ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko4077 幽霊の正体見たり?
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ankoss
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『幽霊の正体見たり?』 12KB
愛で いじめ 飼いゆ 希少種 失礼します
愛で いじめ 飼いゆ 希少種 失礼します
チートあきです。
「うらめしや~!」
卓袱台の下からぬっと出てくるゆっくり。
水色の髪の毛に赤と青の瞳、紫色の茄子っぽい傘。こがさだった。
卓袱台に向かって昼食のカップラーメンを食べていた男を見上げる。赤と青の眼をきら
きら輝かせながら。
水色の髪の毛に赤と青の瞳、紫色の茄子っぽい傘。こがさだった。
卓袱台に向かって昼食のカップラーメンを食べていた男を見上げる。赤と青の眼をきら
きら輝かせながら。
「おにいさん、おどろいた? こわかった?」
「いや、全然」
「いや、全然」
ちっこいチャーシューを噛みながら、一蹴する。
「どぼじでおどろいでぐれないのぉ?」
ぐねぐねしながら、言い返すこがさ。
他のゆっくりや人間を驚かすことがこがさの趣味であり、ゆっくり源である。しかし、基本
的にやってる事が単純なので、効果は無い。一部のさなえを相手にすると、逆に泣かされ
ることになるらしい。
男は箸でこがさを示し、
他のゆっくりや人間を驚かすことがこがさの趣味であり、ゆっくり源である。しかし、基本
的にやってる事が単純なので、効果は無い。一部のさなえを相手にすると、逆に泣かされ
ることになるらしい。
男は箸でこがさを示し、
「だって、変な顔してるだけだし」
「わちきはへんなかおじゃないよ!」
「わちきはへんなかおじゃないよ!」
必死に言い返す。
男はカップ麺を全部啜ってから、横に置いてあったレンタルDVDを一枚持ち上げた。
男はカップ麺を全部啜ってから、横に置いてあったレンタルDVDを一枚持ち上げた。
「それに怖いっていうのは、最低でもこれくらいは無いとな」
「…………」
「…………」
「…………」
部屋に流れる沈黙。
机に向かい、パソコンのディスプレイを眺めてる男とこがさ。こがさは机の上に乗ってい
る。ホラー映画二本から、ネットで怖い話巡り。効果は抜群だ。
男はどこか引きつった顔でこがさを見た。
机に向かい、パソコンのディスプレイを眺めてる男とこがさ。こがさは机の上に乗ってい
る。ホラー映画二本から、ネットで怖い話巡り。効果は抜群だ。
男はどこか引きつった顔でこがさを見た。
「大体分かった?」
「ゆっくりりかいしたよ」
「ゆっくりりかいしたよ」
こがさも少し引きつった顔で答える。
そして、再び沈黙。
そして、再び沈黙。
「もう夜か」
窓の外を見るとすっかり夜になっていた。単純な計算で、昼過ぎから六時間ほど怖い話
を眺めていたらしい。蛍光灯の照らす室内は白く見える。いつもと同じはずなのに、いつも
とは微妙に違う空気が漂っていた。
空気が微かに湿っており、微かな雨音が聞こえる。
を眺めていたらしい。蛍光灯の照らす室内は白く見える。いつもと同じはずなのに、いつも
とは微妙に違う空気が漂っていた。
空気が微かに湿っており、微かな雨音が聞こえる。
「あめもふってるね。きょうははれるっててんきよほうさんもいってたよね? こうすいかく
りつ10ぱーせんとだよね?」
りつ10ぱーせんとだよね?」
赤と青の目を左から右に動かし、こがさがそう呟いた。
天気予報では今週一週間ずっと晴れ。今日も朝から夜まで一日中晴れ。そもそも今は
雨が降る時期ではない。しかし、窓の外では雨が降っている。
天気予報では今週一週間ずっと晴れ。今日も朝から夜まで一日中晴れ。そもそも今は
雨が降る時期ではない。しかし、窓の外では雨が降っている。
「外れることもあるだろ。予報だし」
「それに、きょうはとってもしずかだね」
「それに、きょうはとってもしずかだね」
こがさが周囲を眺めた。紫色の傘が揺れる。
しんと静まりかえった空気。時折車の音が聞こえた。普段なら外から人の話声や足音が
聞こえるのだが、雨のせいでそれは聞こえない。隣の部屋から漏れてくるテレビの音など
も聞こえない。単調な雨音と、機械の音だけが聞こえる。
しんと静まりかえった空気。時折車の音が聞こえた。普段なら外から人の話声や足音が
聞こえるのだが、雨のせいでそれは聞こえない。隣の部屋から漏れてくるテレビの音など
も聞こえない。単調な雨音と、機械の音だけが聞こえる。
パッ。
「ゆひっ!」
いきなり聞こえた小さな破裂音に、こがさは身を縮ませる。
しかし、男は落ち着いた様子で天井を見上げ。
しかし、男は落ち着いた様子で天井を見上げ。
「ただの家鳴りだ……。湿気とかで木が伸縮した時になる音。よくラップ現象に間違えられ
るけど。ごく普通の自然現象。こういう時に狙ったように鳴るんだよな」
「さでずむだね」
るけど。ごく普通の自然現象。こういう時に狙ったように鳴るんだよな」
「さでずむだね」
こがさは小さく頷く。
大きく深呼吸をしてから男はこがさを床に下ろし、笑顔で訊いた。
大きく深呼吸をしてから男はこがさを床に下ろし、笑顔で訊いた。
「そろそろ晩飯にするか。何味にする?」
「わちきはなすあじがたべたいよ!」
「わちきはなすあじがたべたいよ!」
即答する。
「また茄子か。茄子好きだな……」
傘が茄子に似ているかもしれない。
男はゆっくりフードそれなりー味とふりかけ茄子味を取り出し、それらを卓袱台の上に置
いた。ふりかけはゆっくりフードにふりかける調味料で、お野菜味からお肉味、餡子味やク
リーム味、さらに炭味から泥味まで多彩だ。
男はゆっくりフードそれなりー味とふりかけ茄子味を取り出し、それらを卓袱台の上に置
いた。ふりかけはゆっくりフードにふりかける調味料で、お野菜味からお肉味、餡子味やク
リーム味、さらに炭味から泥味まで多彩だ。
「じゃ、俺はうどんでも煮るか。準備するまで待ってなさい」
こさがに待てをしてから、男は台所に向かった。
空腹を感じつつ、飼い主の料理が終わるまで素直に待つ。この辺りは飼いゆっくりとして
基本の事だ。空腹は最高の調味料であるという言葉に従い、こがさも傘を動かしながら視
線を部屋に動かす。
そして、目があった。
空腹を感じつつ、飼い主の料理が終わるまで素直に待つ。この辺りは飼いゆっくりとして
基本の事だ。空腹は最高の調味料であるという言葉に従い、こがさも傘を動かしながら視
線を部屋に動かす。
そして、目があった。
「ゆ?」
ベッドの下からこがさを見つめる女と。
よくある都市伝説。ベッドの下に潜む男の話が頭に弾ける。
よくある都市伝説。ベッドの下に潜む男の話が頭に弾ける。
「ゆやあああああああ! おばげええええええ!」
「どうした!」
「どうした!」
男が部屋に飛び込んでくる。右手に包丁を持って。ネギを切ってる最中だった。
赤と青の目に涙を浮かべ、こがさは擦れ声を出す。
赤と青の目に涙を浮かべ、こがさは擦れ声を出す。
「べ、べっどのじだに……おんなのひどがあああ……!」
一瞬呼吸を止めてから、男はベッドの下を覗き込んだ。
ため息をつく。
ため息をつく。
「雑誌か……。驚かすな」
ベッドの下に手を入れ、男は雑誌をひっぱりだした。月刊ゆー通信。まとめてゴミの日に
出すため、ベッドの下に放り込んでおいたものである。こがさが見たのは、れいむと一緒
に女性が映っているページだった。
仰向けになったまま、ひくひくと震えるこがさ。
出すため、ベッドの下に放り込んでおいたものである。こがさが見たのは、れいむと一緒
に女性が映っているページだった。
仰向けになったまま、ひくひくと震えるこがさ。
「こしがぬけた……」
「腰、無いだろ」
「腰、無いだろ」
男が風呂に入っている間、こがさは座布団に座ってテレビを見ていた。
『こぼね~♪』
『うー♪』
『うー♪』
テレビから流れるゆゆことれみりゃの声。
『ゆゆことれみりゃの捕食種バンザイ!』
続けて流れる楽しそうな女性の声。ゆーちゃんねるの人気番組だ。ぐるめなゆゆことれ
みりゃが色々なものを食べるというシンプルな内容。普通のゆっくりフードや生きたゆっく
りから、そこらの草、土まで。本当に何でも食べる。
ひどく悪食で、さらにどんなものでも味を楽しめる、ぐるめ派な二匹である。
男は風呂に入っていた。こがさは部屋に独りきり。
みりゃが色々なものを食べるというシンプルな内容。普通のゆっくりフードや生きたゆっく
りから、そこらの草、土まで。本当に何でも食べる。
ひどく悪食で、さらにどんなものでも味を楽しめる、ぐるめ派な二匹である。
男は風呂に入っていた。こがさは部屋に独りきり。
「おいしそうだねー。わちきにはたべられないけど……おいしそうだなー」
こがさは土を食べる二匹を眺めていた。
曰く、河原の土はしゃりしゃりした歯応え、公園の土はちょっと硬い、田んぼの土はとろ
みがあって美味しい。普通のゆっくりには理解できない食事だ。さらに、涎を垂らすほど美
味しそうに食べるので、見ている方は土が美味しそうに見えてくる。
ちなみに一切ヤラセ無し。
二匹の真似をした飼いゆっくりが、真似して酷い目にあったという話をよく聞く。
ふと、こがさは横を見た。
曰く、河原の土はしゃりしゃりした歯応え、公園の土はちょっと硬い、田んぼの土はとろ
みがあって美味しい。普通のゆっくりには理解できない食事だ。さらに、涎を垂らすほど美
味しそうに食べるので、見ている方は土が美味しそうに見えてくる。
ちなみに一切ヤラセ無し。
二匹の真似をした飼いゆっくりが、真似して酷い目にあったという話をよく聞く。
ふと、こがさは横を見た。
「…………」
紫色の一つ目傘が、少し離れたところにあった。
無言のまま座布団から下り、傘を咥えて座布団に戻る。この傘はこがさの大事なもの
である。常に傍らに置いておかないとゆっくりできないのだ。
無言のまま座布団から下り、傘を咥えて座布団に戻る。この傘はこがさの大事なもの
である。常に傍らに置いておかないとゆっくりできないのだ。
「こぼね~こぼ~ね~♪」
「うー。ううー。うー☆」
「うー。ううー。うー☆」
川辺の草を物凄い勢いで食べていく二匹。ちょっとした草刈り機である。こがさも雑草
の味は知っているが、それでも食べたいと思わせる美味しそうな食べっぷりだった。二匹
曰く、その苦みが美味しい!
こがさはふと横を見た。
の味は知っているが、それでも食べたいと思わせる美味しそうな食べっぷりだった。二匹
曰く、その苦みが美味しい!
こがさはふと横を見た。
「わちきのかささん、どうしてそっちにいってるの?」
傍らに置いたはずの傘がまた離れている。こがさの傘に勝手に動く機能はない。お菓
子系のゆっくり材料で作られた小さな傘である。
それが何故か、勝手にこがさから離れていた。
子系のゆっくり材料で作られた小さな傘である。
それが何故か、勝手にこがさから離れていた。
「ゆんやああああ!」
「むきゃああああ!」
「うー♪ うっうー☆」
「むきゃああああ!」
「うー♪ うっうー☆」
テレビの向こうでは、まりさとぱちゅりーがれみりゃに一緒に食べられている。捕食種
なので、普通のゆっくりも食べる。生クリーム餡子という取り合わせは、れみりゃのお勧
めだった。
なので、普通のゆっくりも食べる。生クリーム餡子という取り合わせは、れみりゃのお勧
めだった。
「………」
こがさは座布団から下りる。
すっ。
傘が、不意にこがさの方へと向き直った。
舌を大きく伸ばし、不気味な一つ目をこがさへと向ける。普段は誰かを驚かせるため
に使っている傘が、今は持ち主のこがさを驚かせていた。
舌を大きく伸ばし、不気味な一つ目をこがさへと向ける。普段は誰かを驚かせるため
に使っている傘が、今は持ち主のこがさを驚かせていた。
「うごいだああああああ!」
ガタン、ガタ。
風呂場の方から聞こえてくる音。
「どうした!」
部屋に男が飛び込んでくる。腰にバスタオルを巻き、右手に箒を持って。ろくに身体を
拭かないのか、全身濡れたままだった。床にできる水の足跡。
拭かないのか、全身濡れたままだった。床にできる水の足跡。
「わちきのがざざんががっでにうごいだのおおおお!」
泣きながら男の方へと転がっていくこがさ。
男は腰を屈め、こがさの頭を撫でつつ、傘を見る。
傘が小さく動いた。
その動きに驚くも、男は窓が少し開いていることに気付いた。
男は腰を屈め、こがさの頭を撫でつつ、傘を見る。
傘が小さく動いた。
その動きに驚くも、男は窓が少し開いていることに気付いた。
「そこから風吹き込んだんだろ」
こがさが振り返って窓を見る。
窓から入ってきた小さな風が、空気の影響を受けやすい傘を動かしたのだ。すきま風
に気付かなければ、いきなり動いたと錯覚してしまうだろう。怪奇現象の正体は、案外
単純なものである。
しかし、こがさは開いた窓を見つめ。
窓から入ってきた小さな風が、空気の影響を受けやすい傘を動かしたのだ。すきま風
に気付かなければ、いきなり動いたと錯覚してしまうだろう。怪奇現象の正体は、案外
単純なものである。
しかし、こがさは開いた窓を見つめ。
「わちきはまどさんあけてないよ?」
「俺も開けてないぞ?」
「俺も開けてないぞ?」
男が笑顔で続ける。
両者の頬を冷や汗が流れ落ちていく。
男とこがさは顔を見合わせ、
両者の頬を冷や汗が流れ落ちていく。
男とこがさは顔を見合わせ、
「あははは……」
「ゆふん……」
「ゆふん……」
とりあえず笑って誤魔化した。
『ゆっくり音楽団』
ゆーちゃんねるの夜の部。
主演奏者はゆっくりるなさ、めるらん、りりか。その後ろでは、カスタネットを叩くれいむ
や、シンバル役のめーりん、歌うみすちーなどもいる。指揮者はえーきだ。ゆっくりとは
思えない、きれいな音楽を奏でている。
主演奏者はゆっくりるなさ、めるらん、りりか。その後ろでは、カスタネットを叩くれいむ
や、シンバル役のめーりん、歌うみすちーなどもいる。指揮者はえーきだ。ゆっくりとは
思えない、きれいな音楽を奏でている。
~♪ ~~♪
落ち着いた楽長の曲が流れている。
こがさを膝に乗せ、男はゆっくり音楽団を眺めていた。この曲を聴いていると、適度に
眠くなる。寝る前に三十分ほど聞くだけで、寝付きは完璧だ。
こがさを膝に乗せ、男はゆっくり音楽団を眺めていた。この曲を聴いていると、適度に
眠くなる。寝る前に三十分ほど聞くだけで、寝付きは完璧だ。
「きょうはとってもしずかだね。おとなりさんのこえもきこえないね」
こがさが無理矢理顔を笑みの形にして、周囲を見る。
男が住んでいるアパートの部屋。壁が薄いわけではないが、隣の部屋のテレビの音
や携帯電話の話し声などが聞こえてくることがある。何を言っているかまでは聞き取れ
ないが、隣に人がいることは分かる。
しかし、今日はそういう音が一切聞こえない。
男が住んでいるアパートの部屋。壁が薄いわけではないが、隣の部屋のテレビの音
や携帯電話の話し声などが聞こえてくることがある。何を言っているかまでは聞き取れ
ないが、隣に人がいることは分かる。
しかし、今日はそういう音が一切聞こえない。
「そういうこともあるさ」
男はこがさの頭を優しく撫でる。
部屋を包む、薄く硬い空気。
いつもと変らぬ夜なのに、いつもと違う。そんな違和感。背筋が寒くなるような感覚。
しかし、男もこがさもいつも通りに振舞っていた。
部屋を包む、薄く硬い空気。
いつもと変らぬ夜なのに、いつもと違う。そんな違和感。背筋が寒くなるような感覚。
しかし、男もこがさもいつも通りに振舞っていた。
「ゆふふふ」
「ははは」
「あははは……」
「ははは」
「あははは……」
最後の声は、男のものでもこがさのものでもなかった。
どこからとなく聞こえてきた女の笑い声。
どこからとなく聞こえてきた女の笑い声。
「…………」
こがさは引きつった笑顔のまま男を見上げ、固まっていた。目の端に小さな涙がにじ
んでいる。口の端がひくひくと震えていた。
男は努めて明るい口調で説明する。
んでいる。口の端がひくひくと震えていた。
男は努めて明るい口調で説明する。
「多分、飲み会かなにかの帰りのお姉さんが外通ったんじゃないかなー? 友達と話し
ててその笑い声がこっちにも届いたんだよー、ね?」
「そうだよねー」
ててその笑い声がこっちにも届いたんだよー、ね?」
「そうだよねー」
頷く、こがさ。
「じゃ、寝るか」
男はベッドを見た。普通のベッドである。
そして、部屋の隅にはこがさの寝床があった。段ボール箱を浅く切ってから、中にタオ
ルを敷いたもの。その横に置かれた、傘立て。いつもこがさはここで寝ている。
しかし、こがさは男の手に頬をすーりすーりしながら言ってきた。
そして、部屋の隅にはこがさの寝床があった。段ボール箱を浅く切ってから、中にタオ
ルを敷いたもの。その横に置かれた、傘立て。いつもこがさはここで寝ている。
しかし、こがさは男の手に頬をすーりすーりしながら言ってきた。
「おにいさん、わちきもおふとんさんにいれてね。いっしょにねようね? きょうはとって
もあまえたいきぶんだよ。わがままだけど、ゆるしてね?」
「奇遇だな。俺もだ」
もあまえたいきぶんだよ。わがままだけど、ゆるしてね?」
「奇遇だな。俺もだ」
男は両手でこがさを抱え上げた。
一度ベッドの上に置いてから、紫色の傘を手に取り、折り畳む。さすがに傘も一緒に
寝るわけにはいかないので、傘は小さいベッドテーブルに乗せておく。
一度ベッドの上に置いてから、紫色の傘を手に取り、折り畳む。さすがに傘も一緒に
寝るわけにはいかないので、傘は小さいベッドテーブルに乗せておく。
「あと、ねてるときに『うらめしや~』とかやったら、マジゆるさなえ?」
冷や汗を流したまま、こがさがウインクする。おどけた仕草に見えるが、目は本気だった。
本気の凄みが灯っていた。
本気の凄みが灯っていた。
「お前が言うな」
苦笑いとともに、男はこがさの頭を軽く叩いた。
天井から下がっている蛍光灯を見上げ、
天井から下がっている蛍光灯を見上げ、
「明かりは付けっぱなしでいいかなー?」
カチ……プッ……。
蛍光灯が消える。
慌てることもなく、男は右手を伸ばし、スタンドライトの電源を入れた。淡いオレンジ色
の光が、ベッドの周囲を明るく照らす。しかし、光の量は小さく、部屋のあちこちに深い
影が浮かんでいた。
慌てることもなく、男は右手を伸ばし、スタンドライトの電源を入れた。淡いオレンジ色
の光が、ベッドの周囲を明るく照らす。しかし、光の量は小さく、部屋のあちこちに深い
影が浮かんでいた。
「結構古くなってるしなー。明日蛍光灯買ってくるか」
ベッドの布団をめくり、男はこがさを両手で抱えた。
狙ったようなタイミングで切れた蛍光灯を見上げ、こがさが震えた声を漏らす。
狙ったようなタイミングで切れた蛍光灯を見上げ、こがさが震えた声を漏らす。
「これってもしかしてじつは、わちきがいつもおどろかそうとしていることにおこったおに
いさんが、いろいろしくんだこと? そうだよね? そうっていってください!」
「そうだといいなー。でも、残念ならがら違います」
いさんが、いろいろしくんだこと? そうだよね? そうっていってください!」
「そうだといいなー。でも、残念ならがら違います」
こがさを抱えたまま、布団を身体に乗せ、頭を枕に預ける。
「寝るか」
「はい」
「はい」
男の提案に、こがさは迷わず頷いた。
「おにいさん、おにいさん。おきて。おきてね」
こがさの声に、男は目を開けた。
覚醒する意識に飛び込んでくる音。
覚醒する意識に飛び込んでくる音。
ベチッ、ベチッ。
それは窓を叩く音だった。人間が緩く手で窓ガラスを叩いたらこんな具合だろう。カー
テンは閉められ、窓の向こうに何があるのかは分からなかった。
男は腕の中で涙目になっているこがさを見つめ、
テンは閉められ、窓の向こうに何があるのかは分からなかった。
男は腕の中で涙目になっているこがさを見つめ、
「俺は何も聞いてない」
きっぱりとそう告げて、目を閉じる。
だが、こがさは必死に叫んだ。震える小声で。
だが、こがさは必死に叫んだ。震える小声で。
「おぎでねええ……! おにいざん、おぎでねええ! おぎでぐれないど、わぢぎがおふど
んのながで、おぞろじぃじぃもらじぢゃうよぉぉ……!」
「変な脅しかたするな」
んのながで、おぞろじぃじぃもらじぢゃうよぉぉ……!」
「変な脅しかたするな」
男が目を開けると、
「まどさんあけてね! このくそにんげんっ! でいぶはしんぐるまざーなんだよ! かわ
いそうなんだよ! だから、このまどさんをあけて、あまあまよこせえええ!」
いそうなんだよ! だから、このまどさんをあけて、あまあまよこせえええ!」
聞こえてきたのはでいぶの声だった。
男は目を開け、額を押える。
男は目を開け、額を押える。
「………野良ゆか」
ベチッ、ベチッ。
夜中にいきなり騒ぐ野良ゆっくりは時々いる。虐待お兄さんの夜襲を喰らった者から、単
純に酔っぱらいに巣を蹴り潰されたものまで、時々野良れみりゃに襲われた者もいる。理
由は何にしろ、この手の野良ゆは放っておくと朝まで元気に騒ぎ続けるので、適当に潰す
なり追い払うなりしないといけない。
男はベッドから下りて、懐中電灯を掴んだ。
純に酔っぱらいに巣を蹴り潰されたものまで、時々野良れみりゃに襲われた者もいる。理
由は何にしろ、この手の野良ゆは放っておくと朝まで元気に騒ぎ続けるので、適当に潰す
なり追い払うなりしないといけない。
男はベッドから下りて、懐中電灯を掴んだ。
「ちと追っ払ってくる」
「がんばってね!」
「がんばってね!」
ベチッ、ベチュッ。
こがさの応援と窓に体当たりする音を聞きながら。
「うるさいぞー」
男はカーテンを開け、窓を開け、懐中電灯でベランダを照らした。
コンクリートのベランダ。右から左に物干し竿が伸びている。四角いエアコン室外機。砂
利の敷かれた小さな庭。その向こうにブロック塀があった。
雨は止んでいるようだ。しかし、曇っているらしく、星も月も見えない。
コンクリートのベランダ。右から左に物干し竿が伸びている。四角いエアコン室外機。砂
利の敷かれた小さな庭。その向こうにブロック塀があった。
雨は止んでいるようだ。しかし、曇っているらしく、星も月も見えない。
「んー……」
一通り周囲を懐中電灯で照らしてから。
男は窓を閉め、鍵を閉め、カーテンを閉める。
それから、ベッドにいるこがさに満面の笑顔を向けた。
男は窓を閉め、鍵を閉め、カーテンを閉める。
それから、ベッドにいるこがさに満面の笑顔を向けた。
「よかった、こがさ。かわいそうなしんぐるまざーでいぶはいなかったよ」
「うん。それはよかったね」
「うん。それはよかったね」
こがさも満面の笑顔で答えた。
余計な事は一切考えず、一切言わず。
男とこがさは朝までぐっすり眠った。
余計な事は一切考えず、一切言わず。
男とこがさは朝までぐっすり眠った。
その後こがさが男を驚かそうとすることはなくなり、不思議な事も起こっていない。
あとがき
最近、普通の虐待ネタが頭の中に生えてこない。
ちょっと困った。
最近、普通の虐待ネタが頭の中に生えてこない。
ちょっと困った。
餡娘ちゃん三歳おめでとうございます。
いつもサイトを使わせていただき、ありがとうございます。
いつもサイトを使わせていただき、ありがとうございます。
過去SS
anko4061 勝利条件.txt
anko4058 まちょりーになりたい
anko4052 とっても餡子脳
anko4051 どMとどS
anko4047 便秘だったちぇん
anko4046 超天才外科医の休日
anko4038 ゆっくり・ボール・ラン
anko4008 ゆか PIECE
anko4005 燃える、お兄さん
anko4003 続・愛の超伝道師
anko3994 愛の超伝道師
anko3894 続・えどてんせいっ!
anko3878 えどてんせいっ!
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