ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko2588 ひとりぼっちのまりさ
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ankoss
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『ひとりぼっちのまりさ』 7KB
観察 小ネタ 不運 野良ゆ 赤ゆ 都会 現代 思いつき小ネタです
観察 小ネタ 不運 野良ゆ 赤ゆ 都会 現代 思いつき小ネタです
道路の片隅に落ちた、柔らかな一つの塊。
それが全身を震わせ、精一杯の産声を上げる。
無音。
答えるものは居ない、ぐるりと辺りを見渡すと、遠くから微かな明かりが漏れていた。
それが全身を震わせ、精一杯の産声を上げる。
無音。
答えるものは居ない、ぐるりと辺りを見渡すと、遠くから微かな明かりが漏れていた。
彼女の名前はまりさ、生まれた時から所有している情報が、それを教えてくれた。
しかしまりさには、それ以外は何も無かった。
都会のビルの隙間で産み落とされたまりさの親は、
明かりの届かないそこでまりさは気づくことが出来なかったが、既に息絶えていた。
まりさは頭の中にぼんやりと浮かぶ”ゆっくり”を求めて明かりの方へ、ゆっくりと進んでいった。
しかしまりさには、それ以外は何も無かった。
都会のビルの隙間で産み落とされたまりさの親は、
明かりの届かないそこでまりさは気づくことが出来なかったが、既に息絶えていた。
まりさは頭の中にぼんやりと浮かぶ”ゆっくり”を求めて明かりの方へ、ゆっくりと進んでいった。
しばらく進むと、そこは繁華街の中心だった。
キラキラとしたネオンが輝き、人々は笑顔でそれぞれの歩みを進めている。
足元にいる、子供の手のひらにも乗ってしまうようなちっぽけなまりさの存在など、誰も気づきもしなかった。
まりさははじめて見る生き物に感動し、大きな声で挨拶をした。
キラキラとしたネオンが輝き、人々は笑顔でそれぞれの歩みを進めている。
足元にいる、子供の手のひらにも乗ってしまうようなちっぽけなまりさの存在など、誰も気づきもしなかった。
まりさははじめて見る生き物に感動し、大きな声で挨拶をした。
ゆっくりしていってね!
しかし誰も気にしない、小さなまりさの声など、はるか遠くにある人間達の耳には届かなかったのだ。
ふと、小さな子供がまりさを見つけて、楽しそうに指で指し示す。
まりさもそれに気づいて笑顔を返したが、その子の親がすぐにそれを制して、子供の手を引いてどこかに歩いていってしまう。
ふと、小さな子供がまりさを見つけて、楽しそうに指で指し示す。
まりさもそれに気づいて笑顔を返したが、その子の親がすぐにそれを制して、子供の手を引いてどこかに歩いていってしまう。
まりさは一人ぼっちだった。
季節は冬、空気は冷たく乾燥している、それに地面もすっかり冷えていて、まりさの体を徐々に冷やしていく。
それでもまりさは、小さな体を元気一杯に動かして駆け回った。
人間の足に踏み潰されないように道の端を進んでいると、わき道ににこにことした顔のゆっくりの親子が居た。
母親れいむと父親まりさ、という一般的な番、それに二匹の子供であろうちいさなれいむとまりさが一匹ずつの、極ありふれたゆっくりの家族だ。
まりさは自分の同族を見つけ、大喜びで近づいていった。
近づくまりさに気づいた子ゆっくり2匹が、笑顔になって近づこうとした。
しかし両者の間に母親れいむが近づき、まりさのことを、もみあげを使って弾き飛ばした。
地面に転がされ、まりさは一瞬何が起こったのか理解できなかったが、視界の端で親れいむが何か大声早口でまくし立てているのが目に入った。
それを父親まりさが困った顔でなだめている。
子供達は突然怒り狂うれいむを恐れ、泣き出してしまう。
それでもまりさは、小さな体を元気一杯に動かして駆け回った。
人間の足に踏み潰されないように道の端を進んでいると、わき道ににこにことした顔のゆっくりの親子が居た。
母親れいむと父親まりさ、という一般的な番、それに二匹の子供であろうちいさなれいむとまりさが一匹ずつの、極ありふれたゆっくりの家族だ。
まりさは自分の同族を見つけ、大喜びで近づいていった。
近づくまりさに気づいた子ゆっくり2匹が、笑顔になって近づこうとした。
しかし両者の間に母親れいむが近づき、まりさのことを、もみあげを使って弾き飛ばした。
地面に転がされ、まりさは一瞬何が起こったのか理解できなかったが、視界の端で親れいむが何か大声早口でまくし立てているのが目に入った。
それを父親まりさが困った顔でなだめている。
子供達は突然怒り狂うれいむを恐れ、泣き出してしまう。
れいむは、まりさが孤児だということをいち早く察し、これから厳しい越冬に入るというのに、
万一にもまりさが家族に入り養う頭数が増えてしまうという事態になることを恐れたのだ。
過剰反応とも取れるこの行動、しかし街野良として生き延びていくためには、甘さ故の判断が後々死につながることも、十分にありえる。
万一にもまりさが家族に入り養う頭数が増えてしまうという事態になることを恐れたのだ。
過剰反応とも取れるこの行動、しかし街野良として生き延びていくためには、甘さ故の判断が後々死につながることも、十分にありえる。
だが、まだ小さなまりさにはれいむの怒りを理解出来なかった。
まりさは涙を堪えながらその場を後にした。
まりさは涙を堪えながらその場を後にした。
ゆっくりとは、何だろうか。
まりさは一人で這いずりながら考えた。
生まれた時、自分の名前と、”ゆっくりしたい”という欲求だけが自分の中にあったのを覚えている。
声の出し方も、話す言葉の意味も、少しだけだけど簡単なことははじめからわかっていた。
けれどゆっくりしたことの無いまりさは、ゆっくりすることの意味がわからなかった。
まりさは一人で這いずりながら考えた。
生まれた時、自分の名前と、”ゆっくりしたい”という欲求だけが自分の中にあったのを覚えている。
声の出し方も、話す言葉の意味も、少しだけだけど簡単なことははじめからわかっていた。
けれどゆっくりしたことの無いまりさは、ゆっくりすることの意味がわからなかった。
あの親子の居たところから少し進んだところに、一軒のキラキラとしたイルミネーションに包まれた綺麗な店があった。
その軒先に、さっきあの怖いれいむのそばにいて、止めてくれた親まりさに似たまりさが居た。
まりさには見分けが付かなかったけれど、それはその店のディスプレイとして置いてある置物の人形だった。
まりさはさっき起こった怖い記憶を拭い、それに近づき、挨拶をする。
挨拶は返ってこなかったが、拒まれることも無かった。
置物はただキリッとした凛々しい顔を、店の前を行く人々の方に向けている。
置物の正面に対峙したまりさは、店のガラスに映る自分の姿が映っているのを見つけた。
ガラスのそばにより、のーびのーびしたり、おさげを振って確かめる、それに合わせてガラスに映ったまりさの姿も、同じように動く。
それを見てまりさは、初めて自分の外見を知った。
そしてさっきの家族の親まりさ、子まりさや、置物のまりさと自分が似ていることに気づいた。
その軒先に、さっきあの怖いれいむのそばにいて、止めてくれた親まりさに似たまりさが居た。
まりさには見分けが付かなかったけれど、それはその店のディスプレイとして置いてある置物の人形だった。
まりさはさっき起こった怖い記憶を拭い、それに近づき、挨拶をする。
挨拶は返ってこなかったが、拒まれることも無かった。
置物はただキリッとした凛々しい顔を、店の前を行く人々の方に向けている。
置物の正面に対峙したまりさは、店のガラスに映る自分の姿が映っているのを見つけた。
ガラスのそばにより、のーびのーびしたり、おさげを振って確かめる、それに合わせてガラスに映ったまりさの姿も、同じように動く。
それを見てまりさは、初めて自分の外見を知った。
そしてさっきの家族の親まりさ、子まりさや、置物のまりさと自分が似ていることに気づいた。
生れ落ちてから数時間、誰も優しくしてくれなかったが、この人は自分を拒まない、一緒に居ても許される。
まりさはそう感じ、置物にそっと寄り添った。
置物は外気に晒され、ひんやりと冷たかったが、じっとしているとまりさのぬくもりが移り、接しているところが少しずつ温かみを帯びていった。
まりさのおなかがきゅうと小さな音を立てた。
けれどまりさは自ら食事を取ることをしたことが無かったし、それに今はこの場所を離れたくなかった。
置物は外気に晒され、ひんやりと冷たかったが、じっとしているとまりさのぬくもりが移り、接しているところが少しずつ温かみを帯びていった。
まりさのおなかがきゅうと小さな音を立てた。
けれどまりさは自ら食事を取ることをしたことが無かったし、それに今はこの場所を離れたくなかった。
目を閉じ、体の力を抜いて、ぼんやりとする。
この体を優しく包み込む暖かな気持ち、これが”ゆっくり”。
まりさは自分の中でそう結論づけた。
今までゆっくり出来なかったけれど、今やっと、ゆっくりすることが出来た。
まりさはその喜びに打ち震えた。
この体を優しく包み込む暖かな気持ち、これが”ゆっくり”。
まりさは自分の中でそう結論づけた。
今までゆっくり出来なかったけれど、今やっと、ゆっくりすることが出来た。
まりさはその喜びに打ち震えた。
まりさは思った、この人にまりさのお母さんになってもらおう。
今日は疲れたから、ゆっくりして、明日お母さんにいろんなことを教えてもらおう。
今日は疲れたから、ゆっくりして、明日お母さんにいろんなことを教えてもらおう。
ふと、無音。
行き交う人々が一斉に足を止め、頭上を見上げた。
わあ!雪だ!
誰とも無く声が上がる。
その声にまりさは目を開け、体を持ち上げて夜空を仰いだ。
イルミネーションの光を反射して、キラキラとした白い塊が、ふわふわと音も無く降って来る。
それは小さなまりさにとって、生まれてはじめて見る夢のような美しい光景だった。
気温は一段と下がり、小さなまりさの体から徐々に熱を奪っていく。
けれどまりさはそんなことも気にせず、その光景にすっかり目を奪われていた。
わあ!雪だ!
誰とも無く声が上がる。
その声にまりさは目を開け、体を持ち上げて夜空を仰いだ。
イルミネーションの光を反射して、キラキラとした白い塊が、ふわふわと音も無く降って来る。
それは小さなまりさにとって、生まれてはじめて見る夢のような美しい光景だった。
気温は一段と下がり、小さなまりさの体から徐々に熱を奪っていく。
けれどまりさはそんなことも気にせず、その光景にすっかり目を奪われていた。
ねぇおかーさん、あのきらきらさんはなんていうの?
とってもきれいだね、まりさはじめてみたよ、きらきらさんはゆっくりできるね。
ねぇおかーさん、まりさいまとってもゆっくりしてるよ、おかーさんもゆっくりしてる?
これからずっといっしょだよね、ずっといっしょにゆっくりしよーね。
ゆゆぅ…まりさなんだかねむたくなってきちゃったよ…
まりさはもう一度”おかーさん”に体をこすりつけ、ゆっくりと目を閉じた。
もう返ってくるぬくもりも無い、ひんやりとした冷たさがまりさを包み込む。
もう返ってくるぬくもりも無い、ひんやりとした冷たさがまりさを包み込む。
ふと、イルミネーションの明かりが消えた。
行きかう人も今は見る影も無い。
少しずつ確実に、小さなまりさは冬の冷たさに体力を奪われていった。
けれどまりさはそれに気づかない。
寒さも、空腹も、ゆっくりしているまりさには無意味だった。
行きかう人も今は見る影も無い。
少しずつ確実に、小さなまりさは冬の冷たさに体力を奪われていった。
けれどまりさはそれに気づかない。
寒さも、空腹も、ゆっくりしているまりさには無意味だった。
しんしんと、静かに雪が積もっていく。
温もりも冷たさも、喜びも悲しみも、白い世界が全てを塗りつぶす。
温もりも冷たさも、喜びも悲しみも、白い世界が全てを塗りつぶす。
誰にも知られること無く、一つの命の短すぎる一生が幕を閉じた。
終わり
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二週間以上も間が空いてしまったのでふでならしに短めのを書いてみました。
ネタ帳にはこういうような短いお話がちらほらたまってたりはするのですが
時間が無いのと、あこがれの続きを書かなければいけないのでこれからも投稿ペースは若干落ちてしまいそうです…
お仕事、医者に行って、またお仕事、やっと病院に行くのがすんだかと思ったらこんどは風邪
連勤続いて、せっかく貰った2連休も、結局風邪で寝込んでなーんにも出来ませんでした。
なんだかうまくいかないことが続いて滅入ってしまいます…
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ネタ帳にはこういうような短いお話がちらほらたまってたりはするのですが
時間が無いのと、あこがれの続きを書かなければいけないのでこれからも投稿ペースは若干落ちてしまいそうです…
お仕事、医者に行って、またお仕事、やっと病院に行くのがすんだかと思ったらこんどは風邪
連勤続いて、せっかく貰った2連休も、結局風邪で寝込んでなーんにも出来ませんでした。
なんだかうまくいかないことが続いて滅入ってしまいます…
お仕事さんも風邪さんも、ついでに時間さんも、もっとゆっくりしてね…
ばや汁でした。
いつも多数のご意見ご感想ありがとうございます!
この作品へのご意見ご感想も、どうぞお気軽にお寄せください。
個人用感想スレ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/13854/1278473059/
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