「雨」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

- (2012/05/05 (土) 19:41:37) の編集履歴(バックアップ)


雨には二つの音がある。そう元彼がいっていたのを、英語の模試の過去門を解きながら思い出した。「rain」という単語について、発音の記号問題がでてきたからである。
そういえば、とおもって外の風景を眺めてみた。来たときとはまったくといっていいほどにまで正反対な雨模様であった。土砂降りである。ガラスのすぐ向こうにある花や草が強くうたれているのが見える。音楽を聴きながら勉強をしていたので気が付かなかった。耳元ではPeopleInTheBoxのヴォーカル、波多野さんの残酷でやさしい声が響いている。ちょうど「月曜日/無菌室」のあの静かなところであった。
今日はさすがに雨は降らないだろうと、タカをくくって自転車で外へとくりだしたことに後悔した。きっとわたしの自転車も、あの花や草と同じように雨に打たれているのであろう。
ため息をださずにはいられない。「はぁ」と力なく息となにかが、わたしの内側から飛び出て行った。元彼が「ため息というものはつらいときにでるのだから、きっとあの幸せが逃げるというのが嘘で、本当はつらい成分がでているのだ」なんて理由つけてため息ばっかりついていたっけか。そのくせわたしがため息をつけば「かわいくないからやめてくれ」なんて自分勝手なことをいっていた。
雨の日にわかれば話をしかけたからか、雨の日には元彼のことをよくおもいだす。