ラオスが転送したのは、神奈川県真鶴町にあるDECの別荘(現瓦礫で出来た廃墟)だった。
DEC「もうそろそろ僕の荷物が転送される筈なんだが」
「ブーッ」
DEC「おお、デカブツが来た」
DEC「まあ運よく電気も水も電波も通っているし、幸いプロパンガスのボンベも残ってるし、ご飯作るか」
DECは一人、廃墟の中で調理をしている。
もう今は、壁がぶち抜けて、屋根が無い軍艦島みたいな遺跡には誰も立ち入らない。
DEC「……魚が無い…釣りに行くか…」
check home日本支部 中央建屋
DECが海鮮丼を食べていたその頃、東京湾近くの建屋に、一人の女がいた。
城ヶ崎「ゲフッ…ゲホッ…」
岡「大丈夫ですか?」
城ヶ崎「ええ…ただの後遺症だから」
城ヶ崎「『前回』の戦いで借りを作った…返さないとね」
一年前 哺乳類研究所
城ヶ崎「困るなぁ~、あなたたち量子力学研究員が環境を破壊する事で、どれ程影響が出るか」
DEC「馬鹿だな…まずあんたらの排ガス削減は意味がない。というかあんたらがデングを潰せない時点でもうすでにヤバいと思うのですが」
ー城ヶ崎が、グロック18を構え、こちらに向けてきたー
城ヶ崎「黙れ」
城ヶ崎「環境破壊をする奴は構わず転す」
その思いきった連射速度で、DECは脇腹を貫かれた。
DEC「うぐぁ……!!」
DEC(傷が…ヤバいこのままだと…菌が……皆に…)
チッ…
「ブチュッ…シュ…」
DECは、持っていた杭で腹を刺した。最後の力を振り絞り、ショットガンを城ヶ崎の胸目掛けて全弾撃ち、反動で海に落ちた
津田「小川!」
城ヶ崎「ショットガンの癖に…連射出来るのは規格外だろ…」
津田が、そのテーザー銃を放った。
無数の電極針が刺さる。
津田「地獄に落ちろ!」
Mr.M「チッ…」
Mr.M「バスタァァァ…キャノン!!!」
Mr.Mが放った弾は壁で爆発し、建物を粉々に砕いた。
城ヶ崎「ガハッ…ゲホッ…」
ノルウェー海本部
津田「アイツ…護衛無しで大丈夫かな」
津田「清水と杉浦はちょっと日本にいる関係者に付いて調べてくれ」
20分後
杉浦「ありました!」
清水「日本の某新聞社の、元化学研究所所属の@暇人@という方がいます。」
津田「なんかアイツ釣り行ったみたいだよ!?羨ましい!」
畑(兼本部長室)
津田「小川に護衛を着けたいのだけど」
ledelse「アイツ日本に逃げたの?」
ledelse「ならいいよ」
畑が本部長室っていう謎設定w
DECのログハウス(ノルウェー海上)
YOIYAMI「DEC…いないとここに住むの有料になる…テレポートしないと…」
YOIYAMI「津田さぁん……」
津田「うおっ!?」
YOIYAMI「DECいないとここ有料になりますよ」
5年前 研究施設
城ヶ崎「知ってるんだよ…量子力学研究部が…」
城ヶ崎「核燃料を一日5キロ半も消費してるのだとか?」
DEC「どこでそんなこと…」
城ヶ崎「分かってるよね。寄付したら口止めしてあげても良いけど」
DEC「僕は一度も、核燃料とは言ってません。」
城ヶ崎「…ぶっ潰してやる」
5年前 DECの小屋(現廃墟)
テレビ
今夜のニュースです。3年前、神奈川県真鶴町の孤児院から銃声が聞こえたと近隣住民からの通報があり、十数人が…
DEC「ん?」
DEC「あれは?人?」
YOIYAMI「かくまって…」
DEC「え?」
YOIYAMI「あの孤児院の生き残りで…どういう訳か…」
DEC「襲ってきたのですか?」
DECの小屋(真鶴)
「ブオオォォ~~ッ」
DEC「なんか来た!びっくりさせないで下さいよもう」
津田「有料になるって言ったのお前」
DEC「あ、そうだったな」
ーその時、ピンポン、とうるさくチャイムが鳴り響いたー
DEC「インターホンも生きてましたか…どうぞ」
暇人「どうも、暇人という者です」
DEC「ああ、お話はうかがっております。Decomposersです」
DEC「今日はもう皆寝て下さい」
2時間後
DEC「おう、トイレはそっちだよ」
津田「お前…寝てないのか?」
DEC「おう…いつあいつ等が襲って来てもおかしく無いからな」
ーDECの左手首には裂け目があり、そこからは灰色と緑が混ざった様な色の液体が出ていたー
津田「お前!?」
DEC「見てくれ」
ーDECが粉状の黒いモノを刷り込むと、液体は結晶化して、柱状になった。それをダーツを投げる感覚で樹に向かって投げると、樹はみるみるうちに腐食していったー
DEC「グロいのは無理か…ごめんな」
津田「カビ、手首に植え付けられたんだな」
津田「いいかよく聞け」
津田「今check homeは独立国家になろうとしてる。本部長が国王に、もしかしたらお前は大臣になるかも知れない。くれぐれも、気を付けろよ」
DEC「間抜けすぎる冗談だな」
ーじゃあこれを見ろ!と言わんばかりに津田が見せたものは、ノルウェー王国大使館のホームページだったー
DEC「そんなに重要な時にどうして俺の所に来たんだよ! 聞いてない! 有料になる?そんなこと事情を俺に言えばいいのに! とにかくYOIYAMI 連れて帰れ!」
津田「それがな、ラオスにも本部長にも清水にもエリート組の皆にもに連絡がつかない」
DEC「何か起きてるな」
後編へ続く…
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