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anko4396 だいりしゅっさん 後編その2
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『だいりしゅっさん 後編その2』 53KB
制裁 自業自得 群れ ゲス 希少種 自然界 人間なし 独自設定 ナナシ作
制裁 自業自得 群れ ゲス 希少種 自然界 人間なし 独自設定 ナナシ作
前回までのあらすじ
えいきが群れにやってきて、ゆっくりたちの様々な思惑を胸にとうとう裁判がはじまった。
えいきが群れにやってきて、ゆっくりたちの様々な思惑を胸にとうとう裁判がはじまった。
その広場は異常なまでの興奮に包まれていた。
怒り、憤り、腹立ち、敵意、そういった不の感情が周囲に渦巻いている。
そしてそれらの感情は全て広場の中央にいる二匹のゆっくりの番いに対して向けられていた。
広場を覆いつくさんほどの大量のゆっくりたちが囲むようにしてその番の周りに集り、口々に罵りの声を上げているのだ。
怒り、憤り、腹立ち、敵意、そういった不の感情が周囲に渦巻いている。
そしてそれらの感情は全て広場の中央にいる二匹のゆっくりの番いに対して向けられていた。
広場を覆いつくさんほどの大量のゆっくりたちが囲むようにしてその番の周りに集り、口々に罵りの声を上げているのだ。
「せいっさいしろ!げすをせいっさいしろ!」
「そうだ!そうだ!おちびちゃんをもてあそぶようなくずはせいっさいしろ!」
「ゆっくりとしてのそんげんをふみにじる、とんでもない、いなかもののこういだわ!」
「かけがえいのない、おちびちゃんのいのちを、なんだとおもってるの!」
「これは、ゆんっけん(ゆん権)むしも、はなはだしいこういだよ!はじをしってね!」
「ゆっくりのくずが!」
「そうだ!そうだ!おちびちゃんをもてあそぶようなくずはせいっさいしろ!」
「ゆっくりとしてのそんげんをふみにじる、とんでもない、いなかもののこういだわ!」
「かけがえいのない、おちびちゃんのいのちを、なんだとおもってるの!」
「これは、ゆんっけん(ゆん権)むしも、はなはだしいこういだよ!はじをしってね!」
「ゆっくりのくずが!」
周囲に集まっているゆっくりたちはみな自分たちは絶対的正義の使者であり、中央のゆっくりを糾弾することがその証明だとばかりに声を張り上げている。
その勢いたるや、今にも中央にいるゆっくりに襲い掛からんばかりである。
だがしかし、いくら罵声がヒートアップしても実際にそれを行動に移すものはいない。
まだその時ではないからだ。
判決が出るまでは、いかな罪深いゆっくりといえ制裁されることはない。
正義の使者(だと思い込んでいる)である自分たちゆっくりは、罪が確定するまでは罵声にとどめるだけの分別をもっているのだ。
そう、自分たちは、今中央で不安げな顔をしている番のようなゲスなゆっくりとは違う。
その勢いたるや、今にも中央にいるゆっくりに襲い掛からんばかりである。
だがしかし、いくら罵声がヒートアップしても実際にそれを行動に移すものはいない。
まだその時ではないからだ。
判決が出るまでは、いかな罪深いゆっくりといえ制裁されることはない。
正義の使者(だと思い込んでいる)である自分たちゆっくりは、罪が確定するまでは罵声にとどめるだけの分別をもっているのだ。
そう、自分たちは、今中央で不安げな顔をしている番のようなゲスなゆっくりとは違う。
「静粛に!静粛に!いつまでも騒いでいるようなゆっくりはこの場からつまみ出しますよ!」
と、ここでなおも続く罵声の嵐を切り裂くように、厳かでよく通る声が広場に響き渡った。
その声の主は、広場の中でも全体が見渡せる場所にある、一段高い切り株の上に鎮座している一匹のゆっくりであった。
それは見慣れないゆっくりだった。
緑色の髪の毛、派手な装飾のお飾り、この騒ぎの中にいてまるで動じない超然とした態度。
そこらの野良ゆっくり野生ゆっくりとは明らかに格が違う、何か特別な雰囲気を漂わせている。
そしてそれを象徴するように、そのゆっくりの一声により、徐々に静けさを取り戻していく広場のゆっくりたち。
このことからも、今この場を支配しているゆっくりが彼女であることは明らかだった。
もとよりこのゆっくりがいるからこそ、今この場はかろうじて一定の秩序が保たれているのだ。
その声の主は、広場の中でも全体が見渡せる場所にある、一段高い切り株の上に鎮座している一匹のゆっくりであった。
それは見慣れないゆっくりだった。
緑色の髪の毛、派手な装飾のお飾り、この騒ぎの中にいてまるで動じない超然とした態度。
そこらの野良ゆっくり野生ゆっくりとは明らかに格が違う、何か特別な雰囲気を漂わせている。
そしてそれを象徴するように、そのゆっくりの一声により、徐々に静けさを取り戻していく広場のゆっくりたち。
このことからも、今この場を支配しているゆっくりが彼女であることは明らかだった。
もとよりこのゆっくりがいるからこそ、今この場はかろうじて一定の秩序が保たれているのだ。
「それではこれよりゆっくり裁判をはじめます。
被告ゆんは前へ!」
被告ゆんは前へ!」
切り株の上のゆっくりが静かに言い放つ。
それを聞いて今まで中央で責められていた番のうち一匹が、やや震えながらもゆっくりと前に進み出る。
それを聞いて今まで中央で責められていた番のうち一匹が、やや震えながらもゆっくりと前に進み出る。
「私はゆっくりが言ったことを白黒はっきりつけることができます。
つまり嘘は無意味だということです。
くれぐれも虚偽の証言をすることがないように。
わかりましたね」
つまり嘘は無意味だということです。
くれぐれも虚偽の証言をすることがないように。
わかりましたね」
やってきたゆっくりに対し切り株の上のゆっくりはそう忠告する。
その忠告に対し無言でうなずくゆっくり。
その忠告に対し無言でうなずくゆっくり。
「いいでしょう。
でははじめから話してください。
なぜこんなことになったのかを」
「ゆっ!まりさは、まりさはね……」
でははじめから話してください。
なぜこんなことになったのかを」
「ゆっ!まりさは、まりさはね……」
こうしてまりさは語り始めた。
ありすが怪我をして、おちびちゃんが産めなくなったこと。
どうしてもおちびちゃんが欲しくて、代理出産という方法を思いついたこと。
そして、それをれいむにお願いしたこと。
報酬はにんっしんしている間にれいむに面倒を全面的にみること、そして生まれたおちびちゃん一匹につき一月分の食料を渡すことだったこと。
れいむは快くその条件を快諾してくれたこと。
おちびちゃんが生まれたその日、れいむに約束の食料を渡すまではおちびちゃんを渡さないと言われ、急いでおうちに戻ったこと。
その後食料を運んでいる最中に、あの公園でれいむの裏切りにあったこと。
そして訳も分からず捕まり今にいたることこと。
すべてを語った。そして最後にこう付け加えた。
ありすが怪我をして、おちびちゃんが産めなくなったこと。
どうしてもおちびちゃんが欲しくて、代理出産という方法を思いついたこと。
そして、それをれいむにお願いしたこと。
報酬はにんっしんしている間にれいむに面倒を全面的にみること、そして生まれたおちびちゃん一匹につき一月分の食料を渡すことだったこと。
れいむは快くその条件を快諾してくれたこと。
おちびちゃんが生まれたその日、れいむに約束の食料を渡すまではおちびちゃんを渡さないと言われ、急いでおうちに戻ったこと。
その後食料を運んでいる最中に、あの公園でれいむの裏切りにあったこと。
そして訳も分からず捕まり今にいたることこと。
すべてを語った。そして最後にこう付け加えた。
「これでまりさのおはなしはぜんぶだよ!
ゆう!まりさはしんじられなかったよ……。
れいむの、とつぜんのうらぎりに!
だからあのひろばでのとき、ついかっとなって、れいむにこうげきてきになったちゃたんだよ!わかってね!
でも、いまれいせいになってかんがえると、あれはきっと、れいむのさくせんだったんだとおもうよ!
だから、わざとまりさをおこらせるようなことを、いったんだとおもう!
まりさは、れいむにはめられたんだよ!しんじてね!」
ゆう!まりさはしんじられなかったよ……。
れいむの、とつぜんのうらぎりに!
だからあのひろばでのとき、ついかっとなって、れいむにこうげきてきになったちゃたんだよ!わかってね!
でも、いまれいせいになってかんがえると、あれはきっと、れいむのさくせんだったんだとおもうよ!
だから、わざとまりさをおこらせるようなことを、いったんだとおもう!
まりさは、れいむにはめられたんだよ!しんじてね!」
そのようにまりさは、えいきに向かって切実に訴えるような口調で言ったのだった。
いや、事実必死だったにちがいない。
なにしろ、これからの自分の運命はこの裁判にかかっているのだ。
生か死か。それを判断するのはえいきの胸三寸次第。
だからまりさは自分にいい印象を与えようと必死だった。
いや、事実必死だったにちがいない。
なにしろ、これからの自分の運命はこの裁判にかかっているのだ。
生か死か。それを判断するのはえいきの胸三寸次第。
だからまりさは自分にいい印象を与えようと必死だった。
だがその必死さが気に食わない者たちも当然いた。
「なんなのぉぉぉぉぉぉ!あのまりさはぁぁぁぁぁぁぁ!このごにおよんで、まだうそをつくなんてぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
「げすが!げすが!げすがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「さっさとせいっさいさせるんだぜぇ!このくず!」
「みぐるしいんだよ!」
「いいかげんとくちをとじなさい!このいなかもの!!ふかいだわ!」
「げすが!げすが!げすがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「さっさとせいっさいさせるんだぜぇ!このくず!」
「みぐるしいんだよ!」
「いいかげんとくちをとじなさい!このいなかもの!!ふかいだわ!」
証言が終わった途端、周りにいたゆっくりたちから、すさまじいヤジが飛び交った。
まりさの証言であるれいむが嘘をついていたということは、事件の中心いた当事者のゆっくりたちにとってはもはや即値の事実だったが、
群れの多くのゆっくりたちにとってはまさに寝耳に水。
まりさが罪を逃れたい一心で嘘をついたようにしか見えなかったのだ。
そんなまりさの様子はさぞ、見苦しく、ゆっくりできなく映ったに違いなかった。
まりさの証言であるれいむが嘘をついていたということは、事件の中心いた当事者のゆっくりたちにとってはもはや即値の事実だったが、
群れの多くのゆっくりたちにとってはまさに寝耳に水。
まりさが罪を逃れたい一心で嘘をついたようにしか見えなかったのだ。
そんなまりさの様子はさぞ、見苦しく、ゆっくりできなく映ったに違いなかった。
「静粛に!静粛に!」
またも騒然となった広場にえいきの声が響く。
「何が嘘で何が真実なのかは、私が白黒つけます。
観衆のゆっくりたちは黙っているように。
いいですね」
観衆のゆっくりたちは黙っているように。
いいですね」
えいきは広場全体を見回しながらたしなめた。
「さて、まりさ、先ほどのあなたの証言ですが……。
黒!どうやらあなたは嘘をついているようですね!」
黒!どうやらあなたは嘘をついているようですね!」
その瞬間ビクッ!とまりさの身体が震えた。
そしてそれ以上に広場が盛大に湧き上がった。
そしてそれ以上に広場が盛大に湧き上がった。
「ゆぷぷぷ!さっそく、くずのばけのかわがはがれたよ!」
「これでまりさが、はんゆんだということがかくていしたわけね!」
「みっともないのぜぇ!」
「ほらみろ、やっぱりげすじゃないか!」
「これでまりさが、はんゆんだということがかくていしたわけね!」
「みっともないのぜぇ!」
「ほらみろ、やっぱりげすじゃないか!」
えいきがまりさの証言を黒、つまり嘘だと断定したことにより、広場の興奮は最高潮に達していた。
わかっていたこととはいえ、まりさがゲスだということが法的に証明されたからだ。
だが、そこへ水を差す一声がかかる。
わかっていたこととはいえ、まりさがゲスだということが法的に証明されたからだ。
だが、そこへ水を差す一声がかかる。
「むきゅ!ちょっとまって!」
声の主は長ぱちゅりーだった。
「まりさがうそをついているのにはわけがあるの!
というよりも、いぜんに、ぱちぇがうそをつくようにたのんだことなの!
でも、それはじけんにはちょくせつにはかかわりあいのないことのよ!
せつめいさせてちょうだい!」
というよりも、いぜんに、ぱちぇがうそをつくようにたのんだことなの!
でも、それはじけんにはちょくせつにはかかわりあいのないことのよ!
せつめいさせてちょうだい!」
ざわ…ざわ…。
長の意外な発言にざわめくゆっくりたち。
長の意外な発言にざわめくゆっくりたち。
「ゆゆ!どういうことなの!」
「きまってるのぜ!やっぱりあのにひきははじめからぐるだったってことなのぜ!」
「おさが、まりさをかばってたってこと?これはゆるせないよ!」
「せいっさい!せいっさい!」
「きまってるのぜ!やっぱりあのにひきははじめからぐるだったってことなのぜ!」
「おさが、まりさをかばってたってこと?これはゆるせないよ!」
「せいっさい!せいっさい!」
長ぱちゅりーの発言に対して、即座に群れのゆっくりたちの負の憶測が飛び交う。
ここ数日の事件の影響で長ぱちゅりーの評判はあまりよくない、というかむしろ悪い。
そこへきてまりさを庇うような発言をすれば、どうしたって良い印象を与えるはずがない。
だが長ぱちゅりーは覚悟を決めていた。
ここ数日の事件の影響で長ぱちゅりーの評判はあまりよくない、というかむしろ悪い。
そこへきてまりさを庇うような発言をすれば、どうしたって良い印象を与えるはずがない。
だが長ぱちゅりーは覚悟を決めていた。
「いいでしょう発言を許可します。
長ぱちゅりーは中央の証言台まで降りてくるように」
「むきゅ!」
長ぱちゅりーは中央の証言台まで降りてくるように」
「むきゅ!」
今まで騒いでいた群れのゆっくりたちは静まり返り、長ぱちゅりーの一挙一動に注目した。
それも当然のことで群れのゆっくりたちにとっても、長ぱちゅりーの証言は非常に興味のある問題であるからだ。
もし大方のゆっくりの憶測通りに、まりさと長ぱちゅりーに間に何らかの利害関係が結ばれていたとしたら……。
これは事と次第によっては、まりさだけではなく長ぱちゅりーをも正当にせいっさいできるチャンスかもしれない!
群れゆっくりたちの期待は高まるばかりであった。
それも当然のことで群れのゆっくりたちにとっても、長ぱちゅりーの証言は非常に興味のある問題であるからだ。
もし大方のゆっくりの憶測通りに、まりさと長ぱちゅりーに間に何らかの利害関係が結ばれていたとしたら……。
これは事と次第によっては、まりさだけではなく長ぱちゅりーをも正当にせいっさいできるチャンスかもしれない!
群れゆっくりたちの期待は高まるばかりであった。
「むきゅ!それじゃあはつげんさせてもらうけど、さっきのしょうげんで、まりさがうそをついたというかしょはひとつだけ!
それはいちばんはじめの『ありすがけがをして、おちびちゃんがつくれなくなった』というぶぶんよ!
じつは、これはしんじつではないの!
ほんとうは……」
それはいちばんはじめの『ありすがけがをして、おちびちゃんがつくれなくなった』というぶぶんよ!
じつは、これはしんじつではないの!
ほんとうは……」
証言台に立った長ぱちゅりはー語った。
実は以前、自分のところに、まりさとありすがおちびちゃんができないと相談に来ていたこと。
それに対して原因は不能ゆっくりであると診断したこと、またそれは人間によって引き起こされた可能性が高いこと。
さらには混乱を防止するために、それを群れのゆっくりたちには固く口止めしたことなどを語った。
実は以前、自分のところに、まりさとありすがおちびちゃんができないと相談に来ていたこと。
それに対して原因は不能ゆっくりであると診断したこと、またそれは人間によって引き起こされた可能性が高いこと。
さらには混乱を防止するために、それを群れのゆっくりたちには固く口止めしたことなどを語った。
「むきゅ!というわけで、まりさはぱちぇとのやくそくをまもってうそをついたのよ!
そうよね、まりさ!」
「ゆっ、ゆう!そうだよ!」
そうよね、まりさ!」
「ゆっ、ゆう!そうだよ!」
おずおずとしながらも、頷くまりさ。
「つまりそういうことよ!
まりさはべつに、じぶんのみかわいさで、うそのしょうげんをしたわけじゃない!
ぱちぇとのやくそくをまもろうとした!ただそれだけなのよ!
でも、もういいのよ!ここまでもんだいがおおきくなってしまったいじょう、これはかくしきれることじゃないわ!」
「ふむ。今の長ぱちゅりーの証言ですが……。
白!すべて真実のようですね」
まりさはべつに、じぶんのみかわいさで、うそのしょうげんをしたわけじゃない!
ぱちぇとのやくそくをまもろうとした!ただそれだけなのよ!
でも、もういいのよ!ここまでもんだいがおおきくなってしまったいじょう、これはかくしきれることじゃないわ!」
「ふむ。今の長ぱちゅりーの証言ですが……。
白!すべて真実のようですね」
ざわ…ざわ…。
えいきが今の長ぱちゅりーの証言を白、つまり真実と断定したことで、再び広場はざわめいた。
えいきが今の長ぱちゅりーの証言を白、つまり真実と断定したことで、再び広場はざわめいた。
「ゆゆ!それで、いちじきのまりさは、とってもげんきがなかったのね!」
「みょうだとおもってたんだよ!あれだけ、なかのいいつがいなのに、おちびちゃんがいっぴきもいないなんて!」
「なんだかかわいそうだね!」
「どうじょうのよちありね!」
「みょうだとおもってたんだよ!あれだけ、なかのいいつがいなのに、おちびちゃんがいっぴきもいないなんて!」
「なんだかかわいそうだね!」
「どうじょうのよちありね!」
今までは大して注目されることがなかった容疑者まりさにの犯行の動機が明らかにされるやいなや、まりさに同情的なゆっくりがちらほらと現われはじめた。
おちびちゃんがつくれないというのは、ゆっくり最大の不幸。
それゆえの犯行となれば同情の余地があるのではないか?
こういった考えをもつゆっくりが現われるのも当然であった。
おちびちゃんがつくれないというのは、ゆっくり最大の不幸。
それゆえの犯行となれば同情の余地があるのではないか?
こういった考えをもつゆっくりが現われるのも当然であった。
「むきゅう……」
しかし、それは長ぱちゅりーにとっては決して良い方向とはいえなかった。
「それにしてもくそにんげんはゆるせないね!ゆっくりにたいして、こんなしうちをするなんて!」
「そうだぜ!そうだぜ!これは、くそにんげんもせいっさいするべきなのぜ!」
「しゃざいと、ばいしょうをようきゅうするよ!」
「いまこそ、くそにんげんたちに、うってでるときだよ!」
「せいっさいしろ!つみのないゆっくりをぎゃくたいする、くそにんげんを、せいっさいしろ!」
「そうだぜ!そうだぜ!これは、くそにんげんもせいっさいするべきなのぜ!」
「しゃざいと、ばいしょうをようきゅうするよ!」
「いまこそ、くそにんげんたちに、うってでるときだよ!」
「せいっさいしろ!つみのないゆっくりをぎゃくたいする、くそにんげんを、せいっさいしろ!」
ゆっくりたちざわめきが、しだいに苛立ち含んだ怒号へと変わっていくのにそう時間はかからなかった。
「むっ……むきゅ……まずいわね……」
群れのゆっくりたちの変化に顔をしかめる長ぱちゅりー。
長ぱちゅりーの悪い予想が当たってしまったのだ。
やはりという当然というか、群れのゆっくりたちの憎悪は、一斉に人間へと向けられてしまった。
このまま騒ぎが大きくなれば、裁判どころではなくなってしまうのは火を見るより明らかだ。
長ぱちゅりーの悪い予想が当たってしまったのだ。
やはりという当然というか、群れのゆっくりたちの憎悪は、一斉に人間へと向けられてしまった。
このまま騒ぎが大きくなれば、裁判どころではなくなってしまうのは火を見るより明らかだ。
「静粛に!静粛に!」
と、そこへまたえいきによる静止の声がかかる。
だが今回ばかりはその声も効果がいまひとつのようだ。
ゆっくりたちの興奮は収まることをしらず、大きくなる一方だ。
だが今回ばかりはその声も効果がいまひとつのようだ。
ゆっくりたちの興奮は収まることをしらず、大きくなる一方だ。
「ゆゆゆ!れいむもうがまんできないよ!このままにんげんをせいっさいしにいくよ!」
「まえまえから、くそにんげんのことは、きにくわないとおもってたんだぜ!」
「とかいよ!いまこそしんのとかいはをみせつけるときがきたのよ!」
「せいっさい!せいっさい!」
「まえまえから、くそにんげんのことは、きにくわないとおもってたんだぜ!」
「とかいよ!いまこそしんのとかいはをみせつけるときがきたのよ!」
「せいっさい!せいっさい!」
好き勝手言い始める群れのゆっくりたち。
ゆっくりというのはとにかく人間に不満をためやすい性質を持っている。
その最たる理由が自分たちよりゆっくりしてないはずなのに、自分らよりもいい暮らしをしているというものだが、
もちろんそれは大いなる誤解であることは言うまでもない。
だがそれを悟れるくらいの頭脳があるのなら、そもそも初めから勘違いをしないというものだろう。
そんなわけで、森に住むゆっくりは人間対して驚くほど沸点が低い。
そして現在のこの広場での有様を見れば、長ぱちゅりーがまりさの件を内緒にしておいたことがいかに正しかったかがわかるというものだが、
今となってそんなことはどうでもよかった。
ゆっくりというのはとにかく人間に不満をためやすい性質を持っている。
その最たる理由が自分たちよりゆっくりしてないはずなのに、自分らよりもいい暮らしをしているというものだが、
もちろんそれは大いなる誤解であることは言うまでもない。
だがそれを悟れるくらいの頭脳があるのなら、そもそも初めから勘違いをしないというものだろう。
そんなわけで、森に住むゆっくりは人間対して驚くほど沸点が低い。
そして現在のこの広場での有様を見れば、長ぱちゅりーがまりさの件を内緒にしておいたことがいかに正しかったかがわかるというものだが、
今となってそんなことはどうでもよかった。
「むっ、むきゅ!みんな!おちついて!これは……」
「静粛にと言っている!!!」
「静粛にと言っている!!!」
長ぱちゅりーが何とかしてこの場を取り繕おうとした瞬間、えいきの一括が広場に響き渡った。
「「「「「………………!!!」」」」」
一斉に口を閉じる群れのゆっくりたち。
皆恐怖により竦み上がっている。
その声は別段怒気をはらんだものではなかったが、尋常ではない迫力があった。
一瞬広場に雷が落ちたかと錯覚するほどの衝撃であったのだ。
皆恐怖により竦み上がっている。
その声は別段怒気をはらんだものではなかったが、尋常ではない迫力があった。
一瞬広場に雷が落ちたかと錯覚するほどの衝撃であったのだ。
「ゴホン」
とえいきは軽く咳払いをすると、何事もなかったかのように続けた。
「どうやらみなさんがたは、何やら勘違いをしているようですね。
私は確かに長ぱちゅりーの証言は白だと言いました。
しかしその内容が正しいとは一言も言っていないのですよ」
「「「「「????」」」」」
私は確かに長ぱちゅりーの証言は白だと言いました。
しかしその内容が正しいとは一言も言っていないのですよ」
「「「「「????」」」」」
突然のえいきの言葉にわけがわからないと言った風に顔を見合わせるゆっくりたち。
「どっ、どういうことなの!」
中でも一番動揺したのは長ぱちゅりーだった。
えいきは自分のことを白だと言った。
それはそうだ。
自分はは本当のことを嘘偽りなく行ったのだから。
白なのは当然だ。
しかしにもかかわらず、それが正しくないとはいったいどういうことだ?
えいきは自分のことを白だと言った。
それはそうだ。
自分はは本当のことを嘘偽りなく行ったのだから。
白なのは当然だ。
しかしにもかかわらず、それが正しくないとはいったいどういうことだ?
「簡単なことです。
先ほどのあなたの証言には嘘はありませんでした。
が、しかし間違いがありました」
「むっ、むきゅ!」
先ほどのあなたの証言には嘘はありませんでした。
が、しかし間違いがありました」
「むっ、むきゅ!」
えいきの指摘に、動揺の声を上げる長ぱちゅりー。
「あなたはありすが不能ゆっくりなったのは、人間の行いによるものだと言いました。
しかしそれは間違いです。
ありすの不能ゆっくりは生まれつきのものであり、人間が直接手を下したものではありません」
「むっ!むきょきょ!そんなばかな!
だってありすは、かいゆっくりのこだったのよ!ということは、ふのうゆっくりになったのだって、にんげんのしわざってことじゃない!」
「それは違います。
ありすが不能ゆっくりであることの原因は、ほぼ間違いなく自然によるものです。断じて人間の仕業ではありません」
「そっ、そんな……なんで!なんでそんなことがあんたにわかるのよ!
でたらめいわないでちょうだい!」
しかしそれは間違いです。
ありすの不能ゆっくりは生まれつきのものであり、人間が直接手を下したものではありません」
「むっ!むきょきょ!そんなばかな!
だってありすは、かいゆっくりのこだったのよ!ということは、ふのうゆっくりになったのだって、にんげんのしわざってことじゃない!」
「それは違います。
ありすが不能ゆっくりであることの原因は、ほぼ間違いなく自然によるものです。断じて人間の仕業ではありません」
「そっ、そんな……なんで!なんでそんなことがあんたにわかるのよ!
でたらめいわないでちょうだい!」
思わず立場を忘れて声を荒らげてしまう長ぱちゅりー。
長ぱちゅりーの立場にしてみれば、ここはでたらめだろうとなんだろうと、えいきに話を合わせておいた方がいいに決まっている。
だが長ぱちゅりーにはそれはできなかった。
長ぱちゅりーの立場にしてみれば、ここはでたらめだろうとなんだろうと、えいきに話を合わせておいた方がいいに決まっている。
だが長ぱちゅりーにはそれはできなかった。
事件の拡大に伴い、自分の手には負えなくなったと判断してえいきを呼ぶという選択をしたものの、
長ぱちゅりーには森のけんじゃとして事件の次第をすべて理解しているという絶対の自信があった。
その体に刻み込まれた森のけんじゃのプライドが、えいきの言うありすの不能ゆっくりは生まれつきのものだ、
という自信の仮説とは真逆となる言葉をどうしても肯定することができないのだ。
こういったところで所詮長ぱちゅりーも、他のゆっくりよりは若干ましとはいえ、ゆっくりとしての範疇に納まる思考しかできないことを如実に表していた。
長ぱちゅりーには森のけんじゃとして事件の次第をすべて理解しているという絶対の自信があった。
その体に刻み込まれた森のけんじゃのプライドが、えいきの言うありすの不能ゆっくりは生まれつきのものだ、
という自信の仮説とは真逆となる言葉をどうしても肯定することができないのだ。
こういったところで所詮長ぱちゅりーも、他のゆっくりよりは若干ましとはいえ、ゆっくりとしての範疇に納まる思考しかできないことを如実に表していた。
「では、順を追って説明しましょう。
まず長が言っていたゆっくりを人工的に不能ゆっくりにする技術、去勢手術のことですが、
これは確かに存在する技術です。
そして現在飼いゆっりとされているゆっくりの約半数は、この手術を施されていると言われています」
まず長が言っていたゆっくりを人工的に不能ゆっくりにする技術、去勢手術のことですが、
これは確かに存在する技術です。
そして現在飼いゆっりとされているゆっくりの約半数は、この手術を施されていると言われています」
ざわ…ざわ…。
えいきの発言に衝撃を受ける群れのゆっくりたち。
いくらこの群れが街に近い位置に存在しているとはいえ、所詮は野生のゆっくりの群れ。
都会における飼いゆっくり事情なぞ知る由もない。
ほとんどのゆっくりは、去勢という言葉すら今初めて知ったくらいなのだ。
ゆえに飼いゆっくりの約半数が去勢済という事実に驚愕を禁じ得なかった。
いくらこの群れが街に近い位置に存在しているとはいえ、所詮は野生のゆっくりの群れ。
都会における飼いゆっくり事情なぞ知る由もない。
ほとんどのゆっくりは、去勢という言葉すら今初めて知ったくらいなのだ。
ゆえに飼いゆっくりの約半数が去勢済という事実に驚愕を禁じ得なかった。
「ですがこの去勢処理、成体ゆっくりならばわりかし簡単に行うことができるのですが、子ゆっくり、ましてやまだ生まれていない実ゆっくりに施すとなると、
専門の知識や、薬物等が必要となるのです。
ある程度の強度を持つ成体ゆっくりならばともかく、脆弱な体の実ゆっくりに、物理的な処置を施そうものなら、たちまち死んでしまいますからね。
つまり何が言いたいかと言えば、当時実ゆっくりだったありすに去勢処置を施そうと思えば、それは人間といえど非常に手間がかかる作業だったということです。
当然高価ではないとはいえ、相応の資金も必要となるでしょう。
さてここで疑問が生じます。
もはや飼い主が用済みになり捨てようと思っているゆっくり。
そこに成っている複数の実ゆっくりに、わざわざ時間と労力とお金を割いてまで去勢手術ををするでしょうか?
答えは否です。そんな面倒なことはしません。
ゆえにありすの不能は、人間の仕業ではなく生まれつきのものだと推測できるのです」
「む、むきゅ!でも、にんげんは、ゆっくをぎゃくたいするためには、てまひまをおしまないってきいたことがあるわ!
そういう、かのせいだって……」
専門の知識や、薬物等が必要となるのです。
ある程度の強度を持つ成体ゆっくりならばともかく、脆弱な体の実ゆっくりに、物理的な処置を施そうものなら、たちまち死んでしまいますからね。
つまり何が言いたいかと言えば、当時実ゆっくりだったありすに去勢処置を施そうと思えば、それは人間といえど非常に手間がかかる作業だったということです。
当然高価ではないとはいえ、相応の資金も必要となるでしょう。
さてここで疑問が生じます。
もはや飼い主が用済みになり捨てようと思っているゆっくり。
そこに成っている複数の実ゆっくりに、わざわざ時間と労力とお金を割いてまで去勢手術ををするでしょうか?
答えは否です。そんな面倒なことはしません。
ゆえにありすの不能は、人間の仕業ではなく生まれつきのものだと推測できるのです」
「む、むきゅ!でも、にんげんは、ゆっくをぎゃくたいするためには、てまひまをおしまないってきいたことがあるわ!
そういう、かのせいだって……」
納得できないと言った様子でくいさがる長ぱちゅりー。
しかしえいきは静かに首を横に振る。
しかしえいきは静かに首を横に振る。
「人間がゆっくりを虐待するために、時に理屈に合わないような異常な執念を燃やすことがあるのは事実です。
そして親ありすの飼い主がそういった類の虐待人間であった可能性は否定できないでしょう。
ですが今回の行為は、それを加味したとしてもあり得ないことなのです。
ある意味で言えば、今回の実ありすを去勢するという行為は虐待として成立していないのですよ」
「むきゅ!どういういみよ!わけがわからないわ!
ありすは、げんにいま、くるしんでいるのよ!
これがぎゃくたいじゃなくてなんなの!ふざけないで!」
そして親ありすの飼い主がそういった類の虐待人間であった可能性は否定できないでしょう。
ですが今回の行為は、それを加味したとしてもあり得ないことなのです。
ある意味で言えば、今回の実ありすを去勢するという行為は虐待として成立していないのですよ」
「むきゅ!どういういみよ!わけがわからないわ!
ありすは、げんにいま、くるしんでいるのよ!
これがぎゃくたいじゃなくてなんなの!ふざけないで!」
思わずカッとなり、唾をまき散らしながら喚く長ぱちゅりー。
まったく意味がわからない。
去勢が虐待ではないなんて、よくもそんなこと言えたもんだ。
だがそんな長ぱちゅりーの興奮をよそに、えいきはまったく表情を変えずに続ける。
まったく意味がわからない。
去勢が虐待ではないなんて、よくもそんなこと言えたもんだ。
だがそんな長ぱちゅりーの興奮をよそに、えいきはまったく表情を変えずに続ける。
「いいですか、元飼いゆっくりが捨てられ野に放たれた場合、その生存率は極端に低く大抵は悲劇的な最後を迎えることになります。
これはゆっくりに携わるものならば誰でも知っている常識です。
だからこそ、しばしば飼い主が粗相をした飼いゆっくりを、わざわざ殺さずに捨てるという行為が罰として成立するわけです。
現にありすの親ありすは、野生としてはかなり条件がよいはずのこの群れの生活にすら耐えられず、早々に亡くなっているようですしね」
「むきゅ!たしかにそうよ!でもそれがどうしたっていうのよ!」
これはゆっくりに携わるものならば誰でも知っている常識です。
だからこそ、しばしば飼い主が粗相をした飼いゆっくりを、わざわざ殺さずに捨てるという行為が罰として成立するわけです。
現にありすの親ありすは、野生としてはかなり条件がよいはずのこの群れの生活にすら耐えられず、早々に亡くなっているようですしね」
「むきゅ!たしかにそうよ!でもそれがどうしたっていうのよ!」
イライラしながら言う長ぱちゅりー。
えいきの言った通りありすの親である親ありすは、この群れに来てありすを出産後、早々に死亡しているのは過去に述べた通りだ。
いや、その親ありすに限ることなく、この群れにたまに流れてくる元飼いゆっくりだというゆっくりたちは、
みなこの野生に適応することができず、早々に死亡することがパターンだ。
元飼いゆっくりは、野生では長生きすることはできない。
これは長ぱちゅりーとて認める事実だ。
問題はそれだからどうしたということなのである。
えいきの言った通りありすの親である親ありすは、この群れに来てありすを出産後、早々に死亡しているのは過去に述べた通りだ。
いや、その親ありすに限ることなく、この群れにたまに流れてくる元飼いゆっくりだというゆっくりたちは、
みなこの野生に適応することができず、早々に死亡することがパターンだ。
元飼いゆっくりは、野生では長生きすることはできない。
これは長ぱちゅりーとて認める事実だ。
問題はそれだからどうしたということなのである。
「まだわかりませんか?よく考えてみてください。
飼いゆっくりでもないゆっくりに無理やり去勢を施すという行為は、なるほど確かに苛烈な虐待といえるでしょう。
何しろ野良や野生の生活においておちびちゃんが産めないのは相当の苦痛ですからね。生きる意味の大半を奪われるといっていい。
ですが、それをこれから捨てる予定のゆっくりの、しかもまだ生まれてもいない実ゆっくりに行うことは無意味なのです。
なぜならば、その虐待の効果が出る前に赤ゆっくりは非常に高い確率で『死ぬ』からです」
「……むきゅ?」
「長、あなたならばわかるはずですよ。
実ゆっくりを着けたまま放り出されたゆっくりの子が、成体ゆっくりになるまで成長し、にんっしんできるようになるまでの確立の低さをね。
とは言えもちろんその可能性は0ではないでしょう。
現にこのありすは生きていますからね。
しかし、そんなことが滅多に起りえなということは、群れの長をしているあなたならばよくわかるはず。
このありすの他に、元飼いゆっくりの子がこの群れにいますか?
そして人間の立場になってみてください。
いくら虐待好きの人間であったとしても、わざわざ労力をかけてまですぐ死ぬであろう実ゆっくりに対して、去勢という遅延性の毒を仕込む必然性がないのです。
それだったらまだ、体の一部を破壊しておくとか、お飾りを取っておく、などの生まれてすぐに効果がでる行為を行っているはずです」
「むっ……きゅ……それは……」
「ちなみに私はゆっくり虐待についての事例を約4000件ほど知っていますが、
粗相をした飼いゆっくりを捨てる際、その飼いゆっくりの子に去勢処置を施すというケースは極めて稀です。
以上が、ありすの不能が人間の仕業ではなく、自然のものだということの理由です。
納得しましたか」
「……む、むきゅぅぅぅ」
飼いゆっくりでもないゆっくりに無理やり去勢を施すという行為は、なるほど確かに苛烈な虐待といえるでしょう。
何しろ野良や野生の生活においておちびちゃんが産めないのは相当の苦痛ですからね。生きる意味の大半を奪われるといっていい。
ですが、それをこれから捨てる予定のゆっくりの、しかもまだ生まれてもいない実ゆっくりに行うことは無意味なのです。
なぜならば、その虐待の効果が出る前に赤ゆっくりは非常に高い確率で『死ぬ』からです」
「……むきゅ?」
「長、あなたならばわかるはずですよ。
実ゆっくりを着けたまま放り出されたゆっくりの子が、成体ゆっくりになるまで成長し、にんっしんできるようになるまでの確立の低さをね。
とは言えもちろんその可能性は0ではないでしょう。
現にこのありすは生きていますからね。
しかし、そんなことが滅多に起りえなということは、群れの長をしているあなたならばよくわかるはず。
このありすの他に、元飼いゆっくりの子がこの群れにいますか?
そして人間の立場になってみてください。
いくら虐待好きの人間であったとしても、わざわざ労力をかけてまですぐ死ぬであろう実ゆっくりに対して、去勢という遅延性の毒を仕込む必然性がないのです。
それだったらまだ、体の一部を破壊しておくとか、お飾りを取っておく、などの生まれてすぐに効果がでる行為を行っているはずです」
「むっ……きゅ……それは……」
「ちなみに私はゆっくり虐待についての事例を約4000件ほど知っていますが、
粗相をした飼いゆっくりを捨てる際、その飼いゆっくりの子に去勢処置を施すというケースは極めて稀です。
以上が、ありすの不能が人間の仕業ではなく、自然のものだということの理由です。
納得しましたか」
「……む、むきゅぅぅぅ」
長ぱちゅりーは弱々くうなずいた。
そうせざるを得なかった。
えいきの言っていることが理解できてしまったからだ。
そうせざるを得なかった。
えいきの言っていることが理解できてしまったからだ。
確かにえいきの言う通り、成体にまで成長する可能性が低い実ゆっくりであったありすに、わざわざ去勢処置をする意味は限りなく薄い。
苦しめるのが目的なら、お飾りの一つでも取っておくほうが、よほど手ごろで効果がある。
これは元飼いゆっくりと、去勢処置というキーワードを安易に結びつけてしまった自分が浅はかだったと言わざるを得ない。
苦しめるのが目的なら、お飾りの一つでも取っておくほうが、よほど手ごろで効果がある。
これは元飼いゆっくりと、去勢処置というキーワードを安易に結びつけてしまった自分が浅はかだったと言わざるを得ない。
「ゆっ、ゆゆ?けっきょくどういうことなのぜ?」
「よくわからないけど、にんげんはかんけいないってことらしいよ!」
「なんだぁ!ちょっとひとさわがせすぎるよ!」
「まったくふざけたはなしね!」
「ゆふふふふ!これはもう、おさもせいっさいかくていだね!」
「よくわからないけど、にんげんはかんけいないってことらしいよ!」
「なんだぁ!ちょっとひとさわがせすぎるよ!」
「まったくふざけたはなしね!」
「ゆふふふふ!これはもう、おさもせいっさいかくていだね!」
ついさっきまで殺気立っていたゆっくりたちだが、今の流れで人間のせいではないということをなんとなく理解したのか次第にその矛先を収めていく。
多くの人にとっては意外に思えるかもしれないが、ゆっくりというのは非常に大義名分を大事にする性質がある。
基本的に理由もなしに同族や人間を襲うことはない。
ただ、その理由が人間からすればめちゃくちゃで理不尽なだけなのである。
多くの人にとっては意外に思えるかもしれないが、ゆっくりというのは非常に大義名分を大事にする性質がある。
基本的に理由もなしに同族や人間を襲うことはない。
ただ、その理由が人間からすればめちゃくちゃで理不尽なだけなのである。
「むぎゅ!むぎゅぎゅぎゅぎゅ……」
さて、とりあえず落ち着きを取り戻した群れのゆっくりたちとは対象的に、長ぱちゅりーは心中穏やかではなかった。
今長ぱちゅりーの心の中では、得体のしれない敗北感が渦巻いていたのだ。
別にこれは長ぱちゅりーとえいきとの勝負でも何でもなく、ゆえに勝ち負けもクソもないのだが、
結果的にみずからの無能を突き付けられる形となった長ぱちゅりーは惨めな気持ちでいっぱいだった。
自分は全てを完全に理解できていたと思っていたのに、足りないのは力だけで、他は完璧な賢者だと思っていたのに……。
本来ならば好都合であるこの展開に対して、長ぱちゅりーはなんとも歯がゆい気持ちだった。
今長ぱちゅりーの心の中では、得体のしれない敗北感が渦巻いていたのだ。
別にこれは長ぱちゅりーとえいきとの勝負でも何でもなく、ゆえに勝ち負けもクソもないのだが、
結果的にみずからの無能を突き付けられる形となった長ぱちゅりーは惨めな気持ちでいっぱいだった。
自分は全てを完全に理解できていたと思っていたのに、足りないのは力だけで、他は完璧な賢者だと思っていたのに……。
本来ならば好都合であるこの展開に対して、長ぱちゅりーはなんとも歯がゆい気持ちだった。
そして当のえいきとえいば、一つの事実を明らかにしたというのに、別段勝ち誇った風はない。
ただ無表情である。
それが格の違いを見せつけられるようで、ますます長ぱちゅりーを惨めにさせた。
ただ無表情である。
それが格の違いを見せつけられるようで、ますます長ぱちゅりーを惨めにさせた。
「さて、だいぶ横道にそれてしまいましたが、
長には、このまま続けて事件についての証言をしてもらいます。
事件が起こってから、今までの流れを順番に話してください」
「……むきゅ!わかったわ」
長には、このまま続けて事件についての証言をしてもらいます。
事件が起こってから、今までの流れを順番に話してください」
「……むきゅ!わかったわ」
気を取り直したように、事件の証言を促すえいきに対して、長ぱちゅりーは一応素直にうなずいた。
胸の内にはまだ、黒々としたもやもやが残っていたが、しかし今ここではどうしようもない。
素直に言う通りにする以外の選択肢は長ぱちゅりーにはないのだ。
胸の内にはまだ、黒々としたもやもやが残っていたが、しかし今ここではどうしようもない。
素直に言う通りにする以外の選択肢は長ぱちゅりーにはないのだ。
そして長ぱちゅりーは語った。
事件が起こった夜、幹部みょんと幹部ちぇんがまりさを捕えたと報告に来たこと。
そしてまりさのおうちへ行ってありすたちを捕まえたこと。
その後、まりさたちの刑を群れの永久追放にしようとしたところへれいむがやってきて、例のまりさの奴隷刑を持ちかけられたこと。
その時に、これは全てれいむの仕業だと確信こと。
何とかするために幹部みょんと幹部ちぇんを説得しようとしたところ、逆にれいむの側へとつくと宣言されたこと。
このままだと自分は退陣に追い込まれ、その後幹部みょんちぇんの弱みを握ったれいむの独裁が始まる危険性が可能性が高いこと。
追い詰められた自分は、れいむにこの群れを支配させるわけにはいかないという一心で、えいきをこの群れに呼ぶことにしたこと。
などなどを、すべてを赤裸々に語ったのであった。
事件が起こった夜、幹部みょんと幹部ちぇんがまりさを捕えたと報告に来たこと。
そしてまりさのおうちへ行ってありすたちを捕まえたこと。
その後、まりさたちの刑を群れの永久追放にしようとしたところへれいむがやってきて、例のまりさの奴隷刑を持ちかけられたこと。
その時に、これは全てれいむの仕業だと確信こと。
何とかするために幹部みょんと幹部ちぇんを説得しようとしたところ、逆にれいむの側へとつくと宣言されたこと。
このままだと自分は退陣に追い込まれ、その後幹部みょんちぇんの弱みを握ったれいむの独裁が始まる危険性が可能性が高いこと。
追い詰められた自分は、れいむにこの群れを支配させるわけにはいかないという一心で、えいきをこの群れに呼ぶことにしたこと。
などなどを、すべてを赤裸々に語ったのであった。
「……というわけで、いじょうでぱちぇのしょうげんはおしまいよ!」
「わかりました。
今の長ぱちゅりーの証言ですが……白!
すべて本当のことを語っていますね」
「わかりました。
今の長ぱちゅりーの証言ですが……白!
すべて本当のことを語っていますね」
ざわ…ざわ…
長ぱちゅりーの証言により、もう何度目かになるかもわからないざわめきが広場を包み込んだ。
「ゆゆ!なんだかおかしなことになってきたよ!」
「いまのはなし、ほんとうなの?」
「まりさのはなしも、おさのはなしも、しろってことは、これじゃれいむがわるいってことになるわね!」
「それをかんぶたちといっしょになって、かくそうとしてたなんて!」
「ありすたちをだまそうとしてたのね!ゆるせないわ!」
「いまのはなし、ほんとうなの?」
「まりさのはなしも、おさのはなしも、しろってことは、これじゃれいむがわるいってことになるわね!」
「それをかんぶたちといっしょになって、かくそうとしてたなんて!」
「ありすたちをだまそうとしてたのね!ゆるせないわ!」
長ぱちゅりーの証言は、群れのゆっくりたちにとって衝撃的だった。
今まで正義と疑ってなかったれいむが悪者であり、悪であるまりさが被害者である可能性が出てきたからだ。
だが無論それをバカ正直に受け入れないゆっくりたちも多数いた。
今まで正義と疑ってなかったれいむが悪者であり、悪であるまりさが被害者である可能性が出てきたからだ。
だが無論それをバカ正直に受け入れないゆっくりたちも多数いた。
「いや!それはちがうのぜ!さっきのきょせいのはなしみたいに、おさはほんとうのことをいっているけど、
なにかかんちがいをしているというかのうせいもあるのぜ!」
「そうよ!それに、はめられたとはいえ、まりさがおちびちゃんを、しょくりょうでばいばいしようとしたじじつはかわらないわよ!
やっぱりまりさは、れいぷ……いや、せいっさいされるべきだわ!」
「ゆがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!もうわけがわからないよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
なんっでもいいから、さっさとれいむにせいっさいさせろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
なにかかんちがいをしているというかのうせいもあるのぜ!」
「そうよ!それに、はめられたとはいえ、まりさがおちびちゃんを、しょくりょうでばいばいしようとしたじじつはかわらないわよ!
やっぱりまりさは、れいぷ……いや、せいっさいされるべきだわ!」
「ゆがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!もうわけがわからないよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
なんっでもいいから、さっさとれいむにせいっさいさせろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
広場では賛否両論の様々な意見が飛び交っていた。
裁判は今大きな動きを見せようとしている。
裁判は今大きな動きを見せようとしている。
「静粛に!静粛に!」
そして暴走しつつあるゆっくりたちに、最早おなじみとなった静止の声をえいきは上げた。
「みなさんがたは、勝手な妄想により安易な結論を出さないように。
裁判は終わってないのですから。
まだ証言を聞くべき証人はまだのこっています。
それらを聞かずして事件の真相を理解することはできません。
そして最終的な判断は私が下します。
みなさんがたは、それを理解し、静粛にするように。
わかりましたね」
「「「「………………」」」」
裁判は終わってないのですから。
まだ証言を聞くべき証人はまだのこっています。
それらを聞かずして事件の真相を理解することはできません。
そして最終的な判断は私が下します。
みなさんがたは、それを理解し、静粛にするように。
わかりましたね」
「「「「………………」」」」
えいきの言葉に沈黙するゆっくりたち。
それでも何匹かのゆっくりは不満そうだったが、今ここで騒いでいてもらちが明かないのもまた確かだ。
それよりは裁判を先に進ませたほうがずっと有意義ではある。
広場が静まったのを確認すると、えいきは次なる段階に進むべく声を上げる。
それでも何匹かのゆっくりは不満そうだったが、今ここで騒いでいてもらちが明かないのもまた確かだ。
それよりは裁判を先に進ませたほうがずっと有意義ではある。
広場が静まったのを確認すると、えいきは次なる段階に進むべく声を上げる。
「いいでしょう。
では次の証人です。
幹部みょん、幹部ちぇん前へ!」
では次の証人です。
幹部みょん、幹部ちぇん前へ!」
えいきは次の証人である幹部ちぇん幹部みょんを呼び出す。
ところが、
ところが、
「「「「………………」」」」
シーンと静まり返る広場。
誰も返事をしない。
そして誰も広場の中央の証言台に現れない。
誰も返事をしない。
そして誰も広場の中央の証言台に現れない。
「「「「ゆゆゆゆ?」」」」
この事態に不審げに左右を見渡す群れのゆっくりたち。
そしてすぐにあることに気付く。
いない!
幹部みゅんと幹部ちぇんの姿がどこにも見当たらないのだ。
そしてすぐにあることに気付く。
いない!
幹部みゅんと幹部ちぇんの姿がどこにも見当たらないのだ。
「ゆえぇぇ!かんぶみょんたちがいないよぉ!」
「そういえば、さいばんがはじまったときからいちどもすがたをみてないのぜ!」
「きっとにげたのよ!あのいなかものたち!」
「そういえば、さいばんがはじまったときからいちどもすがたをみてないのぜ!」
「きっとにげたのよ!あのいなかものたち!」
予想外の自体に騒ぎ出すゆっくりたち。
再び広場が混乱の渦に巻き込まれそうになったその時、
再び広場が混乱の渦に巻き込まれそうになったその時、
「ちょいとごめんよ!通しとくれ」
「みょおぉぉぉぉぉぉん!やべでぇぇぇぇぇぇ!みょんはさいばんなんてでたくなぃぃぃぃぃぃ!」
「わがらないよぉぉぉぉぉぉぉ!どうじでにげられないのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「みょおぉぉぉぉぉぉん!やべでぇぇぇぇぇぇ!みょんはさいばんなんてでたくなぃぃぃぃぃぃ!」
「わがらないよぉぉぉぉぉぉぉ!どうじでにげられないのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
広場の後方から騒がしい声を上げながら現われたゆっくりたち。
それはゆっくりこまちと、ぼっこぼこにされた幹部みょん、幹部ちぇん二匹だった。
それはゆっくりこまちと、ぼっこぼこにされた幹部みょん、幹部ちぇん二匹だった。
今、幹部みょんは群れの広場の証言台にて、人生最大のゆっくりできなさを味わっていた。
自分の目の前にふんぞり返っているのは、えいきとかいう得体のしれない悪魔のようなゆっくり。
さらに自分の後ろには、こまちという善良なゆっくりに容赦なく暴力を振るような、鬼畜なゆっくりが控えている。
それだけでもとんでもなくゆっくりできないと言うのに、極めつけは周りのゆっくりから全く遠慮なしに注がれる軽蔑の視線の数々だった。
ゆっくりのくず!信じられない恥ずかしいゆっくり!こんなのが群れの幹部かよ!おちびちゃん以下だね!死ね!ゆっくり死ね!
そんな声が口に出さずとも聞こえてくるようだった。
自分の目の前にふんぞり返っているのは、えいきとかいう得体のしれない悪魔のようなゆっくり。
さらに自分の後ろには、こまちという善良なゆっくりに容赦なく暴力を振るような、鬼畜なゆっくりが控えている。
それだけでもとんでもなくゆっくりできないと言うのに、極めつけは周りのゆっくりから全く遠慮なしに注がれる軽蔑の視線の数々だった。
ゆっくりのくず!信じられない恥ずかしいゆっくり!こんなのが群れの幹部かよ!おちびちゃん以下だね!死ね!ゆっくり死ね!
そんな声が口に出さずとも聞こえてくるようだった。
「ゆぐぐぐぐぐ!」
これは、つい昨日までは幹部として群れのゆっくりの上の立場だった自分にとっては耐え難い屈辱である。
幹部みょんは、裁判に行けばこうなることはわかっていた。
わかっていたのだ。
だからこそ逃げたのだというのに。
捕まってしまった。
あの赤毛のゆっくりに。
もう何もかもおしまいだ。
なんでこんなことになってしまったんだ。
自分は何も悪いことをしていないというのに。
自分はこの群れの長になるはずだったのに。
なのに!なんでこんな犯罪者のような扱いを受けなければならないのだ。
幹部みょんは、裁判に行けばこうなることはわかっていた。
わかっていたのだ。
だからこそ逃げたのだというのに。
捕まってしまった。
あの赤毛のゆっくりに。
もう何もかもおしまいだ。
なんでこんなことになってしまったんだ。
自分は何も悪いことをしていないというのに。
自分はこの群れの長になるはずだったのに。
なのに!なんでこんな犯罪者のような扱いを受けなければならないのだ。
「さて、二匹とも今日の裁判では証言をお願いするので、必ず出席するようにという知らせが事前に伝わっているはずですが、
いったい今までどこにいたのですか?そしてなぜここにこなかったのですか?」
いったい今までどこにいたのですか?そしてなぜここにこなかったのですか?」
目の前にいるえいきが二匹の幹部に向かってそう切りだしてきた。
「ゆひぃ!」
途端に幹部みょんの体にブルッと震えた。
それは理性ではなく本能からくる震えだった。
その射抜くような目線で睨まれると、得体のしれない恐怖が身を貫くように走るのだ。
それは理性ではなく本能からくる震えだった。
その射抜くような目線で睨まれると、得体のしれない恐怖が身を貫くように走るのだ。
「そっ、それはわすれてたんだみょん!」
「わっ、わかるよーちぇんもそうだよー!」
「わっ、わかるよーちぇんもそうだよー!」
震えを押さえて何とか声を絞り出す幹部みょん、隣にいる幹部ちぇんもその言葉にうなずいた。
「今の証言……黒!
嘘ですね」
「みょん!」
「わがらな!」
嘘ですね」
「みょん!」
「わがらな!」
しかしえいきには当然のようにあっさりと嘘だと断言されてしまう。
裁判の開始時から幹部みょん幹部ちぇんの二匹の姿が見えなかったのは、もちろん裁判のことを忘れていたなんてことではなく、
単に逃げ回っていたからだ。
そう、二匹はビビッて逃げたのだ。
昨日の大失態により、自分たちが裁判の結果を牛耳るという計画は破綻してしまった。
それだけでも、あのえいきとかいうゆっくりに会うのはごめんだというのに、
その失敗を群れ中のゆっくりたちの前で、さらし者にされるなどぜったいに考えられないことだったのだ。
そんな恥辱には耐えられない。
だから自分たちのおうちの奥に隠れていたのだ。
単に逃げ回っていたからだ。
そう、二匹はビビッて逃げたのだ。
昨日の大失態により、自分たちが裁判の結果を牛耳るという計画は破綻してしまった。
それだけでも、あのえいきとかいうゆっくりに会うのはごめんだというのに、
その失敗を群れ中のゆっくりたちの前で、さらし者にされるなどぜったいに考えられないことだったのだ。
そんな恥辱には耐えられない。
だから自分たちのおうちの奥に隠れていたのだ。
あれだけ群れの噂を操作して、容疑者まりさや長ぱちゅりーを叩いておきながら、いざ自分の番が回ってくるとそれだけは絶対に嫌だという。
嫌なことがある、だからそれから逃げる。
それはひどく簡単な図式だった。
だが世の中それでは回らない、責任というものがあるからだ。
ましては幹部みょん幹部ちぇんは、一応とはいえ幹部というゆっくりの上に立つ立場なのだ。
それがこんなザマでは示しがつくはずもない。
この群れのおいて、一番のゲスはおそらくれいむであることは間違いないだろうが、
一番のクズは誰かと聞かれれば、それは幹部みょん幹部ちぇんの二匹だと言って相違ないだろう。
嫌なことがある、だからそれから逃げる。
それはひどく簡単な図式だった。
だが世の中それでは回らない、責任というものがあるからだ。
ましては幹部みょん幹部ちぇんは、一応とはいえ幹部というゆっくりの上に立つ立場なのだ。
それがこんなザマでは示しがつくはずもない。
この群れのおいて、一番のゲスはおそらくれいむであることは間違いないだろうが、
一番のクズは誰かと聞かれれば、それは幹部みょん幹部ちぇんの二匹だと言って相違ないだろう。
そして二匹は無様にも捕まった。
あらかじめこうなる可能性を考慮し、えいきによって指示されていたこまちによって。
どうせ逃げるにしても、群れの外に逃げればまだ捕まらなかった可能性もあったのに、よりにもよって隠れていた場所は自分らのおうちの中。
これだけでも有り余る小物っぷりが理解できるというものだ。
こうして恥を上乗せした形で幹部二匹はゆっくりたちの前に引っ張り出されのであった。
あらかじめこうなる可能性を考慮し、えいきによって指示されていたこまちによって。
どうせ逃げるにしても、群れの外に逃げればまだ捕まらなかった可能性もあったのに、よりにもよって隠れていた場所は自分らのおうちの中。
これだけでも有り余る小物っぷりが理解できるというものだ。
こうして恥を上乗せした形で幹部二匹はゆっくりたちの前に引っ張り出されのであった。
「まあ、裁判に来なかったことはもういいでしょう、大方の予想はつきますから。
この件に関してはとりあえず今は不問とすることにします。
さて、ではあなた達二匹にも、事件開始から今までの証言をしてもらいます。
先ほどからの様子では、どうやらあなた方はこの裁判についてあまり積極的ではないようですが、
残念ながら、あなた方には黙秘権はありません。
そしてもちろんウソは私には通じません。
そこのところをきちんと踏まえた上ででの証言を望みます。
いいですね」
「…………みょん」
「…………ゆう」
この件に関してはとりあえず今は不問とすることにします。
さて、ではあなた達二匹にも、事件開始から今までの証言をしてもらいます。
先ほどからの様子では、どうやらあなた方はこの裁判についてあまり積極的ではないようですが、
残念ながら、あなた方には黙秘権はありません。
そしてもちろんウソは私には通じません。
そこのところをきちんと踏まえた上ででの証言を望みます。
いいですね」
「…………みょん」
「…………ゆう」
えいきの宣言に対し、二匹は何か煮え切らない返事だった。
この期に及んで何かをためらっているような、諦めが悪いと言うか、どこかこれが現実ではないと考えているのか、そんな感じだった。
この期に及んで何かをためらっているような、諦めが悪いと言うか、どこかこれが現実ではないと考えているのか、そんな感じだった。
「ほら!手間かけさせるんじゃないよまったく!
心配しなくても、これ以上あんたらの評価がさがることはないよ」
「ゆひぃ!」
「わがらないよおおおおお!しゃべる!しゃべりまずうううううう!」
心配しなくても、これ以上あんたらの評価がさがることはないよ」
「ゆひぃ!」
「わがらないよおおおおお!しゃべる!しゃべりまずうううううう!」
だが業を煮やしたこまちが、後ろから軽く小突くとさすがに観念したのか、ペラペラとしゃべり始めた。
長候補であったまりさが、やっかいごとに巻き込まれているのを見つけ、しめたと思い事件に介入したこと。
事件の手柄を独り占めするために、あえて長を事件に関わらせないようにしたこと。
その後、れいむから事実を明かされ、不本意ながられいむと組むことになったこと。
長ぽちゅりーの忠告を無視して、れいむと組み続ける決断をしたこと。
裁判を意のままにコントロールするために、昨日えいきたちを襲撃したことなどを語った。
事件の手柄を独り占めするために、あえて長を事件に関わらせないようにしたこと。
その後、れいむから事実を明かされ、不本意ながられいむと組むことになったこと。
長ぽちゅりーの忠告を無視して、れいむと組み続ける決断をしたこと。
裁判を意のままにコントロールするために、昨日えいきたちを襲撃したことなどを語った。
「みょん!こっ、これではなしはぜぶだみょん!」
「わかるよー!はなしのとおり、ちぇんたちはわるくないよー!
ぜんぶ、まりさが、おさが、そしてあのれいむがわるいんだよー!」
「そっ、そうだみょん!そうだみょん!
みょんたちはただ、まきこまれただけだみょん!
ほっ、ほんらいなら、このばによばれることだって、おかしいくらいだみょん!
だっ、だいたい……」
「証言ゆは、証言が終わったのならお静かに願います」
「わかるよー!はなしのとおり、ちぇんたちはわるくないよー!
ぜんぶ、まりさが、おさが、そしてあのれいむがわるいんだよー!」
「そっ、そうだみょん!そうだみょん!
みょんたちはただ、まきこまれただけだみょん!
ほっ、ほんらいなら、このばによばれることだって、おかしいくらいだみょん!
だっ、だいたい……」
「証言ゆは、証言が終わったのならお静かに願います」
まだグチグツと何か言おうとしていた幹部みょんに割り込むようにしてえいきが言った。
「さて、今の証言ですが……白!
すべて真実ですね」
すべて真実ですね」
ざわ…ざわ…
この瞬間えいきが白認定をしたことにより、もともと低かった幹部たちの評価は地の底へと落下した。
「まったくふざけたれんちゅうだよ!あれでかんぶだっていうんだからおわらいだよ!」
「じぶんたちはわるくない?ほんきでいってるの?」
「えいきがしろだって、いってるんだからたぶんほんきなんじゃないの!」
「ばかなんじゃない!」
「まだおさのほうがましだよ!」
「これはもうせいっさいかくていだね!」
「じぶんたちはわるくない?ほんきでいってるの?」
「えいきがしろだって、いってるんだからたぶんほんきなんじゃないの!」
「ばかなんじゃない!」
「まだおさのほうがましだよ!」
「これはもうせいっさいかくていだね!」
想像以上にひどい内容に、呆れ怒りすら露わにするゆっくりたち。
「みょん!なんだだみょん!」
「わからないよー!」
「わからないよー!」
オロオロとすることしかできない幹部二匹。
もしこの先、裁判でえいきがどのような判決を下すにしても、
この群れで二匹がゆっくりできることはもはやあるまい。
もしこの先、裁判でえいきがどのような判決を下すにしても、
この群れで二匹がゆっくりできることはもはやあるまい。
「静粛に!静粛に!」
「「「「…………」」」」
「「「「…………」」」」
えいきが静止の声を上げると、すぐにピタリと喋るのを止めるゆっくりたち。
さすがに何度も繰り返し行われてきたことだったので、いい加減慣れてきたのかゆっくりたちが静まるのも早い。
何よりもこの次の証言ゆの話がはやく聞きたいのだ。
なぜなら次の証言ゆは……。
さすがに何度も繰り返し行われてきたことだったので、いい加減慣れてきたのかゆっくりたちが静まるのも早い。
何よりもこの次の証言ゆの話がはやく聞きたいのだ。
なぜなら次の証言ゆは……。
「それでは今回の裁判最後の証言ゆに話を訊くことにしましょう。
れいむ!前へ!」
れいむ!前へ!」
そう!れいむである。
えいきは、とうとう事件の中心ゆん物であるれいむの証言へと踏み込んだ。
その瞬間長ぱちゅりーはゴクリと生唾を飲みこむのであった。
長ぱちゅりーは思う。
来た!いよいよこの瞬間が来たのだと。
えいきは、とうとう事件の中心ゆん物であるれいむの証言へと踏み込んだ。
その瞬間長ぱちゅりーはゴクリと生唾を飲みこむのであった。
長ぱちゅりーは思う。
来た!いよいよこの瞬間が来たのだと。
このれいむの証言こそがこの裁判の本題なのであり、それにくらべれば今までダラダラとやってきたまりさや幹部二匹、そして自分の証言など、
あってもなくても同じ、しょせん前座にすぎないのだ。
今までの話はいってみれば予定調和。
ほとんどの人が展開を予想でき、事実長ぱちゅりーの想定した通りの(一部、長ぱちゅりーにとって忌まわしい予想外な事が起きはしたが)展開だった。
退屈だが、やらないわけにはいかないような内容。
だが、ここから先は違う。
あのれいむが一体どう出てくるか、そしてそれに対してえいきはどう対応するのか。
ある意味でこの裁判は、この二匹の直接対決の場でもあるのだ。
そして……。
あってもなくても同じ、しょせん前座にすぎないのだ。
今までの話はいってみれば予定調和。
ほとんどの人が展開を予想でき、事実長ぱちゅりーの想定した通りの(一部、長ぱちゅりーにとって忌まわしい予想外な事が起きはしたが)展開だった。
退屈だが、やらないわけにはいかないような内容。
だが、ここから先は違う。
あのれいむが一体どう出てくるか、そしてそれに対してえいきはどう対応するのか。
ある意味でこの裁判は、この二匹の直接対決の場でもあるのだ。
そして……。
「ゆふん!やっとれいむのばんなの!
れいむまちくたびれちゃったよ!
そうだよね、おちびちゃん!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
れいむまちくたびれちゃったよ!
そうだよね、おちびちゃん!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
広場を囲んでいるゆっくりの集団の中から、ゆっくりとした動作で一匹のゆっくりが広場の中央にある証言台へと動き出した。
出た!れいむだ!
ついにれいむが行動を開始したのだ。
出た!れいむだ!
ついにれいむが行動を開始したのだ。
れいむはどこぞのクズ幹部と違って逃げすようなマネはしていなかった。
裁判の初めから今の今まで広場にゆっくりと陣取り、そして終始一言も発することなくただゆっくりしていた。
そして証言台に呼ばれると、実にゆっくりとした動作でその場所へと向かうのであったが、
そのゆっくりとした動作のなんと堂々としたことか。
れいむの表情、態度は自身に満ち溢れており、いささかの動揺も見られない。
周りのゆっくりたちの無遠慮な視線にもまるで意に介さず、逆にこれこそが真のゆっくりだ!と見せつけるかのように悠然と広場を練り歩き、
邪な視線を逸らさせるほどである。
まさに威風堂々、ゆっくりの中のゆっくりといえる立ち振る舞いだった。
裁判の初めから今の今まで広場にゆっくりと陣取り、そして終始一言も発することなくただゆっくりしていた。
そして証言台に呼ばれると、実にゆっくりとした動作でその場所へと向かうのであったが、
そのゆっくりとした動作のなんと堂々としたことか。
れいむの表情、態度は自身に満ち溢れており、いささかの動揺も見られない。
周りのゆっくりたちの無遠慮な視線にもまるで意に介さず、逆にこれこそが真のゆっくりだ!と見せつけるかのように悠然と広場を練り歩き、
邪な視線を逸らさせるほどである。
まさに威風堂々、ゆっくりの中のゆっくりといえる立ち振る舞いだった。
「さて、ではれいむ、これからあなたには証言をお願いしたいのですがその前に……」
証言台へと立ったれいむを見下ろしながらえいきは、少々呆れたように言った。
「なんですか、その隣にいる子れいむは、私はれいむ一匹だけを証言台に呼んだんですよ」
そう、れいむの隣には、子ゆっくりが一緒になってくっついていたのだ。
「ゆふん!なにいってるの!れいむとおちびちゃんは、いっしんどうたいだよ!
はなれることなんてできるわけないでしょ!
そうだよね!おちびちゃん!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
「……まあ、いいでしょう。
ただし、発言はれいむのみがするように!わかりましたね!」
「あたりまえだよ!さっさとしてね!」
「ふぅ!では他の者と同じように、事件のことを初めから詳しく話してください。
わかっていると思いますが、私には嘘はつけません。
真実のみを語るように」
「ふん!そんなこといわれなくても、れいむ、いままでうそをついたことなんていちどもないよ!
それじゃあはじめるね!あれはそう、とつぜんのできごとだったよ……」
はなれることなんてできるわけないでしょ!
そうだよね!おちびちゃん!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
「……まあ、いいでしょう。
ただし、発言はれいむのみがするように!わかりましたね!」
「あたりまえだよ!さっさとしてね!」
「ふぅ!では他の者と同じように、事件のことを初めから詳しく話してください。
わかっていると思いますが、私には嘘はつけません。
真実のみを語るように」
「ふん!そんなこといわれなくても、れいむ、いままでうそをついたことなんていちどもないよ!
それじゃあはじめるね!あれはそう、とつぜんのできごとだったよ……」
れいむは語った。
ある日おうちゆっくりしていたら、突然容疑者であるまりさがやってきてレイプされたこと。
そのまりさがおちびちゃんを食料で売れ、と奴隷売買を持ちかけてきたこと。
れいむは勇気を出して広場の皆にこの事実を告発したこと。
その後長ぱちゅりーが見当違いの理由から容疑者まりさを追放系にしようとしていることを知って、
幹部みょん幹部ちぇんとともに、まりさをおちびちゃんのために働かせる法を提案したことなどを語った。
ある日おうちゆっくりしていたら、突然容疑者であるまりさがやってきてレイプされたこと。
そのまりさがおちびちゃんを食料で売れ、と奴隷売買を持ちかけてきたこと。
れいむは勇気を出して広場の皆にこの事実を告発したこと。
その後長ぱちゅりーが見当違いの理由から容疑者まりさを追放系にしようとしていることを知って、
幹部みょん幹部ちぇんとともに、まりさをおちびちゃんのために働かせる法を提案したことなどを語った。
「ゆゆ!きいてのとおり、れいむはかんぜんなひがいゆだよ!
わるいのはぜんぶまりさとおさぱちゅりー、ついでにかんぶにひきなんだよ!
ゆっくりりかいしてね!」
「「「「……………」」」」
わるいのはぜんぶまりさとおさぱちゅりー、ついでにかんぶにひきなんだよ!
ゆっくりりかいしてね!」
「「「「……………」」」」
れいむの証言後、広場はシンと静まり返っていた。
皆固唾を飲んでえいきの白黒判定を待っている。
やがて黙っていたえいきは宣言するように言った。
皆固唾を飲んでえいきの白黒判定を待っている。
やがて黙っていたえいきは宣言するように言った。
「今のれいむの証言ですが……黒!
嘘ですね!」
「「「「!!!!」」」」
嘘ですね!」
「「「「!!!!」」」」
えいきが下した判定は黒だった。
そりゃそうである。
れいむの語った内容は、今までのまりさ、長ぱちゅりー、幹部みょんちぇんの証言と大きく矛盾する。
つまりはどちらかの主張が嘘だとうことなのであるが、まりさたちの証言はすでにえいきが白という判断を下している。
必然、今語られたれいむの内容は黒だということになるのだ。
そりゃそうである。
れいむの語った内容は、今までのまりさ、長ぱちゅりー、幹部みょんちぇんの証言と大きく矛盾する。
つまりはどちらかの主張が嘘だとうことなのであるが、まりさたちの証言はすでにえいきが白という判断を下している。
必然、今語られたれいむの内容は黒だということになるのだ。
ざわ…ざわ…
「やっぱり、れいむがげすじゃないか!」
「みょんたちをだましてたみょんね!」
「ゆるせないよ!」
「ゆゆ!はやまっちゃいけないのぜ!
さっきのおさのときみたいに、じけんとはちょくせつかんけいのないところで、うそをついているだけかもしれないのぜ!」
「そうよ!そうよ!あんなにゆっくりとしたれいむが、はんざいゆなわけないわ!
まりさよ!まりさがすべてわるいのよ!だからさっさと、れい……じゃない、せいっさいさせなさい!」
「静粛に!静粛に!」
「みょんたちをだましてたみょんね!」
「ゆるせないよ!」
「ゆゆ!はやまっちゃいけないのぜ!
さっきのおさのときみたいに、じけんとはちょくせつかんけいのないところで、うそをついているだけかもしれないのぜ!」
「そうよ!そうよ!あんなにゆっくりとしたれいむが、はんざいゆなわけないわ!
まりさよ!まりさがすべてわるいのよ!だからさっさと、れい……じゃない、せいっさいさせなさい!」
「静粛に!静粛に!」
混乱する広場にえいきの声が響き渡る。
「今の証言の真偽を正確に確かめるために、
れいむ、今からあなたにいくつか質問をします。
それに対して正直に応えるように」
「ゆゆぅ!めんどくさいねぇ!さっさとしてね!」
れいむ、今からあなたにいくつか質問をします。
それに対して正直に応えるように」
「ゆゆぅ!めんどくさいねぇ!さっさとしてね!」
「まずはじめにまりさがれいむをレイプしたというのは本当のことですか?」
「そうだよ!れいむはれいぷされたんだよ!
れいむがあまりにもゆっくりしすぎてるからがまんできなくなったんだね!
まったくまりさはさいていのげすだよ!」
「……黒!嘘ですね」
「そうだよ!れいむはれいぷされたんだよ!
れいむがあまりにもゆっくりしすぎてるからがまんできなくなったんだね!
まったくまりさはさいていのげすだよ!」
「……黒!嘘ですね」
「ではまりさがおちびちゃんを食料で売れと、無理やり迫ったという話はどうでしょうか。
まりさのはなしでは、その件に関して二匹の間ではしっかりとした同意があり、決して無理強いしたわけではないと言う話ですが」
「ちがうよ!れいむはあのげすまりさにいったよ!そんなことできないってね!
おちびちゃんはぜったいにわたさないってね!
どういなんて、そんなものあるわけないでしょ!ばかにしないでね!」
「……黒!嘘ですね」
まりさのはなしでは、その件に関して二匹の間ではしっかりとした同意があり、決して無理強いしたわけではないと言う話ですが」
「ちがうよ!れいむはあのげすまりさにいったよ!そんなことできないってね!
おちびちゃんはぜったいにわたさないってね!
どういなんて、そんなものあるわけないでしょ!ばかにしないでね!」
「……黒!嘘ですね」
「次にあなたは広場にて大勢のゆっくりの前で、まりさとの関係を暴露しています。
まりさの証言ではこの行為によってハメられ、犯罪ゆの汚名を着せられたと証言していますが、
これにはそういった意図があったのですか?」
「ゆはぁ?ばかじゃないの!そんなわけないでしょ!
れいむはただ、むれのみんなにたすけをもとめただけだよ!
れいむのゆうっきあるこくはくが、まりさのあくぎょうをうちくだいたんだよ!」
「……黒!嘘ですね」
まりさの証言ではこの行為によってハメられ、犯罪ゆの汚名を着せられたと証言していますが、
これにはそういった意図があったのですか?」
「ゆはぁ?ばかじゃないの!そんなわけないでしょ!
れいむはただ、むれのみんなにたすけをもとめただけだよ!
れいむのゆうっきあるこくはくが、まりさのあくぎょうをうちくだいたんだよ!」
「……黒!嘘ですね」
「まりさが捕まった後、あなたは、長ぱちゅりーのおうちへ行き、まりさを自分のために強制労働させる刑を執行するように迫った。
しかし、すでに長ぱちゅりーがまりさを追放刑にすること知ってあなたは激怒した。
それはあなたの目的の一つは、まりさを奴隷化することだったからですか?」
「そんなわけないでしょ!すべてはおちびちゃんのためだよ!
どれいなんて、れいむはどっかのだれかとちがって、そんなあさましいことかんがえたこともないよ!」
「……黒!嘘ですね」
しかし、すでに長ぱちゅりーがまりさを追放刑にすること知ってあなたは激怒した。
それはあなたの目的の一つは、まりさを奴隷化することだったからですか?」
「そんなわけないでしょ!すべてはおちびちゃんのためだよ!
どれいなんて、れいむはどっかのだれかとちがって、そんなあさましいことかんがえたこともないよ!」
「……黒!嘘ですね」
「あなたは長ぱちゅりーの計画を阻止するため、幹部みょん幹部ちぇんを抱き込み抵抗運動を起こすことにした。
ところが幹部みょん幹部ちぇんの話によると、現時点で二匹が長に逆らってまで相対するメリットは少ないということで、はじめ二匹はあなたへの協力を拒んだそうですね。
しかしあなたはそこで今までの自分の悪行を暴露し、自分に協力しなければこれを群れのみんなにばらすと脅した、という話ですが本当ですか?」
「はぁ?なにいってるの!
そんなことあるわけないでしょ!
あのにひきはれいむがたのむと、こころよくおうじてくれたよ!
でもいまかんがえるとそれは、れいむをりようしてにんきになっておさになるのがもくてきだったんだね!
まったくとんでもないげすだよ!」
「……黒!嘘ですね」
ところが幹部みょん幹部ちぇんの話によると、現時点で二匹が長に逆らってまで相対するメリットは少ないということで、はじめ二匹はあなたへの協力を拒んだそうですね。
しかしあなたはそこで今までの自分の悪行を暴露し、自分に協力しなければこれを群れのみんなにばらすと脅した、という話ですが本当ですか?」
「はぁ?なにいってるの!
そんなことあるわけないでしょ!
あのにひきはれいむがたのむと、こころよくおうじてくれたよ!
でもいまかんがえるとそれは、れいむをりようしてにんきになっておさになるのがもくてきだったんだね!
まったくとんでもないげすだよ!」
「……黒!嘘ですね」
「長ぱちゅりーの推測によるとあなたの最終的な狙いは、この一連の事件を利用してこの群れを意のままに支配することだとか。
そういった意図があなたにはありますか?」
「とんでもないことだよ!れいむがそんなだいそれたことかんがえてるはずないでしょ!
いいかげんにしてね!じゃないとおんこうなれいむも、そろそろおこるよ!」
「……黒!嘘ですね」
そういった意図があなたにはありますか?」
「とんでもないことだよ!れいむがそんなだいそれたことかんがえてるはずないでしょ!
いいかげんにしてね!じゃないとおんこうなれいむも、そろそろおこるよ!」
「……黒!嘘ですね」
ざわ…ざわ…
「ねぇ、ちょっと……これって……もしかして」
「ゆゆ!まさか……ぜんぶ?」
「あっ、ありえないんだぜ!こんなばかな!」
「やべえよ…やべえよ…」
「ゆゆ!まさか……ぜんぶ?」
「あっ、ありえないんだぜ!こんなばかな!」
「やべえよ…やべえよ…」
えいきとれいむの問答を聞いていた群れのゆっくりたちの間に、何か異常ともいえる雰囲気が漂い始める。
今までのまりさ、長ぱちゅりー、幹部みょんちぇんの証言の流れから、この場にいるゆっくりたちは、さすがにれいむが完全に潔癖だと考えてるゆっくりは流石に少数派だった。
だが、まさかれいむの証言すべてが嘘だったとは思いもよらなかったのだ。れいむがその腹の中の餡子のように真っ黒だったとは。
信じられない、こんな……こんな恥知らずな……ゲスゆっくりがこの群れにいたなんて……。
しかもそれが、今まで皆がヒーローとあがめていたあのれいむだったなんて。
今までのまりさ、長ぱちゅりー、幹部みょんちぇんの証言の流れから、この場にいるゆっくりたちは、さすがにれいむが完全に潔癖だと考えてるゆっくりは流石に少数派だった。
だが、まさかれいむの証言すべてが嘘だったとは思いもよらなかったのだ。れいむがその腹の中の餡子のように真っ黒だったとは。
信じられない、こんな……こんな恥知らずな……ゲスゆっくりがこの群れにいたなんて……。
しかもそれが、今まで皆がヒーローとあがめていたあのれいむだったなんて。
動揺が群れ全体を包み、しかしそれは当然の帰着として何かある一つの結論、
つまり諸悪の根源が誰かということを明確に認識し、それが全体に共有されようとしていたまさにそのとき、
つまり諸悪の根源が誰かということを明確に認識し、それが全体に共有されようとしていたまさにそのとき、
「みんなきいてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
突然のれいむの大声がゆっくりたちの思考を遮った。
「むっ、証言ゆは勝手な発言をし……」
「こいつにだまされちゃだめだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「こいつにだまされちゃだめだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
注意をしようとしたえいきの声を振り切るようにして、れいむは大声で続ける。
そう、あのれいむがこのまま終わるはずもなかったのだ。
そう、あのれいむがこのまま終わるはずもなかったのだ。
「ゆう!」
この時、容疑者まりさは奇妙なデジャブを感じたという。
過去に自分が貶められたときと同じような気配を敏感に察知したのだ。
過去に自分が貶められたときと同じような気配を敏感に察知したのだ。
「むきゅきゅ!」
この時、長ぱちゅりーは確かな流れの変化を感じたという。
ついに始まったのだ!れいむの反撃が!長ぱちゅりーはこれから起きることを見逃すまいと一層気を引き締めた。
ついに始まったのだ!れいむの反撃が!長ぱちゅりーはこれから起きることを見逃すまいと一層気を引き締めた。
「みょん!」
「わからないよー!」
「わからないよー!」
この時、幹部みょんちぇんは何も考えてなかったという。
周りにいる他のゆっくりたちと同じようにただオロオロしているだけだった。
周りにいる他のゆっくりたちと同じようにただオロオロしているだけだった。
「みんなれいせいになって、よーくかんがえてみてねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!
こいつとれいむのどっちがゆっくりできるかぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「ゆゆ?」
「ゆっくり?」
「ゆう?」
こいつとれいむのどっちがゆっくりできるかぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「ゆゆ?」
「ゆっくり?」
「ゆう?」
れいむの言葉に反応を示す群れのゆっくりたち。
ゆっくりはとにかく『ゆっくり』という単語には反応してしまう、それがゆっくりとしての性だからだ。
またその時のれいむの言葉は無視できない程の迫力があり、さらにこんな状況から一体何を言い出すかという興味、関心もあっただろう。
ゆえに、知らず知らずのうちに、れいむの声にすべてのゆっくりが耳を傾けざるを得ない状況が完成していたのだ。
その意味でれいむが声を上げたのは、これ以上ないほど絶妙なタイミングだったといえる。
ゆっくりはとにかく『ゆっくり』という単語には反応してしまう、それがゆっくりとしての性だからだ。
またその時のれいむの言葉は無視できない程の迫力があり、さらにこんな状況から一体何を言い出すかという興味、関心もあっただろう。
ゆえに、知らず知らずのうちに、れいむの声にすべてのゆっくりが耳を傾けざるを得ない状況が完成していたのだ。
その意味でれいむが声を上げたのは、これ以上ないほど絶妙なタイミングだったといえる。
「ちっ!」
だが、この事態に苛立たしげに舌打ちしたゆっくりがいた。
ゆっくりこまちである。
こまちはチラリと目線を動かし指示を仰ぐようにえいきを見た。
それに気づいたえいきは黙って首を振る。
手を出すな、とりあえずはやらせておけ、ということだろう。
ゆっくりこまちである。
こまちはチラリと目線を動かし指示を仰ぐようにえいきを見た。
それに気づいたえいきは黙って首を振る。
手を出すな、とりあえずはやらせておけ、ということだろう。
「そりゃそうか、しかたないねぇ」
口の中で小さく呟くこまち。
こまちの力をもってすれば、今ここでれいむを暴力で沈黙させることは容易いことである。
だがそれは上手くない選択肢だ、裁判の場での暴力はまずい。
たとえそれが、発言権のないれいむの暴走鎮圧という大義名分だったとしてもだ。
言葉に対して暴力での解決を実行してしまったら、それはたとえ勝っても負けである。
こまちの力をもってすれば、今ここでれいむを暴力で沈黙させることは容易いことである。
だがそれは上手くない選択肢だ、裁判の場での暴力はまずい。
たとえそれが、発言権のないれいむの暴走鎮圧という大義名分だったとしてもだ。
言葉に対して暴力での解決を実行してしまったら、それはたとえ勝っても負けである。
……いや、違う。
そうだった、勝ち負けなどないのだった。
自分の上司のえいきならばきっとそう言うはずだ。
感情的になってはいけない、奴らと同じ目線ではいけない。
自分は裁く側なのだから。
とにかく今はただ待つしかない。
このゲスれいむのたわごとが終わるのを。
そうだった、勝ち負けなどないのだった。
自分の上司のえいきならばきっとそう言うはずだ。
感情的になってはいけない、奴らと同じ目線ではいけない。
自分は裁く側なのだから。
とにかく今はただ待つしかない。
このゲスれいむのたわごとが終わるのを。
「さあさあみんな、げんじつをしっかりとみてねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!
そうだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!ゆっくりだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
れいむと、あのえいきとかいうやつと、どっちがゆっくりしてるのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
とうぜん、それはれいむでしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
それだけじゃないよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
あのげすまりさ、げろぱちゅりー、くずみょんにちぇん!
そのだれとくらべてもれいむのほうがゆっくりしてるよねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
「ゆっ、ゆう」
「それは…そうかもしれないけど…」
そうだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!ゆっくりだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
れいむと、あのえいきとかいうやつと、どっちがゆっくりしてるのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
とうぜん、それはれいむでしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
それだけじゃないよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
あのげすまりさ、げろぱちゅりー、くずみょんにちぇん!
そのだれとくらべてもれいむのほうがゆっくりしてるよねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
「ゆっ、ゆう」
「それは…そうかもしれないけど…」
れいむの言葉にためらいがちに小さく頷く何匹かの群れゆっくり。
「それなのに、どーしてみんなあんなゆっくりできないれんちゅうのいうことをしんじるのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
おかしいでしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
おかしいよねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
おかしいでしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
おかしいよねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
ざわ…ざわ…
少しずつ……何かが変わりつつあった。
少しずつ……何かが変わりつつあった。
「むぎゅぎゅ!」
長ぱちゅりー思わず唸っていた。
これだ、これこそがあのゲスれいむのやっかいなところなのだ。
場を掴み集団を扇動し、自身の意のままに操る天分。
決して自分より賢いわけでも、まりさよりも強いわけでもないれいむが、自分らよりも優位に立てる訳がこれだ。
まりさも、そして自分もこの能力にやられたのだ。
そしてまずいことに、このままではえいきもやられる。
皆、れいむの言葉に動かされはじめている。
最後の砦であるえいきがやられてしまったらこの群れは終わりだ!
そう思った瞬間、長ぱちゅりーは声を発していた。
これだ、これこそがあのゲスれいむのやっかいなところなのだ。
場を掴み集団を扇動し、自身の意のままに操る天分。
決して自分より賢いわけでも、まりさよりも強いわけでもないれいむが、自分らよりも優位に立てる訳がこれだ。
まりさも、そして自分もこの能力にやられたのだ。
そしてまずいことに、このままではえいきもやられる。
皆、れいむの言葉に動かされはじめている。
最後の砦であるえいきがやられてしまったらこの群れは終わりだ!
そう思った瞬間、長ぱちゅりーは声を発していた。
「むきゅ!だまりなさいれいむ!
ぱちぇやまりさ、それにみょんちぇんはえいきのはんていで、しろとでているわ!
それにたいして、あなたはまっくろ!
いまさらなにをいったところで、だれもききはしないわ!」
ぱちぇやまりさ、それにみょんちぇんはえいきのはんていで、しろとでているわ!
それにたいして、あなたはまっくろ!
いまさらなにをいったところで、だれもききはしないわ!」
自分らの話の真偽はすでに証明されている。
長ぱちゅりーはそう指摘したのだ。
だがそれは余計な一言だった。
というか、そう反論されることこそが、れいむの狙いだったのだ。
長ぱちゅりーはそう指摘したのだ。
だがそれは余計な一言だった。
というか、そう反論されることこそが、れいむの狙いだったのだ。
「それがおかしいって、いってるんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
かみだかなんだかしらないけれど、きのうやってきたばかりの、そんなゆっくりできない、ゆっくりのことをしんようするのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
しろぉ?くろぉ?そんなの、こいつがかってにいってるだけでしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
なんのしょうめいにもならないんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「くっ!そっ、そんなこと!」
かみだかなんだかしらないけれど、きのうやってきたばかりの、そんなゆっくりできない、ゆっくりのことをしんようするのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
しろぉ?くろぉ?そんなの、こいつがかってにいってるだけでしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
なんのしょうめいにもならないんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
「くっ!そっ、そんなこと!」
えいきは信用できない。
思ってもみなかったことを指摘され、たじろぐ長ぱちゅりー。
思ってもみなかったことを指摘され、たじろぐ長ぱちゅりー。
「たっ、たしかにえいきがほんとうのことをいっているという、しょうこはないよ!」
「ゆええ!なにいってるのぉ!えいきはかみなんだよ!えらいんだよ!そんなこといっちゃだめでしょお!」
「ゆへへへ!それがどうしたっていうのぜ!かみだからただしとはかぎらないのぜ!」
「そうよ!そうよ!だいたいうそがわかるなんて、ほんとかしら!いなかものならだませても、このとかいはなありすはだませないわよ!」
「い、いやさすがにそれをうたがうのはどうなんだろう?」
「ゆええ!なにいってるのぉ!えいきはかみなんだよ!えらいんだよ!そんなこといっちゃだめでしょお!」
「ゆへへへ!それがどうしたっていうのぜ!かみだからただしとはかぎらないのぜ!」
「そうよ!そうよ!だいたいうそがわかるなんて、ほんとかしら!いなかものならだませても、このとかいはなありすはだませないわよ!」
「い、いやさすがにそれをうたがうのはどうなんだろう?」
長ぱちゅりーの不用意な一言により、動揺が群れ全体へと伝播していく。
だがそれも無理ないことだ。
えいきが言っていることが信用できない。
それはあながち的外れな指摘でもないのだ。
そう、それにはえいきの能力に理由があった。
だがそれも無理ないことだ。
えいきが言っていることが信用できない。
それはあながち的外れな指摘でもないのだ。
そう、それにはえいきの能力に理由があった。
まずえいきのゆっくりの能力であるが、これは何度も説明した通りゆっくりの話の真偽を白黒つけることであり、その精度は言うまでもなく100%である。
裁判という場においてこれは一見すると非常に強力な能力に思えるが、しかしそこはいくら神とはいえゆっくり、実はいくつも欠点が存在する。
裁判という場においてこれは一見すると非常に強力な能力に思えるが、しかしそこはいくら神とはいえゆっくり、実はいくつも欠点が存在する。
その欠点の一つ目は、まりさやれいむの証言でも問題になったように、証言に嘘があることがわかっても、いったいどの部分が嘘なのかまではわからないということである。
話すべてが嘘なのか、それとも細かい一部分だけが嘘なのか、その微妙な判定が求められるわけだ。
話すべてが嘘なのか、それとも細かい一部分だけが嘘なのか、その微妙な判定が求められるわけだ。
次に二つ目は、ぱちゅりーの証言で問題になったように、証言をした本人が本当のことを言っていたとしても、イコールでそれが真実とは限らないケースが存在していることだ。
これは結構深刻な問題で、ちょっとした見間違いや勘違いが白として通ってしまうことがままあり、
白だからといって、証言をそのままうのみにしない慎重さが求められるのである。
これは結構深刻な問題で、ちょっとした見間違いや勘違いが白として通ってしまうことがままあり、
白だからといって、証言をそのままうのみにしない慎重さが求められるのである。
さらに三つ目は幹部みょんちぇんの証言の時に問題になりかけたように、相手が黙ってしまうと事実上打つ手がないということだ。
ひたすらに沈黙を続ける相手に対しては白も黒もないわけで、とにかくしゃべってもらわないことにはこの能力は役に立たないのである。
まあ喋らないということは、そこに何かやましいことがあるわけで、そこを突けば大抵事態は打開できるのだが、
これが致命的欠点であることには変わりないのである。
ひたすらに沈黙を続ける相手に対しては白も黒もないわけで、とにかくしゃべってもらわないことにはこの能力は役に立たないのである。
まあ喋らないということは、そこに何かやましいことがあるわけで、そこを突けば大抵事態は打開できるのだが、
これが致命的欠点であることには変わりないのである。
そして最後に四つ目。
おそらくこれがこの能力の一番の欠点であろう。
それはまさに今起こっていること。
つまり、この能力が本当に能力と成立しているかが、第三者からは判別不可能なことである。
何度も繰り返すようだがこの白黒つける能力の精度は100%であり、また裁判においてえいきが嘘をつくことは、それこそ絶対にありえないのだが、
しかしそんなことは外からただ見ているだけのゆっくりたちからすれば全く知りえない情報なのである。
一度こいつは嘘を言ってるんじゃないかと疑われてしまうと、それを証明する手立てはない。
いくら神のごとく存在と言っても、信頼と言うものは容易く得られるものではない。
ましてや昨日今日群れにやってきたばかりの、えいきやこまちといった胡散臭い連中ならばそれもなおさららである。
おそらくこれがこの能力の一番の欠点であろう。
それはまさに今起こっていること。
つまり、この能力が本当に能力と成立しているかが、第三者からは判別不可能なことである。
何度も繰り返すようだがこの白黒つける能力の精度は100%であり、また裁判においてえいきが嘘をつくことは、それこそ絶対にありえないのだが、
しかしそんなことは外からただ見ているだけのゆっくりたちからすれば全く知りえない情報なのである。
一度こいつは嘘を言ってるんじゃないかと疑われてしまうと、それを証明する手立てはない。
いくら神のごとく存在と言っても、信頼と言うものは容易く得られるものではない。
ましてや昨日今日群れにやってきたばかりの、えいきやこまちといった胡散臭い連中ならばそれもなおさららである。
「えっ、えいきがうそをつくひつようなんてないわ!
だってえいきは、れいむ、あんたとちがって、うそをついてとくなことなんて、なにもないんだから!
そうよ!えいきはうそをつくりゆうがないわ!」
だってえいきは、れいむ、あんたとちがって、うそをついてとくなことなんて、なにもないんだから!
そうよ!えいきはうそをつくりゆうがないわ!」
このままではまずいと思ったのか、苦し紛れに反論する長ぱちゅりー。
その後ろから『事態が悪くなる一方だからお前ちょっと黙ってろよ』という視線をこまちが投げかけていたのだが、興奮した長ぱちゅりーがそれに気づくはずもなかった。
そして、やはりまたこの反論も逆効果だった。
その後ろから『事態が悪くなる一方だからお前ちょっと黙ってろよ』という視線をこまちが投げかけていたのだが、興奮した長ぱちゅりーがそれに気づくはずもなかった。
そして、やはりまたこの反論も逆効果だった。
「うそをつくりゆうがないなんて、どのくちがそれをいうのぉぉぉぉぉぉぉ!
わすれたとはいわせないよぉぉぉぉぉぉぉ!
あのえいきをむれによんだのはだれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!
ぱちゅりーでしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
えいきはねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!
ぱちゅりーとくんで、れいむをおとしいれようとしてるんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
わすれたとはいわせないよぉぉぉぉぉぉぉ!
あのえいきをむれによんだのはだれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!
ぱちゅりーでしょぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
えいきはねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!
ぱちゅりーとくんで、れいむをおとしいれようとしてるんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
ざわわ!
瞬間、群れのゆっくりたちは大いにざわめいた。
瞬間、群れのゆっくりたちは大いにざわめいた。
「ゆへへ!なるほど!たしかにそうかんがえると、つじつまがあうのぜ!」
「いや、いくらなんでもそれはおかしいって!」
「いいえ!てんとせんが、とかいはにつながったわね!ありすは、はじめからそんなことじゃないかとおもっていたわ!」
「えいきは、おさとくんで、れいむをおとしいれようとしていたってこと?」
「とっ、とんでもないげすだみょん!」
「わからない!ほんとにわからないよー!」
「いや、いくらなんでもそれはおかしいって!」
「いいえ!てんとせんが、とかいはにつながったわね!ありすは、はじめからそんなことじゃないかとおもっていたわ!」
「えいきは、おさとくんで、れいむをおとしいれようとしていたってこと?」
「とっ、とんでもないげすだみょん!」
「わからない!ほんとにわからないよー!」
数々の憶測がゆっくりたちの間に飛び交っていく。
そしてその内容は明らかにれいむを支持し、えいきを非難するものが多数派になりつつあった。
そしてその内容は明らかにれいむを支持し、えいきを非難するものが多数派になりつつあった。
「むきゅ!むぎゅぎゅぎゅぎゅ!」
長ぱちゅりーは苦しそうなうめき声を上げた。
まずい、この流れは非常にまずい。
何か言わなければならない。
しかし何も思いつかない。
どうにもできないのだ。
そして、そんなふうに長ぱちゅりーがまごついている間にれいむの演説は佳境をむかえていた。
まずい、この流れは非常にまずい。
何か言わなければならない。
しかし何も思いつかない。
どうにもできないのだ。
そして、そんなふうに長ぱちゅりーがまごついている間にれいむの演説は佳境をむかえていた。
「みんなおもいだしてねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!
これは、かんがえるまでもないことなんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
れいむのいっていることと、あいつらのいっていること、
どっちがゆっくりできるのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
ここすうじつ、みんながゆっくりできたはなしはどっちだったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
ゆっくりできるほうが、しんじつなんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
さぁみんな!かんじるんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
ゆっくりぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
それがただしいことなんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
それがせいぎなんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
そうだよねぇ!おちびちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
「「「「!!!!」」」」
これは、かんがえるまでもないことなんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
れいむのいっていることと、あいつらのいっていること、
どっちがゆっくりできるのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
ここすうじつ、みんながゆっくりできたはなしはどっちだったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
ゆっくりできるほうが、しんじつなんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
さぁみんな!かんじるんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
ゆっくりぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
それがただしいことなんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!
それがせいぎなんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
そうだよねぇ!おちびちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
「「「「!!!!」」」」
その瞬間……全てのゆっくりは水を打ったように静まり返り、広場には一陣の風が吹き抜けた。
それは、例えればまるで何かの映画の一場面を切り取った様だった。
れいむの全身全霊をかけた魂の叫び、そしてそれに無邪気に応えた穢れのない無垢なる象徴である子れいむ。
追い詰められた危機的状況からの大逆転というシチュエーション。
群れの長と神を名乗るえいきとの癒着という政治的腐敗と、その権力構造を打ち破る正義という構図。
舞台効果としてこれ以上ないくらい完璧だった。
これ以上ないくらい完璧なゆっくりだった。
それは、例えればまるで何かの映画の一場面を切り取った様だった。
れいむの全身全霊をかけた魂の叫び、そしてそれに無邪気に応えた穢れのない無垢なる象徴である子れいむ。
追い詰められた危機的状況からの大逆転というシチュエーション。
群れの長と神を名乗るえいきとの癒着という政治的腐敗と、その権力構造を打ち破る正義という構図。
舞台効果としてこれ以上ないくらい完璧だった。
これ以上ないくらい完璧なゆっくりだった。
そして……。
「ゆっくり?」
「ゆっ…くり!」
「ゆっくりだよ!」
「ゆっくりだぜ!」
「そうだ!ゆっくりだ!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
「「「「ゆーっくり!ゆーっくり!ゆーっくり!ゆーっくり!ゆーっくり!ゆーっくり!ゆーっくり!ゆーっくり!ゆーっくり!」」」」
「ゆっ…くり!」
「ゆっくりだよ!」
「ゆっくりだぜ!」
「そうだ!ゆっくりだ!」
「ゆっくり!ゆっくりー!」
「「「「ゆーっくり!ゆーっくり!ゆーっくり!ゆーっくり!ゆーっくり!ゆーっくり!ゆーっくり!ゆーっくり!ゆーっくり!」」」」
ゆっくりの大歓声が広場を包み込んだ。
みな口々にゆっくりを口ずさみ、その正しさ、素晴らしさを噛みしめていた。
そうだ!そうだった!
自分たちは大切なことを忘れていた。
裁判だ証言だなどの、そんなくだらなく空疎なものに騙され、本当に大切なことを見失うところだった。
悪者たちの口車に、まんまとのせられるところだったのだ。
自分たちはいつからこんなふうになってしまったのだろうか?
真実はとても簡単なことだったというのに。
ゆっくりだ!ゆっくりこそが正しいのだ。
つまりは、れいむこそが正しいのだ!
みな口々にゆっくりを口ずさみ、その正しさ、素晴らしさを噛みしめていた。
そうだ!そうだった!
自分たちは大切なことを忘れていた。
裁判だ証言だなどの、そんなくだらなく空疎なものに騙され、本当に大切なことを見失うところだった。
悪者たちの口車に、まんまとのせられるところだったのだ。
自分たちはいつからこんなふうになってしまったのだろうか?
真実はとても簡単なことだったというのに。
ゆっくりだ!ゆっくりこそが正しいのだ。
つまりは、れいむこそが正しいのだ!
「ゆおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
ゆっくりいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
ゆっくりいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」
興奮する広場の中央で、れいむは雄叫びを上げていた。
勝った!
最早勝負は決まった。
自分の完全勝利である!
見よ、この広場のゆっくりたちを!
だれもかれもがゆっくりしており、自分を称えている。
今、この場は完全に自分が支配した。
誰も逆らうことなどできはしない。
つまりは、れいむこそが正義であり真実でありゆっくりであるのだ。
勝った!
最早勝負は決まった。
自分の完全勝利である!
見よ、この広場のゆっくりたちを!
だれもかれもがゆっくりしており、自分を称えている。
今、この場は完全に自分が支配した。
誰も逆らうことなどできはしない。
つまりは、れいむこそが正義であり真実でありゆっくりであるのだ。
れいむはこうなることは始めからわかっていた。
自分はは、世界一ゆっくりしているゆっくりなのだから。
わかっていたが、実際に直面してみれば、それはそれで感無量である。
群れ中から優秀だと言われていたまりさ、実際の長であるぱちゅりー、そしてついには神を名乗るえいきですら、
れいむのゆっくりの前ではひれ伏すことになったのだ。
そしてこれからだ!
この群れを中心としたれいむのゆっくり伝説はこれから始まるのだ!
自分はは、世界一ゆっくりしているゆっくりなのだから。
わかっていたが、実際に直面してみれば、それはそれで感無量である。
群れ中から優秀だと言われていたまりさ、実際の長であるぱちゅりー、そしてついには神を名乗るえいきですら、
れいむのゆっくりの前ではひれ伏すことになったのだ。
そしてこれからだ!
この群れを中心としたれいむのゆっくり伝説はこれから始まるのだ!
「ゆぁぁぁぁぁぁ!」
容疑者まりさは気の抜けた、絞り出すような声を出していた。
隣にいるつがいのありすもまた放心したような表情で呆けている。
何が何だかわからない。
どうしてこうなってしまったのか、いったいなぜこんなことになってしまったのか……。
ただ一つ確かなことは、最早自分はぜったいに助からなという絶望だけだった。
隣にいるつがいのありすもまた放心したような表情で呆けている。
何が何だかわからない。
どうしてこうなってしまったのか、いったいなぜこんなことになってしまったのか……。
ただ一つ確かなことは、最早自分はぜったいに助からなという絶望だけだった。
「むぎゅ、ゆぐえぇうっく!」
長ぱちゅりーは泣いていた。
終わった、すべては終わってしまった。
もうこんなのどうしようもないではないか。
終わった、すべては終わってしまった。
もうこんなのどうしようもないではないか。
なぜこんな事になってしまったのだろうか。
はじめはこちら側が優位なはずだったのだ。
えいきの白黒つける能力で、当事者から事情を聞いていき、最初から丁寧に事件を追っていく。
やがてれいむに不信感が募っていき、最後のれいむの証言で事件の真相が明らかになる。
それが長ぱちゅりーが想定していた裁判の内容だった。
はじめはこちら側が優位なはずだったのだ。
えいきの白黒つける能力で、当事者から事情を聞いていき、最初から丁寧に事件を追っていく。
やがてれいむに不信感が募っていき、最後のれいむの証言で事件の真相が明らかになる。
それが長ぱちゅりーが想定していた裁判の内容だった。
そして途中までは、まさにその通りに展開していたはずだった。
だがそれがなぜか、一瞬にしてひっくり返されてしまった。
れいむによる『ゆっくり』の一言によって。
今まで積み重ねてきた理論による事件の真相など、まるでおかまいなしに。
それはつまり、どれだけ道理を説いても、結局のところそんなものは意味がないものだと、現実に突き付けられたようなものである。
正しさなど、真実など、取るに足らない無価値なものだと明確に示されてしまったのだ。
だがそれがなぜか、一瞬にしてひっくり返されてしまった。
れいむによる『ゆっくり』の一言によって。
今まで積み重ねてきた理論による事件の真相など、まるでおかまいなしに。
それはつまり、どれだけ道理を説いても、結局のところそんなものは意味がないものだと、現実に突き付けられたようなものである。
正しさなど、真実など、取るに足らない無価値なものだと明確に示されてしまったのだ。
今の長ぱちゅりーが抱いている感情。
それは例えるなら、人間でいうところの、どれだけ野菜は勝手に生えてこないと丁寧に説明しても、理解しようとしないゆっくりたちを前にしたときの、
あの怒りや虚しさ徒労に近いものがあった。
いや、人間の場合はまだいい。
しょせん相手はゆっくりなのだと、自分たちとは違うのだと諦めもつく。
だが長ぱちゅりーにとって群れのゆっくりたちは同族なのだ。
湧き上がってくる無力感は想像を絶するものがあった。
それは例えるなら、人間でいうところの、どれだけ野菜は勝手に生えてこないと丁寧に説明しても、理解しようとしないゆっくりたちを前にしたときの、
あの怒りや虚しさ徒労に近いものがあった。
いや、人間の場合はまだいい。
しょせん相手はゆっくりなのだと、自分たちとは違うのだと諦めもつく。
だが長ぱちゅりーにとって群れのゆっくりたちは同族なのだ。
湧き上がってくる無力感は想像を絶するものがあった。
長ぱちゅりーはただただ悔しかった。
正しいことが正しいと認めらず、ゆっくりのみが幅を利かせている。
どのような嘘も悪事も、ゆっくりの名の下に正当化されてゆく。
こんな理不尽な話があるだろうか。
正しいことが正しいと認めらず、ゆっくりのみが幅を利かせている。
どのような嘘も悪事も、ゆっくりの名の下に正当化されてゆく。
こんな理不尽な話があるだろうか。
だがもうどうにもできやしない。
きっとこの裁判の後、れいむは群れの実権を握り、自分はゆっくりできないゆっくりとして処刑されるだろう。
そしてその後群れを待っている運命は……。
いや、もういい。
今や、この群れでは考えるという行為は無駄な行いなのだ。
すべてはゆっくりによって決定されるのだから。
結局ゆっくりに全てをゆだねられない自分は、ゆっくりとして欠陥品だったのだろう。
思えば今まで余計な気苦労ばかりしてきた気がする。
ああ、だから群れの長なんてやるもんじゃないんだよ……。
何もかもが虚しかった。
きっとこの裁判の後、れいむは群れの実権を握り、自分はゆっくりできないゆっくりとして処刑されるだろう。
そしてその後群れを待っている運命は……。
いや、もういい。
今や、この群れでは考えるという行為は無駄な行いなのだ。
すべてはゆっくりによって決定されるのだから。
結局ゆっくりに全てをゆだねられない自分は、ゆっくりとして欠陥品だったのだろう。
思えば今まで余計な気苦労ばかりしてきた気がする。
ああ、だから群れの長なんてやるもんじゃないんだよ……。
何もかもが虚しかった。
「ゆっくりだみょん!ゆっくりだみょん!」
「わかるよー!ゆっくりだよー!」
「わかるよー!ゆっくりだよー!」
幹部ちぇん幹部みょんは、まわりのゆっくりに釣られて、わけもわからず興奮していた。
少し考えればれいむが群れの実権を握った後、自分たちが無事なはずがないということぐらい容易に想像できそうなものだが、
二匹の頭にはそれだけの知恵はなかった。
ただ今のこのゆっくりの素晴らしさを噛みしめるのみである。
少し考えればれいむが群れの実権を握った後、自分たちが無事なはずがないということぐらい容易に想像できそうなものだが、
二匹の頭にはそれだけの知恵はなかった。
ただ今のこのゆっくりの素晴らしさを噛みしめるのみである。
「あー、これはもうダメかもわからんね」
こまちは周りのゆっくりたちを見回し、呆れ気味に呟いていた。
ひょっとしたらこの群れは今日で全滅するかもしれない。
これだけいるゆっくりを一匹残らず始末するのは若干面倒だな、とこまちは思っていた。
ひょっとしたらこの群れは今日で全滅するかもしれない。
これだけいるゆっくりを一匹残らず始末するのは若干面倒だな、とこまちは思っていた。
「…………」
そしてえいきは……。
そしてえいきは……。
つづく
次回えいきの一転攻勢が始まる?
ようやく落ち着いてきたんでそこまで時間がかからない……と思います。
ナナシ
ようやく落ち着いてきたんでそこまで時間がかからない……と思います。
ナナシ