ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko2569 加工所は勝手に生えてくるんだよ!
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ankoss
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『加工所は勝手に生えてくるんだよ!』 35KB
虐待 考証 透明な箱 加工場 現代 独自設定
虐待 考証 透明な箱 加工場 現代 独自設定
※独自設定垂れ流し
メタでネタな与太話
って言うか電波。空想科学電波?
※スレで前に見かけた「加工所って規模とか大きすぎてありえなくね?」と言った感じの
ネタに触発された書きました。
※虐待分薄目、人間メイン
メタでネタな与太話
って言うか電波。空想科学電波?
※スレで前に見かけた「加工所って規模とか大きすぎてありえなくね?」と言った感じの
ネタに触発された書きました。
※虐待分薄目、人間メイン
「よくできてるなあ……」
俺は目の前の光景に思わず感嘆の息を漏らした。
「なに、今日の虐待のこと?」
「うん、それもそうなんだけど……」
「うん、それもそうなんだけど……」
友人の言うとおり、今日の虐待はなかなか良くできていた。
透明な箱の中、苦悶の表情を浮かべて身をうねらすゆっくりれいむ。その身体は半分溶け
崩れている。その身体から生えているのは数本のビニールチューブ。先端を斜めに切って
尖らせ突き刺したものだ。その直径は5ミリとやや太めだ。
今日の虐待はこれに水を流し込むのを基本とした。
ゆっくりは水に溶けるのは常識だ。今回の虐待のキモは、その溶解を微調整して楽しむこ
とだ。ゆっくりは水の中に落とせば勝手に溶けて終わり。それはそれで楽しめが、ビニー
ルチューブから注ぎ込むこの虐待では長時間にわたって死なせず苦しめることができる。
途中で注ぎ込むものをタバスコにすれば絶叫するし、オレンジジュースにすれば体力を回
復させることもできる。ゆっくりは体内の水分量が過剰になるとしーしーをするが、長時
間にわたるこの虐待でしーしー穴はぐずぐすに崩れてふさがってしまっている。
その虐待も今や終盤。今やれいむは溶けかけた身体を震わせ、口をぱくぱくさせるのみ。
おそらく、「ゆ”っ、ゆ”っ、ゆ”っ」と、ゆっくり特有の断末魔を漏らしているのだろ
う。
だが、それは聞こえない。
透明な箱の中、苦悶の表情を浮かべて身をうねらすゆっくりれいむ。その身体は半分溶け
崩れている。その身体から生えているのは数本のビニールチューブ。先端を斜めに切って
尖らせ突き刺したものだ。その直径は5ミリとやや太めだ。
今日の虐待はこれに水を流し込むのを基本とした。
ゆっくりは水に溶けるのは常識だ。今回の虐待のキモは、その溶解を微調整して楽しむこ
とだ。ゆっくりは水の中に落とせば勝手に溶けて終わり。それはそれで楽しめが、ビニー
ルチューブから注ぎ込むこの虐待では長時間にわたって死なせず苦しめることができる。
途中で注ぎ込むものをタバスコにすれば絶叫するし、オレンジジュースにすれば体力を回
復させることもできる。ゆっくりは体内の水分量が過剰になるとしーしーをするが、長時
間にわたるこの虐待でしーしー穴はぐずぐすに崩れてふさがってしまっている。
その虐待も今や終盤。今やれいむは溶けかけた身体を震わせ、口をぱくぱくさせるのみ。
おそらく、「ゆ”っ、ゆ”っ、ゆ”っ」と、ゆっくり特有の断末魔を漏らしているのだろ
う。
だが、それは聞こえない。
「この透明な箱、すごいよな。全然音が聞こえない」
今回の虐待でもうひとつ凝ったところは、防音の箱を使ったこと。今いる部屋は友人宅の
虐待用地下室。叫ばれようと近所に迷惑をかける心配はない。あえて防音の箱を使ったの
は、友人と「今の悲鳴は『ゆぎゃあ』に違いない」「いや『ゆげぇ』に決まってる」など
と予想しながら楽しむという主旨なのだ。曇り空の下、月を想像して月見を楽しむなんて
こともあるが、今回の虐待はそんな風流な楽しみ方なのである。
すべて俺の虐待の師匠である友人の発案だ。いつもながらその手法には感心させられる。
だが、もうひとつ感心したのが、この「透明な箱」なのだ。
虐待用地下室。叫ばれようと近所に迷惑をかける心配はない。あえて防音の箱を使ったの
は、友人と「今の悲鳴は『ゆぎゃあ』に違いない」「いや『ゆげぇ』に決まってる」など
と予想しながら楽しむという主旨なのだ。曇り空の下、月を想像して月見を楽しむなんて
こともあるが、今回の虐待はそんな風流な楽しみ方なのである。
すべて俺の虐待の師匠である友人の発案だ。いつもながらその手法には感心させられる。
だが、もうひとつ感心したのが、この「透明な箱」なのだ。
「いつも思うんだけど、加工所の技術ってすごいよな」
「そりゃそうだよ。なんてったって、加工所特製の高級品なんだから」
「そりゃそうだよ。なんてったって、加工所特製の高級品なんだから」
透明な箱。種類やサイズは様々だ。共通するのは、その名のとおり透明な箱であること。
見た感じはただアクリルを組み合わせただけの六面体。しかし、よく見ればいくつもの卓
越した技術が感じ取れる。
神々が爪楊枝入れに使ったとも噂される、継ぎ目すらない美しいフォルム。ちょうつがい
の類は見当たらないのに、上部の蓋は実にスムーズに開閉する。簡単に開けられるのに、
それでいてゆっくりが内側から開くことは不可能な鉄壁ぶり。取っ手もないのに不思議と
持ちやすく、たとえ大きなでいぶを中に入れても持ち運びに不便は無い。重量はたいした
ことないのに、中のゆっくりがどれだけ暴れても倒れるどころかビクともしない。用途に
よってその機能も様々。今回使ったもののように、透明度を保ったままで防音仕様なんて
のは基本中の基本。考えてみたら本当にすごい。
見た感じはただアクリルを組み合わせただけの六面体。しかし、よく見ればいくつもの卓
越した技術が感じ取れる。
神々が爪楊枝入れに使ったとも噂される、継ぎ目すらない美しいフォルム。ちょうつがい
の類は見当たらないのに、上部の蓋は実にスムーズに開閉する。簡単に開けられるのに、
それでいてゆっくりが内側から開くことは不可能な鉄壁ぶり。取っ手もないのに不思議と
持ちやすく、たとえ大きなでいぶを中に入れても持ち運びに不便は無い。重量はたいした
ことないのに、中のゆっくりがどれだけ暴れても倒れるどころかビクともしない。用途に
よってその機能も様々。今回使ったもののように、透明度を保ったままで防音仕様なんて
のは基本中の基本。考えてみたら本当にすごい。
「透明な箱に興味津々みたいだね?」
思わず考え込む俺に、いたずらっぽく微笑みかけてくる友人。その笑顔があんまり至近距
離だから、どきりとする。
離だから、どきりとする。
「そんなキミに、素敵なチャンスをあげよーっ!」
俺の内心の動揺をよそに、友人がどこからともなく差し出したもの。
それは、ゆっくり加工所の一般公開の案内だった。
それは、ゆっくり加工所の一般公開の案内だった。
加工所は勝手に生えてくるんだよ!
「本日は加工所の一般公開にご参加くださいましてありがとうございます。本日は、皆様
、『ゆっくりしていってね!』」
、『ゆっくりしていってね!』」
お決まりの文句を交えた加工所の職員の挨拶で、加工所の案内は始まった。
今日の一般公開の参加者は、応募枠いっぱいの30名。競争倍率はけっこう高くて抽選に
なったらしいが、友人がうまいこと当ててくれた。まったくもってゆっくり関係について
は非凡な友人である。実にありがたい。
今日の一般公開の参加者は、応募枠いっぱいの30名。競争倍率はけっこう高くて抽選に
なったらしいが、友人がうまいこと当ててくれた。まったくもってゆっくり関係について
は非凡な友人である。実にありがたい。
「ではまず、ゆっくりの生産施設をごらんいただきましょう」
案内された通路は、片方の面がガラス張りになっている。ガラス越しに見える部屋は、壁
も床も白い。清潔感にあふれ、しかし飾り気の無い部屋。その端にはあんよを焼かれ固定
された無数のまりさ種のゆっくりが並べられている。一様に不安そうな顔。そして、職員
がコントローラーのボタンを押すと、
も床も白い。清潔感にあふれ、しかし飾り気の無い部屋。その端にはあんよを焼かれ固定
された無数のまりさ種のゆっくりが並べられている。一様に不安そうな顔。そして、職員
がコントローラーのボタンを押すと、
「んほおおおおおおお!」
腹に響く怒涛の声が溢れ出した。まりさの並んでいる反対側の壁が開くと、そこから一斉
になだれ込んでくる無数のれいぱーありす。その情欲にあふれた嬌声の連なりは洪水を思
わせた。粘液にまみれ涎をたらす、最低最悪の洪水だ。
そして、その濁流にあんよを焼かれたまりさ達はなすすべも無く飲み込まれた。
になだれ込んでくる無数のれいぱーありす。その情欲にあふれた嬌声の連なりは洪水を思
わせた。粘液にまみれ涎をたらす、最低最悪の洪水だ。
そして、その濁流にあんよを焼かれたまりさ達はなすすべも無く飲み込まれた。
「すっきりーっ!」
すぐさま絶頂に達するゆっくりども。あっという間に茎が生え、実がなり、そして赤ゆっ
くりが生まれ落ちる。まりさたちの前には溝があり、生まれ落ちた赤ゆはたちが落ちてい
く。そこから回収され、食品に加工されるのだろう。
見ればどのゆっくりまりさにも床から伸びるチューブにつながれている。これほど高速か
つ力尽きずに生み続けているのだから、チューブからはにんっしん加速剤や成長促進剤、
それに栄養剤が注入されているのだろう。それも個人で手に入る効きの弱い薬ではなく、
業務用の超強力なものに違いない。こんなに高速に連続してゆっくりが生まれるなんて初
めて見た。
くりが生まれ落ちる。まりさたちの前には溝があり、生まれ落ちた赤ゆはたちが落ちてい
く。そこから回収され、食品に加工されるのだろう。
見ればどのゆっくりまりさにも床から伸びるチューブにつながれている。これほど高速か
つ力尽きずに生み続けているのだから、チューブからはにんっしん加速剤や成長促進剤、
それに栄養剤が注入されているのだろう。それも個人で手に入る効きの弱い薬ではなく、
業務用の超強力なものに違いない。こんなに高速に連続してゆっくりが生まれるなんて初
めて見た。
「すごいねえ……! さすが加工所、壮観だねえ……!」
「まあな……」
「まあな……」
友人の感嘆の声に生返事を返すことしか出来ない。
俺も友人もゆっくりを虐待すること日常としているわけだから、れいぱーありすに襲われ
るまりさなんて見慣れている。しかしこれほどの規模はさすがに見たことがない。響き渡
る嬌声、悲鳴、赤ゆの「ゆっくちしちぇいっちぇね!」。粘液に濡れた肌をこすり合わせ
る音。耳に不快で、しかしゆっくりの苦しみを堪能するという意味ではたとえようもなく
甘美な調べ。それが無数に重なりあう音はまさに壮大の一言。
普段の虐待の音がCDラジカセとするなら、今目の前に広がるものはオーケストラの生演
奏。質も迫力もまるで別次元だ。
俺も友人もゆっくりを虐待すること日常としているわけだから、れいぱーありすに襲われ
るまりさなんて見慣れている。しかしこれほどの規模はさすがに見たことがない。響き渡
る嬌声、悲鳴、赤ゆの「ゆっくちしちぇいっちぇね!」。粘液に濡れた肌をこすり合わせ
る音。耳に不快で、しかしゆっくりの苦しみを堪能するという意味ではたとえようもなく
甘美な調べ。それが無数に重なりあう音はまさに壮大の一言。
普段の虐待の音がCDラジカセとするなら、今目の前に広がるものはオーケストラの生演
奏。質も迫力もまるで別次元だ。
「どうです? お楽しみいただいていますか?」
「あ……え、ええ! すっげえ楽しんでます!」
「うん! すっごいよ! とってもすごい! ボク、感動したよ!」
「あ……え、ええ! すっげえ楽しんでます!」
「うん! すっごいよ! とってもすごい! ボク、感動したよ!」
にこやかに訊ねてきた加工所の職員に、俺も友人も大喜びで答えた。思わず見入ってしま
っていて、声をかけられるまで職員が近くに来たことすら気付かなかった。
っていて、声をかけられるまで職員が近くに来たことすら気付かなかった。
「これすごい数ですねえ……一体、一日に何匹ゆっくりが生まれてるんです? この勢い
なら、日に10万くらいいっちゃんじゃないですか」
「ご明察です。当加工所では日におよそ10万匹のゆっくりが生産されております。この
生産室以外にも各種施設で様々な方法で生産を進めています。後ほどご案内いたします」
「はああ……たいしたものだなあ……」
なら、日に10万くらいいっちゃんじゃないですか」
「ご明察です。当加工所では日におよそ10万匹のゆっくりが生産されております。この
生産室以外にも各種施設で様々な方法で生産を進めています。後ほどご案内いたします」
「はああ……たいしたものだなあ……」
適当に大きめの数字を出してみたが、見事に当たってしまうとは。まったく、どこまでゆ
っくりの大量生産技術を確立しているんだか。さすが加工所、凄まじい。
そこで、ふと疑問が生じた。
っくりの大量生産技術を確立しているんだか。さすが加工所、凄まじい。
そこで、ふと疑問が生じた。
「それじゃあ……一日当たりのゆっくりの総生産量ってどんなものなんですか? ここだ
けで10万……加工所って、全国にあるんでしょ? どれだけの数のゆっくりが生まれて
加工されてるんですかね?」
「え?」
「俺には想像もつきませんよ。そもそも加工所って全国でいくつあるのか……」
「申し訳ありませんが、その質問にはお答えできません」
けで10万……加工所って、全国にあるんでしょ? どれだけの数のゆっくりが生まれて
加工されてるんですかね?」
「え?」
「俺には想像もつきませんよ。そもそも加工所って全国でいくつあるのか……」
「申し訳ありませんが、その質問にはお答えできません」
すげなくそう言うと、職員は別の見学者の方に行ってしまった。
「なんかそっけないな。なんだろ、俺なんかまずいこと聞いちゃったかな?」
「う~ん、企業秘密とかじゃないかなあ。この見学会も人数制限厳しかったし、きっとい
ろいろあるんだよ!」
「う~ん、企業秘密とかじゃないかなあ。この見学会も人数制限厳しかったし、きっとい
ろいろあるんだよ!」
友人はそう言うが、別にそんなまずい質問だったようには思えない。加工所はゆっくりを
痛めつけて味を調整する、ゆっくり登場以前の常識に照らし合わせれば後ろ暗いところの
ある企業と言えなくもない。だが、それも過去のこと。ゆっくり加工所はすでに世間で認
められた新進気鋭の一大企業なのだ。その総生産量を隠す必要などどこにあると言うのだ
ろう。
妙なひっかかりを覚えたが、次の生産室に行くことになり友人に手を引かれると、すぐに
気にならなくなった。
いつも思うんだけど、友人の手は小さい。こんな小さい手でいつもすごい虐待を繰り広げ
るのだから、人間わからないものだ。
だが、加工所の方はと言えば、よくわかるものだった。
確かにどの施設も大規模な生産を行っている。だが、俺の知らない方法がない。知ってる
方法が、馬鹿みたいに大規模に行われているだけなのだ。
痛めつけて味を調整する、ゆっくり登場以前の常識に照らし合わせれば後ろ暗いところの
ある企業と言えなくもない。だが、それも過去のこと。ゆっくり加工所はすでに世間で認
められた新進気鋭の一大企業なのだ。その総生産量を隠す必要などどこにあると言うのだ
ろう。
妙なひっかかりを覚えたが、次の生産室に行くことになり友人に手を引かれると、すぐに
気にならなくなった。
いつも思うんだけど、友人の手は小さい。こんな小さい手でいつもすごい虐待を繰り広げ
るのだから、人間わからないものだ。
だが、加工所の方はと言えば、よくわかるものだった。
確かにどの施設も大規模な生産を行っている。だが、俺の知らない方法がない。知ってる
方法が、馬鹿みたいに大規模に行われているだけなのだ。
「どうしたの? こんなにすごいのに、楽しくないの?」
「あ、うーん。もちろん楽しいことは楽しいんだが……」
「あ、うーん。もちろん楽しいことは楽しいんだが……」
友人は存分に楽しんでいるようだったが、俺の胸からは妙な引っ掛かりが消えてくれなか
った。
った。
「こちらが『第一糖度調整施設』です」
いくつかの生産室を回った後に連れてこられたのは、いよいよ加工所の本番。ゆっくりを
苦しめて甘みを増す、加工所の本質とも言える場所だ。
案内された場所に広がる光景は、俺の期待した通りのものだった。
苦しめて甘みを増す、加工所の本質とも言える場所だ。
案内された場所に広がる光景は、俺の期待した通りのものだった。
「ゆっくり! ゆっくり! ゆっくりさせてええ!」
「もうぴょんぴょんできないよおおおお!」
「ゆんやあああ! つかれた! もうつかれたよおお! ゆっくりさせてよおおおお!」
「もうぴょんぴょんできないよおおおお!」
「ゆんやあああ! つかれた! もうつかれたよおお! ゆっくりさせてよおおおお!」
ガラス越しに見えるのは巨大なベルトコンベアと、その上で跳ねる無数のゆっくりたちが
いた。
いた。
「ゆっぎゃあああああ!」
「やべで! やべでえええ! じにだぐない! まりざまだじにだぐないいいいい!」
「にんげんざん! にんげんざあああん! れいむを! かわいいれいむだけをたずでえ
えええ! だず、だずげっ……だずげろおおおおお!」
「やべで! やべでえええ! じにだぐない! まりざまだじにだぐないいいいい!」
「にんげんざん! にんげんざあああん! れいむを! かわいいれいむだけをたずでえ
えええ! だず、だずげっ……だずげろおおおおお!」
ベルトコンベアの運ぶ先には、鋭い刃のついたローラーが回転している。跳ねることをや
めたゆっくりは、このローラーで「食品として加工」されてしまうのだろう。
そんな地獄絵図を背に、ゆっくりどもの無数の悲鳴をBGMにしながら、職員は説明を続
ける。
めたゆっくりは、このローラーで「食品として加工」されてしまうのだろう。
そんな地獄絵図を背に、ゆっくりどもの無数の悲鳴をBGMにしながら、職員は説明を続
ける。
「皆様御存知のことと思いますが、ゆっくりは苦しめれば苦しめるほど甘みが増し、味の
深みもまた増します。この施設では苦しませることに加え、ゆっくりを運動させることで
身を引き締めさせ、餡子の密度を高めてより高品質なものとするのです」
深みもまた増します。この施設では苦しませることに加え、ゆっくりを運動させることで
身を引き締めさせ、餡子の密度を高めてより高品質なものとするのです」
ベルトコンベアはそれほど早いものではない。ゆっくりはきっと長々と運動し、苦しめら
れ、きっと深い味を生み出すに違いない。
れ、きっと深い味を生み出すに違いない。
「でも、それじゃ時間がかかりすぎますよね?」
俺の問いに、職員と見学者、この場にいる全員の視線が突き刺さる。
少々引いてしまうものを感じるが、それでも聞かずにはいられなかった。
だから、言葉を続けた。
少々引いてしまうものを感じるが、それでも聞かずにはいられなかった。
だから、言葉を続けた。
「だから、あのベルトコンベア、熱してあるんじゃありませんか?」
職員は驚きに目を見開いた。――少々、芝居がかっていると言えるほど、大げさな仕草だ
った。
った。
「よくご存知で。おっしゃるとおり、あのベルトコンベアはゆっくりの体温よりわずかに
高い程度の熱を持っています。あそこで一定時間跳ねていると、低温やけどを起こし、ゆ
っくりの『あんよ』は機能不全を起こし動かなくなります」
高い程度の熱を持っています。あそこで一定時間跳ねていると、低温やけどを起こし、ゆ
っくりの『あんよ』は機能不全を起こし動かなくなります」
職員の指差す先には、ベルトコンベアにゆっくりと運ばれるまりさがいた。
「うごいで! うごいでよおおお! ばりざのあんよざん、いうごどぎいでね!? うご
がないどばりざじんじゃう! じんじゃうんだよ! だがらいじわるじないでうごいでよ
おお! おねがいだよおおおおおお! あんなにぴょんぴょんとくいだったでしょおおお
お!?」
がないどばりざじんじゃう! じんじゃうんだよ! だがらいじわるじないでうごいでよ
おお! おねがいだよおおおおおお! あんなにぴょんぴょんとくいだったでしょおおお
お!?」
いくら喚こうとまりさのあんよは一向に動かない。もうあのあんよは低温やけどで破壊さ
れてしまったのだ。
――俺の予想したとおりに。
れてしまったのだ。
――俺の予想したとおりに。
「ゆっくりも生きているナマモノ、加工所で生産するものも個体によって身体能力に差が
生じます。こうした処置を施すことで、体力ないゆっくりは力尽き、体力のあるゆっくり
は低温やけどで動けなくなる。どのゆっくりもおおよそ一定の時間でローラーに巻き込ま
れ、一定の品質で食品加工が可能となるのです」
生じます。こうした処置を施すことで、体力ないゆっくりは力尽き、体力のあるゆっくり
は低温やけどで動けなくなる。どのゆっくりもおおよそ一定の時間でローラーに巻き込ま
れ、一定の品質で食品加工が可能となるのです」
職員の説明が続けられるのをよそに、俺は自分の胸の中のひっかかりが確かに形になりつ
つあるのを感じていた。
つあるのを感じていた。
「ねえ、どうしたの? キミ、さっきはちょっと感じ悪かったよ?」
次の糖度調整施設へ向かう廊下を歩く中。友人が話しかけてきた。その声には非難よりも
戸惑いの色が強い。
そうだ。加工所の見学は俺だって楽しみにしていた。あの職員の説明だって、たとえ先が
読めたとしても、わざわざそれを口にして雰囲気を壊すことなんてなかった。
でも。それでも。
戸惑いの色が強い。
そうだ。加工所の見学は俺だって楽しみにしていた。あの職員の説明だって、たとえ先が
読めたとしても、わざわざそれを口にして雰囲気を壊すことなんてなかった。
でも。それでも。
「変なんだ」
「変って、何が?」
「加工所は俺の思い描いた通りの、期待した通りの場所なんだ」
「ん? それのどこがいけないの? 期待通りってことはいいことじゃない。ボクは楽し
んでるよ」
「違うんだ。『期待通りすぎる』んだ。全部、俺が思い描いた通りの加工所なんだよ。何
もかもが、全部……全部、全部、全部!」
「変って、何が?」
「加工所は俺の思い描いた通りの、期待した通りの場所なんだ」
「ん? それのどこがいけないの? 期待通りってことはいいことじゃない。ボクは楽し
んでるよ」
「違うんだ。『期待通りすぎる』んだ。全部、俺が思い描いた通りの加工所なんだよ。何
もかもが、全部……全部、全部、全部!」
話していてようやく胸のひっかかりが何であるか気がついた。
気持ち悪いのだ。確かに加工所は凄い。今まで見たなにもかもが、俺の期待通りだ。ひと
つも期待を裏切らない。期待から外れない。例外というものがひとつもない。
だが、それはおかしいのだ。現実にあるものが思い描いた期待通りなんてことはまずあり
えない。ひとつくらい不満なところがあったり、逆に期待を超えたすごいことがあるはず
なのだ。
それが、ひとつも、ない。
だからここは現実離れしているように思えて、それが胸にひっかかるのだ。
気持ち悪いのだ。確かに加工所は凄い。今まで見たなにもかもが、俺の期待通りだ。ひと
つも期待を裏切らない。期待から外れない。例外というものがひとつもない。
だが、それはおかしいのだ。現実にあるものが思い描いた期待通りなんてことはまずあり
えない。ひとつくらい不満なところがあったり、逆に期待を超えたすごいことがあるはず
なのだ。
それが、ひとつも、ない。
だからここは現実離れしているように思えて、それが胸にひっかかるのだ。
「なあに? 中二病? まさか、『ぼくのかんがえたサイキョーの加工所が勝手に作られ
てる! 頭の中のアイディアを誰かが盗んだんだ!』、なんて言い出すつもりなの? な
にそれイタイ」
「違うんだ。そもそも最初の質問からして変なんだ」
「だからあれは企業秘密で……」
「俺は加工所で一日に作られるゆっくりの見当はつけていた。でも、全国の加工所がいく
つ作られているかなんて想像もつかない。俺が想像できることしか、答えてもらえない」
「たったひとつの質問でそんなこと言い出すの? ちょっと自意識過剰なんじゃない?」
「それだけだったらいいさ。でも生産施設はどれも俺の想像通り、『第一糖度調整施設』
に至っては、俺の考えた効率のいい大量虐待そのものだった」
「キミ、ちょっとおかしいよ! とってもバカなことを言ってる。昨日見た夢の通りのこ
とが起きて、アレは予知夢だったとか言い出すイタイ子みたいな……」
「いいや、予知夢じゃない。確かにここは夢見たとおりで、夢見た通り過ぎて……そうだ
! 俺は透明な箱の作り方なんて、想像もつかない。きっと透明な箱の工場は見せてもら
えないに違いない!」
てる! 頭の中のアイディアを誰かが盗んだんだ!』、なんて言い出すつもりなの? な
にそれイタイ」
「違うんだ。そもそも最初の質問からして変なんだ」
「だからあれは企業秘密で……」
「俺は加工所で一日に作られるゆっくりの見当はつけていた。でも、全国の加工所がいく
つ作られているかなんて想像もつかない。俺が想像できることしか、答えてもらえない」
「たったひとつの質問でそんなこと言い出すの? ちょっと自意識過剰なんじゃない?」
「それだけだったらいいさ。でも生産施設はどれも俺の想像通り、『第一糖度調整施設』
に至っては、俺の考えた効率のいい大量虐待そのものだった」
「キミ、ちょっとおかしいよ! とってもバカなことを言ってる。昨日見た夢の通りのこ
とが起きて、アレは予知夢だったとか言い出すイタイ子みたいな……」
「いいや、予知夢じゃない。確かにここは夢見たとおりで、夢見た通り過ぎて……そうだ
! 俺は透明な箱の作り方なんて、想像もつかない。きっと透明な箱の工場は見せてもら
えないに違いない!」
いつの間にか俺は立ち止まっていた。案内の職員も他の見学者たちも立ち止まり、一人と
まどう俺をじっと見つめている。
まどう俺をじっと見つめている。
「申し訳ありませんが、『透明な箱』の製法は企業秘密です。今回お見せすることはでき
ません」
ません」
職員は淡々と答えた。当たり前の対応だ。
俺は、なぜだかそれに耐えられなかった。
俺は、なぜだかそれに耐えられなかった。
「……もしかして、『第二糖度調整施設』は親ゆっくりの前で子ゆっくりを殺して甘くす
る『母性刺激法』で、『第三糖度調整施設』はれいぱーありすがれいぷされて死んで珍味
になる『逆れいぱー糖法』なんじゃないだろうな……?」
る『母性刺激法』で、『第三糖度調整施設』はれいぱーありすがれいぷされて死んで珍味
になる『逆れいぱー糖法』なんじゃないだろうな……?」
思いつくまま、適当な虐待方法を言ってみた。
その返答は……沈黙。ぞっとした。
この場合の沈黙は、「答えられないから」。つまり、肯定に他ならない。
怖気が全身を駆け巡った。
俺は頭がおかしくなってしまったのか。気が変になってしまったのか。なんでこんな事を
疑問に思うんだ。何が引っかかるって言うんだ。
想像通りで何が悪い? 期待通りのどこが不満だ? 俺が、一番、おかしいと思っている
ことは、なんなんだ?
その返答は……沈黙。ぞっとした。
この場合の沈黙は、「答えられないから」。つまり、肯定に他ならない。
怖気が全身を駆け巡った。
俺は頭がおかしくなってしまったのか。気が変になってしまったのか。なんでこんな事を
疑問に思うんだ。何が引っかかるって言うんだ。
想像通りで何が悪い? 期待通りのどこが不満だ? 俺が、一番、おかしいと思っている
ことは、なんなんだ?
「……そもそも、加工所ってなりたつのか?」
混乱する頭が明確な結論を出すより早く、口から形となってこぼれ落ちた。
俺は勢いに任せてとにかく言葉を吐き出した。
俺は勢いに任せてとにかく言葉を吐き出した。
「そうだ。おかしいんだ。確かにゆっくりを処理する施設は必要だ。でも規模が大きすぎ
る。どこの街にも進出してて、数えきれないゆっくりを毎日生産し続けて……でも、そん
なに餡子って需要があるか? みんな毎日饅頭食ってるって言うのか?」
る。どこの街にも進出してて、数えきれないゆっくりを毎日生産し続けて……でも、そん
なに餡子って需要があるか? みんな毎日饅頭食ってるって言うのか?」
核心に触れた。その手応えがあった。
そして今やおかしいのは俺だけじゃないことがわかった。
職員も、見学者達も、友人さえも。言葉もなく、俺を見つめ、俺の言葉にじっと聞き入っ
ている。
そして今やおかしいのは俺だけじゃないことがわかった。
職員も、見学者達も、友人さえも。言葉もなく、俺を見つめ、俺の言葉にじっと聞き入っ
ている。
「ゆっくりに産ませて、その上わざわざ苦しめるなんて、普通に饅頭作るより絶対コスト
がかかるに決まってる。おまけに害ゆっくりが出たら加工所の職員が出張るなんて、どん
だけ加工所職員がいるって言うんだよ! 透明な箱だってそうだ。あんな都合のいい超技
術、あるわけがないんだ! なにもかもがおかしい!」
がかかるに決まってる。おまけに害ゆっくりが出たら加工所の職員が出張るなんて、どん
だけ加工所職員がいるって言うんだよ! 透明な箱だってそうだ。あんな都合のいい超技
術、あるわけがないんだ! なにもかもがおかしい!」
喋りながら、いつの間にか眼を閉じていた。怖かった。何かが恐ろしくてたまらなかった
。俺は怯えながら、震えながら、それでも疑問を吐き出した。
。俺は怯えながら、震えながら、それでも疑問を吐き出した。
「加工所は、成り立たない!」
叫んだ。声は虚しく響き、誰も答えてはくれない。
じっと待った。なにも変わらない。誰か、何か言って欲しい。加工所の成り立っている理
由を教えて欲しい。俺がおかしくなってしまったというのなら、それを教えて諭して欲し
い。
でも、誰も何も言ってくれない。答えがない。
沈黙に耐えられなくなり、俺はおそるおそる目を開いた。
視覚が何かを認識するより早く、肩をつかまれた。驚くほど近くに、ぞっとするほど無表
情な職員の顔があった。
じっと待った。なにも変わらない。誰か、何か言って欲しい。加工所の成り立っている理
由を教えて欲しい。俺がおかしくなってしまったというのなら、それを教えて諭して欲し
い。
でも、誰も何も言ってくれない。答えがない。
沈黙に耐えられなくなり、俺はおそるおそる目を開いた。
視覚が何かを認識するより早く、肩をつかまれた。驚くほど近くに、ぞっとするほど無表
情な職員の顔があった。
「加工所に疑問を持ってはならない」
機械のように無機質で、氷のように冷たい声だった。俺はそのまま凍死してしまうのでは
ないかと思った。
だが、それすらも許されなかった。
ないかと思った。
だが、それすらも許されなかった。
「加工所に疑問を持ってはならない」
「加工所に疑問を持ってはならない」
「加工所に疑問を持ってはならない」
「加工所に疑問を持ってはならない」
「加工所に疑問を持ってはならない」
さざなみのように声が迫る。まわりのみんなが繰り返している。同じように無機質に、同
じ冷たさで、ささやき続ける。あまりにも絶対的な、その言葉。
「加工所に疑問を持ってはならない」
絶叫した。だが、周りの声に消され、俺の声は響かなかった。
そして、俺の意識は闇に飲み込まれていった。
じ冷たさで、ささやき続ける。あまりにも絶対的な、その言葉。
「加工所に疑問を持ってはならない」
絶叫した。だが、周りの声に消され、俺の声は響かなかった。
そして、俺の意識は闇に飲み込まれていった。
「……あれ?」
目を開けると、俺を覗き込む友人の顔があった。
「あ、気がついた。まったく、情けないんだから、キミは」
目をぱちくりさせる。視覚は正常。
そして、耳に飛び込んできたのは喧騒。子供の笑い声。歓声。賑やかで楽しげな音楽。ご
おごおという、巨大な機械の動く音。
そして、耳に飛び込んできたのは喧騒。子供の笑い声。歓声。賑やかで楽しげな音楽。ご
おごおという、巨大な機械の動く音。
「大丈夫?」
「ええと……ここは……?」
「なに言ってるの? 遊園地だよ」
「ええと……ここは……?」
「なに言ってるの? 遊園地だよ」
首をめぐらすと、見えるのは行きかう大勢の人たち。ところどころにできた行列。親子連
れやカップルが多い。風船を配るぬいぐるみ。メリーゴーランドや、遠くに見える観覧車
。色とりどりのアトラクション。
確かに疑いようも無く、ここは遊園地らしい。
そして俺はと言えば、その一角のベンチに横たわっているのだ。後頭部にやわらかい感触
。上に見える友人の顔。やけに近い。
それらの情報を元に、俺はようやく自分の現状を理解した。
つまり俺はベンチで寝ていたのだ。それも、友人にひざまくらをしてもらって。
れやカップルが多い。風船を配るぬいぐるみ。メリーゴーランドや、遠くに見える観覧車
。色とりどりのアトラクション。
確かに疑いようも無く、ここは遊園地らしい。
そして俺はと言えば、その一角のベンチに横たわっているのだ。後頭部にやわらかい感触
。上に見える友人の顔。やけに近い。
それらの情報を元に、俺はようやく自分の現状を理解した。
つまり俺はベンチで寝ていたのだ。それも、友人にひざまくらをしてもらって。
「うわあっ!?」
跳ね起きる。顔が火照る。いや、どうして、でも、なんで……疑問が次から次へと湧いて
きて、どれから解決すればいいのかわからない。
そうだ、まず場所がおかしい。
きて、どれから解決すればいいのかわからない。
そうだ、まず場所がおかしい。
「か、加工所はどこ行った!?」
「加工所って、ゆっくり加工所のこと?」
「そうだよゆっくり加工所! 今日はお前とその一般公開に行ったはずで……」
「加工所って、ゆっくり加工所のこと?」
「そうだよゆっくり加工所! 今日はお前とその一般公開に行ったはずで……」
俺の言葉に、友人ははあっと大きなため息を吐いた。
「確かにゆっくり加工所の一般公開には応募したよ。でも落選しちゃってさ。そしたらキ
ミが、『たまにはゆっくりのことを忘れて遊ぼう』とか言い出して、こうして遊園地に来
たんじゃないか」
「そうだったか……?」
「そう! それでいきなりジェットコースターに乗ろうって言い出して、乗ったはいいけ
ど気分悪くなったっていうからベンチで休んで……で、そんな夢を見るぐらい、ぐっすり
眠っていたみたいだね」
ミが、『たまにはゆっくりのことを忘れて遊ぼう』とか言い出して、こうして遊園地に来
たんじゃないか」
「そうだったか……?」
「そう! それでいきなりジェットコースターに乗ろうって言い出して、乗ったはいいけ
ど気分悪くなったっていうからベンチで休んで……で、そんな夢を見るぐらい、ぐっすり
眠っていたみたいだね」
言われてみればそうだったような気がする。加工所の見学何てできなかった。だから友人
を誘って遊園地に来て、まずはジェットコースターに乗って……恥ずかしい姿をさらして
しまった訳だ。
夢、だったのか。
言われてみれば、あんなことが夢以外でありうるはずがない。夢は覚めると急速に忘れて
しまうものだ。でも、今はただ実感が伴ってきて、あれは夢だったとなおさらはっきり思
えるようになって……そうしたら、急に恥ずかしくなってきた。
を誘って遊園地に来て、まずはジェットコースターに乗って……恥ずかしい姿をさらして
しまった訳だ。
夢、だったのか。
言われてみれば、あんなことが夢以外でありうるはずがない。夢は覚めると急速に忘れて
しまうものだ。でも、今はただ実感が伴ってきて、あれは夢だったとなおさらはっきり思
えるようになって……そうしたら、急に恥ずかしくなってきた。
「あ、あれだな! ジェットコースターってけっこうキクな! 今度ゆっくりを同じ目に
遭わせるのとかどうだ? ヒモつけたバケツに詰めてぶんぶん振り回すとか……」
遭わせるのとかどうだ? ヒモつけたバケツに詰めてぶんぶん振り回すとか……」
照れ隠しにまくし立てる俺に、友人はクスリと微笑んだ。
「そうだね。でも、ジェットコースターの要は落下と上昇だよ。ちょっと高いところ……
ゆっくり相手なら滑り台の上ぐらいでいいんじゃないかな。普通のバケツだと外の様子が
見えないね。ヒモで結ぶだけだとすっぽ抜けそうだから……ゆっくりの中に直接ヒモを通
して痛みも同時に味あわせるといいかもね。それで上下にぐるぐる振り回すといい感じだ
ね」
「おお、そうだな! それで……」
「そ・れ・で! ゆっくりの話をするのはいいけど、今日はそういうのナシで行こうって
いったのは、キミだよ? いいの?」
「あ……」
ゆっくり相手なら滑り台の上ぐらいでいいんじゃないかな。普通のバケツだと外の様子が
見えないね。ヒモで結ぶだけだとすっぽ抜けそうだから……ゆっくりの中に直接ヒモを通
して痛みも同時に味あわせるといいかもね。それで上下にぐるぐる振り回すといい感じだ
ね」
「おお、そうだな! それで……」
「そ・れ・で! ゆっくりの話をするのはいいけど、今日はそういうのナシで行こうって
いったのは、キミだよ? いいの?」
「あ……」
友人はむくれていた。一瞬ゆっくりの威嚇行動、「ぷくう」を思い出した。あれはむかつ
くだけのものだが、友人のそれはかわい過ぎて困る。
そんな状態で見詰め合ってる。顔がどんどん熱くなる。やがて、友人は「ぷくう」をして
いたゆっくりが頬をつつかれたみたいに息を吐いて、笑顔に戻ってくれた。
くだけのものだが、友人のそれはかわい過ぎて困る。
そんな状態で見詰め合ってる。顔がどんどん熱くなる。やがて、友人は「ぷくう」をして
いたゆっくりが頬をつつかれたみたいに息を吐いて、笑顔に戻ってくれた。
「……まあいいよ。それだけ元気なようならもう大丈夫だね。心配したんだから」
「すまない……」
「まあ、元気ならなによりさ。念のため、もうちょっと休んでて。ちょっと『ゆっくりを
泣かしに行って来る』から」
「すまない……」
「まあ、元気ならなによりさ。念のため、もうちょっと休んでて。ちょっと『ゆっくりを
泣かしに行って来る』から」
そういって友人はベンチに俺を残して駆け出した。
「ゆっくりを泣かしに行って来る」と言うのは、トイレに行くときに使う、主に女性が使
うゆ虐言葉だ。「花を摘みに行く」なんて言葉があるが、あれと一緒。通用するのはごく
一部の人間のみ、というのが難点だが。
とりあえずベンチに腰掛ける。一人になり、ようやく落ち着く。まったく、俺は本当にど
うかしていたらしい。たまにはゆっくり抜きで友人と遊ぼうと思ったらこのザマだ。
しかし、やけに鮮明な夢だった。今でもつぶさに思い出せる。なにより、最後のあの言葉
は一生忘れられないんじゃないかと思う。
「ゆっくりを泣かしに行って来る」と言うのは、トイレに行くときに使う、主に女性が使
うゆ虐言葉だ。「花を摘みに行く」なんて言葉があるが、あれと一緒。通用するのはごく
一部の人間のみ、というのが難点だが。
とりあえずベンチに腰掛ける。一人になり、ようやく落ち着く。まったく、俺は本当にど
うかしていたらしい。たまにはゆっくり抜きで友人と遊ぼうと思ったらこのザマだ。
しかし、やけに鮮明な夢だった。今でもつぶさに思い出せる。なにより、最後のあの言葉
は一生忘れられないんじゃないかと思う。
「加工所に疑問を持ってはならない」
そもそも、加工所に疑問を持つこと自体がおかしい。確かに超技術の固まりみたいなイメ
ージはあるけれど、技術の進歩なんて素人から見ればなんだってすごいものだ。
たとえば、携帯だってそうだ。最近買い換えた携帯。それなりに高性能で、ネットの検索
だってらくらくできる。なんとなく取り出して、友人を持つ間の暇つぶしにネット巡回を
始めてしまう。こういう暇つぶしには最適だ。気分転換したいというのもあった。
それなのに、ふと気がつけば加工所の公式サイトにたどり着いていた。加工所の紹介画像
はいつ見てもゆっくりできる。様々な餡子の生産という名の様々な虐待の数々は、初めて
見たときは興奮したものだ。
加工所のサイト内の様々なコンテンツを楽しんでいるうちに、少しおかしなことに気がつ
いた。
ージはあるけれど、技術の進歩なんて素人から見ればなんだってすごいものだ。
たとえば、携帯だってそうだ。最近買い換えた携帯。それなりに高性能で、ネットの検索
だってらくらくできる。なんとなく取り出して、友人を持つ間の暇つぶしにネット巡回を
始めてしまう。こういう暇つぶしには最適だ。気分転換したいというのもあった。
それなのに、ふと気がつけば加工所の公式サイトにたどり着いていた。加工所の紹介画像
はいつ見てもゆっくりできる。様々な餡子の生産という名の様々な虐待の数々は、初めて
見たときは興奮したものだ。
加工所のサイト内の様々なコンテンツを楽しんでいるうちに、少しおかしなことに気がつ
いた。
――加工所の規模に関する情報がない。
普通の企業なら、従業員の数や資本金と言った、その企業の大きさを示すものがあるはず
だ。全国に渡って展開する一大産業、「ゆっくり加工所」。その規模を誇りこそすれ、隠
す理由などないはずだ。
規模についてうかがい知れるものと言えば、企業の沿革ぐらいしかない。そこにはいくつ
かの大きな加工所の建設など、企業として大きくなる様が記されている。
そのなかで気になったのは、加工所の始まり。ゆっくりが世に現れた当初、駆除と見せし
めの虐待が始まりだったらしい。そしてゆっくりの加工所としての基盤が出来上がり……
。
だ。全国に渡って展開する一大産業、「ゆっくり加工所」。その規模を誇りこそすれ、隠
す理由などないはずだ。
規模についてうかがい知れるものと言えば、企業の沿革ぐらいしかない。そこにはいくつ
かの大きな加工所の建設など、企業として大きくなる様が記されている。
そのなかで気になったのは、加工所の始まり。ゆっくりが世に現れた当初、駆除と見せし
めの虐待が始まりだったらしい。そしてゆっくりの加工所としての基盤が出来上がり……
。
「あ! またゆっくりのこと考えてる!」
「おおっ!?」
「おおっ!?」
耳元から突然の声。いつの間にか友人が戻ってきていた。
「今日はゆっくり抜きだって、キミが決めたんでしょ! 決めたことはキチンとやる!
勉強でもゆ虐でも大切なことだよ!」
「あ、ああ……」
「さ! せっかく来たんだから、めいっぱい楽しもう!」
勉強でもゆ虐でも大切なことだよ!」
「あ、ああ……」
「さ! せっかく来たんだから、めいっぱい楽しもう!」
友人は強引に俺の手を引く。
その小さいのに力いっぱい握ってくる手の感触に、俺が逆らえるはずもなかった。
その小さいのに力いっぱい握ってくる手の感触に、俺が逆らえるはずもなかった。
「いやあ、遊んだね」
「……俺はちょっと疲れたよ」
「……俺はちょっと疲れたよ」
ゆっくり虐待については異常なバイタリティを見せる友人。遊園地でもそれは健在らしく
、様々なアトラクションをめぐった。最初のジェットコースターの失敗があったから絶叫
系のものは避けたものの、それでも一日中いろんなアトラクションで遊びまわって、俺と
しては楽しさより疲れが勝りつつあった。
そろそろ閉園時間も近い。最後の締めとして、今はこの遊園地の名物である巨大観覧車に
乗っている。
いい眺めだ。思わず「おそらをとんでるみたい」なんて呟きたく……って、今日はゆっく
り抜きだったな。そもそもゆっくりの言葉なんて言いたくもない。
、様々なアトラクションをめぐった。最初のジェットコースターの失敗があったから絶叫
系のものは避けたものの、それでも一日中いろんなアトラクションで遊びまわって、俺と
しては楽しさより疲れが勝りつつあった。
そろそろ閉園時間も近い。最後の締めとして、今はこの遊園地の名物である巨大観覧車に
乗っている。
いい眺めだ。思わず「おそらをとんでるみたい」なんて呟きたく……って、今日はゆっく
り抜きだったな。そもそもゆっくりの言葉なんて言いたくもない。
「おそらをとんでるみたい!」
友人が突然そんなことを言うので、俺は思わずシートからずり落ちそうになってしまう。
そんな俺を友人はにこにこ笑って眺めている。
そんな俺を友人はにこにこ笑って眺めている。
「先に言われちゃって悔しい? どんな気分? ねえ今どんな気分?」
「どんなもなにもない。呆れただけだ。そんなゆっくりみたいなセリフ、言いたいなんて
思うわけないだろっ」
「へー。そんな風には見えないけどなー? 今日もなーんか、ずーっと気にしてることが
あったでしょ。ゆっくり関係で」
「どんなもなにもない。呆れただけだ。そんなゆっくりみたいなセリフ、言いたいなんて
思うわけないだろっ」
「へー。そんな風には見えないけどなー? 今日もなーんか、ずーっと気にしてることが
あったでしょ。ゆっくり関係で」
やれやれ、と俺は観念した。友人はゆっくり関係では異常に鋭いのだ。俺の気にしている
ことなどお見通しなのだ。
だから俺は包み隠さず、ゆっくり加工所に対しての疑問をあまさずぶちまけた。
あの夢のこと。気持ち悪いぐらい想像通りだった加工所見学。そして、「加工所に疑問を
持ってはならない」という言葉。
ことなどお見通しなのだ。
だから俺は包み隠さず、ゆっくり加工所に対しての疑問をあまさずぶちまけた。
あの夢のこと。気持ち悪いぐらい想像通りだった加工所見学。そして、「加工所に疑問を
持ってはならない」という言葉。
「加工所がどうして存在してるのかなんて、気にしてもしょうがないよ。存在しているも
のは存在しているんだから。キミの疑問は、『どうして宇宙はあるのか』とか、それと同
じレベル。気にしても、あるんだから仕方ないよ。そんなこと言い出したら、世の中のあ
りとあらゆるものの存在理由を気にしなくちゃいけなくなるよ。哲学の領域だね」
「そういう風に言われちまうとそうかもしれないけど……」
「そうだね。納得いかないよね。じゃあ、ちょっとおもしろいネタ話をしてあげよう!」
「ネタ話?」
のは存在しているんだから。キミの疑問は、『どうして宇宙はあるのか』とか、それと同
じレベル。気にしても、あるんだから仕方ないよ。そんなこと言い出したら、世の中のあ
りとあらゆるものの存在理由を気にしなくちゃいけなくなるよ。哲学の領域だね」
「そういう風に言われちまうとそうかもしれないけど……」
「そうだね。納得いかないよね。じゃあ、ちょっとおもしろいネタ話をしてあげよう!」
「ネタ話?」
友人はにっこりとうなずいた。いつも見る顔だ。友人はこんな顔で、いつも俺が思いつか
ないような凄惨な虐待を提案するのだ。
しかもネタ話なんて前置きをするぐらいだから、きっと俺の想像もつかないことを言うに
違いない。
ないような凄惨な虐待を提案するのだ。
しかもネタ話なんて前置きをするぐらいだから、きっと俺の想像もつかないことを言うに
違いない。
「加工所は、ゆっくりの思い込みでできている……そんな説があるんだ」
本当に想像もつかないことを言い出した。
「意味がわからない」
「そうだね。その意味がわからないってのがこのネタ話のキモというか、つかみというか
……あ、そうそう。話を始める前に確認。『ゆっくり存在概論』については知ってる?」
「ああ、一応は」
「そうだね。その意味がわからないってのがこのネタ話のキモというか、つかみというか
……あ、そうそう。話を始める前に確認。『ゆっくり存在概論』については知ってる?」
「ああ、一応は」
文書番号anko0140「ゆっくり存在概論 」。ネットに出回るゆっくりに関する論文だ。も
っとも、論文というより与太話とか都市伝説と言ったほうが近いかもしれない。
内容をかいつまんで言えば、「ゆっくりは異世界からの侵入者で、思い込みの力で我々の
世界を侵食している」というものだ。その論拠は、ゆっくりが時にその身体スペックを超
えたことをなすことだ。それらを可能にするのが「ゆっくりの思い込み」。誰もが知るゆ
っくりの不思議のひとつだが、この「ゆっくり存在概論 」の特殊なのは「思い込み」の
根拠を説明していることだ。
ゆっくりの本来いる世界では、あの馬鹿げたゆっくりの戯言がすべて通用する。ゆっくり
は、思い込むことで現実の物理法則を侵食し、ゆっくりの本来所属する世界のルールを押
し通し、望む結果を得ているというのだ。
その最たる例が、食べたものをなんでも餡子に変換してしまうゆっくりの能力。これは、
口に入れたものに「自分達の世界のルールを押し通した結果」だと言う。
そうすると、ゆっくりが思い込めばこの世のなにもかもが思い通りになるように思える。
それを阻むのが、「人間の認識」。「ゆっくりの思い込み」より、「人間の認識」の方が
強い。なぜなら人間はこの世界に属する先住者であり、また高度な知能を持つ人間の方が
強く正確な認識を持つ。だから「ゆっくりの思い込み」と「人間の認識」が食い違うとき
、どちらが優先されるかと言えば「人間の認識」なのである。ゆえに、ゆっくりは人間に
絶対勝てない。
しかし、ゆっくりはそれでもこの世界に存在している。世界を侵食し続けている。だから
人間はゆっくりを否定し続けなければならない……「ゆっくり存在概論」は、そんな言葉
を結びとしている。
確かにそれなりに筋が通る理屈だ。だが、理屈は理屈。説明がつくだけで、実証はされて
いない。この論文は実際のところ学会では認められず、ネタにしかなっていない。
発表当初はネットで一時的な祭りになった。それも昔のこと。今では、ネット界隈の一部
ではそれなりに有名、という程度のものだ。
俺はそんな「ゆっくり存在概論」について知っていることを軽く友人に説明した。
っとも、論文というより与太話とか都市伝説と言ったほうが近いかもしれない。
内容をかいつまんで言えば、「ゆっくりは異世界からの侵入者で、思い込みの力で我々の
世界を侵食している」というものだ。その論拠は、ゆっくりが時にその身体スペックを超
えたことをなすことだ。それらを可能にするのが「ゆっくりの思い込み」。誰もが知るゆ
っくりの不思議のひとつだが、この「ゆっくり存在概論 」の特殊なのは「思い込み」の
根拠を説明していることだ。
ゆっくりの本来いる世界では、あの馬鹿げたゆっくりの戯言がすべて通用する。ゆっくり
は、思い込むことで現実の物理法則を侵食し、ゆっくりの本来所属する世界のルールを押
し通し、望む結果を得ているというのだ。
その最たる例が、食べたものをなんでも餡子に変換してしまうゆっくりの能力。これは、
口に入れたものに「自分達の世界のルールを押し通した結果」だと言う。
そうすると、ゆっくりが思い込めばこの世のなにもかもが思い通りになるように思える。
それを阻むのが、「人間の認識」。「ゆっくりの思い込み」より、「人間の認識」の方が
強い。なぜなら人間はこの世界に属する先住者であり、また高度な知能を持つ人間の方が
強く正確な認識を持つ。だから「ゆっくりの思い込み」と「人間の認識」が食い違うとき
、どちらが優先されるかと言えば「人間の認識」なのである。ゆえに、ゆっくりは人間に
絶対勝てない。
しかし、ゆっくりはそれでもこの世界に存在している。世界を侵食し続けている。だから
人間はゆっくりを否定し続けなければならない……「ゆっくり存在概論」は、そんな言葉
を結びとしている。
確かにそれなりに筋が通る理屈だ。だが、理屈は理屈。説明がつくだけで、実証はされて
いない。この論文は実際のところ学会では認められず、ネタにしかなっていない。
発表当初はネットで一時的な祭りになった。それも昔のこと。今では、ネット界隈の一部
ではそれなりに有名、という程度のものだ。
俺はそんな「ゆっくり存在概論」について知っていることを軽く友人に説明した。
「概要は知ってるようだね」
「バカバカしい話だよな」
「でもね……あの論文、ちゃんと読むと怖いんだ。『思い込み』の力は、本来はとても強
力なんだ」
「……って言っても、せいぜい野菜を喰ったり家に侵入したりする程度だろ。まあでも、
所詮ゆっくり、そんなことをしても自滅するだけだ」
「違うよ。あの論文が警告している通り、『思い込み』は本当に世界を壊してしまいかね
ない力。だって、思うだけで世界の概念を変質させてしまうんだよ? ゆっくりの世界に
はボクらのような人間が存在しないわけだから、ゆっくりの『思い込み』すべてが実現し
てしまったら人間は滅んでしまうってことになるんだ」
「そんな馬鹿げたことあるわけない! ゆっくりごときがそんな……そもそも、あの論文
ではっきりと、そんなことにはならないって言ってるじゃないか。人間の認識の方が強い
って! 人間の方が頭が良くて、この世界の住人だから……」
「それなのに、不思議だと思ったことはない? 人間の方がずっと強いというのに、ゆっ
くりは存在し続けている。どれだけ虐待しようと、どれだけ大量駆除しようとしても、決
して滅びない」
「バカバカしい話だよな」
「でもね……あの論文、ちゃんと読むと怖いんだ。『思い込み』の力は、本来はとても強
力なんだ」
「……って言っても、せいぜい野菜を喰ったり家に侵入したりする程度だろ。まあでも、
所詮ゆっくり、そんなことをしても自滅するだけだ」
「違うよ。あの論文が警告している通り、『思い込み』は本当に世界を壊してしまいかね
ない力。だって、思うだけで世界の概念を変質させてしまうんだよ? ゆっくりの世界に
はボクらのような人間が存在しないわけだから、ゆっくりの『思い込み』すべてが実現し
てしまったら人間は滅んでしまうってことになるんだ」
「そんな馬鹿げたことあるわけない! ゆっくりごときがそんな……そもそも、あの論文
ではっきりと、そんなことにはならないって言ってるじゃないか。人間の認識の方が強い
って! 人間の方が頭が良くて、この世界の住人だから……」
「それなのに、不思議だと思ったことはない? 人間の方がずっと強いというのに、ゆっ
くりは存在し続けている。どれだけ虐待しようと、どれだけ大量駆除しようとしても、決
して滅びない」
返答に詰まる。確かに、ゆっくりは簡単に殺せる。踏み潰すだけで済む。慣れれば中枢餡
をひと突きで「永遠にゆっくり」だ。だが、絶滅に成功した人間は未だかつて存在しない
。
をひと突きで「永遠にゆっくり」だ。だが、絶滅に成功した人間は未だかつて存在しない
。
「ボクはね、こう思うんだ。ゆっくりの『思い込み』の能力は、本来とっても強力。でも
その力は、現実世界に存在するために大半を消費しているんじゃないかって」
その力は、現実世界に存在するために大半を消費しているんじゃないかって」
それは、妙に納得を覚える説だった。
確かに、ゆっくりは現実にはありえない。それが実在し、生きているということこそが一
番異常なのだ。そのことに比べれば、ゆっくりが畑を荒らしたり家宅侵入したりするなん
てこと、些細なことなのかもしれない。
確かに、ゆっくりは現実にはありえない。それが実在し、生きているということこそが一
番異常なのだ。そのことに比べれば、ゆっくりが畑を荒らしたり家宅侵入したりするなん
てこと、些細なことなのかもしれない。
「ゆっくりは異世界からの侵入者。そして、ゆっくりが存在するってことは、『ゆっくり
することを求める』ことなんだ」
「まあ……あいつらはいつもゆっくりゆっくり言ってやがるけど……都会の野良とか哀れ
なくらいゆっくりしていない」
「ゆっくりしていないからこそゆっくりを求めるんだよ。これはとても普通のこと。光な
くして影は生まれない。逆に言えば、影を見るからこそ光の存在を実感できるんだ。光な
んてまぶしいだけで、どんなものかよくわからない。光を知るためには、影に目を向けな
くてはならない。光は形がわからないけど、影を見ることで光の形を知ることができる」
「なんか嫌な考え方だな」
「みんな目を背けているだけだよ。綺麗なものを知るためには汚いものをしらなくちゃい
けない。おいしい料理を味わうためにはまずい料理を知らなくてはならない。しあわせを
知るためには不幸を知らなくてはならない。何事も表裏一体。でも、裏なんて誰も見たが
らない。大抵フィルター越しにぼんやりと見るだけさ。光を見ているつもりで実は影を見
てるってのもよくあることだよ」
「……なんか難しい話になってきたな」
することを求める』ことなんだ」
「まあ……あいつらはいつもゆっくりゆっくり言ってやがるけど……都会の野良とか哀れ
なくらいゆっくりしていない」
「ゆっくりしていないからこそゆっくりを求めるんだよ。これはとても普通のこと。光な
くして影は生まれない。逆に言えば、影を見るからこそ光の存在を実感できるんだ。光な
んてまぶしいだけで、どんなものかよくわからない。光を知るためには、影に目を向けな
くてはならない。光は形がわからないけど、影を見ることで光の形を知ることができる」
「なんか嫌な考え方だな」
「みんな目を背けているだけだよ。綺麗なものを知るためには汚いものをしらなくちゃい
けない。おいしい料理を味わうためにはまずい料理を知らなくてはならない。しあわせを
知るためには不幸を知らなくてはならない。何事も表裏一体。でも、裏なんて誰も見たが
らない。大抵フィルター越しにぼんやりと見るだけさ。光を見ているつもりで実は影を見
てるってのもよくあることだよ」
「……なんか難しい話になってきたな」
ため息を吐き、外を眺める。夕日に照らされ街が広がっている。観覧車はいつの間にか頂
点近くまで来ていて、街が遠くまでよく見渡せた。
ビルも家も木々も人も、赤く染め上げられ長い影を引きずっている。
友人の言うことはなんだか難しいことだが、感覚的に理解はできた。例えば目に映るこの
光景がそうだ。赤に染められた世界を見ることで夕暮れを感じることができる。長い影で
日が暮れるのを実感できる。だが、実際に目にしているのは夕日そのものじゃない。光の
反射と影だ。そもそも、人間の眼はは夕日を直に見ることができない。大気や雲というフ
ィルターを通さなくては、たちまち目が潰れてしまう。だから、夕日に目を向けたとして
も、眼に映るのは「大気に映った夕日の影」なのだ。
点近くまで来ていて、街が遠くまでよく見渡せた。
ビルも家も木々も人も、赤く染め上げられ長い影を引きずっている。
友人の言うことはなんだか難しいことだが、感覚的に理解はできた。例えば目に映るこの
光景がそうだ。赤に染められた世界を見ることで夕暮れを感じることができる。長い影で
日が暮れるのを実感できる。だが、実際に目にしているのは夕日そのものじゃない。光の
反射と影だ。そもそも、人間の眼はは夕日を直に見ることができない。大気や雲というフ
ィルターを通さなくては、たちまち目が潰れてしまう。だから、夕日に目を向けたとして
も、眼に映るのは「大気に映った夕日の影」なのだ。
「さて、ゆっくりたちにとって『ゆっくりすること』が光なら、『ゆっくりできないこと
』が影。その影の象徴はなんになると思う?」
「そりゃ、ゆっくりできないことの象徴といえば、ゆっくり加工所以外ありえないだろ」
』が影。その影の象徴はなんになると思う?」
「そりゃ、ゆっくりできないことの象徴といえば、ゆっくり加工所以外ありえないだろ」
俺の回答に友人は頷いた。なんだか人の悪い笑みを浮かべている。それは親ゆっくりの前
で子ゆっくりを潰すときのような、残酷で意地悪で、それなのにやたら輝いている、友人
の魅力的な表情のひとつ。
で子ゆっくりを潰すときのような、残酷で意地悪で、それなのにやたら輝いている、友人
の魅力的な表情のひとつ。
「さて、話をまとめよう。ゆっくりは『思い込み』によってこの世界に存在する。『ゆっ
くりできること』を望み、それができるよう『思い込む』。必然的にできる影が『ゆっく
りできないこと』。その象徴が『ゆっくり加工所』」
「お、おい……ちょっと待て……!」
くりできること』を望み、それができるよう『思い込む』。必然的にできる影が『ゆっく
りできないこと』。その象徴が『ゆっくり加工所』」
「お、おい……ちょっと待て……!」
なにか妙な予感がした。なにか恐ろしいことを言おうとしている。冒涜的な、おぞましい
、触れてはいけない何か。俺にも分かりかけていて、でもだからこそ言葉にしてはいけな
いと思える何か。
友人は俺の制止も聞かず、それを言葉にする。
、触れてはいけない何か。俺にも分かりかけていて、でもだからこそ言葉にしてはいけな
いと思える何か。
友人は俺の制止も聞かず、それを言葉にする。
「ゆっくり加工所は、ゆっくりがこの世界に存在するための『思い込み』によってできて
いる」
いる」
絶句した。
話の流れは分かる。言っている内容は理解できる。それなのに、受け入れられない。意味
が分からない。
友人は、呆然とする俺をよそに言葉を続ける。
話の流れは分かる。言っている内容は理解できる。それなのに、受け入れられない。意味
が分からない。
友人は、呆然とする俺をよそに言葉を続ける。
「厳密に言えば、加工所はゆっくりの『思い込み』だけでできているじゃないんだ。さっ
きの例に沿えば、ゆっくりの『思い込み』が光。では、その影を形作るものはなんだろう
? なにが影の形を決定しているのか、わかるかな?」
「………」
「わかるはずだよ。ボクたちの世界にある、ゆっくりの『思い込み』に対抗できる強力無
比なものがある。キミだってさっき口にしたじゃないか!」
「……人間の……認識……?」
「ご名答! 人間の認識こそが加工所を形作る! 望めば加工所は勝手に生えてくるんだ
よ! 期待通りに、どんな無茶だって可能にして!」
きの例に沿えば、ゆっくりの『思い込み』が光。では、その影を形作るものはなんだろう
? なにが影の形を決定しているのか、わかるかな?」
「………」
「わかるはずだよ。ボクたちの世界にある、ゆっくりの『思い込み』に対抗できる強力無
比なものがある。キミだってさっき口にしたじゃないか!」
「……人間の……認識……?」
「ご名答! 人間の認識こそが加工所を形作る! 望めば加工所は勝手に生えてくるんだ
よ! 期待通りに、どんな無茶だって可能にして!」
……それならば。それならば、説明がつく。
ありえないほどの規模。どこの街にも存在し、明らかに需要を上回る餡子を生産し、それ
でいて企業として成り立つ。透明な箱を始めとする超技術の虐待グッズの数々も、「人間
がそう望んだなら」加工所は創り上げるのだろう。
でも、そんな、そんな馬鹿なこと。
ありえないほどの規模。どこの街にも存在し、明らかに需要を上回る餡子を生産し、それ
でいて企業として成り立つ。透明な箱を始めとする超技術の虐待グッズの数々も、「人間
がそう望んだなら」加工所は創り上げるのだろう。
でも、そんな、そんな馬鹿なこと。
「キミは、夢のなかで加工所の存在を否定して、『加工所に疑問を持ってはならない』っ
てみんなから言われたんだってね。それも当然さ」
「……?」
「光があれば影が生じる。ゆっくりはこの世界に存在してしまった。その帳尻を合わせる
ための影が、加工所。それを『人間の認識』で否定しちゃったらどうなる? 影が無くな
ったら、また別の新しい影を作らなきゃならない。そうしたら大変だ、その過程で世界は
どっか壊れちゃうかも知れない。基本的に世界は安定を求めているんだよ。つまりキミは
世界の意志に怒られたんだよ! そりゃ、加工所見学も『なかったこと』になるよ!」
てみんなから言われたんだってね。それも当然さ」
「……?」
「光があれば影が生じる。ゆっくりはこの世界に存在してしまった。その帳尻を合わせる
ための影が、加工所。それを『人間の認識』で否定しちゃったらどうなる? 影が無くな
ったら、また別の新しい影を作らなきゃならない。そうしたら大変だ、その過程で世界は
どっか壊れちゃうかも知れない。基本的に世界は安定を求めているんだよ。つまりキミは
世界の意志に怒られたんだよ! そりゃ、加工所見学も『なかったこと』になるよ!」
荒唐無稽だ。むちゃくちゃだ。それなのに、心底情けないことに、俺には返す言葉がない
。見つからない。
。見つからない。
「信じられないみたいだね」
「……当たり前だ……」
「それじゃあ、今すぐ加工所を作ってあげようか。あの辺に加工所ができたらいいなあ…
…できたらいいなあ……できたらいいなあ……」
「……当たり前だ……」
「それじゃあ、今すぐ加工所を作ってあげようか。あの辺に加工所ができたらいいなあ…
…できたらいいなあ……できたらいいなあ……」
呪文のようにつぶやくと、ぱん、と友人は手を打ち合わせた。
「はい、できました!」
そうして観覧車の外を指さした。
そちらの方におそるおそる目をやる。
学校のような建物があった。学校のよう、と思ったのは、飾り気の無いコンクリの建物に
、グラウンドみたいな広い庭を持っていたからだ。
そして、その庭の中では無数のボールのようなものが跳ね回っていた。いや、ような、と
いうのはおかしい。俺には分かる分かってしまう。普段から虐待しているから、やつらの
動き方をよく知っているから、観覧車の上から見ても判別がつく。あの独特な動きは間違
いない。
そちらの方におそるおそる目をやる。
学校のような建物があった。学校のよう、と思ったのは、飾り気の無いコンクリの建物に
、グラウンドみたいな広い庭を持っていたからだ。
そして、その庭の中では無数のボールのようなものが跳ね回っていた。いや、ような、と
いうのはおかしい。俺には分かる分かってしまう。普段から虐待しているから、やつらの
動き方をよく知っているから、観覧車の上から見ても判別がつく。あの独特な動きは間違
いない。
――ゆっくりだ。
「……どう? これでも信じられない?」
「………」
「………」
俺には答える言葉がなかった。いや、答えたくなかった。こんなこと認めてしまったら、
俺が常識だと信じてきたなにもかもが、この世界そのものが崩れてしまうように思えたか
らだ。
全身から血の気が退いた。めまいがする。このまま気を失ってしまいそうだ。いっそそう
なったら楽なのに、なんてことまで考えてしまう。
そんな俺に、友人はとどめの一撃を放った。
俺が常識だと信じてきたなにもかもが、この世界そのものが崩れてしまうように思えたか
らだ。
全身から血の気が退いた。めまいがする。このまま気を失ってしまいそうだ。いっそそう
なったら楽なのに、なんてことまで考えてしまう。
そんな俺に、友人はとどめの一撃を放った。
「信じられないみたいだね。無理もないよ。今言ったのはまったくのデタラメ、つい最近
ネットで議論されるようになったホラ話、『加工所存在概論』なんだから、ね」
ネットで議論されるようになったホラ話、『加工所存在概論』なんだから、ね」
茶目っ気たっぷりに言った友人の言葉を、俺はしばらく理解できなかった。
それこそゆっくりの餡子脳なみの緩慢さで、言葉を咀嚼し、その意味を理解し、そして、
それこそゆっくりの餡子脳なみの緩慢さで、言葉を咀嚼し、その意味を理解し、そして、
「なんじゃそりゃああああああ!?」
絶叫した。
「ごめんってばぁ、悪かったってば! もう謝るから許してよ」
早足で歩く俺のあとを、友人がついてくる。
あの絶叫した瞬間、観覧車のゴンドラは地面に着いた。つまり俺の絶叫は、観覧車の係の
人間にもばっちり聞かれてしまったのだ。
俺はからかわれたことの怒りよりも、恥ずかしさでこうして早歩きをしているわけだ。
でも、もうだいぶ観覧車から離れた。ちょうど一通りのあまりない、遊園地の通路の一角
に来た。都合のいいことにベンチもある。
ここらで、いいだろう。
俺は無言でベンチに座った。
友人はしゅんとして、俺の前に立っている。友人は背が低いから、こうするとちょうど目
線の高さが合うようになる。
あの絶叫した瞬間、観覧車のゴンドラは地面に着いた。つまり俺の絶叫は、観覧車の係の
人間にもばっちり聞かれてしまったのだ。
俺はからかわれたことの怒りよりも、恥ずかしさでこうして早歩きをしているわけだ。
でも、もうだいぶ観覧車から離れた。ちょうど一通りのあまりない、遊園地の通路の一角
に来た。都合のいいことにベンチもある。
ここらで、いいだろう。
俺は無言でベンチに座った。
友人はしゅんとして、俺の前に立っている。友人は背が低いから、こうするとちょうど目
線の高さが合うようになる。
「……で、なんであんなことしたんだ? お前がゆっくり相手以外にあんなからかいかた
するの珍しい」
「……知ってると思ったんだ」
「え?」
「夢で見た、なんて言ってあんな話したから、てっきり『加工所存在概論』のネタ、知っ
てると思ったんだ。それでボクにネタふりしてきたと思ったんだよ。途中でなんか違うな
ーって、気づいたんだけど、なんていうか、悪ノリしちゃって……」
するの珍しい」
「……知ってると思ったんだ」
「え?」
「夢で見た、なんて言ってあんな話したから、てっきり『加工所存在概論』のネタ、知っ
てると思ったんだ。それでボクにネタふりしてきたと思ったんだよ。途中でなんか違うな
ーって、気づいたんだけど、なんていうか、悪ノリしちゃって……」
友人はペコリと頭を下げた。
目の前で長い黒髪が舞い、いい香りがした。
目の前で長い黒髪が舞い、いい香りがした。
「ごめんなさい!」
ここまでちゃんと謝られると、俺も強くは言えなくなる。あんなことになった原因は友人
の悪ノリばかりではなく、実のところ俺のアホすぎたってこともある。そもそも、もう怒
りもそんなに沸いていなかった。
の悪ノリばかりではなく、実のところ俺のアホすぎたってこともある。そもそも、もう怒
りもそんなに沸いていなかった。
「もういいよ。許す」
「ほんと!?」
「ほんと!?」
ぱっと顔を上げる。至近距離で友人の笑顔が咲いた。照れくさくなって思わず顔を背けた
。
。
「ああ、ホントだホント。この件はこれで終わり。お互い引きずるのはなし」
「うん、了解!」
「うん、了解!」
そう言って、友人はちょこんと俺の隣に座った。
なんとなく安心でき、俺はベンチの背に身を預けると、大きくため息を吐いた。
なんとなく安心でき、俺はベンチの背に身を預けると、大きくため息を吐いた。
「なんか、どっと疲れた……」
「ゆっくり抜きでってことで遊園地に来たけど、結局ゆっくりのことになっちゃったね」
「まあ俺達はそういう関係だからな」
「そうだね!」
「ゆっくり抜きでってことで遊園地に来たけど、結局ゆっくりのことになっちゃったね」
「まあ俺達はそういう関係だからな」
「そうだね!」
友人のうれしそうな声。はしゃぐ理由もわかる。基本的にゆっくりの虐待というのは公に
できない趣味だ。加工所の情報がいまいちはっきりしないのも、きっとそのへんが理由だ
ろう。
だから、虐待仲間というのは大切なものだ。変に引きずらず、仲直りできて良かった。
できない趣味だ。加工所の情報がいまいちはっきりしないのも、きっとそのへんが理由だ
ろう。
だから、虐待仲間というのは大切なものだ。変に引きずらず、仲直りできて良かった。
「……それにしても、今回のアレ、なんだかゆっくりの『思い込み』ってやつが怖くなっ
たよ」
「なんで?」
「なんでって……だって、本当に『思い込み』でなんだってできちまいそうじゃないか。
それこそ、ゆっくりの『思い込み』で世界を支配することだって……」
たよ」
「なんで?」
「なんでって……だって、本当に『思い込み』でなんだってできちまいそうじゃないか。
それこそ、ゆっくりの『思い込み』で世界を支配することだって……」
馬鹿なことを言って笑おうと、なんとなく口にしたこと。言葉にして、ぞっとした。
「ゆっくり存在概論」なんて信じてるわけじゃないが、それでもあれの存在は、俺にバカ
な戯言を笑い飛ばせないものがあるのだ。
「ゆっくり存在概論」なんて信じてるわけじゃないが、それでもあれの存在は、俺にバカ
な戯言を笑い飛ばせないものがあるのだ。
「逆だよ」
中途半端に止めてしまった話を、友人は軽く切り捨てた。
「ゆっくりの『思い込み』で世界を支配するんじゃないよ。ボクたちの思い込みで、世界
のゆっくりを支配してるんじゃないか」
のゆっくりを支配してるんじゃないか」
俺は、心底安心した。
言葉だけじゃない。
友人の笑顔だ。
こいつはずるいんだ。一人称が「ボク」で、理屈っぽく喋って、ゆっくり以外には無感情
で。背が低くて、その上胸が控えめだから普段は意識しなくて済むのに。
ゆっくりについて話すときにだけ見せる、とびっきりの笑顔。そのときだけ、急にかわい
らしい女の子に戻ってしまうのだ。
俺はきっと、これからもずっと。この笑顔を見続けるために、今回みたいにからかわれて
も絶対許してしまうのだろう。
言葉だけじゃない。
友人の笑顔だ。
こいつはずるいんだ。一人称が「ボク」で、理屈っぽく喋って、ゆっくり以外には無感情
で。背が低くて、その上胸が控えめだから普段は意識しなくて済むのに。
ゆっくりについて話すときにだけ見せる、とびっきりの笑顔。そのときだけ、急にかわい
らしい女の子に戻ってしまうのだ。
俺はきっと、これからもずっと。この笑顔を見続けるために、今回みたいにからかわれて
も絶対許してしまうのだろう。
了
by触発あき
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