ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko1611 でいぶ会話教室
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ankoss
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『でいぶ会話教室』
この町の駅前、とあるビルの三階には、『ゆっくり語教室』と名乗る、
ゆっくりを飼っている社会人対象の学校がある。
部屋の作りはいたってシンプルで、受付以外には10人程度が入る教室が二つ。
講師も一人だけしかいない。
だが、そこそこ生徒は集まっているらしく、
今日も教室には定員オーバーの13人が、ちょっと窮屈そうにしながら授業を受けていた。
*****************************************************
「はい、それではこのクラスもレッスン10回目ですね。
今回のテーマからは少し難しくなりますよ。
『でいぶの躾け方』、これが今日の学習テーマです。」
はいっ!っと生徒の一人、柔和な雰囲気のお姉さんが手をあげる。
「はい。何ですか?愛美さん。」
「先生。でいぶってものがよくわかりません。れいむじゃないんですか?」
「いい質問ですね。」
すると先生は、机の下から二つの透明な箱を取り出した。
一方には普通の体型のれいむが、もう一方には、ダルマのようにでっぷりと太ったれいむが入っている。
「このバスケットボールみたいなのが『れいむ』、ダルマみたいなのが『でいぶ』です。」
「あの~先生。」
次は、糸のように細いたれ目が特徴的な、ぽっちゃりしたお姉さんが手をあげる。
「はい、質問ですか?優子さん。」
「あの、レッスン1回目で『れいむの躾け方』ってやったと・・・」
「ああ、なるほど。」
先生は、説明を始めた。
「はっきり言いますと、『でいぶ』は『れいむ』が成長した姿です。まあ、必ずこうなるわけではないですが。
見た目では区別はつきにくいですね。行動が『れいむ』と違い、やや荒っぽくワガママなので、そこで区別して下さい。」
「はぁ。」
「で、『でいぶ』になると、科学的には完全に解明に至っていないのですが、
どうやら餡子の性質にも変化があるようなのですよ。」
「なるほど。」
「そうすると、使用する言語も、行動も、『れいむ』だった頃とは多少変わってしまいます。
と言うわけで、『でいぶ』には『でいぶ』用の会話を学ぶ必要があるわけです。」
「ふぇ~。大変ですね~。」
「まあ、実際会話をしながら解説するのが一番なので、ちょっとやってみましょう。」
そう言うと先生は、透明な箱から『でいぶ』を教卓に取り出す。
箱から出されると、でいぶはさっそく行動を開始した。
「ゆらぁぁぁああ!!」
ガッシャーン!!
でいぶは箱に閉じ込められていた鬱憤をぶつけるかのように、
教卓にのっていた花瓶に体当たりし、床に落として割ってしまった。
「つよくてうつくしいれいむをとじこめるなんて、なにかんがえてるのぉおお!!
こうなりたくなかったら、さっさとあまあまもってきてね!たくさんでいいよ!!」
当然だが、花瓶はわざと置かれたものである。
今回のテーマが『でいぶの躾け方』なので、何か悪さをしてもらわなければ話が進まないのだ。
先生の計算通りである。
「・・・ひどいですね。コレ。」
「好実さん、早とちりはダメですよ。さっそく解説しますからね。
でいぶの場合通常のれいむと異なり、実は人間の標準語とは微妙に単語の意味が違うんです。」
「へ?そうなんですか?」
先生はそのとおり、という表情であいづちを打ちながら、解説を続ける。
「そう。例えば今のセリフ。
『ウツクシイ』は『忠実な』という意味です。
変わってるでしょ?まあ、言ってみれば方言みたいなモノだと思って下さい。」
「うわぁ。紛らわしい。・・・じゃあ、さっきのセリフって、実際はなんて言ってるんですか?」
「こうです。」
『健康であなたに忠実な私ですが、体力が有り余っています。
(箱に私を)閉じ込めた飼い主さんの考えに、理解が及びませんでした。
(勢い余って花瓶を割ってしまったのは)わざとではありませんが、(私は飼い主さんの)厳しい調教を必要としています。
手加減せずに調教して下さい。』
先生は、サラサラと黒板に文章を書き出した。
「細かい文法については今後じっくり勉強しますが、
『ツヨイ』=『元気いっぱい』、『アマアマ』=『(痛みを伴う)調教』、とまあ、こんな具合になります。」
「わ・・・わかりにくい・・・」
「それはそうなんですが、単語については特に注意してあげないと、
でいぶ達の気持ちを誤解してしまい、関係がギクシャクしてしまう事もあり得ます。やはり基本は大事なんですよ。」
・・・こうして、先生による『でいぶの躾け方』レッスンは開始された。
--------------------------------------------------------
「では、実際に躾けを行ってみましょう。」
そう言うと先生は、でいぶをコロンと教卓に仰向けで寝かせた。
「なにしてるの!くそどれい!!かわいいれいむに、さっさとあまあまもってきてね!ばかなの!?しぬの!?」
先生は再び解説する。
「『バカナノ』は『十分な教育を欲する気持ち』、『シヌノ』は『申し訳ない気持ち』を表します。
『バカナノ・シヌノ』は『迷惑をかけたくありません、2度と忘れないように厳しく躾けて下さい』
と言うニュアンスですね。セットで憶えておきましょう。」
そう言って先生はげんこつを固く握りしめ、
ドムッ!!
仰向けに寝かされているため丸見えの、でいぶのあんよのど真ん中に拳を叩きこんだ。
「花瓶を割っちゃダメだろ!死ねっ!『ドムッ!』死ねっ!『ドムッ!』」
「ゆっ!!ゆっびゃぁぁああああああ!!」
泣き叫ぶでいぶ。
先生はそのでいぶに向け、あんよを突き破らないように手加減しつつも、
情け容赦なく拳を叩きこみ続けた。
「あ、あのっ!」
「何ですか?ゆかりさん。」
「『死ね』って・・・それに暴力はちょっと・・・」
先生が見回すと、周囲のお姉さん達は少々青ざめ、静まり返っていた。
わざわざ金を払ってゆっくりとのコミュニケーション法を学ぼうという人達なのだから、
当然ながらゆっくりが好きでしょうがない人達なのである。
「ああ、失礼しました。解説しますね。
先ほどのやり方が、でいぶを躾ける正しい方法なんですよ。」
「は、はぁ・・・。」
「『シネッ!』とは、でいぶの餡子に、学習に最適な刺激を与える音なんです。
あんよに直接刺激を与えるのも、同様の効果があるんですよ。」
「そ、そうなんですかー!?」
「はい。だから、憶えて欲しい事を語りかけながら、先ほどのように刺激を与え続けるのは、
でいぶ達にとっては最良の教育方法な訳です。」
お姉さん達が納得したところで、躾けは続く。
「死ねっ!『ドムッ!』死ねっ!『ドムッ!』」
「ゆびぃ!?ゆひぃいぃいい!!ごべんなざい!ごべんなざいぃいいい!!」
「あ、あの、先生!」
「ん?何ですか?餡子さん。」
次に手をあげた餡子さんは、でいぶに憐みの視線を向けたまま、先生に質問した。
「あの、でいぶちゃんが、謝ってます。もういいんじゃないですか?すごく泣いてるし・・・」
「ああ、なるほど。確かに誤解されやすい部分ですね。いい質問です。」
ドムッ!!
「ぴぎぇぇっ!!ご・・・ごべんなざいぃ・・・」
ひときわ強烈な一撃をでいぶのあんよに叩きこむと、先生は解説する。
「でいぶ君。君は何で怒られてるんだっけ?」
「ゆ・・・?」
ドムッ!!
「ゆぴぃいいいい!!ゆっぐぢりがいじまじだ!ゆっぐぢざぜでぇぇええ!!」
先生はため息をつきながら続ける。
「こんな感じで、一回や二回言って聞かせた程度では、
でいぶの記憶には説教の内容など入っていきません。繰り返さないと。根気がいるんですよ。」
「・・・そうなんですね。」
「『ゴメンナサイ』はでいぶに限らず、特定の希少種を除いた全種のゆっくりに共通する一般的な鳴き声です。
人間で言えば『ふんっ!』とか『やぁっ!』などと同じですね。
同じように使われる鳴き声としては、『ユックリリカイシマシタ』などもあります。」
「そ・・・そうだったんですか。紛らわしいんですね。」
先生も、顔をしかめながら話を続ける。
「そうなんです。だから大変なんですよ。
『ユックリサセテ』だって実は、『ゆっくりする』の丁寧語です。
しいて訳すなら、『私は今とてもゆっくりした気持でいます。』ですね。
なので今回の場合、『もっと躾けを続けて下さい。』とも意訳できます。」
「紛らわしすぎる・・・」
「あと、涙についても説明が必要ですね。でいぶは、基本的に涙を流しません。」
「え?じゃあ、あれは・・・」
「涙に見えるのは、思考をクリアにするため体を冷やす、汗のようなモノです。
人間もそうですが、頭が冷えてないと冷静な思考ができませんからね。」
「はあはあ、なーるほど。」
「じゃあ、続けましょう。」
「花瓶を割っちゃダメだろ!死ねっ!『ドムッ!』死ねっ!『ドムッ!』」
「び・・・びぇ・・・ぴぃ・・・・・・・」
こうして数十発拳を叩きこまれた頃、でいぶの反応は完全に無くなった。
全身脂汗と涙、よだれでベショベショになったまま、白目をむいている。
「はい、コレで終了です。」
「あの、・・・気絶してません?」
「大丈夫です。十分に教育を受けた後には、でいぶは必ずこうなるんですよ。」
「?」
「でいぶはこの状態で、外界からの刺激を断った上で記憶の整理を行うんです。
人間だって、睡眠中に脳内で記憶の整理が行われてるんですよ。それと同じです。」
「なるほどー。」
「だから、躾けの際には必ず反応が無くなるまで打撃を続けて下さい。
途中で止めると、記憶の定着が出来ないので、躾けされた内容をすぐに忘れてしまいます。」
き~ん・こ~ん・か~ん・ゆぎゃぁぁ~・ありすのぺにぺにがぁぁああ~
「と、言った所でチャイムですね。今日の授業は終わりです。
宿題として、この『でいぶ単語ドリル』をお配りしますので、来週の授業までにしっかり勉強しておいて下さい。
お疲れさまでした。」
「「「「お疲れ様でした―!!」」」」
------------------------------------------------------
この日、授業を受けていたお姉さんの一人、優子さんの家では、
飼いれいむが激しい調教を受けていた。
「やべでぇぇええ!!ごべんなざい!ごべんなざいぃいいい!!」
「シネッ!『ドゴッ!!』シネッ!『ドゴッ!!』シネッ!『ドゴッ!!』シネッ!『ドゴッ!!』」
「ゆっぐぢりがいぢまじだ!ごべんなざい!ごべんなざいぃいいい!!」
「う~ん、まだ鳴き声出してるわ。大変ねぇ。シネッ!『ドゴッ!!』シネッ!『ドゴッ!!』」
「ゆぴぇっ!?・・・びっ!!・・・ゆ・・・・・・・・・・・。」
「シネッ!『ドゴッ!!』シネッ!『ドゴッ!!』・・・はぁ。ようやく終わったわ。
でも、これでいい子になるなら、ガマン、ガマン。」
*****************************************************
翌週。
「ねえねえ、ゆかり~。聞いて聞いて~。」
「上機嫌ねぇ。どうしたのよ、優子。」
「ウチのれいむ、先週の授業の通り躾けたら、すっごくお行儀良くなったのよ~。
自分は悪い子だったって言って、最近はイタズラも全然しなくなったの。」
「へぇ。『れいむの躾け方』の通りやってもダメだったって言ってたよね。あのコ、でいぶだったのね。」
「うん。そうみたい。種類ごとに正しい躾け方ってあるのねー。」
「・・・すごいわねぇ。先生の言ってる『正しい言葉が良好な関係をつくる!』って嘘じゃなかったのね。」
この町の駅前、とあるビルの三階には、『ゆっくり語教室』と名乗る、
ゆっくりを飼っている社会人対象の学校がある。
部屋の作りはいたってシンプルで、受付以外には10人程度が入る教室が二つ。
講師も一人だけしかいない。
だが、そこそこ生徒は集まっているらしく、
今日も教室には定員オーバーの13人が、ちょっと窮屈そうにしながら授業を受けていた。
*****************************************************
「はい、それではこのクラスもレッスン10回目ですね。
今回のテーマからは少し難しくなりますよ。
『でいぶの躾け方』、これが今日の学習テーマです。」
はいっ!っと生徒の一人、柔和な雰囲気のお姉さんが手をあげる。
「はい。何ですか?愛美さん。」
「先生。でいぶってものがよくわかりません。れいむじゃないんですか?」
「いい質問ですね。」
すると先生は、机の下から二つの透明な箱を取り出した。
一方には普通の体型のれいむが、もう一方には、ダルマのようにでっぷりと太ったれいむが入っている。
「このバスケットボールみたいなのが『れいむ』、ダルマみたいなのが『でいぶ』です。」
「あの~先生。」
次は、糸のように細いたれ目が特徴的な、ぽっちゃりしたお姉さんが手をあげる。
「はい、質問ですか?優子さん。」
「あの、レッスン1回目で『れいむの躾け方』ってやったと・・・」
「ああ、なるほど。」
先生は、説明を始めた。
「はっきり言いますと、『でいぶ』は『れいむ』が成長した姿です。まあ、必ずこうなるわけではないですが。
見た目では区別はつきにくいですね。行動が『れいむ』と違い、やや荒っぽくワガママなので、そこで区別して下さい。」
「はぁ。」
「で、『でいぶ』になると、科学的には完全に解明に至っていないのですが、
どうやら餡子の性質にも変化があるようなのですよ。」
「なるほど。」
「そうすると、使用する言語も、行動も、『れいむ』だった頃とは多少変わってしまいます。
と言うわけで、『でいぶ』には『でいぶ』用の会話を学ぶ必要があるわけです。」
「ふぇ~。大変ですね~。」
「まあ、実際会話をしながら解説するのが一番なので、ちょっとやってみましょう。」
そう言うと先生は、透明な箱から『でいぶ』を教卓に取り出す。
箱から出されると、でいぶはさっそく行動を開始した。
「ゆらぁぁぁああ!!」
ガッシャーン!!
でいぶは箱に閉じ込められていた鬱憤をぶつけるかのように、
教卓にのっていた花瓶に体当たりし、床に落として割ってしまった。
「つよくてうつくしいれいむをとじこめるなんて、なにかんがえてるのぉおお!!
こうなりたくなかったら、さっさとあまあまもってきてね!たくさんでいいよ!!」
当然だが、花瓶はわざと置かれたものである。
今回のテーマが『でいぶの躾け方』なので、何か悪さをしてもらわなければ話が進まないのだ。
先生の計算通りである。
「・・・ひどいですね。コレ。」
「好実さん、早とちりはダメですよ。さっそく解説しますからね。
でいぶの場合通常のれいむと異なり、実は人間の標準語とは微妙に単語の意味が違うんです。」
「へ?そうなんですか?」
先生はそのとおり、という表情であいづちを打ちながら、解説を続ける。
「そう。例えば今のセリフ。
『ウツクシイ』は『忠実な』という意味です。
変わってるでしょ?まあ、言ってみれば方言みたいなモノだと思って下さい。」
「うわぁ。紛らわしい。・・・じゃあ、さっきのセリフって、実際はなんて言ってるんですか?」
「こうです。」
『健康であなたに忠実な私ですが、体力が有り余っています。
(箱に私を)閉じ込めた飼い主さんの考えに、理解が及びませんでした。
(勢い余って花瓶を割ってしまったのは)わざとではありませんが、(私は飼い主さんの)厳しい調教を必要としています。
手加減せずに調教して下さい。』
先生は、サラサラと黒板に文章を書き出した。
「細かい文法については今後じっくり勉強しますが、
『ツヨイ』=『元気いっぱい』、『アマアマ』=『(痛みを伴う)調教』、とまあ、こんな具合になります。」
「わ・・・わかりにくい・・・」
「それはそうなんですが、単語については特に注意してあげないと、
でいぶ達の気持ちを誤解してしまい、関係がギクシャクしてしまう事もあり得ます。やはり基本は大事なんですよ。」
・・・こうして、先生による『でいぶの躾け方』レッスンは開始された。
--------------------------------------------------------
「では、実際に躾けを行ってみましょう。」
そう言うと先生は、でいぶをコロンと教卓に仰向けで寝かせた。
「なにしてるの!くそどれい!!かわいいれいむに、さっさとあまあまもってきてね!ばかなの!?しぬの!?」
先生は再び解説する。
「『バカナノ』は『十分な教育を欲する気持ち』、『シヌノ』は『申し訳ない気持ち』を表します。
『バカナノ・シヌノ』は『迷惑をかけたくありません、2度と忘れないように厳しく躾けて下さい』
と言うニュアンスですね。セットで憶えておきましょう。」
そう言って先生はげんこつを固く握りしめ、
ドムッ!!
仰向けに寝かされているため丸見えの、でいぶのあんよのど真ん中に拳を叩きこんだ。
「花瓶を割っちゃダメだろ!死ねっ!『ドムッ!』死ねっ!『ドムッ!』」
「ゆっ!!ゆっびゃぁぁああああああ!!」
泣き叫ぶでいぶ。
先生はそのでいぶに向け、あんよを突き破らないように手加減しつつも、
情け容赦なく拳を叩きこみ続けた。
「あ、あのっ!」
「何ですか?ゆかりさん。」
「『死ね』って・・・それに暴力はちょっと・・・」
先生が見回すと、周囲のお姉さん達は少々青ざめ、静まり返っていた。
わざわざ金を払ってゆっくりとのコミュニケーション法を学ぼうという人達なのだから、
当然ながらゆっくりが好きでしょうがない人達なのである。
「ああ、失礼しました。解説しますね。
先ほどのやり方が、でいぶを躾ける正しい方法なんですよ。」
「は、はぁ・・・。」
「『シネッ!』とは、でいぶの餡子に、学習に最適な刺激を与える音なんです。
あんよに直接刺激を与えるのも、同様の効果があるんですよ。」
「そ、そうなんですかー!?」
「はい。だから、憶えて欲しい事を語りかけながら、先ほどのように刺激を与え続けるのは、
でいぶ達にとっては最良の教育方法な訳です。」
お姉さん達が納得したところで、躾けは続く。
「死ねっ!『ドムッ!』死ねっ!『ドムッ!』」
「ゆびぃ!?ゆひぃいぃいい!!ごべんなざい!ごべんなざいぃいいい!!」
「あ、あの、先生!」
「ん?何ですか?餡子さん。」
次に手をあげた餡子さんは、でいぶに憐みの視線を向けたまま、先生に質問した。
「あの、でいぶちゃんが、謝ってます。もういいんじゃないですか?すごく泣いてるし・・・」
「ああ、なるほど。確かに誤解されやすい部分ですね。いい質問です。」
ドムッ!!
「ぴぎぇぇっ!!ご・・・ごべんなざいぃ・・・」
ひときわ強烈な一撃をでいぶのあんよに叩きこむと、先生は解説する。
「でいぶ君。君は何で怒られてるんだっけ?」
「ゆ・・・?」
ドムッ!!
「ゆぴぃいいいい!!ゆっぐぢりがいじまじだ!ゆっぐぢざぜでぇぇええ!!」
先生はため息をつきながら続ける。
「こんな感じで、一回や二回言って聞かせた程度では、
でいぶの記憶には説教の内容など入っていきません。繰り返さないと。根気がいるんですよ。」
「・・・そうなんですね。」
「『ゴメンナサイ』はでいぶに限らず、特定の希少種を除いた全種のゆっくりに共通する一般的な鳴き声です。
人間で言えば『ふんっ!』とか『やぁっ!』などと同じですね。
同じように使われる鳴き声としては、『ユックリリカイシマシタ』などもあります。」
「そ・・・そうだったんですか。紛らわしいんですね。」
先生も、顔をしかめながら話を続ける。
「そうなんです。だから大変なんですよ。
『ユックリサセテ』だって実は、『ゆっくりする』の丁寧語です。
しいて訳すなら、『私は今とてもゆっくりした気持でいます。』ですね。
なので今回の場合、『もっと躾けを続けて下さい。』とも意訳できます。」
「紛らわしすぎる・・・」
「あと、涙についても説明が必要ですね。でいぶは、基本的に涙を流しません。」
「え?じゃあ、あれは・・・」
「涙に見えるのは、思考をクリアにするため体を冷やす、汗のようなモノです。
人間もそうですが、頭が冷えてないと冷静な思考ができませんからね。」
「はあはあ、なーるほど。」
「じゃあ、続けましょう。」
「花瓶を割っちゃダメだろ!死ねっ!『ドムッ!』死ねっ!『ドムッ!』」
「び・・・びぇ・・・ぴぃ・・・・・・・」
こうして数十発拳を叩きこまれた頃、でいぶの反応は完全に無くなった。
全身脂汗と涙、よだれでベショベショになったまま、白目をむいている。
「はい、コレで終了です。」
「あの、・・・気絶してません?」
「大丈夫です。十分に教育を受けた後には、でいぶは必ずこうなるんですよ。」
「?」
「でいぶはこの状態で、外界からの刺激を断った上で記憶の整理を行うんです。
人間だって、睡眠中に脳内で記憶の整理が行われてるんですよ。それと同じです。」
「なるほどー。」
「だから、躾けの際には必ず反応が無くなるまで打撃を続けて下さい。
途中で止めると、記憶の定着が出来ないので、躾けされた内容をすぐに忘れてしまいます。」
き~ん・こ~ん・か~ん・ゆぎゃぁぁ~・ありすのぺにぺにがぁぁああ~
「と、言った所でチャイムですね。今日の授業は終わりです。
宿題として、この『でいぶ単語ドリル』をお配りしますので、来週の授業までにしっかり勉強しておいて下さい。
お疲れさまでした。」
「「「「お疲れ様でした―!!」」」」
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この日、授業を受けていたお姉さんの一人、優子さんの家では、
飼いれいむが激しい調教を受けていた。
「やべでぇぇええ!!ごべんなざい!ごべんなざいぃいいい!!」
「シネッ!『ドゴッ!!』シネッ!『ドゴッ!!』シネッ!『ドゴッ!!』シネッ!『ドゴッ!!』」
「ゆっぐぢりがいぢまじだ!ごべんなざい!ごべんなざいぃいいい!!」
「う~ん、まだ鳴き声出してるわ。大変ねぇ。シネッ!『ドゴッ!!』シネッ!『ドゴッ!!』」
「ゆぴぇっ!?・・・びっ!!・・・ゆ・・・・・・・・・・・。」
「シネッ!『ドゴッ!!』シネッ!『ドゴッ!!』・・・はぁ。ようやく終わったわ。
でも、これでいい子になるなら、ガマン、ガマン。」
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翌週。
「ねえねえ、ゆかり~。聞いて聞いて~。」
「上機嫌ねぇ。どうしたのよ、優子。」
「ウチのれいむ、先週の授業の通り躾けたら、すっごくお行儀良くなったのよ~。
自分は悪い子だったって言って、最近はイタズラも全然しなくなったの。」
「へぇ。『れいむの躾け方』の通りやってもダメだったって言ってたよね。あのコ、でいぶだったのね。」
「うん。そうみたい。種類ごとに正しい躾け方ってあるのねー。」
「・・・すごいわねぇ。先生の言ってる『正しい言葉が良好な関係をつくる!』って嘘じゃなかったのね。」