反反反デフレFAQ

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反反反デフレFAQ - (2009/11/10 (火) 23:46:03) の編集履歴(バックアップ)


池田信夫氏のデフレFAQについて、反論したい内容は山ほどあるのですが、ここではとりあえず事実から簡単に反証できるものだけを掲載します。

Q1. デフレはよくないのではないか?

A1. デフレもインフレもよくない。どちらも起こらないように金融調節することが中央銀行の役割だが、物価はグローバルな要因でも決まるので、中央銀行が 100%コントロールすることはできない。ここ1年でFRBのバランスシートは3倍以上になったが、インフレは起こらなかった。

「インフレは起らなかった」とされる根拠(インフレの定義)が不明ですが、FRBがインフレの判断に用いているコアCPI(All items less food and energy; 下のグラフの赤線)では、この1年間ずっと1〜2%の間で安定したマイルドインフレを示しています。



問題となるのは市場が予測する期待インフレ率(ブレークイーブンインフレ率)で、一時はマイナスに突入する恐れがありましたが、みごとに2%程度に上昇しています。このデフレ予測の払拭こそがFRBの意図したところであり、デフレに陥るのを防ぐというその政策目的は見事に達成されたと言えるでしょう。



原油価格も含めた総合CPI(グラフの青線)は、一昨年来の原油価格の急騰と急落から現在マイナスとなっていますが、輸入物価は国内の金融政策で動かせないものですから、金融政策の目標とはなり得ません。



Q4. 日銀が「4%のインフレを15年間続ける」と宣言すればインフレが起こるのでは?

A4. この話はクルーグマンも撤回した。前述のようにゼロ金利状況では日銀がインフレにする手段をもっていないので、インフレを宣言しても信じる人はいない。

まず、リンク先に書かれている内容(ゼロ金利で短期債をいくら買っても緩和効果がない)というのは、クルーグマンが10年前の論文に書かれた内容と全く同じもので、何ら新しい内容を含んでいませんし、主張が変わってなどいません。
http://d.hatena.ne.jp/koiti_yano/20090304/p1

そして、現在のクルーグマンの考えについては、挙げられた2009年2月のブログより後(2009年5月)に、クルーグマン自身がインフレターゲット政策の主張を繰り返しています。




Q7. 欧米の中央銀行は通貨供給を大幅に増やしたのに、日銀はほとんど増やしていないのでは?

A7. 欧米で通貨供給が増えたのは、銀行の資金繰り支援や資本注入などのプルーデンス政策。邦銀の危機は幸いそれほど大きくなかったので、日銀の通貨供給はそれほど増えなかった。

英国中央銀行(BOE)は、はっきりと「インフレ率の低下を防ぐために通貨供給を行う」と述べています。


政策金利引下げだけでは中期的にCPI上昇率が目標の2%を下回る大きなリスクが依然残ると判断し
た。従って、マネーサプライとクレジットを拡大させ、これにより中期的なインフレ目標を達成できる
水準に名目支出の伸び率を押し上げることを目的に、一段の金融措置を講じることを委員会は併せて決
議した。

これを受け、また総裁と財務相との間で最近交わされた金融政策目的での資産買い入れファシリティー
(APF)の利用に関する書簡を踏まえ、委員会は英中銀がまず、750億ポンドの資産を買い入れる
ことで合意した。


名目金利がほとんどゼロで、非常に低い物価上昇のリスクが重大である時にはイングランド銀行は、貨
幣の量を増加させます。

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