ふたば系ゆっくりいじめSS@ WIKIミラー
anko1867 願掛け
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ankoss
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「こんにちは、おにいさん。ゆっくりしていってね!」
「ひさしぶり、ゆっくりしていってね」
俺の顔を見るなり、元気良く挨拶する成体のれいむ。
ここは川の土手にある公園。
このれいむはここに住み着いている野良ゆっくりだ。
「ゆわーい、おにーしゃんなんだじぇー!」
「れーみゅとあしょんでね!」
「おにーしゃん、まりしゃもあそんでほちいよー」
成体れいむに続いて現れたのは、3匹の子ゆっくり。
れいむ種1匹に、まりさ種2匹だ。
別にこの家族はしんぐるまざーではなく、番の成体まりさが居る。
まりさは狩にでも出ているのだろう。
「じゃあ、今日はサッカーでもして遊ぼうか?」
「「「しゃっかー?!」」」
子ゆっくり達は、目を輝かせて俺を見た。
この一家と俺が仲良くなったのは1ヶ月前ほど。
この辺りを散歩している時に、この公園のベンチの下にあるダンボールに住んでいるゆっくり達を見つけたのだ。
始めは当然警戒されたが、俺が食料をやったり、子ゆっくり達と遊んでやっている内に仲良くなっていった。
今ではすっかり警戒心もなく、子ゆっくり達は俺に懐いている。
親まりさにも会った事があるが、どいつも善良で飼いゆっくりにしても良いと思えるほどだ。
「おにーしゃん、しゃっかーってなんなんだじぇ?」
一匹のだじぇまりさが、不思議そうに訪ねる。
俺はバックから、子ゆっくりと同じくらいのサイズのボールを取り出すと、だじぇまりさの目の前にそれを置いた。
「ゆゆ?」
「サッカーってのはな、このボールを蹴ったり………体当たりしたりして転がして運ぶ遊びなんだよ」
蹴るなんて言っても、足のないゆっくりには分かりそうもない事に気が付いた。
ルールも簡単に、俺が持ってきたバックの所までボールを運んできた子ゆっくりが勝ちという事にしておいた。
「じゃあ、早速やってみようか?」
「「「ゆわーい!!」」」
「まりちゃがいちばんなんだじぇー!ぼーるしゃん、ゆっくちころがってねー!!」
「おねーしゃん、まりしゃにもやらせちぇー!」
「れーみゅは、ぼーるしゃんをおいかけるよ!!」
子ゆっくり達は楽しそうに、代わる代わるボールに体当たりをした。
その度にボールは軌道を変えて転がっていく。
実はこのボールも特別性。
子ゆっくりにあわせて、柔らかい物を使っているので怪我の心配もない。
変わりに、ボールの転がる軌道が安定しないのだが、それも子ゆっくり達にとっては大した問題じゃないだろう。
転がるボールを追いかけて、元気に跳ねて行く子ゆっくり達。
それを見て、親れいむも楽しそうにしている。
「まちぇ、まちぇー!ぼーるしゃんまっちぇー!」
「ゆんしょ!…ぼーるしゃん、ゆっくりころがっちぇねー」
「ぼーるしゃんはゆっくちしちぇるねー」
「ゆーん。おちびちゃんたち、あんなにゆっくりしてるよー」
親れいむも子ゆっくり達も幸せいっぱいの笑顔を振りまいて、最高にゆっくり出来ていた。
「ゆーん!ごーるなんだじぇ~♪」
「ゆあーん!れーみゅ、まけちゃったー」
「ゆーん、まりしゃもー」
負けたとは言いつつも、楽しそうな子ゆっくり達。
親れいむもニヤニヤが止まらないといった様子。
親れいむには、子供達が何よりも輝いて見えているに違いない。
このサッカー遊びは、俺流の願掛け。
今年のWカップで我が母国が活躍するようにという意味を込めてゆっくり達と遊んでいるのだ。
暗闇の中で目を覚ました。
目を開けているはずなのに、あたりは真っ暗。
しばらくすると、急に光が差し込んで来た。
一瞬真っ白になる視界。
しばらくすると目に映る物は………
見覚えるのある風景。
見覚えのあるゆっくり達。
だけど、何故?
何故、家族は自分の事に気がつかないのか?
何故、声が出せないのか?
何故、動けないのか?
何故、自分の事をボールと呼ぶのか?
ふと違和感を感じて上を見ると、何時も自分が被っている筈の帽子がない。
そればかりか、自慢の金髪もない。
可愛らしかったお下げも見当たらない。
何故?
何故?
何故?
痛い!
姉が体当たりをしてきた。
ころころ転がっていく自分。
どういう訳か、目を閉じる事が出来ないせいで、草や土が目に入る。
痛い!痛い!痛い!
姉妹達は代わる代わる自分に体当たりをしてくる。
その度に、自分は不規則に転がり傷ついていく。
痛い!痛い!
涙が溢れる。
だが、姉妹達は止める様子がない。
そればかりか、楽しそうにしている。
どうして?
どうしてこんな事するの?
問いかけても、誰も答えてはくれない。
母の方を見て助けを求めようとした。
だが、母も満面の笑みを浮かべるだけで、何もしてはくれない。
どうしてそんなに楽しそうなのか?
自分はこんなに痛い思いをしているのに。
どうしてそんなに笑っていられるのか。
自分をこんな目に合わせておいて。
痛い!
止めて!
ゆっくり出来ない!!
ボールを転がすのに熱中している子ゆっくり達。
もう、俺の事は目に入っていない様子だ。
俺は子ゆっくりを見て微笑んでいる親れいむの元にやって来た。
親れいむも俺の事が目に入っていない様子。
俺はそんな親れいむを、事前にバックから取り出しておいたガムテープで口を塞いだ。
両目をまん丸に見開いて俺を見る親れいむ。
俺はお構いなしに、親れいむをそのままガムテープで包んでいく。
あんよ、りぼん、髪の毛、ピコピコの区別なくガムテープで覆い尽くされていく親れいむ。
抵抗しようにも、声を出そうにも、ガムテープが邪魔をする。
唯一、両目だけはテープで覆わずにしておいている。
そのかわりに、両目が開いたままになる様に、瞼を固定してテープで止める。
こうして、茶色のれいむボールが完成した。
「ゆわーい!こんどはれーみゅのかちだねぇ!」
「ゆーん!おねーしゃんすごい!」
「れーみゅもやるんだじぇ!」
れいむボールが完成するとほぼ同時に、サッカーの決着もついたようだ。
心なしか、ボールが少しぐったりしている様ではあるが、それを見越してのれいむボールなのだ。
「よーし、じゃあ、次はこのボールで遊んでみようか?」
「ゆゆ?!おおきにゃぼーるしゃんだじぇ!」
「ゆわーい!こんどはまりしゃがかちゅんだじぇ!」
そんな子ゆっくり達の様子を見て目を丸くするれいむボール。
子ゆっくり達も、目の前の茶色の塊が自分達の親だとは気がついていないらしい。
「ぼーるしゃん、ゆっくちころがっちぇねー!」
ボールに必死に体当たりをする子まりさ。
子ゆっくり程度の体当たりでダメージがあるのかは知らないが、その様子を泣きながら見つめるれいむボール。
子まりさに続いて、他の子ゆっくりも体当たりを始めるが、ボールは一向に転がる様子を見せない。
「ぼーるしゃん、どうしちぇころがっちぇくれないにょ?」
「ゆえーん!ぼーりゅしゃんがいじわるしゅるよぉぉぉ!!」
「いもうちょをなかせるなんちぇ、げしゅなぼーるしゃんだじぇ!まりちゃがせいしゃいするんだじぇ!」
転がらないれいむボールに泣き出したり、怒り出したりする子ゆっくり達。
おそらく姉であろう子まりさが、木の枝でれいむボールを突付きだし始める。
流石にこれは痛いのか、突付かれるたびに白目を剥いている、れいむボール。
我が子に罵倒され、攻撃されても何も出来ないのを悲しんでいるのか、
それともただ痛いだけなのか、小刻みに震えている。
「苦戦しているようだね。よーし、じゃあお兄さんが転がしてみるよ!」
そういうと俺は、れいむボールを思いっきり蹴り上げた。
鈍い音を上げると、れいむボールは5mほど吹っ飛んで着地すると、そのまま転がっていった。
「ゆぉー!おにーしゃん、しゅごいよー!」
「げしゅなぼーるしゃんがころがっちぇるよぉぉ!!」
「ざまあみろなんだじぇー!げしゅなぼーるしゃんは、まりちゃのつよしゃをおもいしっちぇね!!」
吹っ飛んだれいむボールを見て、子ゆっくり達は大喜び。
当のれいむボールは、着地時に石にでもぶつかったのか、片目が潰れていた。
「ただいまかえったんだぜー!」
声のする方を見てみると、ボールれいむの番にして、この子ゆっくり達の親であるまりさが帰ってきていた。
おそらく、ゴミ漁り当でもして帰ってきたのだろう。
得意そうな顔が狩(笑)の成功を表している。
「ゆゆ?!おにいさん、こんにちはー!」
元気に挨拶をする親まりさ。
こいつも俺には懐いている。
「「「おとーしゃんおかえりなしゃーい!」」」
「ゆゆ!ゆっくりおかえりなさい!」
「ゆーん?れいむはどうしたんだぜ?」
「さあ?どこかでうんうんででも垂れているんじゃないのか?」
「ゆん?そうなんだぜ?で、きょうはどんなことをして、あそんでたんだぜ?」
俺は親まりさにサッカーサッカーの事を話すと、自分もやってみたいと言い出した。
子ゆっくり達が動かせなかったボールが気になるのか、子供達の前で良い格好したいのかは解らないが、
自信たっぷりと言った感じで、未だ痛みに悶えるれいむボールの前までやってきた。
「これがそののぼーるさんなんだぜ?」
そう言うと、ボールを舐め回すように眺める親まりさ。
れいむボールは残された片目で必死に番に助けを求めているかのようだった。
そんなれいむボールの思いとは裏腹に、助走をつけて体当たりをする親まりさ。
「ぼーるさん、ゆっくりはじけとぶんだぜぇぇぇぇ!!」
「?!!!!」
体当たりをされて形を歪に変化させるれいむボール。
全然飛びはしなかったが、潰れた目の方から餡が漏れ出し始める。
「ゆふふ!どうなんだぜ?!おもいしったかなんだぜ、ぼーるさん!」
「「「ゆわーい!おとーしゃん、つよいぃぃぃぃ!!」」」
潰れかかったボールれいむを前に得意そうに踏ん反り返るゆっくり親子。
俺はそんな親子の前に大小のボールを並べて、それぞれのガムテープを剥がしていく。
「ゆ?ゆゆ?ゆぅ?…………おにーさん、なにして…?」
びりびりと音を立てて剥がされていくガムテープ。
一緒に髪の毛が抜け落ちたりもしているが、それもご愛嬌だ。
「ゆびびぃぃぃ!いだいぃぃぃやめでぇぇぇぇぇ!!」
口に張ったテープが剥がされて、ようやく声を上げる親れいむ。
「ゆ?………………」
ようやく親れいむが姿を現すが、ゆっくり一同は思考が停止したかの様に止まってしまった。
続いて子まりさのガムテープも剥がしていく。
こっちは小さいので親れいむよりも手間が掛からない。
「ゆぴぴぃ!やめちぇぇぇぇ!いちゃいのじぇぇぇぇ!」
まだら禿になった子まりさに、帽子を被せてようやく完成。
子ゆっくりなのが悪かったのか、髪の毛どころか皮も少し破れてしまったが、
一応まりさ種だったと認識できると思われる物が出来上がった。
もっとも帽子が無ければ、まだら禿饅頭なのかもしれないが…
「「「ゆわぁぁぁぁ?!どうしちぇまりちゃがぁぁぁぁ?!」」」
「みんなひどいのじぇ…まりちゃ…いたかったのじぇ…」
固まっていた子ゆっくり達が動き出した。
今まで散々体当たりをしていたボールが、実は自分達の姉妹だと解って大声を上げる。
一方、ボールになっていた子まりさは姉妹達に呪詛を吐いていた。
「まりざ…どぼじで…?」
「れいむぅぅぅ?!ごべんねぇぇ?!どぼしてこんなこと 『ドスッ!』 ゆっぼうぅ?!」
感動の対面もそこそこに、奇声を上げて飛んでいく親まりさ。
ぐちゃ!
汚い音を立てて、顔面からベンチに突っ込んでいった。
ベンチに突き刺さるようにして突っ込んでいった親まりさは、未だに息があるのか、
汚いケツを上に向けてブリブリと振っている。
「ゆ?!まりざぁぁぁ?! 『ドゴッ!』 ゆんべぇぇ?!」
今度は親れいむが、奇声を上げて転がっていく。
そのまま巣に使っているダンボールに突き刺さるようにして命中。
ダンボールはベンチの下から飛び出すと、少し歪に変形していた。
これで俺の一点先取だ。
「「「ゆわぁぁぁ?!おとーしゃん、おかーしゃん!!」」」
慌ててダンボールに駆け寄る子ゆっくり達。
ボールにされていた子まりさは、流石にダメージがあるのか遅れを取っている。
だが、俺はダンボールを親れいむごと踏み潰していく。
「ゆぎゃ!やべ!いだ!もっど…ゆっぐち…ゆご…げべ…」
「やめちぇぇぇぇ!!どぼしちぇこんなとしゅるんだじぇぇぇ?!」
「あぁん?これは俺なりの必勝祈願だよ?お前達もこの国のゆっくりなら、我が国の勝利を願って死んでいけぇぇ!!Wカップばんざいぃぃぃぃ!!」
「「「どういうこちょにゃのぉぉぉ?!」」」
「ドゴッ」×4
子ゆっくり達は俺に蹴られて仲良く宙を舞い、川の濁流に消えていった。
この後、親ゆっくり二匹は、ダンボールごとゴミとして処分した。
『ゴール!○○一点先制ー!!』
「あら?!点取られちゃった………願掛けたつもりだったんだけどなぁ…ゆっくりじゃだめだったかなぁ…」
完
Wカップ記念SSという事で…
徒然あき
「ひさしぶり、ゆっくりしていってね」
俺の顔を見るなり、元気良く挨拶する成体のれいむ。
ここは川の土手にある公園。
このれいむはここに住み着いている野良ゆっくりだ。
「ゆわーい、おにーしゃんなんだじぇー!」
「れーみゅとあしょんでね!」
「おにーしゃん、まりしゃもあそんでほちいよー」
成体れいむに続いて現れたのは、3匹の子ゆっくり。
れいむ種1匹に、まりさ種2匹だ。
別にこの家族はしんぐるまざーではなく、番の成体まりさが居る。
まりさは狩にでも出ているのだろう。
「じゃあ、今日はサッカーでもして遊ぼうか?」
「「「しゃっかー?!」」」
子ゆっくり達は、目を輝かせて俺を見た。
この一家と俺が仲良くなったのは1ヶ月前ほど。
この辺りを散歩している時に、この公園のベンチの下にあるダンボールに住んでいるゆっくり達を見つけたのだ。
始めは当然警戒されたが、俺が食料をやったり、子ゆっくり達と遊んでやっている内に仲良くなっていった。
今ではすっかり警戒心もなく、子ゆっくり達は俺に懐いている。
親まりさにも会った事があるが、どいつも善良で飼いゆっくりにしても良いと思えるほどだ。
「おにーしゃん、しゃっかーってなんなんだじぇ?」
一匹のだじぇまりさが、不思議そうに訪ねる。
俺はバックから、子ゆっくりと同じくらいのサイズのボールを取り出すと、だじぇまりさの目の前にそれを置いた。
「ゆゆ?」
「サッカーってのはな、このボールを蹴ったり………体当たりしたりして転がして運ぶ遊びなんだよ」
蹴るなんて言っても、足のないゆっくりには分かりそうもない事に気が付いた。
ルールも簡単に、俺が持ってきたバックの所までボールを運んできた子ゆっくりが勝ちという事にしておいた。
「じゃあ、早速やってみようか?」
「「「ゆわーい!!」」」
「まりちゃがいちばんなんだじぇー!ぼーるしゃん、ゆっくちころがってねー!!」
「おねーしゃん、まりしゃにもやらせちぇー!」
「れーみゅは、ぼーるしゃんをおいかけるよ!!」
子ゆっくり達は楽しそうに、代わる代わるボールに体当たりをした。
その度にボールは軌道を変えて転がっていく。
実はこのボールも特別性。
子ゆっくりにあわせて、柔らかい物を使っているので怪我の心配もない。
変わりに、ボールの転がる軌道が安定しないのだが、それも子ゆっくり達にとっては大した問題じゃないだろう。
転がるボールを追いかけて、元気に跳ねて行く子ゆっくり達。
それを見て、親れいむも楽しそうにしている。
「まちぇ、まちぇー!ぼーるしゃんまっちぇー!」
「ゆんしょ!…ぼーるしゃん、ゆっくりころがっちぇねー」
「ぼーるしゃんはゆっくちしちぇるねー」
「ゆーん。おちびちゃんたち、あんなにゆっくりしてるよー」
親れいむも子ゆっくり達も幸せいっぱいの笑顔を振りまいて、最高にゆっくり出来ていた。
「ゆーん!ごーるなんだじぇ~♪」
「ゆあーん!れーみゅ、まけちゃったー」
「ゆーん、まりしゃもー」
負けたとは言いつつも、楽しそうな子ゆっくり達。
親れいむもニヤニヤが止まらないといった様子。
親れいむには、子供達が何よりも輝いて見えているに違いない。
このサッカー遊びは、俺流の願掛け。
今年のWカップで我が母国が活躍するようにという意味を込めてゆっくり達と遊んでいるのだ。
暗闇の中で目を覚ました。
目を開けているはずなのに、あたりは真っ暗。
しばらくすると、急に光が差し込んで来た。
一瞬真っ白になる視界。
しばらくすると目に映る物は………
見覚えるのある風景。
見覚えのあるゆっくり達。
だけど、何故?
何故、家族は自分の事に気がつかないのか?
何故、声が出せないのか?
何故、動けないのか?
何故、自分の事をボールと呼ぶのか?
ふと違和感を感じて上を見ると、何時も自分が被っている筈の帽子がない。
そればかりか、自慢の金髪もない。
可愛らしかったお下げも見当たらない。
何故?
何故?
何故?
痛い!
姉が体当たりをしてきた。
ころころ転がっていく自分。
どういう訳か、目を閉じる事が出来ないせいで、草や土が目に入る。
痛い!痛い!痛い!
姉妹達は代わる代わる自分に体当たりをしてくる。
その度に、自分は不規則に転がり傷ついていく。
痛い!痛い!
涙が溢れる。
だが、姉妹達は止める様子がない。
そればかりか、楽しそうにしている。
どうして?
どうしてこんな事するの?
問いかけても、誰も答えてはくれない。
母の方を見て助けを求めようとした。
だが、母も満面の笑みを浮かべるだけで、何もしてはくれない。
どうしてそんなに楽しそうなのか?
自分はこんなに痛い思いをしているのに。
どうしてそんなに笑っていられるのか。
自分をこんな目に合わせておいて。
痛い!
止めて!
ゆっくり出来ない!!
ボールを転がすのに熱中している子ゆっくり達。
もう、俺の事は目に入っていない様子だ。
俺は子ゆっくりを見て微笑んでいる親れいむの元にやって来た。
親れいむも俺の事が目に入っていない様子。
俺はそんな親れいむを、事前にバックから取り出しておいたガムテープで口を塞いだ。
両目をまん丸に見開いて俺を見る親れいむ。
俺はお構いなしに、親れいむをそのままガムテープで包んでいく。
あんよ、りぼん、髪の毛、ピコピコの区別なくガムテープで覆い尽くされていく親れいむ。
抵抗しようにも、声を出そうにも、ガムテープが邪魔をする。
唯一、両目だけはテープで覆わずにしておいている。
そのかわりに、両目が開いたままになる様に、瞼を固定してテープで止める。
こうして、茶色のれいむボールが完成した。
「ゆわーい!こんどはれーみゅのかちだねぇ!」
「ゆーん!おねーしゃんすごい!」
「れーみゅもやるんだじぇ!」
れいむボールが完成するとほぼ同時に、サッカーの決着もついたようだ。
心なしか、ボールが少しぐったりしている様ではあるが、それを見越してのれいむボールなのだ。
「よーし、じゃあ、次はこのボールで遊んでみようか?」
「ゆゆ?!おおきにゃぼーるしゃんだじぇ!」
「ゆわーい!こんどはまりしゃがかちゅんだじぇ!」
そんな子ゆっくり達の様子を見て目を丸くするれいむボール。
子ゆっくり達も、目の前の茶色の塊が自分達の親だとは気がついていないらしい。
「ぼーるしゃん、ゆっくちころがっちぇねー!」
ボールに必死に体当たりをする子まりさ。
子ゆっくり程度の体当たりでダメージがあるのかは知らないが、その様子を泣きながら見つめるれいむボール。
子まりさに続いて、他の子ゆっくりも体当たりを始めるが、ボールは一向に転がる様子を見せない。
「ぼーるしゃん、どうしちぇころがっちぇくれないにょ?」
「ゆえーん!ぼーりゅしゃんがいじわるしゅるよぉぉぉ!!」
「いもうちょをなかせるなんちぇ、げしゅなぼーるしゃんだじぇ!まりちゃがせいしゃいするんだじぇ!」
転がらないれいむボールに泣き出したり、怒り出したりする子ゆっくり達。
おそらく姉であろう子まりさが、木の枝でれいむボールを突付きだし始める。
流石にこれは痛いのか、突付かれるたびに白目を剥いている、れいむボール。
我が子に罵倒され、攻撃されても何も出来ないのを悲しんでいるのか、
それともただ痛いだけなのか、小刻みに震えている。
「苦戦しているようだね。よーし、じゃあお兄さんが転がしてみるよ!」
そういうと俺は、れいむボールを思いっきり蹴り上げた。
鈍い音を上げると、れいむボールは5mほど吹っ飛んで着地すると、そのまま転がっていった。
「ゆぉー!おにーしゃん、しゅごいよー!」
「げしゅなぼーるしゃんがころがっちぇるよぉぉ!!」
「ざまあみろなんだじぇー!げしゅなぼーるしゃんは、まりちゃのつよしゃをおもいしっちぇね!!」
吹っ飛んだれいむボールを見て、子ゆっくり達は大喜び。
当のれいむボールは、着地時に石にでもぶつかったのか、片目が潰れていた。
「ただいまかえったんだぜー!」
声のする方を見てみると、ボールれいむの番にして、この子ゆっくり達の親であるまりさが帰ってきていた。
おそらく、ゴミ漁り当でもして帰ってきたのだろう。
得意そうな顔が狩(笑)の成功を表している。
「ゆゆ?!おにいさん、こんにちはー!」
元気に挨拶をする親まりさ。
こいつも俺には懐いている。
「「「おとーしゃんおかえりなしゃーい!」」」
「ゆゆ!ゆっくりおかえりなさい!」
「ゆーん?れいむはどうしたんだぜ?」
「さあ?どこかでうんうんででも垂れているんじゃないのか?」
「ゆん?そうなんだぜ?で、きょうはどんなことをして、あそんでたんだぜ?」
俺は親まりさにサッカーサッカーの事を話すと、自分もやってみたいと言い出した。
子ゆっくり達が動かせなかったボールが気になるのか、子供達の前で良い格好したいのかは解らないが、
自信たっぷりと言った感じで、未だ痛みに悶えるれいむボールの前までやってきた。
「これがそののぼーるさんなんだぜ?」
そう言うと、ボールを舐め回すように眺める親まりさ。
れいむボールは残された片目で必死に番に助けを求めているかのようだった。
そんなれいむボールの思いとは裏腹に、助走をつけて体当たりをする親まりさ。
「ぼーるさん、ゆっくりはじけとぶんだぜぇぇぇぇ!!」
「?!!!!」
体当たりをされて形を歪に変化させるれいむボール。
全然飛びはしなかったが、潰れた目の方から餡が漏れ出し始める。
「ゆふふ!どうなんだぜ?!おもいしったかなんだぜ、ぼーるさん!」
「「「ゆわーい!おとーしゃん、つよいぃぃぃぃ!!」」」
潰れかかったボールれいむを前に得意そうに踏ん反り返るゆっくり親子。
俺はそんな親子の前に大小のボールを並べて、それぞれのガムテープを剥がしていく。
「ゆ?ゆゆ?ゆぅ?…………おにーさん、なにして…?」
びりびりと音を立てて剥がされていくガムテープ。
一緒に髪の毛が抜け落ちたりもしているが、それもご愛嬌だ。
「ゆびびぃぃぃ!いだいぃぃぃやめでぇぇぇぇぇ!!」
口に張ったテープが剥がされて、ようやく声を上げる親れいむ。
「ゆ?………………」
ようやく親れいむが姿を現すが、ゆっくり一同は思考が停止したかの様に止まってしまった。
続いて子まりさのガムテープも剥がしていく。
こっちは小さいので親れいむよりも手間が掛からない。
「ゆぴぴぃ!やめちぇぇぇぇ!いちゃいのじぇぇぇぇ!」
まだら禿になった子まりさに、帽子を被せてようやく完成。
子ゆっくりなのが悪かったのか、髪の毛どころか皮も少し破れてしまったが、
一応まりさ種だったと認識できると思われる物が出来上がった。
もっとも帽子が無ければ、まだら禿饅頭なのかもしれないが…
「「「ゆわぁぁぁぁ?!どうしちぇまりちゃがぁぁぁぁ?!」」」
「みんなひどいのじぇ…まりちゃ…いたかったのじぇ…」
固まっていた子ゆっくり達が動き出した。
今まで散々体当たりをしていたボールが、実は自分達の姉妹だと解って大声を上げる。
一方、ボールになっていた子まりさは姉妹達に呪詛を吐いていた。
「まりざ…どぼじで…?」
「れいむぅぅぅ?!ごべんねぇぇ?!どぼしてこんなこと 『ドスッ!』 ゆっぼうぅ?!」
感動の対面もそこそこに、奇声を上げて飛んでいく親まりさ。
ぐちゃ!
汚い音を立てて、顔面からベンチに突っ込んでいった。
ベンチに突き刺さるようにして突っ込んでいった親まりさは、未だに息があるのか、
汚いケツを上に向けてブリブリと振っている。
「ゆ?!まりざぁぁぁ?! 『ドゴッ!』 ゆんべぇぇ?!」
今度は親れいむが、奇声を上げて転がっていく。
そのまま巣に使っているダンボールに突き刺さるようにして命中。
ダンボールはベンチの下から飛び出すと、少し歪に変形していた。
これで俺の一点先取だ。
「「「ゆわぁぁぁ?!おとーしゃん、おかーしゃん!!」」」
慌ててダンボールに駆け寄る子ゆっくり達。
ボールにされていた子まりさは、流石にダメージがあるのか遅れを取っている。
だが、俺はダンボールを親れいむごと踏み潰していく。
「ゆぎゃ!やべ!いだ!もっど…ゆっぐち…ゆご…げべ…」
「やめちぇぇぇぇ!!どぼしちぇこんなとしゅるんだじぇぇぇ?!」
「あぁん?これは俺なりの必勝祈願だよ?お前達もこの国のゆっくりなら、我が国の勝利を願って死んでいけぇぇ!!Wカップばんざいぃぃぃぃ!!」
「「「どういうこちょにゃのぉぉぉ?!」」」
「ドゴッ」×4
子ゆっくり達は俺に蹴られて仲良く宙を舞い、川の濁流に消えていった。
この後、親ゆっくり二匹は、ダンボールごとゴミとして処分した。
『ゴール!○○一点先制ー!!』
「あら?!点取られちゃった………願掛けたつもりだったんだけどなぁ…ゆっくりじゃだめだったかなぁ…」
完
Wカップ記念SSという事で…
徒然あき