ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko4290 肉体的暴力とゆっくり
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『肉体的暴力とゆっくり』 15KB
虐待 現代 失礼します。
虐待 現代 失礼します。
anko2611 ゲスゆっくり奮闘記1
anko2622 ゲスゆっくり奮闘記2
anko3414 ゲスゆっくり奮闘記3
anko3417 ゲスゆっくり奮闘記4
anko3456 れいむのゆん生
anko3458 まけいぬとゆっくり
anko3461 ゆっくりに生まれて
anko3484 ゆっくりブリーダー
anko3489 休日とゆっくり
anko3652 ドスについて
anko3715 ゆっくりに餌を
anko3729 はじめてのぎゃくたい
anko3730 はじめてのしいく
anko3741 ゆっくりショップのバイト
anko3794 まりさとの勝負
anko3843 野球部のゆっくり
anko3855 ゆっくりと会話してみた
anko3932 ゆっくり観察日記
anko3933 ゆっくりと子供
anko3953 しんぐるまざーの朝は早い
anko4016 虐められるためのゆっくり
anko4094 普通の人とゆっくり
anko4153 愛された果てに
anko4170 むっきゅーさん
「」ゆっくりの台詞
『』人間の台詞でお願いします
anko2622 ゲスゆっくり奮闘記2
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anko3456 れいむのゆん生
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anko4094 普通の人とゆっくり
anko4153 愛された果てに
anko4170 むっきゅーさん
「」ゆっくりの台詞
『』人間の台詞でお願いします
「ゅ、ゆぅ…………」
窓の無い、家具のない、何もない部屋の隅で数十匹のゆっくりたちが身を寄せ合いながら震えていた。
赤ゆっくりから成体まで、れいむ、まりさ等の通常種に希少種に当たるさなえ、らん、捕食種のれみりゃまでが皆一様に暗い表情で、互いを慰めるように身を寄せ合う。
部屋の中には甘い匂いが常に漂い、それはゆっくりたちが傷を負っていることの証であり、また死臭である。
現在、室内は照明がついていないので真っ暗で、前述の通り窓がなく、朝も夜もないので時間の感覚もないようだ。
誰かが起きたらそれに合わせて起きて、暗い部屋でゆっくりらしからぬ小さな声で話すだけ。
誰かが起きれば起き出して、消え入りそうな声で挨拶をして、傷ついた身体を文字通り舐めあって励ましあう。
そこに通常種も希少種も捕食種もなく、皆涙を流して「ぺーろぺーろ」と傷を癒しあっていた。
……。
…………。
「みんな ゆっくりしていって、ね」
「ゆ、ゆっくりしていってね……」「えぇ、ゆっくりするわ」「むきゅ、げほっ、ゆっくり、するわ」
「ゆっくり、するんだねー、わかる、わかるよー」「うー」「みんなでゆっくりしましょう」
暗闇の中で目を覚ました成体のまりさは、小さな声で声をあげた。
その声に反応して、周囲のゆっくりたちは次々に起きて返事をして、そして世界が真っ暗なことにため息をついていく。
「ゆぅ、まだ、ここにいるんだね……」
一匹のれいむの呟き、空虚とも言える様な目で、真っ暗な世界を見つめて、今にも死にそうな気配を漂わせていた。
それはこの部屋では珍しいことでもなく、いつも自分は絶対幸福になると信じきっているゆっくりにはあり得ない、希望の持てない表情を浮かべる個体はいくつもいた。
流石に赤ゆっくりにはそんなのはいないが、子ゆっくりに中にもそれに近い絶望を顔に刻み込んだものは見受けられる。
「うー……うー…………」
「れみりゃ、だいじょうぶ? まだいたいの?」
片羽を失ったれみりゃが、痛みに涙を流し、自分の一部を失った失望感にも泣きながら、もぞもぞ床を這い回っていると、その捕食種たるれみりゃの身体を通常種のまりさが労わる様に舐めていた。
その逆もあった、れみりゃが捕食することなくちぇんの身体を舐めてあげたり。
赤れいむを頭に乗せてあげたりと、ここに種の壁はなく、ある意味ゆっくりの求める境地であるかも知れない。
部屋のゆっくりにはお飾りがないものや、髪が抜けてるものも多くいる。
通常ならば迫害の対象になるけれど、ここではそれもない。
皆仲間であり、大切な家族なのだ。
「ぱちゅりー、らんは いつかここをでて むれをつくりたい」
「そう、すてきね……ぱちぇもおてつだいしたいわ」
「もちろんてつだってくれ ここにいる みんなでしあわせにくらせる むれがつくりたいんだ」
夢を語り合い。
「もう、もういやなのぜぇぇえぇえええ!! ばりざは、まりざはじにたいのぜ!!」
「うー、うーーー!!」
「れ、れみりゃ? なんでおこってるのぜ?」
「わかるよー。ちぇんにはわかるよー、れみりゃはまりさにしんでほしくないんだねー……それくらい、わがれよぉおおお!!」
「れみりゃ、ちぇん…………ぁ、ありがどう、なのぜぇぇえ!!」
慰め、分かり合い、助け合い。
「さなえ……」
「なんでしょう、ありす?」
「ここからでたら……いえ、なんでもないわ」
「……………………えぇ、ここからでたら わたしからも、はなしがあります」
愛を確かめ合い。
暗い世界にも確かに光があった、心地よい暖かな光がそこにはあった。
『ふぅぅ、今日もつかれたなぁ、おい』
「「「「「「「ゆ?」」」」」」
カチリと小さな音が響いて、室内が明るく照らされた。
心地よい暖かな、絶望の光が灯された。
ゆっくりたちをこの部屋に連れてきた張本人である、まだ年若い男性の手によって。
『あー、ほんっとつかれたなぁ、いや、まじで、なぁ?』
誰に話すでもなく、ゆっくりに言ってる訳でもなく癖なのか疑問文の独り言を呟く青年は、手足をグネグネと準備体操の様に解しながら、入り口から最も遠い部屋の隅で固まるゆっくりたちに近づいていく。
青年の目的であろうゆっくりたちは、光にまだ慣れていないのと、何度か経験して来た絶望に身体を震わせながら動けずにいるようだった。
『あーあ、だっっっっっっりぃ!!!』
「ゆびゅるぼべっ!?!?」
気合一閃。
〔だるい〕の意の言葉と共に、青年は一番近くにいた成体サイズのまりさを思い切り蹴り飛ばした。
蹴られたまりさは、帽子をその場に置き去りにしながら、くぐもった叫びを残し、ゆっくりたちが集まっている方の壁に叩き付けられた。
ばちんっ! っと饅頭皮が壁に当たるこ気味良い音が部屋に響いて、まりさは一秒に満たない間壁に張り付いてから、他のゆっくりが見守る中ずるずると床に落ちた。
『ん~、ナイっシュー、悪くないな、おい』
足をプラプラ、蹴ったときインパクトの瞬間にかかる刺激に薄く笑顔を浮かべた青年は『やっぱり蹴るのが良いよなぁ』と、うんうん頷いていた。
「「「「「「…………」」」」」
ここに来てまだポカンとしていたゆっくりたちは、その名の通りゆっくりと自分たちの置かれている状況を思い出して、理解して、そして。
「ゆ………………」
『ん?』
「ゆっくりにげるよぉおおぉおおお!!!!! みんないそいでねぇぇぇぇえぇぇぇええええええ!!!!!」
「「「「「「「「ゅ、ゅわぁぁぁあぁあぁぁあぁぁぁあぁぁっぁぁぁぁぁああん!!!!!!」」」」」」」
一匹のどこぞのゆっくりの言葉に反応して、その場にいた数十のゆっくりたちは一気に逃げ出した。
と、言っても所詮ゆっくりだし、所詮は部屋の中。
押し合いながら、まともに逃げられてはいない。
前に進めないで、その場で跳ねているやつもいるし。
怪我をしていて、まともに動けないやつもいる。
無論その怪我は、この青年が前に行った暴行によるものである。
『ほーれ、さっさと逃げないと、痛い、ぞぉおっ!!』
「ゆべっ!? やべ、ぃじゃ!? れいぶの、かみさん、いじゃぃい!!?」
青年は適当にそこらで跳ねていたれいむを踏みつけてから、その髪を掴んで持ち上げた。
れいむの頭部で、何本もの砂糖細工の髪が抜けて彼女に嫌な痛みを与える。
それでも、このまま捕まっていたらもっと痛いことをされると学習しきっているれいむは、必死に底面をもるんもるんと揺らして、逃げ出そうとする。
ゆっくりにとって大事な、抜けたら二度と生えない髪を引きちぎってでも逃げようとするが。
『にーがすわけねーだろ? れーいむちゃーーーーーーんっっっっ!!!』
「れいむは じだいのりゅうのつばさをてにいぎゅるべっぽぉおおお!?!?!?」
彼は掴んだれいむを軽く放り投げると、若干不恰好な回し蹴りでその底面を綺麗に捉えた。
ぼびゅっ! っとうんうんをまるで飛行機雲みたいに残しながられいむは正に赤い彗星となり、ゆっくりたちが逃げようとする先の壁に叩きつけられ―――弾けた。
ぱぁぁんっ!! っと良い音がなり、投げつけられた泥団子みたいに綺麗な餡子の飛び散り円を描いたれいむ彗星。
まさに現代のアートの極地と言うか局地。
大勢のゆっくりたちもそのあまりの美しさに固まっているのか、逃げるのをやめて口を半開きにしていた。
「ゆ、ゆぁ……」
『綺麗に弾けたな、なぁ、おい?』
近くにいたちぇんの頭をグリグリと踏みながら、青年は自分とれいむ(故)の合作アートに何回も頷いていた。
ゆっくりたち、通常種も捕食種もさっきまで痛みを分かち合っていた仲間の死に愕然と声を失う。
どんなときでも騒がしいゆっくりたち、死に敬意も何も払わないことで有名だけれど、ここのゆっくりたちは違った。
集められ、痛めつけられ、時に仲間が死んでいく。
そんな生活の中で他のゆっくりとは画一した精神を有するようになっていた。
それはまったくの偶然でしかなかったけれど、青年にとってはこの妙な連帯感は楽しむ要素の一つであったりするらしい。
ニヤニヤ笑いながら、今日はどんな反応をしてくれるだろうかと待っていると。
「おきゃーしゃん!」「おきゃーしゃーん!!」
『お、プチ饅頭か、いつのまに作ったんだ』
二匹の赤れいむが、イライラするような遅さでれいむの、れいむだったモノの元に跳ねていった。
普通の赤ゆなら、親の死を受け入れられず、それ以前に死生をしっかり理解出来るものもいないのに、やはり良い影響を受けているようだった。
「おきゃーしゃぁぁぁん!」「おきゃー、しゃ、あぁぁああん!!」
「ゆ、くうう、れいむ……」「おちびをのこして しぬなんて……!」「れいむ、おそらでゆっくりしてね……」
『…………』
泣きながらびっくりするくらいの遅さで、れいむの爆散地に向かっていく赤れいむ二匹と、それを見守るゆっくりたち。
狭い部屋でも、赤ゆっくりの進む速度では壁へ到達するのも一苦労どころの話ではなくて、さっきから1mも進めずにプチ饅頭は疲れだしているようだった。
「おきゃ、しゃん」「ゆへぇー、ゆふぅー、おきゃーしゃ、ん」
『なんだこのコント……?』
死んだ親れいむの駆け寄ろうとするも、疲れて辿り着けなくなってへたっている姿を見ながら青年は呆れた表情で首をふる。
青年は痛めつけがいのない赤ゆっくり子ゆっくりはなるべく狙わないようにしているようだった。
『ま、次行くか、つーぎっ!!』
「ぎゅぶべっ!?」
「ちぇ、ちぇーーーーーーーーんん!?!?」
青年はさっきまで踏んでいたちぇんを、そのままに踏み潰した。
そして、彼は悪役のように手を広げて。
『ほれほれ逃げろ逃げろ! じゃないと痛いぞー!!』
「「「「「ゅ、ゅわああぁああああああ!!?!」」」」」
れいむのアートですっかり逃走を止めてしまっていたゆっくりたちが、大声をあげて再びの逃走。
子供を持つゆっくりは少ないが、それらは周りに急かされ守られ優先的に逃げていく。
口に入れたり、頭に乗せたり、自分の髪に掴まさせたりして、どうにか子供だけは守ろうと、そして他のゆっくりたちもその子供を守っていた。
自分たちが殺されても子供が残ればきっといつかは、という強い意志を目に宿しているけれど。
青年の趣味で用意されているこの部屋のゆっくりに〔いつか〕とは一生訪れないだろう。
『これかられいっむを、なぁぐりに行こうかぁぁぁぁぁああああ!!! YUー! YUー! YUー! YU-YU-YU-YU-!』
「こないで! こないでね! ごないでっていっでるでじょぉおおおおおぉお!?? なんでぐるのぉおおおぉお!?」
逃げるれいむに追う――正確には遊ぶ――青年。
のたのたと逃げることしか出来ないれいむを、わざと捕まえないで足音を大きく立てながら遊び追い立てて行る。
追われる側であるれいむは真剣な逃亡で、しーしー漏らして醜い顔面を涙と涎と汗でグチャグチャにしながら。
追いかける青年は、遅いれいむを爆笑しながら、彼女のわずか後ろで足音を立てまくる。
「でいぶはぁぁあ!! でいぶはぜっだいぃい! いぎで、いぎでみんなど、ゆっぐりずるんだぁぁあああぁあああ!!!」
どこかの怨霊生首みたいに、鬼気迫る表情で跳ね逃げる姿は実に気持ち悪くあり、それでいて笑いを誘うらしく、青年は実に楽しそうに追いかけていた。
『しかし、飽きたな……』
「ぼびゅっべ!!」
追いかけるのに飽きたらしい青年は、殴りにと言ってはいたけれど普通にれいみを蹴り飛ばした。
あにゃるからぶりゅんっとうんうんを漏らしながら吹き飛んだれいむは、ドアの周りでどうにか開けられないか無駄な奮闘をしている集団の中心に落ちて、ぴくぴく痙攣をした。
どうやら蹴られただけのため、大したダメージもないらしく落ち方が悪くて歯が折れているだけみたいだ。
しかし、痛いものは痛いらしくその場で動くこともしない痙攣饅頭となった。
「れ、れいむぅううぅうう!?!」「だいじょうぶ!? ぺーろぺーろ! れいむ! ありすがぺーろぺーろしてあげるからあんしんしてね!」
「ひどいみょぉおおぉおん!!」「わがらない! にんげんさんがなんでこんなことするか わがらないよぉおおぉおおおお!!」
『おー、うるせーうるせー』
痙攣饅頭ことれいむに気づいたらしいゆっくり達は、その痛ましい姿に涙して、同胞の傷を癒そうと躍起になり、またこの悲劇に声をあげて泣いたけれど。
青年がそれに心打たれるようなこはある訳なく、彼は指で耳の穴をほじほじしながら、ゆっくり近づいていく。
「っ!」
ゆっくりした、本当に散歩するようなその歩みにゆっくりたちは身体を硬直させた。
既に二匹散ってしまった仲間、今怪我をして動けないれいむ、最初に蹴られて数匹のゆっくりに支えられて何とか移動しているまりさ。
彼女らはこれ以上犠牲者は出せないとその目に決意の火を灯して行く。
「ありす……れいむを、おねがいするのぜ……」
「ま、まりさ? なにを……」
一匹のまりさがゆっくりにじる様に全身しながら、小さな声でれいむを看病するありすに声をかけた。
そして、まりさ以外にもちぇん、らん、れみりゃ、みょん、れいむ等がゆっくり、ゆっくりと前に出て行く。
比較的怪我や疲労がなく、逃走するときに主格を担っていたものたちだ。
今回怪我をしてれいむとまりさ以外にも、前回、前々回と青年から受けた暴行で片目を失ったり跳ねることが出来ないゆっくりたちは多い。
そこに更に赤ゆっくり子ゆっくりを抱える親ゆっくりを守らなければならないこともあり、戦えるゆっくりは非常に少ない状況だった。
それでも―――。
「みょんたちがじかんをかせぐみょん」「そのあいだに れいむとまりさをたのむ」
「うー! うぅー!!」「ドアさんがあいたら まよわずにげてね!」
「「「「「…………っ!!」」」」」
下等生物でありながら気高い志を見せる10にみたないゆっくりたち。
自分たちの背後に控える怪我をした仲間、守らなくてはいけない未来のために、ゆっくりたちは立ち上がる。
勝ち目がないことは全員がしっかり理解させられている、だからこそ、勝てなくても守ろうと。
その決意は彼女らを戦士に変えていた。
『ふーん…………』
青年も彼女らの決意を察したのか、相対するように足を止めて、一匹一匹の顔を見回した。
「ゆっ…………」
その挙動だけで、ゆっくりたちは生きた心地がしなかった。
弾けたれいむ、踏み潰されたちぇんの姿が戦士達の餡子を駆け巡る。
死に様を思い出して恐怖するが、それよりも理不尽にたいする怒りや、守るべき仲間への愛が上回っていった。
「ちぇんが すきをつくるんだねー……」
「ちぇん!?」
仲間にそっと囁いたちぇんは、自分の自慢のあんよに力を込めて行く。
一世一代の勝負の場と心に決めて、砕けるほど歯を強くかみ締め―――。
「いちばんあしがはやい ちぇんがすきをつくるよ、そのすきを おねがいするんだよ…………ぁゎ。わかれよぉおおおぉおおおおおおおおおお!!!!」
「ちぇん!」「うー!!」「むだに、けしてむだにしないみょん!!」
ちぇんの決死の覚悟を受け取って、戦士達は動き出す。
真っ直ぐ青年の足元を抜けようとするちぇんの動きを利用するように左右から挟み―――「ゆびゅじゅぼ!?!?」―――込む暇もなくちぇんは一発で潰された。
「ちぇ、ちぇえええ、ゆべぇええ!?」
『ぼっとしてなんよー、ぼーっとしてると死んじゃうぞー』
チョコを撒き散らしたちぇんに嘆きの叫びをあげたまりさは、青年の足で歯を砕かれどこぞに吹き飛び。
「ゆ、ゆるさないみょぉおおぉおおおおぉおんぐるべっぇ!?!」
『はい次ー』
仇に我を忘れて正面から突っ込んだみょんは、軽く足で受けとめてワントラップの後に蹴り飛ばされて部屋の隅の痙攣饅頭に。
「よぐも、よぐもぉおぉおお!! よぐもちぇんを!! ゆるざなぃぶっ!!?」
『またのお越しを』
これまた怒りを露に特攻して来たらんはトゥーキックで片目を潰されてそこらに転がった。
「まだ! まだだよぉおおおお!! まだおわりゅんべっ!?!」
『れいむは多いからなぁ、ちっと間引かないと』
考える餡子が少ないらしく、真正面から来たれいむは青年の気まぐれで潰された。
『っし、こんなもんかね』
「こ、こないでね! こないでね!」「れいむ、ぺーろぺーろ! だいじょぶ? れいむ?」
「おねがいしますドアさん! あいてください! あいてください!」「みんなのためにぃいい!! れいむ、がんばるよぉおおお!!」
「まりさ、だいじょうぶ? あるける?」「だ、だいじょうぶ、なのぜ、まりさも、ドアさんをあける、てつだいをするのぜ……」
窓の無い、家具のない、何もない部屋の隅で数十匹のゆっくりたちが身を寄せ合いながら震えていた。
赤ゆっくりから成体まで、れいむ、まりさ等の通常種に希少種に当たるさなえ、らん、捕食種のれみりゃまでが皆一様に暗い表情で、互いを慰めるように身を寄せ合う。
部屋の中には甘い匂いが常に漂い、それはゆっくりたちが傷を負っていることの証であり、また死臭である。
現在、室内は照明がついていないので真っ暗で、前述の通り窓がなく、朝も夜もないので時間の感覚もないようだ。
誰かが起きたらそれに合わせて起きて、暗い部屋でゆっくりらしからぬ小さな声で話すだけ。
誰かが起きれば起き出して、消え入りそうな声で挨拶をして、傷ついた身体を文字通り舐めあって励ましあう。
そこに通常種も希少種も捕食種もなく、皆涙を流して「ぺーろぺーろ」と傷を癒しあっていた。
……。
…………。
「みんな ゆっくりしていって、ね」
「ゆ、ゆっくりしていってね……」「えぇ、ゆっくりするわ」「むきゅ、げほっ、ゆっくり、するわ」
「ゆっくり、するんだねー、わかる、わかるよー」「うー」「みんなでゆっくりしましょう」
暗闇の中で目を覚ました成体のまりさは、小さな声で声をあげた。
その声に反応して、周囲のゆっくりたちは次々に起きて返事をして、そして世界が真っ暗なことにため息をついていく。
「ゆぅ、まだ、ここにいるんだね……」
一匹のれいむの呟き、空虚とも言える様な目で、真っ暗な世界を見つめて、今にも死にそうな気配を漂わせていた。
それはこの部屋では珍しいことでもなく、いつも自分は絶対幸福になると信じきっているゆっくりにはあり得ない、希望の持てない表情を浮かべる個体はいくつもいた。
流石に赤ゆっくりにはそんなのはいないが、子ゆっくりに中にもそれに近い絶望を顔に刻み込んだものは見受けられる。
「うー……うー…………」
「れみりゃ、だいじょうぶ? まだいたいの?」
片羽を失ったれみりゃが、痛みに涙を流し、自分の一部を失った失望感にも泣きながら、もぞもぞ床を這い回っていると、その捕食種たるれみりゃの身体を通常種のまりさが労わる様に舐めていた。
その逆もあった、れみりゃが捕食することなくちぇんの身体を舐めてあげたり。
赤れいむを頭に乗せてあげたりと、ここに種の壁はなく、ある意味ゆっくりの求める境地であるかも知れない。
部屋のゆっくりにはお飾りがないものや、髪が抜けてるものも多くいる。
通常ならば迫害の対象になるけれど、ここではそれもない。
皆仲間であり、大切な家族なのだ。
「ぱちゅりー、らんは いつかここをでて むれをつくりたい」
「そう、すてきね……ぱちぇもおてつだいしたいわ」
「もちろんてつだってくれ ここにいる みんなでしあわせにくらせる むれがつくりたいんだ」
夢を語り合い。
「もう、もういやなのぜぇぇえぇえええ!! ばりざは、まりざはじにたいのぜ!!」
「うー、うーーー!!」
「れ、れみりゃ? なんでおこってるのぜ?」
「わかるよー。ちぇんにはわかるよー、れみりゃはまりさにしんでほしくないんだねー……それくらい、わがれよぉおおお!!」
「れみりゃ、ちぇん…………ぁ、ありがどう、なのぜぇぇえ!!」
慰め、分かり合い、助け合い。
「さなえ……」
「なんでしょう、ありす?」
「ここからでたら……いえ、なんでもないわ」
「……………………えぇ、ここからでたら わたしからも、はなしがあります」
愛を確かめ合い。
暗い世界にも確かに光があった、心地よい暖かな光がそこにはあった。
『ふぅぅ、今日もつかれたなぁ、おい』
「「「「「「「ゆ?」」」」」」
カチリと小さな音が響いて、室内が明るく照らされた。
心地よい暖かな、絶望の光が灯された。
ゆっくりたちをこの部屋に連れてきた張本人である、まだ年若い男性の手によって。
『あー、ほんっとつかれたなぁ、いや、まじで、なぁ?』
誰に話すでもなく、ゆっくりに言ってる訳でもなく癖なのか疑問文の独り言を呟く青年は、手足をグネグネと準備体操の様に解しながら、入り口から最も遠い部屋の隅で固まるゆっくりたちに近づいていく。
青年の目的であろうゆっくりたちは、光にまだ慣れていないのと、何度か経験して来た絶望に身体を震わせながら動けずにいるようだった。
『あーあ、だっっっっっっりぃ!!!』
「ゆびゅるぼべっ!?!?」
気合一閃。
〔だるい〕の意の言葉と共に、青年は一番近くにいた成体サイズのまりさを思い切り蹴り飛ばした。
蹴られたまりさは、帽子をその場に置き去りにしながら、くぐもった叫びを残し、ゆっくりたちが集まっている方の壁に叩き付けられた。
ばちんっ! っと饅頭皮が壁に当たるこ気味良い音が部屋に響いて、まりさは一秒に満たない間壁に張り付いてから、他のゆっくりが見守る中ずるずると床に落ちた。
『ん~、ナイっシュー、悪くないな、おい』
足をプラプラ、蹴ったときインパクトの瞬間にかかる刺激に薄く笑顔を浮かべた青年は『やっぱり蹴るのが良いよなぁ』と、うんうん頷いていた。
「「「「「「…………」」」」」
ここに来てまだポカンとしていたゆっくりたちは、その名の通りゆっくりと自分たちの置かれている状況を思い出して、理解して、そして。
「ゆ………………」
『ん?』
「ゆっくりにげるよぉおおぉおおお!!!!! みんないそいでねぇぇぇぇえぇぇぇええええええ!!!!!」
「「「「「「「「ゅ、ゅわぁぁぁあぁあぁぁあぁぁぁあぁぁっぁぁぁぁぁああん!!!!!!」」」」」」」
一匹のどこぞのゆっくりの言葉に反応して、その場にいた数十のゆっくりたちは一気に逃げ出した。
と、言っても所詮ゆっくりだし、所詮は部屋の中。
押し合いながら、まともに逃げられてはいない。
前に進めないで、その場で跳ねているやつもいるし。
怪我をしていて、まともに動けないやつもいる。
無論その怪我は、この青年が前に行った暴行によるものである。
『ほーれ、さっさと逃げないと、痛い、ぞぉおっ!!』
「ゆべっ!? やべ、ぃじゃ!? れいぶの、かみさん、いじゃぃい!!?」
青年は適当にそこらで跳ねていたれいむを踏みつけてから、その髪を掴んで持ち上げた。
れいむの頭部で、何本もの砂糖細工の髪が抜けて彼女に嫌な痛みを与える。
それでも、このまま捕まっていたらもっと痛いことをされると学習しきっているれいむは、必死に底面をもるんもるんと揺らして、逃げ出そうとする。
ゆっくりにとって大事な、抜けたら二度と生えない髪を引きちぎってでも逃げようとするが。
『にーがすわけねーだろ? れーいむちゃーーーーーーんっっっっ!!!』
「れいむは じだいのりゅうのつばさをてにいぎゅるべっぽぉおおお!?!?!?」
彼は掴んだれいむを軽く放り投げると、若干不恰好な回し蹴りでその底面を綺麗に捉えた。
ぼびゅっ! っとうんうんをまるで飛行機雲みたいに残しながられいむは正に赤い彗星となり、ゆっくりたちが逃げようとする先の壁に叩きつけられ―――弾けた。
ぱぁぁんっ!! っと良い音がなり、投げつけられた泥団子みたいに綺麗な餡子の飛び散り円を描いたれいむ彗星。
まさに現代のアートの極地と言うか局地。
大勢のゆっくりたちもそのあまりの美しさに固まっているのか、逃げるのをやめて口を半開きにしていた。
「ゆ、ゆぁ……」
『綺麗に弾けたな、なぁ、おい?』
近くにいたちぇんの頭をグリグリと踏みながら、青年は自分とれいむ(故)の合作アートに何回も頷いていた。
ゆっくりたち、通常種も捕食種もさっきまで痛みを分かち合っていた仲間の死に愕然と声を失う。
どんなときでも騒がしいゆっくりたち、死に敬意も何も払わないことで有名だけれど、ここのゆっくりたちは違った。
集められ、痛めつけられ、時に仲間が死んでいく。
そんな生活の中で他のゆっくりとは画一した精神を有するようになっていた。
それはまったくの偶然でしかなかったけれど、青年にとってはこの妙な連帯感は楽しむ要素の一つであったりするらしい。
ニヤニヤ笑いながら、今日はどんな反応をしてくれるだろうかと待っていると。
「おきゃーしゃん!」「おきゃーしゃーん!!」
『お、プチ饅頭か、いつのまに作ったんだ』
二匹の赤れいむが、イライラするような遅さでれいむの、れいむだったモノの元に跳ねていった。
普通の赤ゆなら、親の死を受け入れられず、それ以前に死生をしっかり理解出来るものもいないのに、やはり良い影響を受けているようだった。
「おきゃーしゃぁぁぁん!」「おきゃー、しゃ、あぁぁああん!!」
「ゆ、くうう、れいむ……」「おちびをのこして しぬなんて……!」「れいむ、おそらでゆっくりしてね……」
『…………』
泣きながらびっくりするくらいの遅さで、れいむの爆散地に向かっていく赤れいむ二匹と、それを見守るゆっくりたち。
狭い部屋でも、赤ゆっくりの進む速度では壁へ到達するのも一苦労どころの話ではなくて、さっきから1mも進めずにプチ饅頭は疲れだしているようだった。
「おきゃ、しゃん」「ゆへぇー、ゆふぅー、おきゃーしゃ、ん」
『なんだこのコント……?』
死んだ親れいむの駆け寄ろうとするも、疲れて辿り着けなくなってへたっている姿を見ながら青年は呆れた表情で首をふる。
青年は痛めつけがいのない赤ゆっくり子ゆっくりはなるべく狙わないようにしているようだった。
『ま、次行くか、つーぎっ!!』
「ぎゅぶべっ!?」
「ちぇ、ちぇーーーーーーーーんん!?!?」
青年はさっきまで踏んでいたちぇんを、そのままに踏み潰した。
そして、彼は悪役のように手を広げて。
『ほれほれ逃げろ逃げろ! じゃないと痛いぞー!!』
「「「「「ゅ、ゅわああぁああああああ!!?!」」」」」
れいむのアートですっかり逃走を止めてしまっていたゆっくりたちが、大声をあげて再びの逃走。
子供を持つゆっくりは少ないが、それらは周りに急かされ守られ優先的に逃げていく。
口に入れたり、頭に乗せたり、自分の髪に掴まさせたりして、どうにか子供だけは守ろうと、そして他のゆっくりたちもその子供を守っていた。
自分たちが殺されても子供が残ればきっといつかは、という強い意志を目に宿しているけれど。
青年の趣味で用意されているこの部屋のゆっくりに〔いつか〕とは一生訪れないだろう。
『これかられいっむを、なぁぐりに行こうかぁぁぁぁぁああああ!!! YUー! YUー! YUー! YU-YU-YU-YU-!』
「こないで! こないでね! ごないでっていっでるでじょぉおおおおおぉお!?? なんでぐるのぉおおおぉお!?」
逃げるれいむに追う――正確には遊ぶ――青年。
のたのたと逃げることしか出来ないれいむを、わざと捕まえないで足音を大きく立てながら遊び追い立てて行る。
追われる側であるれいむは真剣な逃亡で、しーしー漏らして醜い顔面を涙と涎と汗でグチャグチャにしながら。
追いかける青年は、遅いれいむを爆笑しながら、彼女のわずか後ろで足音を立てまくる。
「でいぶはぁぁあ!! でいぶはぜっだいぃい! いぎで、いぎでみんなど、ゆっぐりずるんだぁぁあああぁあああ!!!」
どこかの怨霊生首みたいに、鬼気迫る表情で跳ね逃げる姿は実に気持ち悪くあり、それでいて笑いを誘うらしく、青年は実に楽しそうに追いかけていた。
『しかし、飽きたな……』
「ぼびゅっべ!!」
追いかけるのに飽きたらしい青年は、殴りにと言ってはいたけれど普通にれいみを蹴り飛ばした。
あにゃるからぶりゅんっとうんうんを漏らしながら吹き飛んだれいむは、ドアの周りでどうにか開けられないか無駄な奮闘をしている集団の中心に落ちて、ぴくぴく痙攣をした。
どうやら蹴られただけのため、大したダメージもないらしく落ち方が悪くて歯が折れているだけみたいだ。
しかし、痛いものは痛いらしくその場で動くこともしない痙攣饅頭となった。
「れ、れいむぅううぅうう!?!」「だいじょうぶ!? ぺーろぺーろ! れいむ! ありすがぺーろぺーろしてあげるからあんしんしてね!」
「ひどいみょぉおおぉおん!!」「わがらない! にんげんさんがなんでこんなことするか わがらないよぉおおぉおおおお!!」
『おー、うるせーうるせー』
痙攣饅頭ことれいむに気づいたらしいゆっくり達は、その痛ましい姿に涙して、同胞の傷を癒そうと躍起になり、またこの悲劇に声をあげて泣いたけれど。
青年がそれに心打たれるようなこはある訳なく、彼は指で耳の穴をほじほじしながら、ゆっくり近づいていく。
「っ!」
ゆっくりした、本当に散歩するようなその歩みにゆっくりたちは身体を硬直させた。
既に二匹散ってしまった仲間、今怪我をして動けないれいむ、最初に蹴られて数匹のゆっくりに支えられて何とか移動しているまりさ。
彼女らはこれ以上犠牲者は出せないとその目に決意の火を灯して行く。
「ありす……れいむを、おねがいするのぜ……」
「ま、まりさ? なにを……」
一匹のまりさがゆっくりにじる様に全身しながら、小さな声でれいむを看病するありすに声をかけた。
そして、まりさ以外にもちぇん、らん、れみりゃ、みょん、れいむ等がゆっくり、ゆっくりと前に出て行く。
比較的怪我や疲労がなく、逃走するときに主格を担っていたものたちだ。
今回怪我をしてれいむとまりさ以外にも、前回、前々回と青年から受けた暴行で片目を失ったり跳ねることが出来ないゆっくりたちは多い。
そこに更に赤ゆっくり子ゆっくりを抱える親ゆっくりを守らなければならないこともあり、戦えるゆっくりは非常に少ない状況だった。
それでも―――。
「みょんたちがじかんをかせぐみょん」「そのあいだに れいむとまりさをたのむ」
「うー! うぅー!!」「ドアさんがあいたら まよわずにげてね!」
「「「「「…………っ!!」」」」」
下等生物でありながら気高い志を見せる10にみたないゆっくりたち。
自分たちの背後に控える怪我をした仲間、守らなくてはいけない未来のために、ゆっくりたちは立ち上がる。
勝ち目がないことは全員がしっかり理解させられている、だからこそ、勝てなくても守ろうと。
その決意は彼女らを戦士に変えていた。
『ふーん…………』
青年も彼女らの決意を察したのか、相対するように足を止めて、一匹一匹の顔を見回した。
「ゆっ…………」
その挙動だけで、ゆっくりたちは生きた心地がしなかった。
弾けたれいむ、踏み潰されたちぇんの姿が戦士達の餡子を駆け巡る。
死に様を思い出して恐怖するが、それよりも理不尽にたいする怒りや、守るべき仲間への愛が上回っていった。
「ちぇんが すきをつくるんだねー……」
「ちぇん!?」
仲間にそっと囁いたちぇんは、自分の自慢のあんよに力を込めて行く。
一世一代の勝負の場と心に決めて、砕けるほど歯を強くかみ締め―――。
「いちばんあしがはやい ちぇんがすきをつくるよ、そのすきを おねがいするんだよ…………ぁゎ。わかれよぉおおおぉおおおおおおおおおお!!!!」
「ちぇん!」「うー!!」「むだに、けしてむだにしないみょん!!」
ちぇんの決死の覚悟を受け取って、戦士達は動き出す。
真っ直ぐ青年の足元を抜けようとするちぇんの動きを利用するように左右から挟み―――「ゆびゅじゅぼ!?!?」―――込む暇もなくちぇんは一発で潰された。
「ちぇ、ちぇえええ、ゆべぇええ!?」
『ぼっとしてなんよー、ぼーっとしてると死んじゃうぞー』
チョコを撒き散らしたちぇんに嘆きの叫びをあげたまりさは、青年の足で歯を砕かれどこぞに吹き飛び。
「ゆ、ゆるさないみょぉおおぉおおおおぉおんぐるべっぇ!?!」
『はい次ー』
仇に我を忘れて正面から突っ込んだみょんは、軽く足で受けとめてワントラップの後に蹴り飛ばされて部屋の隅の痙攣饅頭に。
「よぐも、よぐもぉおぉおお!! よぐもちぇんを!! ゆるざなぃぶっ!!?」
『またのお越しを』
これまた怒りを露に特攻して来たらんはトゥーキックで片目を潰されてそこらに転がった。
「まだ! まだだよぉおおおお!! まだおわりゅんべっ!?!」
『れいむは多いからなぁ、ちっと間引かないと』
考える餡子が少ないらしく、真正面から来たれいむは青年の気まぐれで潰された。
『っし、こんなもんかね』
「こ、こないでね! こないでね!」「れいむ、ぺーろぺーろ! だいじょぶ? れいむ?」
「おねがいしますドアさん! あいてください! あいてください!」「みんなのためにぃいい!! れいむ、がんばるよぉおおお!!」
「まりさ、だいじょうぶ? あるける?」「だ、だいじょうぶ、なのぜ、まりさも、ドアさんをあける、てつだいをするのぜ……」
青年を目の前に怯えるゆっくり、そしてドアを開けようと必死になるゆっくり、傷を押しても仲間の助けになろうとするゆっくり。
『…………今日はこんくらいにしとくか』
「ゆべ!?」「いちゃい!」「やべでね!」「ぐぇえ!!」
軽く見回して頭をポリポリかいた青年は、ドアの前に群がるゆっくりたちを足で退かしていく。
『ふー、良いかいたわ』
適当に蹴ってどかしたらドアを開けようとノブに手をかけたとき―――。
「うぅううぅうううううう!!!!」
『ん?』
「れ、れみりゃ!?」「や、やっちゃえ!!」「れみりゃ、おねがいだ、ちぇんのかたきを!!」
仲間が殺され痛めつけられても我慢して、我慢して青年の隙を狙っていた孤高の捕食種。
人間の頭上より首元を狙うように急下降していく。
溜め込んだ怒りを原動力にするように早く速く疾く。
涙を流しながらの決死の一撃にゆっくりたちは希望を見て。
『ほいさ』
「うぎゃっぁぉおおおお!?!?!」
「「「「「れ、れみりゃぁぁあああああ!?!?!」」」」」
当然のように青年の裏拳で撃墜された。
ぼてんっと重い音を立て、床に叩きつけられたれみりゃは生きてはいるようでびくびく痙攣していた。
捕食種と言っても所詮はゆっくり、人間に勝てる道理もなくただ無様な饅頭に変わりはない。
『もちっと工夫しろよなぁ、おい』
青年はつまらなそうに声をかけて、少しかいた汗と運動後の疲労感に小さな笑みを浮かべながら部屋を出て行った。
『今度はドスでも仕入れるかなぁ…………』
そんなことを呟きながらゆっくりと歩いていく。
再び真っ暗になった部屋の中でゆっくりが嘆いてるは一切意識にないらしい。
『にしても、案外良いよなぁゆっくりダイエット、最近体重がちょっとづつ落ちてるし、もうちょい続けるかなぁ、おい』
部屋に放り込まれているゆっくりたちは、青年は何となく始めたダイエット器具でしかなかった。
戯れで始まったこのダイエットがいつ終わるかは青年次第。
それまでゆっくりたちは涙を呑んで耐えていくことになる。
『…………今日はこんくらいにしとくか』
「ゆべ!?」「いちゃい!」「やべでね!」「ぐぇえ!!」
軽く見回して頭をポリポリかいた青年は、ドアの前に群がるゆっくりたちを足で退かしていく。
『ふー、良いかいたわ』
適当に蹴ってどかしたらドアを開けようとノブに手をかけたとき―――。
「うぅううぅうううううう!!!!」
『ん?』
「れ、れみりゃ!?」「や、やっちゃえ!!」「れみりゃ、おねがいだ、ちぇんのかたきを!!」
仲間が殺され痛めつけられても我慢して、我慢して青年の隙を狙っていた孤高の捕食種。
人間の頭上より首元を狙うように急下降していく。
溜め込んだ怒りを原動力にするように早く速く疾く。
涙を流しながらの決死の一撃にゆっくりたちは希望を見て。
『ほいさ』
「うぎゃっぁぉおおおお!?!?!」
「「「「「れ、れみりゃぁぁあああああ!?!?!」」」」」
当然のように青年の裏拳で撃墜された。
ぼてんっと重い音を立て、床に叩きつけられたれみりゃは生きてはいるようでびくびく痙攣していた。
捕食種と言っても所詮はゆっくり、人間に勝てる道理もなくただ無様な饅頭に変わりはない。
『もちっと工夫しろよなぁ、おい』
青年はつまらなそうに声をかけて、少しかいた汗と運動後の疲労感に小さな笑みを浮かべながら部屋を出て行った。
『今度はドスでも仕入れるかなぁ…………』
そんなことを呟きながらゆっくりと歩いていく。
再び真っ暗になった部屋の中でゆっくりが嘆いてるは一切意識にないらしい。
『にしても、案外良いよなぁゆっくりダイエット、最近体重がちょっとづつ落ちてるし、もうちょい続けるかなぁ、おい』
部屋に放り込まれているゆっくりたちは、青年は何となく始めたダイエット器具でしかなかった。
戯れで始まったこのダイエットがいつ終わるかは青年次第。
それまでゆっくりたちは涙を呑んで耐えていくことになる。