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anko2442 べリアル・サイス:中編
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『べリアル・サイス:中編』 15KB
制裁 パロディ 不運 自業自得 二次創作 駆除 群れ ゲス 捕食種 ドスまりさ 希少種 現代 虐待人間 創作亜種 独自設定 クレイモア・ユンシリーズです。人間がかなり外道なので注意
注意
1.クレイモア・ゆんシリーズです
2.でも、大尉や中尉の出番なしです
3.虐待描写薄めの駆除モノです
4.人間チート&外道な描写有ります
5.パロディ有り
以上の事を踏まえて、ゆっくりしていってね!!
数日後、希望と期待に胸を膨らませて、辿り着いたはずの新天地にて、ドスまりさ率いる群れの一団は、予想だにしなかった外敵の襲来に苦しめられていた。
「れいみゅ…おなかちゅいちゃよ…おがあざん…」
「ゆうう…ごべんねぇ…おぢびぢゃん…」
「どぼぢで、ごはんざんがないのおおおおおお!!」
「も、っちょ、ゆ…エレエレ…」
「おぢびぢゃん、あんこさんはいじゃだめええええええええ!!」
洞窟の内部では、餌が取れずに、飢えに苦しむれいむや、ありす、ぱちゅりーのような成体ゆっくりや、赤ゆっくり、子ゆっくりなどが声を上げてひしめき合っていた。
そのあまりにもゆっくりしていない光景に、群れのリーダーであるドスまりさと副リーダーのぱちゅりーは、ただ、この惨状を嘆くしかなかった。
「むきゅううううう…だめよ、ドス。もう、ためてあるごはんさんもそろそろなくなっちゃうわ」
「ゆううう…せめて、もっと、まりさやみょん、ちぇんがいてくれたら…」
そう呟いたドスまりさは、再び洞窟の方を見た―――そこには、比較的運動能力の高い普通種―――特に成体サイズのまりさやみょん、ちぇんの姿が、れいむやありす、ぱちゅりーに比べ、極端に少なかった。
理由は、あの3匹の胴付きれみりゃにあった。
この数日の間に、狩りに出かけていたゆっくり達が、あの3匹のれみりゃたちによって、老若問わず、無差別に襲われ、無残に殺されていた。
その為、狩りに適した、運動能力の高いまりさやようむ、ちぇんがもっとも多くの被害受け、山に散っていたゆっくり家族の大部分は、働き手を失い、やむなく、食料を恵んでもらおうと、まだ狩りの出来ない赤ゆっくりや子ゆっくりを連れて、洞窟に戻ってきた。
しかし、戻ってきたゆっくり達が目にしたのは、自分たちと同じように、食料調達の要であるまりさやちぇん、ようむの大半を失い、この山に住み始めた3日間の内に集めた貯蔵用の食料を使い、とても満腹とは程遠い少ない食料で飢えを凌ぐ群れのゆっくり達の姿だった。
そして、山に散っていたゆっくり達が戻ってきた事で、厳しい食糧事情はさらに厳しさを増していった。
「むきゅううう…このままじゃ、みんな、ゆっくりできなくなるわ…ドス、にんげんさんにたすけてもらうことは…」
「無理だよ…あの村長代理の人間さんの様子を見ると、人間さんは助けてくれないよ…」
こうなったら、協定を結んだ村の人間に助けを求めるしかないと提案するぱちゅりーだったが、ドスはその望みは薄いと、少し前に、食料の援助を求めに、ドスだけで、村に助けを求めに行った時の事を思い出し、諦めたかのように無理無理と体を横に振った。
べリアル・サイス:中編
―――3匹のれみりゃ襲撃から5日目
「断る。自分達の無能を棚に上げ、貴様らを、助ける道理など無いわ」
「どぼぢで、ぞんなごどいうのおおおおおおおおお!!」
群れを賄える分の食料が欲しいと助けを求めたドスに対し、村長代理である戦争屋は、いつもと変わらぬ冷たい表情で、バッサリとドスの願いを斬り捨てた。
ゆっくりが困っていたら、人間さんは助けるのが当たり前だと思っていたドスは、戦争屋の無慈悲な言葉に声を上げて、反発した。
しかし、戦争屋は、表情一つ変えることなく、ドスに対し、反論した。
「言った筈だ。協定を取り決めた際に、ゆっくりの問題は、ゆっくり同士で解決し、人間は一切介入しないと」
「ゆぐっ!?で、でも、れみりゃは、ゆっくり出来ないゆっくりだよ!!」
「知った事か。ゆっくり出来なかろうが、ゆっくりは、ゆっくりだ。協定の条件で見るなら、ゆっくりの問題は、ゆっくり同士で解決するのが道理だ。それとも、貴様は、ゆっくり同士の問題さえ解決できない、協定を守れないゆっくりしていない無能なドスか?」
ゆっくりしていない―――その言葉を聞いた瞬間、ドスは苦々しい顔で、戦争屋を睨みつけた。
ゆっくりにとって、ゆっくりとは重要な価値基準であり、ゆっくりしていないと評されることをゆっくりは、何よりも嫌うのだ。
ドスは、ゆっくりの中で一番ゆっくりしたゆっくりという自負を持っていたこのドスにとって、協定を結んだ手前、手は出せないものの、明らかにゆっくりしていない格下の人間に、ゆっくりしていないと言われるのは、まさに屈辱の極みだった。
が、戦争屋は、そんなドスに構うことなく、次に言ってくるであろう言葉を予測し、機先を制し、釘をさす為に話を続けた。
「ああ、それから…山に住むゆっくりを傷つけてはいけないと言うのも協定の項目に含まれていたな」
「ゆぐぅ!?」
「悪いが、人間から協定を破るわけにはいかないのでな。れみりゃの駆除を期待するのは止めておいた方がいいぞ。ま、そんな必要はあるとは思えんのだがな」
そう言い残して、要はすんだと言わんばかりに去っていく戦争屋を、ただ何も言えず、苦々しい表情で睨みつけながら、ドスは引き下がるしかなかった。
山に住むゆっくりを人間が傷つけてはならない―――一見すれば、ゆっくりにとって有利に見える条件かもしれないが、大きな落とし穴があることに、ドスも、ぱちゅりーも気づく事が出来なかった。
山に住むゆっくり…すなわち、捕食種であるれみりゃも、山に住んでいるゆっくりである以上、村の人間が、れみりゃを駆除するどころか、傷つける事さえ出来ないのだ。
ゆっくりできるはずの協定が、逆に自分達をゆっくりできなくさせる事になるとは―――ドスは、どうしてこうなったと落ち込みながら、村から立ち去り、すごすごと洞窟へと戻るしかなかった。
そして、皆にどう説明したらいいものか、迷いながら洞窟へと戻ってきたドスが目にしたのは―――
「ど、どういうごどなのおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!」
「ど、どずううう…だずげでぇえええ…」
「わ、わが…らんじゃ…だず…」
「ぢぢぢぢぢぢぢ…んんんんん…」
「じっがりじでええええええ!!まりざあああああああ!!」
「ありずのぴゃぴゃがああああああああ!!どがいびゃなぴゃぴゃがああああ!!」
「むきゅうううう!!ドス、あのれみりゃたちが!!」
叩き潰され、切り刻まれ、粉砕されつくしたまりさやちぇん、みょんのなれの果てが、洞窟中にまき散らされたかのように広がり、それをただ泣きながら、夫や父のなれの果てにむかって叫び続ける残された家族―――文字通りの惨状が広がっていた。
一体誰がと叫ぶドスの前に、副リーダーのぱちゅりーが、事の真相を告げてくれた。
―――ドスが村の方へ出かけた後、これまで、狩りに出かけていたゆっくりしか襲わなかったはずの、あの3匹のれみりゃが、群れのゆっくりのいる洞窟へ襲撃を仕掛けてきたのだ。
「「「うううー!!」」」
「「「「「「「れ、れみりゃだぁあああああああああああああああああああああ!!」」」」」」
「むきゅ、みんな、おちつくのよ!!おちびちゃんたちやにんっしんしたゆっくり、たたかえないゆっくりは、どうくつのおくへにげるのよ!!まりさや、みょん、ちぇんの皆は、れみりゃをふせいで!!」
「ゆっ、まかせるんだぜ!!みんな、えださんをくちにくわえて、あつまるんだぜ!!」
「わかるよー!!どうくつのおくへはいかさないんだよー!!」
「みょん!!たっくさんのれみりゃがあいてでも、いかさないだみょん!!」
「「「「「「ゆっくりまかせてね!!」」」」」
これまで、狩りに出かけなければ安全だと思っていたゆっくり達にとって、予想外の出来事だったが、副リーダーぱちゅりーの指揮の元、すぐさま、赤ゆっくりや子ゆっくり、にんっしんしたゆっくり、非戦闘ゆっくり達は、洞窟の奥へと避難させ、洞窟内に残っていたまりさやちぇん、ようむ達に、れみりゃの撃退を任せた。
ぱちゅりーの指示を受けて、群れの防衛を担当する幹部まりさは、木の枝を加えると、仲間達と共に洞窟の横幅一杯に密集し、まるで古代ギリシアのファランクスを思わせる、木の枝を突き出し、いかなる敵も通さない壁を作った。
これには、さすがのれみりゃ達も、迂闊には近づく事は出来なかった。
「うーうー…うっうっうー」
「ゆっへん!!ここからはいっぽもいかさないんだぜ!!れみりゃがたくっさんいても、まりさたちがおい―――ヴォっ―――げべぢゅ!?」
「「「わがぁつ!?」」」
「「「みょんっ!?」」」
―――だから、<車椅子に乗った>れみりゃは、容赦なく近づかなくても、攻撃できる方法で攻撃をする事にした。
車椅子のタイヤが仕舞われ、代わりに虫のような四本の足がとび出して、立ちあがり、椅子の背の部分から機械の腕がとび出し、携えたトランクを取り出した。
そして、トランクを開け、そのまま、密集するゆっくり達に向かって突き出した瞬間、炸裂音と共に跳び出した、無数の小さな鉄球がゆっくり達に襲いかかった。
無数の鉄球は、密集していたゆっくり達を、蹂躙し、いとも簡単に吹き飛ばした。
それまで、余裕の表情を浮かべていた幹部まりさも、体中を穴だらけにされ、形をとどめずバラバラに砕け散った。
「うぅうううううううー!!」
「ゆがああああああ!!ぐるなあああああ…あ?どぼじで、まりざのがらだが、ばらばあああああああああああ!!」
「こ、こないでね、ちぇんはにげ、あ、られないぃいぃいいいい!!」
「ここは、みょんにまがぜ、ゆぶぃ!!…ふ、ふみだに、ぢん…」
そして、<車椅子に乗った>れみりゃが崩した陣形の隙を突く形で、<刀を持った>れみりゃが刀を鞘に仕舞ったまま、指揮官を失い混乱するゆっくり達に一気に斬りこんだ。
そこからは、まさに、<刀を持った>れみりゃの独壇場だった。
しゃりん、しゃりん、しゃりん―――柄に手を伸ばした瞬間、聞こえる鍔鳴りの音同時に、次々にゆっくり達の体は、縦に横に斜めに切り刻まれ、何が起こったか分からないまま、一方的に蹂躙され、絶命していった。
「だずげでええええええ!!ばりざ、まだ、じに、じに、じんだああああああ!?」
「わがらないよおおおおお!!なんで、ごんななななななざ、れだ!?」
「みんな、にげちゃだめみょん!!もういちど、じんけいをたてなお、ぜばゆばび!?」
「うっうううううううう!!うっううううう!!」
「うううう…う、うっうっうう」
「う!?うっー…」
やがて、<刀を持った>れみりゃによって、ほぼ全ての防衛に回ったゆっくり達が切り刻まれ、もはや洞窟の奥に踏み込まれるのも時間の問題だった。
しかし、ここで、奇妙な事が起こった。
それまで、洞窟の外にいた3匹目のれみりゃが、<車椅子に乗った>れみりゃに近づいて、何やら慌てて告げると、すぐさま<車椅子に乗った>れみりゃは、<刀を持った>れみりゃに向かって、話しかけた。
<刀を持った>れみりゃが、その声を聞いた瞬間、かなり納得しがたいことだったのか、眉間にしわを寄せ、不満そうな顔をしていたが、やがて、<車椅子に乗った>れみりゃらと一緒に、洞窟から去って行った。
「ゆっ、れみりゃたち、かえっちゃたよ…?」
「ど、どういうことなのかしら?」
「む、むきゅう…わからないわ」
残されたのは、防衛ゆっくりのなれの果てである、大量の餡子とチョコクリーム、うぐいす餡の山と、なぜ、れみりゃが去ったのか、訳が分からず首をかしげる洞窟の奥に逃げ込んだゆっくり達だけだった。
ドスがこの惨状を見る事になるのは、約数分後のことだった。
―――そして、現在
「ドス、もうためてあったごはんさんが、なくなったわ…」
「…」
重々しく告げる副リーダーであるぱちゅりーの言葉に、ドスは何も言えなかった。
もはや狩りができるゆっくりのほぼ全てを失い、洞窟周辺の雑草さえも食い潰し、食料を調達する事さえできず、洞窟内に貯蔵してあった食料―――洞窟を襲撃された際に、殺されたゆっくり達の死骸さえも、底をついていた。
どうして、こんなことに―――ドスは思った。
本当なら、食料が豊富な新天地に辿り着き、群れの皆をゆっくりさせるはずだった。
ところが、実際には、ゆっくりできるどころか、たった3匹のれみりゃ達によって、食料を得る事さえままならず、飢え死にを待つしかない状況にまで追い込まれていた。
「…ちょっと外に出てくるね」
「…むきゅ、なるべくはやくもどってきてね」
ぱちゅりーの声を受け、力なく頷きながら外に出たドスは、洞窟から少し離れた場所で、誰もいない事を確認すると、項垂れ、声を殺して、泣きうめいた。
「どうじで、どぼぢで、ごんなごどにいい…」
本当ならもっとゆっくり出来るはずだった、こんな筈じゃなかったと嘆くドスは、気づく事が出来なかった。
「お前さん…どうかしたのか?」
「ゆっ?人間さん…?」
いつの間にか、ドスの目の前に、山登りの服装をした、頭をそり上げ、無精ひげを生え伸ばした壮年初めの男がいた事に。
「―――というごどなの」
「うーん…そいつは、酷いな。その村長代理とかいう奴、相当な悪党だな」
その後、ドスから事情を聞いた男は、なるほどと納得した顔で呟いた。
男によれば、自分は、ゆっくりんピースと呼ばれる、ゆっくり達の保護活動を行う愛護団体のメンバーで、この山にドスとその群れが住み着いたと聞き、調査の為にやってきたのだと説明した。
その為、もしかしたらと思い、ドスは何とか自分達の現状を伝え、助けてもらおうと、これまでの経緯を、男に説明したのだ。
やがて、男は静かにドスを見据えると、重々しく呟いた。
「お前さん、このままでいいと思うのか?」
「ゆっ?」
「今のままじゃ、助けを求めたところで、また同じことの繰り返しだぞ。助けてもらったところで、自力で餌を得られん以上、その場しのぎにしかならんぞ」
「じゃ、じゃあ、どうすれば…」
助けてもらう事も出来ないと分かり、困惑するドスに、男は、はっきりと、現状を打開するうえで、ゆっくり側にとって最上の手をはっきりと告げた。
「戦うんだ。お前さん達の誠意を踏みにじった、村長代理に、村の連中に!!」
「ゆゆっ!!で、でも、そんなことをしたら、協定を破っちゃうよ!!」
「構う事はない!!そもそも、困ったゆっくりを助けず、見殺しにするような横暴な協定なんぞこっちから無視したらいいんだ!!それとも何か、お前さんはこのままでいいというのか?それで満足なのか?ゆっくりしていない人間にゆっくりしていないゆっくり呼ばわりされ、蔑まれ、恥ずかしくないのか!?飢えで群れの奴ら全員野垂れ死になるのが分かって何もしないでいいのか!?それでいいのか!?」
「い、良い訳ないでしょおおおおお!!ドズは群れの皆をゆっくりされるゆっくりなんだよ!!ゆっくりしてない人間さんなんかよりずっとすごいんだよ、強いんだよ!!」
男の言葉に刺激され、これまで何もできずに落ち込んでいたドスの中でくすぶっていた使命感に火がついた。
そうだとも、何を迷う必要があるんだ!!
元を正せば、ゆっくりしていない人間さんがあんな無茶苦茶な協定の性で、群れの皆は苦しんでいるんだ!!
なら、人間さんよりゆっくりしているはずゆっくりがゆっくりできないで苦しんでいるなんて間違っている―――間違いは、力づくでも、正さなければならない!!
もはや、男の炊きつけた言葉により、3匹のれみりゃが元々の原因である事さえ、忘却の彼方に追いやられ、ドスの餡子脳は、全ての元凶は自分達を助けない人間だと決めつけた。
間違った方向でやる気をだしたドスに、男はうんうんと頷きながら、ドスをさらに炊きつけた。
「よし、そのいきだ!!今こそ、ゆっくり達の無念を、恐ろしさを村の連中に思い知らせてやるんだ!!お前さんのドススパークならどんな相手でも勝てる!!お前さんは、もっともゆっくりした最高のドスなのだからな!!」
「ゆっ、そうだね!!ありがとう、ゆっくりした人間さん!!ドス達は戦うよ!!皆でゆっくりできる理想の群れを作る為に!!」
自分の熱意を取り戻してくれた男に感謝しながら、ドスは、仲間たちと共に、ゆっくりさせてくれなかった村へ報復する為に、群れの仲間がいる洞窟へと戻って行った。
全てはゆっくりの為に―――ドスは暗い笑みを零しながら、洞窟へ戻ると、大声で呼びかけた。
「皆、村に行くよ!!ゆっくりさせてくれなかった人間さんたちにせいっさいするんだよ!!」
―――そして、勇ましく語りかけるドスの言葉に反対するゆっくりは一匹もいなかった。
それほどまでに、群れのゆっくり達は追いつめられていたのだ。
―――まともに考えれば、原因は3匹のれみりゃであり、村を襲うのは逆恨みも甚だしく、そして、人間に勝つことなど不可能だと分かり切った事なのに。
by職あき
洞窟へと戻っていくドスを見送った後、男はやれやれとため息をつきながら、その場を立ち去りながら、懐から無線機を取り出すと、忌々しげに呟いた。
「これで満足か?」
『―――、――――、――――』
「ああ、そうかいそうかい…満足だろうなぁ。何せ、お前さん達は、ゆっくり共を何の躊躇いもなく、駆除できる大義名分を手にいてれたわけなのだからな!!」
『―――、――――――』
「仕方がない?ああ、そうだろうさ。村の連中の渋り具合を見たら、良く分かる。ゆっくり達を駆除するのを躊躇う善良で良い人たちだ。だから、欲しかったんだろ?村の連中が罪悪感を覚えないように、ゆっくりどもを駆除する為の口実がな…まったく、お前さんの悪辣ぶりは変わらんな!!」
『―――――――――、―――』
「ちっ…良く言う。わざわざ、ゆっくり達から協定を破る様に唆すよう、ゆっくりんピース見せかけ俺を仕向けた奴が言う言葉とは思えんな…」
『――――、――――』
「ああ、知ってるよ、分かっているとも…汚れ役は、この俺、<裏方屋>の仕事だもんなぁ!!じゃあ、きるぞ!!」
これ以上、人を不愉快にさせる、あの引き攣った笑い声を聞きたくないと、言わんばかりに男は―――裏方屋は無線機を切った。
そして、洞窟へと戻ったであろうドスが去っていた先を見据えながら、ぽつりと呟いた。
「…尊厳はなくとも飯が食えれば、人は生きられる。飯がなくとも尊厳があれば、人は耐えられる。じゃが、尊厳と食料をなくしたら、人はどうでもよくなる。何にでも頼る。ゆっくりも根っこは同じということか。例えそれが―――」
悪魔の中で、美しい外見と優しい声音を備え、巧みな話術で人を魅了し、平然と嘘を付き、人を騙し、破滅へと導く、七つの大罪の中で、傲慢を司る悪魔が携える鎌―――べリアル・サイスの罠だとしても。
制裁 パロディ 不運 自業自得 二次創作 駆除 群れ ゲス 捕食種 ドスまりさ 希少種 現代 虐待人間 創作亜種 独自設定 クレイモア・ユンシリーズです。人間がかなり外道なので注意
注意
1.クレイモア・ゆんシリーズです
2.でも、大尉や中尉の出番なしです
3.虐待描写薄めの駆除モノです
4.人間チート&外道な描写有ります
5.パロディ有り
以上の事を踏まえて、ゆっくりしていってね!!
数日後、希望と期待に胸を膨らませて、辿り着いたはずの新天地にて、ドスまりさ率いる群れの一団は、予想だにしなかった外敵の襲来に苦しめられていた。
「れいみゅ…おなかちゅいちゃよ…おがあざん…」
「ゆうう…ごべんねぇ…おぢびぢゃん…」
「どぼぢで、ごはんざんがないのおおおおおお!!」
「も、っちょ、ゆ…エレエレ…」
「おぢびぢゃん、あんこさんはいじゃだめええええええええ!!」
洞窟の内部では、餌が取れずに、飢えに苦しむれいむや、ありす、ぱちゅりーのような成体ゆっくりや、赤ゆっくり、子ゆっくりなどが声を上げてひしめき合っていた。
そのあまりにもゆっくりしていない光景に、群れのリーダーであるドスまりさと副リーダーのぱちゅりーは、ただ、この惨状を嘆くしかなかった。
「むきゅううううう…だめよ、ドス。もう、ためてあるごはんさんもそろそろなくなっちゃうわ」
「ゆううう…せめて、もっと、まりさやみょん、ちぇんがいてくれたら…」
そう呟いたドスまりさは、再び洞窟の方を見た―――そこには、比較的運動能力の高い普通種―――特に成体サイズのまりさやみょん、ちぇんの姿が、れいむやありす、ぱちゅりーに比べ、極端に少なかった。
理由は、あの3匹の胴付きれみりゃにあった。
この数日の間に、狩りに出かけていたゆっくり達が、あの3匹のれみりゃたちによって、老若問わず、無差別に襲われ、無残に殺されていた。
その為、狩りに適した、運動能力の高いまりさやようむ、ちぇんがもっとも多くの被害受け、山に散っていたゆっくり家族の大部分は、働き手を失い、やむなく、食料を恵んでもらおうと、まだ狩りの出来ない赤ゆっくりや子ゆっくりを連れて、洞窟に戻ってきた。
しかし、戻ってきたゆっくり達が目にしたのは、自分たちと同じように、食料調達の要であるまりさやちぇん、ようむの大半を失い、この山に住み始めた3日間の内に集めた貯蔵用の食料を使い、とても満腹とは程遠い少ない食料で飢えを凌ぐ群れのゆっくり達の姿だった。
そして、山に散っていたゆっくり達が戻ってきた事で、厳しい食糧事情はさらに厳しさを増していった。
「むきゅううう…このままじゃ、みんな、ゆっくりできなくなるわ…ドス、にんげんさんにたすけてもらうことは…」
「無理だよ…あの村長代理の人間さんの様子を見ると、人間さんは助けてくれないよ…」
こうなったら、協定を結んだ村の人間に助けを求めるしかないと提案するぱちゅりーだったが、ドスはその望みは薄いと、少し前に、食料の援助を求めに、ドスだけで、村に助けを求めに行った時の事を思い出し、諦めたかのように無理無理と体を横に振った。
べリアル・サイス:中編
―――3匹のれみりゃ襲撃から5日目
「断る。自分達の無能を棚に上げ、貴様らを、助ける道理など無いわ」
「どぼぢで、ぞんなごどいうのおおおおおおおおお!!」
群れを賄える分の食料が欲しいと助けを求めたドスに対し、村長代理である戦争屋は、いつもと変わらぬ冷たい表情で、バッサリとドスの願いを斬り捨てた。
ゆっくりが困っていたら、人間さんは助けるのが当たり前だと思っていたドスは、戦争屋の無慈悲な言葉に声を上げて、反発した。
しかし、戦争屋は、表情一つ変えることなく、ドスに対し、反論した。
「言った筈だ。協定を取り決めた際に、ゆっくりの問題は、ゆっくり同士で解決し、人間は一切介入しないと」
「ゆぐっ!?で、でも、れみりゃは、ゆっくり出来ないゆっくりだよ!!」
「知った事か。ゆっくり出来なかろうが、ゆっくりは、ゆっくりだ。協定の条件で見るなら、ゆっくりの問題は、ゆっくり同士で解決するのが道理だ。それとも、貴様は、ゆっくり同士の問題さえ解決できない、協定を守れないゆっくりしていない無能なドスか?」
ゆっくりしていない―――その言葉を聞いた瞬間、ドスは苦々しい顔で、戦争屋を睨みつけた。
ゆっくりにとって、ゆっくりとは重要な価値基準であり、ゆっくりしていないと評されることをゆっくりは、何よりも嫌うのだ。
ドスは、ゆっくりの中で一番ゆっくりしたゆっくりという自負を持っていたこのドスにとって、協定を結んだ手前、手は出せないものの、明らかにゆっくりしていない格下の人間に、ゆっくりしていないと言われるのは、まさに屈辱の極みだった。
が、戦争屋は、そんなドスに構うことなく、次に言ってくるであろう言葉を予測し、機先を制し、釘をさす為に話を続けた。
「ああ、それから…山に住むゆっくりを傷つけてはいけないと言うのも協定の項目に含まれていたな」
「ゆぐぅ!?」
「悪いが、人間から協定を破るわけにはいかないのでな。れみりゃの駆除を期待するのは止めておいた方がいいぞ。ま、そんな必要はあるとは思えんのだがな」
そう言い残して、要はすんだと言わんばかりに去っていく戦争屋を、ただ何も言えず、苦々しい表情で睨みつけながら、ドスは引き下がるしかなかった。
山に住むゆっくりを人間が傷つけてはならない―――一見すれば、ゆっくりにとって有利に見える条件かもしれないが、大きな落とし穴があることに、ドスも、ぱちゅりーも気づく事が出来なかった。
山に住むゆっくり…すなわち、捕食種であるれみりゃも、山に住んでいるゆっくりである以上、村の人間が、れみりゃを駆除するどころか、傷つける事さえ出来ないのだ。
ゆっくりできるはずの協定が、逆に自分達をゆっくりできなくさせる事になるとは―――ドスは、どうしてこうなったと落ち込みながら、村から立ち去り、すごすごと洞窟へと戻るしかなかった。
そして、皆にどう説明したらいいものか、迷いながら洞窟へと戻ってきたドスが目にしたのは―――
「ど、どういうごどなのおおおおおおおおぉぉぉぉぉ!!」
「ど、どずううう…だずげでぇえええ…」
「わ、わが…らんじゃ…だず…」
「ぢぢぢぢぢぢぢ…んんんんん…」
「じっがりじでええええええ!!まりざあああああああ!!」
「ありずのぴゃぴゃがああああああああ!!どがいびゃなぴゃぴゃがああああ!!」
「むきゅうううう!!ドス、あのれみりゃたちが!!」
叩き潰され、切り刻まれ、粉砕されつくしたまりさやちぇん、みょんのなれの果てが、洞窟中にまき散らされたかのように広がり、それをただ泣きながら、夫や父のなれの果てにむかって叫び続ける残された家族―――文字通りの惨状が広がっていた。
一体誰がと叫ぶドスの前に、副リーダーのぱちゅりーが、事の真相を告げてくれた。
―――ドスが村の方へ出かけた後、これまで、狩りに出かけていたゆっくりしか襲わなかったはずの、あの3匹のれみりゃが、群れのゆっくりのいる洞窟へ襲撃を仕掛けてきたのだ。
「「「うううー!!」」」
「「「「「「「れ、れみりゃだぁあああああああああああああああああああああ!!」」」」」」
「むきゅ、みんな、おちつくのよ!!おちびちゃんたちやにんっしんしたゆっくり、たたかえないゆっくりは、どうくつのおくへにげるのよ!!まりさや、みょん、ちぇんの皆は、れみりゃをふせいで!!」
「ゆっ、まかせるんだぜ!!みんな、えださんをくちにくわえて、あつまるんだぜ!!」
「わかるよー!!どうくつのおくへはいかさないんだよー!!」
「みょん!!たっくさんのれみりゃがあいてでも、いかさないだみょん!!」
「「「「「「ゆっくりまかせてね!!」」」」」
これまで、狩りに出かけなければ安全だと思っていたゆっくり達にとって、予想外の出来事だったが、副リーダーぱちゅりーの指揮の元、すぐさま、赤ゆっくりや子ゆっくり、にんっしんしたゆっくり、非戦闘ゆっくり達は、洞窟の奥へと避難させ、洞窟内に残っていたまりさやちぇん、ようむ達に、れみりゃの撃退を任せた。
ぱちゅりーの指示を受けて、群れの防衛を担当する幹部まりさは、木の枝を加えると、仲間達と共に洞窟の横幅一杯に密集し、まるで古代ギリシアのファランクスを思わせる、木の枝を突き出し、いかなる敵も通さない壁を作った。
これには、さすがのれみりゃ達も、迂闊には近づく事は出来なかった。
「うーうー…うっうっうー」
「ゆっへん!!ここからはいっぽもいかさないんだぜ!!れみりゃがたくっさんいても、まりさたちがおい―――ヴォっ―――げべぢゅ!?」
「「「わがぁつ!?」」」
「「「みょんっ!?」」」
―――だから、<車椅子に乗った>れみりゃは、容赦なく近づかなくても、攻撃できる方法で攻撃をする事にした。
車椅子のタイヤが仕舞われ、代わりに虫のような四本の足がとび出して、立ちあがり、椅子の背の部分から機械の腕がとび出し、携えたトランクを取り出した。
そして、トランクを開け、そのまま、密集するゆっくり達に向かって突き出した瞬間、炸裂音と共に跳び出した、無数の小さな鉄球がゆっくり達に襲いかかった。
無数の鉄球は、密集していたゆっくり達を、蹂躙し、いとも簡単に吹き飛ばした。
それまで、余裕の表情を浮かべていた幹部まりさも、体中を穴だらけにされ、形をとどめずバラバラに砕け散った。
「うぅうううううううー!!」
「ゆがああああああ!!ぐるなあああああ…あ?どぼじで、まりざのがらだが、ばらばあああああああああああ!!」
「こ、こないでね、ちぇんはにげ、あ、られないぃいぃいいいい!!」
「ここは、みょんにまがぜ、ゆぶぃ!!…ふ、ふみだに、ぢん…」
そして、<車椅子に乗った>れみりゃが崩した陣形の隙を突く形で、<刀を持った>れみりゃが刀を鞘に仕舞ったまま、指揮官を失い混乱するゆっくり達に一気に斬りこんだ。
そこからは、まさに、<刀を持った>れみりゃの独壇場だった。
しゃりん、しゃりん、しゃりん―――柄に手を伸ばした瞬間、聞こえる鍔鳴りの音同時に、次々にゆっくり達の体は、縦に横に斜めに切り刻まれ、何が起こったか分からないまま、一方的に蹂躙され、絶命していった。
「だずげでええええええ!!ばりざ、まだ、じに、じに、じんだああああああ!?」
「わがらないよおおおおお!!なんで、ごんななななななざ、れだ!?」
「みんな、にげちゃだめみょん!!もういちど、じんけいをたてなお、ぜばゆばび!?」
「うっうううううううう!!うっううううう!!」
「うううう…う、うっうっうう」
「う!?うっー…」
やがて、<刀を持った>れみりゃによって、ほぼ全ての防衛に回ったゆっくり達が切り刻まれ、もはや洞窟の奥に踏み込まれるのも時間の問題だった。
しかし、ここで、奇妙な事が起こった。
それまで、洞窟の外にいた3匹目のれみりゃが、<車椅子に乗った>れみりゃに近づいて、何やら慌てて告げると、すぐさま<車椅子に乗った>れみりゃは、<刀を持った>れみりゃに向かって、話しかけた。
<刀を持った>れみりゃが、その声を聞いた瞬間、かなり納得しがたいことだったのか、眉間にしわを寄せ、不満そうな顔をしていたが、やがて、<車椅子に乗った>れみりゃらと一緒に、洞窟から去って行った。
「ゆっ、れみりゃたち、かえっちゃたよ…?」
「ど、どういうことなのかしら?」
「む、むきゅう…わからないわ」
残されたのは、防衛ゆっくりのなれの果てである、大量の餡子とチョコクリーム、うぐいす餡の山と、なぜ、れみりゃが去ったのか、訳が分からず首をかしげる洞窟の奥に逃げ込んだゆっくり達だけだった。
ドスがこの惨状を見る事になるのは、約数分後のことだった。
―――そして、現在
「ドス、もうためてあったごはんさんが、なくなったわ…」
「…」
重々しく告げる副リーダーであるぱちゅりーの言葉に、ドスは何も言えなかった。
もはや狩りができるゆっくりのほぼ全てを失い、洞窟周辺の雑草さえも食い潰し、食料を調達する事さえできず、洞窟内に貯蔵してあった食料―――洞窟を襲撃された際に、殺されたゆっくり達の死骸さえも、底をついていた。
どうして、こんなことに―――ドスは思った。
本当なら、食料が豊富な新天地に辿り着き、群れの皆をゆっくりさせるはずだった。
ところが、実際には、ゆっくりできるどころか、たった3匹のれみりゃ達によって、食料を得る事さえままならず、飢え死にを待つしかない状況にまで追い込まれていた。
「…ちょっと外に出てくるね」
「…むきゅ、なるべくはやくもどってきてね」
ぱちゅりーの声を受け、力なく頷きながら外に出たドスは、洞窟から少し離れた場所で、誰もいない事を確認すると、項垂れ、声を殺して、泣きうめいた。
「どうじで、どぼぢで、ごんなごどにいい…」
本当ならもっとゆっくり出来るはずだった、こんな筈じゃなかったと嘆くドスは、気づく事が出来なかった。
「お前さん…どうかしたのか?」
「ゆっ?人間さん…?」
いつの間にか、ドスの目の前に、山登りの服装をした、頭をそり上げ、無精ひげを生え伸ばした壮年初めの男がいた事に。
「―――というごどなの」
「うーん…そいつは、酷いな。その村長代理とかいう奴、相当な悪党だな」
その後、ドスから事情を聞いた男は、なるほどと納得した顔で呟いた。
男によれば、自分は、ゆっくりんピースと呼ばれる、ゆっくり達の保護活動を行う愛護団体のメンバーで、この山にドスとその群れが住み着いたと聞き、調査の為にやってきたのだと説明した。
その為、もしかしたらと思い、ドスは何とか自分達の現状を伝え、助けてもらおうと、これまでの経緯を、男に説明したのだ。
やがて、男は静かにドスを見据えると、重々しく呟いた。
「お前さん、このままでいいと思うのか?」
「ゆっ?」
「今のままじゃ、助けを求めたところで、また同じことの繰り返しだぞ。助けてもらったところで、自力で餌を得られん以上、その場しのぎにしかならんぞ」
「じゃ、じゃあ、どうすれば…」
助けてもらう事も出来ないと分かり、困惑するドスに、男は、はっきりと、現状を打開するうえで、ゆっくり側にとって最上の手をはっきりと告げた。
「戦うんだ。お前さん達の誠意を踏みにじった、村長代理に、村の連中に!!」
「ゆゆっ!!で、でも、そんなことをしたら、協定を破っちゃうよ!!」
「構う事はない!!そもそも、困ったゆっくりを助けず、見殺しにするような横暴な協定なんぞこっちから無視したらいいんだ!!それとも何か、お前さんはこのままでいいというのか?それで満足なのか?ゆっくりしていない人間にゆっくりしていないゆっくり呼ばわりされ、蔑まれ、恥ずかしくないのか!?飢えで群れの奴ら全員野垂れ死になるのが分かって何もしないでいいのか!?それでいいのか!?」
「い、良い訳ないでしょおおおおお!!ドズは群れの皆をゆっくりされるゆっくりなんだよ!!ゆっくりしてない人間さんなんかよりずっとすごいんだよ、強いんだよ!!」
男の言葉に刺激され、これまで何もできずに落ち込んでいたドスの中でくすぶっていた使命感に火がついた。
そうだとも、何を迷う必要があるんだ!!
元を正せば、ゆっくりしていない人間さんがあんな無茶苦茶な協定の性で、群れの皆は苦しんでいるんだ!!
なら、人間さんよりゆっくりしているはずゆっくりがゆっくりできないで苦しんでいるなんて間違っている―――間違いは、力づくでも、正さなければならない!!
もはや、男の炊きつけた言葉により、3匹のれみりゃが元々の原因である事さえ、忘却の彼方に追いやられ、ドスの餡子脳は、全ての元凶は自分達を助けない人間だと決めつけた。
間違った方向でやる気をだしたドスに、男はうんうんと頷きながら、ドスをさらに炊きつけた。
「よし、そのいきだ!!今こそ、ゆっくり達の無念を、恐ろしさを村の連中に思い知らせてやるんだ!!お前さんのドススパークならどんな相手でも勝てる!!お前さんは、もっともゆっくりした最高のドスなのだからな!!」
「ゆっ、そうだね!!ありがとう、ゆっくりした人間さん!!ドス達は戦うよ!!皆でゆっくりできる理想の群れを作る為に!!」
自分の熱意を取り戻してくれた男に感謝しながら、ドスは、仲間たちと共に、ゆっくりさせてくれなかった村へ報復する為に、群れの仲間がいる洞窟へと戻って行った。
全てはゆっくりの為に―――ドスは暗い笑みを零しながら、洞窟へ戻ると、大声で呼びかけた。
「皆、村に行くよ!!ゆっくりさせてくれなかった人間さんたちにせいっさいするんだよ!!」
―――そして、勇ましく語りかけるドスの言葉に反対するゆっくりは一匹もいなかった。
それほどまでに、群れのゆっくり達は追いつめられていたのだ。
―――まともに考えれば、原因は3匹のれみりゃであり、村を襲うのは逆恨みも甚だしく、そして、人間に勝つことなど不可能だと分かり切った事なのに。
by職あき
洞窟へと戻っていくドスを見送った後、男はやれやれとため息をつきながら、その場を立ち去りながら、懐から無線機を取り出すと、忌々しげに呟いた。
「これで満足か?」
『―――、――――、――――』
「ああ、そうかいそうかい…満足だろうなぁ。何せ、お前さん達は、ゆっくり共を何の躊躇いもなく、駆除できる大義名分を手にいてれたわけなのだからな!!」
『―――、――――――』
「仕方がない?ああ、そうだろうさ。村の連中の渋り具合を見たら、良く分かる。ゆっくり達を駆除するのを躊躇う善良で良い人たちだ。だから、欲しかったんだろ?村の連中が罪悪感を覚えないように、ゆっくりどもを駆除する為の口実がな…まったく、お前さんの悪辣ぶりは変わらんな!!」
『―――――――――、―――』
「ちっ…良く言う。わざわざ、ゆっくり達から協定を破る様に唆すよう、ゆっくりんピース見せかけ俺を仕向けた奴が言う言葉とは思えんな…」
『――――、――――』
「ああ、知ってるよ、分かっているとも…汚れ役は、この俺、<裏方屋>の仕事だもんなぁ!!じゃあ、きるぞ!!」
これ以上、人を不愉快にさせる、あの引き攣った笑い声を聞きたくないと、言わんばかりに男は―――裏方屋は無線機を切った。
そして、洞窟へと戻ったであろうドスが去っていた先を見据えながら、ぽつりと呟いた。
「…尊厳はなくとも飯が食えれば、人は生きられる。飯がなくとも尊厳があれば、人は耐えられる。じゃが、尊厳と食料をなくしたら、人はどうでもよくなる。何にでも頼る。ゆっくりも根っこは同じということか。例えそれが―――」
悪魔の中で、美しい外見と優しい声音を備え、巧みな話術で人を魅了し、平然と嘘を付き、人を騙し、破滅へと導く、七つの大罪の中で、傲慢を司る悪魔が携える鎌―――べリアル・サイスの罠だとしても。