「気さくな王女-1」(2008/03/16 (日) 08:27:51) の最新版変更点
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ああ! 腹が立つ! 腹が立つ! 腹が立つ! 死ね! 全員死ね!
心の中で笑ったやつ! わたしを馬鹿にしたやつ! あの場にいた全員! 残らず死ね!
えらそうな騎士の尻を蹴飛ばしても収まらない。
壁に必殺パンチ、王冠蹴り上げスツールにエア・ハンマー、花瓶投げつけ文鎮ぶん投げ腹立つ腹立つ。
破壊活動は疲れるだけで一切無為。部屋が荒れて困るのはわたし。かえって苛立ちが募るだけ。死ね。
部屋の隅でおびえてる侍女達だって内心わたしを馬鹿にしてる。そうに決まってる。
わたしが連中の立場なら笑う。まず笑う。生き物を召喚できないメイジがいたら絶対笑う。
そもそもの原因はガーゴイルにある。あの人形娘が風竜なんて召喚したりしなければわたしもその気にならなかった。
人形娘が風竜ならわたしは風韻竜くらい召喚してしかるべきじゃない。
ま、かるーく鉄仮面のビビッた顔見てやろうと思ったわけよ。なのに結果これ。
なめてるの? なめてるんだね? 何よこれ。錆が浮いてるじゃない。馬鹿。死ね。
こんな物自慢するとかそういう次元じゃないっての。見せられないっての。
もし人形娘に馬鹿にされたらなんて、もう、本当に、考えるだけで……ああ腹が立つ! 腹が立つ! 腹が立つ!
ぜーんぶガーゴイルのせいじゃないか! くそ! くそ! くそ! くそ!
こうなったら憂さ晴らしてやる。わたしの屈辱の半分でもいいから味あわせてやる。
だいたいこんな……ええと……こんな……こんな……なんだろこれ。
教師どもの話じゃ異世界のものだとか、ハルケギニアにない物を使ってるとかいうことだけど……あれってどう考えてもわたしをおだててるだけのことだ。
そりゃ異世界の素晴らしい技術の結晶なんてものなら大いに望むところですけどね。こんな単純な造りの物、魔法でどうとでも代用がきく。
要するにベルトでつないだ車輪二つを動かすってそれだけのことだろ。なんでわざわざこんなもったいつけた造りにするんだか。意味ないって。くそ。
輸送や移動に使うにはバランスが悪すぎるし……拷問用? それにしちゃやわい。
「……ひっく……ひっく……」
これを回すと車輪が回るわけだから……やっぱり意味不明だ。
この三角っぽいの柔らかいけど……鞍かひょっとして。この鞍に腰掛けて二つの板を交互に踏む。すると車輪が動いて……やっぱ役立たずじゃないか! こんなもの!
車輪が四つならともかく、二つだけじゃバランス悪すぎてこけるわ。
メイジならフライト使うからいらないし。つまり何? 魔法が不得意なわたしに対するいやみってこと? お前はフライト使うよりこれに乗って走れってか?
「……ひっく……ぐじゅ……ひっく……」
ああくそ! 本格的にくそ! くそくそくそくそくそ! 死ね! これ作ったやつ死ね!
これ作ったやつがいるから召喚しちゃうわたしもいるんだよ! お前が死ねば全部上手くいってたのに! 死ね!
死んでから韻竜に生まれ変わってわたしに召喚されろ! そして一生こき使われろ!
「……ううっ……ひっく……」
「さっきからうるさい! いつまで泣いてんだよクソガキが!」
「だって……お腹すいたんだもん……」
なんでこんなとこにガキが……って……あん? おかしいだろ。わたしイコール法。そのわたしが許さないんだから、泣く子供いるわけないのに。何だ今の? 誰の声だ? すすり泣くみたいな……。
侍女連中の方に目を向けても相変わらず怯えてる。でも泣いてるやつはいない。子供もいない。おかしいな。
左見右見。他に声出せそうなやつはいない。もちろんわたしは泣いていない。
「ちょっとそこのあんた」
「は、はい」
「何か聞こえなかった?」
「いいえ、特に何も……」
わたしにだけ聞こえてた? わたしそんなに耳よかったっけ。いやそんなことない。
こいつらがわたしをからかってる? もしそうだとしたら地下の拷問部屋に送り込んでやるとこだけど、様子見る限りじゃとてもそうは見えない。わたしを恐れる正しい侍女の姿って感じだ。
幻聴? ちょっと勘弁してよ。 幽霊? それも勘弁。 気のせい? ああ、それがいいや。それにしとこう。
鬱陶しいことばっかり起きるから気が荒れてるみたいだね。凪の海を思わせる静謐な心で知られるイザベラ様だってのに。
こういう時は人形いたぶって気ぃ晴らすに限るわ。ちょっと準備でもしておくかな。
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ああ! 腹が立つ! 腹が立つ! 腹が立つ! 死ね! 全員死ね!
心の中で笑ったやつ! わたしを馬鹿にしたやつ! あの場にいた全員! 残らず死ね!
えらそうな騎士の尻を蹴飛ばしても収まらない。
壁に必殺パンチ、王冠蹴り上げスツールにエア・ハンマー、花瓶投げつけ文鎮ぶん投げ腹立つ腹立つ。
破壊活動は疲れるだけで一切無為。部屋が荒れて困るのはわたし。かえって苛立ちが募るだけ。死ね。
部屋の隅でおびえてる侍女達だって内心わたしを馬鹿にしてる。そうに決まってる。
わたしが連中の立場なら笑う。まず笑う。生き物を召喚できないメイジがいたら絶対笑う。
そもそもの原因はガーゴイルにある。あの人形娘が風竜なんて召喚したりしなければわたしもその気にならなかった。
人形娘が風竜ならわたしは風韻竜くらい召喚してしかるべきじゃない。
ま、かるーく鉄仮面のビビッた顔見てやろうと思ったわけよ。なのに結果これ。
なめてるの? なめてるんだね? 何よこれ。錆が浮いてるじゃない。馬鹿。死ね。
こんな物自慢するとかそういう次元じゃないっての。見せられないっての。
もし人形娘に馬鹿にされたらなんて、もう、本当に、考えるだけで……ああ腹が立つ! 腹が立つ! 腹が立つ!
ぜーんぶガーゴイルのせいじゃないか! くそ! くそ! くそ! くそ!
こうなったら憂さ晴らしてやる。わたしの屈辱の半分でもいいから味あわせてやる。
だいたいこんな……ええと……こんな……こんな……なんだろこれ。
教師どもの話じゃ異世界のものだとか、ハルケギニアにない物を使ってるとかいうことだけど……あれってどう考えてもわたしをおだててるだけのことだ。
そりゃ異世界の素晴らしい技術の結晶なんてものなら大いに望むところですけどね。こんな単純な造りの物、魔法でどうとでも代用がきく。
要するにベルトでつないだ車輪二つを動かすってそれだけのことだろ。なんでわざわざこんなもったいつけた造りにするんだか。意味ないって。くそ。
輸送や移動に使うにはバランスが悪すぎるし……拷問用? それにしちゃやわい。
「……ひっく……ひっく……」
これを回すと車輪が回るわけだから……やっぱり意味不明だ。
この三角っぽいの柔らかいけど……鞍かひょっとして。この鞍に腰掛けて二つの板を交互に踏む。すると車輪が動いて……やっぱ役立たずじゃないか! こんなもの!
車輪が四つならともかく、二つだけじゃバランス悪すぎてこけるわ。
メイジならフライ使うからいらないし。つまり何? 魔法が不得意なわたしに対するいやみってこと? お前はフライ使うよりこれに乗って走れってか?
「……ひっく……ぐじゅ……ひっく……」
ああくそ! 本格的にくそ! くそくそくそくそくそ! 死ね! これ作ったやつ死ね!
これ作ったやつがいるから召喚しちゃうわたしもいるんだよ! お前が死ねば全部上手くいってたのに! 死ね!
死んでから韻竜に生まれ変わってわたしに召喚されろ! そして一生こき使われろ!
「……ううっ……ひっく……」
「さっきからうるさい! いつまで泣いてんだよクソガキが!」
「だって……お腹すいたんだもん……」
なんでこんなとこにガキが……って……あん? おかしいだろ。わたしイコール法。そのわたしが許さないんだから、泣く子供いるわけないのに。何だ今の? 誰の声だ? すすり泣くみたいな……。
侍女連中の方に目を向けても相変わらず怯えてる。でも泣いてるやつはいない。子供もいない。おかしいな。
左見右見。他に声出せそうなやつはいない。もちろんわたしは泣いていない。
「ちょっとそこのあんた」
「は、はい」
「何か聞こえなかった?」
「いいえ、特に何も……」
わたしにだけ聞こえてた? わたしそんなに耳よかったっけ。いやそんなことない。
こいつらがわたしをからかってる? もしそうだとしたら地下の拷問部屋に送り込んでやるとこだけど、様子見る限りじゃとてもそうは見えない。わたしを恐れる正しい侍女の姿って感じだ。
幻聴? ちょっと勘弁してよ。 幽霊? それも勘弁。 気のせい? ああ、それがいいや。それにしとこう。
鬱陶しいことばっかり起きるから気が荒れてるみたいだね。凪の海を思わせる静謐な心で知られるイザベラ様だってのに。
こういう時は人形いたぶって気ぃ晴らすに限るわ。ちょっと準備でもしておくかな。
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