ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko2909 いつまでも続けばいいな
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ankoss
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『いつまでも続けばいいな』 20KB
愛で 愛情 日常模様 希少種 人間なし 独自設定 がんばれゆかり。拙文ですが、ゆっくりしていってね…
愛で 愛情 日常模様 希少種 人間なし 独自設定 がんばれゆかり。拙文ですが、ゆっくりしていってね…
とある場所に、恵み豊かな、人の立ち入らぬとても大きな森がある。
そこにはゆっくりの群れがいくつもあり、流れゆく日々を平和に暮らしていた。
季節も、春麗らか、という表現がぴったりな時期である。
そこにはゆっくりの群れがいくつもあり、流れゆく日々を平和に暮らしていた。
季節も、春麗らか、という表現がぴったりな時期である。
「ふぁあ…ぁあ。」
この森には、樹齢は3桁ではきかないであろう、森の中でも一際大きな巨木がある。
その根元にはこれまた大きなうろがあり、うろの中は穴が掘られいくつかの部屋になっている。
その中でも一番奥の穴の中で、とある群れの長が目を覚ました。
その根元にはこれまた大きなうろがあり、うろの中は穴が掘られいくつかの部屋になっている。
その中でも一番奥の穴の中で、とある群れの長が目を覚ました。
「おはようございます。ゆかりさま。あさごはんです。」
「あぁ、らん…おはよう。」
「あぁ、らん…おはよう。」
長はゆっくりゆかり。希少種だ。ゆかりの目覚めを恭しく出迎え、
丁寧に朝食まで用意しているのはゆっくりらん。こちらも希少種だ。
丁寧に朝食まで用意しているのはゆっくりらん。こちらも希少種だ。
「ちょっとはやおきしちゃったかしら…?」 『もぐもぐ』
「…ゆかりさまいがいはみんなおきてます。」
「あら、そうなの。わたしったらうっかりさんね。」
「…ゆかりさまいがいはみんなおきてます。」
「あら、そうなの。わたしったらうっかりさんね。」
ゆかり種は、睡眠時間が他のゆっくりよりも長い。そのため、朝目覚めるのも他のゆっくりよりも遅い。
しかしそんなことはいつもの日常である。
今はいつものようにらんの用意した朝食をほおばり、いつものような会話を繰り広げる。
しかしそんなことはいつもの日常である。
今はいつものようにらんの用意した朝食をほおばり、いつものような会話を繰り広げる。
「ふぅ、ごちそうさま。いつもごくろうね。」
「ありがとうございます。」
「ありがとうございます。」
ゆかりの朝食をらんが調達するのもまたいつものことである。
そのことに対してらんは嫌な顔一つしていない。むしろ褒められて少しうれしそうだ。
こんな生活は毎日のことなのだ。
それに、ゆかり種は睡眠時間が多い代わりにエネルギーの消費も少なく、一日一食なので負担も少ない。
ちなみに、ゆかりの中身は納豆である。
その匂いを嗅いだことのある人間の話によると、なぜか少女のイメージが頭に浮かぶらしい。
そのことに対してらんは嫌な顔一つしていない。むしろ褒められて少しうれしそうだ。
こんな生活は毎日のことなのだ。
それに、ゆかり種は睡眠時間が多い代わりにエネルギーの消費も少なく、一日一食なので負担も少ない。
ちなみに、ゆかりの中身は納豆である。
その匂いを嗅いだことのある人間の話によると、なぜか少女のイメージが頭に浮かぶらしい。
こんな生活が始まった経緯を話すと、昔はゆかりだけがこの巣に住み、長をやっていた。
しかしある日、ゆかりはみなし児となったらんを拾ったのだ。
初めは「ゆかりしゃま!」とゆかりのことを呼び、またゆかりに甘えっぱなしで世話を受けっぱなしだった。
しかし、ゆかりの教育を受けながら成長していくにつれ、こうしてもうすぐ成体になろうという今では、
睡眠時間の多いゆかりの身の回りの世話をらんが行い、群れの中の問題解決もゆかりの代わりにこなしていた。
もっとも、らんに手のおえない事態が起こった場合はゆかりの出番だ。
そんな事態ですらゆかりはあっという間に解決してしまうあたり、まだまだ経験の差は大きいといったところか。
しかしある日、ゆかりはみなし児となったらんを拾ったのだ。
初めは「ゆかりしゃま!」とゆかりのことを呼び、またゆかりに甘えっぱなしで世話を受けっぱなしだった。
しかし、ゆかりの教育を受けながら成長していくにつれ、こうしてもうすぐ成体になろうという今では、
睡眠時間の多いゆかりの身の回りの世話をらんが行い、群れの中の問題解決もゆかりの代わりにこなしていた。
もっとも、らんに手のおえない事態が起こった場合はゆかりの出番だ。
そんな事態ですらゆかりはあっという間に解決してしまうあたり、まだまだ経験の差は大きいといったところか。
「ちぇんはどこにいったのかしら?」
「おさんぽです。」
「ふぅん、わたしもいってこようかしら。」
「またれいむのところですか…」
「ふふ、さぁね。」
「おさんぽです。」
「ふぅん、わたしもいってこようかしら。」
「またれいむのところですか…」
「ふふ、さぁね。」
そして、今はいないがこの巣には、ゆっくりちぇんも住んでいる。
このちぇんも、かつてのらんのようにみなし児だったところをらんが拾ってきた。
そしてまた、かつてのらんのように教育を受けながら少しずつ成長している。
教育に関しては、ゆかりが行ったほど上手ではないようだが、それでも上出来なようで。
ゆかりはそんな2匹の様子を、いつも目を細め、微笑みながら見つめているのだ。
どこか気恥ずかしいのか、決して2匹に気づかれないように注意しながらではあるが。
このちぇんも、かつてのらんのようにみなし児だったところをらんが拾ってきた。
そしてまた、かつてのらんのように教育を受けながら少しずつ成長している。
教育に関しては、ゆかりが行ったほど上手ではないようだが、それでも上出来なようで。
ゆかりはそんな2匹の様子を、いつも目を細め、微笑みながら見つめているのだ。
どこか気恥ずかしいのか、決して2匹に気づかれないように注意しながらではあるが。
「それじゃあ、ちょっとむれのようすでもみにいこうかしら。」
「ごいっしょします。」
「ごいっしょします。」
そしてやはりいつものように巣から出、群れの視察に行く。
ゆかりの巣は群れから少し離れたところにあるため、移動に10~20分ほどかかる。
実際は視察する必要はないほど平和な群れなのだが、散歩のための口実だ。
ゆかりの巣は群れから少し離れたところにあるため、移動に10~20分ほどかかる。
実際は視察する必要はないほど平和な群れなのだが、散歩のための口実だ。
「……」
「らん~。」
「…はっ!な、なんでしょうか!」
「なんでもないわ。」
「はぁ…」
「らん~。」
「…はっ!な、なんでしょうか!」
「なんでもないわ。」
「はぁ…」
あまり表情には出さないが、少しらんはそわそわしている。いや、うきうきと言った方が正しい。
ゆかりはそれを目ざとく見つけると、こうして唐突に声をかける。
そしてらんのびっくりする様子を秘かに楽しむのだ。とんだいじわるばあさん…失礼、いじわる少女だ。
らんは自分の心中が気付かれているなど露とも思わず、きょとんとしている。
ゆかりはそれを目ざとく見つけると、こうして唐突に声をかける。
そしてらんのびっくりする様子を秘かに楽しむのだ。とんだいじわるばあさん…失礼、いじわる少女だ。
らんは自分の心中が気付かれているなど露とも思わず、きょとんとしている。
「そろそろね。」
「はい。」
「はい。」
と、ここに大きな岩がある。この岩をゆかりとらんとちぇんは、群れの近くであることを示す目印にしていた。
群れではれいむ、まりさ、ぱちゅりー、ありすなど様々なゆっくりが思い思いにゆっくりしている様子がうかがえる。
群れではれいむ、まりさ、ぱちゅりー、ありすなど様々なゆっくりが思い思いにゆっくりしている様子がうかがえる。
「あら、あれは…」
ゆかりは何かを見つけたようだ。
「ふふふ、らんはそこにいなさい。」
「またですか…わかりました。」
「またですか…わかりました。」
ゆかりが見つけたのは、とあるれいむであった。
空を舞う蝶を捕まえようとしているのか、ひたすら目線を蝶に向けながらこちらに跳ねてくる。
しかし、蝶はれいむの届かない高さまでふわりと舞い上がると、森の奥へと消えていった。
空を舞う蝶を捕まえようとしているのか、ひたすら目線を蝶に向けながらこちらに跳ねてくる。
しかし、蝶はれいむの届かない高さまでふわりと舞い上がると、森の奥へと消えていった。
「ゆぅ、にげられちゃった…ゆゆ?」
そんな感じで跳ねてきたれいむが、らんの存在に気づいたようだ。
顔がぱぁ、と笑顔になりらんに向かって跳ねていく。
顔がぱぁ、と笑顔になりらんに向かって跳ねていく。
「らん!ゆっくりしていってね!!!」
「あ、あぁ。ゆっくりしていってね。」
「ごはんをとりにきたの?」
「いや、えーと…」
「ゆぅ?」
「あ、あぁ。ゆっくりしていってね。」
「ごはんをとりにきたの?」
「いや、えーと…」
「ゆぅ?」
らんがどこか気まずそうにれいむから目をそらす。
その様子を見たれいむは、不思議そうな顔でらんの顔を見つめる。
その時…
その様子を見たれいむは、不思議そうな顔でらんの顔を見つめる。
その時…
「ばぁっ。」
「ゆぅうううー!?」
「ゆかりさまはほんとうにもう…」
「やめられないわねぇ。」 『けらけら』
「ゆぅうううー!?」
「ゆかりさまはほんとうにもう…」
「やめられないわねぇ。」 『けらけら』
岩にある亀裂の中から、突然ゆかりが現れれいむを驚かす。
予想だにしない事態に、れいむは目を白黒させている。
その様子を見たゆかりは、非常に楽しそうだ。
予想だにしない事態に、れいむは目を白黒させている。
その様子を見たゆかりは、非常に楽しそうだ。
「びっくりしたよ!いいかげんにしてねゆかり!」
「なんかいやってもしんせんだからたのしいわぁ~。」
「なんかいやってもしんせんだからたのしいわぁ~。」
ゆかり種の能力として、体をぺらぺらにして僅かな隙間に入り込むことができるというものがある。
この能力は、食料の確保、防御手段、身を隠す、奇襲、その他諸々と様々な用途で役に立つ能力だ。
体をぺらぺらにした時の中枢餡や、体を構成する納豆がどうなっているかは未だ解明されていない。
この能力は、食料の確保、防御手段、身を隠す、奇襲、その他諸々と様々な用途で役に立つ能力だ。
体をぺらぺらにした時の中枢餡や、体を構成する納豆がどうなっているかは未だ解明されていない。
「だかららんはへんなかんじだったんだね!ぷくー!」
「す、すまないなれいむ。ゆかりさまがいつもいつも。」
「ぷんぷんだよ!」
「す、すまないなれいむ。ゆかりさまがいつもいつも。」
「ぷんぷんだよ!」
このれいむはゆかりのお気に入りだ。
他の群れのゆっくり多くは、ゆかりのことを「おさ」と呼び、よそよそしいとまではいかないが、
立場の違いを理解しているためか、はたまたゆかりの長としての能力の高さを尊敬しているためか、
いずれにせよ〝友人〟として接してくれるものは少ない。
他の群れのゆっくり多くは、ゆかりのことを「おさ」と呼び、よそよそしいとまではいかないが、
立場の違いを理解しているためか、はたまたゆかりの長としての能力の高さを尊敬しているためか、
いずれにせよ〝友人〟として接してくれるものは少ない。
しかしこのれいむは、ゆかりが有能な長であると理解してもなお、ゆかりを〝ゆかり〟と呼び、
他の群れのゆっくりとは違い対等な〝友人〟といった感じで接してくる。
他にもそういう風に接してくれるゆっくりがいないでもないが、それらは総じて頭がよい個体ばかり。
ゆかりが驚かそうとしても彼女らの経験から気づかれたりしてしまうのだ。
そんなわけで他のゆっくりをからかうことが好きなゆかりにとって、このれいむは貴重な存在であった。
他の群れのゆっくりとは違い対等な〝友人〟といった感じで接してくる。
他にもそういう風に接してくれるゆっくりがいないでもないが、それらは総じて頭がよい個体ばかり。
ゆかりが驚かそうとしても彼女らの経験から気づかれたりしてしまうのだ。
そんなわけで他のゆっくりをからかうことが好きなゆかりにとって、このれいむは貴重な存在であった。
「つれないこというわねぇ~れいむぅ~。」 『ぐりぐり』
「やぁ~めてね~おかおがぶにゅってなるよ~。」
「やぁ~めてね~おかおがぶにゅってなるよ~。」
まだゆかりの遊びは終わらない。
れいむにやや過剰にす~りす~りし、れいむを宥める。
そんなことをされたれいむの顔は、右半分がぐいぐい押され、変な顔になっている。
その2匹の様子を見たらんは、少しだけ不満顔だ。
そんならんの様子を、やはりゆかりは見逃さない。
れいむにやや過剰にす~りす~りし、れいむを宥める。
そんなことをされたれいむの顔は、右半分がぐいぐい押され、変な顔になっている。
その2匹の様子を見たらんは、少しだけ不満顔だ。
そんならんの様子を、やはりゆかりは見逃さない。
「あら、らん、どうかしたのかしら?」
「なんでもありません!」 『ぷい』
「らん~なんとかしてねぇ~。」
「はぁあ…ゆかりさま。」 『ぐいぐい』
「なんでもありません!」 『ぷい』
「らん~なんとかしてねぇ~。」
「はぁあ…ゆかりさま。」 『ぐいぐい』
そろそろ見かねたらんがゆかりを抑えに入る。ゆかりのお飾りを甘噛みし、後ろに引っ張る。
「あぁ~れぇ~はなしてぇ~」
「ゆかりさま…なんなんですかそれは。」
「ゆぅ。らん、ありがとうね!そろそろれいむはもどるよ!」
「あらあらあら?れいむもういっちゃうの?」
「おとなりのありすとおでかけのやくそくがあるんだよ!じゃあね!ゆかり!らん!」
「ゆかりさま…なんなんですかそれは。」
「ゆぅ。らん、ありがとうね!そろそろれいむはもどるよ!」
「あらあらあら?れいむもういっちゃうの?」
「おとなりのありすとおでかけのやくそくがあるんだよ!じゃあね!ゆかり!らん!」
そう言いながら、ようやくゆかりから解放されたれいむは群れの方角へと戻っていく。
「いっちゃったわねぇ。」
「ゆかりさま、もとのもくてきをわすれてませんか?」
「やぁねえ。おぼえてるわよ。」
「ならいいんですけど…」 『ちらり』
「ゆかりさま、もとのもくてきをわすれてませんか?」
「やぁねえ。おぼえてるわよ。」
「ならいいんですけど…」 『ちらり』
そういいながら、らんは空に浮かぶ太陽を見る。
その後、群れの方角を見た後、巣の方角を見たかと思えば、少し考え込む。
その後、群れの方角を見た後、巣の方角を見たかと思えば、少し考え込む。
「ゆゆことのやくそくのじかんでしょう?」
「あ、おぼえていましたか。」
「このじかんならむれをゆっくりとみたあとに、のんびりいえにかえってもまにあうわよ。」
「さすがです、ゆかりさま。」
「あ、おぼえていましたか。」
「このじかんならむれをゆっくりとみたあとに、のんびりいえにかえってもまにあうわよ。」
「さすがです、ゆかりさま。」
らん種は数字に強く、計算が得意と言うことで知られている。
すこし頭を働かせれば家にどのくらいの時間で帰れるかくらい割り出せる。
しかし、ゆかり種はそれよりもさらに数字に強い。
らん種が、うんうんと考え込むような計算、いや、らん種でも解けないような計算の解を、
あっという間に割り出せてしまうのだ。
すこし頭を働かせれば家にどのくらいの時間で帰れるかくらい割り出せる。
しかし、ゆかり種はそれよりもさらに数字に強い。
らん種が、うんうんと考え込むような計算、いや、らん種でも解けないような計算の解を、
あっという間に割り出せてしまうのだ。
「それじゃあはやめにおわらせて、ゆゆこのおやつでもよういしようかしらね。」
「わかりました。」
「わかりました。」
そういいながら、2匹は群れの中へと入っていった。
「ゆー!おさ!ゆっくりしていってね!!!」
「まりさ、ゆっくりしていってね。きょうもげんきね。」
「あいかわらずとかいはね!おさ!」
「あら、うれしいこといってくれるじゃない。」
「むきゅ、またおさにいろんなことをおしえてほしいわ。」
「そうね。またこんどわたしがおきてるときにいらっしゃい。」
「まりさ、ゆっくりしていってね。きょうもげんきね。」
「あいかわらずとかいはね!おさ!」
「あら、うれしいこといってくれるじゃない。」
「むきゅ、またおさにいろんなことをおしえてほしいわ。」
「そうね。またこんどわたしがおきてるときにいらっしゃい。」
こんな感じで群れの様子を見て回る。
長を務めだした頃は、なにかおかしなことはないか、なども聞いていたが、
長としてすっかり認められている今では自分から聞くまでもなく、何かあれば向こうから相談される。
つまり、こんな風に全員がゆかりにゆっくりした挨拶をするということは何も異常はないということだ。
長を務めだした頃は、なにかおかしなことはないか、なども聞いていたが、
長としてすっかり認められている今では自分から聞くまでもなく、何かあれば向こうから相談される。
つまり、こんな風に全員がゆかりにゆっくりした挨拶をするということは何も異常はないということだ。
「らんさまー、ゆかりさまー。」
「ちぇんじゃないか。きょうはなにをしたんだ?」
「きょうはまりさとかけっこをしたんだよー。」
「どうなったのかしら?」
「きのうはまけちゃったけど、きょうはかてたんだよー!」
「へぇ、すごいじゃないか。」
「そろそろかえろうかしら。ちぇんもかえるわよ。」
「わかったよー!」
「ちぇんじゃないか。きょうはなにをしたんだ?」
「きょうはまりさとかけっこをしたんだよー。」
「どうなったのかしら?」
「きのうはまけちゃったけど、きょうはかてたんだよー!」
「へぇ、すごいじゃないか。」
「そろそろかえろうかしら。ちぇんもかえるわよ。」
「わかったよー!」
そして2匹に1匹が加わり、3匹となった。
先程の話を聞くに、ゆっくりゆゆことゆかりは会う約束があるようだ。
そろそろ帰る時間だと判断したゆかりの一声で、3匹は帰路に着いた。
先程の話を聞くに、ゆっくりゆゆことゆかりは会う約束があるようだ。
そろそろ帰る時間だと判断したゆかりの一声で、3匹は帰路に着いた。
「ゆかりさま、すこしよろしいですか。」
「なにかしら。」
「あのれいむにたいしてなんですが。」
「ふむふむ。」
「おさとしてのいげんというものがですね…」
「いいじゃないの、たいくつなんだもの。」
「らんさまー。いげんってなにー?わからないよー。」
「あぁ、ちぇんにはこんどおしえてやろうな。」
「なにかしら。」
「あのれいむにたいしてなんですが。」
「ふむふむ。」
「おさとしてのいげんというものがですね…」
「いいじゃないの、たいくつなんだもの。」
「らんさまー。いげんってなにー?わからないよー。」
「あぁ、ちぇんにはこんどおしえてやろうな。」
こんな会話をしながら帰路に着くのも、これまた日常風景であった。
やがて、巣へと到着したようだ。
やがて、巣へと到着したようだ。
「それじゃあらん、おやつをよういしてね。」
そういうと、ゆかりは奥へと入ってゆく。
「ふぅ、ゆゆこさまはおやつにしてはたべるりょうがおおいからなぁ…」
「わかるよー。おおぐいなんだねー。」
「わかるよー。おおぐいなんだねー。」
そう呟きながら、おやつを用意していると、
「こーぼねー。」
「みょん。」
「みょん。」
後ろから唐突に声をかけられ、2匹は少しだけ飛び上がった。
「ゆ、ゆゆこさま。よくいらっしゃいました。」
「い、いらっしゃいませだよー。」
「こぼねっ!」
「わからないよー!」
「もうしわけない、ついくちが…」
「さすがにらんにはわかるみょんね。」
「い、いらっしゃいませだよー。」
「こぼねっ!」
「わからないよー!」
「もうしわけない、ついくちが…」
「さすがにらんにはわかるみょんね。」
声をかけたのはゆゆことみょんであった。2匹の話を聞いていたのであろう、ゆゆこは少しすねたような顔をしている。
ゆゆこ種は「こぼね」としか話せず、また2匹のいうように極めて大食いだ。
しかし、実は一回の食事の量が多いだけで燃費がいいことはあまり知られていない。
一度の食事でたくさん食べた後は、2、3日は食事なしでも問題ないため結果として通常のゆっくりの食事量と大差ないのだ。
最も、食べるのは大好きではあるため出された食事は残さず食べ、散歩の最中などもつまみ食いが多い。
そして「こぼね」と言う言葉も、長く付き合った者ならばジェスチャーとイントネーションで何となく意志は理解できるらしい。
ゆゆこ種は「こぼね」としか話せず、また2匹のいうように極めて大食いだ。
しかし、実は一回の食事の量が多いだけで燃費がいいことはあまり知られていない。
一度の食事でたくさん食べた後は、2、3日は食事なしでも問題ないため結果として通常のゆっくりの食事量と大差ないのだ。
最も、食べるのは大好きではあるため出された食事は残さず食べ、散歩の最中などもつまみ食いが多い。
そして「こぼね」と言う言葉も、長く付き合った者ならばジェスチャーとイントネーションで何となく意志は理解できるらしい。
ちぇんはゆゆこが何を言わんとしているかはまだ分からないようだ。
しかし、らんはゆゆことそれなりに付き合いが長いため、何となく言わんとすることは分かるようである。
2匹に食べる量が多いだの、大食いだの言われて少しすねているのだ。
しかし、らんはゆゆことそれなりに付き合いが長いため、何となく言わんとすることは分かるようである。
2匹に食べる量が多いだの、大食いだの言われて少しすねているのだ。
「おくでゆかりさまがおまちです。どうぞ。」
「どうぞー。」
「こぼーね。」
「どうぞー。」
「こぼーね。」
らんは用意したおやつをお飾りの中に入れると、ゆゆこを奥へと案内する。
ゆかりの待つ部屋にゆゆこを通すと、お飾りの中のおやつをテーブル代わりの平たい石の上に置き、
ゆかりの待つ部屋にゆゆこを通すと、お飾りの中のおやつをテーブル代わりの平たい石の上に置き、
「それでは、しつれいします。」
とだけ言ってその場を後にした。
「よくきたわね、ゆゆこ。まぁおやつでもたべながら…」
「こぼねっ!」 『ズゴゴッ!』
「あ…」
「こ~ぼね~♪」
「…あいかわらずね。」
「こぼねっ!」 『ズゴゴッ!』
「あ…」
「こ~ぼね~♪」
「…あいかわらずね。」
ゆゆこは用意されたおやつを遠慮することなく一気に平らげた。
2匹は長年の付き合いであり、こんな振る舞いも2匹の関係あってこそのものだ。
2匹は長年の付き合いであり、こんな振る舞いも2匹の関係あってこそのものだ。
「あぁ…ゆゆこさまはまた…」
「わかるよー。はやぐいなんだねー。」
「ゆかりさまにもうしわけないみょん。」
「わかるよー。はやぐいなんだねー。」
「ゆかりさまにもうしわけないみょん。」
そんな様子をゆかりとゆゆこに気づかれないようこっそり眺める3匹。
ゆかりもゆゆこも気づいてはいるのだが、そのことには触れずに談笑している。
ゆかりもゆゆこも気づいてはいるのだが、そのことには触れずに談笑している。
「らんさまー。みょんー。ゆゆこさまのいうことがわからないよー。」
「わたしもなんとなくしかわからない…」
「でもゆかりさまはしゃべってるみたいだよー。」
「はじめはあいづちをうってるだけだとおもってたんだが…」
「ゆゆこさまのつたえたいことはわかっても、まだなにをいってるかまではわからないみょん。」
「わからないよー。」
「わたしもなんとなくしかわからない…」
「でもゆかりさまはしゃべってるみたいだよー。」
「はじめはあいづちをうってるだけだとおもってたんだが…」
「ゆゆこさまのつたえたいことはわかっても、まだなにをいってるかまではわからないみょん。」
「わからないよー。」
そう、3匹のいうとおり、ゆかり種はゆゆこ種の言葉を理解することができる。
これもまた、ゆかり種の知られざる能力の一つだ。
ジェスチャーや表情から察するのではなく、言語として理解できるのだ。
これもまた、ゆかり種の知られざる能力の一つだ。
ジェスチャーや表情から察するのではなく、言語として理解できるのだ。
「で、なにかかわったことでもあったかしら?」
「こぼねー。(なーんにも、いたってへいわ。)」
「そっちもおんなじなのねぇ。」
「こぼーね。こぼね。(そういえば、らんちゃんとちぇんちゃんはどうなの?)」
「んー…まだまだね。みょんは?」
「こぼねぼねー。(うーん…たまにわたしのことばをまちがえるわね…まだまだだわ。)」
「大変ねえ。」
「こぼこぼねー。(おたがいきょういくにはくろうするわね。)」
「こぼねー。(なーんにも、いたってへいわ。)」
「そっちもおんなじなのねぇ。」
「こぼーね。こぼね。(そういえば、らんちゃんとちぇんちゃんはどうなの?)」
「んー…まだまだね。みょんは?」
「こぼねぼねー。(うーん…たまにわたしのことばをまちがえるわね…まだまだだわ。)」
「大変ねえ。」
「こぼこぼねー。(おたがいきょういくにはくろうするわね。)」
2匹は、こうしてたまに会って互いの群れのことを話したり、他愛もない世間話に花を咲かせたりするのだ。
ゆゆこもまた、一つの群れの長であり、そちらも有能な長としてやっているようだ。
もっとも、ゆゆこの言葉を理解できないものばかりなので、赤ゆの頃に群れのとある夫婦からゆゆこが引き取り、
そのままゆゆことの生活を経てゆゆこの側近兼通訳となったゆっくりみょんに意思を代弁してもらっているようだ。
2匹の会話を見ているとわかるように、ゆゆこ種も非常に頭がよいのである。
「こぼねー。」などと言いながら、食事を満面の笑みでほおばる姿からは想像もつかないが。
ゆゆこもまた、一つの群れの長であり、そちらも有能な長としてやっているようだ。
もっとも、ゆゆこの言葉を理解できないものばかりなので、赤ゆの頃に群れのとある夫婦からゆゆこが引き取り、
そのままゆゆことの生活を経てゆゆこの側近兼通訳となったゆっくりみょんに意思を代弁してもらっているようだ。
2匹の会話を見ているとわかるように、ゆゆこ種も非常に頭がよいのである。
「こぼねー。」などと言いながら、食事を満面の笑みでほおばる姿からは想像もつかないが。
「こぼ~ね。こぼぼね。(わたしたちがこんなことはなしてるってしったらあのこたち、
どんなかおをするかしらね。)」
「こんなにどうどうとはなしてもわからないって、たのしいわねえ。」
「こぼねっ。(まったくね。)」
どんなかおをするかしらね。)」
「こんなにどうどうとはなしてもわからないって、たのしいわねえ。」
「こぼねっ。(まったくね。)」
ゆゆこの言葉はゆかりにしか理解できないため、こんな話も堂々とできる。
「な、なにをはなしているんだ…」
「きになるみょん。」
「わからないよー。きになるよー。」
「きになるみょん。」
「わからないよー。きになるよー。」
話の内容がまったくわからない3匹にとっては、気になって仕方ないようだ。
3匹の様子に気が付いている2匹は、顔を見合わせて笑う。
3匹の様子に気が付いている2匹は、顔を見合わせて笑う。
「こぼね~。(それじゃあそろそろいこうかな。)」
「そうね。」
「そうね。」
やがて話も終わり、2匹が動き出した。
3匹は慌ててその場から離れ、らんが何事もなかったかのように2匹に話しかける。
3匹は慌ててその場から離れ、らんが何事もなかったかのように2匹に話しかける。
「ゆかりさま。もうよろしいのですか。」
「えぇ。」
「えぇ。」
3匹とも少しだけ息を切らしている。
「ふふふふ。」
「こぼねー。」
「どうかしましたみょん?」
「こぼね。」
「みょん…?」
「こぼねー。」
「どうかしましたみょん?」
「こぼね。」
「みょん…?」
その理由を知っている2匹は、またも顔を見合せて笑う。
「それじゃあね、ゆゆこ。」
「さようならなんだねー。」
「さようなら、ゆゆこさま。」
「さようならなんだねー。」
「さようなら、ゆゆこさま。」
そしてゆゆことみょんが去っていく。
その姿が見えなくなるまで、ゆかりとらんとちぇんは見送った。
姿が消えた後は、また巣の中に戻る。
その姿が見えなくなるまで、ゆかりとらんとちぇんは見送った。
姿が消えた後は、また巣の中に戻る。
「ゆかりさま、どんなはなしをしたんですか?」
「しりたいよー。」
「さぁね~。」
「すこしだけでも…」
「てきとうにあいづちうってるだけよ。こぼねこぼね~ってね。」
「こぼねはゆゆこさまでしょう…」
「そうだったかしらねえ。」
「しりたいよー。」
「さぁね~。」
「すこしだけでも…」
「てきとうにあいづちうってるだけよ。こぼねこぼね~ってね。」
「こぼねはゆゆこさまでしょう…」
「そうだったかしらねえ。」
ゆゆこが去ったあと、こんな会話をするのもまたいつものことである。
ゆかりにはぐらかされるのは分かっているので、らんもあまり深く追求はしない。
ゆかりにはぐらかされるのは分かっているので、らんもあまり深く追求はしない。
やがてすこしだけ日が暮れてきた。ゆかりはもうすぐ寝る時間だ。
ゆかりが寝た後、らんはちぇんに教育を施すのだ。
ゆかりには必要ないが、らんとちぇんは夕食を済ませ、今はらんとゆかりが会話している。
ちぇんはなにやら一人遊びに夢中のようだ。
ゆかりが寝た後、らんはちぇんに教育を施すのだ。
ゆかりには必要ないが、らんとちぇんは夕食を済ませ、今はらんとゆかりが会話している。
ちぇんはなにやら一人遊びに夢中のようだ。
「そうだ、ゆかりさま。さっきのはなしなんですが…」
「さっきの?あさごはんかしら?」
「ちがいます!れいむです!」
「はいはい。」
「おさとしてですね、みんなにいげんのあるすがたをみせてもらわないと。」
「さっきの?あさごはんかしら?」
「ちがいます!れいむです!」
「はいはい。」
「おさとしてですね、みんなにいげんのあるすがたをみせてもらわないと。」
最近らんは、長としての体面を気にかけるようになってきた。
ゆかりはそんな教育は施した覚えはないのだが、らんなりに考えているということだろう。
しかし、ゆかりはらんのお小言が少し苦手だった。
ゆかりはそんな教育は施した覚えはないのだが、らんなりに考えているということだろう。
しかし、ゆかりはらんのお小言が少し苦手だった。
「いいじゃないの。ほかのみんなにはあんまりしてないんだし。」
「それでもです!」
「えー…そうだ。らんのいうことをきいてあげてもいいわよ。」
「…ほんとうですか?」
「それでもです!」
「えー…そうだ。らんのいうことをきいてあげてもいいわよ。」
「…ほんとうですか?」
ゆかりの言うことに半信半疑の様子のらん。
こうは言うものの、いつの間にかなんだかんだでしてやられることが何度もあるからだ。
こうは言うものの、いつの間にかなんだかんだでしてやられることが何度もあるからだ。
「ただし、らんがわたしにかてたらね。」
「…?」
「…?」
今回もそんな感じのようで。
「ゆゆゆゆかりさまとですか!?」
「やぁね。らんがしょうぶするのはちぇんよ。」
「ちぇん…ですか?」
「そう、ちぇんにかてたららんのいうことをきいてあげる。おーい、ちぇん~。」
「にゃあー。」
「やぁね。らんがしょうぶするのはちぇんよ。」
「ちぇん…ですか?」
「そう、ちぇんにかてたららんのいうことをきいてあげる。おーい、ちぇん~。」
「にゃあー。」
ゆかりが持ちかけたのはらんにちぇんと勝負しろということだ。
らんの答えを待たず、ゆかりはちぇんを呼ぶ。
らんの答えを待たず、ゆかりはちぇんを呼ぶ。
「ゆかりさま。わたしがちぇんにまけるなんて…」
「わからないよー?なにをするのー?」
「かんたんよ。わたしがみっつもんだいをだすから、それにはやくこたえるだけ。」
「ふふふ、ますますとくいぶんやです!」
「らんさまとちえくらべなのー?かてないよー!」
「わからないよー?なにをするのー?」
「かんたんよ。わたしがみっつもんだいをだすから、それにはやくこたえるだけ。」
「ふふふ、ますますとくいぶんやです!」
「らんさまとちえくらべなのー?かてないよー!」
ゆかりの持ちかけた勝負、それはらんとちぇんの知恵比べだ。
「ちぇんがいっかいでもらんよりはやくこたえればちぇんのかちよ。」
「えっ?」
「じしんがないのかしらぁ~?」 『にやにや』
「な、なにをいいます!そのしょうぶうけましょう!」
「よくわからないけどがんばるよー。」
「えっ?」
「じしんがないのかしらぁ~?」 『にやにや』
「な、なにをいいます!そのしょうぶうけましょう!」
「よくわからないけどがんばるよー。」
あっさりと挑発に乗るらん。普段ならそんなことはないのだろうが、
赤ゆの頃から自分が教育してきたちぇんに負けるはずないと高をくくっているのだろう。
赤ゆの頃から自分が教育してきたちぇんに負けるはずないと高をくくっているのだろう。
「それではひとつめ。さんたすはちは?」
「じゅういちです!」
「えぇと、えぇと…にゃ!?」
「らんのかちー。ふたつめ。このはっぱは?」 『さっ』
「げんのしょうこです!」
「は、はやいよーらんさまー!」
「すまないなちぇん。まけられないんだ。」
「じゅういちです!」
「えぇと、えぇと…にゃ!?」
「らんのかちー。ふたつめ。このはっぱは?」 『さっ』
「げんのしょうこです!」
「は、はやいよーらんさまー!」
「すまないなちぇん。まけられないんだ。」
やはり元からの知能の差があるのか、はたまた経験の差がそうさせるのか、
らんの方が優勢だ。
らんの方が優勢だ。
「つぎでさいごのもんだいね。」
「なんでもこいです!」
「わ、わからないよー!」
「…これはなんでしょう?」 『さっ』
「え、それは…?」
「またたびだぁあああああ!」
「ちぇん、せいかい。」
「なにぃいい!?」
「はい、らんのまけね。」
「なんでもこいです!」
「わ、わからないよー!」
「…これはなんでしょう?」 『さっ』
「え、それは…?」
「またたびだぁあああああ!」
「ちぇん、せいかい。」
「なにぃいい!?」
「はい、らんのまけね。」
しかし、やはりゆかりを相手にただで済むわけもなく、知恵比べはらんの負けとなった。
ゆかりはらんの行動範囲内にマタタビがないことも、らんにマタタビを教えてないことも、
そしてちぇん種がおりん種と共に、生まれつき持つ知識にマタタビの存在が刻まれていることを知っていた。
ゆかりはらんの行動範囲内にマタタビがないことも、らんにマタタビを教えてないことも、
そしてちぇん種がおりん種と共に、生まれつき持つ知識にマタタビの存在が刻まれていることを知っていた。
「はいちぇん。ごほうびのまたたびよ。」 『ぽい』
「にゃあああん!」 『ごろん』
「なっ…ど、どうしたちぇん!?」
「にゃはああああ~」
「にゃあああん!」 『ごろん』
「なっ…ど、どうしたちぇん!?」
「にゃはああああ~」
そして、ゆかりそのままちぇんにマタタビを与えてしまった。
マタタビに飛びついたちぇんは、恍惚の表情でガシガシかじったり、そのまま転がったりで大忙しだ。
一方、マタタビの存在も、それがちぇん種にどんな影響を及ぼすか知らないらんは大慌ての様子。
マタタビに飛びついたちぇんは、恍惚の表情でガシガシかじったり、そのまま転がったりで大忙しだ。
一方、マタタビの存在も、それがちぇん種にどんな影響を及ぼすか知らないらんは大慌ての様子。
「ゆかりさま!これはなんですか!」
「そのうちもどるわよ~。」
「ふにゃぁあ~ん。」
「こらちぇん!このあとはおべんきょうのじかんだというのに…!」
「らんしゃまがいっぱーい!」
「あぁあ、ちぇん!?ゆかりさま、なんとかして…」
「それじゃあねるわ、おやすみ~。」
「ゆかりさまあああ!?」
「そのうちもどるわよ~。」
「ふにゃぁあ~ん。」
「こらちぇん!このあとはおべんきょうのじかんだというのに…!」
「らんしゃまがいっぱーい!」
「あぁあ、ちぇん!?ゆかりさま、なんとかして…」
「それじゃあねるわ、おやすみ~。」
「ゆかりさまあああ!?」
そして騒ぎの場を後にし、ゆかりは他のゆっくりよりも早めに眠りにつく。
これが、ゆかりの日常生活だ。
これが、ゆかりの日常生活だ。
「くぅう…くやしい!またたび、またたび…おぼえたぞ!」
「ら~んしゃまああ。」 『はむ』
「こ、こら!わたしのしっぽをはむはむするのはもうやめろといったのに!」
「ら~んしゃまああ。」 『はむ』
「こ、こら!わたしのしっぽをはむはむするのはもうやめろといったのに!」
らんもこうやって、ゆかりに色々としてやられながら、少しずつ経験を積んでゆくのだ。
いつか、らんがゆかりのように立派な長となれる日は来るのだろうか…
いつか、らんがゆかりのように立派な長となれる日は来るのだろうか…
「こーぼねー(やっほー。)」
「あらゆゆこ、きたのね。」
「あらゆゆこ、きたのね。」
今日も今日とて、ゆゆこがゆかりのところに訪れた。
しかし今日は、側近のみょんも、いつもゆゆこを出迎えるらんもちぇんもいない。
しかし今日は、側近のみょんも、いつもゆゆこを出迎えるらんもちぇんもいない。
「みょんはどうしたの?」
「こぼーねー。(むれのこどもたちにけんをおしえるんですって。)」
「へえ。やるじゃないの。」
「こぼね?(らんちゃんとちぇんちゃんは?)」
「あぁ、まぁこっちにきて。」
「こぼーねー。(むれのこどもたちにけんをおしえるんですって。)」
「へえ。やるじゃないの。」
「こぼね?(らんちゃんとちぇんちゃんは?)」
「あぁ、まぁこっちにきて。」
ゆかりに促され、ゆゆこはゆかりの後を追ってゆく。
「こんなわけよ。」
「こぼー。(あらあら。)」
「こぼー。(あらあら。)」
そこには、まるで姉妹のように寄り添ってお昼寝中のらんとちぇんがいた。
「こぼねー?(どうしてこうなったわけ?)」
「さぁ?まぁたまにはいいじゃない。」
「さぁ?まぁたまにはいいじゃない。」
その様子を見つめる2匹のまなざしは、まさしく子を持つ親と呼べるものであった。
「…こぼね、こぼねー。(いつかはあとをつがせないといけないのよね。)」
「そうよね。」
「こぼね、ぼねこぼね。(らんちゃんはよくやってるとおもうわ。みょんはまだまだだけど。)」
「せだいこうたいかぁ。いつからんにはわたしぬきでやっていけるようになってほしいんだけどね。」
「こぼねぇ?(まだちょっとふあんなの?)」
「うーん。でももうこのこは…」
「そうよね。」
「こぼね、ぼねこぼね。(らんちゃんはよくやってるとおもうわ。みょんはまだまだだけど。)」
「せだいこうたいかぁ。いつからんにはわたしぬきでやっていけるようになってほしいんだけどね。」
「こぼねぇ?(まだちょっとふあんなの?)」
「うーん。でももうこのこは…」
ゆかりが何かを言いかけた時、
「「…ゆかりしゃまー…」」
らんとちぇんが口をそろえて寝言を言う。ゆかりとゆゆこは顔を見合わせ、
「ふふっ。」
「こぼねっ。」
「こぼねっ。」
また笑う。
「こぼねーこぼね。(まだまだあまえたいのかしらね。)」
「そうねえ。やっぱりまだまだねえ。ふふふ。」
「そうねえ。やっぱりまだまだねえ。ふふふ。」
ゆかりのこうした日常は、いつまで続いてゆくのだろうか。
いつの日からんが自立し、自分も老い、別れの日は訪れる。
そしてこの日常は時と共に流されてゆく。それは分かっている。
いつの日からんが自立し、自分も老い、別れの日は訪れる。
そしてこの日常は時と共に流されてゆく。それは分かっている。
でも、それでもゆかりは、目尻にちょっとだけ、本当にちょっとだけ涙を浮かべながら、
こんな日常がいつまでも続けばいいな、と思わずにはいられないのであった。
こんな日常がいつまでも続けばいいな、と思わずにはいられないのであった。
完
紅玉あきの過去の拙作達
anko2610 禁句
anko2624 最強の人間
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anko2873 お山の大将
anko2874 お山の大将 dream
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