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    <title>BASARAロワ @ ウィキ</title>
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    <description>BASARAロワ @ ウィキ</description>

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    <title>シーモア、一策を講じる</title>
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    <description>
      **シーモア、一策を講じる　 ◆Wv2FAxNIf.


　今のティーダにとって、シーモアは脅威足りえないはずだった。
　倒す都度復活と強化を果たし道を阻んでくるシーモアは厄介ではあったが、ティーダの成長速度はそれを遥かに上回る。
　まして最強武器の一角のアルテマウェポンを手に入れた後となっては、軽く一蹴してしかるべき相手である。
　不完全とはいえ大技エース・オブ・ブリッツも決まり、本来であればとうに決着がついている戦いだ。

　だがシーモアはまだ立っている。
　どころかまだこれからとでも言うように、余裕の表情を浮かべている。

「グアドサラムでもこうはいくまい。
　まるで私の為に用意されたかのようだ」

　人とのハーフではあるが、シーモアはグアド族だ。
　その土地に異界を擁する彼らは幻光虫の扱いに長け、幻光虫で構成される魔物を使役した戦いを得意とする。
　幻光虫で満たされた異界で真価を発揮する種族と言える。
　その部族を治める長であるシーモアにとって、この「東京」は考えうる限りで最高の環境だった。
　仮初めの住民たちは幻光虫で形作られ、死人（しびと）のように街中を徘徊している。
　彼らを消滅させればさせるほど気体中の幻光虫の濃度は高くなり、シーモアの一部として吸収される。

　そして魔物を活性化させる空気が、この土地にはあった。
　それがニル＝カムイという土地と酷似したものであることは、ティーダもシーモアも知るよしもない。
　唯一気付く可能性のあるスアローもそうした知識に疎く、気付くことはなかった。

「ここで死ねば、苦しみから解放される。
　父親を殺すことに悩むこともなくなるのだ。
　私はお前もお前の父親も救ってやろう」
「いちいち！！　うるっせえっての！！！」
「ちょっと、僕がちっとも会話についていけてないんだけど！
　何でそんな物騒な話をしてるのかな！？」

　ティーダと並ぶスアローはこの状況でなお緊張感がない。
　或いは「持てないのではないか」とさえ、ティーダには思えた。
　シーモアは未だスアローに関心を見せる様子はなく、会話の矛は絶えずティーダへ向いている。

「私が父ジスカルを殺めた時もそうだった。
　あの男も、過去に己が犯した罪に苦しんでいたのだ。
　私はそれを解放したまでの    </description>
    <dc:date>2017-11-20T00:56:29+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/basararowa/pages/31.html">
    <title>望まぬ再会</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/basararowa/pages/31.html</link>
    <description>
      **望まぬ再会　 ◆Wv2FAxNIf.


　ある程度走ったところで、黄天化は足を止めた。
　片腕は肩に担ぎ上げたルルーシュを支えるのに塞がっているが、残る一方の手で器用に莫耶の宝剣を操って四方の死体の群れを片付ける。
　そして手近な死体を踏み台にして跳躍し、街灯の上へ飛び乗った。

「っちゃー……わり、見失っちまったさ」
「何だと！？」

　肩に担がれた姿勢のまま、ルルーシュがキャンキャンと騒ぎ出す。
　予想通りの反応だったので、天化はそれを軽く受け流し、代わりに周囲の様子を観察した。
　黒衣の男を見つけるのは早々に諦め、代わりに死体の群れの方を注視する。

　相変わらず死体の群れは多いが、一時ほどの密度ではないように思われた。
　この「東京」全域に手を広げるべく、拡散していったためだろう。
　胸の悪くなる話ではあるが、死体たちの服装などを見るに元は街の住人だ。
　それは街の人口以上の群れにはならず、無限に増え続けるものでもないということだ。
　道端には天化が斬ったものとは別の死体も多数転がっており、全ての住人が群れになったというわけでもないらしい。

　また、先程までと少々状況が変わったことに気付いた。
　街灯の上などその場しのぎの逃げ道に過ぎなかったのだが、死体の群れが追いすがってくる様子がないのだ。
　少々遠巻きに、何体かが様子を窺っているように見えるだけだ。
　それは放送局の中で、群れが天化らを積極的に殺そうとしてこなかったことと無関係ではないように思えた。

「連中はどーにもやる気が足りねぇみてえだったけど、赤い剣のあいつだけは本気でオレっちたちを殺しにきてたさ。
　んで、こいつらはまたやる気なしときた。
　どういうことさ？」
「それは。……。
　あの剣を手に入れるのが先だ！！」
「ほんっっと役に立たねぇさあんた！！」

　黒衣の男は既に影も形もなく、行き先の手がかりもない。
　頭脳労働の面に関して頼みの綱ともいえたルルーシュはこの有様である。
　天化はやむなく、一人で今後の方針を思案する。

「……しゃーない。
　どっかでちょいと休んだら、また捜すさ」
「そんな悠長なことを！」
「あんた一人じゃあいつは捕まえられっこないって分かってるはずさ。
　オレっちだって無理はしたか    </description>
    <dc:date>2017-11-20T00:57:17+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/basararowa/pages/30.html">
    <title>竜殺しを探して</title>
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    <description>
      **竜殺しを探して　 ◆Wv2FAxNIf.


　空の黒煙の合間を縫いながら、二つの歪な影が通り過ぎていく。
　一つは人型でありながら翼を持った白いKMF、ランスロット・アルビオンである。
　七メートルにも及ぶその巨体は、そこにあるだけで空を圧迫していた。
　そしてもう一方は同じく翼を生やした、犬のような姿のつながれもののヴァルだった。
　ランスロットに比べれば小さいが、人ひとりを丸ごと飲み込めるだけの巨躯を持ち合わせている。
　その上にヴァルと繋がれた少女・エィハ、それに巨漢の黄飛虎を乗せているため、シルエットはますます奇妙なものになっていた。

　ランスロットが先行し、目指すのはルルーシュが消息を絶った九段下だ。
　そこに向かう道中、そのパイロットである枢木スザクは少々困惑していた。
　集音マイクと外部スピーカーでエィハらと会話しながら進んでいたのだが、いつからかスザクの耳にはすすり泣きが聞こえてきている。

「そ、そいつぁ……悪いこと聞いちまったなぁ……うっ」
『ど、どうして飛虎さんが泣くんですか……？』
「バカ野郎、これが泣かずにいられっか！」

　飛虎が熱の入った様子で反論してくる。
　初対面の印象通りの人柄だった彼は、誰に聞かれるでもなく自分の素性について語り始め、そしてエィハとスザクにも尋ねたのだ。
　どこから来たのか、どんな生活をしていたのか、家族はどうしているのか――と。
　結果、飛虎は泣き出したのであった。

「オレんとこは家族が多くてよ……こういう話に弱えんだ……」
『あの、僕は気にしてませんから。
　エィハもそうだろ？』

　スザクは黙ったままでいるエィハに水を向けた。
　エィハとは短い付き合いだが、ドライで達観しているようにすら見える彼女が動じているとは思えなかったからだ。

「そうね。いないのが当たり前だと思っていたから」

　スザクが思っていた通りの乾いた反応があった。
　何とも思っていない――スザクは彼女に家族がいないことではなく、それ自体に無関心であることに胸を痛めた。

　家族がいないのはスザクも同じだ。
　元より一人っ子で、幼い頃に母を亡くし、父が死んだのももう随分前のことになる。
　しかし、少なくともスザクが父を失ったのは自業自得だったのだ。
　誰の    </description>
    <dc:date>2017-07-15T22:59:44+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/basararowa/pages/29.html">
    <title>スアロー・クラツヴァーリの場合</title>
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    <description>
      **スアロー・クラツヴァーリの場合　 ◆Wv2FAxNIf.


　焼け落ちた廃墟の煤けた屋上に、二人の男。
　一人は柵を乗り越えて、落下する危険など気にも留めない様子で縁に腰掛けていた。
　一人は屋上の真ん中で、両足を投げ出すようにして座り込んでいる。
　縁に座るのは細身の少年、ティーダ。
　中心にいるのがスアロー・クラツヴァーリという青年である。

　二人はともに金髪碧眼、話し方も緊張感の薄いものではあったが、似た者同士とは言えなかった。
　身軽さを武器にしたティーダに対し、黒い鎧を着込んだ重装備のスアロー。
　日焼けしたティーダが太陽に好かれているのだとすれば、色白のスアローは太陽に嫌われているのかも知れない。

　ティーダとスアローは似ていなかった。
　否、スアローと似ている者など、どこにもいないのである。

　とはいえお互い単独行動に向かない性質を自覚していることもあり、一緒に行動することで同意した。
　そしてまずは魔素の消耗で休養を必要としていたスアローの為、還り人に追い回されながらようやくここに腰を落ち着けたのだった。

　ひび割れた、今にも砕け散りそうな脆い空に浮かぶ雲が、ゆっくりと移動していく。
　地上から立ち上っていた黒煙は次第に薄れていく。
　焼かれていた周囲の建物には、もう燃えるものが残っていないのだろう。
　燃えていく。壊れていく。自分が触れるまでもなく。

　沈黙の中、漫然と浮かんでいたスアローの思考を、か細い旋律が破った。

「♪――――」

　それを耳にしたスアローは立ち上がり、ティーダが座る屋上際に近づく。
　上手いとは言えない鼻歌だった。
　だが異国の響きのあるそれに、スアローは耳を傾ける。

　スアローは音楽が好きだった。
　触れられないがそこにあるもの。
　スアローが触れて壊れてしまうものとは違う、触れられないが故に壊せないもの。
　あるいは、生まれるのと同時に壊れていくもの。
　その音色がふと途切れた。

「……何ッスか」
「いやぁ、邪魔するつもりはなかったんだ。続けて続けて」
「するわけないだろ」

　ティーダが頬を膨らますのが見えて、少年らしさを感じる。
　育ってしまったがもう育たないという少年の姿を、スアローはしげしげと眺めた。
    </description>
    <dc:date>2017-07-15T02:43:15+09:00</dc:date>
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    <title>光芒</title>
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    <description>
      **朱理は紅蓮の野に立つ　 ◆Wv2FAxNIf.


　眼下には、黒く蠢く亡者の群れ。
　それをモニター越しに睥睨しながら、紅月カレンは操縦桿を傾ける。
　先刻のように遠距離からの奇襲を避けるべく、真紅の機体の高度は極力下げ、ビルの合間を縫うように進んでいた。

「逃げ隠れしているみたいで、性に合わないわ」
「消耗は避けるべきだと、お前も納得しただろう」

　カレンが独り言のように呟いた声に、同乗している男が応えた。
　極めて狭いコックピットの中、操縦者に接触しないよう無理な姿勢を長時間強いているが、さして苦ではないようだ。
　そんなことよりも未知の乗り物への好奇が勝る――朱理はここにきてもなお、相変わらずの様子だった。

「操縦もそろそろ疲れてきたんじゃないか？
　いつでも代わってやる」
「ダメに決まってるでしょ！
　紅蓮は私にしか動かせないんだから」

　無駄な口論を交えつつ、進路は東へ。
　東京の中心部、死体の群れの発生源と思われる方角へと向かっている。
　そんな中、異変に先に気づいたのは朱理だった。

「……カレン、二時の方角だ」

　朱理の指示に素直に従いつつ、カレンは街の様子を注視する。
　そして、群れの流れに変化が起きていることに気づいた。
　東京の中心から外側へ向け、放射状に広がるように進軍していた群れの一部が、別の目標に向けて動いているように見える。

「何かいる……？」
「分からん。が、急げ」
「いちいち偉そうなんだから！」

　操縦桿をいっぱいに握り、紅蓮が速度を上げる。
　赤い流星のように軌跡を残しながら、死体の群れを追い越していった。

▽

　四道はひたすらに走り続けていた。
　軍師として、将として華々しく活躍してきた彼にはおよそ経験したことのない逃走だった。
　指揮する兵も弾薬の一つもないのでは、いかに戦い慣れた彼でも逃げる他になかったのだ。

　死体の群れの速度そのものは、そう速くはない。
　だが問題は、死体であるが故か彼らに疲労というものがないという点にある。
　疲れを知らず、補給すらも必要としない軍勢は決して止まることがなく、四道は早々に逃げ切れないことを悟った。
　息を切らして篭城に適した建物を探すが、それすら間に合いそうにない。
　こ    </description>
    <dc:date>2017-05-15T23:36:31+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/basararowa/pages/26.html">
    <title>英雄（ヒーロー）の条件</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/basararowa/pages/26.html</link>
    <description>
      **英雄（ヒーロー）の条件　 ◆Wv2FAxNIf.


　「〈竜殺し〉ではない」と宣告されて、その男は「その通りだ」と応えた。
　強大な力を受け継ぐ器などあるはずがない。
　次の時代を担うどころか、今の時代に無理矢理しがみついているだけの身だ。
　こんなところに招かれる謂われすらない。
　それでもできることがあるとするなら――

▽

　更紗は深く息をついた。
　突然の出来事の連続で、冷静になる時間が必要だった。
　剣を振り続けていた手も、まだ疲労と緊張で震えている。
　愛馬の夜刀も落ち着かない様子で部屋の中を何度も見回していた。

　更紗は数刻前に焼けたばかりの、石造りの建物の一室に身を潜めていた。
　地上三階にある部屋であり、街中に蔓延る死体の群れの目は誤魔化せているようだ。
　火こそ消し止められたものの焦げついた臭いは未だ強く、更紗が腰掛けている椅子にも炎が這った痕が残されている。

「タタラと言ったか。
　これからどうする？」

　赤い着物の男――アーロンと名乗った彼が、窓の外の様子を窺いながら問うてくる。

　状況を打開できたのは彼のお陰だった。
　何人斬っても次が湧いてくる、切り開いた道はその端から塞がれていく絶望的な事態の中で、彼はその剣をもって竜巻をつくりだした。
　比喩ではなく竜巻そのものを――人の身で災害を起こしてみせたのだ。
　その風は死体の群れは勿論、彼らが周囲の建物に放った火すらも消し飛ばす。
　余りの光景に、更紗は腰を抜かしかけた。

　だがそこで建物の中に逃げ込むという判断をしたのは更紗だった。
　群れを観察した限り彼らは道を進軍し、生きた人を襲い、家屋に火を放っている。
　同士討ちこそしないものの、決められた動作をしているだけに見えて知性は感じられない。
　これらから「既に焼かれた建物の中は安全なのではないか」と考えたのだ。
　少なくとも逃げ込む姿を見られなければ捜しにくることもないと推測し、アーロンが敵を一掃したタイミングを狙ってこの建物に転がり込んだ。
　彼らについての推論がどこまで合っていたのかはともかく、結果としてこうして一息つけたのだった。

「俺についてきたければ勝手にしろ。
　これ以上休んでいる暇はない。
　お前がいつまでもそうしていたいな    </description>
    <dc:date>2017-03-23T21:10:47+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/basararowa/pages/25.html">
    <title>婁震戒攻略</title>
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    <description>
      **婁震戒攻略　 ◆Wv2FAxNIf.


　ルルーシュの指示に従い、長い廊下を駆け抜ける。
　そうして二人は遂に目当てのスタジオに辿り着き、天化がその入り口を蹴り開けた。

　途端、視界が拓ける。
　行く手を阻み続けていた死体の群れが、ここにはいない。
　だが緊張は解けるどころかさらに高まった。
　入り口から十メートル以上進んだ先の撮影用スタジオに、一人の男が立っていたのだ。

　黒と赤の派手な仮面で顔の上半分を隠した、黒マントの男。
　ルルーシュと天化がいる入り口の方を向いてはいるが、仮面のせいで視線の先は判然としない。
　不自然なまでに目立つ姿の男を前に、天化は反射的に剣を構えた。
　目を凝らし、集中し、どんな動きにも対応できるよう足に力を籠める。
　だがその集中を、ルルーシュの声が破る。

「天化、その男は『違う』！」
「！！」

　天化が前面に絞っていた感覚を広げる。
　視線を左右に配り、耳を澄ます。

「…………そこさッ！！！」

　微かな空気の流れを肌で感じ取り、天化は振り向きざまに莫邪の宝剣を振り下ろした。
　ルルーシュの首筋めがけて伸びていた黒い影は、宝剣を避けて飛び退さる。
　影がそのまま天化たちから距離を取り、仮面の男の隣りで立ち止まったところでようやく、人の形を成して見えた。
　戦いに慣れた天化の目をもってしても、その男の気配は捉えがたかったのだ。
　対面で向き合ってなお、男の後ろの景色が透けて見えそうなほどに気配が薄い。
　ルルーシュと同様、その輪郭は淡く光って見えているというのに、それをまるで感じさせなかった。

「天化、助かった……」
「助かったのはこっちさ。
　俺っちだけじゃ騙されてた」

　仮面の男の隣りに並び立った、黒い皮鎧の男。
　顔は死体のように青白く、目の下の濃い隈が一層不健康な印象を強めている。
　天化は黒衣の男から仮面の男の方へ、ちらと視線を移した。
　輪郭の光はなく、よく見れば首を絞められた痕がある。
　恐らく、そこらにいた死体のうちの一体に目立つ衣装を着せて立たせていたのだろう。

「死体にこんなことができるってことは、あんたが親玉だな？」
「…………」

　黒衣の男は答えない。
　仮面の男と違って目元まで露わになっていると    </description>
    <dc:date>2017-09-13T02:20:46+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/basararowa/pages/24.html">
    <title>天凌府君、宣戦布告す</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/basararowa/pages/24.html</link>
    <description>
      **天凌府君、宣戦布告す　 ◆Wv2FAxNIf.


　テレビ局の非常階段。
　その道半ばで黄天化は細く、煙草の煙を吐き出す。
　煙の行先を目で追えば、晴れ渡った青空が見えた。
　まだ途中階とはいえ二十階建ての建物だけあって、地上から見上げた時よりも視界が拓けている。
　ぼんやりと過ごすには悪くない天気だった。
　下さえ見なければ。
　自身の足元に広がる死体の残骸も、街を覆った死体の群れも見ぬふりをしていられれば、悪くない天気と言えた。
　もっとも、どの道むせかえるような独特の臭気までは誤魔化せず、天化はもう一度、溜め息とともに煙を吐くのだった。

　建物の最上階を目指すことになってから暫し経つが、道は遠かった。
　二十階分の階段も、道を塞ぐ死体の群れも、天化一人なら大した障害にはならなかったはずだ。
　だが今は同行する少年――最上階に行きたいと言い出した張本人、ルルーシュと歩調を合わせる必要があった。

　天化の煙草が燃え尽きかけた頃、ルルーシュはようやく追いついてきた。
　初めのうちこそテレビ局やビデオカメラというものについて天化に語って聞かせていた彼だが、その余裕は見る影もない。
　肩で息をしている彼に、天化はチラと目を向ける。

「あんた、ひょっとしなくてもすげー運動音痴さ……」
「お前みたいな……体力馬鹿と、一緒にしないでくれ……」

　ルルーシュの額には汗が浮き、足は少し震えている。
　その様子は演技には見えない。
　だが彼をおぶって進んだ方が早いと分かっていても、天化はルルーシュと一定の距離を保ち続けていた。
　ルルーシュの足音が途切れず追ってきていることだけ確かめつつ、天化はまた歩を進める。

　ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア――数分前に出会ったばかりのこの少年について、天化は未だ信用できずにいた。
　出会ってすぐに起きた自身の記憶の欠落が、ルルーシュによって引き起こされたものなのではないかという疑いが拭えない。
　しばらくの間は協力することにしたものの、気を許せない。
　それ故に天化は振り向かないまま、探るように声をかけた。

「……そういや、さ。
　あんた王様なのか？」
「〈喰らい姫〉にあれを見せられた以上、隠しても無駄だな。
　確かに俺は、神聖ブリタニア帝国の皇帝だ」
    </description>
    <dc:date>2016-11-15T03:23:11+09:00</dc:date>
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  </item>
    <item rdf:about="https://w.atwiki.jp/basararowa/pages/23.html">
    <title>持つ者と持たざる者</title>
    <link>https://w.atwiki.jp/basararowa/pages/23.html</link>
    <description>
      **持つ者と持たざる者　 ◆Wv2FAxNIf.


　明日は運命の日。
　タタラにとって、赤の王にとって、それに浅葱にとって――日本に住む全ての民にとっての、運命の日。
　これが最後の夜になるのかも知れない。
　そう覚悟して眠りについたというのに、浅葱は無粋な夢を見ることとなった。

「汝は〈竜殺し〉ではない」
「……あっそ」

　巨大にして強大、超常の存在である〈赤の竜〉の前に立たされた浅葱は素っ気なく返した。
　相手が〈竜〉であろうと、今の浅葱にとっては余計な横槍でしかない。
　ましてその第一声が否定の言葉で始まったとあっては、浅葱の神経を逆撫でるに充分だった。

「で、〈竜殺し〉って？」
「我の力を継承するに足る器を持つ者。
　次の時代を担う者と言い換えてもいいだろう」
「……僕にはその器がなかった、ってわけ」

　足りない、選ばれない、望まれない。
　心・技・体のうち「技」しか備わらぬと言われた時と同じだった。
　そして同時に、分かる。
　自分は選ばれなくとも――「あの二人」は選ばれる。
　これは夢に過ぎないはずなのに、確信していた。
　あの二人もこれと同じような夢を見て、〈竜殺し〉と宣告されているのだろう。

「だったら、その足りない僕に何の用があるわけ？」
「汝は〈竜殺し〉ではない。
　だが資格はある」

　〈竜〉は語る。
　世界を変える、時代が変わる。
　しかしそれらの言葉を聞きながら、浅葱は思う。



ああ


なんて


くだらない――――



▽

　参加者の名簿、それに適当に調達した地図を片手に、浅葱は雑踏の中を歩いていた。
　人混みは嫌いだ。
　だが誰もいないような田舎も嫌いだ。
　浅葱にとっては好きと言えるものの方が希少で、人も、土地も、食事も、状況も、嫌いなものばかりである。
　〈竜〉や〈喰らい姫〉に振り回される現状も当然、最悪と言っていい。
　ましてしつこく付きまとってくる者がいるとなれば、浅葱の心はますますささくれ立つのだった。

「浅葱さん！！
　待って下さい、話だけでも……！」
「うるさいなあ。
　聞きたくないって言っただろ」

　白い着物に、海のような深い瑠璃色の袴の女性だった。
　歳は浅葱と同じか少    </description>
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    <title>The First Signature</title>
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      **The First Signature　 ◆Wv2FAxNIf.


　東京という舞台の中心部にて、婁震戒が目覚めて最初に行ったのが虐殺だった。
　手にした妖刀・七殺天凌の乾きを満たすために、通りかかった者を何人も、何人も、老若男女の区別なく斬り刻んだ。
　白昼堂々と行われた殺人であったが、他の通行人は無表情で通り過ぎて行く。
　黒衣を纏った仮面の男もまた表情を変えることなく、犠牲者を増やし続けた。
　そして永遠に続くかに見えたその行為が、不意に止まる。

「喰い応えは如何でしたか、媛」

　婁は唇も舌も動かしていない。
　しかし彼の思念は、愛し人に確かに届いていた。

『ならんな、腹の足しにもならん。
　外見こそ人の姿を模しておるが、魂も魄も宿ってはおらぬわ』

　とろけるような艶然とした声が婁の脳を揺らす。
　声の主は、刀。
　男と妖刀は、こうして念ずることで互いに会話を成立させているのだ。

「〈喰らい姫〉が言った通り、夢……ということでしょうな」
『うむ。我らと同じ立場にある十九人を除けば、紛い物の木偶に過ぎんようだ』

　婁は足下の死体に見向きもしなかった。
　七殺天凌の欲求を満たせなかった者たちには、既に興味を失っている。

「媛にふさわしい供物を用意する前に、少々お時間を頂戴します」
「許す。代わりに、存分にわらわを満たすがよい」
「ええ、必ずや……」

　魂を食らうこの剣を悦ばせること、それだけが婁の目的なのだ。
　婁は血を滴らせた剣をうっとりと見つめ、その美しさに酔いしれた。

▽

　微睡んだ意識を現実へ引き戻す、携帯への着信。
　通話口から聞こえてくるのは、よく見知った男の狼狽した声。
　手荒い目覚ましによって少年が意識を取り戻した場所は、都心部に位置するテレビ局だった。
　彼にとって馴染みのある、少々騒がしい新人アナウンサーの姿は――ない。
　そもそもテレビ局の名前も、彼が記憶していたものとは異なる。
　ここはトウキョウ租界ではないのだと、彼はすぐに理解した。
　電話先の男との会話で現状を把握しながら、寝起きの頭をはっきりさせていく。
　そして少年――神聖ブリタニア帝国第九十九代皇帝、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアは行動を起こしたのだった。



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