ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko2921 十人十色の花畑
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ankoss
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『十人十色の花畑』 7KB
小ネタ 希少種 現代 独自設定 頑張ります
小ネタ 希少種 現代 独自設定 頑張ります
- 独自設定ばかりです。
- しばらくは小ネタ中心でいきます。
- ネタかぶりしていたら申し訳ないです。
- ゆっくりしていってね!
十人十色の花畑
無数の花が咲き誇る丘の上。
丹誠こめて花の世話をしているのは一匹のゆうか。
ゆうかは一年以上ここで花とともに暮らしている。
丹誠こめて花の世話をしているのは一匹のゆうか。
ゆうかは一年以上ここで花とともに暮らしている。
ゆうかがこの丘を見つけたのは、丁度季節が一回りする前のことだった。
自分を一生懸命育ててくれた、花を愛する優しい母ゆうか。
その元から独り立ちしたゆうかは、数週間旅をしてこの丘を見つけた。
自分を一生懸命育ててくれた、花を愛する優しい母ゆうか。
その元から独り立ちしたゆうかは、数週間旅をしてこの丘を見つけた。
ゲスゆっくりのように、すぐにおうち宣言することはなかった。
しっかりと先住者がいないかどうかを確認した上で、自分の家を作った。
しっかりと先住者がいないかどうかを確認した上で、自分の家を作った。
丘の上には貧相な雑草しか生えていなかった。
ゆうかは狩りで遠出をする度に野花の種を集めては、丘に植えた。
そんなことを繰り返しているうちに季節は巡り、初めての冬を迎えた。
ゆうかは狩りで遠出をする度に野花の種を集めては、丘に植えた。
そんなことを繰り返しているうちに季節は巡り、初めての冬を迎えた。
一匹での越冬は初めてだった。
それでも母ゆうかの教えのとおり、雪が降る前に充分な食料を確保していたので、比較的余裕を持って越冬に入ることができた。
それでも母ゆうかの教えのとおり、雪が降る前に充分な食料を確保していたので、比較的余裕を持って越冬に入ることができた。
越冬を始めてから三ヶ月。越冬中のゆうかの家がぽかぽかと暖かくなってきた。
母ゆうかから教えてもらった春の訪れの合図だ、とゆうかは悟った。
しっかりと塞いだ家の入り口を壊した壊したゆうかを出迎えたのは、家の周りに咲き乱れた野花の花畑だった。
母ゆうかから教えてもらった春の訪れの合図だ、とゆうかは悟った。
しっかりと塞いだ家の入り口を壊した壊したゆうかを出迎えたのは、家の周りに咲き乱れた野花の花畑だった。
ゆうかは一日の半分を花たちの世話に費やした。
近くを流れる小川に赴き、水を口に含んでは花畑に戻り、水をやった。
花畑の面積は五メートル平米ほど、決して広いとはいえなかった。それでも小さなゆうかにとっては大変な作業だった。
近くを流れる小川に赴き、水を口に含んでは花畑に戻り、水をやった。
花畑の面積は五メートル平米ほど、決して広いとはいえなかった。それでも小さなゆうかにとっては大変な作業だった。
残りの半分の時間は狩りと花の種の採集にあてた。
体を休められるのは寝る時だけだった。
それでもゆうかは花の世話をしている時が、一番ゆっくりできた。
だからこそ花たち世話を続けることができた。
体を休められるのは寝る時だけだった。
それでもゆうかは花の世話をしている時が、一番ゆっくりできた。
だからこそ花たち世話を続けることができた。
ある日のこと。いつものように花の世話をしていたゆうかの後ろから、見知らぬ声がかかった。
「綺麗な花畑だね」
ゆうかは振り向いた。そこには人間の男が立っていた。ゆうかは人間を見るのは初めてだった。
「にんげんさん、ゆっくりしていってね」
少し怯えつつも声をかけた。
「ああ、僕は今とってもゆっくりできてるよ」
男から返事が返ってきた。正直潰されるかも、と思っていたゆうかは安堵した。
母ゆうかと生活していた頃、ゆうかは毎日のように「なるべく人間とは関わるな」と母ゆうかから助言を受けていた。
しかし、この人間は善人のようだ、とゆうかは思った。
しかし、この人間は善人のようだ、とゆうかは思った。
「にんげんさんも、はながすきなのかしら?」
ゆうかは男に訊いた。男はにっこりと笑うと「ああ、大好きだよ」と答えた。
「この花畑はゆうかが作ったのかい?」
今度は男がゆうかに訊いた。
「そうよ。かりにいったときに、はなのたねをあつめてきたのよ」
「はは、そうか。ゆうかはすごいなぁ。僕にはとてもできないよ」
ゆうかは褒められて悪い気はしなかった。男への警戒心が徐々に解かれていった。
「この花の種は何処から採ってきたんだい?」
「これはね……」
ゆうかと男は色々な話をした。花のことや生活のこと、自分の過去。
不意に男がいった。
「ゆうかは本当にかわいいな。まるで花のようだよ。僕の花畑に欲しいくらいさ」
「にんげんさんも、はなばたけをつくってるの?」
ゆうかは男の花畑に興味を持った。ゆうかはまだ他人が作った花畑を見たことがなかった。
近くに他のゆっくりは住んでいた。だが、ゆうかのように花畑を作っているゆっくりはいなかった。
むしろ、「はなをどくせんするげすなゆっくりはしね!」といって襲いかかってくるゆっくりばかりだった。
むしろ、「はなをどくせんするげすなゆっくりはしね!」といって襲いかかってくるゆっくりばかりだった。
「ああ。僕は家に花畑を作っているんだ。よかったら見に来るかい?」
ゆうかにとっては願ってもない提案だった。男がいわなければ自分から切り出すつもりだった。
「いいの? ゆうか、にんげんさんのようにおおきくないから、あまりはやくはねられないのだけど……」
「大丈夫だよ。僕が運んであげるからね。さぁ、いこうか」
ゆうかは男の腕に優しく抱きかかえられた。
ゆっくりの習性で「おそらをとんでるみたい」といいそうになったが、ぐっと堪えた。
ゆっくりの習性で「おそらをとんでるみたい」といいそうになったが、ぐっと堪えた。
住み慣れた丘を一時的に後にする。
男が歩くスピードはゆうかとは比べ物にならなかった。
数分もすると、ゆうかが見たこともない景色が次々と目に飛び込んできた。
あっという間にゆうかの生活圏から出てしまったことを意味している。
男が歩くスピードはゆうかとは比べ物にならなかった。
数分もすると、ゆうかが見たこともない景色が次々と目に飛び込んできた。
あっという間にゆうかの生活圏から出てしまったことを意味している。
すごいわ、とゆうかは思った。今まで自分の見ていた世界はどれだけ狭いものだったか実感した。
しばらくすると人間の家が見えてきた。
人間の家は丘の上から毎日のように見下ろしていたが、間近で見るのはこれが初めてだった。
人間の家は丘の上から毎日のように見下ろしていたが、間近で見るのはこれが初めてだった。
家は石で作られた塀に囲まれていた。
玄関の門の前と通る際、ちらっと中を見ることができた。
数は少ないが、何輪かの花が植えられているのを見た。ゆうかが今まで見たこともない花ばかりだった。
ゆうかは改めて人間とゆっくりの差を痛感した。
玄関の門の前と通る際、ちらっと中を見ることができた。
数は少ないが、何輪かの花が植えられているのを見た。ゆうかが今まで見たこともない花ばかりだった。
ゆうかは改めて人間とゆっくりの差を痛感した。
男に抱かれたまま、ゆうかは街中をどんどん進んでいく。人間の家は所狭しと並んでいた。
ゆうかの住んでいた丘のような清々しい開放感はゼロに等しい。
しかし、どの家の庭を見ても、花が植えられていた。
花を育てようとした場合、何かを犠牲にするか、よほど生活に余裕がなければ駄目だということは自身の体験からわかっている。
ゆっくりでは人間には絶対に叶わない、とも感じた。
ゆうかの住んでいた丘のような清々しい開放感はゼロに等しい。
しかし、どの家の庭を見ても、花が植えられていた。
花を育てようとした場合、何かを犠牲にするか、よほど生活に余裕がなければ駄目だということは自身の体験からわかっている。
ゆっくりでは人間には絶対に叶わない、とも感じた。
男の家に着いた。門を開け中に入ると、その場で庭を一望することができた。
その庭はこれまで見てきたどの家よりも広かった。
そして赤や黄、白、紫、山吹などの色の花が数えきれないほど咲き誇っていた。
その庭はこれまで見てきたどの家よりも広かった。
そして赤や黄、白、紫、山吹などの色の花が数えきれないほど咲き誇っていた。
「すごいわ……これがにんげんさんのはなばたけなのね」
ゆうかは感嘆の声をあげた。
男の花畑は、自分の花畑と比べて何倍も広かった。
咲いている花の種類も比べ物にならない。
花は見た目のバランスを考えて植えられており、遠目で見るだけでも美しい。
自分の花畑が勝っている要素は一つもない、とゆうかは思った。
男の花畑は、自分の花畑と比べて何倍も広かった。
咲いている花の種類も比べ物にならない。
花は見た目のバランスを考えて植えられており、遠目で見るだけでも美しい。
自分の花畑が勝っている要素は一つもない、とゆうかは思った。
「そろそろいいかい? それじゃあ、僕の花畑に案内するからね」
ゆうかは驚いた。てっきりこれが男の花畑だと思っていたからだ。
「これはおにいさんのはなばたけじゃないの?」
「はは、これは僕の姉さんの花畑さ。僕の花畑はこっちだよ」
本当に家の中に花畑があるのか、とゆうかは思った。
他の人間の家と比べると格段に大きい家だが、花畑を作れるスペースがあるとは思えなかった。
男に抱かれたゆうかは玄関から家の中へ入った。正面には大きな螺旋階段があった。
他の人間の家と比べると格段に大きい家だが、花畑を作れるスペースがあるとは思えなかった。
男に抱かれたゆうかは玄関から家の中へ入った。正面には大きな螺旋階段があった。
螺旋階段をトントンと音をたてながら二階へ上がった。そこから続く廊下を進む。
突き当たりにある観音開きの扉の前で男は止まった。男はゆうかを床に優しく下ろしていった。
突き当たりにある観音開きの扉の前で男は止まった。男はゆうかを床に優しく下ろしていった。
「この部屋に、僕の花畑があるよ」
男の手によって扉が開かれた。ゆうかの目に映ったのは、なんの家具もない、”奇妙な壁紙”の部屋。
否。
ゆうかは気づいてしまった。
これは奇妙な壁紙などではない。これは”花畑”だ。
花畑には、黒、白、クリーム色、緑、茶色、黄色など無数の色の”花”が咲いていた。
ゆうかはこの”花”を知っていた。ただ、知りたくはなかった。だって、この”花”は――。
ゆうかは気づいてしまった。
これは奇妙な壁紙などではない。これは”花畑”だ。
花畑には、黒、白、クリーム色、緑、茶色、黄色など無数の色の”花”が咲いていた。
ゆうかはこの”花”を知っていた。ただ、知りたくはなかった。だって、この”花”は――。
「どう? 僕の花畑は。気に入ってくれたかい?」
ゆうかは後ろを振り向くことができない。震えが止まらない。息が上手くできない。
そんなゆうかを見て、男がいった。
「ゆうかは本当にかわいいな。まるで花のようだよ。僕の花畑に欲しいくらいさ」
おしまい
あとがき
文章の勉強をするために本を読み始めました。
徐々にSSの文章力も上がっていけば良いな、と思います。
徐々にSSの文章力も上がっていけば良いな、と思います。
過去の作品
anko2912 目覚め
anko2884 でかまりさ
anko2866 バレンタインに渡すアレ
anko2848 復讐が生むモノ
anko2837 楽園
anko2821 お風呂場のれいむ
anko2817 十字傷みょんの出逢い
anko2813 ちぇんが敬遠される三つの理由
anko2795 ゆっくり◯◯の一日
anko2788 畑荒らしの正体
anko2785 ゆっくりとお正月を満喫しよう!
anko2758 作ろう!ドスまりさ!
anko2753 共生
anko2751 ゆっくり餅
anko2737 イヴの夜に
anko2561 すぃーはゆっくりできない
anko2516 読書の秋
anko2514 新発見、ゆっくりの新しい移動法
anko2504 冷凍ゆっくり
anko2503 新たなエネルギー源
anko2501 胴付きになりたかったまりさ
anko2498 日本を支える一大産業(本編)
anko2495 一番多いゆっくりは
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