*近代(第二次世界大戦の終わった1945年までとします) **1792年 ギヨーム・マレがパリにマレ銀行を設立。(のちにシュルンベルジュと合併) **1798年 ナポレオン、パレスチナ侵攻に失敗。 ウォーバーグ銀行がハンブルクで創業。 ジャン=コンラッド・オッタンゲルがオッタンゲル銀行を創業。 **1800年 ナポレオン皇帝がフランス銀行を創立。(フランスの二百家族誕生) **1804年 ネイサン・ロスチャイルドがロンドン・ロスチャイルド商会を創業。 E.I.デュポンがアメリカで火薬工場を軌道に乗せ、死の商人デュポン誕生。 **1807年 ニコラ・セイエールがパリにセイエール銀行を設立し、のちに弟フランソワの親子がシュネーデルとクルップの大兵器工場を育てる。 **1808年 ジョン・ジェイコブ・アスターが毛皮商会を設立。(のちに巨財を成してニューヨークの土地を買占め、ウォール街の礎を築く。1893年に子孫がホテル業に進出) **1810年 ロンドン証券取引所の支配者フランシス・ベアリング死去。ネイサン・ロスチャイルドが新しい支配者となり、世界一の金融王として台頭。 **1812年 ヨーゼフ・グンツブルグが生まれる。(のちにロシアのロスチャイルドとしてロシアを金融支配し、ロマノフ王朝を動かす) フリードリッヒ・クルップがドイツでクルップ製鉄工場を設立。(のちに息子アルフレートが銀行家セイエールの資金で大兵器工場に発展させる) **1813年 シモン・フリブールがベルギーで穀物商を開業。(のち1922年にシカゴに進出して巨大穀物商社コンティネンタル・グレイン社となる) **1814年 東インド会社のインド貿易独占権が廃止される。(ロスチャイルドが利権支配) **1815年 「踊る」ウィーン会議直後、ワーテルローの戦いでナポレオンが敗れる。このときイギリス勝利の速報を操作したネイサン・ロスチャイルドが莫大な富を築く。 スイスが永世中立国を宣言。(1848年にスイス連邦国家が成立する) **1817年 ジェームズ・ロスチャイルドがパリ・ロスチャイルド商会を創業。 **1818年 貿易商ブンゲ一族がオランダで穀物商社ブンゲを創業。 **1820年 サロモン・ロスチャイルドがウィーン・ロスチャイルド商会を創業。 **1821年 カール・ロスチャイルドがナポリ・ロスチャイルド商会を創業。 **1824年 ネイサン・ロスチャイルドがアライアンス保険を設立。 **1828年 ジェームズ・ロスチャイルドが製鉄業に進出。 **1832年 バクダッド生まれのサッスーンがボンベイに移住し、のちにアヘン王となる。 シャルル・ヴェルヌがフランス銀行副総裁に就任。(のちに一族のピエールがヴェルヌ商会をヴェルヌ銀行に改組して、死の商人マルセル・ダッソーを育てる) **1835年 サロモンとジェームズのロスチャイルド兄弟が鉄道事業に進出。 **1836年 ユージェーヌ・シュネーデルが銀行家セイエールの資金でヴァンデルのクルーゾー製鉄工場を買収。 **1837年 ロスチャイルド代理人オーガスト・ベルモントがニューヨークにベルモント商会を創業。(1849年にペリー提督の娘と結婚) **1839年 ハンブローズ銀行がロンドンで創業。 オスマン・トルコ帝国がユダヤ人に市民権を与える。 **1840年 アヘン王サッスーンと東インド会社の勢力によってアヘン戦争が引き起こされる。(~1842年。以後イギリスと香港一帯を根城に中国支配を始める) **1842年 アルジェリアがフランス植民地となる。 **1845年 ジェームズ・ロスチャイルドが北部鉄道を設立、ヨーロッパ一の鉄道王となる。 **1847年 ヴェルナー・ジーメンスがベルリンにジーメンス・ハルスケ社を設立。 **1848年 フランス銀行が発券業務を独占。 ラザール兄弟がニューオルリーンズでラザール・フレールを創業。 **1849年 死の商人ザハロフが生まれる。 **1850年 ルイ・ドレフェスがアルザスで穀物業に進出。 輸送金融業アメリカン・エクスプレスが設立され、のちモルガン家が支配する。 イギリスのユダヤ人モンテフィオーレ卿、エルサレム城外のユダヤ人定住地に援助を与える。 **1852年 鉄道王ペレール兄弟がクレディ・モビリエを設立。 **1853年 米国よりマシュー・ペリー提督が艦隊を率いて来航し、砲艦外交によって開国を迫る。 **1855年 サロモン・ロスチャイルドがウィーン・クレディタンシュタルトを設立。 最高級ワイン「ムトン・ロチルド」が誕生。 **1856年 アルフレッド・エッシャーがチューリッヒにクレディ・スイスを設立。 イギリスにユダヤ大学が創立される。 **1858年 東インド会社解散。(1832年にマカオで創業したジャーディン・マセソンが台頭) リーマン・ブラザースがニューヨークで創業。 サイモン・ヴァンデンバーグがオランダでバター商を開業。(のちに息子たちがマーガリン・ユニ&ユニオンを設立=後年のユニリーヴァー) **1860年 ナポリ・ロスチャイルド家が革命のために閉鎖される。 **1861年 J.P.モルガンがニューヨークでJ.P.モルガン商会を創業。 **1862年 セリグマン商会がニューヨークで創業。 ナポレオン三世がジェームズ・ロスチャイルド邸を訪問して金融提携。 スイスにウィンタートゥール銀行が設立される。(1912年に銀行合併によってスイス・ユニオン銀行となる) **1863年 アンリ・ジェルマンがクレディ・リヨネを設立。 伊藤博文や井上馨ら長州藩士五人がイギリスに密航。 **1864年 アヘン王サッスーンの息子アーサーの資金で香港上海銀行が設立される。 タラボ、シュネーデル、ロスチャイルドらがパリにソシエテ・ジェネラルを設立。 **1865年 ウィリアム・カーギルがアメリカで穀物商社カーギルを創業。 ゲイル・ボーデンがアメリカで缶入りコンデンス・ミルクの製造に成功。 **1866年 南アで一人の農夫がダイヤを発見。 **1867年 マルクスが資本論の第一稿を発表。 エドワード・ヴィッカーズが兵器メーカーのヴッィカーズを創業。 アンリ・ネストレがスイスにチョコレート工場を建設。(後年のネッスル社) アルフレッド・ノーベルがダイナマイトの製造に成功。 クーン・ローブ商会がニューヨークで創業。 **1868年 明治維新 **1869年 フランス人レセップスによってスエズ運河が開通する。 ゴールドシュミット一族のヒルシュ男爵がトルコの鉄道支配開始。 **1870年 ジェイコブ・シフがクーン・ローブ商会に参画。 ロスチャイルドがバチカンに融資を開始し、カトリック教を金融支配。 ゲオルク・ジーメンスがドイツ銀行設立。 **1872年 パリ銀行とオランダ・クレディ預金銀行が合併してパリバ銀行が誕生。 バーゼルにバーゼル銀行が設立される。(1896年に銀行合併でスイス銀行となる) **1873年 ロンドン、パリのロスチャイルド商会がリオ・チントの設立に参加。 **1875年 ノーベル兄弟がロシアでバクー油田の利権獲得。 ロスチャイルド資本によってイギリスがスエズ運河会社の最大株主となる。 インドシナ銀行が設立され、フランス資本によるアジア侵略が本格化する。 **1877年 ジョルジュ・アンドレがスイスで穀物商を開業。(のちに穀物商社アンドレに成長) 松方正義が渡欧してフランス蔵相レオン・セーと会談。(この会談でレオン・セーが日本に中央銀行設立を勧める) **1878年 キリスト教の事業銀行ユニオン・ジェネラールが設立され、パリ・ロスチャイルド銀行と激しい対立関係に入るが、1882年に崩壊してユダヤ人問題が激化する。 **1881年 南アで第一次ボーア戦争勃発。(~1884年) ロシアで「ポグロム」と呼ばれるユダヤ人大虐殺事件が波状的に発生。 ユダヤ人十数万人が犠牲になり、大規模なヨーロッパ移住が始まる。 パリ・ロスチャイルド商会がル・ニッケル社を設立。(のちにイメタルと改名) **1882年 日本銀行が設立。 伊藤博文らが明治憲法を作るために再び渡英。 平等と自由を求める「ホバベイ・ジオン」や「ビールー」という団体に組織されたユダヤ移民の第一波がパレスチナに到着。 **1883年 ロスチャイルド商会がバクー油田の石油販売を開始。(シェル石油の前身) オリエント急行が開通し、近代ヨーロッパ産業の本格的東方進出始まる。 エミール・ラーテナウがドイツ・エジソン社を創業。(1887年にAEGと改名) **1885年 ゴールドマン・サックスがニューヨークで創業。 リーヴァー兄弟が石鹸製造工場を設立。(後年のユニリーヴァー) **1886年 ゴットリープ・ダイムラーがエンジン付自動車を発明。 ビルマ石油(パーマー石油)が創業、イギリスの石油進出始まる。 **1887年 アレクサンドル・ドイッチが石油精製事業を開始。(のちジュピター石油からシェル・フランスと改名され、現代フランス一の長者となる) **1888年 グッゲンハイム一族がアメリカで鉱山業に進出。(1899年に創業のアメリカ鉱業を1901年にグッゲンハイム一族が買収して鉱山王誕生。のちにアサルコと改名) **1889年 オッタンゲル、マレ、ヴェルヌ、ヌフリズらがパリ・ユニオン銀行を設立。 **1891年 モスクワとペテルスブルグからユダヤ人追放。 ユダヤ人モレヒバが「シオンを愛する人々」を創立。 ニューヨークにヒルシュ男爵財団が設立され、ヨーロッパからアメリカへユダヤ人の本格的な移住が促進される。 アントン・フィリップスがオランダで電球の製造を始める。(のちにフィリップス社となる) **1892年 「シオンを愛する人々」の理論的指導者ピンスケル、「自力解放」に共鳴して、パレスチナに最初のユダヤ人コロニーを成立させる。 フランスの農業銀行クレディ・アグリコルが発足。(前身は農協) マーカス・サミュエルがロスチャイルドの石油輸送を開始。(1897年にシェル輸送貿易会社が誕生) **1894年 フランスでユダヤ人とロスチャイルド財閥をめぐるドレフェス事件が勃発。 イギリスで小売店マークス&スペンサーが創業。 **1896年 「ドレフュス事件」にショックを受けたテオドール・ヘルツルが『ユダヤ人国家』を出版。政治的シオニズム運動の始まり。 **1897年 テオドール・ヘルツルがスイスのバーゼルにて「第1回シオニスト会議」を開催。この会議で「シオニズムはユダヤ民族のためにパレスチナの地に公法で認められた郷土を建設することを目的とする」という「バーゼル綱領」が採択される。 ロンドンにマルコーニ無線会社が設立され、通信支配が始まる。 **1898年 フランスの電機メーカーCGEがロスチャイルドの資本で設立される。 **1899年 南アで第二次ボーア戦争勃発。(~1902年)ミルナー幼稚園の誕生。 ジョヴァンニ・アニェリがイタリアでフィアット自動車工場を設立。 **1901年 「ユダヤ国民基金」が誕生。パレスチナの土地を買い求め、ユダヤ人移民に貸し与えた。その土地をパレスチナ人に貸与することは禁止された。 フランクフルト・ロスチャイルド商会が、男子相続者がなく閉鎖される。(実質的には1878年の同商会の女子ミンナ・ロスチャイルドとマクシミリアン・ゴールドシュミットの結婚によって、後者が商会を相続し、ベルリンのディスコント銀行を中心にフランクフルト・ロスチャイルド財閥が維持される) **1902年 アングロ・パレスチナ商会(のちのレウミ銀行)がロンドンに設立される。 **1903年 イギリス政府はユダヤ人の民族的郷土を創設するため、ウガンダの領土を充てることを第6回シオニスト会議で提案。会議は賛成295票、反対175票でこの「ウガンダ案」を受諾した。 キュリー夫妻がノーベル物理学賞を受賞。 **1904年 第7回シオニスト会議、「ウガンダ案」で紛糾し、この案を白紙撤回する。 **1905年 ユダヤ移民の第二波、主にロシアより到着。 **1907年 南米のパティーニョ財閥が鉱山王グッゲンハイムと提携。 ルイ・ブレゲが世界で初めてヘリコプターの有人飛行を成功させる。 ロイヤル・ダッチとシェルが合併してロイヤル・ダッチ・シェル誕生。 **1909年 ユダヤ人最初の町「テルアビブ」が創設される。 イギリス議会が南アフリカ法を制定し、アパルトヘイトを確立。 アングロ・ペルシャ石油が設立される。(のち1935年にアングロ・イラニアン石油、1954年にブリティッシュ・ペトロリアムと改名される) **1910年 ロンドン・モルガン商会がモルガン・グレンフェルに改組される。 ソロモン・ブラザースがニューヨークで創業。 最初のキブツ(共産村)である「デガニア」がガリラヤ地方にできる。 **1912年 タイタニック号が沈没。(グッゲンハイム、アスターらが死亡) ユニヴァーサル映画が設立され、のちに1929年までの18年間にハリウッドの八大メジャー映画会社が設立される。 **1913年 シュルンベルジェ兄弟が油田探査法を開発し、のちに石油王となる。 **1914年 第一次世界大戦勃発。(~1918年) アラビアのロレンスが中東に派遣される。 ザハロフ、ヴィッカーズらがトルコにオットマン(帝国)銀行を設立。 **1915年 大英帝国がトルコ支配下のアラブ人に「アラブ国家樹立」を約束する(フセイン・マクマホン往復書簡)。 サミュエル・ブロンフマンがカナダで酒販売業を始める。(のちにシーグラム帝国を築き、息子エドガーが世界ユダヤ人会議の会長就任) **1916年 大英帝国が戦後の中東をフランスとロシアで山分けするための秘密条約(サイクス・ピコ条約)に調印。 イギリス情報部員ローレンスの指導下に「アラブの反乱」が起きる。 **1917年 ロシア革命により、帝政ロシアのロマノフ王朝倒れる。(ソ連誕生) デビアスのオッペンハイマーが南アで金鉱会社アングロ・アメリカンを設立。 大英帝国がユダヤ人大富豪家のライオネル・ロスチャイルド卿に「ユダヤ国家樹立」を約束する書簡(バルフォア宣言)が取り交わされる。 イギリス軍、エルサレムに入城し、オスマン・トルコ帝国による約400年のパレスチナ支配を終結させる。 **1918年 第一次世界大戦終了。 ユージェーヌ・シュレーヌがノーベル財閥のプラスティック工場買収に乗り出す。(のちに化粧品会社ロレアルに発展させ、フランス一の長者になる) **1919年 パリで戦後賠償問題を取り決めるヴェルサイユ会議始まる。 1月にドイツでナチ党、3月にイタリアでファシスト党が相次いで結成される。 スチュワート・メンジスがMI6長官に就任し、1951年まで君臨。 デヴィッド・サーノフがマルコーニ無線を母体にしてアメリカ・ラジオ(RCA)を設立。 ロンドン金属取引所でロスチャイルド五社による金取引きの独占支配が確立される。 アンドレ・シトロエンが砲弾工場を自動車の製造工場に切り換える。 ルイ・ブレゲが航空輸送社を設立。(1923年にエール・フランスと改名) 「ワイツマン・ファイサル協定」がパリ平和会議で結ばれる。アラブ代表ファイサル、バルフォア宣言を了解。 第三波ユダヤ移民、戦時中断のあと到着し、9万人に達する。アラブ人の反英・反ユダヤ闘争開始。 **1920年 サンレモ平和会議において、イギリスとフランスの間に委任統治領に関する協定が成立し、パレスチナはイギリスに委ねられる。また、トルコとの平和条約「セーヴル条約」に「バルフォア宣言」を挿入することが決まる。 ユダヤ地下軍事組織「ハガナ」設立。 **1921年 1847年創業のエルズウィック兵器工場がアームストロング社に改組される。 ソ連で新経済政策ネップが打ち出される。 イギリスはアブドゥラーを「トランスヨルダン」の首長とする(第一次パレスチナ分割)。アラブの暴動が繰り返される(ヤッフォ、エルサレム、テルアビブ、ハイファへと拡がる)。 **1922年 国際連盟(1920年1月に成立)がイギリスのパレスチナ支配を正式に承認。イギリスは全パレスチナの77%を占めるヨルダン川東岸のパレスチナを、イギリスの傀儡アブドゥラ王(現フセイン国王の祖父)に与え、トラスヨルダンと名付けた。 また、イギリスはパレスチナへの移民を1年間に7万人と制限したが、これにユダヤ人は激しく反発。この移民制限が、結果的にやがて台頭してきたナチス・ドイツにユダヤ人の大量虐殺を許す原因になった。 イギリスでラジオ放送が始まり、BBC放送が設立される。 **1924年 ソ連でレーニンが死亡し、独裁者スターリンが台頭。 ロスチャイルド代理人メルシエがパリでフランス石油を設立。 **1925年 ドイツ化学産業の大合同により、世界最大のIGファルベンが誕生。 **1926年 ノーベルとモンドの合併により、イギリスでインペリアル・ケミカルが誕生。 デヴィッド・サーノフのRCAがナショナル放送(NBC)を設立。 **1928年 NBCが分割され、アメリカ放送(ABC)が誕生。 ウィリアム・ペイリーがコロンビア音響を母体にコロンビア放送(CBS)を設立。 **1929年 ユダヤ人のパレスチナ入植を進めるため、現地での警備から世界的な農業輸出、ニューヨークでの資金調達までを行なう「ユダヤ機関(JAFI)」という強力な組織が作られ、これが臨時政府として最大の役割を担うことになる。 エルサレムの「嘆きの壁」にユダヤ人移民がZion主義の旗を飾ったことに端を発して、アラブ人とユダヤ人の大規模な衝突が起こる。衝突は他の地域にも飛び火し、10日間のうちにユダヤ人133人、アラブ人116人の死者が出る。そのユダヤ人の死者の最大のものは、ヘブロンに長く住んできたユダヤ教徒67人に対する殺戮だった。 (アラブとユダヤの本格的な抗争の始まり) 第一回アカデミー賞の授賞式がルーズヴェルト・ホテルでおこなわれる。 マーガリン・ユニ&ユニオンとリーヴァー・ブラザースが合併して世界最 大の食品会社ユニリーヴァーが誕生。 10月24日、ウォール街の大暴落。 中央販売機構CSOが設立され、ダイヤの世界的独占支配が確立される。 **1933年1月 ドイツでナチスが政権を握る。 **1936年4月 「アラブ高等委員会」が設立され、アラブ人の独立を求める反英ゼネストを指導。このゼネストは6カ月続いた(世界最長のゼネスト)。 アメリカに「世界ユダヤ人会議」が設立される。 **1936年8月 軍事活動を伴うアラブの激しい反シオニズム運動「アラブの大蜂起」が発生(~1939年8月)。アラブはユダヤ共同体をテロ攻撃し、ユダヤ人517人惨殺さる。 イギリス政府、農村部での統治能力を失う。 **1937年 イギリスは「アラブ高等委員会」を非合法化したが、パレスチナの騒乱状態は拡大。 この頃、パレスチナ支配に手を焼くイギリスを尻目に、アメリカの「スタンダード社」や「テキサコ社」は、バーレーン、クウェート、サウジアラビアに油田を発見。中東に足場を築きつつあった。 **1938年 秘密移民組織「アリヤB」機関が組織される。この機関の任務は、イギリスの移民制限(1年間に7万人まで)の監視の目をくぐり、諸外国のユダヤ人たちをパレスチナへ密かに入国させることにあった。この機関はイスラエル建国後、解散。 **1938年11月9日 ドイツ全土でユダヤ人迫害開始(「水晶の夜」) **1939年5月 イギリス、ユダヤ人側とアラブ人側の代表者を招き、和平会談を開催。しかしアラブ人側はパレスチナ全土にわたるパレスチナ・アラブ独立国を主張し、ユダヤ人側との全面対立に終わった。 イギリス、パレスチナ独立国家樹立を約束する白書を提出し、アラブ側に歩み寄りの意を示す。しかしアラブ側はこれを拒絶。また、この白書はバルフォア宣言を白紙撤回する内容を持っていたため、ユダヤ人側はこれをイギリスの裏切りと見た。シオニズム運動の中で反英活動が活発化し、テロも頻発するようになる。 **1939年9月 第二次世界大戦勃発。ヨーロッパで本格的なユダヤ人虐殺(ホロコースト)が開始される。パレスチナのユダヤ人は連合国側についてナチス・ドイツと戦う(~1945年)。 アラブ人の蜂起は沈静化し、下火になった。パレスチナ人は方向を見失い、アラブ最高委員会の指導者アミーン・アル・フセイニーはベルリンに亡命し、「敵の敵は味方」という論理で、イギリスの敵であるナチスを支援。しかし、ナチスの敗北とともに、フセイニーの指導力も名声も地に落ちることとなる。 **1942年5月 アメリカのシオニスト大会、「ビルトモア綱領」を採択し、これが世界シオニズム運動の公式綱領として採択された。これは全パレスチナをユダヤ国家として独立させることを宣言し、移民と土地取得の自由を求めていた。 この大会の決定は、ユダヤ人が自分たちの後ろ楯として、イギリスからアメリカに乗り換え始めたことを意味した。 **1945年3月 イギリス政府の後押しで「アラブ連盟」成立。 **1945年8月 第二次世界大戦終了。ナチスによるユダヤ人大虐殺のことが明るみに出るにつれ、世界中の国々はユダヤ人が国を持つ権利を認めるようになる。