ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko3380 ゆっくりウェスタン
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『ゆっくりウェスタン』 12KB
差別・格差 二次創作 戦闘 同族殺し 野良ゆ ゲス 希少種 自然界 人間なし 独自設定 続編作る気はあるかも。
差別・格差 二次創作 戦闘 同族殺し 野良ゆ ゲス 希少種 自然界 人間なし 独自設定 続編作る気はあるかも。
とある山間部にあるゆっくりの群れ。ドスゆかりんが治めるその群れは何もかもを認めて受け入れてくれる群れでした。
例えば、基本種を喰らい尽くす捕食種でも。
例えば、忌み嫌われる存在である稀少種でも。
例えば、言葉の通じぬゆっくりでも。
例えば、体に不自由があるゆっくりでも。
例えば、先天的にゆっくり出来ないゆっくりでも。
例えば、お飾りがなかったりゆっくりしていないゆっくりでも。
例えば、ゆっくり出来ない匂いを醸しだしたアウトローでも。
例えば、性格の悪いゲスでも。
例えば、忌み嫌われる存在である稀少種でも。
例えば、言葉の通じぬゆっくりでも。
例えば、体に不自由があるゆっくりでも。
例えば、先天的にゆっくり出来ないゆっくりでも。
例えば、お飾りがなかったりゆっくりしていないゆっくりでも。
例えば、ゆっくり出来ない匂いを醸しだしたアウトローでも。
例えば、性格の悪いゲスでも。
群れはすべてを受け入れました。
ゆっくり達はこの素晴らしき混沌とした群れの名をこう呼びました。“げんそうきょう”と。
ゆっくり達はこの素晴らしき混沌とした群れの名をこう呼びました。“げんそうきょう”と。
ゆっくりウェスタン
嘘あき
1,
“げんそうきょう”の中でも貧民街に価する“うんうんがい”。
群れの労働力にもならなかったゆっくりや、群れから忌み嫌われた者たちが行き着く先である。
通常のゆっくりが暮らす木々に溢れた川沿いの場所とは違い、何も無い徒広い荒野の上に転々とダンボールの家が転がっているだけの場所。
そこに暮らす者たちは皆、生気を失った顔をしていたり、気が狂ったように笑い転げたり、クソをそこらじゅうにまき散らして平気な者までいる。
周りには資源なんてものはなく、汚水が流れつく下流にあるのが強みなだけ。
周りに食料は存在せず、上層階級から配布される“ぱんのみみ”を食うだけだ。
彼らには労働の意欲さえ無い。何かを生み出す気が全くない。
刻々と流れる時を無為にしながら座して死を待つだけの哀れな存在と言っても良いだろう。
「よそういじょうにひでぇところなのぜ」
場所に似合わない艶のある黒いとんがり帽子をかぶったまりさが“うんうんがい”の軒並みを見下げる。
「けったくそわるいばしょなのぜ」
貧相な顔をした子ゆっくりが見つめてきた。まるで救いというものが来ないと分かりきった眼で。
知らんぷりをしながらゆっくりは地面に唾を吐き捨てる。そして、長い舌で帽子のつばを押し上げた。
「まってろよ、あのびちぐそでいぶ!!」
開いた視野で目の前にある大きな建造物を捉える。
ダンボールを立てただけの貧相なものとは違い、セメントやレンガなどゆっくりに出来る土木技術の粋を集めて作られた歓楽街“おりえんと”。
中流階級のものとは変わらない建物たちの中には“ぱぶ”や“かじの”、“すっきりやど”と言った、“げんそうきょう”が定めた“じょうれい”に反したものが立ち並ぶ。
そして、この“おりえんっと”の中心に位置する円形状の巨大な建物“ころっせお”が存在する。
「かならずみんち!!」
興奮覚めやらぬ夜の騒乱を真紅に輝く隻眼で睨みつけた。
“げんそうきょう”の中でも貧民街に価する“うんうんがい”。
群れの労働力にもならなかったゆっくりや、群れから忌み嫌われた者たちが行き着く先である。
通常のゆっくりが暮らす木々に溢れた川沿いの場所とは違い、何も無い徒広い荒野の上に転々とダンボールの家が転がっているだけの場所。
そこに暮らす者たちは皆、生気を失った顔をしていたり、気が狂ったように笑い転げたり、クソをそこらじゅうにまき散らして平気な者までいる。
周りには資源なんてものはなく、汚水が流れつく下流にあるのが強みなだけ。
周りに食料は存在せず、上層階級から配布される“ぱんのみみ”を食うだけだ。
彼らには労働の意欲さえ無い。何かを生み出す気が全くない。
刻々と流れる時を無為にしながら座して死を待つだけの哀れな存在と言っても良いだろう。
「よそういじょうにひでぇところなのぜ」
場所に似合わない艶のある黒いとんがり帽子をかぶったまりさが“うんうんがい”の軒並みを見下げる。
「けったくそわるいばしょなのぜ」
貧相な顔をした子ゆっくりが見つめてきた。まるで救いというものが来ないと分かりきった眼で。
知らんぷりをしながらゆっくりは地面に唾を吐き捨てる。そして、長い舌で帽子のつばを押し上げた。
「まってろよ、あのびちぐそでいぶ!!」
開いた視野で目の前にある大きな建造物を捉える。
ダンボールを立てただけの貧相なものとは違い、セメントやレンガなどゆっくりに出来る土木技術の粋を集めて作られた歓楽街“おりえんと”。
中流階級のものとは変わらない建物たちの中には“ぱぶ”や“かじの”、“すっきりやど”と言った、“げんそうきょう”が定めた“じょうれい”に反したものが立ち並ぶ。
そして、この“おりえんっと”の中心に位置する円形状の巨大な建物“ころっせお”が存在する。
「かならずみんち!!」
興奮覚めやらぬ夜の騒乱を真紅に輝く隻眼で睨みつけた。
2,
“げんそうきょう”はゆっくりにとってユートピアではあるが、それはある一定の階級に達したゆっくりだけのものである。
ドスゆかりんによって作られた、人間に虐げられてきたゆっくりを解放するための別世界である。
差別のない世界を気付こうとしたドスゆかりんは最初は皆を平等に扱ったが、一部のゲスによって不平等が生じた。
その為、ゲスと呼ばれるゆっくりを辺境地に移設し、最低限の食料を与えスラム街としての体裁を整えた。
そこはまさに地獄の坩堝と言わしめるほどに。
しかし、治安というのはこくこくと悪くなる。ゲス自体はいくらでも生まれ続けるのだから。
自警団が発足し、それが後のスラム街を管轄するマフィア組織へと変貌し、ドスゆかりんさえもが手を出せない状況になってしまった。
警察組織を作ったは良いものの、組織力に劣る警察組織はスラム街の当地が行えず、別の手を打たざるを得なかった。
それは、賞金首。
“げんそうきょう”はゆっくりにとってユートピアではあるが、それはある一定の階級に達したゆっくりだけのものである。
ドスゆかりんによって作られた、人間に虐げられてきたゆっくりを解放するための別世界である。
差別のない世界を気付こうとしたドスゆかりんは最初は皆を平等に扱ったが、一部のゲスによって不平等が生じた。
その為、ゲスと呼ばれるゆっくりを辺境地に移設し、最低限の食料を与えスラム街としての体裁を整えた。
そこはまさに地獄の坩堝と言わしめるほどに。
しかし、治安というのはこくこくと悪くなる。ゲス自体はいくらでも生まれ続けるのだから。
自警団が発足し、それが後のスラム街を管轄するマフィア組織へと変貌し、ドスゆかりんさえもが手を出せない状況になってしまった。
警察組織を作ったは良いものの、組織力に劣る警察組織はスラム街の当地が行えず、別の手を打たざるを得なかった。
それは、賞金首。
3,
まりさは陶器の急須に入った甘い水を吸いながら、バーのあちらこちらから聞こえる雑音を嫌な顔をせずに無表情で聞き流していた。
「よう、まりさ!」
バーテンダーと相対しながら無言を貫くまりさにようむがちょっかいをかけた。
「ゆっくりできないにおいのまりさはしゃわーさんでもあびればいいみょん!」
「ゆふふ、たしかにそうなんだねー。まるでうんうんがいのげすどもとおなじなんだねー」
まりさの外装はとことん汚れていた。帽子には土汚れでしみになったものや、髪の毛の隙間に泥や葉っぱが挟まっていたり。
なぜなら、まりさはうんうん街まで一周間の時間をかけて森を抜けてこの地にやってきたのだから。
定期便の使用も考えられたが、げんそうきょうの定期便はゲスしか居ないため顔を覚えられるのは厄介極まりなかった。
「ゆっくりしゃわーしてやるみょん」
口元をすぼめたみょんから、まりさの顔に向かって水が放たれた。
「ふん」
予測していたのか、まりさは額を下げて帽子で水を受け止めた。
「よけるんじゃないみょん!」
悪乗りが過ぎたのか、背後には樹の枝を咥えた相方らしきちぇんが抜け目なく存在していた。
「そとのゆっくりのくせにこんなところにくるからわるいんだよーわかれよー」
「うるさいのぜ。まりさはゆっくりしたいだけなのぜ」
「うそだみょん。こんなところにくるやつはみんなげすしかいないみょん!」
会話の趣旨からしてまりさは、早速この地のマフィアに警戒されているということを知った。
この二匹はチンピラで、外のゆっくりが何かしでかさないかを確かめるための要員なのだ。
「さて、みょんはとってもきげんがわるいみょん」
カチューシャに挟んであった樹の枝を取り出したようむは、頭を垂れ続けているまりさの帽子に先っぽを当てる。
「ぼうしをずたずたにしてやるみょん!!」
そのまま樹の枝を押し込もうとしたようむだが、ぼうしは樹の枝によって貫通することは出来なかった。
「あれ? どうして」
風をきる音と共に困惑するようむの右目に何かが飛来した。
「いたいみょぉおおおおおおおおん!!!!?」
「にゃにゃ~!?」
いつの間にか土下座の形から戻っていたまりさは、何かを含んだ口をちぇんの額へと向ける。
「“いしふき”がそんなにめずらしいのかぜ?」
「わ、わからない」
樹の枝をまりさに向けながらも口元は振るえ続けるちぇん。
バーのギャラリーたちもようむの悲鳴を皮切りに二匹の様子を見ざるを得なかった。
「ゆ、あのまりさ、すごうでなのぜ……」
同種であるまりさがほれぼれとするぐらいの姿勢で、石を吹き出す準備をしているまりさ。
しかも、一切の震えもなく勝負への怖さが微塵も感じない。
「これいじょうやるならようしゃはしないのぜ」
「わ、わからないよわからないよ!!」
失禁するちぇんは恐怖で後ずさりをしながら敵対する相手を眺める。
だが、何処から見ても隙のないまりさの口元が目立って見える。
「にゃ、にゃあああああ!!!」
ちぇんはなけなしの蛮勇で切っ先を向けてまりさのもとへ飛び込んだ。
この戦いに勝たなければ後がない。
仕事を少しでも怠れば見せしめとしてちぇんはチンピラからうんうん街の住人にされてしまうのだ。
「げすはしねぇ!!!」
枝の先はまりさには当たらず空を切った。ぎりぎりのところでまりさがちぇんの側面に回ったせいだ。
「にどめはないのぜ」
口から放たれた丸石がちぇんの柔肌を突き破り、
「げびゅぅううううう」
体内のチョコレートを口元へと押し出す。
勢いは止まらず中枢餡を貫いて、反対側の皮膚をも貫いてしまった。
「もっとゆっくりしたかった……」
いつ聞いても飽きないセリフにまりさは戦いの神である“かなこ”に祈りを捧げた。
「むだなせっしょうをしてしまったのぜ……」
ざわついた館内の中から、痛みで悶えているようむを探し出し、まりさは要望を突きつけた。
「ここのまちのさとりのばしょはどこなのぜ?」
まりさは陶器の急須に入った甘い水を吸いながら、バーのあちらこちらから聞こえる雑音を嫌な顔をせずに無表情で聞き流していた。
「よう、まりさ!」
バーテンダーと相対しながら無言を貫くまりさにようむがちょっかいをかけた。
「ゆっくりできないにおいのまりさはしゃわーさんでもあびればいいみょん!」
「ゆふふ、たしかにそうなんだねー。まるでうんうんがいのげすどもとおなじなんだねー」
まりさの外装はとことん汚れていた。帽子には土汚れでしみになったものや、髪の毛の隙間に泥や葉っぱが挟まっていたり。
なぜなら、まりさはうんうん街まで一周間の時間をかけて森を抜けてこの地にやってきたのだから。
定期便の使用も考えられたが、げんそうきょうの定期便はゲスしか居ないため顔を覚えられるのは厄介極まりなかった。
「ゆっくりしゃわーしてやるみょん」
口元をすぼめたみょんから、まりさの顔に向かって水が放たれた。
「ふん」
予測していたのか、まりさは額を下げて帽子で水を受け止めた。
「よけるんじゃないみょん!」
悪乗りが過ぎたのか、背後には樹の枝を咥えた相方らしきちぇんが抜け目なく存在していた。
「そとのゆっくりのくせにこんなところにくるからわるいんだよーわかれよー」
「うるさいのぜ。まりさはゆっくりしたいだけなのぜ」
「うそだみょん。こんなところにくるやつはみんなげすしかいないみょん!」
会話の趣旨からしてまりさは、早速この地のマフィアに警戒されているということを知った。
この二匹はチンピラで、外のゆっくりが何かしでかさないかを確かめるための要員なのだ。
「さて、みょんはとってもきげんがわるいみょん」
カチューシャに挟んであった樹の枝を取り出したようむは、頭を垂れ続けているまりさの帽子に先っぽを当てる。
「ぼうしをずたずたにしてやるみょん!!」
そのまま樹の枝を押し込もうとしたようむだが、ぼうしは樹の枝によって貫通することは出来なかった。
「あれ? どうして」
風をきる音と共に困惑するようむの右目に何かが飛来した。
「いたいみょぉおおおおおおおおん!!!!?」
「にゃにゃ~!?」
いつの間にか土下座の形から戻っていたまりさは、何かを含んだ口をちぇんの額へと向ける。
「“いしふき”がそんなにめずらしいのかぜ?」
「わ、わからない」
樹の枝をまりさに向けながらも口元は振るえ続けるちぇん。
バーのギャラリーたちもようむの悲鳴を皮切りに二匹の様子を見ざるを得なかった。
「ゆ、あのまりさ、すごうでなのぜ……」
同種であるまりさがほれぼれとするぐらいの姿勢で、石を吹き出す準備をしているまりさ。
しかも、一切の震えもなく勝負への怖さが微塵も感じない。
「これいじょうやるならようしゃはしないのぜ」
「わ、わからないよわからないよ!!」
失禁するちぇんは恐怖で後ずさりをしながら敵対する相手を眺める。
だが、何処から見ても隙のないまりさの口元が目立って見える。
「にゃ、にゃあああああ!!!」
ちぇんはなけなしの蛮勇で切っ先を向けてまりさのもとへ飛び込んだ。
この戦いに勝たなければ後がない。
仕事を少しでも怠れば見せしめとしてちぇんはチンピラからうんうん街の住人にされてしまうのだ。
「げすはしねぇ!!!」
枝の先はまりさには当たらず空を切った。ぎりぎりのところでまりさがちぇんの側面に回ったせいだ。
「にどめはないのぜ」
口から放たれた丸石がちぇんの柔肌を突き破り、
「げびゅぅううううう」
体内のチョコレートを口元へと押し出す。
勢いは止まらず中枢餡を貫いて、反対側の皮膚をも貫いてしまった。
「もっとゆっくりしたかった……」
いつ聞いても飽きないセリフにまりさは戦いの神である“かなこ”に祈りを捧げた。
「むだなせっしょうをしてしまったのぜ……」
ざわついた館内の中から、痛みで悶えているようむを探し出し、まりさは要望を突きつけた。
「ここのまちのさとりのばしょはどこなのぜ?」
4,
国を形成するには何が必要なのか? それは交通網だ。
“やまのようかいしゅう”による道路技術や航海技術がすべてのインフラを作り出し、すぃーの量産で町と町をつなげることが出来た。
また、ドスゆかりんが天敵が居ない世界を選んだため、ゆっくりじっくりと世界は広がっていった。
しかし、ここでまた治安の問題が発生してしまった。
だれが犯罪を犯したのかを知る方法が得られなかったのだ。
そして、捜査力の無さが要因で冤罪で殺されるゆっくりも存在した。
どうしたものかと、げんそうきょうの重鎮たちが悩んでいたところに、重鎮のメンバーであるさとりがあるシステムを考案した。
それは“おうのみみ”と呼ばれる情報機関に近いものだ。
さとりには心が読める力がある為、それを駆使すれば確実に真犯人が捕まる。
その為にもさとりを群れに配備し、監視役としての役割をさせれば良いのではないかと考案したのだ。
勿論、ただの善意で考えたわけでなく、さとり種の繁栄を目的としたものである。
その点に目をつけた重鎮の一人であるえいきも大いに賛同した。
なぜなら、えいきたちも善悪の判断ができるゆっくりだからなのだ。
重鎮二人による積極的なオファーもあったが、これ以上にないシステムなので何の反対もなく解決してしまった。
余談だが、警察組織はこの次に正式なものとして作られたが、これはさとり・えいきへの抑止力として誕生したと言われている。
国を形成するには何が必要なのか? それは交通網だ。
“やまのようかいしゅう”による道路技術や航海技術がすべてのインフラを作り出し、すぃーの量産で町と町をつなげることが出来た。
また、ドスゆかりんが天敵が居ない世界を選んだため、ゆっくりじっくりと世界は広がっていった。
しかし、ここでまた治安の問題が発生してしまった。
だれが犯罪を犯したのかを知る方法が得られなかったのだ。
そして、捜査力の無さが要因で冤罪で殺されるゆっくりも存在した。
どうしたものかと、げんそうきょうの重鎮たちが悩んでいたところに、重鎮のメンバーであるさとりがあるシステムを考案した。
それは“おうのみみ”と呼ばれる情報機関に近いものだ。
さとりには心が読める力がある為、それを駆使すれば確実に真犯人が捕まる。
その為にもさとりを群れに配備し、監視役としての役割をさせれば良いのではないかと考案したのだ。
勿論、ただの善意で考えたわけでなく、さとり種の繁栄を目的としたものである。
その点に目をつけた重鎮の一人であるえいきも大いに賛同した。
なぜなら、えいきたちも善悪の判断ができるゆっくりだからなのだ。
重鎮二人による積極的なオファーもあったが、これ以上にないシステムなので何の反対もなく解決してしまった。
余談だが、警察組織はこの次に正式なものとして作られたが、これはさとり・えいきへの抑止力として誕生したと言われている。
5,
本来、統治をしなくなったうんうん街にはさとりや警察組織は必要がない。
だが、賞金首等の情報屋が必要である土地柄な為、げんそうきょうの行政府に属さないさとりがちらほらいるのだ。
彼らはマフィアと組んで、様々なビジネスを行なっている。
たとえば、外のさとりと結びついて犯罪者の情報を交換し、さとりに縁があるものに処理させるなど。
賞金稼ぎのゆっくりが情報を買うためにもさとりの存在は必要不可欠である。
「で、まりさはでいぶをさがしているわけね」
綿で出来た高級な座布団の上に座るさとりは心を読んで答えた。
「あのでいぶは“まよいのちくりん”をおそった“でいぶかいほうぐん”のりーだーにまちがいないわね?」
「そうなのぜ」
側についているおくうがさとりの口元に急須の口を添えた。
「ありがとう、おくう」
口を潤すようにしながら飲み干すと、さとりは再度口を開き始めた。
「あのでいぶはもうしんだものとおなじくらいにごうもんをうけたはずよ」
まりさは頭を横に振って自分の意志の強さを見せつけた。
「まあ、いまもいきてはいるわ。それでもあいたいならただでおしえてあげてもいいわよ」
「ただ? どうしてなのぜ?」
今まで閉じこもっていた感情を解放させ、にんわりと笑ってさとりは答えた。
「まりささんのころしのばーじんがわれるところをみせてほしいから」
本来、統治をしなくなったうんうん街にはさとりや警察組織は必要がない。
だが、賞金首等の情報屋が必要である土地柄な為、げんそうきょうの行政府に属さないさとりがちらほらいるのだ。
彼らはマフィアと組んで、様々なビジネスを行なっている。
たとえば、外のさとりと結びついて犯罪者の情報を交換し、さとりに縁があるものに処理させるなど。
賞金稼ぎのゆっくりが情報を買うためにもさとりの存在は必要不可欠である。
「で、まりさはでいぶをさがしているわけね」
綿で出来た高級な座布団の上に座るさとりは心を読んで答えた。
「あのでいぶは“まよいのちくりん”をおそった“でいぶかいほうぐん”のりーだーにまちがいないわね?」
「そうなのぜ」
側についているおくうがさとりの口元に急須の口を添えた。
「ありがとう、おくう」
口を潤すようにしながら飲み干すと、さとりは再度口を開き始めた。
「あのでいぶはもうしんだものとおなじくらいにごうもんをうけたはずよ」
まりさは頭を横に振って自分の意志の強さを見せつけた。
「まあ、いまもいきてはいるわ。それでもあいたいならただでおしえてあげてもいいわよ」
「ただ? どうしてなのぜ?」
今まで閉じこもっていた感情を解放させ、にんわりと笑ってさとりは答えた。
「まりささんのころしのばーじんがわれるところをみせてほしいから」
6,
“まだむてんこのおみせ”
レンガ造りの大きな御殿にピンクを見チーフとしたファンシーな看板。
さとりがまりさを案内したのはこの場所であった。
「ここは、いったいなんなのぜ?」
街に疎いまりさはさとりに尋ねた。
「てんこはいたいことがゆっくりできるってことはしってるわね?」
「それぐらいはしってるのぜ」
「でも、“げんそうきょう”はふうぞくをすべてきんししてしまったから、てんこのよっきゅうをみたすばしょがなくなってしまったの」
「ようするに、ここはてんこがすっきりーするばしょってことなのぜ?」
「そとのせかいではさでずむというらしいわ」
門番ゆっくりが配備されている玄関を潜りぬけ、会計役のれいむにさとりが声をかけた。
「ゆ! さとりさんですね! ゆっくりしていってね!!」
言い終わるとれいむは元の場所に戻り、粘土で作られた貨幣の計算に戻った。
「わたし、これでもじょうれんなのよ。あと、おーなーとしりあいなの」
まりさは顔パスというものをよく知らなかったが、そんなモノなのかと勝手に納得した。
“まだむてんこのおみせ”
レンガ造りの大きな御殿にピンクを見チーフとしたファンシーな看板。
さとりがまりさを案内したのはこの場所であった。
「ここは、いったいなんなのぜ?」
街に疎いまりさはさとりに尋ねた。
「てんこはいたいことがゆっくりできるってことはしってるわね?」
「それぐらいはしってるのぜ」
「でも、“げんそうきょう”はふうぞくをすべてきんししてしまったから、てんこのよっきゅうをみたすばしょがなくなってしまったの」
「ようするに、ここはてんこがすっきりーするばしょってことなのぜ?」
「そとのせかいではさでずむというらしいわ」
門番ゆっくりが配備されている玄関を潜りぬけ、会計役のれいむにさとりが声をかけた。
「ゆ! さとりさんですね! ゆっくりしていってね!!」
言い終わるとれいむは元の場所に戻り、粘土で作られた貨幣の計算に戻った。
「わたし、これでもじょうれんなのよ。あと、おーなーとしりあいなの」
まりさは顔パスというものをよく知らなかったが、そんなモノなのかと勝手に納得した。
牢屋ごとにわかれた部屋には客であるゆっくりとてんこがさでずむに勤しんでいた。
「ゆぴぃいいいいい!!!! もっと、もっとかじってぇええええ!!!」
「うるさいめずぶたなのぜ! そんなにかじってほしけりゃ、じぶんではらわたかみちぎればいいのぜ!!!」
「むふぉぉおおおおお!」
ブチブチと何かがちぎれていく音がするのは気のせいだろう。
まりさはそう思いたかったが、さとりは容赦をしなかった。
「おれんじじゅーすというものがあって、かんたんにきずをかいふくさせられるあまあまがあるのさ」
オレンジジュースのそんざいはまりさでも知っていたが、まさかこんな場所にまで使われているとは思わなかったのだ。
なぜなら、オレンジジュースはつくるのにコストがかかるため高級品の一つとして君臨しているからだ。
それをおしげもなく使えるのはこの場所が高級娼館である証拠だ。
「さて、もうそうぞうはついたんじゃないのかしら」
「…………」
建物の奥にある一室の前にまりさは立たされた。
「あのでいぶはなかなかにつみづくりでね。たくさんのあなたのようなどうほうがここにたのしみにきているの」
「どうほうってなんのことなのぜ」
「あなたをふくむうどんげやてゐといったちくりんのざんとうたちよ」
「ゆぴぃいいいいい!!!! もっと、もっとかじってぇええええ!!!」
「うるさいめずぶたなのぜ! そんなにかじってほしけりゃ、じぶんではらわたかみちぎればいいのぜ!!!」
「むふぉぉおおおおお!」
ブチブチと何かがちぎれていく音がするのは気のせいだろう。
まりさはそう思いたかったが、さとりは容赦をしなかった。
「おれんじじゅーすというものがあって、かんたんにきずをかいふくさせられるあまあまがあるのさ」
オレンジジュースのそんざいはまりさでも知っていたが、まさかこんな場所にまで使われているとは思わなかったのだ。
なぜなら、オレンジジュースはつくるのにコストがかかるため高級品の一つとして君臨しているからだ。
それをおしげもなく使えるのはこの場所が高級娼館である証拠だ。
「さて、もうそうぞうはついたんじゃないのかしら」
「…………」
建物の奥にある一室の前にまりさは立たされた。
「あのでいぶはなかなかにつみづくりでね。たくさんのあなたのようなどうほうがここにたのしみにきているの」
「どうほうってなんのことなのぜ」
「あなたをふくむうどんげやてゐといったちくりんのざんとうたちよ」
7,
うどんげがまりさに成る前の話。
夢をみるときはいつも竹林であった幸せなことや辛かったことばかり。
竹林で生きるための知識を与えてくれた師匠や、自分を姉のように慕ってくれたてゐのこと。
だけど、その思い出は全て目の前にいるでいぶによって滅ぼされたのだ。
「これが、あのでいぶ!」
「………」
無数の刺創が体中に刻まれ、ボコボコと大きな出来物が無数に生えている皮膚。
そして、なによりも物言わぬ岩のような形をしているだけの存在。
「これが、あなたののぞんだものですよ」
歯ぎしりをして、まりさはでいぶにメンチを切るが、でいぶの目線はどこかへ飛んでいってしまっている。
「くうううぅっ……」
でいぶの溶けきってギザギザに欠けてしまった歯をみてまりさの耳があった場所が痛む。
「あら、あなたはみみなしだったのね」
でいぶかいほうぐんに弄ばれ、引きちぎられてしまった両耳が息を吹き返したかのように痛みが強まっていく。
「だから、あなたはぼうしをかぶった。……わけじゃないんですね」
「まりさは、さいきょうの“いしふき”になってでいぶをころそうとおもった。みみはかんけいないのぜ」
覚悟を決めたまりさは頭を垂れる。
「じょうほうりょうはきちんとはらうのぜ」
帽子から漏れた二つの小石を舌で器用に含み、一方を奥歯にもう一方を口の先端に挟んだ。
「おや? いいんですか? ここででいぶをころしたら、でいぶはじごくにいつづけられなくなるんですよ?」
さとりの声は届かず、まりさは口から石を吹き出した。
うどんげがまりさに成る前の話。
夢をみるときはいつも竹林であった幸せなことや辛かったことばかり。
竹林で生きるための知識を与えてくれた師匠や、自分を姉のように慕ってくれたてゐのこと。
だけど、その思い出は全て目の前にいるでいぶによって滅ぼされたのだ。
「これが、あのでいぶ!」
「………」
無数の刺創が体中に刻まれ、ボコボコと大きな出来物が無数に生えている皮膚。
そして、なによりも物言わぬ岩のような形をしているだけの存在。
「これが、あなたののぞんだものですよ」
歯ぎしりをして、まりさはでいぶにメンチを切るが、でいぶの目線はどこかへ飛んでいってしまっている。
「くうううぅっ……」
でいぶの溶けきってギザギザに欠けてしまった歯をみてまりさの耳があった場所が痛む。
「あら、あなたはみみなしだったのね」
でいぶかいほうぐんに弄ばれ、引きちぎられてしまった両耳が息を吹き返したかのように痛みが強まっていく。
「だから、あなたはぼうしをかぶった。……わけじゃないんですね」
「まりさは、さいきょうの“いしふき”になってでいぶをころそうとおもった。みみはかんけいないのぜ」
覚悟を決めたまりさは頭を垂れる。
「じょうほうりょうはきちんとはらうのぜ」
帽子から漏れた二つの小石を舌で器用に含み、一方を奥歯にもう一方を口の先端に挟んだ。
「おや? いいんですか? ここででいぶをころしたら、でいぶはじごくにいつづけられなくなるんですよ?」
さとりの声は届かず、まりさは口から石を吹き出した。
8,
まりさはようやく理解した。本当にやらばければならないのは過去との決別だったのだ。
「まりささん、あなたはどこにいくのですか?」
さとりと共に甘い水を飲み合っていたときにふと問われ、まりさは少し考えた。
「……わるいやつをたおすでいいとおもうのぜ」
銀髪の髪をたなびかせながら、ふと月を見上げる。
「そろそろあさがくる」
赤い目は涙を流しながら、心は月に囚われていく。
「しぬことだけはかんがえないほうがいいですよ」
「わかってるのぜ」
返事をした瞬間にまりさは奥歯に忍ばせていた石を、玄関で待ち伏せしていたゆっくりの額にめり込ませた。
「ゆぎゃぁああああああああ!!!!」
悲鳴と共に不審者の仲間たちがぞろぞろと音を立ててこちらに向かってくる。
「ここのじょうほうもおまえがうったのぜ?」
さとりはにんまりと笑って答えた。
「ちんぴらといえど、ころしちゃいけません。なぜなら、かれもまたあのひとたちのなかまなのですから」
まりさは帽子を跳ね上げて、ばらばらと石を口元に落とし、舌でそれを掬った。
まりさはようやく理解した。本当にやらばければならないのは過去との決別だったのだ。
「まりささん、あなたはどこにいくのですか?」
さとりと共に甘い水を飲み合っていたときにふと問われ、まりさは少し考えた。
「……わるいやつをたおすでいいとおもうのぜ」
銀髪の髪をたなびかせながら、ふと月を見上げる。
「そろそろあさがくる」
赤い目は涙を流しながら、心は月に囚われていく。
「しぬことだけはかんがえないほうがいいですよ」
「わかってるのぜ」
返事をした瞬間にまりさは奥歯に忍ばせていた石を、玄関で待ち伏せしていたゆっくりの額にめり込ませた。
「ゆぎゃぁああああああああ!!!!」
悲鳴と共に不審者の仲間たちがぞろぞろと音を立ててこちらに向かってくる。
「ここのじょうほうもおまえがうったのぜ?」
さとりはにんまりと笑って答えた。
「ちんぴらといえど、ころしちゃいけません。なぜなら、かれもまたあのひとたちのなかまなのですから」
まりさは帽子を跳ね上げて、ばらばらと石を口元に落とし、舌でそれを掬った。
「ようしゃはしないのぜ!!」
弾ける音が連鎖するさとりの家で、まりさは新しい一歩を確実に踏み込んだ。
挿絵: