ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko3687 ある農村のゆっくり対策
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ankoss
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『ある農村のゆっくり対策』 11KB
虐待 観察 考証 自業自得 日常模様 野良ゆ 独自設定 忌避剤の効き目を見たいというご意見がありましたので、書いてみました。
虐待 観察 考証 自業自得 日常模様 野良ゆ 独自設定 忌避剤の効き目を見たいというご意見がありましたので、書いてみました。
素晴らしき設定とネタを築き上げた先達に感謝を捧げます。
『ある農村のゆっくり対策』
湯繰里(ゆっくり)市の芦谷木(あしやき)地区は、低い山とその間に流れる河
川沿いに耕作地が広がり、その中に農家が点在する、典型的な農村地帯だ。
俺はここの古い家と敷地を買い取り───やや過疎化が進んでいる地域なので
驚くほど安かった───暮らしている。農村地帯とは言え、自動車やバイクならも
ちろん自転車でも中心部の市街地に通える距離にあるので、それほど不便は感じて
いない。
ガーデニングなどを趣味にしている俺は、とにかく広い敷地が欲しくて、この土
地に引っ越して来たのだ。そして、あの害饅頭こと『ゆっくり』防御のノウハウを
知った。無論、農村地帯では畑荒らしを始めとする、ゆっくりの害が多い事を知識
としては持っていたが、手始めに植えた野菜の苗を『む~しゃむ~しゃ、しあわせ
~!!』などと貪られた苦い経験を経て、本格的に対策を施す事にしたのだ。
ちなみに俺が植えた野菜を食ったゆっくりどもは、捕まえて紐で縛って外に放置
したところ夜にれみりゃに襲われて食われた。『ゆぎゃぁぁぁぁ!』『れいむのあん
こさんすわないでぇぇぇ!!』といった悲鳴をBGMにした夕食はカップ麺でも美味か
った。
さて俺はゆっくり対策をするに当たって、ご挨拶もかねてお隣(500m離れてい
るが)の農家に相談してみる事にした。鬼威さんという恐ろしげな姓の人だが、と
ても親切で、その後もいろいろと便宜をはかってくださっている。
「ゆっくりどもの事なら、まあ任せなさい」
鬼威さんは笑って膝を打つと、傍らに置いた口と目を縫われたハゲ饅頭にタバコ
を押し付けて揉み消した。一切の無駄が無い動きは、これが日常のものである事を
知らしめるのに充分だ。ハゲ饅頭は黒髪が一部残っている事を見ると、れいむ種で
あったらしい。吸い殻を後頭部に開けた穴に押し込むと鬼威さんは立ち上がった。
「吸い殻を食わせる人もおるが、わざわざ食わせんと吐き出すからのぉ。口は縫っ
て、後頭部に穴を開けて中に突っ込む方が面倒が無くていい」
それでも灰はもちろんフィルターまで餡子に変換されコンポストになるのだか
ら、全くゴミが出ず便利だと鬼威さんは言う。裏の作業小屋に案内された俺は、そ
こで『自家製ゆっくり忌避剤』の効果と作り方を実践を通して教わった。その時使
ったまりさは『れいむをかえすんだぜ!くそじじい!』などと喚いていたから、あ
のれいむの番だったのだろう。
「まずは、畑の周りのシシ垣を直さんとのぉ」
鬼威さんはうちの敷地を見て言った。シシ垣とはゆっくりに限らず畑を荒らす害
獣を防ぐための石垣で、この辺りの畑は同じような石垣で囲われている。いずれも
50cmほど盛った土の上に、近くの川の石を積んだ高さ1mほどの石垣だ。開いた
部分は家屋や道と接しており柵と出入り口が設置されているのだが、長く放置され
ていたこの畑ではすっかり朽ちてしまっている。俺の家に附属する畑はそこそこの
面積があり、山側と両脇を囲むように『コ』の字型のシシ垣によって囲われている
のだが、その所々が崩れてゆっくりどもが出入りできるようになっていたのだ。
鬼威さんの指導でそのうちの一か所を実際に直してみる。崩れた石はその場に残
っているわけだし、指導の甲斐もあって30分ほどでうまく積む事が出来た。これな
ら休日に作業すれば復元できるだろう。柵も直して何か刺のあるものを植えておく
と良いと言われた。道理でこの辺りではウコギの生け垣が多かったわけだ。ウコギ
は刺があり、新芽は野菜になる有用な灌木だ。他にもクコ、メギ、ヒイラギ、カラ
タチ、サンショウ、ピラカンサなど刺のある木が使われているのを見つけて、俺は
先人の知恵に感じいったのだった。
続いて、家を見て回る。
「これは綺麗に植え直してやらんといかんのぉ」
鬼威さんが指摘したのは、敷地を囲むカラタチの生け垣の根元に植えられている
ナギイカダという密生する葉の先端が硬い刺になっている植物のことだ。人間でも
手を突っ込めば血だらけになるのが目に見えている代物だが、所々枯れて、ゆっく
りが出入り可能な状態になってしまっている。伸び放題になってしまっている生け
垣本体はあとで綺麗に剪定するとして、すぐに植え直して穴を塞ぐ事にした。これ
で敷地にゆっくりが入って来る事はまず無いだろう。
家の床下も見て回る。この辺りの家では床下にゆっくりが棲みつく事を防ぐため
に格子をはめて塞いであるのが普通だ。この家もちろんそうなっているのだが、
ところどころ古くなっていて緩んでいるのが見つかった。外回りの手入れをしてい
ると、こちらを直す時間が取れそうにないので、これは大工さんに頼む事にする。
金網で塞いでも良いが、この家の素朴なたたずまいが気に入って買ったのだから、
それを損なうような事はしたくない。
「建具は大丈夫じゃの」
鬼威さんにそう言われて、俺は建具に工夫がある事に気付かされた。ゆっくりは
巣穴の入り口に枝や棒を立てかけて『けっかいっ』などと言う。人間の目にはかえ
って悪目立ちしているようにしか見えないが、ゆっくりにはそれで出入り口が見え
なくなるらしい。外側に面した建具───ガラス戸なのだが───にはその『けっ
かいっ』を模した竹や磨いた木を複雑に組み合わせた格子が下半分に施されていて、
ゆっくりに出入り口がそこにあると認識できないようになっていたのだ。
「なんだか凝った建具でいいなって思ってたんですけど、ゆっくり除けだったんで
すか」
「そうそう。この家は蘆戸もあったが、それも傷んどらんか見ておくといいのぉ」
「あしど?」
「若い人は知らんか。蘆戸は夏の建具で、風が通るようにしてあるもんじゃ。たぶ
ん、納戸に仕舞ってあるじゃろう」
「分かりました。後で見てみます」
そして、俺は鬼威さんから自家製ゆっくり忌避剤を受け取ると、手みやげを持っ
てもらって見送ったのだった。
川沿いに耕作地が広がり、その中に農家が点在する、典型的な農村地帯だ。
俺はここの古い家と敷地を買い取り───やや過疎化が進んでいる地域なので
驚くほど安かった───暮らしている。農村地帯とは言え、自動車やバイクならも
ちろん自転車でも中心部の市街地に通える距離にあるので、それほど不便は感じて
いない。
ガーデニングなどを趣味にしている俺は、とにかく広い敷地が欲しくて、この土
地に引っ越して来たのだ。そして、あの害饅頭こと『ゆっくり』防御のノウハウを
知った。無論、農村地帯では畑荒らしを始めとする、ゆっくりの害が多い事を知識
としては持っていたが、手始めに植えた野菜の苗を『む~しゃむ~しゃ、しあわせ
~!!』などと貪られた苦い経験を経て、本格的に対策を施す事にしたのだ。
ちなみに俺が植えた野菜を食ったゆっくりどもは、捕まえて紐で縛って外に放置
したところ夜にれみりゃに襲われて食われた。『ゆぎゃぁぁぁぁ!』『れいむのあん
こさんすわないでぇぇぇ!!』といった悲鳴をBGMにした夕食はカップ麺でも美味か
った。
さて俺はゆっくり対策をするに当たって、ご挨拶もかねてお隣(500m離れてい
るが)の農家に相談してみる事にした。鬼威さんという恐ろしげな姓の人だが、と
ても親切で、その後もいろいろと便宜をはかってくださっている。
「ゆっくりどもの事なら、まあ任せなさい」
鬼威さんは笑って膝を打つと、傍らに置いた口と目を縫われたハゲ饅頭にタバコ
を押し付けて揉み消した。一切の無駄が無い動きは、これが日常のものである事を
知らしめるのに充分だ。ハゲ饅頭は黒髪が一部残っている事を見ると、れいむ種で
あったらしい。吸い殻を後頭部に開けた穴に押し込むと鬼威さんは立ち上がった。
「吸い殻を食わせる人もおるが、わざわざ食わせんと吐き出すからのぉ。口は縫っ
て、後頭部に穴を開けて中に突っ込む方が面倒が無くていい」
それでも灰はもちろんフィルターまで餡子に変換されコンポストになるのだか
ら、全くゴミが出ず便利だと鬼威さんは言う。裏の作業小屋に案内された俺は、そ
こで『自家製ゆっくり忌避剤』の効果と作り方を実践を通して教わった。その時使
ったまりさは『れいむをかえすんだぜ!くそじじい!』などと喚いていたから、あ
のれいむの番だったのだろう。
「まずは、畑の周りのシシ垣を直さんとのぉ」
鬼威さんはうちの敷地を見て言った。シシ垣とはゆっくりに限らず畑を荒らす害
獣を防ぐための石垣で、この辺りの畑は同じような石垣で囲われている。いずれも
50cmほど盛った土の上に、近くの川の石を積んだ高さ1mほどの石垣だ。開いた
部分は家屋や道と接しており柵と出入り口が設置されているのだが、長く放置され
ていたこの畑ではすっかり朽ちてしまっている。俺の家に附属する畑はそこそこの
面積があり、山側と両脇を囲むように『コ』の字型のシシ垣によって囲われている
のだが、その所々が崩れてゆっくりどもが出入りできるようになっていたのだ。
鬼威さんの指導でそのうちの一か所を実際に直してみる。崩れた石はその場に残
っているわけだし、指導の甲斐もあって30分ほどでうまく積む事が出来た。これな
ら休日に作業すれば復元できるだろう。柵も直して何か刺のあるものを植えておく
と良いと言われた。道理でこの辺りではウコギの生け垣が多かったわけだ。ウコギ
は刺があり、新芽は野菜になる有用な灌木だ。他にもクコ、メギ、ヒイラギ、カラ
タチ、サンショウ、ピラカンサなど刺のある木が使われているのを見つけて、俺は
先人の知恵に感じいったのだった。
続いて、家を見て回る。
「これは綺麗に植え直してやらんといかんのぉ」
鬼威さんが指摘したのは、敷地を囲むカラタチの生け垣の根元に植えられている
ナギイカダという密生する葉の先端が硬い刺になっている植物のことだ。人間でも
手を突っ込めば血だらけになるのが目に見えている代物だが、所々枯れて、ゆっく
りが出入り可能な状態になってしまっている。伸び放題になってしまっている生け
垣本体はあとで綺麗に剪定するとして、すぐに植え直して穴を塞ぐ事にした。これ
で敷地にゆっくりが入って来る事はまず無いだろう。
家の床下も見て回る。この辺りの家では床下にゆっくりが棲みつく事を防ぐため
に格子をはめて塞いであるのが普通だ。この家もちろんそうなっているのだが、
ところどころ古くなっていて緩んでいるのが見つかった。外回りの手入れをしてい
ると、こちらを直す時間が取れそうにないので、これは大工さんに頼む事にする。
金網で塞いでも良いが、この家の素朴なたたずまいが気に入って買ったのだから、
それを損なうような事はしたくない。
「建具は大丈夫じゃの」
鬼威さんにそう言われて、俺は建具に工夫がある事に気付かされた。ゆっくりは
巣穴の入り口に枝や棒を立てかけて『けっかいっ』などと言う。人間の目にはかえ
って悪目立ちしているようにしか見えないが、ゆっくりにはそれで出入り口が見え
なくなるらしい。外側に面した建具───ガラス戸なのだが───にはその『けっ
かいっ』を模した竹や磨いた木を複雑に組み合わせた格子が下半分に施されていて、
ゆっくりに出入り口がそこにあると認識できないようになっていたのだ。
「なんだか凝った建具でいいなって思ってたんですけど、ゆっくり除けだったんで
すか」
「そうそう。この家は蘆戸もあったが、それも傷んどらんか見ておくといいのぉ」
「あしど?」
「若い人は知らんか。蘆戸は夏の建具で、風が通るようにしてあるもんじゃ。たぶ
ん、納戸に仕舞ってあるじゃろう」
「分かりました。後で見てみます」
そして、俺は鬼威さんから自家製ゆっくり忌避剤を受け取ると、手みやげを持っ
てもらって見送ったのだった。
さて、ではこの芦谷木(あしやき)地区でのゆっくり対策を、ゆっくり視点で見
てみよう。
てみよう。
「ゆ?ゆゆゆ!?」
「どうしたの?まりさ?」
「いりぐちさんが、なくなってるのぜ!」
「どうしてぇぇぇ!?」
修復されたシシ垣を前に騒いでいるのはまりさ・れいむ・ありすの3匹のゆっく
り。春にこの裏山に移住して来た若いゆっくりである。雑草が生い茂りバッタなど
がたくさんいた空き地に到る道は見上げるほど高く石が積まれていて塞がってお
り、全く出入りできなくなっていた。
「ほかにもはいれるところがあったはずなのぜ!まりさはそこからゆっくりはい
るのぜ!」
まりさはそう宣言すると、一足早く跳ねてゆく。
「まってまりさ!」
「れいむをおいてゆかないで~!」
しかし、3匹がいくら探しても中に入れそうな『いりぐちさん』は煙のように消
え失せていた。
「どうしてこんないじわるするのぉぉぉぉ?」
「いなかもののかべさんはゆっくりあいてね!いますぐでいいわよ!」
「こんなかべはまりささまの体当たりでいちっげきっ!でくずしてやるのぜ!」
まりさはそう言うな否や、盛土の法面を駆け上がってゆく。しかし悲しいかな所
詮はゆっくり。全速力(笑)で駈けても次第に減速し、体当たりというより体を押
し付けているに過ぎなかった。しかも、バランスを崩してまりさは斜面を転げ落ち
る。
「ゆ゛ひ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛っ!」
石垣の周囲は草刈りがされて間もなかったために、まりさの転落を阻むものは何
も無く、減速する事無く近くの薮に突っ込んだ。
「ゆべし!」
「ま、まりさぁぁ!?」
「ゆっくりしてぇぇぇ!」
ありすとれいむは痙攣するまりさに駆け寄った。2匹は協力してまりさの体を起
こす。
「きっと、こんなことをしたのはくそにんげんなのぜ!まりささまがじきじきにせ
いっさいっ!してやるのぜぇぇぇ!!」
たっぷり10分かけて、衝撃から立ち直ったまりさは怒りにまかせて吠える。しか
し、人間がやったとよく気がついたものである。
「たしかあっちの方にくそにんげんのおうちがあったのぜ!せいっさいっ!して、
おうちをとりあげたら、あまあまをやまほどけんじょうっ!させてやるのぜぇぇ
っ!!」
到底実現不可能な大言壮語を口にするまりさ。自信過剰なゲス傾向のあるおバカ
な個体によく見られる発言である。それを聞いたありすとれいむは───。
「さっすがまりさだよぉぉぉ!」
「ゆゆ~ん!とってもとかいはよ!まりさ!」
───同レベルの餡子脳の持ち主だったようだ。
さっそく3馬k...もとい、3匹は移動を開始する。ぽよんぽよんと跳ねてゆくと、
不意に石垣が切れて視界が開ける。目の前には人間のお家が建っているのが見えた。
「ゆゆ?まりさ!いつもの場所があるよ!」
ふと振り返ったれいむが、いつも狩りをしていた場所を見つける。しかし、そこ
には竹を組んだ垣根が設置され、またしても行手を阻んでいた。隙間はあるが、子
ゆっくりならともかく既に成体になった3匹には通り抜けるのが無理そうな間隔
でしかない。
「と゛う゛し゛て゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛っ!?」
3匹はまたしても絶叫する。
「いなかもののとげとげさんまであるぅぅぅ!」
しかも行手を阻むのは竹垣だけではない。刺のあるツルが這わされていて、ゆっ
くりではどうにも突破不可能なものになっていた。使われているのは修景バラと呼
ばれる、手入れが少なくて済む丈夫な種類のつるバラである。ツルは竹垣にシュロ
縄でしっかりと留められ、ゆっくりには取り除く事が出来ない。
「ゆるさないのぜ!くそにんげん!」
まりさは歯ぎしりをしてみるものの、どうする事もできない。
「こうなったら、いっせいにとつげきするのぜぇぇぇ!!」
そう言うと、さっさと人間の家に向かって跳ねてゆく。しかし、その途中でまり
さは動きを止めた。止めざるを得なかった。
「ゆ゛う゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!?ぐ、く゛さ゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛
ぃ゛っ!!」
まりさは人間の家と畑の間で急に立ち止まり、体をぐねぐねとよじって悶える。
ちょうどまりさが立ち止まった辺りに、あの鬼威さん特製のゆっくり忌避剤が撒か
れていたのだ。この土地で先祖代々農家をやっている鬼威家の自家製ゆっくり忌避
剤は、それこそ数千単位のゆっくりを虐待・虐殺しては注ぎ足し、注ぎ足ししてき
た年代物の忌避剤である。濃厚な死臭はもはや忌避剤のレベルをはるかに超えた、
対ゆっくり用化学兵器とすら言える代物となっていた。かつて加工所が研究のため
サンプルを分けてもらいに訪れたほどである。
「ゆがぁぁ...ゆがぁ...!ゆぐっ...!ゆっ...!ゆっ...!ゆっげっぱぁぁぁっ!!」
まりさの饅頭皮にまるで鳥肌が立つようにみるみる発疹が広がる。それはまりさ
の肌を覆い尽くし、爛れ、べろりとむけて垂れ下がる。踏みしめられた地面の上、
身悶えるまりさはたちまち皮の大部分を失い金髪がゴソリと抜け落ちる。
「ま、ま゛り゛さ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!」
「ゆっくりしてね!とかいは!と゛か゛い゛は゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っ!!」
まりさの、ゆっくりの常識をはるかに超えた変化に、れいむとありすは絶叫する。
餡子脳でも本能で分かる。これは致命的にゆっくりできない事態だと。
「ゆげぇぇぇぇっ!ゆ゛け゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛っ!!」
ついにまりさが吐餡した。これは末期症状だ。そして...。
「ゆ゛っ!ぴぃぃぃっ!!!!」
奇妙な断末魔を最後に、まりさの頭部は爆散した。黒い帽子が吹き飛び、ふわり
と舞ってから口の部分から下を残して砕けた餡子と饅頭皮の残骸の上にぽとりと
落ちた。生気を失ったまりさの目玉がころりと転がって、れいむとありすの前に届
く。
「れ、れいむはおうちにかえるよ!れいむおうちにかえるぅぅぅぅ!!」
錯乱したれいむが無茶苦茶に跳ねながら、山の方に向かう。
「ま、まちなさいよぉ!れいむ、そっちは...だめぇぇぇぇっ!」
ありすの制止も耳に入らない。恐怖に濁ったれいむの目には前方にある緑の薮は、
いつもくぐり抜けている自然の薮のようにしか見えていなかった。それは綺麗に隙
間無く植え直されたナギイカダの、まさに剣山のごとき茂みであり、そこに全速力
で向かったれいむは───
「ゆ゛き゛ゃ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛
ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛ぁ゛ぁ゛っ゛!!!!」
───顔の前面全て、目は言うにおよばず、額、唇、頬、しーしー穴、まむまむ
に至るまで、鋭い葉に貫かれ、もみあげも一瞬でボロボロに引き裂かれた。
「て゛い゛ふ゛の゛せ゛か゛い゛が゛う゛ら゛や゛み゛、し゛っ゛と゛す゛る゛
す゛ーは゛ーも゛て゛る゛さ゛ん゛も゛ま゛っ゛さ゛お゛の゛お゛か゛お゛か゛
ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っ!!」
この世の全てのモデルに喧嘩を売るような発言をゆっくりの本能に従って吐く
と、れいむは痛みでゴロゴロと転がる。そして忌避剤が散布されたゾーンに近づき
...。
「ゆ゛っ゛は゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っ゛!!」
れいむもまた、まりさと同じような経過をたどって永遠にゆっくりした。違って
いたのは吐餡しないように口をつぐんだため、爆散したのがぼろぼろになった顔面
全体だという点だろうか。
「あ゛...あ゛ぁ゛...あ゛...あ゛...あ゛...」
最後に残されたありすは、顔面があったところに虚ろな大穴が開いたれいむの成
れの果てを、恐ろしーしーを漏らしながらも目を逸らせなかった。
「と゛か゛い゛は゛!と゛か゛い゛は゛!と゛か゛い゛は゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛
ぁ゛っ!!はっぴぷぺぽぉぉぉぉぉ!!!!」
ありすは山と反対側、道路側に文字通り狂ったように飛び跳ねる。いや、狂って
いるのだ。漂うゆっくりできない臭いに、目の前でとてつもなくゆっくりできない
死に様を立て続けに見せつけられたのだから。
「危ねぇっ!」
「ゆぎょぉ!?」
ありすは道路に飛び出したところを、自転車に轢かれて無様に潰れた。
「どうしたの?まりさ?」
「いりぐちさんが、なくなってるのぜ!」
「どうしてぇぇぇ!?」
修復されたシシ垣を前に騒いでいるのはまりさ・れいむ・ありすの3匹のゆっく
り。春にこの裏山に移住して来た若いゆっくりである。雑草が生い茂りバッタなど
がたくさんいた空き地に到る道は見上げるほど高く石が積まれていて塞がってお
り、全く出入りできなくなっていた。
「ほかにもはいれるところがあったはずなのぜ!まりさはそこからゆっくりはい
るのぜ!」
まりさはそう宣言すると、一足早く跳ねてゆく。
「まってまりさ!」
「れいむをおいてゆかないで~!」
しかし、3匹がいくら探しても中に入れそうな『いりぐちさん』は煙のように消
え失せていた。
「どうしてこんないじわるするのぉぉぉぉ?」
「いなかもののかべさんはゆっくりあいてね!いますぐでいいわよ!」
「こんなかべはまりささまの体当たりでいちっげきっ!でくずしてやるのぜ!」
まりさはそう言うな否や、盛土の法面を駆け上がってゆく。しかし悲しいかな所
詮はゆっくり。全速力(笑)で駈けても次第に減速し、体当たりというより体を押
し付けているに過ぎなかった。しかも、バランスを崩してまりさは斜面を転げ落ち
る。
「ゆ゛ひ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛っ!」
石垣の周囲は草刈りがされて間もなかったために、まりさの転落を阻むものは何
も無く、減速する事無く近くの薮に突っ込んだ。
「ゆべし!」
「ま、まりさぁぁ!?」
「ゆっくりしてぇぇぇ!」
ありすとれいむは痙攣するまりさに駆け寄った。2匹は協力してまりさの体を起
こす。
「きっと、こんなことをしたのはくそにんげんなのぜ!まりささまがじきじきにせ
いっさいっ!してやるのぜぇぇぇ!!」
たっぷり10分かけて、衝撃から立ち直ったまりさは怒りにまかせて吠える。しか
し、人間がやったとよく気がついたものである。
「たしかあっちの方にくそにんげんのおうちがあったのぜ!せいっさいっ!して、
おうちをとりあげたら、あまあまをやまほどけんじょうっ!させてやるのぜぇぇ
っ!!」
到底実現不可能な大言壮語を口にするまりさ。自信過剰なゲス傾向のあるおバカ
な個体によく見られる発言である。それを聞いたありすとれいむは───。
「さっすがまりさだよぉぉぉ!」
「ゆゆ~ん!とってもとかいはよ!まりさ!」
───同レベルの餡子脳の持ち主だったようだ。
さっそく3馬k...もとい、3匹は移動を開始する。ぽよんぽよんと跳ねてゆくと、
不意に石垣が切れて視界が開ける。目の前には人間のお家が建っているのが見えた。
「ゆゆ?まりさ!いつもの場所があるよ!」
ふと振り返ったれいむが、いつも狩りをしていた場所を見つける。しかし、そこ
には竹を組んだ垣根が設置され、またしても行手を阻んでいた。隙間はあるが、子
ゆっくりならともかく既に成体になった3匹には通り抜けるのが無理そうな間隔
でしかない。
「と゛う゛し゛て゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛っ!?」
3匹はまたしても絶叫する。
「いなかもののとげとげさんまであるぅぅぅ!」
しかも行手を阻むのは竹垣だけではない。刺のあるツルが這わされていて、ゆっ
くりではどうにも突破不可能なものになっていた。使われているのは修景バラと呼
ばれる、手入れが少なくて済む丈夫な種類のつるバラである。ツルは竹垣にシュロ
縄でしっかりと留められ、ゆっくりには取り除く事が出来ない。
「ゆるさないのぜ!くそにんげん!」
まりさは歯ぎしりをしてみるものの、どうする事もできない。
「こうなったら、いっせいにとつげきするのぜぇぇぇ!!」
そう言うと、さっさと人間の家に向かって跳ねてゆく。しかし、その途中でまり
さは動きを止めた。止めざるを得なかった。
「ゆ゛う゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛!?ぐ、く゛さ゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛
ぃ゛っ!!」
まりさは人間の家と畑の間で急に立ち止まり、体をぐねぐねとよじって悶える。
ちょうどまりさが立ち止まった辺りに、あの鬼威さん特製のゆっくり忌避剤が撒か
れていたのだ。この土地で先祖代々農家をやっている鬼威家の自家製ゆっくり忌避
剤は、それこそ数千単位のゆっくりを虐待・虐殺しては注ぎ足し、注ぎ足ししてき
た年代物の忌避剤である。濃厚な死臭はもはや忌避剤のレベルをはるかに超えた、
対ゆっくり用化学兵器とすら言える代物となっていた。かつて加工所が研究のため
サンプルを分けてもらいに訪れたほどである。
「ゆがぁぁ...ゆがぁ...!ゆぐっ...!ゆっ...!ゆっ...!ゆっげっぱぁぁぁっ!!」
まりさの饅頭皮にまるで鳥肌が立つようにみるみる発疹が広がる。それはまりさ
の肌を覆い尽くし、爛れ、べろりとむけて垂れ下がる。踏みしめられた地面の上、
身悶えるまりさはたちまち皮の大部分を失い金髪がゴソリと抜け落ちる。
「ま、ま゛り゛さ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!」
「ゆっくりしてね!とかいは!と゛か゛い゛は゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っ!!」
まりさの、ゆっくりの常識をはるかに超えた変化に、れいむとありすは絶叫する。
餡子脳でも本能で分かる。これは致命的にゆっくりできない事態だと。
「ゆげぇぇぇぇっ!ゆ゛け゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛っ!!」
ついにまりさが吐餡した。これは末期症状だ。そして...。
「ゆ゛っ!ぴぃぃぃっ!!!!」
奇妙な断末魔を最後に、まりさの頭部は爆散した。黒い帽子が吹き飛び、ふわり
と舞ってから口の部分から下を残して砕けた餡子と饅頭皮の残骸の上にぽとりと
落ちた。生気を失ったまりさの目玉がころりと転がって、れいむとありすの前に届
く。
「れ、れいむはおうちにかえるよ!れいむおうちにかえるぅぅぅぅ!!」
錯乱したれいむが無茶苦茶に跳ねながら、山の方に向かう。
「ま、まちなさいよぉ!れいむ、そっちは...だめぇぇぇぇっ!」
ありすの制止も耳に入らない。恐怖に濁ったれいむの目には前方にある緑の薮は、
いつもくぐり抜けている自然の薮のようにしか見えていなかった。それは綺麗に隙
間無く植え直されたナギイカダの、まさに剣山のごとき茂みであり、そこに全速力
で向かったれいむは───
「ゆ゛き゛ゃ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛
ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛ぁ゛ぁ゛っ゛!!!!」
───顔の前面全て、目は言うにおよばず、額、唇、頬、しーしー穴、まむまむ
に至るまで、鋭い葉に貫かれ、もみあげも一瞬でボロボロに引き裂かれた。
「て゛い゛ふ゛の゛せ゛か゛い゛が゛う゛ら゛や゛み゛、し゛っ゛と゛す゛る゛
す゛ーは゛ーも゛て゛る゛さ゛ん゛も゛ま゛っ゛さ゛お゛の゛お゛か゛お゛か゛
ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っ!!」
この世の全てのモデルに喧嘩を売るような発言をゆっくりの本能に従って吐く
と、れいむは痛みでゴロゴロと転がる。そして忌避剤が散布されたゾーンに近づき
...。
「ゆ゛っ゛は゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛っ゛!!」
れいむもまた、まりさと同じような経過をたどって永遠にゆっくりした。違って
いたのは吐餡しないように口をつぐんだため、爆散したのがぼろぼろになった顔面
全体だという点だろうか。
「あ゛...あ゛ぁ゛...あ゛...あ゛...あ゛...」
最後に残されたありすは、顔面があったところに虚ろな大穴が開いたれいむの成
れの果てを、恐ろしーしーを漏らしながらも目を逸らせなかった。
「と゛か゛い゛は゛!と゛か゛い゛は゛!と゛か゛い゛は゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛
ぁ゛っ!!はっぴぷぺぽぉぉぉぉぉ!!!!」
ありすは山と反対側、道路側に文字通り狂ったように飛び跳ねる。いや、狂って
いるのだ。漂うゆっくりできない臭いに、目の前でとてつもなくゆっくりできない
死に様を立て続けに見せつけられたのだから。
「危ねぇっ!」
「ゆぎょぉ!?」
ありすは道路に飛び出したところを、自転車に轢かれて無様に潰れた。
「あ~ありす種か。おっと、ほかにも来ていたんだな...」
俺は乗っていた自転車から降りて周囲の地面を見る。ちょうど忌避剤を撒いた辺
りにある2つのゆっくりの残骸にアリが集まり始めていた。いま轢いてしまったあ
りす種はまだ痙攣しているが、ほどなくそこの2匹の後を追うだろう。
鬼威さんのには及ばずとも、俺もよく効く忌避剤を作れるようになりたいものだ。
俺は乗っていた自転車から降りて周囲の地面を見る。ちょうど忌避剤を撒いた辺
りにある2つのゆっくりの残骸にアリが集まり始めていた。いま轢いてしまったあ
りす種はまだ痙攣しているが、ほどなくそこの2匹の後を追うだろう。
鬼威さんのには及ばずとも、俺もよく効く忌避剤を作れるようになりたいものだ。
( 了 )
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