ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko4305 ゆっくり自殺するよ!!!
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『ゆっくり自殺するよ!!!』 23KB
虐待 不運 自業自得 野良ゆ 赤ゆ 自然界 現代 うんしー ゆ?
虐待 不運 自業自得 野良ゆ 赤ゆ 自然界 現代 うんしー ゆ?
おそらのゆっくりぷれいす
おそらのゆっくりぷれいすは、くもさんのうえにあるんだよ。
じめんはふわふわのわたあめでできてて、たくさんのおやさいとあまあまがかってにはえてくるんだよ。
にんげんさんも、いぬさんも、ねこさんも、とりさんもいないから、とってもあんぜんだよ。
そこはおそらのゆっくりぷれいす。しんだゆっくりはそこで、ずっとゆっくりできるんだよ。
だからね、おちびちゃん。おかーさんといっしょにゆっくりしていってね!!!
じめんはふわふわのわたあめでできてて、たくさんのおやさいとあまあまがかってにはえてくるんだよ。
にんげんさんも、いぬさんも、ねこさんも、とりさんもいないから、とってもあんぜんだよ。
そこはおそらのゆっくりぷれいす。しんだゆっくりはそこで、ずっとゆっくりできるんだよ。
だからね、おちびちゃん。おかーさんといっしょにゆっくりしていってね!!!
おそらのゆっくりプレイスとは、ゆっくりたちによる集団妄想である。
●
そこは崖であった。人通りの無い山道の外れは、足を踏み外せば命を刈り取られる、そんな危険な場所であった。
冷たい風が吹き、一枚の木の葉が乗る。木葉は風にあおられ、崖の彼方に飛んでいき、はるか下の地面へと飛びさって行った。
この辺り一帯には、れいむ一家の他にゆっくりはいない。野生ゆっくりの大半は群れをなして、人間の居ない奥地で生活している。
群れることが大好きなゆっくりが、どうして群れから離れ、崖のそばに巣を作ったのだろうか。
冷たい風が吹き、一枚の木の葉が乗る。木葉は風にあおられ、崖の彼方に飛んでいき、はるか下の地面へと飛びさって行った。
この辺り一帯には、れいむ一家の他にゆっくりはいない。野生ゆっくりの大半は群れをなして、人間の居ない奥地で生活している。
群れることが大好きなゆっくりが、どうして群れから離れ、崖のそばに巣を作ったのだろうか。
「ゆ゛……」
その当のれいむ一家が、がたがたと震えながら崖下を覗き込んでいる。
母れいむは四匹の赤ゆをもみあげで抱き寄せて、こわくないこわくないと、痩せ我慢のようななぐさめを繰り返している。
崖の下の地面ははるかに遠く、ゆっくりよりずっと大きいはずの木々でさえ、小枝のように見えるほどであった。
ここなら、楽になれる。れいむは目元いっぱいに涙を浮かべ、震える声をしぼりだす。
母れいむは四匹の赤ゆをもみあげで抱き寄せて、こわくないこわくないと、痩せ我慢のようななぐさめを繰り返している。
崖の下の地面ははるかに遠く、ゆっくりよりずっと大きいはずの木々でさえ、小枝のように見えるほどであった。
ここなら、楽になれる。れいむは目元いっぱいに涙を浮かべ、震える声をしぼりだす。
「れいむのおちびぢゃん、かぞぐみんなで、おぞらのゆっぐりぷれいすにいごうね……!
おとーさんもきっどぞごでまっでるよ。ぎっどぎっど、かぞくいっしょで、じあわぜーになれるよ……!」
「「「ゆっぐち……」」」
おとーさんもきっどぞごでまっでるよ。ぎっどぎっど、かぞくいっしょで、じあわぜーになれるよ……!」
「「「ゆっぐち……」」」
吸い込まれそうな光景にあんよがぶるぶると震え、体が動かない。死にたくない。
だが、引き返した所でなにがあるというのか。赤ゆっくりは十匹居たはずが、いつのまにか四匹にまで減ってしまった。
そして、れいみゅ二匹とまりちゃ二匹、その残ったおちびちゃんもみんなゆカビに体を蝕まれているのだ。
だが、引き返した所でなにがあるというのか。赤ゆっくりは十匹居たはずが、いつのまにか四匹にまで減ってしまった。
そして、れいみゅ二匹とまりちゃ二匹、その残ったおちびちゃんもみんなゆカビに体を蝕まれているのだ。
もう、長くはない。青い顔で苦しそうに呻く赤ゆたちの尻には、明るい黄緑色のシミが広がっている。
自然治癒の余地がない死の病「ゆカビ」。人間による念入りな患部切除と消毒がなければ、まず治ることはない。
全身緑色か、赤色か、あるいは真っ白に染め上げられて、激痛神経を虐待され尽くす。そして絶望のままに死ぬ。
六匹のおちびちゃんは、そんな地獄の中で、何の希望もなく息を引き取った。
自然治癒の余地がない死の病「ゆカビ」。人間による念入りな患部切除と消毒がなければ、まず治ることはない。
全身緑色か、赤色か、あるいは真っ白に染め上げられて、激痛神経を虐待され尽くす。そして絶望のままに死ぬ。
六匹のおちびちゃんは、そんな地獄の中で、何の希望もなく息を引き取った。
「それじゃあ、とぶよ……。めをつぶってれば、すぐにおわるがらね……」
おちびちゃんたちは汗を流し、震えながら小さな瞼を閉じた。この小さな天使達を自ら手に掛けると思うと、れいむは憂鬱だった。
おそらのゆっくりプレイスに行けば、きっとゆっくりすることができる。そう何度も言い聞かせなければおかしくなりそうだった。
みんなで行けばきっと怖くない。れいむは共に飛び降りるため、自分の片もみあげをそっとおちびちゃんに添えた。
このまま一緒に飛び降りれば、おちびちゃんと一緒に楽になれる。
おそらのゆっくりプレイスに行けば、きっとゆっくりすることができる。そう何度も言い聞かせなければおかしくなりそうだった。
みんなで行けばきっと怖くない。れいむは共に飛び降りるため、自分の片もみあげをそっとおちびちゃんに添えた。
このまま一緒に飛び降りれば、おちびちゃんと一緒に楽になれる。
「おい」
飛び降りようとしたその瞬間、れいむの背後から声がした。低くてはっきりとした声は人間のそれに違いない。
「に、にんげんざん……?」
「「「ゆぴいい!? きょ、きょわいよおお……!!」」」
「そんな所に居たら危ないじゃないか。ほら、こっちに来い」
「「「ゆぴいい!? きょ、きょわいよおお……!!」」」
「そんな所に居たら危ないじゃないか。ほら、こっちに来い」
母れいむは、涙をぽろぽろ流しながら、怯えて震える四匹のおちびちゃんを抱きしめ、吐息とともに声を吐く。
「どぼぢで……。こんどは、ゆっぐりでぎぞうだっだのにぃぃ……!」
悔しさと情けなさがないまぜになった表情で、霊夢は悲しみをかみしめていた。
小さな4つの命は、母れいむに体をひっつけている。その汗と、涙と、痛みからの震えが、肌から直接伝わってくる。
れいむはゆっくりよりもずっと大きな体を、怒りとともに睨みつけた。その人間の手には五つの赤い玉が転がっている。
小さな4つの命は、母れいむに体をひっつけている。その汗と、涙と、痛みからの震えが、肌から直接伝わってくる。
れいむはゆっくりよりもずっと大きな体を、怒りとともに睨みつけた。その人間の手には五つの赤い玉が転がっている。
「飴だ。とっても甘いぞ。野生のゆっくりなら食べたこともないかもしれないな」
土の上に転がってきた五つの玉は、太陽の光を受けて宝石のように輝いている。
綺麗でゆっくりしたそれは、れいむのゆん生で一度もお目にかかったことのないものだった。おちびちゃんは、お互いの顔を見合わせる。
綺麗でゆっくりしたそれは、れいむのゆん生で一度もお目にかかったことのないものだった。おちびちゃんは、お互いの顔を見合わせる。
「ゆ……」
「こんなに美味いのになぁ、ほら、警戒しなくてもいい」
「こんなに美味いのになぁ、ほら、警戒しなくてもいい」
人間は同じ飴玉を口にした。目の前の玉と同じ物を、いかにもうまそうな顔をして食べている。
しかし、母れいむにとって人間は、信用出来ないゆっくりの敵だ。れいむは威嚇するように、人間の両目をにらみつける。
しかし、母れいむにとって人間は、信用出来ないゆっくりの敵だ。れいむは威嚇するように、人間の両目をにらみつける。
「れいむは、そんなものいらないよ……、ゆ?」
そう言った瞬間、れいむは目撃した。まだ軽症な赤れいみゅが人間のくれた飴玉に舌を伸ばしていたのだ。
「れいみゅ、もうがみゃんできにゃいっ!! ぺーりょぺーりょしゅりゅよ!!」
「お、おちびちゃん、だめえええ!!!」
「お、おちびちゃん、だめえええ!!!」
もみあげを伸ばすが、すでに赤れいみゅは玉の目の前である。母れいむのもみあげが空を切った
その行動はあまりにも唐突で、母れいむとて止められなかったのだ。れいむは恐ろしくなって、ぎゅっと目をつむった。
れいむは想像する。飴玉らしきそれはきっと猛毒か、あるいは激辛の唐辛子キャンディか。人間は遊び半分にゆっくりを殺す。
悪い想像は頭の中をぐるりぐるりと三週した。しかし。
その行動はあまりにも唐突で、母れいむとて止められなかったのだ。れいむは恐ろしくなって、ぎゅっと目をつむった。
れいむは想像する。飴玉らしきそれはきっと猛毒か、あるいは激辛の唐辛子キャンディか。人間は遊び半分にゆっくりを殺す。
悪い想像は頭の中をぐるりぐるりと三週した。しかし。
「ち、ちあわちぇ……!」
そのおちびちゃんの反応は、母れいむの予期とは全く正反対なのであった。
赤れいみゅは、溢れんばかりによだれを垂らし、幸せそうな顔でだらしなく放尿している。
指でつまめそうなぐらい小さなもみあげが、ぶわっと膨らんで快楽からふるふると震えている。
赤れいみゅは、溢れんばかりによだれを垂らし、幸せそうな顔でだらしなく放尿している。
指でつまめそうなぐらい小さなもみあげが、ぶわっと膨らんで快楽からふるふると震えている。
「こんなあみゃいの、はじめちぇ……! ぺーりょ、ぺーりょ、ゆゆゆゆ……!!」
れいみゅはその小さくて固いそれを、べろべろと下品に舐めまわしはじめた。
それからは早い。それぞれのゆっくりが、飴玉に舌を伸ばし、やがて口に入れその甘みを舌全体で味わった。
イチゴ味の飴玉は単調で安っぽい味だが、ゆっくりの味覚にはごちそうである。
それからは早い。それぞれのゆっくりが、飴玉に舌を伸ばし、やがて口に入れその甘みを舌全体で味わった。
イチゴ味の飴玉は単調で安っぽい味だが、ゆっくりの味覚にはごちそうである。
「「「あ、あまっ、これめっちゃあまっ!! し、しあわせえええええ!!!!」」」
あっという間に飴玉はなくなり、残るのは口の中にあるこれまた甘い後味だけ。その後味ですら、とろけるぐらい美味だった。
そして残ったのは、この出自不明の男への、ゆっくりたちの信用だけであった。
顔つきは柔らかくなり、心が落ち着いた。そして、あまあまを食べたことで心なしか元気になったようだ。
れいむ達が飴玉を完食したと見ると、人間は途端に真剣な顔になり、れいむ達に語りかけ始める。
そして残ったのは、この出自不明の男への、ゆっくりたちの信用だけであった。
顔つきは柔らかくなり、心が落ち着いた。そして、あまあまを食べたことで心なしか元気になったようだ。
れいむ達が飴玉を完食したと見ると、人間は途端に真剣な顔になり、れいむ達に語りかけ始める。
「お前ら、自殺しようとしてたんだろ」
「ゆ……」
「ゆ……」
れいむの顔がさっと曇る。
「どうしてゆっくりが、自殺なんてするんだ。おちびちゃんが可愛くないのか」
「ぞ、ぞんなごと……!!」
「ぞ、ぞんなごと……!!」
耐えられなくなり、また決壊した。飴玉でほぐれた表情は、現実を突きつけられくしゃくしゃに歪んだ。
そして瞳を充血させて、この世の理不尽さを吐き捨てるように、一言一言続ける。
そして瞳を充血させて、この世の理不尽さを吐き捨てるように、一言一言続ける。
「だっで、じがだがながっだんだよぉ……、でいぶがゆっぐりずるには、ごれじがっ……!!」
そして。がらがら声になった母れいむは、感情をぶつけるように身の上を話し始めた。
●
れいむは両親から独立したその日に、まりさと永遠の愛を誓い、初めてのすっきりをした。
そうして出来たのが十匹のおちびちゃんだ。二匹はそのおちびちゃんたちに平等に愛を注ぎ、家族は幸せになった。
しかし、幸せも長くは続かない。おちびちゃんのうちの一匹がゆカビにかかったのだ。
ゆカビにかかったゆっくりは群れを追放される掟である。冷酷だが、合理的な掟だった
だが、二匹はおちびちゃんを諦めきれず、最後には家族全員で追放されることになったのだ。
そうして出来たのが十匹のおちびちゃんだ。二匹はそのおちびちゃんたちに平等に愛を注ぎ、家族は幸せになった。
しかし、幸せも長くは続かない。おちびちゃんのうちの一匹がゆカビにかかったのだ。
ゆカビにかかったゆっくりは群れを追放される掟である。冷酷だが、合理的な掟だった
だが、二匹はおちびちゃんを諦めきれず、最後には家族全員で追放されることになったのだ。
「れいむ、きっとおちびちゃんはなおるよ! まりさはみんなをしあわせーにしてみせるよ!!」
「ゆん、まりさ! おちびちゃんのためにも、いっしょにがんばろうね!!」
「ゆん、まりさ! おちびちゃんのためにも、いっしょにがんばろうね!!」
五日後、ゆカビはおちびちゃんの半数に伝染する。最初にかかったおちびちゃんは既に真緑になり、もう長くなかった。
翌日にはそのおちびちゃんが息を引き取り、もう一日するとさらにもう一匹が死んだ。
そのころになるとおちびちゃん全員がゆカビにかかり、治療のためのわずかなあまあまも底をついてしまう。
翌日にはそのおちびちゃんが息を引き取り、もう一日するとさらにもう一匹が死んだ。
そのころになるとおちびちゃん全員がゆカビにかかり、治療のためのわずかなあまあまも底をついてしまう。
「れいむ……、まりさはにんげんさんにあまあまをもらいにいこうとおもうよ……」
山道に時折現れる手足の長い生き物、かつて群れで聞いた話によると、彼らはあまあまを山ほど持っているのだという。
ただしその性格は凶暴で、ゆっくりをゆっくりとも思わない扱いをするらしい。
しかしれいむは、人間からあまあまを手に入れるしか、おちびちゃんを助ける道がないのだと思った。
ただしその性格は凶暴で、ゆっくりをゆっくりとも思わない扱いをするらしい。
しかしれいむは、人間からあまあまを手に入れるしか、おちびちゃんを助ける道がないのだと思った。
「ゆっ、まりさはまりさだよ! にんげんさん、つうこうりょうとしてあまあまをおいてってね! たくさんでいいよ!」
そしてまりさは、あまりにもあっけなく踏み潰され、殺された。
大黒柱を失い、一家の食糧事情は悪化の一途をたどる。
れいむはまりさの代わりに狩りに出たが、まともに草を選別することも出来ず、いもむしですらなかなか捕まえられなかった。
一家は、あまりにも苦くまずい草を食べながら、弱っていくしかなかった。
そのうちれいむもゆカビにかかり、ぴょんぴょんすれば激痛が走るようになった。もはやずーりずーりで移動するしかない。
そのころにはおちびちゃんも四匹にまで減っており、おうちとしていた巣穴も、カビと死臭で吐き気がするぐらいの場所になっている。
狩りも困難で、あまあまも手に入らない。頼りにしていたまりさもいない。もう、この世には希望がなかった。
れいむはまりさの代わりに狩りに出たが、まともに草を選別することも出来ず、いもむしですらなかなか捕まえられなかった。
一家は、あまりにも苦くまずい草を食べながら、弱っていくしかなかった。
そのうちれいむもゆカビにかかり、ぴょんぴょんすれば激痛が走るようになった。もはやずーりずーりで移動するしかない。
そのころにはおちびちゃんも四匹にまで減っており、おうちとしていた巣穴も、カビと死臭で吐き気がするぐらいの場所になっている。
狩りも困難で、あまあまも手に入らない。頼りにしていたまりさもいない。もう、この世には希望がなかった。
●
れいむは話をして落ち着いてきたようで、そのがらがら声は、ゆっくり特有の緩慢な声質に戻っていた。
「それで一家心中ってわけか……」
「そうだよ。でも、いいゆっくりは、しんだあとおそらのゆっくりぷれいすにいけるって、むれのみんながいってたよ。
だかられいむはもう、かぞくみんなでおそらのゆっくりぷれいすにいくって、きめたんだよ……」
「そうだよ。でも、いいゆっくりは、しんだあとおそらのゆっくりぷれいすにいけるって、むれのみんながいってたよ。
だかられいむはもう、かぞくみんなでおそらのゆっくりぷれいすにいくって、きめたんだよ……」
古くからゆっくりの語彙にはゆん国という言葉があったが、おそらのゆっくりプレイスはより具体的だ。
わたあめで満ちたその場所には、ゆっくりできるゆっくりだけが招かれ、死後いつまでも幸せに暮らすことができる。
わたあめで満ちたその場所には、ゆっくりできるゆっくりだけが招かれ、死後いつまでも幸せに暮らすことができる。
「馬鹿馬鹿しいな」
「ゆ゛っ!?」
「ゆ゛っ!?」
れいむは人間の顔を見上げる。人間の顔には、しかし、憐憫の感情が現れていた。
「死んだ後の事なんて、どうして分かるんだ? この世には生きているゆっくりしか居ないのに」
「そ、それは……」
「第一、そんなに幸せな場所があるっていうなら、どうしてゆっくりは生きようとするんだ?
必死で生きて、死にそうになった時だけおそらのゆっくりプレイスなんて言うのは、おかしいじゃないか」
「な、なにいってるの! おそらのゆっくりぷれいすはあるって、みんないってるんだよ!! きっとあるよ!!」
「そ、それは……」
「第一、そんなに幸せな場所があるっていうなら、どうしてゆっくりは生きようとするんだ?
必死で生きて、死にそうになった時だけおそらのゆっくりプレイスなんて言うのは、おかしいじゃないか」
「な、なにいってるの! おそらのゆっくりぷれいすはあるって、みんないってるんだよ!! きっとあるよ!!」
れいむは人間を睨む。
「無い。おそらのゆっくりプレイスなんて、本当は無いんだ。よく考えてみろ」
人間はそれだけ言うと右手を高く上げ、青い空を指さした。
「れいむ、れみりゃって知ってるか?」
「ゆ? れみりゃなんて、おちびちゃんでもしってるよ! ばかにしないでね!」
「あいつらは空を飛ぶだろう。なら、おそらのゆっくりプレイスのことも知ってるはずだ」
「ゆ? れみりゃなんて、おちびちゃんでもしってるよ! ばかにしないでね!」
「あいつらは空を飛ぶだろう。なら、おそらのゆっくりプレイスのことも知ってるはずだ」
ゆっくりには珍しく、翼を持ち、飛行するゆっくりであるれみりゃ。
れいむのゆっくり餡子には、優雅に空を舞うその恐ろしい姿がしっかりと焼き付いていた。
れいむのゆっくり餡子には、優雅に空を舞うその恐ろしい姿がしっかりと焼き付いていた。
「ゆ、そうかもしれないね……」
「それじゃあ何で、あいつらはおそらのゆっくりプレイスじゃなくて、こんな地べたで暮らしてるんだ?」
「ゆぅ……?」
「ふらんだってそうだ。あいつらは強いが、いつもゆっくり出来るわけじゃない。おそらのゆっくりプレイスが有るならそこに行く。
行かないってことは、おそらのゆっくりプレイスなんて、存在しないってことだ」
「それじゃあ何で、あいつらはおそらのゆっくりプレイスじゃなくて、こんな地べたで暮らしてるんだ?」
「ゆぅ……?」
「ふらんだってそうだ。あいつらは強いが、いつもゆっくり出来るわけじゃない。おそらのゆっくりプレイスが有るならそこに行く。
行かないってことは、おそらのゆっくりプレイスなんて、存在しないってことだ」
群れでの思い出が蘇る。おそらのゆっくりプレイスについて教えてくれた先生ぱちゅりー。
「いいゆっくりは、しんだあと、おそらのゆっくりぷれいすにいくわ。そこはとってもしあわせーなばしょなの」
そんな先生は、毎日しっかりごはんを貰い、生まれて四年になってもまだ生きようとしている。
群れの信仰のリーダーであったさなえ、あのゆっくりは何かとおそらのゆっくりプレイスを引き合いに出した。
群れの信仰のリーダーであったさなえ、あのゆっくりは何かとおそらのゆっくりプレイスを引き合いに出した。
「れいむさん! なまけてたら、おそらのゆっくりぷれいすにいけませんよ!」
そんなさなえが、れみりゃに襲われてあんなに取り乱していた。
「ゆゆ、それは、それはぁ……」
否定したかった。目玉をぐるぐるさせながら、記憶の迷路をさまよう。
しかし、否応なしにれいむの記憶のピースがかちりかちりとまとまって、ひとつの結論に向かってゆくのだ。
しかし、否応なしにれいむの記憶のピースがかちりかちりとまとまって、ひとつの結論に向かってゆくのだ。
「それでも、おそらのゆっくりプレイスとやらを信じるのか?」
「……ゆ」
「……ゆ」
れいむは人間から目を逸らし、地べたをじっと見つめる。
「このことはお前だけの問題じゃない。家族の未来がかかってるんだ。そんなあやふやなものに、子供達の幸せを賭けるのか?」
おちびちゃん四匹は、あまあまを食べて少し落ち着いていたが、根を張ったゆカビに今も体を蝕まれている。
その小さな命は、れいむが幸せにさせなければいけない命なのであった。
その小さな命は、れいむが幸せにさせなければいけない命なのであった。
「ゆ、ゆん……」
「どうなんだ?」
「……ゆう、そうだね、おそらのゆっくりぷれいすなんて、ないのかもしれないよ」
「どうなんだ?」
「……ゆう、そうだね、おそらのゆっくりぷれいすなんて、ないのかもしれないよ」
れいむの記憶の中には、おそらのゆっくりプレイスがありそうな証拠なんて、何一つ無いのであった。
れいむは震えていた。認めたくない事実だった。よりそうおちびちゃんも悲しげに泣いてしまっている。
れいむは震えていた。認めたくない事実だった。よりそうおちびちゃんも悲しげに泣いてしまっている。
「でぼっ! だからなんだっでいぶの!」
れいむは叫ぶ。
「おちびぢゃんはみんなゆかびになって、でいぶまでゆがびにかかってっっ!! かりもでぎない! あばあばもない!
それじゃあいぎでだって、どうじようもないでじょおおおおお!!!???」
「だから、死んだほうがいいっていうのか?」
「ぞうだよ! わるいの゛!?」
それじゃあいぎでだって、どうじようもないでじょおおおおお!!!???」
「だから、死んだほうがいいっていうのか?」
「ぞうだよ! わるいの゛!?」
毎日毎時毎分毎秒、痛みと苦しみの波がやってくる。ゆカビは野良の間では不治の病とまで言われている。
「……この馬鹿やろう!!」
「ゆ゛っ!?」
「ゆ゛っ!?」
人間の叫び声は、れいむのそれよりもはるかに大きかった。
「確かにお前は八方塞がりで、希望は殆ど無いかもしれない。でも、だからって死ぬのか? 死んで幸せになれるのか?」
「ゆぅ……でぼぉ……」
「そんなのは嘘だ。死んだって何も無い。絶対に幸せになんてなれないし、おそらのゆっくりプレイスにも行けない。
お前らにやったイチゴ味の飴を思い出してみろよ。あれを舐めている時、少なくともその時だけは、お前らは幸せだっただろうが」
「ゆぅ……でぼぉ……」
「そんなのは嘘だ。死んだって何も無い。絶対に幸せになんてなれないし、おそらのゆっくりプレイスにも行けない。
お前らにやったイチゴ味の飴を思い出してみろよ。あれを舐めている時、少なくともその時だけは、お前らは幸せだっただろうが」
れいむとおちびちゃんは、あのただただ甘いあの赤い宝玉を思い返す。あれほど幸せな食べ物はなかった。
「生きていれば少しは幸せになれるチャンスがあるんだ。そうだろう? 間違ってるとお思うか?」
「ゆ……、でぼ、ゆかびはくるしいよ。とってもいたいし、きもちわるいし……、ぜったいになおらないんだよ……」
「ゆ……、でぼ、ゆかびはくるしいよ。とってもいたいし、きもちわるいし……、ぜったいになおらないんだよ……」
人間は笑った。
「ゆっくりの知識は間違いだらけだな。ゆカビは治るぞ」
「ゆゆゆっ!? ぞうなのっ!!??」
「ゆゆゆっ!? ぞうなのっ!!??」
れいむは目をまんまるに見開いた。ゆカビが治る。それは、おそらのゆっくりプレイス以上に信じられないことだ。
「ああ、そうだ。ゆっくりには謎が多い。ごく稀に完治したケースもある」
「ゆゆゆゆ……!」
「ゆゆゆゆ……!」
絶望に染まりきっていたれいむの瞳に、わずかな光が宿る。それは生への欲求だ。
ゆカビが治るかもしれないという、細い細い蜘蛛の糸が、れいむ達の目の前にぶらさがっているのだ。
ゆカビが治るかもしれないという、細い細い蜘蛛の糸が、れいむ達の目の前にぶらさがっているのだ。
「きめたよ! れいむ、もう、じさつするのはやめるよ!!!」
れいむはキリリと眉を上げ、大きな口で宣言した。
「ゆゆゆぅ、ゆっくちー!!」
「おきゃーしゃん、ゆっくちいぃ!!」
「おぢびちゃん、ごべんね……!! れいむはおちびぢゃんを、ぜったいじあわぜにずるよ……!!」
「おきゃーしゃん、ゆっくちいぃ!!」
「おぢびちゃん、ごべんね……!! れいむはおちびぢゃんを、ぜったいじあわぜにずるよ……!!」
この時ばかりはゆカビの苦しみも忘れて、泣き、笑いあった。
実のところ、れいむもおちびちゃんも、こんな崖から飛び降りるのは物凄く怖かったし、絶対に嫌なのであった。
それでも先ほどまでは、死ぬ以外に幸せになる方法がないと思い込んでいたのだが、
もしかしたら生きることができるかもしれないという希望が、れいむたちを思いとどまらせたのだ。
れいむはもみあげで、溢れきった涙をぬぐう。拭っても拭っても、涙は止まらなかった。
人間にもこんな優しい人が居るんだ。この世もまだまだ捨てたものじゃないと、れいむは思い直した。
実のところ、れいむもおちびちゃんも、こんな崖から飛び降りるのは物凄く怖かったし、絶対に嫌なのであった。
それでも先ほどまでは、死ぬ以外に幸せになる方法がないと思い込んでいたのだが、
もしかしたら生きることができるかもしれないという希望が、れいむたちを思いとどまらせたのだ。
れいむはもみあげで、溢れきった涙をぬぐう。拭っても拭っても、涙は止まらなかった。
人間にもこんな優しい人が居るんだ。この世もまだまだ捨てたものじゃないと、れいむは思い直した。
そして数分、生きている喜びをおちびちゃんの分かち合った。
ぺーろぺーろした。ダンスもして、おうたまで歌った。その度に、生きているって素晴らしいと、確信が深まった。
そうして一家は、十分前には自殺しようとしていたことが嘘であるかのように、明るく元気なゆっくり家族に戻ったのである。
ぺーろぺーろした。ダンスもして、おうたまで歌った。その度に、生きているって素晴らしいと、確信が深まった。
そうして一家は、十分前には自殺しようとしていたことが嘘であるかのように、明るく元気なゆっくり家族に戻ったのである。
「にんげんさん……」
「なんだ?」
「れいむたち、がんばるよ。おちびちゃんといっしょに、さいごまでやりぬくよ」
「なんだ?」
「れいむたち、がんばるよ。おちびちゃんといっしょに、さいごまでやりぬくよ」
れいむのそばにいる四匹のおちびちゃんは、みなやつれていたが、それでも口元からは嬉しさがこぼれていた。
「そうか。もう自殺したいなんて思わないだろ?」
「ゆん! れいむまちがってたよ! おそらのゆっくりぷれいすなんてないし、しんでもしあわせになんてなれないよ!
ぜんぶぜんぶ、にんげんさんのいうとおりだったよ!!」
「ああ、喜んでもらえて何よりだ」
「ゆん! れいむまちがってたよ! おそらのゆっくりぷれいすなんてないし、しんでもしあわせになんてなれないよ!
ぜんぶぜんぶ、にんげんさんのいうとおりだったよ!!」
「ああ、喜んでもらえて何よりだ」
人間は笑った。
れいむも笑った。
おちびちゃんも笑っている。
そうして人間さんは、ゆっくりとおちびちゃんに近づいてゆく。
おちびちゃんの警戒もすっかり解けているようだ。末っ子れいみゅが、その靴にすりすりと体を擦り付ける。
れいむも笑った。
おちびちゃんも笑っている。
そうして人間さんは、ゆっくりとおちびちゃんに近づいてゆく。
おちびちゃんの警戒もすっかり解けているようだ。末っ子れいみゅが、その靴にすりすりと体を擦り付ける。
「れいみゅ、ちゅーりちゅーりちてあげりゅよ! ちゅーりちゅーり!」
「おちびちゃん……!!」
「おちびちゃん……!!」
れいむは末っ子れいみゅの優しさに涙を流していた。そのあまりに可愛らしい笑顔。見る度にれいむが間違っていたと反省させられる。
こんな優しい子がここで死ぬなんて、ゆっくりの神様が許すはずがない。この子は絶対れいむが育てて、立派なゆっくりにしよう。
将来この子は素晴らしい美ゆっくりになるはずだ。番になんて引く手あまただろう。
もしかしたら、街で一生ゆっくりできるという、飼いゆっくりというゆっくりにだってなれるかもしれない。
美しい光景に、れいむの未来が開けてゆく。
こんな優しい子がここで死ぬなんて、ゆっくりの神様が許すはずがない。この子は絶対れいむが育てて、立派なゆっくりにしよう。
将来この子は素晴らしい美ゆっくりになるはずだ。番になんて引く手あまただろう。
もしかしたら、街で一生ゆっくりできるという、飼いゆっくりというゆっくりにだってなれるかもしれない。
美しい光景に、れいむの未来が開けてゆく。
だが、非情である。
いつの間にか、人間の表情は嫌悪感に満ちた鬼意山の表情に摩り替わっていた。
いつの間にか、人間の表情は嫌悪感に満ちた鬼意山の表情に摩り替わっていた。
「汚ねえ肌ですりつくんじゃねえ!!! このカビ糞が!!」
「ゆ゛ッ!?!?」
「ゆ゛ッ!?!?」
一瞬だった。
突然、末っ子れいみゅの姿が消えた。見上げると、歪んだれいみゅの体が宙に待っている。
大きく放物線を描き落ちていった。その先は崖である。崖の端をあっさりと飛び越え、ものすごい速さで崖下へと落下を始めた。
突然、末っ子れいみゅの姿が消えた。見上げると、歪んだれいみゅの体が宙に待っている。
大きく放物線を描き落ちていった。その先は崖である。崖の端をあっさりと飛び越え、ものすごい速さで崖下へと落下を始めた。
「でいびゅ、おちょらをとんでるみちゃいいい!!!!」
ぱっと明るい顔になる。しかし崖から転落死ているという事実が分かると、噴水のようにしーしーを噴射し始めた。
「あ゛あああああああ!!! どぼぢででいびゅおぢでるのおおおお!!!??」
目をかっと見開いて、狂ったように吠える。なにせ、生きなければ幸せになれないと学んだばかりだ。
もりもりと溢れるおそろうんうんがぶりりと飛び出し、ものすごい悪臭を放ちながられいみゅの周りを旋回した。
もりもりと溢れるおそろうんうんがぶりりと飛び出し、ものすごい悪臭を放ちながられいみゅの周りを旋回した。
「びいいいいいい!!! ぐざいいいいい!!! でいびゅぢにだぐにゃいいいいい!!!!!」
生きているうちから死んだような表情をして、両目を飛び出さんばかりに見開きながら、叫んだ。
しかし茶色の地面はどんどん近づいてゆく。ゆっくりという緩慢な生物には、理解出来ないほどの速さだ。
しかし茶色の地面はどんどん近づいてゆく。ゆっくりという緩慢な生物には、理解出来ないほどの速さだ。
「ごっぢごだいでえええええべべべべえ!!!!!」
そして触れたその瞬間、うんこ色の花が開いた。れいみゅは残りのゆん生もろともこの世から消え去った。
「あ、あ、あ、あ゛あああ゛あああああああああああ!!!!!」
「ゆんやあああああああ!!!!」
「いぼーぢょおおおおおお!!!!????」
「ゆんやあああああああ!!!!」
「いぼーぢょおおおおおお!!!!????」
れいむと残ったおちびちゃんはギリギリにまで駆け寄って、崖下を見下ろす。
すると、真っ茶色の地面の中に、一際異様に暗い茶をした部分を見て取れた。
リボンの残骸だろうか。そこにはところどころ赤のようなものも混じっている。
すると、真っ茶色の地面の中に、一際異様に暗い茶をした部分を見て取れた。
リボンの残骸だろうか。そこにはところどころ赤のようなものも混じっている。
「おーおー、死んだ死んだ。ざまあ見ろ」
人間は腹を抱えて笑いながら、れいむの後ろから崖下を見た。
「それじゃあまりちゃちゃんとれいみゅちゃんも、妹のところへ行こうか」
れいむは反応することが出来なかった。瞬時に蹴飛ばされ、三女れいみゅと次女まりちゃが崖から落ちていった。
そして、先ほど死んだれいみゅのように、豚のできそこないのような表情をして恐怖から泣き叫んだ。
そして、先ほど死んだれいみゅのように、豚のできそこないのような表情をして恐怖から泣き叫んだ。
「なんぢぇええええええ!!!!????? ばりぢゃのかがやがぢいゆんちぇいぎゃああああああ!!!???」
「ゆやあああああああ!!!! おぎゃあああじゃあああああああああああんん!!!!!!!」
「おぢびぢゃあああん!!! ぼどっでぎでええええええ!!!!!」
「ゆやあああああああ!!!! おぎゃあああじゃあああああああああああんん!!!!!!!」
「おぢびぢゃあああん!!! ぼどっでぎでええええええ!!!!!」
どんどん小さくなる二粒のおちびちゃんは、うんうんをもらし、ぐねぐねと体をくねらせながら、どんどん小さくなった。
「「ゆ゛っ!!!!!」」
そしてゴマ粒ぐらいにまで縮んだ瞬間に、汚らしい茶色に爆ぜた。
れいむは二匹のおちびちゃんが死んでゆくその様を、まともに見てしまった。
れいむは二匹のおちびちゃんが死んでゆくその様を、まともに見てしまった。
「ゆ、ゆげ、ゆげえええ……」
うっすらとカビた餡がれいむの口から吐き出される。信じられない現実と、おちびちゃんを失った悲しみが、れいむに餡を吐き出させた。
げほげほと咳き込み、その嫌な味を口の外に追い出す。吐いた餡子は崖からこぼれ、おちびちゃんたちのように落下していった。
げほげほと咳き込み、その嫌な味を口の外に追い出す。吐いた餡子は崖からこぼれ、おちびちゃんたちのように落下していった。
「ど、どぼぢで、ごんなごどずるのおおおお!!!」
振り返ると人間が、にやにやといやらしい笑みを浮かべながられいむを見下していた。
「いやあ、お前らがおそらのゆっくりプレイスなんて言ってるからさぁ。ほんっとうに頭に来たんだよね。
死にかけのゆっくりが、その妄想だけで、最後の瞬間だけは幸せになれる。そんなの吐き気がするよ」
死にかけのゆっくりが、その妄想だけで、最後の瞬間だけは幸せになれる。そんなの吐き気がするよ」
人間はれいむに唾をはきかけた。れいむはわなわなと震えている。
「だからこうしてわざわざそんなものは無いって説明したんだよ。ま、その甲斐あって愉快な死に様を見れたけどね
く、くく、あっははははは!! 見ただろ!? あの馬鹿みたいな死に顔をさぁ!? 傑作だよなあ、それだけは認め……ぷっくくく」
「ゆ、ゆ、ゆが、ゆがああああああああああ!!! じね!! ゆっぐりじないでじねえええええ!!!!」
く、くく、あっははははは!! 見ただろ!? あの馬鹿みたいな死に顔をさぁ!? 傑作だよなあ、それだけは認め……ぷっくくく」
「ゆ、ゆ、ゆが、ゆがああああああああああ!!! じね!! ゆっぐりじないでじねえええええ!!!!」
れいむは顔を真っ赤にして歯茎をむき出しにしながら人間に体当たりを始めた。
木よりもずっと細い人間の足であるが、それでもゆっくりにとってはあまりにも固く丈夫である。
びくともしない、1ミリも動かない。もちろん死ぬなんてあるわけがない。
人間は余裕の笑みでれいむの体当たりを受ける。れいむの体当たりは殺すためのそれであるにもかかわらずだ。
れいむは息を荒げ、下半身の激痛に耐えながら、何度も飛び跳ね体当たりを食らわせた。
木よりもずっと細い人間の足であるが、それでもゆっくりにとってはあまりにも固く丈夫である。
びくともしない、1ミリも動かない。もちろん死ぬなんてあるわけがない。
人間は余裕の笑みでれいむの体当たりを受ける。れいむの体当たりは殺すためのそれであるにもかかわらずだ。
れいむは息を荒げ、下半身の激痛に耐えながら、何度も飛び跳ね体当たりを食らわせた。
「おやおや、そんな事していいのかな」
突然妙に甲高い叫び声が、れいむにまで届いてくる。れいむが見上げると、とんでもないものがそこに居た。
「ゆんやああああ!!! はなしちぇええええええ!!!!」
「ゆ゛っ、ぞればああああ!!!」
「ゆ゛っ、ぞればああああ!!!」
人間は最後に残ったまりちゃの上半身を握りしめていた。しーしーとうんうんを漏らしながら、お尻をもるんもるんと暴れさせている。
人質ならぬゆん質だ。れいむは体当たりをやめ、震え始めた。れいむとまりさの愛の結晶の、最後の一匹である。
絶対に死んではいけないこの世に唯一の天使が、あの魔王のような人間の手の中にあるのだ。
人質ならぬゆん質だ。れいむは体当たりをやめ、震え始めた。れいむとまりさの愛の結晶の、最後の一匹である。
絶対に死んではいけないこの世に唯一の天使が、あの魔王のような人間の手の中にあるのだ。
「ごべんなざいいいいい!!! ぞのごだけはゆるじであげでぐだざいいいいいい!!!!」
「ゆえええええん!!! ちにたくにゃいよおおおお!!!!!!」
「ゆえええええん!!! ちにたくにゃいよおおおお!!!!!!」
人間はまりちゃを左右に揺らし、投げるそぶりを見せて、寸前でやめる。
その動作の度に二つの生き残り饅頭達は、べたべたと砂糖水の汗をながしながら、青ざめていった。
その動作の度に二つの生き残り饅頭達は、べたべたと砂糖水の汗をながしながら、青ざめていった。
「こいつを離してほしいか?」
「はい゛いいいいい!!!!!」
「ならお前、そこから飛び降りろ」
「ゆ゛っ!? なんでっ!!??」
「お前が飛び降りて死ねばこいつだけは助けてやるって言ってるんだよ」
「ぞ、ぞんなあああああああああああ!!!! ぞのごには、おがーざんがひづようで……!!!」
「はい゛いいいいい!!!!!」
「ならお前、そこから飛び降りろ」
「ゆ゛っ!? なんでっ!!??」
「お前が飛び降りて死ねばこいつだけは助けてやるって言ってるんだよ」
「ぞ、ぞんなあああああああああああ!!!! ぞのごには、おがーざんがひづようで……!!!」
人間は、そんな母れいむの叫びを、氷よりも冷たい視線で遮る。
「黙れ」
れいむは黙った。そうでもしないとまりちゃの命は無いように思えたのだ。
「どうするんだ?」
「……ゅ」
「……ゅ」
れいむは汗を書きすぎて、汁気たっぷりのがんもどきになってしまうんじゃないかと思った。
まりちゃは相変わらず人間の手の中で泣いていて、しーしーを漏らしながら命乞いをしている。
すぐにでも飛び降りて、まりちゃを助けたかった。だが、人間によって呼び覚まされたれいむの生存本能がしつこく邪魔をしてくる。
死んでもおそらのゆっくりプレイスには行けない。そうしたらどうなるのか。
この世よりももっと恐ろしい場所に連れて行かれるかもしれないし、ひょっとしたらその後は存在しないのかもしれない。
れいむの体ががくがくと震え始め、その瞳は、左右にゆれるまりちゃの尻を、ぼんやりと追いかけるのだった。
まりちゃは相変わらず人間の手の中で泣いていて、しーしーを漏らしながら命乞いをしている。
すぐにでも飛び降りて、まりちゃを助けたかった。だが、人間によって呼び覚まされたれいむの生存本能がしつこく邪魔をしてくる。
死んでもおそらのゆっくりプレイスには行けない。そうしたらどうなるのか。
この世よりももっと恐ろしい場所に連れて行かれるかもしれないし、ひょっとしたらその後は存在しないのかもしれない。
れいむの体ががくがくと震え始め、その瞳は、左右にゆれるまりちゃの尻を、ぼんやりと追いかけるのだった。
「早く決めろよ。それとも、親子ともども仲良く死ぬか?」
「ゆ、ゆ……それは」
「ゆ、ゆ……それは」
れいむはまりちゃを見る。まりちゃは泣きつかれて、ぶるぶる震えるだけになった。
まだ症状は重くないが、ゆカビにもかかっているのだ。このまま決断を先延ばしにすれば、恐怖でショック死するかもしれない。
まだ症状は重くないが、ゆカビにもかかっているのだ。このまま決断を先延ばしにすれば、恐怖でショック死するかもしれない。
「きっ、きめたよ。れ、れいむは、れいむはとびおりるよ……」
「おう、早くしろよ」
「おう、早くしろよ」
れいむは崖下をまた覗いてみる。茶色くバラバラになったおちびちゃんの死体が、仲良く三つ並んでいる。
いやすでにどれがどのゆっくりの死体なのか分からないぐらい、ぐちゃぐちゃに入り交じっていた。
あれに、なるのだ。
それだけは嫌だとれいむの本能が言っていたが、先ほどの戦いで、人間があまりにも丈夫だと分かってしまった。
れいむは涙を流した。人間の残酷さに、この世の冷酷さに、運命の悲しさに、そして、天涯孤独に鳴るまりちゃの未来に。
いやすでにどれがどのゆっくりの死体なのか分からないぐらい、ぐちゃぐちゃに入り交じっていた。
あれに、なるのだ。
それだけは嫌だとれいむの本能が言っていたが、先ほどの戦いで、人間があまりにも丈夫だと分かってしまった。
れいむは涙を流した。人間の残酷さに、この世の冷酷さに、運命の悲しさに、そして、天涯孤独に鳴るまりちゃの未来に。
「ばいばい、おぢびぢゃん!!! ゆっぐりじでいっでね!!!!」
決心が鈍る前に、れいむはあんよに力を入れ、生涯最後のぴょんぴょんを行った。
「でいぶはどりざん!!!」
返事も聞かずに飛び出した空は、あまりにも冷たく居心地が悪い。天も地も吸い込まれそなぐらい遠くて、あたまがぐるぐると回る。
実際、れいむは回転していた。飛び出した時の勢いが強まり、高速で回転しはじめているのだ。
実際、れいむは回転していた。飛び出した時の勢いが強まり、高速で回転しはじめているのだ。
「ゆ゛あああああああ!!!! ぼう!! おうぢ!! がえるうううう!!!!!」
しーしーが漏れる。うんうんが飛び出す。排泄物が光を受け、キラキラと光ったと思うと、れいむの顔に降り注いできた。
「ゆげええええ!!! ぐざっ!! ごれ、ぐざっ!!!!」
高速でうんうんまみれになったれいむ。
茶色く汚れて、ものすごい臭いなにかになり、苦しさかられいむは嘔吐を始める。
その吐瀉物までが回転するれいむに巻き込まれ、れいむは一瞬でこの世の汚物を総なめにした。
茶色く汚れて、ものすごい臭いなにかになり、苦しさかられいむは嘔吐を始める。
その吐瀉物までが回転するれいむに巻き込まれ、れいむは一瞬でこの世の汚物を総なめにした。
「ぼぎょびっ!!!」
そして爆発して、物言わぬ餡子のちらばりに、姿を変えたのである。
最期はあまりにもあっけなかった。
最期はあまりにもあっけなかった。
「ゆ、ゆ、おきゃーしゃ、いぼーちょ、おにぇーちゃ……、ゆええええええん……」
一匹残されたまりちゃは、もはやすーりすーりをする家族もなく、一匹で震えていた。
ゆカビの苦しみは今も続いている。あれだけうんうんやしーしーをしたのだから、ねじれるような空腹感もあるのだろう。
そして、まりちゃには頼るべき群れも、親戚もない。狩り、うんうんと始末、病気の治療、すべてを一人でやらないといけない。
解放されたとしても、この厳しい山で成体になるまで生き抜く確率は、何億分の一よりもずっと低いだろう。
ゆカビの苦しみは今も続いている。あれだけうんうんやしーしーをしたのだから、ねじれるような空腹感もあるのだろう。
そして、まりちゃには頼るべき群れも、親戚もない。狩り、うんうんと始末、病気の治療、すべてを一人でやらないといけない。
解放されたとしても、この厳しい山で成体になるまで生き抜く確率は、何億分の一よりもずっと低いだろう。
「そんじゃ俺は帰るから、まりさちゃん、せいぜい一人で頑張ってね!」
人間は、れいむの死に様を見て満足したのか、まりちゃを置いて去ってしまった。
まりちゃは自由になったが、その自由はもう何にもならなかった。
生きていれば幸せになれる。
そういうこともあるかもしれない。
しかしまりちゃは、もう幸せの前にそびえ立つ、山のような不幸せに耐えることができなくなっていた。
まりちゃはずりずりと這って、なんとか崖までたどり着くと、ただ楽になるためそこから飛び降りた。
まりちゃは自由になったが、その自由はもう何にもならなかった。
生きていれば幸せになれる。
そういうこともあるかもしれない。
しかしまりちゃは、もう幸せの前にそびえ立つ、山のような不幸せに耐えることができなくなっていた。
まりちゃはずりずりと這って、なんとか崖までたどり着くと、ただ楽になるためそこから飛び降りた。
あとがき
やっと餡庫みつけた!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
うんうんでりゅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
うんうんでりゅ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!