全員で分け合ったところで、何の足しにもならないだろう。
「どういうことなのおおおおおおおおお!」
「おさだ!おさをよんでせつめさせるみょん!」
まったく予想外の事態に、一気に殺気立つ群れのゆっくりたち。
とにかくなにかがどうなっているのか、あの長まりさを呼んで来て説明させなければ!
「ゆぴぃ!」
しばらくすると、ドサッ、と群れのゆっくり立ちの前に乱暴に無能まりさが連れてこれた。
「おさ!あれだけたくさんあったはずの、しょくりょうこのしょくりょうが、もうあとちょっとしかないよ!
これはいったいどうゆうことなの!」
長まりさを問い詰める群れのゆっくりたち。
「どうもうこうもないよ!みんなおちびちゃんてあてでつかっちゃたんだよ!
だからしかたがないでしょおおおおおおおおおおおおおお!」
「そんなんじゃことしのえっとうはどうするのおおおおおおおおおおおおおおお!
もりには、いつもより、ぜっんぜっんしょくりょうがすくないんだよおおおおおおおおお!
なんでおちびちゃんてあてなんて、ばかなおきてをつくったのおおおおおおおおおお!」
「だってことしのもりのしょくりょうがすくなくなるなんてまりさにわかるわけないでしょおおおおお!
そんなのまりさのせいじゃないよ!まりさはわるくないよ!これはしかたないことなんだよ!
こんなことさえおきなければぜんぶうまくいっていたんだよおおおおおおおおお!」
泣きながら叫ぶ無能まりさ。
だがこのセリフに無能まりさの長としての資質の無さが集約されているといってよかった。
なるほど、確かに今年の森でも収穫量が少ないことは、まりさの所為ではない。
また、そのことを完璧に予想できなかったこともまた罪はないだろう。
だが長である以上わかりませんでした、ではすまないのだ。
目に見えている危機に対処することは以外と誰にでもできるものなのだ。
真のリーダーは、たとえムダになるかもしれないとわかっていても、それ相応の対策をしておくことが求められるのだ。
だからこそ先代のぱちゅりーは、ゆっくりが暴走してから手を打つのではなく、
なるべく暴走しないような掟をあらかじめ作り、またもしもに備えて食料を備蓄しておいたのだ。
その点、目先のゆっくりばかりに気をとられ、いつか未来に来るかも知れない危機の対策を怠った無能まりさは、
長失格といわざるを得ない。
この無能まりさが行ったことといえば、前長が蓄えていた安定と、食料の貯蓄をいたずらに切り崩して、
つかの間のゆっくりを味わっただけのことである。
誰だって、破産することが前提ならば、少しの間豪遊することぐらいはできる。それと同じことだ。
もし今年異常気象が襲っていなかったとしても、どの道この群れは崩壊していただろうと断言できる。
それも、取るに足らないような些細な原因でだ。
実力は全く無いのに声だけはやたらでかく、何の根拠も無いのに自分は特別で、何でも出来ると思っている。
全く努力をしないのに、プライドだけは一人前。自分に同調する劣化コピーをぞろぞろと引きつれ、正しい判断をする者の邪魔をする。
これが無能まりさの本質だ。
うん。ゴミクズだね。
まあ、こんな説明をいちいちしなくても、きっとみな感覚的にわかってることだろう。
このまりさが無能だということを。
「ふざけないでね!」
ドン!
「ゆがはっ!」
話を聞いていた一匹のゆっくりが長まりさに体当たりをぶちかます。
「わからなかったですむとおもってるの!
こんなことになったせきにんをさっさととってね!」
「ゆうううううう!そんなのむりだよ!だいたいおまえらがわるいんだよおおおおおお!
だって、だってええええええ……」
「だまってね!」
ドスン!
「ゆげら!」
今度は後ろから、別のゆっくりがのしかかってきた。
「なんでもかんでもれいむたちのせいにしてえええええ!
むれがこんあになったのはおさのせきにんでしょおおおおお!
とっととなんとかしてね!」
「むっ、むりいいいいい!」
れいむにのしかかられながら、必死にしゃべろうとする無能まりさ。
「みょん!こんなむのうゆっくりをしんじたみょんがばかだったみょん!」
「まったくだね!ぱちゅりーだったらきっとこんなことにはならなかったよ!」
「これはあくしつなむのうだね!もうせいさいしたほうがいいんじゃないかな!」
じりじりと無能まりさに向かって距離を詰めていく群れのゆっくりたち。
「ひいいいいい!ちがう!ちがうんだよおおおおおおおおお!
まりさはただみんなをゆっくりさせようとおおおおおおおおおおおおおお!」
必死に弁解しようとする無能まりさ。だが、越冬が近いこの状況で、
食料庫が空に近いという現実を知らされた群れのゆっくりたちは優しくはなかった。
「もうがまんができないよ!みんなでこのむのうをせいっさいするよおおおおお!」
「「「「「「ゆおおおおお!」」」」」」
今までの贔屓はどこへやら、掌を返したように、一斉に無能まりさに襲い掛かるゆっくりたち。
まあしかし、この無能まりさは実際に責任ある立場だったのだ。こうなってしまった以上同情の余地はない。
「おらおら、これでもくらうみょん!」
グサグサと細い木の枝でまりさを突き刺すみょん!
「ひいいいいいいい!やめてえええええええええ!」
体中を貫かれる痛みに悲鳴をあげる無能まりさ。
「わかるよー!あんよをねらってうごけなくするんだねー!」
ガブリと無能まりさのあんよに噛み付いて、そのまま引きちぎるちぇん。
「ゆうがあああああああ!まりさのあんよがああああああああああああああああ!」
あんよに重大なダメージを負った無能まりさは、その場からまったく動く事ができなくなる。これで万に一つの逃亡の可能性もなくなり、絶望が無能まりさを押しつぶす。
「この!この!こんないなかもに、かみなんていらないわね!」
動けなくなったところを、ブチブチと髪を引きちぎるありす。
「やめてやめてやめてええええええええ!まりざのこうっきなかみがああああああああああ!」
自身の体の一部が、抜き取られていく激しい痛みと嫌悪感が無能まりさを襲う。
しかしこれで終わりのはずがない。次は歯だろうか?その次は舌か?目玉はきっと最後だろう。少しでも長くこの地獄を見せるために……。
「ふん!いいきみだよ!むのうなおさは、くるしんでしんでね!」
「あああああああああああああああああ!なんでええええええええええええええええええええ
まりざわ、しんのりーだーなのにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!
いだいいいいいいいいいいいいいい!もうやべでえええええええええええええええええ!」
その後も暴行は止まることなく続き、長まりさは、苦痛と絶望の果てに永遠にゆっくりした。
残念な事に長まりさは、ついに最後まで自分の過ちに気づくことはなかった。
だってこのまりさ、無能なんだもん。仕方ないね。
「はあっ…はあっ…」
食料庫の洞窟の前にて、原型をとどめないほどにグチャグチャになった無能まりさの死体が転がっている。
無能な長は死に、悪は去った。
みな、もうその場にとどまる必要はないはずだ。
だがどういうわけか、誰もその場を立ち去ろうとしない。
それどころか、お互いの姿をちらちらと盗み見ては様子を窺っている。
皆気づいているのだ。長を殺したところで根本的な問題が解決していない事に。
越冬まではあとわずか、だが森には食料が少なく、このまま狩りを続けても充分な食料が集まる算段は少ない。
一方、目の前の食料庫には、少ないとはいえゆっくり一家族分が越冬するには充分な量の食料が残っている。
長まりさが死んだと同時に、この群れの秩序や掟もまた崩壊した。
よって群れのゆっくりたちにこの少量の食料を分け合うという発想は存在しないし、第一こんな少量分けたところでなんの意味がない。
これらの符号が意味する事は………。
じりじりと、互いを牽制するように、一定の距離を置くゆっくりたち。
みな先ほどの制裁の興奮が冷めておらず、互いを疑心に満ちた目で監視し合っている。
まさに一触即発の緊迫した雰囲気、酷く空気が重く、うっかりと気を抜くと餡子をはいてしまいそうになるほどだ。
そんな中、ついにその緊張に耐えられなくなったのか一匹のゆっくりが声を上げる。
「うああああああああああああ!このしょくりょうこにあるしょくりょうは、れいむのものだよ!
だれにもわたさないよおおおおおおおおおおおおおお!みんなさっさとどっかいってねええええええええええ!」
「ふざけるなあああああああああああああ!このしょくりょうはまりささまのものだああああああああああああ!」
「んほおおおおおおおおおおおおおおお!いなかものどもは、このとかいはなありすにしょくりょうをわたしなさいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
「このしょくりょうはちぇんがもらうんだよおおおおおおお!わかれよおおおおおおおおおお!」
「どいつもこいつもわかってないみょん。このしょくりょうは、すべてみょんがいただくみょん!」
無能まりさを全員で制裁したことにより、暴力とルールの枷が外れていた群れのゆっくりたちは、その勢いのま、
家族分の食用を求めての殺し合いがはじまった。
それは文字通り食うか食われるかの争い。敗北は即、死につながる。引き分けや、痛み分けるはない。
何故なら、食料を手にすることができるのは、一家族分のゆっくりのみ。
今、この場で全ての決着がつく。
「はあ、はあ、あっはははははははははははははは!
このしょくりょうは、れいむのものだああああああああああああああああああああ!
まっででねええええええええええ!おちびちゃああああああああああああああん!」
激戦の末、最後の一匹に残ったのは、あるれいむだった。
このれいむについて語ることは特にない。
ただ単に運がよかっただけ。それ以上にこのれいむが生き残った理由はない。
ちなみにつがいであったまりさは、食料庫の前に大量に転がってるゆっくりの死体のどこかに混じっているだろうから、
れいむは、晴れてシングルマザーになったわけだ。別にこれも意味のあることではない。
ただし、週休二日制の廃止やおちびちゃん手当てのおかげで、ほぼでいぶ化しているこのシングルマザーが、
他に誰も寄生するゆっくりがいない場所で生きていけるかはわからないが…
いずれにせよ、長い間先代のぱちゅりーが治めてきた群れは、無能まりさに代替わりしたとたん、ほんの僅かな期間で消滅することとなった。
また月日は流れ…。
「むきゅ!ここに人間さんの言っていた群れのがあったのね。でも、もうとっくに崩壊してしまったようね」
「ああ。やはりこうなっちまったようだな。次の視察までくらなら、あるいは持つこともあるかもしれないと思っていたが…。
やはり異常気象の影響が大きかったのかもわからんね。食料の取り合いでも起こったのかな?」
ここはかつてゆっくりの群れがあった場所。そこに男は再び視察へとやってきていた。
どうでもいいことだが、今回は以前はいなかったぱちゅりーを連れていた。前回視察に来た時から今回までの間にとある群れで出会い、
それからは行動を共にしているようだ。
当然だが、森には群れのゆっくりたちの気配はまったくない。
流石に森全体からゆっくりが全ていなくなったということはないが、その数は以前よりも大きく減少し、
ぽつぽつとまばらに家族単位でのゆっくりたちが住み着いているのみである。
ちなみに男は知る由もないことだが、今現在森に生息しているゆっくりたちの中に、
あの激戦を最後まで生き残ったれいむとその一家の姿はない。今この森に生息している数少ないゆっくりたちは全てよそから流れてきたゆっくりだ。
れいむ一家は結局越冬には失敗したのか、それともその他の理由で永遠にゆっくりしてしまったのか?
それは定かではないが、これで途中群れを脱退したぱちゅりー以外の全ての元群れ所属ゆっくりが死に絶えたことになる。
文字通りの全滅というわけだ。
「むきゅ!人間さん、聞きたいことがあるのだけれど」
唐突にぱちゅりーが男に質問をする。
「ほう、質問ねぇ。ふふ、お前が何を聞きたいのか当ててやろうか?
お前は多分こう考えている。もしオレが以前の視察のときに、まりさを潰すなりなんなりして、もう一方の候補であるぱちゅりーを、
無理やり長にしていれば、この群れはこんなことにならなかったんじゃないのか?とか、そんな感じじゃないかい?」
「………むきゅ!その通りよ」
ぱちゅりーは疑問だった。男の話を聞いた限りでは、長に立候補していたまりさが長としての資質にかけていることはほぼ明らかだ。
なにせ群れを維持していくのに、有用と思われる掟を次々に廃止すると宣言しているのだ。
まず間違いなくそのまりさは、目先のゆっくりしか考えることのできない、勢いと口だけの凡ゆっくりだろう。とうてい長の器ではない。
そして、そんな自分でも見抜けるような簡単なことを、男が見抜けないはずないのだ。
つまり、男は群れが悲惨な未来をたどる可能性が高い事を承知で見逃した事になる。
それがぱちゅりーには解せなかったのであった。
「うーん、それじゃ逆に質問するけどねぱちゅりー。
どうしてオレがゆっくりの群れを助けなきゃならないのかな?
いや、違うな、これじゃ言い方が悪い。つまりオレがゆっくりたちを導いてやらなきゃいけない道理や義理があるのかって話しさ。
オレの仕事はゆっくりの群れを救うことじゃなくて、適切に管理されてるかどうか確認することなんだぜ」
「むきゅ!でも、人間さんはよく視察に行った時に困ってるゆっくりたちを助けてるじゃない」
「それは、向こうから困ってるから助けてくださいってお願いしてるからだよ。それならまあ助けるのもやぶさかじゃないさ、
まあなんでもかんでも助けるとは限らないけどね、状況次第かな」
男は方をすくめながら言う。
「今回の場合はそれとは全然状況が違う。こっちはこっちで勝手にやるから、手出しするなって言ってきたのは向こうの方。
まっ、その理屈は極めて正しいよ。基本的にお互い不干渉が協定のルールだからね。いつもはオレのほうが干渉しすぎてるくらいなのさ。
そんなわけで、勝手に間違えた統治をして、勝手に滅亡してたところで、正直知ったこっちゃない。そこまでは面倒見切れんよ。
わかった風なことをいうようだけど、これが自然の摂理というやつさ」
何でもないことかのように男は言う。
実際、以前視察に行った群れが、次の視察の時には滅亡していたなんてことは、非常によくある話だった。
日常茶飯事と言ってもいいかもしれない。
それぐらいちょっとしたことで、ゆっくりの群れは滅びるのだ。
「むきゅ!それじゃあこの群れは滅びる他に道はなかったのかしら?」
「いやぁ、そんなことはないんじゃない。滅びる確率は高かったけどさ、途中であのまりさが自分の過ちに気づいてもいいし、
他のゆっくりたちが気づいて、まりさを長の座から引きずり下ろしてもいい。
あるいは、もし仮に今日まで何とか生き残ってて、助けてくれって言うならまあ、アドバイスぐらいはしてやったかもね」
男はカリカリと頭を掻きながら言う。
「でもま、全部仮の話だけどね。現実は変わらない。だからいつまでもここにいても仕方ない。
そんなわけでさっさと山を降りて飯でも食いに行こうぜ」
「むきゅ!わかったわ!」
男の提案にうなずくぱちゅりー。彼の言うとおりだ。今ここで自分たちができることは何もない。
ゆっくりの群れが滅びるなんてよくある事なのだ。
そう、今この瞬間にもどこかでゆっくりの群れが崩壊しているかもしれないし、また逆に誕生しているかもしれない。
わかった風なことをいうよだけど、きっとそれが自然というものなのだ。
ぱちゅりーはそんなことを思っていた。
おしまい
*重要
この物語はフィクションであり、実在の人物、団体、法案とは一切関係ありません。
以下全然読む必要のない後書き。
こんな拙い文章を最後までよんでくださってありがとうございました。
いつもは最終的に群れが助かる展開が多いので、今回は自滅系のお話しです。
特にこの物語の主人公とも言える無能まりさは、いつも出てくるようなドゲスではないんだけど、
狭量で浅はかなムカツク奴ってのを意識して出しました。
しかし、なかなかそれが難しくて上手く表現できているかどうか…、いやぁ自分の技量不足が悔やまれますな。
でも案外下手なゲスよりは、こういう奴こそがゆっくりとして相応しいのかもしれませんね。
と、まあそんなわけで、また次の機会があったときはよろしくお願いします。
ナナシ。
過去作品
anko1502 平等なルールの群れ
anko1617 でいぶの子育て
anko1705 北のドスさま 前編その1
anko1706 北のドスさま 前編その2
anko1765 北のドスさま 後編その1
anko1766 北のドスさま 後編その2
anko1845 お飾り殺ゆ事件 前編 事件編
anko1846 お飾り殺ゆ事件 後編 解決編
anko1919 とってもゆっくりできるはずの群れ
anko2135 ぱちゅりー銀行 前編
anko2134 ぱちゅりー銀行 後編
制裁 自業自得 仲違い 同族殺し 群れ 自然界 ヒマなときにでもどうぞ
おちびちゃん手当てが成立してからいくらばかりか月日は流れ……。
「さっさとしょくりょうをもってきてね!でいぶにはおちびちゃんが、たっくさんいるんだよ!
だからしょくりょもたっくさんひつようなんなだよ!りかいできる?」
「このむれのそとに、まりささまのようしえんぐみのおちびちゃんが50ぴきいるんだぜえ!
ひんぱんにあいにいってるからいっしょにくらしてるもどうぜんなんだぜえ!
だからさっさと50ぴきぶんのしょくりょをよこすんだぜえ!」
「んほおおおおおおお!とかいには、ようしにしたおちびちゃんが554ひきいるのおおおおおお!
はなれていても、こころはいつもありすといっしょよおおおおおおおおお!
だからさっさと554ひきぶんのしょくりょをよこしなさいいいいいい!」
ここはおちびちゃん手当ての支給場である洞窟。
今この場所は、おちびちゃん手当てを受給しようとする大量のゆっくりたちによりごったがえしていた。
さて、上のセリフからもわかるとおり、今この群れでは実際には存在しない赤ゆを、存在すると偽って、
おちびちゃん手当てを貰おうとするゆっくりによる問題が深刻化していた。
さすがに50匹だの554匹だのの養子縁組の受給は拒否されたが、おちびちゃんがいるという詐称は当然のこと、
もうとっくに成体ゆっくりになったゆっくりを赤ゆっくりだと言い張ったり、中には明らかにただの泥団子を、
自分のおちびちゃんであると主張して、おちびちゃん手当てをもらおうとする者まで出る始末だった。
それでなくても、最近は週休二日制が廃止され、怠け者ゆっくりが増えてきているのだ。
何とかしてタダ飯にありつこうと、連日あの手この手で手当てを貰おうと、ゆっくりたちが受給場所に押し寄せてきているのだ。
そして悪い事に、大半の事例はろくに調べもせずに、受給の許可が下りてしまうのだ。
手当ての審査などをしているのは、まりさが長になったと同時に、幹部になった取り巻きの若いゆっくりたちなのだが、
これがまた無能極まりなかった所為だ。
やってきたゆっくりの言われるままに、ろくすっぽに調べもせず、よほど極端な例でもないかぎり、
ほいほいと食料を渡してしまうのだ。
それがまた、事態の悪化に拍車をかけることにつながっていった。
「ゆ、ゆぐぐぐぐ……」
一匹、自分のおうちで悩んでいる長まりさ。
また以前のように、新しい法案でも考えているのであろうか?
だがその様子は気のせいか、前回とくらべて若干余裕が無いように見える。
「うーむ…このままじゃまずいよ……」
自分の作った掟であるおちびちゃん手当てが、思っていた以上に群れの財政を圧迫している。
具体的には、先代の長ぱちゅりーの代からこつこつためていた食料の貯金が、物凄い勢いで切り崩されているのだ。
もちろんみなから徴収している税など集めた先から消えていってしまう。
これほどの勢いで食料が減るとは長まりさは完全に予想外だった。
仮に、食料をただで貰おうと暴走するゆっくりたちのことを考慮にいれてなかったとしても、
はっきりいって見通しが甘かったことは認めざるを得ない。
唯一の救いは、群れのゆっくりの規定数がもう限界のため、おちびちゃん手当て目当てに、
やたらめったら大量に赤ゆを産むつがいがいないことであった。
もしその縛りがなかったとしたら、そりゃあもう想像するだけでも悲惨な事態に陥っていた事であろう。
人間の考えた掟をあれだけゆっくりできないと罵っていた長まりさが、唯一守っている規定数制限のおかげで、
何とか群れがもっている状態というのも皮肉な話だ。
「ゆうう、こうなったら、おちびちゃんてあては、はいあんにして…」
潔く失敗を認め、おちびちゃん手当てを廃止すべきであろうか?
もちろんそれがいいに決まってる。今現在の問題がおちびちゃん手当てなのだからその原因を取り除くのは至極全うな手段だ。
だが、そう考えた矢先、まりさの脳裏に以前の男の言葉や先日のぱちゅりーとの一件の記憶がよみがえる。
『前長の掟を廃止するような主張ばかりだな……』
『せんだいのおさや、あのとききにんげんさんのいっていたことばのいみがまりさにはわからないの!』
「ゆがああああああああああああ!ちがう!ちがうよおおおおおおおおおおおおおおおお!
まりさは!まりさはあたらしいむれを!あたらしいおきてでゆっくりさせるんだああああああああ!
あんなにっんげんさんや、グズのぱちゅりーには、まねできないようなみんながゆっくりできるむれをつくるんだあああああああああ!
みるな、みるな、みるな、みるなあああああああああああ!そんなめでまりさをみるんじゃないいいいいいいいいいいいい!」
ジタバタとおうちで転がり回る長まりさ。
長まりさ自身の大きすぎるプライドは、またも本来は存在しないはずの、架空の敵を作り出していたのだ。
自分が考えた掟を撤回すれば、ほれ見たことかと、その敵にあざ笑われる。
その敵の起源は、みなに認められていた前長へのコンプレックスや、人間に対する無意味な対抗心からきていると分析できるかもしれない。
だが長まりさは当然そんなこと意識していなし、できない。
全ては無意識下で行われていることだ。
おちびちゃん手当てを撤回するわけにはいかない。
それは勝ち負けで言うところの、負けにあたる行為だ。
そんなのはまりさのプライドが許さない。いや許されないのだ。
おちびちゃん手当ては撤回しない!その上で、何とかして現状を打破する策を考えなければ。
「ゆうううううう!」
頭を悩ませるまりさ。
だが、いくら考えてもついに名案は浮かぶ事はなかった。
「ゆう、なんだかさいきんもりにおちているしょくりょうがすくないよ……」
「そうだね、かりにいっても、ぜんぜんしょくりょうがとれないよ」
「こんなんじゃふゆさんがきたときに、えっとうのじゅんびがまにあわないかもしれないね…」
群れの近くの森で狩りをするかたわら、口々に近況を話し合うゆっくりたち。
どのゆっくりも口にすることは同じだ。最近森で取れる食料の量が減ってきた、そんな話題ばかりである。
みんながみんな同じことを口にするのだから、それは多分その通りなのだろう。
事実森全体の資源は確実に例年よりも減っていた。
何故こんななっているのか?
一気に規定数ギリギリまで群れのゆん口が増えたため、森の資源が枯渇してしまったのだろうか?
無論それも影響はしている。が、それが直接の原因ではない。
そもそもそうならないように、事前に人間が森の大きさに応じて規定数を決めているのだ。
基本的に、ゆっくりの数が人間が決めた規定数以内ならば、ゆっくりが食料不足になることはない。
それでは何が原因なのか?
まあもったいぶっといて何だが、別に深い訳があるということではない。
今年は近年稀に見る異常気象で、森の資源の育ちが悪く、例年に比べて明らかに収穫できる食料の量が少なくなってしまったというだけのことだ。
長いスパンで見れば、時々こういうこともあるだろう。それはそれで自然な話だ。
この異常気象によって起こる食料不足は完全に偶然の産物であり、ゆっくりはおろか人間でさえ予想できうるものではない。
だからこれは誰のせいでもない自然災害のようなものである。
しかしだからといって現に森にすんでいるゆっくりたちは、災害じゃしょうがないね、で済ますわけにはいかない。
このまま食料の採取量が少ない状態で冬に突入すればどうなるか、ちょっと想像をたくましくすればわかりそうなものである。
だがしかし………。
「ゆゆ!だいじょうぶだよ!こんなときのために、れいむたちは、むれにぜいをはらってるんだよ!
それにこまったことになってもきっと、あのゆっくりできるおさまりさがなんとかしてくれるよ!」
「そうだね!おさにまかせておけば、あんっしんだね!」
群れのゆっくりたちは、迫りくる崩壊の気配に対して、呆れるほど無頓着であった。
そう!何故なら自分たちにはスーパーリーダーであるまりさがいるのだから!
今年の越冬もきっとゆっくりと上手くいくに違いない。そうみな信じて疑っていなかった。
「はあっ、はあっ、まずいいいいいいいいいいい!ごれはまずいよおおおおおおおおおおおおお!」
一匹、自分のおうちで悩んでいる長まりさ。
その様子はもはや以前のように新しく何かをやってやろうとかそういう気概に溢れたものではなく、
明らかに今ある問題を何とかしなければという保守的で切羽詰まったものである。
その息は荒く、何日もろくに寝ていないために目が血走ってる。
また、見えない何らかの恐怖におびえるかのように時折、ビクリと痙攣したように震えだしたりして、挙動も明らかにおかしかった。
「ゆがががが、どうずればあああああ………」
長まりさもまた気づいていたのだ。どういうわけかまったくわからないが、
明らかに以前と比べて森で取れる食料が少なくなってきていることに。
ただでさえ群れのゆん口はこの短期間で一気に増えている。
しかも増えた分はそっくりそのまま、狩りなどが出来ない上に、ムダに大飯ぐらいの赤ゆなのだ。
このまま行けば、越冬の際に群れ全体が食糧不足になるのは明らかだ。
だが、こんなときにのためにと、先代から貯蓄してある食料庫は今や……。
「ゆがあああああああ!どうしじでごんなごとにいいいいいいい!
まりざなにもわるいごとしてないいいいいいいいいいい!」
己の不運を嘆く長まりさ。
まあ、確かに異常気象については同情の余地はある。
だが、こんな現状になっているそれ以外の原因が実は自分の所為であるということを長まりさは考えない。いや考えられない。
何故ならまりさは無能だから。
さて、群れの多くのゆっくりは気づいていないが、目前に迫る越冬に対して今この群れの置かれている状況は最悪の一言であった。
まずこの群れのゆっくりのゆん口が多いこと。これはすぐ上で述べたとおりだ。
原因は言うまでもなく無能まりさがスッキリ制限を解除したためである。
先代の長ぱちゅりーが、規定数に充分余裕があるのにもかかわらず、スッキリ制限をしていのは、
群れのゆっくりたちの年齢バランスを考えていたからだ。
今現在この群れが置かれている状況のように、赤ゆばっかり大量に増えてしまっては、群れの衰退に繋がるということをよく理解していたのだ。
無論、無能まりさにそんな高度なことが理解できるはずもない。
次に、週休二日制が廃止されたために、群れ全体でゲスゆや怠け者ゆっくり率がはね上がってしまったことだ。
例えばの話、銀バッチ程度の飼いゆなら、しつけをせずにずっと甘やかしているとゲス化してしまうことが多いのは良く知られたことだろう。
要はそれと同じことだ。甘やかしたり、ゆっくりした環境に長くいると、そこに胡坐をかくことになる。
今や、群れのゲスゆ率は、先代のときとは比べ物にならないほど上昇していた。
そして、狩りに行かないゆっくりが増えれば、当然それに連動して、税として取れる食料の量も減ってくるだろう。
さらには無能まりさによって税率はかなり低く抑えられている。
いまやこの群れの税収は雀の涙程度であった。
そしてとどめがおちびちゃん手当だ。
このムチャな掟によって今や、長い時をかけて、コツコツと溜めて来た食料ほぼ枯渇しており、
越冬の緊急資源としてはまったく当てにできない状況だ。
そのことを今知っているのは無能まりさだけだからいいものを、それが群れのゆっくりにばれれば即暴動ものだろう。
もしもの時のためにと、用意しておいた貯蓄が、いざそのときになって使おうとしたらなくなっていたのだらから。
そんなわけで今、誰も気づいていないが、今群れは大ピンチであった。
よくもまあこれだけの悪条件が揃いも揃ったもんである。
こうなってしまった以上群れを存続させるために取り得る手段はそう多はないだろう。
正直に今の群れの食料状況を皆に打ち明け、越冬に向けて、全員一丸となって食料集めにいそしむのだ。
無論おちびちゃん手当てなんて馬鹿げた掟は廃止するしかない。
あるいは群れ全体を生き残らすために、赤ゆたちを間引く必要すらあるかもしれない。
とはいえ、非常に苦しい状況だが、まだ今なら全滅しない可能性も充分ありえるのだ。
だが、そんな状況で無能まりさは、
「ゆがあああああああ!こんな!こんなところで、おちびちゃんてあてはおわらせないよおおおおおおおおおお!
これはまりさがかんがえた、とってもゆっくりできるおきてなんだあああああああああああああ!
それを、それを、はいあんになんてさせるかあああああああああああああ!」
無能まりさは、群れの存続よりも、あくまで自身の掟を死守することを選んだ。
何故ならこれを撤回してしまったら、自身の負けを認めることになってしまうからだ。
そんなこと無能まりさには耐えられない。
今この無能まりさにとって重要なことは、群れの運営ではなく、いかに自身のプライドを守るかということだ。
それが群れのみなのゆっくりに繋がると信じているのだ。
「まもるよおおおおおおおおおお!このおきてだけはどんなことになってもぜったいにまもるよおおおおおおおお!
なぜならこれはみながゆっくりすためにひつようなことなんだからねええええええええええええええ!
ゆはっ!ゆはははははは!そうだよ!こんなすばらしいおきてをまもるためなら、みんなちょっとくらいゆっくりできなくなっても、
しかたないねええええええええええ!」
無能まりさの顔が邪悪に歪む。
「ゆがああああああ!くそにんげんんんんんん!ばじゅりいいいいいいいい!みてろよおおおおおおおおおおおおおお!
までぃざわあああああああああ!までさはおまえらなんかに、まけないよおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
無能まりさは吼える。実際は存在し得ない心の敵に向かって。
コイツはいったい誰と戦っているのだろうか?
「みんな!またおさがゆっくりできるおきてをつくるみたいよ!」
「こんどはいったいどんなとかいはなおきてをができるのかしら?」
「わかるよー!きっとえっとうにむけて、みんなにしょくりょうをはいきゅうするってほうあんにちがいないんだねー!」
いつもの広場で、噂話をするゆっくりたち。
いかに鈍感なゆっくりたちとはいえ、今現在の食料不足についてはいろいろと思うところはあった。
なので最近群れでは、長まりさが越冬にむけて、全てのゆっくりに食料を配給してくれる掟を作ってくれるのではないかと、噂になっていたのだ。
今日の発表もきっとそのことについてに違いない。みなそう思っていた。
と、そこへ、長まりさが広場の中央に現れる。
その様子は目の焦点が定まらず、どことなく狂気をはらんでいたのだが、浮かれているゆっくりたちはそのことを気づくものはいなかった。
「ゆっへへへ、みんなきいてね……」
長まりさが話はじめる。
いよいよ群れのみなに食料を援助する掟が発表させるのかと、期待に満ちた視線を送るゆっくりたち。
だが長まりさの口から発せられた内容は、にわかには信じがたいものであった。
「ゆふふふ、こんどからはぜいりつを、ひきあげることにきめたよ!
ゆふ!べつにたいしたりょうじゃないよ!とってきたしょくりょうの9わりでいいよ!りょうっしんてきだね!
あとそれから、これはらは、しゅうきゅうぜろにちせいにするよ!ゆっくりしないで、まいにちはたらいて、ぜいをたっくさんおさめてね!
あ、それからこんどからひとりっこせいさくをどうにゅうするよ!
おちびちゃんはいっかにいっぴきまでだよ!いっぴきいじょういるおうちはほかのおちびちゃんをつぶしてね!」
「「「「……………は?」」」」
ぽかんと口を開けたアホずらで呆然とする群れのゆっくりたち。誰一人として長まりさの言葉の意味を理解できない。
「ゆゆ!みんながいいたいことはわかってるよ!おちびちゃんてあてのことでしょう?
だいじょうぶ!これはいままでどおりつづけていくよ!なんったってこれはまりさがかんがえた、とってもゆっくりできるおきてだからね!
みんなうれしいでしょ!ゆふふふうれしいにきまってるよね!まりさにまかせておけばあっしんだね!」
「「「「……………」」」」
沈黙。
だが次の瞬間
「はあああああああああああああああああ!なにいってるのおおおおおおおおおおおおお!」
「なんなのおおおおおおおおおおおおおお!あの、いなかものわあああああああああああ!」
「わからないよおおおおおお!ほんとになにいってるのかわからないよおおおおおおおおお!」
一斉に怒号を上げる群れのゆっくりたち。
そりゃ当然だ。いちいち理由を説明するまでもない。誰だってこんな無茶苦茶やられれば腹が立つ。
これはつまり、おちびちゃん手当てという一つの掟を生かすために、他の全ての掟を犠牲にした法案なのだ。
だが長まりさは、そんな群れの面々に臆すことなく反論する。
「うるさいよ!これはとってもすばらしい、まりさのおきてを、いじするためにひつようなことなんだよ!
もんくばっかりいってないで、さっさとかりにいってね!おきてで、しゅうきゅうぜろにちせいって、いまきまったんだよ!
だいたいおまえらがとってくるしょくりょうのりょうがすくないからこんなことになったんだよ!
まりさはわるくないんだよ!ぜんぶむれのみんながわるいんだよ!だからぞうぜいもやむなしなんだよ!」
無茶苦茶な理論をまくし立てる長まりさ。
自分の今までの政策の失敗責任を取ることは決してなく、困ったらとにかく国民に痛みを押し付けて増税増税。
まったく国政ってのは楽な仕事だ。
「ふざけないでね!そもそもえっとうのじきがちかいのに、そんなぜいなんてはらえるわけないでしょ!
それにさいきん、もりでとれるしょくりょのりょうがへってきてるんだよ!
おちびちゃんてあてなんてどうでもいいから、むれのちょぞうこにあるしょくりょうをみんなにくばってね!
こんなときのためのちょちくでしょ!」
暴走する長まりさに、至極全うに反論する群れのゆっくりたち。
だがその反論は、今の長まりさに対しては、火に油だった。
「ゆがあああああああああああああ!おまえらまでそんなことおおおおおおおおおおおおお!
さてはおまえらにんげんさんのてさきだなあああああああああああああああああ!
まりさのすばらしいおきてをつぶそうっていったって、そうはいかないよおおおおおおおおお!
せいっさいだよおおおおおお!まりさにさからうものはみんっなせいっさいするよおおおおおおおおおおおおお!」
暴走し、わけのわからないことをまくし立てる長まりさ。
「………こいつ、いったいなにをいっているんだみょん!」
さっきほどからの長まりさの尋常ではない様子に、ようやく群れのゆっくりたちも長まりさがどこかおかしいことに気づきはじめる。
「ねえ、あのおさ、ちょっとやばいんじゃないの?」
「そういえば、なんだかここのところようすがおかしかったような…」
「さいきん、おうちのなかでひとりでぶつぶつと、かべにむかってつぶやいているって、うわさだよ」
「きみがわるいね」
気持悪いものでも見るかのような視線をまりさに向ける群れのゆっくりたち。
その視線を受けてますます混迷を深める長まりさ
「うああああああああああああああああ!みるなみるなみるなみるなああああああああああああああ!
まりさをみくだすななああああああああああああああああ!
まりさはしんのりーだーなんだぞおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
そんなめをするやつはせいっさいだあああああああああああああああああ!」
そう叫びながら、ついに長まりさは、一番近くにいたれいむに飛び掛る。
「ゆひい!」
突然体当たりを仕掛けられ、吹っ飛ばされるれいむ。
「ちょっと、なにするよのこのいなかものが!」
「みょん!おさがらんしんしたみょん!みんなでとりおさえるみょん!」
すぐに止めに入る群れのゆっくりたち。
長の様子がおかしいのは誰の目にも明らかであった。
そして、
「ゆがが、はなぜええええ!おさにごんなごとしていいとおもってるのかあああああ!」
乱闘の末に、両脇をがっちりと取り押さえられている長まりさ。
まだ何かぶつぶつと呟いているが、その口調は弱弱しい。
「とりあえずおちつくまで、どこかにとじこめておくみょん!」
「そうだね!きみがわるよ!」
誰かが発したその提案にみなうなずく。
とりあえず落ちつくまでは誰も長まりさに関わりたくなかったのだ。
それに今はもっと重要なことがある。
「これからどうするの?」
「とりあえず、しょくりょうこにいこうよ!それからしょくりょを、こうへいにみんなでわけあえばいいよ!」
「それがいいみょん!これでとりあえずは、ことしのえっとはあんっしんだみょん」
「あとのことは、はるさんがきてからゆっくりきめればいいよね!」
自然な場の流れから、皆で食料庫の食料を分けようと言う話になった。
これは現状を考えた上での群れのゆっくりたちの総意と言ってもよかったし、
ゆっくりたちは、目前に迫っている越冬に対してとりあえずの安心が欲しかったのだ。
長の問題は別にその後でもいい。そうだれもが考えていた。
だが…。
「「「「「「どうしてしょくりょうがこれだけしかないのいのおおおおおおおおお」」」」」」
群れのゆっくりたちを待ち受けていたのは、ほぼ空の状態の食料庫であった。
本来なら、ここには大量の食料が積まれていたはずである。
だがいまはほんの僅か、せいぜい数匹のゆっくりが越冬できる程度の量しか残されていない。
こんなもの、群れの全員で分け合ったところで、何の足しにもならないだろう。
「どういうことなのおおおおおおおおお!」
「おさだ!おさをよんでせつめさせるみょん!」
まったく予想外の事態に、一気に殺気立つ群れのゆっくりたち。
とにかくなにかがどうなっているのか、あの長まりさを呼んで来て説明させなければ!
「ゆぴぃ!」
しばらくすると、ドサッ、と群れのゆっくり立ちの前に乱暴に無能まりさが連れてこれた。
「おさ!あれだけたくさんあったはずの、しょくりょうこのしょくりょうが、もうあとちょっとしかないよ!
これはいったいどうゆうことなの!」
長まりさを問い詰める群れのゆっくりたち。
「どうもうこうもないよ!みんなおちびちゃんてあてでつかっちゃたんだよ!
だからしかたがないでしょおおおおおおおおおおおおおお!」
「そんなんじゃことしのえっとうはどうするのおおおおおおおおおおおおおおお!
もりには、いつもより、ぜっんぜっんしょくりょうがすくないんだよおおおおおおおおお!
なんでおちびちゃんてあてなんて、ばかなおきてをつくったのおおおおおおおおおお!」
「だってことしのもりのしょくりょうがすくなくなるなんてまりさにわかるわけないでしょおおおおお!
そんなのまりさのせいじゃないよ!まりさはわるくないよ!これはしかたないことなんだよ!
こんなことさえおきなければぜんぶうまくいっていたんだよおおおおおおおおお!」
泣きながら叫ぶ無能まりさ。
だがこのセリフに無能まりさの長としての資質の無さが集約されているといってよかった。
なるほど、確かに今年の森でも収穫量が少ないことは、まりさの所為ではない。
また、そのことを完璧に予想できなかったこともまた罪はないだろう。
だが長である以上わかりませんでした、ではすまないのだ。
目に見えている危機に対処することは以外と誰にでもできるものなのだ。
真のリーダーは、たとえムダになるかもしれないとわかっていても、それ相応の対策をしておくことが求められるのだ。
だからこそ先代のぱちゅりーは、ゆっくりが暴走してから手を打つのではなく、
なるべく暴走しないような掟をあらかじめ作り、またもしもに備えて食料を備蓄しておいたのだ。
その点、目先のゆっくりばかりに気をとられ、いつか未来に来るかも知れない危機の対策を怠った無能まりさは、
長失格といわざるを得ない。
この無能まりさが行ったことといえば、前長が蓄えていた安定と、食料の貯蓄をいたずらに切り崩して、
つかの間のゆっくりを味わっただけのことである。
誰だって、破産することが前提ならば、少しの間豪遊することぐらいはできる。それと同じことだ。
もし今年異常気象が襲っていなかったとしても、どの道この群れは崩壊していただろうと断言できる。
それも、取るに足らないような些細な原因でだ。
実力は全く無いのに声だけはやたらでかく、何の根拠も無いのに自分は特別で、何でも出来ると思っている。
全く努力をしないのに、プライドだけは一人前。自分に同調する劣化コピーをぞろぞろと引きつれ、正しい判断をする者の邪魔をする。
これが無能まりさの本質だ。
うん。ゴミクズだね。
まあ、こんな説明をいちいちしなくても、きっとみな感覚的にわかってることだろう。
このまりさが無能だということを。
「ふざけないでね!」
ドン!
「ゆがはっ!」
話を聞いていた一匹のゆっくりが長まりさに体当たりをぶちかます。
「わからなかったですむとおもってるの!
こんなことになったせきにんをさっさととってね!」
「ゆうううううう!そんなのむりだよ!だいたいおまえらがわるいんだよおおおおおお!
だって、だってええええええ……」
「だまってね!」
ドスン!
「ゆげら!」
今度は後ろから、別のゆっくりがのしかかってきた。
「なんでもかんでもれいむたちのせいにしてえええええ!
むれがこんあになったのはおさのせきにんでしょおおおおお!
とっととなんとかしてね!」
「むっ、むりいいいいい!」
れいむにのしかかられながら、必死にしゃべろうとする無能まりさ。
「みょん!こんなむのうゆっくりをしんじたみょんがばかだったみょん!」
「まったくだね!ぱちゅりーだったらきっとこんなことにはならなかったよ!」
「これはあくしつなむのうだね!もうせいさいしたほうがいいんじゃないかな!」
じりじりと無能まりさに向かって距離を詰めていく群れのゆっくりたち。
「ひいいいいい!ちがう!ちがうんだよおおおおおおおおお!
まりさはただみんなをゆっくりさせようとおおおおおおおおおおおおおお!」
必死に弁解しようとする無能まりさ。だが、越冬が近いこの状況で、
食料庫が空に近いという現実を知らされた群れのゆっくりたちは優しくはなかった。
「もうがまんができないよ!みんなでこのむのうをせいっさいするよおおおおお!」
「「「「「「ゆおおおおお!」」」」」」
今までの贔屓はどこへやら、掌を返したように、一斉に無能まりさに襲い掛かるゆっくりたち。
まあしかし、この無能まりさは実際に責任ある立場だったのだ。こうなってしまった以上同情の余地はない。
「おらおら、これでもくらうみょん!」
グサグサと細い木の枝でまりさを突き刺すみょん!
「ひいいいいいいい!やめてえええええええええ!」
体中を貫かれる痛みに悲鳴をあげる無能まりさ。
「わかるよー!あんよをねらってうごけなくするんだねー!」
ガブリと無能まりさのあんよに噛み付いて、そのまま引きちぎるちぇん。
「ゆうがあああああああ!まりさのあんよがああああああああああああああああ!」
あんよに重大なダメージを負った無能まりさは、その場からまったく動く事ができなくなる。これで万に一つの逃亡の可能性もなくなり、絶望が無能まりさを押しつぶす。
「この!この!こんないなかもに、かみなんていらないわね!」
動けなくなったところを、ブチブチと髪を引きちぎるありす。
「やめてやめてやめてええええええええ!まりざのこうっきなかみがああああああああああ!」
自身の体の一部が、抜き取られていく激しい痛みと嫌悪感が無能まりさを襲う。
しかしこれで終わりのはずがない。次は歯だろうか?その次は舌か?目玉はきっと最後だろう。少しでも長くこの地獄を見せるために……。
「ふん!いいきみだよ!むのうなおさは、くるしんでしんでね!」
「あああああああああああああああああ!なんでええええええええええええええええええええ
まりざわ、しんのりーだーなのにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!
いだいいいいいいいいいいいいいい!もうやべでえええええええええええええええええ!」
その後も暴行は止まることなく続き、長まりさは、苦痛と絶望の果てに永遠にゆっくりした。
残念な事に長まりさは、ついに最後まで自分の過ちに気づくことはなかった。
だってこのまりさ、無能なんだもん。仕方ないね。
「はあっ…はあっ…」
食料庫の洞窟の前にて、原型をとどめないほどにグチャグチャになった無能まりさの死体が転がっている。
無能な長は死に、悪は去った。
みな、もうその場にとどまる必要はないはずだ。
だがどういうわけか、誰もその場を立ち去ろうとしない。
それどころか、お互いの姿をちらちらと盗み見ては様子を窺っている。
皆気づいているのだ。長を殺したところで根本的な問題が解決していない事に。
越冬まではあとわずか、だが森には食料が少なく、このまま狩りを続けても充分な食料が集まる算段は少ない。
一方、目の前の食料庫には、少ないとはいえゆっくり一家族分が越冬するには充分な量の食料が残っている。
長まりさが死んだと同時に、この群れの秩序や掟もまた崩壊した。
よって群れのゆっくりたちにこの少量の食料を分け合うという発想は存在しないし、第一こんな少量分けたところでなんの意味がない。
これらの符号が意味する事は………。
じりじりと、互いを牽制するように、一定の距離を置くゆっくりたち。
みな先ほどの制裁の興奮が冷めておらず、互いを疑心に満ちた目で監視し合っている。
まさに一触即発の緊迫した雰囲気、酷く空気が重く、うっかりと気を抜くと餡子をはいてしまいそうになるほどだ。
そんな中、ついにその緊張に耐えられなくなったのか一匹のゆっくりが声を上げる。
「うああああああああああああ!このしょくりょうこにあるしょくりょうは、れいむのものだよ!
だれにもわたさないよおおおおおおおおおおおおおお!みんなさっさとどっかいってねええええええええええ!」
「ふざけるなあああああああああああああ!このしょくりょうはまりささまのものだああああああああああああ!」
「んほおおおおおおおおおおおおおおお!いなかものどもは、このとかいはなありすにしょくりょうをわたしなさいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
「このしょくりょうはちぇんがもらうんだよおおおおおおお!わかれよおおおおおおおおおお!」
「どいつもこいつもわかってないみょん。このしょくりょうは、すべてみょんがいただくみょん!」
無能まりさを全員で制裁したことにより、暴力とルールの枷が外れていた群れのゆっくりたちは、その勢いのま、
家族分の食用を求めての殺し合いがはじまった。
それは文字通り食うか食われるかの争い。敗北は即、死につながる。引き分けや、痛み分けるはない。
何故なら、食料を手にすることができるのは、一家族分のゆっくりのみ。
今、この場で全ての決着がつく。
「はあ、はあ、あっはははははははははははははは!
このしょくりょうは、れいむのものだああああああああああああああああああああ!
まっででねええええええええええ!おちびちゃああああああああああああああん!」
激戦の末、最後の一匹に残ったのは、あるれいむだった。
このれいむについて語ることは特にない。
ただ単に運がよかっただけ。それ以上にこのれいむが生き残った理由はない。
ちなみにつがいであったまりさは、食料庫の前に大量に転がってるゆっくりの死体のどこかに混じっているだろうから、
れいむは、晴れてシングルマザーになったわけだ。別にこれも意味のあることではない。
ただし、週休二日制の廃止やおちびちゃん手当てのおかげで、ほぼでいぶ化しているこのシングルマザーが、
他に誰も寄生するゆっくりがいない場所で生きていけるかはわからないが…
いずれにせよ、長い間先代のぱちゅりーが治めてきた群れは、無能まりさに代替わりしたとたん、ほんの僅かな期間で消滅することとなった。
また月日は流れ…。
「むきゅ!ここに人間さんの言っていた群れのがあったのね。でも、もうとっくに崩壊してしまったようね」
「ああ。やはりこうなっちまったようだな。次の視察までくらなら、あるいは持つこともあるかもしれないと思っていたが…。
やはり異常気象の影響が大きかったのかもわからんね。食料の取り合いでも起こったのかな?」
ここはかつてゆっくりの群れがあった場所。そこに男は再び視察へとやってきていた。
どうでもいいことだが、今回は以前はいなかったぱちゅりーを連れていた。前回視察に来た時から今回までの間にとある群れで出会い、
それからは行動を共にしているようだ。
当然だが、森には群れのゆっくりたちの気配はまったくない。
流石に森全体からゆっくりが全ていなくなったということはないが、その数は以前よりも大きく減少し、
ぽつぽつとまばらに家族単位でのゆっくりたちが住み着いているのみである。
ちなみに男は知る由もないことだが、今現在森に生息しているゆっくりたちの中に、
あの激戦を最後まで生き残ったれいむとその一家の姿はない。今この森に生息している数少ないゆっくりたちは全てよそから流れてきたゆっくりだ。
れいむ一家は結局越冬には失敗したのか、それともその他の理由で永遠にゆっくりしてしまったのか?
それは定かではないが、これで途中群れを脱退したぱちゅりー以外の全ての元群れ所属ゆっくりが死に絶えたことになる。
文字通りの全滅というわけだ。
「むきゅ!人間さん、聞きたいことがあるのだけれど」
唐突にぱちゅりーが男に質問をする。
「ほう、質問ねぇ。ふふ、お前が何を聞きたいのか当ててやろうか?
お前は多分こう考えている。もしオレが以前の視察のときに、まりさを潰すなりなんなりして、もう一方の候補であるぱちゅりーを、
無理やり長にしていれば、この群れはこんなことにならなかったんじゃないのか?とか、そんな感じじゃないかい?」
「………むきゅ!その通りよ」
ぱちゅりーは疑問だった。男の話を聞いた限りでは、長に立候補していたまりさが長としての資質にかけていることはほぼ明らかだ。
なにせ群れを維持していくのに、有用と思われる掟を次々に廃止すると宣言しているのだ。
まず間違いなくそのまりさは、目先のゆっくりしか考えることのできない、勢いと口だけの凡ゆっくりだろう。とうてい長の器ではない。
そして、そんな自分でも見抜けるような簡単なことを、男が見抜けないはずないのだ。
つまり、男は群れが悲惨な未来をたどる可能性が高い事を承知で見逃した事になる。
それがぱちゅりーには解せなかったのであった。
「うーん、それじゃ逆に質問するけどねぱちゅりー。
どうしてオレがゆっくりの群れを助けなきゃならないのかな?
いや、違うな、これじゃ言い方が悪い。つまりオレがゆっくりたちを導いてやらなきゃいけない道理や義理があるのかって話しさ。
オレの仕事はゆっくりの群れを救うことじゃなくて、適切に管理されてるかどうか確認することなんだぜ」
「むきゅ!でも、人間さんはよく視察に行った時に困ってるゆっくりたちを助けてるじゃない」
「それは、向こうから困ってるから助けてくださいってお願いしてるからだよ。それならまあ助けるのもやぶさかじゃないさ、
まあなんでもかんでも助けるとは限らないけどね、状況次第かな」
男は方をすくめながら言う。
「今回の場合はそれとは全然状況が違う。こっちはこっちで勝手にやるから、手出しするなって言ってきたのは向こうの方。
まっ、その理屈は極めて正しいよ。基本的にお互い不干渉が協定のルールだからね。いつもはオレのほうが干渉しすぎてるくらいなのさ。
そんなわけで、勝手に間違えた統治をして、勝手に滅亡してたところで、正直知ったこっちゃない。そこまでは面倒見切れんよ。
わかった風なことをいうようだけど、これが自然の摂理というやつさ」
何でもないことかのように男は言う。
実際、以前視察に行った群れが、次の視察の時には滅亡していたなんてことは、非常によくある話だった。
日常茶飯事と言ってもいいかもしれない。
それぐらいちょっとしたことで、ゆっくりの群れは滅びるのだ。
「むきゅ!それじゃあこの群れは滅びる他に道はなかったのかしら?」
「いやぁ、そんなことはないんじゃない。滅びる確率は高かったけどさ、途中であのまりさが自分の過ちに気づいてもいいし、
他のゆっくりたちが気づいて、まりさを長の座から引きずり下ろしてもいい。
あるいは、もし仮に今日まで何とか生き残ってて、助けてくれって言うならまあ、アドバイスぐらいはしてやったかもね」
男はカリカリと頭を掻きながら言う。
「でもま、全部仮の話だけどね。現実は変わらない。だからいつまでもここにいても仕方ない。
そんなわけでさっさと山を降りて飯でも食いに行こうぜ」
「むきゅ!わかったわ!」
男の提案にうなずくぱちゅりー。彼の言うとおりだ。今ここで自分たちができることは何もない。
ゆっくりの群れが滅びるなんてよくある事なのだ。
そう、今この瞬間にもどこかでゆっくりの群れが崩壊しているかもしれないし、また逆に誕生しているかもしれない。
わかった風なことをいうよだけど、きっとそれが自然というものなのだ。
ぱちゅりーはそんなことを思っていた。
おしまい
*重要
この物語はフィクションであり、実在の人物、団体、法案とは一切関係ありません。
以下全然読む必要のない後書き。
こんな拙い文章を最後までよんでくださってありがとうございました。
いつもは最終的に群れが助かる展開が多いので、今回は自滅系のお話しです。
特にこの物語の主人公とも言える無能まりさは、いつも出てくるようなドゲスではないんだけど、
狭量で浅はかなムカツク奴ってのを意識して出しました。
しかし、なかなかそれが難しくて上手く表現できているかどうか…、いやぁ自分の技量不足が悔やまれますな。
でも案外下手なゲスよりは、こういう奴こそがゆっくりとして相応しいのかもしれませんね。
と、まあそんなわけで、また次の機会があったときはよろしくお願いします。
ナナシ。
過去作品
anko1502 平等なルールの群れ
anko1617 でいぶの子育て
anko1705 北のドスさま 前編その1
anko1706 北のドスさま 前編その2
anko1765 北のドスさま 後編その1
anko1766 北のドスさま 後編その2
anko1845 お飾り殺ゆ事件 前編 事件編
anko1846 お飾り殺ゆ事件 後編 解決編
anko1919 とってもゆっくりできるはずの群れ
anko2135 ぱちゅりー銀行 前編
anko2134 ぱちゅりー銀行 後編